JP2593716B2 - 切削角可変鉛筆削り - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明の切削角可変鉛筆削りは、切削刃を用いた鉛筆
削りに関し、更に詳しくは、一枚の切削刃を持つ一個の
鉛筆削りで、鉛筆を数種類の異なる切削テーパー角に削
れる調節機能を持った、高付加価値を有する鉛筆削りに
関するものである。

［従来の技術］ 鉛筆削りは、鉛筆芯の強度や軟度によりその適当な切
削テーパー角が異なる。即ち、芯の柔らかい鉛筆や芯の
もろい色鉛筆等は、切削テーパー角を大きくしなければ
削りにくい。然るに現在市販されている鉛筆削りは、一
個の鉛筆削りで一種類の固定した切削テーパー角しか削
れないため、第１図に例示したようなＡ、Ｂ、Ｃ、Ｄ、
Ｅ等、数種類の切削テーパー角の異なる鉛筆を削ろうと
すれば、数個の切削テーパー角の異なる鉛筆削りが必要
である。

［発明が解決しようとする課題］ 本発明の切削角可変鉛筆削りは、第１図に例示したよ
うなＡ、Ｂ、Ｃ、Ｄ、Ｅ等多種類の切削テーパー角の異
なる鉛筆を、一個の簡単な構造を持つ鉛筆削りで削り上
げられる調節機能を持った、低価格で高付加価値を有す
る鉛筆削りを提供することを目的とする。

なお、第１図にＡ、Ｂ、Ｃ、Ｄ、Ｅ等五種類の切削テ
ーパー角の異なる鉛筆を例示したが、これは本発明の鉛
筆削りを例示した五種類の切削テーパー角に限定するの
ではなく、調節できる切削テーパー角を五種類以下にす
ることも、または五種類以上にすることも可能であり、
更に無段階に調節することも可能である。

［課題を解決するための手段］ 本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ね、
一個の鉛筆削りの鉛筆挿入角を可変にし、鉛筆削りの切
削テーパー角を調節できるようにして、鉛筆を第１図に
例示したような、異なる数種類の切削テーパー角に削り
上げることができる、低価格で高付加価値を有する鉛筆
削りを開発するに至った。

即ち、本発明の切削角可変鉛筆削りは、鉛筆挿入孔と
該鉛筆挿入孔内に切刃を露出させた一枚の切削刃とを持
つカッターユニット、及び、該鉛筆挿入孔に鉛筆を案内
する鉛筆入口を持つケースを有する鉛筆削りにおいて、
カッターユニットの回動機構又は位置の異なる複数の鉛
筆入口、或は位置可変の鉛筆入口等によって、該ケース
の側面に設けた鉛筆入口と該切削刃との位置関係を、該
切削刃の平面に対して垂直方向に相対的に変化させるこ
とにより、該切削刃に対する鉛筆挿入角を、変更しうる
構成にしたことを特徴とする切削角可変鉛筆削りであ
る。

［実施例］ 以下実施例に基づいて、本発明の切削角可変鉛筆削り
を更に詳細に説明する。なお、図面は本発明の鉛筆削り
を理解し易くするため、必要な部分以外は簡略化して図
示している。

本発明の切削角可変鉛筆削りの第１実施例を第２図〜
第４図に示す。該鉛筆削りのカッターユニット５は、削
り屑を収納するケース２に嵌合するカッターユニットの
回動支持軸６と、バネ８及びケースの蓋部１に形成され
たカム４等の手段で、ケース２の蓋部１を回動させるこ
とにより、カッターユニット５を左右に回動させること
ができる。カッターユニット５の鉛筆挿入孔10と、ケー
スの鉛筆入口３の相対的な位置は、カッターユニット５
が左右に回動することによって該切削刃の平面に対して
垂直方向に相対的に変化する。

カム４で一番強くカッターユニット５を押す位置に蓋
部１を回動させた時は、鉛筆切削刃に対する鉛筆挿入角
が大きくなり、第１図に例示されたＡの切削テーパー角
に鉛筆を切削できる。又、カム４で、一番弱くカッター
ユニット５を押す位置に蓋部１を回動させた場合には、
鉛筆切削刃に対する鉛筆挿入角が小さくなり、第１図に
例示されたＥの切削テーパー角に、鉛筆を切削すること
が出来る。

即ち、蓋部１を回動させることにより、鉛筆切削刃に
対する鉛筆挿入角を、大から無段階に小にすることが出
来る。この鉛筆挿入角調節手段により、鉛筆切削刃に対
する鉛筆挿入角を、無段階に変化させて、鉛筆を第１図
に例示されたＡの切削テーパー角から、Ｅの切削テーパ
ー角まで無段階に変化させて、鉛筆を異なる切削テーパ
ー角に切削することが出来る。

又、上記の鉛筆挿入角の無段階の変化を例えば五段階
にセットすれば、第１図に例示されたようなＡ、Ｂ、
Ｃ、Ｄ、Ｅ等の、異なる切削テーパー角に鉛筆を削り上
げることも可能であり、三段階にセットして上記のＡ、
Ｃ、Ｅ等の異なる切削テーパー角に、鉛筆を削り上げる
ことも可能である。

又、上記以外の複数の段階にセットすることも可能で
あり、多種多様に設計することが出来る。

なお、第１図は本発明切削角可変鉛筆削りの効果を説
明するため、五種類の切削テーパー角の異なる鉛筆を例
示したものである。第２図は本発明の切削角可変鉛筆削
りの第１実施例の斜視図、第３図は鉛筆削りのＧ−Ｇ′
断面図、第４図は鉛筆削りのＦ−Ｆ′断面図である。

第５図〜第７図に示された図面は、本発明の切削角可
変鉛筆削りの第２実施例を示す図面である。該鉛筆削り
のカッターユニット５は、その鉛筆挿入孔10が横長の長
円形で示すケース開口７と整合するように位置決めし
て、削り屑を収納するケース22内に固定されている。

一例として夫々四角形で示す、削り屑収納ケースの蓋
部11と削り屑収納ケース22は、上下方向に着脱自在に嵌
合される。削り屑収納ケースの蓋部11の四側面のうちの
例えば三側面の夫々異なる水平方向位置に、鉛筆入口33
a、33b、33cが設けられている。

この例では、蓋部11を90度宛水平回転させて、ケース
22に装着すると、カッターユニット５の鉛筆挿入孔10と
の相対的な位置が、三種類の異なる切削テーパー角に変
化するように設計されている。

従って、鉛筆入口33a、33b、33cのうちの、所望の切
削テーパー角に対応した鉛筆入口を有する側面を、ケー
ス22のケース開口７に対応させて、蓋部11を装着させる
ことにより、鉛筆切削刃に対する鉛筆挿入角を変更する
ことが出来るので、鉛筆を第１図に例示したＡ、Ｃ、Ｅ
等の異なる切削テーパー角に削ることが出来る。

なお、第５図は、円形の鉛筆入口33aがケース開口７
とカッターユニットの鉛筆挿入孔10との間に立ち塞がる
形となるので、横長の長円形のケース開口７の中で鉛筆
の挿入位置を実質的に右寄りに規制することとなって、
第１図に例示したＡの切削テーパー角に鉛筆を切削でき
る状態を示す。

第６図は、円形の鉛筆入口33bがケース開口７とカッ
ターユニットの鉛筆挿入孔10との間に立ち塞がる形とな
るので、横長の長円形のケース開口７の中で鉛筆の挿入
位置を実質的に中央に規制することとなって、第１図に
例示したＣの切削テーパー角に鉛筆を切削できる状態を
示す。

第７図は、円形の鉛筆入口33cがケース開口７とカッ
ターユニットの鉛筆挿入孔10との間に立ち塞がる形とな
るので、横長の長円形のケース開口７を実質的に左寄り
に規制することとなって、第１図に例示したＥの切削テ
ーパー角に鉛筆を切削できる状態を示す。

上記した本発明の切削角可変鉛筆削りの第２実施例
は、外観形状が四角の鉛筆削りケースを持った実施例に
ついて説明したものであるが、上記の外観形状に限定す
るものではない。又、その切削テーパー角を、第１図に
例示したＡ、Ｃ、Ｅに限定するものでもない。

即ち、鉛筆削りケースの形状は、円形、三角、四角、
五角、六角、七角、八角、及びその他の多角形、或いは
その他の形状等、多種多様に設計することが可能であ
る。

ケース22のケース開口７を横長の長円形に例示した
が、このケース開口７は縦長の長円形や、その他の形状
等、多種多様に設計してもよい。

又、上記した本発明の切削角可変鉛筆削りの第２実施
例は、カッターユニット５を、ケース22内に固定してい
る仕様の鉛筆削りについて説明したが、本実施例の切削
角可変鉛筆削りを、この仕様に限定するものではない。

［発明の効果］ 本発明の切削角可変鉛筆削りは、鉛筆挿入孔と該鉛筆
挿入孔内に切刃を露出させた一枚の切削刃とを持つカッ
ターユニットと、蓋部及び収納部を有するケースとより
なる鉛筆削りにおいて、該ケースの側面に設けた鉛筆入
口と、該切削刃との位置関係を、該切削刃の平面に対し
て垂直方向に相対的に変化させることにより、該切削刃
に対する鉛筆の挿入角を変更しうる構成にしたことを特
徴とする鉛筆削りである。

鉛筆削りは鉛筆芯の強度や軟度により、その適当な切
削テーパー角は異なる。即ち、芯の軟らかい鉛筆や芯の
もろい色鉛筆等は、切削テーパー角を大きくしなければ
削りにくい。然るに現在市販されている鉛筆削りは、一
個の鉛筆削りで、固定した一種類の切削テーパー角にし
か削れない為、第１図に例示したようなＡ、Ｂ、Ｃ、
Ｄ、Ｅ等、数種類の切削テーパー角の異なる鉛筆を削ろ
うとすれば、数個の切削テーパー角の異なる鉛筆削りが
必要である。

本発明の切削角可変鉛筆削りは、一枚の鉛筆切削刃を
持つ一個の鉛筆削りで、数個の一般市販の鉛筆削りに勝
る効果がある。

即ち、本発明の切削角可変鉛筆削りは、鉛筆削りとし
て、切削テーパー角を異なる多種類に調節できる高性能
を有し、更に機能的な楽しさや面白さ等が加わり、その
付加価値増大の効果は非常に大きい。

その上、本発明の切削角可変鉛筆削りは、画期的な機
能を持つ高付加価値を有する鉛筆削りを、低コストで大
量生産することが可能であり、その経済効果は非常に大
きい。

本発明の切削角可変鉛筆削りの、円形及び四角形の外
観を有する鉛筆削りを、基本的な実施例として例示した
が、本発明の切削角可変鉛筆削りの外観形態をこれに限
定するものではない。

即ち、本発明の切削角可変鉛筆削りは例示した形態以
外に、多種多様の形態に設計することが可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の切削角可変鉛筆削りの効果を説明す
る為、五種類の切削テーパー角の異なる鉛筆を例示した
ものである。 第２図乃至第４図は、本発明の切削角可変鉛筆削りの第
１実施例を示すもので、第２図は鉛筆削りの斜視図、第
３図は鉛筆削りのＧ−Ｇ′断面図、第４図は鉛筆削りの
Ｆ−Ｆ′断面図である。 第５図乃至第７図は、本発明の切削角可変鉛筆削りの第
２実施例を示すもので、第５図は第１図に例示されたＡ
の切削テーパー角に、鉛筆を切削できる状態にある切削
角可変鉛筆削りの斜視図、第６図は第１図に例示された
Ｃの切削テーパー角に、鉛筆を切削できる状態にある切
削角可変鉛筆削りの斜視図、第７図は第１図に例示され
たＥの切削テーパー角に、鉛筆を切削できる状態にある
切削角可変鉛筆削りの斜視図である。 １、11……ケースの蓋部 ２、22……ケース ３、33a、33b、33c……鉛筆入口 ４……カム ５……カッターユニット ６……回動支点 ７……第２実施例のケース開口 ８……バネ ９……切削刃 10……カッターユニットの鉛筆挿入孔

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】鉛筆挿入孔及び該鉛筆挿入孔内に刃部を露
   出させた板状の切削刃を有するカッターユニットと、収
   納ケースとよりなる鉛筆削りにおいて；該ケースに設け
   た鉛筆入口から挿入した鉛筆の軸線に対して該切削刃の
   板状刃面がなす角度を変更しうるように、該切削刃を有
   するカッターユニット全体と該ケースの鉛筆入口とを相
   対的に位置決め可能にしたことを特徴とする切削角可変
   鉛筆削り。
2. 【請求項２】鉛筆挿入孔［10］及び該鉛筆挿入孔内に刃
   部を露出させた板状の切削刃［９］を有するカッターユ
   ニット［５］と、収納ケース［２］とよりなる鉛筆削り
   において； 該ケース［２］に設けた鉛筆入口［３］から挿入した鉛
   筆の軸線に対して該切削刃［９］の板状刃面がなす角度
   を変更しうるように、該切削刃を有するカッターユニッ
   ト［５］全体を、カム［４］によって鉛筆入口［３］と
   の相対的な位置決めを可能にしたことを特徴とする切削
   角可変鉛筆削り。
3. 【請求項３】鉛筆挿入孔及び該鉛筆挿入孔内に刃部を露
   出させた板状の切削刃を有するカッターユニットと、収
   納ケースとよりなる鉛筆削りにおいて； 該ケース［22］の側面に位置を相互に違えた複数の鉛筆
   入口［33a、33b］を設け、該ケースに設けられた鉛筆入
   口の何れかと、該切削刃との対応関係を選択的に該切削
   刃の平面に対して垂直方向に変更するため対応する鉛筆
   入口を移動して、該切削刃に対する鉛筆の挿入角を変更
   する構成にしたことを特徴とする切削角可変鉛筆削り。