JP2590915B2 - 複合インプラント材の製造方法 - Google Patents

複合インプラント材の製造方法

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JP2590915B2 JP62207758A JP20775887A JP2590915B2 JP 2590915 B2 JP2590915 B2 JP 2590915B2 JP 62207758 A JP62207758 A JP 62207758A JP 20775887 A JP20775887 A JP 20775887A JP 2590915 B2 JP2590915 B2 JP 2590915B2
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和夫 柳原
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Description

【発明の詳細な説明】
発明の目的
【産業上の利用分野】
本発明は、人工骨、人工歯根などに利用する複合イン
プラント材、とくにTiのような生体為害性のない材料
と、ハイドロキシアパタイトCa10(PO4(OH)
(以下「HAP」という)またはリン酸三カルシウムCa3
(PO4(以下「TCP」という)との複合材の製造方法
に関する。
【従来の技術】
歯や骨の無機成分に近い結晶構造をもつHAPは、生体
内に置いたとき、吸収されたり繊維性被膜で被包された
りすることなく、新生骨と直接強固に結合するというす
ぐれた生体親和性を示すため、人工骨や人工歯根などの
生体硬組織の代替品として実用することが種々試みられ
ている。TCPもまた、HAPに次ぐ生体親和性をもつことが
知られている。 HAPやTCPの厳密な焼結体が、常圧またはホットプレス
を用いて1000〜1300℃で焼結することによって得られ
る。しかしこの焼結体は典型的な脆性材料であって、実
用に耐える強度と靭性をもっていない。 近年、強度と靭性の改良をめざして、HAPに生体為害
性の小さいTiのような金属を組み合わせた複合材が開発
されるようになった。たとえば特開昭59−456776号に
は、HAPとTiの複合材が提案されており、その製造方法
としてHAP粉末およびバイオガラス系のフリット粉末か
らなるセラミック材料と、TiH4粉末およびTi粉末からな
る金属材料とを複合し、不活性または真空雰囲気で、12
00〜1300℃で焼結する方法が開示されている。 セラミック材料であるHAPまたはTCPと金属材料とを焼
結法で溶着させるためには、従来の技術ではガラスが必
要であるが、ガラスには生体親和性がないため、ガラス
を添加したセラミック材料の生体親和性は添加量に従っ
て低下する。しかもガラスは、焼結時に、軟化、変形、
発泡などを起こすことがあり、品質の良い製品が得にく
い。
【発明が解決しようとする問題点】
本発明の目的は、強度、靭性および生体親和性のすぐ
れた複合インプラント材を、高い信頼性をもって製造す
る方法を提供することにある。 発明の構成
【問題点を解決するための手段】
本発明の複合インプラント材の製造方法は、HAPまた
はTCPの粉末に、TiまたはTi化合物たとえばTiH2の粉末
を混合した粉末混合物を、プラズマアークを使用して生
体為害性のない基材の表面に非酸化性雰囲気中で溶着さ
せることを特徴とする。HAPまたはTCPの粉末と、Tiまた
はTiH2の粉末との混合割合は、混合物1種を使用する場
合は前者の粉末50〜90重量%と後者の粉末10〜50重量%
が適当であるが、異なる混合割合のものを数種類用意
し、溶着の初期はTiまたはTiH2の比率を高くとり、溶着
の進行に伴って低下させて行き、終期にはゼロにする、
すなわちHAPまたはTCPだけを溶着させるようにすると、
高い密着性が得られて好ましい。 これは、基材上にTiまたはTiH2をプラズマアークによ
り肉盛溶接してTiの活性層を形成し、その上にHAPまた
はTCPの割合を徐々に増加した複合層を積層して行くこ
とによって、基材とHAPまたはTCPとの熱膨張係数の差が
緩和され、両者の間に強固な結合が得られるためと考え
られる。 基材は、生体為害性が問題にならない限り任意にえら
ぶことができ、純Tiはもちろんのこと、Al,Vなどを含ん
だ合金であってもよいし、ステンレス鋼でもよい。基材
は、あらかじめ加熱して温度を高めた状態で用いると、
HAPやTCPの密着性がよくなる。 プラズマアークを使用したコーティング方法の代表的
なものはプラズマパウダーウエルディング法(以下「PP
W法」という)であって、この技術は粉末を比較的高速
で供給でき、好適である。直流プラズマと高周波プラズ
マとを組み合わせて用いる、いわゆる「ハイブリッド」
プラズマ法も採用可能である。 PPW法は、耐熱性耐摩耗性金属の粉末を肉盛溶接する
ためによく実施される技術であって、図面を参照して説
明すると、まずトーチ1にプラズマガス(Ar)を供給
し、電極5および6間にアークを発生させてプラズマを
形成し、これを電極5と被加工物2との間のアーク7に
移行させる。 不活性ガスでシールドしながら、パウダーガスにのせ
て粉末3Aをプラズマアーク7中に投入し、これを被加工
物2に溶着物3Bとして溶着させる方法である。
【作 用】
前記したように、これまでHAPやTCPのインプラント材
は、焼結によって得られているが、発明者らは、HAPやT
CPは短時間であれば高温にさらされても実質上分解しな
いことを見出し、焼結によらない新しい複合材製造方法
を完成させた。 HAPおよびTCPを単独で基材に溶着させようとすると、
プラズマアークをかなり強力にしなければならない。し
かしアーク放電を強くしすぎると、基材が部分的に溶融
するおそれがある。 基材として代表的なTiまたはTi合金を使用し、通常の
アーク放電でHAPやTCPをこの基材に溶着させるために
は、基材と同質か、またはそれに近いTiまたはTiH2の粉
末を、HAPまたはTCPの粉末とともに、またはこれらに先
立ってプラズマコーティングする。 TiまたはTiH2の粉末は、添加量が10%に満たない少量
では、密着性の向上にあまり役立たず、50%を超えて多
量に加えると生体親和性が低下して、インプラント材と
しての機能が不満足になるから、少なくとも最外層はこ
れ以下の添加量の混合物で形成すべきである。
【実施例】
予備加熱したTiの丸棒(外径17mm、長さ200mm)の外
周に100μに造粒したセラミック(HAPまたはTCP)粉末
と金属(TiまたはTiH2)粉末との種々の割合の混合物
を、PPW法によって溶着させた。PPW装置の操業条件を下
に、また粉末の混合比率を表に示す。 項 目 条 件 パウダーガス 9.25/min プラズマガス 8.0 /min シールドガス 25 /min パイロットアーク 46A,17V 溶 接 電 流 5〜10A 試 料 回 転 25rpm 試 料 送 り 1.8 mm/min 各実施例において、断面のミクロ写真をとってしらべ
たところ、いずれも均一なコーティング層を形成してい
ることがわかった。HAPの溶着物をX線回析にかけたと
ころ、TCPに相当するピークもあらわれたが、変化した
量はわずかであった。 No.5の例について、スクラッチ試験機により基材と溶
着物との密着の強さをしらべた。スクラッチ力40Nの付
近でアコースティックエミッションが認められ、金属と
セラミックスとの組み合わせとしては、比較的よく密着
しているといえる。 発明の効果 本発明の複合インプラント材の製造方法は、ガラスを
使用しないため、ガラスの使用に併う問題、すなわち焼
結時に軟化、変形、発泡がおこって、製品の寸法精度が
低下するという心配はない。 金属基材をあらかじめ適切な形に加工しておくことに
よって、容易に所望の形状の複合インプラント材を得る
ことができる。 本発明の方法で製造された複合インプラント材は、HA
PやTCPがガラスで稀釈されていないから、生体親和性は
従来のものと同等である。一方、機械的性質は基材によ
り高く得られ、代表的な基材であるTiまたはTi合金の強
度と靭性は、インプラント材として十分なものである。
【図面の簡単な説明】
図面は、PPW法を説明するための、放電中のトーチ先端
と被加工物の断面を示す図である。 1……プラズマトーチ 2……被加工物 3A……粉末、3B……溶着物 7……プラズマアーク

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ハイドロキシアパタイトまたはリン酸三カ
    ルシウムの粉末に、TiまたはTiH2の粉末を混合した粉末
    混合物をプラズマアークを使用して生体為害性のない基
    材の表面に非酸化性雰囲気中で溶着させることを特徴と
    する複合インプラント材の製造方法。
  2. 【請求項2】ハイドロキシアパタイトまたはリン酸三カ
    ルシウムへのTiまたはTiH2の粉末の混合割合を、溶着の
    初期は高く、溶着の進行に伴なって低下させ、終期には
    ゼロにするように変化させつつ実施する特許請求の範囲
    第1項の製造方法。
  3. 【請求項3】基材を予備加熱して実施する特許請求の範
    囲第1項の製造方法。
  4. 【請求項4】プラズマパウダーウエルデイング法により
    実施する特許請求の範囲第1項の製造方法。
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