JP2591769B2 - 境界輪郭システム及び境界を検出しかつ規定する方法 - Google Patents

境界輪郭システム及び境界を検出しかつ規定する方法

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Description

【発明の詳細な説明】 関連出版物 次の出版物が、本発明の特徴を記載しており、参照に
よりここに編入される。
グロスベルグ、S.とミンゴラ、E.、「形式知覚の神経
動学(Neural Dynamics):境界完成、錯覚図、とネオ
ン・カラー拡散」、心理学論評、92、173−211(1985
a)。
グロスベルグ、S.とミンゴラ、E.、「知覚分類の神経
動学:テクスチャー、境界、と発生区分化」、知覚と精
神物理学、38(2)、141−171、(1985)。
グロスベルグ、S.とミンゴラ、E.、「神経動学と陰影
による形状」、コンピューター視覚グラフィックス
と画像処理、1986年7月。
背景技術 本発明は、コンピューター視覚システムと人工知能シ
ステムにおいて使用される実時間画像処理システムに関
する。多量の調査作業と研究が、生物学の視覚システム
を理解する試みに費やされた。そのような理解によって
得られた知識の本質的価値とは別に、得られた知識は、
光電子装置とコンピューター・データ処理技術の組み合
わせにより生物学視覚システムをシミュレートするため
の人工の機械を製造するために適用され、これにより生
物学視覚システムにおいて固有な有効性を達成すること
が希望されている。
本発明の開発となった研究は、特に、どのようにして
知覚分類が、生物学視覚システム状況において行われる
かの理解に向けられている。
視覚システムは、光学入力を、知覚された輪郭又は境
界によって分離された領域に区分化する。視覚処理にお
けるこの急速で、見たところ自動的な、初期段階は、主
に多数の知覚された領域が、光学入力において、明らか
な相関関係を有さないので、特性を記述することが困難
である。輝度のパターンにおける輪郭は、一般に、輝度
における空間的不連続として規定される。しかし、通常
充分であるが、そのような不連続は、知覚された輪郭を
維持するために、決して必要ではない。知覚輪郭によっ
て分離された領域は、また、テクスチャー質(方位、形
状、濃度、又は色等)における統計的差、異なる不均衡
の要素の両眼の一致、表示を移動する際のテクスチャー
要素の添加と削除、及び古典的「主観的輪郭」、の存在
において発生する。今述べた知覚された輪郭のタイプ
が、輝度輪郭によってトリガーされたものと同じ視覚プ
ロセスに関与する程度は、前者が後者と同様に確かに知
覚的に現実でありかつ一般に鮮明であるが、明らかには
分からない。
場面入力の視覚システムの区分化(segmentation)
は、しばしば「前注意(preattentive)」と記述される
方法により、その入力の全領域に渡って急速に行われ
る。即ち、主体(subjects)は、一般に、露出時間が短
い時(200ミリ秒以内)堅実な方法で、かつ境界が発生
しそうな表示において領域の先行知識なしに、境界を記
述する。こうして、そのような表示に対する境界抽出
(boundary extraction)の理論的説明では、初期「デ
ータ駆動(data driven)」プロセスが、どこで発生し
ても、急速に境界に収束する方法が明らかにならなけれ
ばならない。
テクスチャーについての実験的作業の第2の調査結果
は、テクスチャーの区分化プロセスは極めて文脈依存
(context−sensitive)であるという第1の調査結果の
意味を複雑にする。即ち、与えられた位置における与え
られたテクスチャー要素は、それを取り囲むものに依存
して、いろいろな大分類の一部となる。実際、与えられ
た位置における要素の作用についての正確な決定でさ
え、近くの位置におけるパターンに依存する。
視覚の知覚(visual perception)を理解し、かつ高
速対象認識システムを設計する際の困難の最大の原因の
1つは、知覚単位のそのような文脈依存性である。ゲシ
ュタルト主義者(Gestaltists)の研究以来、縁位置、
不均衡、長さ、方位、及びコントラストの如き場面の局
所的特徴は、知覚的に暖味であるが、これらの特徴の組
み合わせは、図間又は図地間の明確な分離を生成するた
めに、知覚器によって迅速に分類されることが広く認識
されてきた。実際、テクスチャーの場面内の図は、しば
しば、地から「飛び出る(pop out)」ように見える。
観察者が、場面内で「局所的(local)」特徴を知覚的
に分類するための「発生(emergent)」特徴は、場面内
のテクスチャー要素の全体的構造を感知する。
局所的特徴よりもむしろ、これらの発生知覚単位が、
場面を分類するために使用されるという事実は、科学的
混沌の可能性を有する。すべての場面が、それ自身の文
脈依存性単位を規定するならば、多分、対象の知覚は、
場面の扱いにくい分類とそれらの唯一の知覚単位によっ
てのみ記述される。ゲシュタルト主義者の偉大な業績の
1つは、多数の興味深い例を組織するために役立つ知覚
分類についての規則の短いリストを提案することであっ
た。先駆者の仕事においてしばしばそうであった如く、
規則は、常に従われるわけでも、また徹底的でもなかっ
た。規則に対する正当化は、明白なもっともらしさ以外
には与えられなかった。実際の応用に対してさらに重要
なことには、有効な計算アルゴリズムが、規則の事例を
示すために与えられなかった。
これらの貢献の集合的効果は、考慮される必要がある
主要特性を識別したテクスチャー分類についての洗練さ
れた実験上の文献を提供することであった。達成されな
かったことは、知覚分類の特性の背後にある設計原理と
機構の深い分析である。言い換えれば、欠けているもの
は、テクスチャー分類と、テクスチャー要素が実時間で
容易に分離される図と地に分類される方法を動的に説明
する計算枠組みに対する存在理由である。
現在の理解におけるこのキャップの1つの表明は、人
工知能の研究者によって開発された画像処理モデルに見
られる。このアプローチにおいて、曲線は、テクスチャ
ー分析とは異なるモデルを使用して分析され、そしてテ
クスチャーは、表面の分析とは異なるモデルを使用して
分析される。これらのモデルはすべて、19世紀中に視覚
の知覚を研究するために使用された表面法線、曲率、及
びラプラシアンの如く幾何学的考えを使用して構築され
る。これらの幾何学的考えは、最初は、物理的プロセス
の局所的特性を分析するために発展した。対照的に、視
覚システムの文脈依存機構は、場面画像内の局所的輝度
差に還元されない図の知覚表象を形式的に総合する。そ
のような発生特性は、局所的幾何学変形の単なる効果で
はない。
発明の開示 極めて最近、19世紀の幾何学的考えは、生物学視覚シ
ステムを有効にする設計の特性を記述するために、基本
的に不適当であることが分かった。この言明は、場面画
像の幾何学的特性の局所的計算(local computation)
に依存しない新機構の発見から生じた。むしろ、これら
の機構は、相互作用する神経単位(neurons)の非常に
大きな網(network)内の並列かつ階層的相互作用によ
って規定される。発明により、これらの相互作用は、テ
クスチャー、境界と発生区分化を認識する際に、生物学
システムの網相互作用をシミュレートする方程式のセッ
トによって規定される。これらの方程式が計算する視覚
特性は、局所的変換ではなく、網相互作用から現れる。
分析の驚くべき結果は、場面の縁(scenic edges)が
どのように内部的に表現されるかについての生物学的に
関連した理解を達成するために必要とされる同じ機構
が、また、テクスチャーの画像、なめらかに陰影のつけ
られた画像、とそれらの結合に識別力を有して応答する
ということである。
発明の方法と装置は、一般に、機械視覚システムに対
して、シミュレートされた神経網の境界輪郭システムを
含む。視覚システムは、2つの並列輪郭抽出処理を含
む。即ち、本発明の境界輪郭システム(BCシステム)と
特徴輪郭システム(FCシステム)である。発明のBCシス
テムは、画像を規定するピクセル値のマトリックスの形
式で前処理されたピクセル情報を受け取る。そのような
ピクセル情報に基づいて、BCシステムは、画像において
知覚的に重要であると考えられる知覚領域の境界を規定
するBC信号を生成する。FCシステムは、同じピクセル情
報を受け取り、そして境界輪郭信号によって規定された
知覚領域に広がる特徴特質、即ち、色又は輝度、を規定
する特性を記述するための輪郭信号を生成する。
BCシステムは、指向コントラスト感知フィルター(OC
フィルター)、2つの競合段階、協同段階、及び方位フ
ィードバック・ループを含む。OCフィルターは、N個の
指向マスクの族又は伸長受容フィールド(elongated re
ceptive fields)を含む配列を具備し、各マスク族は、
処理される画像に関して、それぞれのノード位置(i,
j)に対応する。族(family)内の各Nマスクは、画像
に関する縁方位(垂直、水平、45度等)の異なる帯域に
対応する。各マスクは、マスク重み(maskweights)関
数と、マスク重み関数によってサンプルされた領域にお
けるコントラストの分布との一致の程度に比例する出力
信号を提供するために、所定の指向空間的重み関数によ
りピクセル輝度を重み付け又はコード化する。例えは、
垂直指向のマスクは、受容フィールド内に明対暗の垂直
縁がある時強い応答と出力を有する傾向がある。
OCフィルターの第1段階において、各指向マスクは、
視覚場面における位置、方位、コントラスト量とコント
ラスト方向に感知又は応答する。
コントラストの方向に非感知のマスク出力を獲得する
ために、各Nマスクの2つのサブセットが、各位置と方
位に対応して提供される。1つのサブセットは、明対暗
のコントラストにのみ応答する。他は、暗対明のコント
ラストに応答する。類似した位置と方位であるがコント
ラストの反対方向に応答する指向マスクのサブセットの
出力は、連続する競合段階に対して入力刺激信号を提供
するために合計される。族内の各マスクは、画像に関し
て異なる方位(k)に対応する空間的伸長の重み関数を
提供し、これによりマスク重み関数とマスク重み関数に
よって交差されるか又はサンプルされる画像の領域にお
けるコトラストの分布との間の一致の程度に比例する出
力信号を生成する。この重み付けられた信号は、連続す
る競合段階の第1段階に対する入力信号であり、そして
コントラストの方向に非感知であるが、iとjが空間的
位置を表記し、kが方位を表記する時、各ノード(i、
j、k)においてコントラスト量に比例する。こうし
て、垂直境界輪郭は、固定場面位置において、閉対垂
直、明対暗の縁、又は閉対垂直、暗対明の縁のどちらか
によって活動化される。
競合段階(competitire stage)は、一般に、近接、
即ち近くのノードの間の方位特定の競合の2つの連続段
階を含む。第1段階において、競合は、同じ方位に調整
される近傍位置におけるノードの間である。注意:網用
語と生体セル用語の間の密接な類似のために、ノードと
セルの用語は、全体を痛して交換して使用される。第1
競合段階において、マスク出力信号が結合される網ノー
ドの配列が、提供される。OCフィルターにおける与えら
れた又は固定の方位kのノード(i、j)におけるマス
ク信号は、競合段階においてノード位置i、jにおける
同方位kの信号を誘発又は刺激する傾向があるが、近傍
又は近くのノード位置における同方位の信号を抑制又は
否定する傾向がある。
第1競合段階からの出力信号は、第2競合段階を形成
する網ノードの第2配列に対して入力を形成する。この
及びすべての後続の段階において、ノードは、位置i、
jと方位kに対するコード化(ラベル化)に関して、第
1競合段階のノードに一対一に対応する。しかし、第2
競合段階において、各方位kの入り信号は、第2競合段
階の各位置i、jにおける方位p≠kの入り信号を抑制
する傾向がある。こうして、例えば、垂直方位を示す第
1競合段階からのノード信号は、第2競合段階における
垂直指向のノード信号を活動化する傾向があり、そして
同じ位置におけるすべての他の方位を抑制する。さら
に、第1競合段階からの位置(i、j)における出力信
号が方位kを示すならば、kに直交する垂直の方位Kの
出力信号は、第2段階における他の方位よりもより強く
抑制される。また、第2競合段階における与えられた方
位Kが抑制されるならば、直交又は垂直の方位kは、脱
抑制(disinhibite)される傾向がある。標準化プロセ
スは、与えられた位置(i、j)に対する全方位から起
こるアクティビティ全体の供給源が制限されることを保
証する第2競合段階において行われる。
このため、第2競合段階の出力の値は、その位置にお
ける他の活動化方位のすべての合計に関する与えられた
活動化方位の比率に比例する。
協同段階は、最も複雑で、かつ計算的に集中した段階
である。協同段階は、また、位置(i、j)と方位
(k)に関して第1又は第2段階の網ノードと一対一に
対応する網ノードの配列を含む。協同段階の関数は、
「指向縁(oriented edge)」又は輪郭を生成すること
によって、ギャップについての境界を完成することであ
り、この場合充分な統計的データが、そのような完成を
保証するためにシステムによって生成される。指向縁と
は、ノード(i、j、k)の間における活動化又はパタ
ーンを意味し、この場合ほぼ方位kにおいて隣接空間的
に整列されたノードのアクティビティは、方位kの個々
のノードにおいて最強となる。
この協同段階において、セル又はノードのセットにお
ける全体アクティビティ・パターンは、それ自身の整合
を試み、その結果支配的なアクティブ方位kは、近接及
び遠方の近傍セルの方位と一致する。セルの両側におい
て、整合される多数の指向セルがあるならば、セルは、
そのアクティビティ、即ち、それを取り囲む同じ又は類
似の指向セルに対する出力信号の強度を増加させる。こ
れは、与えられた方向において方位の運動量を生成す
る。境界完成(即ち、方位運動量)を保証する統計的デ
ータが、セルの両側に存在するということは重要であ
る。方位運動量はまた、アクティビティを収容するセル
と整合されなければならない。セル整合と方位は、正確
に一致する必要はない。わずかな不一致は、許容され
る。不一致の量は、モデル・パラメーターによって決定
される。セルが、整合近傍を「探す」周囲の距離は、ま
た、モデル・パラメーターである。
前述では、第2競合段階の各ノードi、j、kからの
指向コード化信号を網ノードの第3配列を含む協同段階
に結合することが行われた。協同段階のノードは、第2
競合段階から送られる信号のセットにおいてコード化さ
れた指向ノードのアクティビティの間の長範囲の統計的
整合を感知する。「長範囲(long range)」とは、2つ
の競合段階の短範囲相互作用において考慮されたノード
の長さの最高数倍の遠方ノードからの信号が、プロセス
に含まれることを意味する。
この重み付け(weighting)は、協同段階における各
処理ノードに対し2つの分離した長範囲空間的領域(例
えば、左及び右領域)において達成される。こうして、
例えば、水平整合の受容協同セルは、セルから協同段階
における対応ノード・セルの左への入力と、セルからそ
れの右への入力に対して別々の重み付けられた合計を計
算する。
次に、重み付けされた合計は、各領域からの重み付け
信号が一定(定数)値を超えないことを保証するため
に、変換されるか、又はクリップされる。各側からの変
換された信号は、合計される。合計は、境界完成信号が
ギャップを満たすことを保証するために、充分に正の入
力アクティビティが、同時に両空間的領域において発生
したことを仮定する。合計が一定値を超えるならば、協
同ノードは、フィードバック信号を提供する。
これらのフィードバック信号は、第2競合段階に渡さ
れる前に、第1協同段階の動作に類似した、オン中心オ
フ周囲の網によって鋭化される。各協同ノードからのフ
ィードバック信号は、OCフィルターの指向コントラスト
駆動セルから発し、かつ、感知された長範囲統計的デー
タにより、第2競合段階においてアクティビティのパタ
ーンを修正するために第1競合段階によって変換された
現在する信号と結合される。これは、代わりに、平衡に
急速に達するまで、訂正フィードバック情報になる第2
競合段階からの出力を訂正する。
図面の簡単な説明 第1図は、文脈における発明の境界輪郭システムを示
す視覚システムのブロック図。
第2図は、特徴充填の例を示す図。
第3図は、逆コントラストのカニスザ(Kanisza)錯
覚正方形の図。
第4図は、境界輪郭規則と特徴輪郭規則の間の差を示
す概略図。
第5図は、マスク30のコントラスト非感知族の方向を
形成するために、OCフィルター・マスクのサブセットの
族の組合せを示す概略図。
第6図は、プロセスの幾つかの段階を示す本発明の境
界輪郭システムの、部分的に破断された、概略的図。
第7図は、使用される記号の一定の詳細を示す第8B図
の一部分の拡大図。
第8A図と第8B図は、それぞれ、第10図乃至第17図にお
いて示された発生分類を生成するために使用された協同
アウトフィールド(8A)とインフィールド(8B)のコン
ピューター・シミュレーションの結果を示す図。
第9A図と第9B図は、それぞれ、第8A図と第8B図よりも
さらに極度な協同アウトフィールド(9A)とインフィー
ルド(9B)を示す図。
第10図乃至第17図は、テクスチャー分類の基礎をなす
境界輪郭システムのプロセスのコンピューター・シミュ
レーションを示す図。
発明を実行する最良モード I.システム一般 今第1図を参照すると、本発明の境界輪郭システム
が、全体視覚システムの情況(context)において記載
される。第1図のブロック図において明らかな如く、輝
度、色と形式知覚に関する逆説的実験データを処理する
ために、2つの並列システムが視覚システム内に必要と
される。境界輪郭システム10(BCシステム)と特徴輪郭
システム12(FCシステム)のこれらの2つのシステム
は、初期の処理段階において、画像ピクセル情報から、
BC信号とFC信号と呼ばれる2つの異なるタイプの輪郭感
知情報を抽出する。
第1図において、任意の画像を表現する単眼の(mono
cular)前処理されたピクセル信号MPは、16のラベルの
付いた画像プロセッサーから、BCシステム10とFCシステ
ム12の両方に結合される。BCシステム10の機能は、前注
意的に[即ち、任意の非画像源から供給された画像につ
いての記憶、テンプレート、内部記憶期待、又は知識の
参照なしに]、これらのMP信号からコヒーレント境界輪
郭信号を生成することである。
これらの境界信号は、FCシステム12と対象認識システ
ム(ORS)14の両方に結合される。ORSは、更に、トップ
ダウン学習テンプレート信号をBCシステムに迅速に送信
する。これらのテンプレート(learned template)信号
は、学習情報を使用して、前注意により完成した境界構
造を修正する。BCシステム10は、これらの修正をFCシス
テム12に渡す。BCシステム10からの信号は、FCシステム
12を可視輝度と色の充填が行われる知覚領域に組織化す
る。この充填プロセスは、MP段階16からの信号によって
活動化される。ORSは、前に参照した同時係属米国出願
第802、576号とその一部継続出願において別々に記載さ
れ、そしてFCSは、コーエン、M.A.とグロスベルグ、S.
(1984a)、「輝度と知覚の神経動学:特徴、境界、拡
散と共鳴」、知覚と神経物理学、36、428−456、及びコ
ーエン、M.A.とグロスベルグ、S.(1984b)、「両眼の
共鳴の幾つかの全体的特性:不均衡一致、充填、と特徴
地総合」、ピー・ドッドウェルとテー・シーリ(編
集)、図総合、ヒルスデール、NJ:アールバウム、にお
いて記載され、参照によりここに編入されている。
2.境界輪郭:実と錯覚 「錯覚輪郭」の知覚表象−又は、場面画像における一
次元輝度の差に対応しない輪郭知覚表象−と「実輪郭」
の知覚表象は、両方共、同じ機構によって総合される。
これは、知覚システムの明白な適応設計にも拘わらず、
錯覚輪郭が、視覚知覚表象において非常に豊富である理
由を明確にする。これはまた、せいぜい縁で可視である
錯覚輪郭が、知覚分類と対象認識プロセスに強力な効果
を及ぼす方法を示唆する。
まず、意識のある視覚知覚表象の結合力により、網膜
に到達する雑音視覚信号を対照させることが有益であ
る。例えば、人間において、光は、網膜光受容体に達す
る前に、網膜血管の茂みを通過する。人間観察者の知覚
表象は、幸なことに、標準視覚中、網膜血管によって歪
められない。これは、部分的に、目が外界に関して眼球
孔において小刻みに揺れる時、網膜に関して安定となる
画像の知覚を弱める機構の動作による、安定化した血管
の知覚表象を抑制することは、それ自身では、血管によ
って防げられかつ区分化される網膜画像の知覚表象を完
成させない。境界は、完成される必要があり、そして色
と輝度は、網膜血管によって引き起こされた画像退化を
補償するために充填される。同様な論議は、人間観察者
が一般に盲点に気が付かない理由についての考察から行
われる。
観察者は、そのような完成された知覚表象のどの部分
が網膜信号から直接に導出され、そしてどの部分が、境
界完成と特徴充填によるのかを区別することができな
い。完成されかつ充填された知覚表象は、通常の専門用
語において、「錯覚(illusory)」図と呼ばれる。これ
らの例は、「実(real)」及び「錯覚」図の両方が、同
じ知覚機構によって生成されることを示唆し、そして
「錯覚」図が、知覚分類プロセスにおいて非常に重要で
ある理由を示唆する。一旦これが理解されると、等しい
立場において「実」及び「錯覚」の知覚表象を取り扱う
知覚理論に対する必要性が認識される。
そのような理論において中心問題は、境界完成と特徴
充填が、同じか又は別個かのプロセスであることに関す
る。それらが従う異なる処理規則の特性を記述すること
によって、これらのプロセスが実際には異なることが分
かった。
脳は、場面画像から2つの異なるタイプの輪郭情報を
抽出する。「色縁(color edge)」を含む特徴輪郭は、
後続の処理段階において可視輝度及び色知覚表象を生成
する信号を生じさせる。特徴輪郭は、発光体の効果を減
ずるために、輪郭感知プロセスとしてこの情報をコード
化する。即ち、表面の2つの隣接する共面区画(例え
ば、青い背景における赤点)の相対的スペクトル反射率
の最良測定は、色縁を計算することによって得られる。
発光性差異は、等質反射率の大領域についてならば集積
されるが、反射率縁においては正確には発生しそうでな
い。境界輪郭は、特徴輪郭から導出された特徴推定が、
後続の処理プロセスにおいて充填する境界、分類、又は
形式を規定するために、抽出される。
境界輪郭が誘発刺激の間で総合される境界完成のプロ
セスは、コントラストの方向に無関係である。しかし、
境界完成プロセスは、誘発刺激のコントラストの方位と
量を感知する。
一方、場面から抽出された特徴輪郭は、コントラスト
の方向に極めて感知する。これが行われないならば、暗
対明と明対暗の知覚表象の間の差異を区別することがで
きない。
BC規則とFC規則の間の別の差異は、第2図と第3図の
間の比較から推論される。まず、第2図に概略的に示さ
れた画像を考える。大円Cと垂直Vの円が、網膜におい
て安定化された後、大円外部の赤色(ドット)は、小さ
な赤円CLとCRを除いて、その縁は安定化されない黒と白
の半円板を充填する(ヤーバス(Yarbus)、1967)。左
円CL内部の赤は、知覚表象の残りを包囲する一様な赤よ
りも、より明るく見え、そして赤円CR内部の赤は、より
暗く見える。
第3図において、境界は、一対の誘発場面縁の間の指
向路において内側に形成される。第3図は、灰色の背景
24において、2つの黒のパックマン(Pac−Mac)図20と
2つの白のパックマン図22によって誘導されたカニスマ
錯覚正方形29を示す。第2図において、特徴充填(feat
urae filling−in)は、拡散信号が境界輪郭を打つか、
又はそれら自身の空間的拡散によって弱められるまで継
続される個々のFC信号からの特徴特質の外部及び非指向
拡散による。一方、第3図において、垂直境界Vは、反
対方向のコントラストを有する一対の垂直場面縁を結合
する。黒いパックマン(Pac−Mac)図は、灰色の背景に
関して、暗対明の垂直縁を形成する。白のパックマン
は、灰色の背景に関して、明対暗の垂直縁を形成する。
こうして、境界輪郭がこれらの誘発刺激の間で総合され
る境界完成のプロセスは、コントラストの方向に無関係
である。しかし、境界完成プロセスは、誘発刺激のコン
トラストの方位と量を感知する。
前述の関係は、視覚システム内の単眼の輝度及び色段
階領域を示す第4図に示される。単眼の特徴輪郭信号
(FCS)は、BCシステムから境界輪郭信号(BCS)を受信
する区画境界を除いて、それらの区画境界に渡ってアク
ティビティ又はポテンシャルの横の放散を許容するセル
区画C1−C4を活動化する。その結果、FCS信号は、BCシ
ステム段階内で完成される境界を除いて、なめらかであ
る。
BCシステムの詳細な説明に進む前に、発明のシステム
の幾つかの重要点が、以下に箇条書きにされる。
a.境界は、コントラスト差異が全く存在しない画像領域
に対応して現れることがある。
b.BCシステムは、個々の画像コントラストに対してだけ
でなく、場面要素の分布において統計的差異に感知す
る。
特に、境界処理を起動する指向受容フィールド又はマ
スクは、縁検出器ではないことに注目すべきである;む
しろ、それらは、:限定されるわけではないが、縁を含
む、画像コントラストの空間的分布における統計的差異
に応答することができる局所的コントラスト検出器であ
る。これらの受容フィールドは、各サブシステム内の指
向フィールドが、異なるサイズの空間的領域に亘って指
向コントラストに感知する如く、多重サブシステムに組
織化される。従って、これらのサブシステムは、場面画
像内の空間的周波数情報に異なって応答する。これらの
指向受容フィールドのすべては、また、コントラスト量
に感知するので、BCシステムは、処理の最も初期の段階
においてさえも、輝度、方位、と空間的周波数における
統計的差異を登録する。
BCシステム処理の後続段階も、また、異なる方法によ
るが、これらの因子に感知する。初期段階からのこれら
の入力は、すでにこれらの因子に感知している。それか
ら、それらは、競合協同フィードバック相互作用を使用
して、これらの入力をアクティブに変換する。これによ
り、BCシステムは、多重方法において、場面画像内の輝
度、方位と、空間的周波数における統計的差異を処理す
ることができる。
3.環境輪郭システム段階 第5図と第6図は、概略的に、BCシステム相互作用を
示す。これらの相互作用は、好ましくは、4節に述べた
公式を使用して、公知のデータ処理システムにより、実
時間コンピュータ・システムをプログラムすることによ
って行われるのが好ましい。
境界輪郭が形成されるプロセスは、方位コントラスト
(OC)フィルター36においてN個の指向マスクの族の活
動化によって起動される。簡単化のため、ただ1つのそ
のようなマスク30が、第6図に示され、N個のそのよう
なマスクが、マスク網の各位置(i、j)にあることが
理解される。マスクの族(family)、又は伸長受容フィ
ールドは、各位置(i、j)又は方位(k)においてN
マスクを有する配列33を形成する。マスクは、処理され
る画像を表現する、好ましくは、デジタル化データ・ビ
ット又はピクセル(pixels)の形式により、ピクセル情
報(矢31)によって活動化される。例えば、画像は、擬
似腫瘍位置のX線写真を含む。
各指向マスクは、指向場面コントラスト差異に選択的
に応答するセル又はセル個体群(population)である。
特に、各マスクは、画像の規定された小領域を活動化す
る画像縁に感知し、そしてその方位は、画像に関して方
位の規定された帯域内にある。
第5図において、マスク34A34BのN個の族の2つのサ
ブセットの詳細が、この簡単な例においてはN=4で、
示される。「φ」とラベルの付いた1つのマスクは、垂
直方位を有する実線で示されている。別のマスクは、水
平方位を有する仮線で示され、そして90度とラベル付け
される。45度の方位を有する第3は、45度とラベル付け
された矢によって表現され、そして135度の方位を有す
る第4は、135度とラベル付けされる。
そのような指向マスク34Aの単一セットは、マスクに
よって感知された画像の領域の位置、方位、とコントラ
ストの量ばかりでなく、視覚場面の縁におけるコントラ
ストの方向にも感知する。第5図に示された如く、コン
トラスト感度の方向を除去するために、マスク34Aと34B
の2のサブセットが、各位置と方位(i、j、k)にお
いて提供される。1つのサブセット34Aは、明対暗コン
トラストにのみ応答し、そして他のサブセット34Bは、
暗対明コントラストに応答する。[注意:しかし、その
ような指向マスクは、場面縁にのみ応答するわけではな
い。それらはまた、受容フィールド内の正しい位置、方
位、とコントラストの方向を有する充分大きな純コント
ラストを生成するピクセル画像に応答する。] 類似の位置と方位であるがコントラストの反対方向に
感知する指向マスク34Aと34Bの各N対は、OCフィルター
36の各位置(i、j)においてマスクの族を形成するた
めに、合計器32において合計される。
マスク族(各族からただ1つの各マスク30が、フィル
ター36の各位置i、jにおいて示される)の行L対列M
の配列が、L=8及び=9の場合に、OCフィルター段階
を形成するために、第6図において示されている。こう
して、OCフィルター段階36からの出力信号は、位置、本
発明、とコントラスト量に感知するが、コントラストの
方向には非感知である。こうして、垂直境界輪郭は、固
定場面位置において、閉対垂直の明対暗の縁か、又は閉
対垂直の暗対明の緑のどちらかによって活動化される。
これ等のマスク族30からの出力は、COMPI38とCOMPII4
0とラベルの付けられた短範囲競合の2つの連続段階の
第1段階38のノード43を活動化する。第1競合段階38
は、マスク信号が結合されるL対Mの網ノード43の配列
44を具備する。こうして、一対一の対応が、OCフィルタ
ー36におけるマスク・ノードと配列44の網ノード43と間
に存在する。与えられた方位(k)のマスク30は、配列
44においてノード位置(i、j)における同指向セルを
刺激し、そして近くの位置における同指向セルを抑制す
る。これは、第6図において、各マスク・セルから網配
列44における対応ノード43へ延びる線において+符号に
よって、そして隣接ノードに延びる線において−符号に
よって示される。[注意:簡単化のため、競合は、隣接
行位置におけるセル間でのみ示されるが、隣接する「上
下」列の競合もまた考慮されており、そして例えば、直
交の、隣接を超えるセル競合も考慮される。また、用語
「刺激する(excite)」と「抑制する(inhibit)」
は、より一般的に刺激又は抑制効果を及ぼすことを含
む。]こうして、「オン中心オフ周囲(on−center−of
f−surround)」相互作用が、OCフィルターの近傍同指
向セルから送られ、かつ、第1競合段階COMPIの同指向
セルに向かう信号の間で発生する。
第1競合段階は、COMPI38の配列44の各ノード43に結
合された供給源Sからの固定入力Iによって表された如
く、持続的に活性である。第6図に示された位置i、j
=1、2におけるマスク・セル30は、方位k=0、即
ち、垂直方位により示される。このセルは、配列44のノ
ード1、2において(図示されていない)垂直方位を有
するセルを刺激する傾向があり、そして配列44のノード
1、1と1、3において(図示されていない)セルを抑
制する。
第2競合段階40への入力信号は、第1競合段階38のノ
ードにおけるセルからの出力信号である。第2競合段階
において、競合は、各位置(i、j)における異なる方
位(k)の間で発生する。こうして、異なるが近くの位
置における同方位間の競合の段階(段階38)には、同じ
位置における異なる方位間の競合の段階(COMPII段階4
0)が続く。
COMPIIにおいて、同じ知覚位置(i、j)において他
の方位関係(k)を表す第1競合段階からのセル・ノー
ド信号が、競合する。こうして、例えば垂直方位を示
す、例えば行1列5におけるノード、即ち、網44のノー
ド1、5、からのノード信号は、網45のノード1、5に
おける垂直指向ノード信号を刺激する傾向があり、そし
て同じ位置における他の方位のすべてを抑制する傾向が
ある。さらに、第1競合段階からのノード位置(1、
5)における出力信号が、方位kを示すならば、kに直
交する位置1、5における別のマスク信号からの垂直方
向Kは、第2段階40のノード1、5において抑制される
傾向がある。また、与えられた方位Kが抑制される傾向
があるならば、直交又は垂直方位kはまた、脱抑制され
る(disinhibited)傾向がある。旬「抑制される傾向が
ある」、又は「脱抑制される傾向がある」は、1つの位
置における1つのセルの影響が、他のセルからの信号に
よって無効にされるかもしれないことを意味することに
注意。
こうして、第2競合段階のノード47は、オンセル
(+)とオフセル(−)(図示されていない)の双極子
フィールドを形成するように見える。第1競合段階から
の入力は、この双極子フィールドのオンセルを活動化す
る。水平オンセルの抑制は、脱抑制を経て水平オフセル
を刺激する。
COMPIIにおける刺激された垂直指向オンセルは、刺激
入力を、協同段階48のノード30に位置する垂直指向協同
セルの受容フィールドに送信するが、これに対して刺激
された水平指向オフセルは、抑制入力を、水平指向協同
セルの受容フィールドに送信する。
オンセルの刺激は、同指向協同受容フィールドに対し
刺激入力を生成するが、これに対しオフセルの刺激は、
同指向協同受容フィールドに対し抑制入力を生成する。
標準化プロセスは、与えられた位置(i、j)に対す
るすべての方位から生ずるアクティビティの全供給源が
制限されることを保証する第2競合段階において行われ
る。
従って、第2競合網ノードからのマスク・ノード信号
の出力値は、その位置における他の方位のすべての合計
に関する活動化された方位の比率に比例する。
双極子フィールド・ノード47からの出力は、空間的長
範囲協同段階48、即ち、境界完成プロセス、に入力され
る。
協同段階はまた、位置(i、j)と方位(k)に関し
て第1又は第2段階の網ノードと一対一に対応する網ノ
ードの配列を含む。協同段階のセル50の機能は、「指向
縁(oriented edges)」又は輪郭を作成することによっ
てギャップ上に境界を完成することであり、この場合充
分な統計的データが、そのような完成を保証するために
先行段階から生成される。指向縁により、隣接ノードに
おけるアクティビティが、それら自身が方位kに調整さ
れる個々のノードにおいて、最強の方位kに空間的にお
およそ整合されるノード(i、j、k)の中における活
動化又はパターンを意味する。この段階において、セル
又はノードのセットにおける全体アクティビティ・パタ
ーンは、支配的アクティビ方位kが、近接及び遠方の近
傍セルの方位と一致するように、自己整合を試みる。例
えば、セルの両側において、整合される多数の指向セル
があるならば、セルは、それを囲む同じ又は類似の指向
セルに関して、そのような方位kにおいてその出力信号
のアクティビティ又は強度を増加させる。これは、与え
られた方位に方位運動量を生成する。境界完成を保証す
る統計的データ(即ち、方位運動量)が、セルの両側に
おいて存在することは重要である。方位運動量はまた、
アクティビティを受容するセルと自己整合しなければな
らない。セル整合と方位は、正確に一致する必要はな
い;わずかな不一致は許容される。不一致の量は、モデ
ル・パラメーターによって決定される。セルが整合した
近傍を「探す」周囲距離もまか、モデル・パラメーター
である。
前述では、第2競合段階の各ノードi、j、kからの
指向コード化された信号を網ノード50の第3配列を含む
協同段階に結合することが行われた。協同段階のノード
は、第2競合段階から送られる信号のセットにおいてコ
ード化された指向ノード・アクティビティの中で長範囲
統計的配置を感知する。「長範囲(long range)」と
は、2つの競合段階の短範囲相互作用において考慮され
たノードの長さの数倍までの遠方ノードからの信号が、
プロセスに含まれることを意味する。
上記のプロセスの非常に簡単化された実施例は、第6
図において、COMPIIの配列45の下方右角に示され、この
場合5つの水平に整合されたセル46は、行と列位置8、
5、8、6、8、7、8、8、と8、9において示さけ
る。8、7におけるセルの中心の左と右のセル56と54の
セットは、統計的整合を決定するために考慮された「遠
方(distant)」ノードの範囲を囲む領域を形成し、実
際には、さらに多数のノード、及び円柱形の対角的に隣
接するさらに遠方ノードが考慮されると理解される。方
位k=90度を有する括弧内のセル8、7の左と右からの
信号は、すべて、協同段階48におけるセル8、7に結合
される。[注意:類似プロセスは、セル8、7の各方位
kに対し、そしてまたCOMPII40とCOOP48におけるセル
i、j、kの各セットの間で行なわれる。] 協同段階の主な機能は、画像コントラスト分布の統計
的特性における結合力(coherence)により、画像領域
を分類することによってギャップ上において境界を完成
することである。これを達成するために、次の2つの主
要因子が、競合段階からの信号を統計的に重み付けする
際に考慮される。
a)境界を完成する競合段階においてアクティビティを
トリガーするために、第2競合段階におけるノード間の
最適距離。
b)第2競合段階からの出力信号の位置と入力として出
力信号を受信する協同段階におけるそれぞれの受容体ノ
ードの位置との間の伝搬方向。
この重み付けは、協同段階における各処理ノードに対
して2つの分離した長範囲空間的領域(例えば、第6図
における左領域56と右領域54)において達成される。こ
うして、例えば、水平に整合した協同セル8、7は、左
56からの入力と右54からの入力に対し別個の重み付けら
れた合計を計算する。再び、このプロセスは、COMPII40
における各セルの回りの2つの別個の長範囲空間的領域
におけるセルの各セットに関して、COOP48における各ノ
ードに対し同時に行われることが強調される。同様に、
ある所定の空間的領域内のCOOP段階48の全ノードは、方
位信号をCOOP48における他のノードに送信する。
重み付けられた合計は、各領域からの重み付け信号
が、一定(定数)値を超えないことを保証するために、
変換又はクリップされる。各側からの変換された信号
は、合計される。合計を取ることは、充分に正の入力ア
クティビティが、ギャップを充填するための境界完成信
号を保証するために、両空間的領域において同時に発生
したことを保証する。合計が、一定値を超えるならば、
協同ノードは、フィードバック信号を提供する。(4節
における式A15−17の議論を参照。)これらのフィード
バック信号は、第2競合段階に送られる前に、第1競合
段階の動作に類似するフィードバック経路においてオン
中心オフ周囲網によって鋭化される。これは、第6図に
示され、この場合ノード1、3からのフィードバック出
力信号は、フィードバック段階60の対応ノード1、3と
共に、ノード1、2と1、4に結合されて示される。
(注意:配列65のノードの第1行のみが、簡単化のた
め、第6図に示される。前の段階におけると同様に、LX
M配列が提供されると理解されるべきである。)再び、
第1競合段階における如く、協同段階48における一定方
位kのマスク・セル50は、プラス(+)符号によって表
記された如く、フィードバック段階60の配列65におい
て、その位置(i、j)における同指向セル62を刺激す
る傾向があり、そしてマイナス(−)符号によって表記
された如く、近くの位置における同指向セルを抑制する
傾向がある。各フィードバック・ノード62からのフィー
ドバック信号は、OCフィルターの指向コントラスト駆動
マスクから発し、かつ、第1競合段階によって変換され
るCOMPI段階38における対応ノード43に現在する信号に
結合される。例えば、1つのそのようなフィードバック
信号Vijk[i、j=1、3]は、配列44のノード1、3
に再び結合されて示されている。こうして、フィードバ
ック信号とマスク「信号」の結合は、感知された長範囲
統計的データにより、第2競合段階40においてアクティ
ビティのパターンを修正する。これは、更に、平衡が迅
速に達せられるまで、訂正フィードバック情報となる第
2競合段階からの出力を訂正する。
4.境界輪郭システム網モデル 境界輪郭システム(BSシステム)網モデルが、以下に
詳細に規定される。
A.指向マスク 方位kを有する位置(i、j)に中心を置かれたマス
ク又は指向受容フィールドを規定するために、マスクの
伸長受容フィールドは、左半部Lijkと右半部Rijkに分割
される。[注意:添字のない大文字は、定数を意味す
る。]のすべてのマスクは、前処理された入力のフィー
ルドをサンプルする。Spqが、このフィールドの位置
(p、q)に対して前処理された入力に等しいならば、
方位kを有する位置(i、j)におけるマスク30からの
出力Jijkは、次の如くである。
この場合 そして表記[P]+=max(p、0)である。
式A1の分子における2つの項の合計は、Jijkが、方位と
コントラスト量に感知するが、コントラストの方向には
感知せず、LijkとRijkによって受容されることを意味す
る。式A1における分母項は、β(Uijk+Vijk)が1より
もずっと大きい場合に、Jijkにより制限比率スケールを
計算することが可能になる。
B.各方位内のオン中心オフ周囲相互作用(競合I) 一定方位kを有する入力Jijkは、「オン中心オフ周囲
相互作用」を経て、第1競合段階においてポテンシャル
Wijkを活動化する。
|p-i2+|q-j2が充分に小さいならば、各Jijkは、
Wijkを刺激し、そしてWpqkを抑制する。すべてのポテン
シャルWijkはまた、次の競合段階において脱抑制活動化
を支える同じ持続的入力Iによって刺激される。こうし
て、 この場合Apqijは、位置(p、q)と(i、j)の間の
抑制相互作用強度であり、そしてf(Jijk)は、Jijk
よって生成された入力信号である。
C.各位置における方位間の押し引き(Push−Pull)対抗
プロセス COMPI段階におけるWijkとWijkによって表現された垂
直ポテンシャルは、それぞれ、目標ポテンシャルXijk
Xijkにおいて競合する出力信号を導出する。[注意:kに
垂直な方位は、大文字Kによって表記される。簡単化の
ため、これらの出力信号は、常に非負であるポテンシャ
ルWijkとWijkに等しいと仮定される。XijkとXijkは、迅
速にかつ線形にこれらの信号に応答すると仮定される。
こうして、 Xijk=Wijk−Wijk (A6) そして Xijk=Wijk−Wijk・ (A7) D.各位置における標準化 この押し引き対抗プロセスの一部分として、第2競合
段階40(第6図)の出力Yijkが、標準化されると仮定さ
れる。この特性を達成するために、幾つかの方法が存在
する。次のアプローチが使用された。
ポテンシャルXijkは、正になる時、相互作用する。こ
うして、Xijkからの出力Oijk=O(Xijk)を次式に等し
くされた。
Oijk=C[Wijk−Wijk+ (A8) この場合Cは、正定数であり、そして[p]+=max
(p、0)である。各ポテンシャルにおけるこれらの出
力のすべては、そのポテンシャルYijkが次式を満足する
分路オン中心オフ周囲網を経て相互作用する。この分路
オン中心オフ周囲網は、固定点ijからの信号及び取り囲
む周囲点(例えば点p,q)からの信号に応答する回路網
である。
[注意:Dは、セル・アクティビティの受動(指数)崩壊
の率を表す。Eは、Yijkの飽和レベルを表す。]常に、
式A9の右側の中央項であるYijkEは、0であり、アクテ
ィビティを低下させる。
各ポテンシャルYijkは、その入力に対し急速に平衡に
達する。式A9において ならば、 (A10)が成立する。
この場合 こうして、DがOijと比べて小さいならば、 E.協同段階への対抗入力 Wijk、Xijk、とYijkポテンシャルは、すべて、双極子
(dipole)フィールドのオンセル・サブフィールドの一
部分であると仮定される。[注意:双極子フィールドに
おける「オン」と「オフ」は、単に、「相互に対抗する
(mutually antagonistic)」ことを意味する。こうし
て、「オンセル(on−cell)」により、OCフィルターの
ノードからの信号によって刺激さけるセルを意味する。
対応するオフセルは、同じ信号によって分離される。]
Yijkが刺激されるならば、刺激信号(f(Hijk))が、
協同段階において生成される。ポテンシャルYijkが刺激
される時、垂直方位に対応するポテンシャルYijkは、抑
制される。これらのポテンシャルの両方は、双極子フィ
ールドのオンセル・サブフィールドの一部分を形成す
る。オンセル・ポテンシャルYijkの抑制は、抑制信号−
f(Yijk)を協同レベルに送信する対応するオフセル・
ポテンシャルY ijkを脱抑制する。こうして、信号f(Y
ijk)と−f(Y ijk)は、同時に発生する。これらの特
性の事例を挙げるために、簡単な仮定を行った。即ち、Y ijk =Yijk; (A12) 即ち、kに垂直な方位Kに対するオフセル応答は、方
位kに対するオンセル応答と同じである。
オンセル及びオフセル双極子フィールドの効果は、第
8A、B図、第9A、B図、と次の5節に関連してさらに議
論されかつ示される。
F.指向協同:統計的ゲート 協同ポテンシャルZijkは、その協同入力分枝の両方
が、同様に調整された競合ポンテシャルから充分の正味
の正刺激を受容する時のみ、いき上で(supraliminall
y)を活動化される。こうして、 式A13において、g(s)は、sが正である時のみ正に
なる信号関数であり、そして有限の最大値を有する。線
形よりも低速の関数 がシミュレーションにおいて使用された。式A13におい
て2つの充分に正のg(s)項の合計は、その出力信号
h(Zijk)の発火しきい値(firing threshold)の上で
Zijkを活動化させるために必要とされる。しきい値−線
形信号関数 h(z)=L[z−M]+、 (A15) が使用された。次式の如く各合計は、位置(i、j)の
どちらかの側にある好ましい方位k(近似的に等しい)
を有するノードの細片からの入力を合計する空間的相互
相関である。
そして 空間的核Fpqij (r,k)とGpqij (r,k)に寄与する方位rは、
また、近似的にkに等しい。核Fpqij (r,k)とGpqij (r,k)
は、次の如く規定される。
そして この場合 そしてP、RとTは、正の定数である。特に、RとT
は、奇数の整数である。核FとGは[・・・]+符号の
下でマイナス符号だけ異なる。このマイナス符号は、核
の極性、即ち、位置(i、j)のどちらからZijkに対す
る入力を収集するかを決定する。項 は、各核がその入力を収集する(i、j)からの最適距
離Pを決定する。核は、Npqij/Pの関数としてガウス法
則により崩壊し、この場合式A20においてNpqijは、
(p、q)と(i、j)の間の距離である。式A18とA19
における余弦項は、核の方位調整(orientational tuni
ng)を決定する。式A21により、Qpqijは、式A13におけ
る協同セル(i、j)の位置に関する位置(p、q)の
方向である。式A18とA19における項|cos(Qpqij -r)|
は、Qpqijが、位置(p、q)において受容フィールド
方位rに対してどれだけ平行であるかを計算する。式A2
1により、項|cos(Qpqij -r)|は、方位rが(i、j)
に関して(p、q)の方位に等しい時最大である。この
項についての絶対値符号は、それが負になるのを防ぐ。
式A18とA19における項cos(Qpqij -k)は、Qpqijが式A13
における協同セル(i、j)の受容フィールドの方位k
に対してどれだけ平行であるかを計算する。式A21によ
り、項cos(Qpqij -k)は、方位kが(i、j)に関して
(p、q)の方位に等しい時最大である。cos
(Qpqij -k)<0の如き位置(p、q)は、負数値の
[・・・]+がゼロに等しいので、核Fを経てZijkに入
力されない。一方、そのような位置(p、q)は、核G
の定義における余分のマイナス符号により、核Gを経
て、Zijkに入力される。式A19における余分のマイナス
符号は、各協同セルの2つの入力収集分枝を規定するた
めに、核Fpqij (r,k)に関して、核Gpqij (r,k)の方位の好
ましい軸を動かす。こうして、式A18とA19における積項
[|cos(Qpqij -r|]R[cos(Qpqij k)]Tは、その位置
と方位が協同セル(i、j)の好ましい方位kにほぼ平
行である双極子フィールド・オンセルからの大経路重み
と、その位置と方位が協同セル(i、j)の好ましい方
位kにほぼ垂直である双極子フィールド・オフセルから
の大経路重みとを決定する。べき(power)RとTは、
方位調整の鋭化さを決定する。高いべきは、鋭い調整を
実施する。
G.各方位内のオン中心オフ周囲フィードバック 各Zijkは、各方位k内で分路するオン中心オフ周囲相
互作用を活動化する。従って、目標ポテンシャルV
ijkは、次の形式の方程式に従う。
こうして、式A4におけるボトムアップ変換Jijk−W
ijkは、式A22におけるトップダウン変換Zijk−Vijkに同
様である。機能的に、Zijk−Vijk変換は、同じ方位を有
する近くの位置を抑制するために、最も有利な協同が、
好ましい位置と方位を増すことを可能にする。信号Vijk
は、Wijk対抗プロセスに入力することによって、効力を
生ずる。(第6図のCOMPI段階を参照せよ。)こうし
て、式A4は、次の如く変えられる。
平衡において、BCシステムの計算論理は、以下の式に
より、パラメーター選択まで決定される。
Oijk=C[Wijk−Wijk+ (A8) そして 可能な場合には、簡単な空間的核が使用された。例え
ば、式A22における核Wpqijと式A23におけるApqijは、両
方共、環状の受容フィールド内で定数であるように選ば
れた。
そして 5.協同段階48に対する協同受容フィールド 2つのタイプのパラメーターが、受容フィールドの特
性を記述するために指定されなければならない。即ち、
各受容フィールドの全体的形状を決定するマクロスケー
ル(macroscale)・パラメーターと、規定の方位の双極
子フィールド入力が、協同受容フィールドをどれほど効
果的に刺激又は抑制するかを決定するミクロスケール・
パラメーターである。第8A図、第8B図と第9A図、第9B図
は、協同受容フィールドのコンピューター・シミュレー
ションを記述している。注意:第8A図、第8B図と第9A
図、第9B図において、線長は、水平に調整された競合セ
ルから近くの位置における種々の方位の協同セルへの信
号に対する重みの強度に比例する。言い換えば、第8A
図、第8B図と第9A図、第9B図におけるパターンは、セル
・アクティビティの実際レベルによって調整される分布
を表現する。方位は、線方位によって表わされる。第7
図の拡大図に示された如く、4つのそのような方位が、
0度(垂直)、45度、90度(水平)と135度で示され
る。また、第7図において、水平方位が、最も強く、そ
して垂直方位が、最も弱いことに注意。こうして、第8B
図において、強い信号は、競合セル(中心円)の左右の
水平協同セルの5ユニットに送信されるが、信号強度
は、方位の距離と変化と共に低下する。第8A図は、水平
協同セルの受容フィールドによって、入り信号に割り当
てられた重みの二重斜視図を示す。(刺激信号強度のみ
が、この図に示されることに注意。) 第9図において、極端な協同インフィールドの第9B図
とアウトフィールドの第9A図が示されている。この図
は、第8図のシミュレーションにおいて使用されたより
もさらに極端なパラメーター選択を使用する。インフィ
ールド(in−field)の1つの位置における大きな方位
の不確実性は、アウトフィールド(out−field)におけ
る大きな位置の不確実性に対応し、これによりインフィ
ールドとアウトフィールドとの間の双対性が示される。
第9図における協同インフィールド又は受容フィール
ドは、示さけた位置と好ましい方位を有するすべての双
極子フィールド・オンセルから、水平指向受容セルを有
する単一協同セルへの経路重みを記述する。こうして、
各線の長さは、示された位置と方位をコード化するセル
から受容された入力に対する受容フィールドの感度に比
例する。第8図のフィールドにおけるセルは、セルを通
過する水平軸に沿って落下する水平指向入力に最も感知
する。
6.知覚分類 この節において、知覚分類を生成するためのBCシステ
ムの能力を示すために、コンピューター・シミュレーシ
ョンが、第10図乃至第17図に関連して要約されている。
第10図乃至第17図において、各線分の長さは、12の可能
な方位の1つに応答する網ノードの活動化に比例する。
ドットは、非アクティブ・セルの位置を示す。第10図乃
至第17図において、部分(a)は、視覚入力の与えられ
た方位において、コントラスト量を感知するOCフィルタ
ーのマスクからの理想化された信号を表示する。信号の
3つの例と6つの行の各分類は、マスクの密な配列が実
際の画像線にどのように応答するかのカリカチュアであ
るから、ライン(Line)と呼ばれる。部分(b)−
(d)は、競合及び協同層における指向セルの平衡アク
ティビティを示す。(a)と(c)の比較は、網によっ
て感知された手段な分類を示す。2つの左及び2つの右
の集団又はラインの垂直整合のみが、登録される。
数値パラメーターは、シミュレーションのすべてに対
し、固定に保持された。入力パターンのみが、変えられ
た。入力パターンが移動された時、BCシステムは、誘導
要素の間の関係を感知し、そしてそれらの間の発生境界
分類を生成した。シミュレーンのすべてにおいて、第一
の目的が協同競合(CC)フィードバック交換を研究する
ことであるから、入力パターンは、第10図における如
く、指向受容フィールドの出力パターンであるように規
定される。この段階は、シミュレーションを生成するた
めに必要とされた計算時間を減少させた。好ましくは、
BCシステムは、従来のコンピューターにおけるシンミュ
レーションによるよりもむしろ、並列ハードウェアを使
用し、その結果それは、実時間で実行される。
第10図乃至第17図において、網アクティビティは、CC
フィードバック・ループが平衡状態に収束した後に表示
される。これらのシミュレーションは、ただ1つの協同
帯域を使用した。こうして、それらは、BCシステムが、
単一「空間的周波数(spatial ferequency)」スケール
を使用して、画像をどのように区分化するかを示す。し
かし、多重スケールが、3次元の形式知覚表象を生成す
るために必要とされる。
第10a図は、4つの垂直指向入力集団の配列を示す。
第10b図、第10c図、と第10d図において、3つの連続CC
段階におけるセルの平衡アクティビティが、表示され
る。即ち、第1競合段階b、第2競合段階c、と協同段
階dである。各位置における指向ラインの長さは、その
受容フィールドが規定方位を有する位置に中心を置かれ
たセルの平衡アクティビティに比例する。第10図の拡大
図における如く、4つの方位が描かれ、焦点は、yフィ
ールド内のアクティビティ・パターン又は各シミュレー
ンの第2競合段階にある(第10c図)。これは、協同段
階dに入力される最終競合段階である。wフィールド
(第1競合段階)及びzフィールド(協同段階)のアク
ティビティ・パターンはまた、前述で提供された如く、
これらのフィールドの規定を考慮した後に、より良い直
観が可能であるように表示される。
第10a図における入力パターンは、明白な垂直対称性
を所有する。垂直ラインの対は、垂直方向において共線
的であるが、これに対して、それ等は水平方向において
空間的に位相を外れる。BCシステムは、この垂直対称性
を感応し、そして各ラインの端部における水平端部切断
の外に、第10c図における発生垂直ラインを生成する。
第11a図において、第10a図において示された入力パタ
ーンが変更され、その結果垂直ラインの第1列は、垂直
ラインの第2列に関して下方に移動される。第11c図
は、BCシステムが、入力構成内で水平対称を感知し始め
ることを示す。発生垂直分類と水平端部切断の外に、第
10c図における如く、近似的に水平の分類が現れた。
第12図において、入力ラインは、ラインの対が、垂直
方向において共線的であり、そしてライン端部が、水平
方向において整列されるように移動される。今、垂直及
び水平の両分類が、第12c図に生成される。
第13a図において、入力ラインは、垂直方向において
非共線的であるが、ライン端部の対は整合したままであ
るように移動される。これにより、第12a図の垂直対称
性は、破壊される。こうして、第13c図において、BCシ
ステムは、水平ライン端部を分類するが、垂直ラインは
分類しない。
第14図は、さらに要求の厳しい現象を描く。即ち、対
角線が入力パターンにおいて全く存在しない対角分類の
発生である。第14a図は、垂直ラインの2つの水平行の
端部が、協同相互作用の空間的帯域内になるまで、それ
らをさらに一緒に近付けることによって生成される。第
14c図は、BCシステムが、ラインの対角分類を感知する
ことを示す。これらの対角分類は、ミクロ的スケールと
マクロ的スケールの両方で現れることは注目すべきであ
る。こうして、対角に指向した受容フィールドは、発生
境界において活動化され、そしてこれらの活動化は、全
体として、対角帯域に分類される。
第15c図において、入力の別の移動が、水平及び対角
境界への外部分類を存続させながら、内部対角帯域を誘
導する。
第15a図において、垂直ラインの1つが除去される。
今、BCシステムは、残りの水平及び対角対称性を感知す
る(第16c図)。第17a図において、下方ラインは、協同
がもはや対角分類を支えることができなくなるまで、ラ
インの上方対からさらに遠くに移動される。対角分類
は、分離され、残りの水平分類は完全のままにされてい
る(第17C図)。
これらの図は、BCシステムが、その入力パターンに応
答してオンライン統計的決定機構の如く機能する事実を
示す。BCシステムは、その協同競合フィードバック交換
を非ゼロ安定平衡構成に駆動するために、充分な「統計
的慣性(statistical inertia)」を所有する知覚要素
の分類を感知する。こうして、第10図乃至第17図におけ
る発生パターンは、図示された意味と同様に図示されな
い意味についても重要である。協同競合相互作用の分類
は、入力を受容することができるので、原理的に、指向
入力要素のすべての可能な分類が、生成された。
BCシステム特性を他のアプローチと比較及び対照する
ために、各入力位置におけるアクティビティの分布は、
局所確率分布に類似するものとして解釈され、そして最
終BCシステム・パターンは、システムが、その局所デー
タのすべてに基づいて到達しかつ記憶する全体的決定と
して解釈される。図は、BCシステムが、局所データの可
能な分類の多数を擬似としてみなし、そしてそれらを機
能的雑音として抑制することを示す。
BCシステムにおいて、「外部パラメーター(external
parameters)」のみが入力パラメーター自身である。
各入力パターンは、BCシステムに対して境界条件の異な
るセットを規定し、そしてこの差異は、それ自身で、異
なる区分化を生成する。従って、BCシステムは、実時間
競合協同フィードバック交換を経て対照的かつ可干渉性
構成に自身の収束を調整する閉ループ・プロセスを含む
ので、余分の外部パラメーターを必要としない。
BCシステムの動学(dynamics)は、確率的概念の区分
化プロセスへの関連を明確にする。特に、各入力位置に
おける指向アクティビティの分布は、局所確率分布の役
割をする。一方、BCシステム内で、これらの分布は、確
率における所定の制約によるよりもむしろ、入力パター
ンへの実時間反応の一部として現れる。BCシステムは、
画像が確率分布に処理される仮定を組み込まない。その
ような知識は、急速な前注意区分化(preattentire seg
mentation)を達成するために必要とされない。
同等物 これで、本発明の説明を終える。上記の実施態様が好
ましいが、他の構成は、容易に当業者には明らかであろ
う。例えば、式A22は、次の如く改定される。
その結果Vフィードバック信号はより強く鋭化される。
また、4C節の式A6−A8において記述された双極子フィ
ールドのオンセル・サブフィールドに代替的なものとし
て、次と置き換えられる。
簡単化のため、Wijkポテンシャルからの出力信号は、
常に非負であるポテンシャル自身に等しいと仮定する。
各Wijkは、各位置(i、j)における方位mに渡って分
路するオン中心オフ周囲相互作用を経て、第2競合段階
においてポテンシャルYijkに影響を与える。
この場合 Cmk=C exp[−μ(m−k)2] (A30) そして Emk=E exp[−ν(m−k)2]. (A31) 式A29は、入力Wijkが、方位kを最大に刺激し、そして
近くの方位mを各位置(i、j)において指数関数的に
減少する強度Cmkにより刺激することを意味する。入力W
ijkはまた、各位置(i、j)において指数関数的に減
少する強度Emkにより方位mを抑制する。u<νである
から、規定A30とA3位置は、Wijkが、kに垂直な方位K
において又はその近くで最大抑制を生成することを可能
にする。さらに、応答Yijkは、平衡において、次式が成
立するために、入力Wijkを標準化する傾向がある。
A32により、A30とA31において係数CmkとEmkが充分に大
きいならば、Yijkは、重み付けされたWijk値の比に感知
する。
用語「コントラスト(contrast)」又は「画像コント
ラスト(image contrast)」は、暗と明の陰影化と関連
して、全体を通して使用された。しかし、さらに一般
に、用語は、画像信号の傾斜、即ち、信号強度における
傾斜、を含む。さらに、そのような信号は、赤外線信号
やレーダー範囲信号等の全体スペクトルに渡る信号を含
む。また、用語「画像(image)」は、信号輝度の2次
元空間的順序配列を含むことが意図される。
こうして、本発明は、次の請求の範囲及び同等物の言
語による範囲にのみ制限される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 Perception & Psyc hobhysics Vol.38,N o.2,Februdry 1985 S. Grosenberg et al " Neural dynamics of Perceptual gronpi ng:Tcxtures,bounda ries,and emergent segmentdtions”P.141 −171

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】コントラスト分布を有する画像の境界を検
    出するための境界輪郭システムにおいて、 a)方位重み関数で信号を重み付けして、重み関数とコ
    ントラスト分布との間の方位一致の程度に比例するマス
    ク出力信号を生成する、該コントラスト分布に対応する
    信号に応答するマスク手段と、 b)均質のコントラスト分布の画像の領域から送られる
    マスク出力信号の強度を抑えることによって該マスク信
    号を大きくして、大きくされた方位マスク信号を生成す
    る、該マスク出力信号に応答するノード手段と、 c)両領域からの方位付けられた信号が、境界輪郭が領
    域間の画像領域に存在することを示すために充分な値と
    方位であるとき、該ノード手段へのフイードバツク信号
    を生成するための該画像の領域の回りの空間的領域の両
    側から送られる方位信号に同時に応答するゲート手段と を具備することを特徴とする境界輪郭システム。
  2. 【請求項2】画像が、視覚画像の光輝度を表すピクセル
    から形成される請求の範囲1に記載のシステム。
  3. 【請求項3】明瞭なコントラスト分布を有する空間的画
    像において知覚的に重要な領域の境界を検出しかつ規定
    するためのシステムにおいて、 a)該画像をサンプルするための指向マスクの族の配列
    であって、 該マスクの族の各々が、複数のマスクから構成されてお
    り、 該マスクの族の各々が、該画像に関するそれぞれの位置
    に対応しており、 1つの族の該マスクの各々が、該画像に関する異なる方
    位に対応し、 該マスクの各々が、マスクの重み関数と該マスクによっ
    てサンプルされた画像領域におけるコントラストの分布
    との間の一致の程度に比例するマスク出力信号を提供
    し、 該出力信号が、画像によってサンプルされた領域におい
    てコントラストの位置、方位、及び量に感応し、画像に
    よってサンプルされた領域においてコントラストの方向
    に感応しない指向マスクの族の配列と、 b)該マスク出力信号が結合される各マスク位置と方位
    に対して1つ網ノードの第1配列を含む第1競合段階で
    あって、該網ノードの第1配列が第1の面に位置し、与
    えられた方位のマスク信号は、網ノードの第1配列の対
    応ノード位置において類似方位のノード信号に刺激効果
    を及ぼし、第1配列の近接の近傍ノードにおける類似方
    位のノード信号に抑制効果を及ぼす第1競合段階と、 c)該第1競合段階からのそれぞれのノード信号が、そ
    れぞれ結合される該第1配列における各ノードに対して
    1つ網ノードの第2配列を含む第2競合段階であって、
    該網ノードの第2配列が、上記第1の面に隣接した第2
    の面に位置し、該第1競合段階からのノード信号は、他
    の非類似の方位のノード信号に抑制効果を及ぼし、該第
    2競合段階の対応ノード位置における類似方位のノード
    信号に刺激効果を及ぼす、第2競合段階と、 d)第2配列のノードの各々に1つ網ノードの第3配列
    を含む協同段階であって、該網ノードの第3配列が、上
    記第2の面に隣接した第3の面に位置し、該第3配列の
    該ノードの各々が、該第2配列における対応ノードの両
    側における2つの領域内の該第2配列の複数のノードに
    結合され、 両領域における複数のノードの方位の充分な整合がある
    程度、該信号から感知されたとき、整合信号が、該第3
    配列のノードにおいて生成される協同段階と、 e)それぞれの整合信号が結合される該第3配列におけ
    る各ノードに対して1つ網ノードの第4配列を含むフイ
    ールドバツク段階であって、該網ノードの第4配列が、
    上記第3の面に隣接した第4の面に位置し、与えられた
    方位の整合完成信号が、網ノードの該第4配列の対応ノ
    ード位置における類似方位のノード信号に刺激効果を及
    ぼし、そして該第4配列の近傍ノードにおける類似方位
    の信号に抑制効果を及ぼす、フイールドバツク段階と、 f)該第4配列のそれぞれのノードからの信号を該第1
    配列のそれぞれのノードに結合する手段と を具備することを特徴とするシステム。
  4. 【請求項4】明瞭なコントラスト分布を有する空間的画
    像において知覚的に重要な領域の境界を検出しかつ規定
    する方法において、 a)マスクの重み関数と該マスクによってサンプルされ
    た画像領域におけるコントラストの分布との間の一致の
    程度に比例するマスク出力信号を提供する族における各
    マスクを有し、指向マスクの族の配列により該画像をサ
    ンプルすることと、 b)与えられた方位のマスク信号が、網ノードの第1配
    列の対応ノード位置における類似方位のノード信号に刺
    激効果を及ぼし、そして該第1配列の近接の近傍ノード
    における類似方位のノード信号に抑制効果を及ぼす如
    く、各マスク位置と方位に対し、網ノードの該第1配列
    のそれぞれのノードに該マスク信号を結合することと、 c)該第1配列からのノード信号が、非類似方位のノー
    ド信号に抑制効果を及ぼし、そして該第2配列の対応ノ
    ード位置における類似方位のノード信号に刺激効果を及
    ぼす如く、該第1配列における各ノードに対し、網ノー
    ドの該第2配列のそれぞれのノードに該第1配列のノー
    ド信号を結合することと、 d)該第2配列における与えられたノードの両側におけ
    る2つの領域内の該第2配列における複数のノードから
    のノード信号を、該第2配列における該与えられたノー
    ドに対応する第3配列におけるそれぞれのノードに結合
    し、 両領域における複数のノードの方位の充分な整合がある
    程度、該ノード信号から感知されたとき、該第3配列の
    各々のノードからの整合信号を生成することと、 e)与えられた方位信号が、網ノードの第4配列の対応
    ノード位置における類似方位のノード信号に刺激効果を
    及ぼし、そして第4配列の近傍ノードにおける類似方位
    の信号に抑制効果を及ぼす如く、該第3配列における各
    ノードに対し、網ノードの第4配列に対し配置信号を結
    合することと、 f)該第1配列のノードの各々におけるフィードバック
    信号を提供するために、該第4配列のそれぞれのノード
    からの信号を該第1配列のそれぞれのノードに結合する
    こととを含む方法。
  5. 【請求項5】コントラスト分布を有する画像の境界を検
    出する境界輪郭システムにおいて; ここで、 Lijk、Rijkは、それぞれマスクのフイールドの左半分及
    び右半分である、 に等しい出力信号Jijkを生成するために、該コントラス
    ト分布に対応する前処理された信号Spqに応答して、方
    位kを有しかつ位置(i,j)に中心を置かれたマスク手
    段と、 b)|p−1|2+|q−j|2が充分に小さいならば、第1ポテ
    ンシヤルWijkを活動化させ、かつ第2ポテンシヤルWpqk
    を抑制するために、該マスク出力信号Jijkに応答する第
    1ノード手段と、 (c)目標ポテンシヤルにおいてWijkとWijkとの間の競
    合を表す第3及び第4ポテンシヤルXijkとXijkを生成す
    るために、ポテンシヤルWijkとそれに垂直なポテンシヤ
    ルWijkに応答する第2ノード手段と、 d)Dが、アクテイビテイの受動崩壊の率を表わし、そ
    してEが、Yijkの飽和レベルを表わすとき、方程式 を満足する第5及び第6ポテンシヤルYijkとYijkを生成
    するために、各位置i、jにおいて第1、第2、第3、
    及び第4ポテンシヤルと相互作用するための分路網と、 e)境界輪郭が領域の間の画像領域に存在することを示
    すために、両領域からのポテンシヤルが、充分な値と方
    位であるとき、該第1ノード手段に対しフイールドバツ
    ク信号を生成するために、該画像領域の回りの空間的領
    域の両側から送られる該ポテンシヤルに同時に応答する
    ゲート手段と を具備することを特徴とする境界輪郭システム。
  6. 【請求項6】与えられた位置に対するすべての方位から
    生ずるポテンシヤルが制限されることを保証するため
    に、該第1及び該第2ノード手段の出力が、標準化され
    ている請求の範囲5に記載のシステム。
  7. 【請求項7】該第3及び該第4ポテンシヤルXijkとXijk
    の値が、与えられた活動化方位対ポテンシヤルに対す
    る、該与えられた方位におけるすべての他の活動化方位
    の合計のポテンシヤルの比に比例する請求の範囲6に記
    載のシステム。
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