JP2591814B2 - 複合材製桁材の補強用繊維構造体およびその製造方法 - Google Patents

複合材製桁材の補強用繊維構造体およびその製造方法

Info

Publication number
JP2591814B2
JP2591814B2 JP1011033A JP1103389A JP2591814B2 JP 2591814 B2 JP2591814 B2 JP 2591814B2 JP 1011033 A JP1011033 A JP 1011033A JP 1103389 A JP1103389 A JP 1103389A JP 2591814 B2 JP2591814 B2 JP 2591814B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fiber
yarns
plates
yarn
plate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP1011033A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH01292162A (ja
Inventor
芳秋 酒谷
哲也 山本
西山  茂
哲朗 広川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shikishima Boseki KK
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Shikishima Boseki KK
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shikishima Boseki KK, Mitsubishi Heavy Industries Ltd filed Critical Shikishima Boseki KK
Priority to DE89301480T priority Critical patent/DE68907742T2/de
Priority to EP19890301480 priority patent/EP0329434B1/en
Priority to US07/310,976 priority patent/US5121530A/en
Publication of JPH01292162A publication Critical patent/JPH01292162A/ja
Priority to US07/760,308 priority patent/US5126190A/en
Application granted granted Critical
Publication of JP2591814B2 publication Critical patent/JP2591814B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Nonwoven Fabrics (AREA)
  • Woven Fabrics (AREA)
  • Looms (AREA)
  • Moulding By Coating Moulds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、複合材からなる桁材の補強用繊維構造体お
よびその製造方法に関し、更に詳しくは、宇宙機器や航
空機あるいは自動車やリニアモーターカー等の構成部品
として使用するのに好適な、捩り剛性の高い複合材から
なる桁材の補強用繊維構造体およびその製造方法に関す
る。
〔従来の技術〕
航空機の翼等の構成部品には、大きな引張荷重や圧縮
荷重が作用する。このような比強度が要求される桁材の
構成素材として、繊維強化樹脂複合材が使用され始めて
いる。そして、この種の繊維強化複合材製の桁材の形状
にはI形、H形、形、T形、あるいはL形等の横断面
を持たせる場合が多い。
そのような横断面を具えた複合材強化用の繊維構造体
として、実開昭62−79900号公報あるいは特公昭61−534
58号公報には、互いに直交するX軸、Y軸およびZ軸方
向に沿って繊維糸条を積層し、3軸配向型の立体構造を
具えた繊維糸条の積層構造体が開示されている。また、
特開昭62−117842号公報には、多層織物を開いて立体状
にしたI型状の基材が開示されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、上記のような補強部材を用いた在来の
桁材は、補強部材としてマトリックス中に配設される繊
維糸条の積層構造体が、繊維糸条の整列方向を互いに交
差させたいわゆる3軸配向型の三次元的な積層構造を具
えているに過ぎない。従って、繊維糸条の軸線方向に働
く引張荷重、圧縮荷重および曲げ荷重に対しては実用上
満足し得る強度を発揮するものの、桁材が長くなり、繊
維糸条の軸線方向と荷重の作用方向とが一致しない場合
すなわち捩り荷重が働いた場合には、強度が低下する。
このため桁材が変形し、例えば航空機の主翼や尾翼の主
桁として使用されているビーム等に、捩り荷重の担持不
能に起因する破損等が発生する。
本発明の目的は、従来の3軸配向型の三次元的な積層
構造を具えた繊維糸条の積層構造体を補強部材として使
用した繊維強化複合材製桁材で問題となっていた捩り剛
性の不足を解消し得る繊維構造体およびその製造方法を
提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の複合材製桁材の補強用繊維構造体は繊維糸条
により相互に交差状態で一体接合された少なくとも2枚
のプレートからなり、少なくとも1枚のプレートを除く
他のプレートが長手方向、横方向および垂直方向の3軸
3方向の繊維糸条によって構成され、前記少なくとも1
枚のプレートが、長手方向、横方向、及び垂直方向の繊
維糸条と、長手方向及び横方向の繊維糸条の配列方向に
対して筋かい状に斜行するとともに互いに交差する2方
向の繊維糸条とによって構成されている。要するに、少
なくとも1枚のプレートは5軸配向型の繊維糸条の積層
構造体となっている。
5軸の配列方向のすべてに繊維糸条を配列させるか、
そのうちのいずれかだけに配列させるか、また、各配列
方向の繊維糸条の割合については、製造すべき桁材、従
って繊維構造体に要求される強度の特性等の仕様に応じ
て、適宜変えることができる。
例えば、1つの態様としては、前記少なくとも1枚の
プレートは、長手方向、横方向、及び垂直方向の繊維糸
条と、前記筋かい状に斜行する2方向の繊維糸条とによ
って構成される。この場合、5軸配向である。
別の態様としては、前記少なくとも1枚のプレート
は、長手方向、横方向、及び垂直方向の繊維糸条のうち
のいずれか二つと、前記筋かい状に斜行する2方向の繊
維糸条とによって構成される。この場合、4軸配向であ
る。
さらに別の様態としては、前記少なくとも1枚のプレ
ートは、長手方向、横方向、及び垂直方向の繊維糸条の
いずれか一つと、前記筋かい状に斜行する2方向の繊維
糸条とによって構成される。これは3軸配向である。
また、本発明の複合材製桁材の補強用繊維構造体の製
造方法は、所要長さの糸条案内部材を垂直方向に、か
つ、製造する繊維構造体に適合した形状と設計密度に従
って配設し、繊維糸条を上記糸案内部材の間をぬって長
手方向、横方向に直交及び蛇行並びにそれらの混合を繰
り返して挿入し、かつ、この操作を垂直方向に所要数繰
り返して行い、次いで、糸条案内部材を抜き取って、そ
の荷き取り跡に垂直方向糸を挿通して繊維糸条の積層構
造体からなる複数のプレートを結合一体化させる方法に
おいて、上記プレートのうち少なくとも1枚のプレート
を形成するにあたり、繊維糸条を、長手方向、横方向、
及び垂直方向に加えて、長手方向及び横方向の繊維糸条
の配列方向に対して筋かい状に、上記糸状案内部材の間
をぬって斜行させるようにしている。
〔作用〕
交差状態で一体構造に接合された少なくとも2枚のプ
レートの内少なくとも1枚が、プレートの長さ方向およ
び横方向の繊維糸条の配列方向に対して筋かい状に斜行
するとともに互いに交差する2方向の繊維糸条を含む5
軸配向型の三次元的な積層構造を具えた繊維糸条の積層
構造体によって構成されていることにより、捩り荷重に
対する強度が向上する。すなわち、上記筋かい状に斜行
する繊維糸条が捩り剛性を高めるのに役立つ。したがっ
て、5軸の配列方向のうち、これらの筋かい状に斜行す
る繊維糸条以外の3軸については、仕様によっては繊維
糸条を省略でき、そうすることによって繊維構造体ひい
ては桁材の軽量化に寄与しうる。
〔実施例〕
第1図(イ)〜(ホ)は本発明に係る補強用繊維構造
体の横断面形状を例示しており、横断面図に斜線を付し
て表示したプレート(2)〔以下、第2のプレートと呼
ぶ〕は、5軸配向型の三次元的な積層構造を具えた繊維
糸条の積層構造体(2B)から構成されており、桁材に作
用する捩り荷重に対して高い捩り剛性を発揮する。一
方、上記第2のプレート(2)に対してほぼ直交するよ
うに一体構造をなして接合されたプレート(1)〔以
下、第1のプレートと呼ぶ〕は、3軸配向型の三次元的
な積層構造を具えた繊維糸条の積層構造体(1A)から構
成されており、桁材に作用する引張り荷重や圧縮荷重に
対して高い強度を発揮する。
以下、第2図乃至第9図に基づいて本発明の一実施例
としてI型の横断面図形状を具えた繊維構造体(3)の
製造要領とその構造を説明する。
今、第9図に示すように高さh、幅w、長さl、各部
分の厚さtのI型繊維構造体(3)を製作する場合、こ
のI型繊維構造体(3)を第2図に示すように横向きに
置いてH型繊維構造体(3)とみなし、このH型繊維構
造体(3)を、幅h、長さl、厚さtの平置された1枚
の板状部分すなわち第2のプレート(2)と、幅t、長
さl、高さ1/2(w−t)で、第2のプレート(2)の
表裏両面で、かつ幅方向の両側縁に全長に亘って立設し
た4枚の板状部分すなわち第1のプレート(1)とで構
成する。
上記I型繊維構造体(3)の形成に先立って、長さ約
wの第1の糸条案内管(G1)及び第2の糸条案内管
(G2)を所定の配設パターンに従って整列状態で立設す
る。この後、まず第2のプレート(2)の下側に位置す
る2枚の第1の積層構造体(1A1)(1A2)を第1の繊維
糸条(Y1)の積層によって構築し、次いで前記第2の積
層構造体(2B)を第4の繊維糸条(Y4)積層によって構
築し、更に続いて第2のプレート(2)の上側に位置す
る2枚の第1の積層構造体(1A3)(1A4)を構築する。
次に、両側に位置する上下の第1の積層構造体(1A1
(1A3)及び(1A2)(1A4)ならびにこれら上下の第1
の積層構造体の中間に位置する第2の積層構造体(2B)
部分に第2の繊維糸条(Y2)を貫通させ、一方、前記第
2の積層構造体(2B)の両側の第1の積層構造体と重な
る部分を除く部分に第5の繊維糸条(Y5)を貫通させ
る。そして、第2の繊維糸条(Y2)が引き上げられて第
1の積層構造体(1A3)(1A4)の表面にループを形成す
る度毎に、第3の繊維糸条(Y3)をかんぬき糸としてそ
のループに挿通し、第2の繊維糸条(Y2)のたるみをと
るとともに積層構造体を締めつける。同様に、第5の繊
維糸条(Y5)が引き上げられて第2の積層構造体(2B)
の表面にループを形成する度毎に、第6の繊維糸条
(Y6)をかんぬき糸としてそのループに挿通し、第5の
繊維糸条(Y5)のたるみをとるとともに積層構造体を締
めつける。このようにして、目的とするI型桁材の強化
基材たる繊維構造体(3)が形成される。
以下、本発明を更に詳細に説明する。
まず、第1の繊維糸条(Y1)を、例えば第3図(イ)
(ロ)に示す整列順序に従って第1の糸条案内管(G1
の配設区域に積層する。すなわち、第1の繊維糸条
(Y1)を、互いに直交するX軸とY軸によって繊維糸条
の整列方向を規定された第1の整列面(SA1)上でほぼ
水平に蛇行整列させることによって、第3図(イ)に実
線で示す第1の繊維糸条(Y1)の第1の整列層(LA1
を形成し、次いで整列層位置を第1の整列層(LA1)の
上段に位置する第2の整列面(SA2)に移し、第3図
(イ)に点線で示す第1の繊維糸条(Y1)の第2の整列
層(LA2)を形成する。この後、第1の繊維糸条(Y1
は、整列層位置を第2の整列層(LA2)の上段に位置す
る第3の整列面(SA3)に移し、第3図(イ)に二点鎖
線で示すように第1の繊維糸条(Y1)のY軸配向糸(LA
3)としてY軸方向に走行させる。第1の繊維糸条は、
この後、第3図(ロ)に示すように整列層位置を(S
A4)、(SA5)、(SA6)の順序に従って1段ずつ上昇さ
せることによって、実線で示す第4の整列層(LA4)、
点線で示す第5の整列層(LA5)、および二点鎖線で示
すY軸配向糸(LA6)として走行させる。
本実施例においては、第1の整列層(LA1)、第2の
整列層(LA2)あるいは第4の整列層(LA4)、第5の整
列層(LA5)を、第1の糸条案内管(G1)の2本毎にX
軸およびY軸に沿って整列方向が交互に変化する第1の
繊維糸条(Y1)によって形成し、また第3の整列層(LA
3)あるいは第6の整列層(LA6)を、2列に整列した糸
条案内管(G1)の間をY軸方向に沿って走行する前記第
1の繊維糸条(Y1)によって形成しているが、XY平面上
における第1の繊維糸条(Y1)の整列パターンは第3図
(イ)(ロ)に例示する具体例に限定されるものではな
く、繊維糸条の第1の積層構造体(1A)に要求される力
学的な特性に応じて任意に選択することができる。
第4図(イ)(ロ)に示す整列順序は他の実施例であ
って、第3図(イ)(ロ)のものに比べ、Y軸方向の配
向糸を倍増したものである。すなわち、第4図(イ)に
おいて、整列面(SA7)(SA8)に第1の繊維糸条(Y1
で整列層(LA7)(LA8)を形成する。続いて上記整列層
(LA8)の上にY軸方向の別糸(Y1′)を2本引き揃え
て、Y軸方向に、例えば、図面の上から下に走行させ
る。更に、この上面に、第4図(ロ)に示すように、上
述の第1の繊維糸条(Y1)で整列面(SA9)(SA10)に
整列層(LA9)(LA10)を形成し、最後に、下方に引き
出し端のある別糸(Y1′)を2本引き揃えてY軸方向に
上方に走行させる。以上の一連の動作を繰り返して所望
の繊維糸条の第1の積層構造体(1A)を得る。
第5図に示す整列順序は、Y軸方向の配向糸とX軸方
向の配向糸との配向割合を3:2とした実施例であって、
Y軸方向の3本の繊維糸条(a)、X軸方向の複数本、
すなわち糸条案内管(G1)の各ピッチ間に配した複数本
の繊維糸条(b)、Y軸方向で、かつ、側縁に配した1
本のかんぬき糸(c)を符号の順序
で、それぞれY軸方向、X軸方向に走行させ、この一連
の動作を繰り返して所望の繊維糸条の第1の積層構造体
(1A)を得る。
第6図に示す整列順序は、Y軸方向の配向糸とX軸方
向の配向糸との配向割合を1:1とした実施例で、Y軸方
向の2本の繊維糸条(a)、X軸方向の複数本、すなわ
ち糸条案内管(G1)の各ピッチ間に配した複数本の繊維
糸状(b)、Y軸方向で、かつ、側縁に配した1本のか
んぬき糸(c)、およびX軸方向で、かつ、端縁に配し
た1本のかんぬき糸(d)を、符号の順序
で、それぞれY軸方向、X軸方向に走行させ、この一連
の動作を繰り返して所望の繊維糸条の第1の積層構造体
(1A)を得る。
上記第1の繊維糸条(Y1)積層動作は、第2図に示す
ように、第2のプレート(2)を構成する繊維糸条の第
2の積層構造体(2B)の下側に位置する2枚の繊維糸条
の第1の積層構造体(1A1)(1A2)が所定の高さ(1/2
(w−t))になるまで、必要回数だけ繰り返される。
次に、第4の繊維糸条(Y4)を第7図(イ)(ロ)
(ハ)(ニ)(ホ)(ヘ)(ト)(チ)に示す整列順序
に従って第2の糸条案内管(G2)の配設区域に積層す
る。すなわち、第4の繊維糸条(Y4)、Y軸によって繊
維糸条の整列方向が規定された第1の整列面(SA1)上
でほぼ水平に蛇行整列することによって第7図(イ)に
実線で示す第1の整列層(LB1)を形成し、次いで整列
面を前記第1の整列面(SB1)の上段に位置する第2の
整列面(SB2)に移し、第7図(イ)に点線で示す第2
の整列層(LB2)を形成する。この後第4の繊維糸条(Y
4)は、第7図(ロ)乃至(チ)に示すように整列面を
(SB3)、(SB4)、(SB5)…(SB15)、(SB16)の順
序に従って1段ずつ上昇させることによって、繊維糸条
の整列方向がY軸、X軸、V軸、Y軸、X軸、V軸、W
軸、W軸の順序に従って順次変化する第3の整列層(LB
3)、第4の整列層(LB4)、第5の整列層(LB5)、…
第15の整列層(LB15)、第16の整列層(LB16)を形成す
る。
上記第4の繊維糸条(Y4)積層動作は、第2図に示す
ように繊維糸条の第2の積層構造体(2B)の所定の厚み
(t)を得るのに必要な回数だけ繰り返される。なお、
図示し、かつ上述したように1本の繊維糸条をX、Y、
V、Wの4軸方向に走行させるほか、各軸方向につき別
々の繊維糸条を使用することもできる。
本実施例においては、V軸がX軸に対して45゜の位相
角を形成し、また、W軸がY軸に対して135゜の位相角
を形成するように第2の糸条案内管(G2)の配設パター
ンが規定されているが、各軸の位相角や第4の繊維糸条
(Y4)の整列パターンは第7図(イ)乃至(チ)に例示
する具体的に限定されるものではなく、繊維糸条の第2
の積層構造体(2B)ひいては繊維構造体(3)に要求さ
れる力学的な特性等に応じて任意に選択することができ
る。力学的特性に対応して、例えば引張、圧縮荷重をプ
レート(1)で支持し、プレート(2)は専ら捩り応力
を支持するような構造とするには、繊維糸条の第2の積
層構造体(2B)の繊維配列(イ)乃至(チ)のうち、
(イ)(ロ)(ハ)(ニ)(ホ)のプレート軸線に平行
および直交する配列パターンは省略し、(ハ)(ヘ)
(ト)(チ)の斜行パターンの積層のみとするか、或い
はその積層比率を変化させることによって達成しうる。
なお、(イ)(ロ)(ニ)(ホ)の平行、直交パターン
を省略した場合のプレート(2)は結果的に3軸配向の
三次元繊維構造体となる。こうすることによって補強糸
条の量を減らし、より一層の軽量化を図ることができ
る。その他発明の範囲を逸脱することなく種々の変形パ
ターンを採用しうる。第2の積層構造体(2B)におい
て、後述する垂直方向糸を省略することもできるが、そ
の場合、製作終了後自己保持能力が低くなるので、I型
等所定の形状に保持するためには、モールディングツー
ル等の治具に類似した適当な工具を使用して形崩れを防
ぐのが望ましい。
このようにして繊維糸条の第2の積層構造体(2B)が
所定の厚み(t)に到達したとき、その上側に位置する
べき2枚の第1の積層構造体(1A3)(1A4)の積層動作
が開始される。これらの第1の積層構造体(1A3)(1
A4)における第1の繊維糸条(Y1)の整列順序は、第3
図(イ)(ロ)又は第4図乃至第6図に記載した第1の
積層構造体(1A1)(1A2)における第1の繊維糸条
(Y1)の整列順序と同一であるから説明を省略する。
次に、第8図に示すように、第1の糸条案内管(G1
を第1の積層構造体(1A3)上面に向かって引き上げ
る。この時、第2の繊維糸条(Y2)はループ(LA′)を
形成するようにして折り曲げ、リーディングワイヤーそ
の他適当な引掛具によってループ(LA′)糸条案内管内
に挿通し、糸条案内管の抜き取り後その糸条案内管のあ
った位置に第2の繊維糸条(Y2)が挿通されることにな
る。糸条案内管(G1)抜き取りに続いて、積層構造体
(1A3)の上面に突出したループ(LA′)内に第3の繊
維糸条(Y3)をかんぬき糸として挿通し、第2の繊維糸
条(Y2)を引き戻して糸のゆるみを取るとともに積層構
造体を締めつける。この動作を順次糸条案内管(G1
(G2)について行い、積層構造体(1A1)(1A3)および
それらに挟まれた積層構造体(2B)部分ならびに積層構
造体(1A2)(1A4)およびそれらに挟まれた積層構造体
(2B)部分をそれぞれ一体化し、最後に積層構造体(2
B)単独を一体化する。
なお、かんぬき糸の挿通要領は本出願人の先の出願に
係る特開昭63−196755号公報にも詳述されている。
このようにして得られた繊維糸条の積層構造体にマト
リックスとしてエポキシ樹脂を含浸・硬化処理すること
によって、第1図(イ)および第9図に見られるような
I型の横断面形状を具えた繊維強化複合材が作製され
る。
なお、この発明の実施に際しては、長尺の繊維構造体
(3)をつくり、これを切断して所望の長さのものを得
てもよい。
上記実施例においては第1乃至第6の繊維糸条として
炭素繊維糸条が選択使用され、またマトリックスとして
エポキシ樹脂が選択使用されている。繊維糸条としては
炭素繊維の外、黒鉛繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、
セラミック繊維、アルミナ繊維、芳香族ポリエステル繊
維等あるいはこれらの繊維の混合繊維等から任意に選択
することができる。
〔発明の効果〕
本発明の複合材製桁材の補強用繊維構造体は、交差状
態で一体構造に接合された少なくとも2枚のプレートか
らなり、少なくとも1枚のプレートが5軸配向型の三次
元的な繊維糸条の積層構造体によって構成されているか
ら、これを補強基材として用いるマトリックスを含浸・
固化させて製造した桁材は、引張荷重や圧縮荷重だけで
なく捩り荷重に対しても実用上満足し得る大きな剛性を
発揮する。そして、5軸配向型の三次元的積層構造を具
えたプレートにおける繊維糸条の配列方向、積層密度を
荷重の種類、方向に対応して選定することによって、所
要の捩り剛性を保持しつつ、桁材に要求される軽量化を
満足することができる。さらに、そのプレートにつき繊
維糸条の一部を適宜省略して4軸又は3軸配向型とする
ことによって、より一層の軽量化を達成することができ
る。また、本発明の製造方法によれば、上記桁材の補強
用繊維構造体を簡単に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る繊維構造体の横断面形状を例示す
る斜視図、 第2図はI形の横断面を持った繊維構造体と糸条案内管
の配設位置を例示する模式的斜視図、 第3図は第1の繊維糸条の整列パターンを例示する平面
図、 第4図乃至第6図はそれぞれ第1の繊維糸条の整列パタ
ーンの他の実施例を例示する平面図、 第7図は第4の繊維糸条の整列パターンを例示する平面
図、 第8図は糸条案内管内に挿通されるループ付繊維糸条と
かんぬき糸となる繊維糸条との関係を説明するための略
図、 第9図はI型繊維構造体の寸法諸元を説明するための斜
視図である。 3:繊維構造体 1:第1のプレート 1A(1A1〜1A4):繊維糸条の第1の積層構造体 Y1〜Y3:第1〜第3の繊維糸条 G1:糸条案内管(糸条案内部材) LA(LA1,LA2…):第1の繊維糸条の整列層 SA(SA1,SA2…):第1の繊維糸条の整列面 LA′(LA1′,LA2′…):第2の繊維糸条のループ 2:第2のプレート 2B:繊維糸条の第2の積層構造体 Y4〜Y4:第4〜第6の繊維糸条 G2:糸条案内管(糸条案内部材) LB(LB1,LB2…):第4の繊維糸条の整列層 SB(SB1,SB2…):第4の繊維糸条の整列面 LB′(LB1′,LB2′…):第5の繊維糸条のループ
フロントページの続き (72)発明者 西山 茂 愛知県名古屋市港区大江町10番地 三菱 重工業株式会社名古屋航空機製作所内 (72)発明者 広川 哲朗 滋賀県近江八幡市多賀町485―4 (56)参考文献 特開 昭63−120153(JP,A) 仏国特許2602248(FR,A)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】繊維糸条により相互に交差状態で一体接合
    された少なくとも2枚のプレートからなり、少なくとも
    1枚のプレートを除く他のプレートが長手方法、横方
    向、及び垂直方向の3軸方向の繊維糸条によって構成さ
    れ、前記少なくとも1枚のプレートが、長手方向、横方
    向、及び垂直方向の繊維糸条と、長手方向及び横方向糸
    条の配列方向に対して筋かい状に斜行するとともに互い
    に交差する2方向の繊維糸条とによって5軸配向型に構
    成されていることを特徴とする複合材製桁材の補強用繊
    維構造体。
  2. 【請求項2】繊維糸条により相互に交差状態で一体接合
    された少なくとも2枚のプレートからなり、少なくとも
    1枚のプレートを除く他のプレートが長手方向、横方
    向、及び垂直方向の3軸方向の繊維糸条によって構成さ
    れ、前記少なくとも1枚のプレートが、長手方向、横方
    向、及び垂直方向の繊維糸条のうちいずれか二つと、前
    記筋かい状に斜行する2方向の繊維糸条とによって4軸
    配向型に構成されていることを特徴とする複合材製桁材
    の補強用繊維構造体。
  3. 【請求項3】繊維糸条により相互に交差状態で一体接合
    された少なくとも2枚のプレートからなり、少なくとも
    1枚のプレートを除く他のプレートが長手方向、横方
    向、及び垂直方向の3軸方向の繊維糸条によって構成さ
    れ、前記少なくとも1枚のプレートが、長手方向、横方
    向、及び垂直方向の繊維糸条のうちいずれか一つと、前
    記筋かい状に斜行する2方向の繊維糸条とによって3軸
    配向型に構成されていることを特徴とする複合材製桁材
    の補強用繊維構造体。
  4. 【請求項4】少なくとも一方のプレート(2B)が当該プ
    レートの長手方向(Y)及び横方向(X)に対して筋か
    い状に斜行する繊維糸条の層を有する、少なくとも2枚
    のプレート(1A,2B)からなる繊維構造体の製造方法で
    あって、所要長さの糸条案内管(G1,G2)を垂直方向
    (Z)に、製造する繊維構造体に適合した形状及び設計
    密度に従って配設し、上記糸条案内管(G1,G2)の間を
    ぬって長手方向(Y)、横方向(X)、斜め方向に繊維
    糸条を配列して平面が互いに交差する少なくとも2枚の
    プレート(1A,2B)を形成し、上記糸条案内管(G1,G2)
    を抜き取って、その抜き取り跡に垂直方向(Z)糸を挿
    通して上記少なくとも2枚のプレートを一体的に接合す
    ることからなり、他方のプレート(1A)が当該プレート
    の長手方向、横方向、垂直方向に延びる繊維糸条の層よ
    り形成されてなる複合材製桁材の補強用繊維構造体の製
    造方法。
  5. 【請求項5】複合材製桁材の補強用繊維構造体を製造す
    る方法であって、所要長さの糸条案内部材を垂直方向
    に、かつ、製造する繊維構造体に適合した形状と設計密
    度に従って配設し、繊維糸条を上記糸条案内部材の間を
    ぬって長手方向、横方向に直交及び蛇行並びにそれらの
    複合を繰り返して挿入し、かつ、この操作を垂直方向に
    所要数繰り返して行い、次いで、糸条案内部材を抜き取
    って、その抜き取り跡に垂直方向糸を挿通して繊維糸条
    の積層構造体からなる複数のプレートを結合一体化させ
    る方法において、 上記プレートのうち少なくとも1枚のプレートを形成す
    るにあたり、繊維糸条を、長手方向、横方向及び垂直方
    向に加えて、長手方向及び横方向の繊維糸条の配列方向
    に対して筋かい状に、上記糸条案内部材の間をぬって斜
    行させるようにしたことを特徴とする複合材製桁材の補
    強用繊維構造体の製造方法。
JP1011033A 1988-02-19 1989-01-19 複合材製桁材の補強用繊維構造体およびその製造方法 Expired - Fee Related JP2591814B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
DE89301480T DE68907742T2 (de) 1988-02-19 1989-02-16 Textile Struktur für das Verstärken von Bauelementen, wie Balken, aus Verbundwerkstoffen und Verfahren zur Herstellung derselben.
EP19890301480 EP0329434B1 (en) 1988-02-19 1989-02-16 Textile structure for reinforcing structural members such as beams made of composite material, and method of producing the same
US07/310,976 US5121530A (en) 1988-02-19 1989-02-17 Textile reinforced composite structure or spar and method of producing the same
US07/760,308 US5126190A (en) 1988-02-19 1991-09-16 Textile reinforced composite structure or spar

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63-38293 1988-02-19
JP3829388 1988-02-19

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH01292162A JPH01292162A (ja) 1989-11-24
JP2591814B2 true JP2591814B2 (ja) 1997-03-19

Family

ID=12521260

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1011033A Expired - Fee Related JP2591814B2 (ja) 1988-02-19 1989-01-19 複合材製桁材の補強用繊維構造体およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2591814B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7218956B2 (en) 2003-06-19 2007-05-15 Motokazu Okawa Advertisement using cellular phone

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5211967A (en) * 1991-03-15 1993-05-18 Kabushiki Kaisha Toyoda Jidoshokki Seisakusho Three-dimensional fabric and method of producing the same
JP3070428B2 (ja) * 1995-02-08 2000-07-31 株式会社豊田自動織機製作所 三次元繊維組織の製造装置

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2602248B1 (fr) 1986-08-01 1989-11-24 Brochier Sa Structure textile multidimensionnelle pour le renforcement de materiaux stratifies et procede et metier a tisser permettant l'obtention d'une telle structure

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2602248B1 (fr) 1986-08-01 1989-11-24 Brochier Sa Structure textile multidimensionnelle pour le renforcement de materiaux stratifies et procede et metier a tisser permettant l'obtention d'une telle structure

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7218956B2 (en) 2003-06-19 2007-05-15 Motokazu Okawa Advertisement using cellular phone

Also Published As

Publication number Publication date
JPH01292162A (ja) 1989-11-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0329434B1 (en) Textile structure for reinforcing structural members such as beams made of composite material, and method of producing the same
US9156207B2 (en) Reinforced sandwich structure
RU2409712C2 (ru) Угловой фитинг и способ образования углового фитинга с использованием переноса волокон
CA2741830C (en) Pi-shaped preform with non-liniar legs and method to manufacture it
KR101219878B1 (ko) 트러스 구조의 심재를 구비한 샌드위치 패널의 제조방법
RU2534505C2 (ru) Тканая заготовка, с выполненными заодно целое с ней внеосевыми элементами жесткости
EP1666353B1 (en) Method for fabricating a curved beam from composite material
RU2634244C2 (ru) Заготовка п-образной формы с наклонными волокнами
EP1731298A1 (en) Fiber fabric and composite material
CN102892572A (zh) 加强板之间的复合梁弦杆及相关的制造方法
JP2011506784A (ja) 交差壁を伴う閉じ構造を織る方法
US20040234742A1 (en) 3D fiber elements with high moment of inertia characteristics in composite sandwich laminates
JP2012514138A (ja) 準等方性の三次元プリフォームおよびその製造方法
JP2591814B2 (ja) 複合材製桁材の補強用繊維構造体およびその製造方法
EP0278645B1 (en) A fibrous structure for reinforcing a composite material and a method for manufacturing the fibrous structure
JP4286563B2 (ja) 複合材料用ドライプリフォームとその製造方法および製造装置
JPH0790605B2 (ja) 複合材製桁材のジョイント部補強用繊維構造体およびその製造方法
WO2021014851A1 (ja) 繊維構造体及び繊維強化複合材
JPH0147583B2 (ja)
JPH06184906A (ja) 繊維構造体及びその製造方法
JP3656395B2 (ja) 三次元繊維構造体
JP2758485B2 (ja) 複合材用の異形プリフォーム基材
JPH0726308B2 (ja) 複合材強化用繊維構造体の製造方法
KR20220011132A (ko) 3차원 제직 지지 빔 및 그 제조 방법
JPH0559634A (ja) 三次元織物

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees