JP2587929Y2 - キーボード - Google Patents

キーボード

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JP2587929Y2
JP2587929Y2 JP1997002708U JP270897U JP2587929Y2 JP 2587929 Y2 JP2587929 Y2 JP 2587929Y2 JP 1997002708 U JP1997002708 U JP 1997002708U JP 270897 U JP270897 U JP 270897U JP 2587929 Y2 JP2587929 Y2 JP 2587929Y2
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wiring
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resistance
keyboard
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成生 丹治
和敏 林
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Fujitsu Ltd
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は,マトリックス配列のシ
ート状スイッチ素子を使用したキーボード、特にNキー
ロールオーバ入力を可能にするキーボードに関する。近
年、各種入力装置に利用されるキーボードには、構成が
簡易であり安価なシート状スイッチ素子(通常メンブレ
ンスイッチ)が広く利用されるようになったが、入力の
高速化指向に伴って、複数のキー(N個の押釦)の重ね
打ちによる電流の回り込みを回避する高速打鍵対応技術
が要求されるようになった。
【0002】
【従来の技術】キーボードに使用されるスイッチ素子
は、可動接点が固定接点に接離する構成の有接点方式
と、ホール素子等を利用する無接点方式に大別される。
有接点方式であるシート状スイッチ素子は、基本的に、
複数箇所に透孔をあけた絶縁スペーサを、可撓性を有す
る一対の絶縁フィルムで挟み、各絶縁フィルムにはスペ
ーサの各透孔内に表呈する接点と、該接点を外部接続す
るための配線とをパターン形成し構成される。
【0003】一方、少なくともN個のキーの重ね打ちに
よる回り込み電流を回避するNキーロールオーバ入力可
能なキーボードは、有接点方式のスイッチを利用したも
のでは通常は各スイッチに対しダイオードを直列に接続
した構成であり、無接点方式のスイッチを利用したキー
ボードでは、各スイッチに対しキャパシタを直列に接続
した構成が公知である。
【0004】図3は従来のキーボードの回路構成例を示
す図であり、複数本のX配線1は検出回路2に接続し、
複数本のY配線3は駆動回路に接続し、一端がX配線1
に接続する複数個の各スイッチ5の他端に接続したダイ
オード6は、Y配線3に接続される。かかるキーボード
は、全スイッチ5の重ね打ちに対し回り込み電流を回避
するフルキーロールオーバに対応するのに対し、ダイオ
ード6に替え抵抗素子を使用した有接点方式のキーボー
ドおよび、キャパシタを使用した無接点方式のキーボー
ドは、N個のスイッチ5の重ね打ちに対して回り込み電
流を回避するNキーロールオーバ入力に対応可能であ
る。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】従来のマトリックス配
列のシート状スイッチ素子を使用したキーボードでは、
回り込み電流を回避するための抵抗素子をシート上に印
刷形成することによりキーボードの薄型化を図ったもの
が知られている。一般のパソコン等に使用されるキーボ
ードはキーの数が100個以上あり,一方、薄型化だけ
でなく、幅、奥行きも小さくしたコンパクトな製品が求
められている。回り込み電流を回避するための抵抗素子
をシート上に印刷形成したキーボードでは、小さな面積
のシート上に多数の接点と抵抗素子と配線を形成しなけ
ればならず、抵抗素子を形成するスペースを確保するの
が困難になり、かつ配線は引き回しの関係で、細く長く
せざるを得ず、抵抗値は高くなってしまう。このような
状況において、キーの数やシート状スイッチの面積に関
係なく確実にNキーロールオーバ入力可能、かつ小型の
キーボードの実現が要望される。
【0006】
【課題を解決するための手段】本考案は,上記問題を解
決するために,複数の透孔を有する絶縁スペーサを挟む
一対の絶縁フィルムを具え、該一方の絶縁フィルムに
は、前記透孔内のそれぞれに表呈してマトリックス配列
の行および列の群を構成する第1の接点と、該第1の接
点をその行毎に共通に外部接続する第1の配線と、該行
単位の第1の配線と各第1の接点との接続経路の一部に
付設した抵抗素子を有すると共に、前記他方の絶縁フィ
ルムには、前記第1の接点のそれぞれに前記透孔内で対
向する第2の接点と、該第2の接点を前記マトリックス
の列を構成する群毎に共通に外部接続する第2の配線と
を有し、さらに前記第1の配線または第2の配線の一方
に接続する検出回路と、他方に接続する駆動回路とを有
してなるキーボードにおいて、前記各抵抗素子の抵抗値
をRH 、該各抵抗素子に接続されて前記検出回路と駆動
回路に至る配線の抵抗値をRL としたとき、RL /RH
の比が10%以下となるよう該各抵抗素子のパターンを
つづら折り形状に形成したことを特徴としている。
【0007】
【作用】本考案では,マトリックス配列のシート状スイ
ッチ素子を使用したキーボードで、抵抗値比RL /RH
を10%以下にすることにより、キー数やシート状スイ
ッチ素子の面積、つまりキーボードの大きさに関係なく
確実にNキーロールオーバ入力可能で、かつ各抵抗素子
をつづら折り形状に形成することにより小型のキーボー
ドが得られる。
【0008】
【実施例】以下,図面を用いて本考案の実施例を説明す
る。 図1は本考案のキーボードに使用したシート状ス
イッチ素子の基本構成を示す模式図、図2は本考案の一
実施例に係わるキーボードに使用したスイッチ素子の抵
抗素子の平面図とそのA−A断面図である。
【0009】図1において、シート状スイッチ素子11
は、複数箇所に透孔15をあけた絶縁スペーサ12と、
スペーサ12をその厚さ方向に挟む一対の可撓性絶縁フ
ィルム13、14とを具えている。スペーサ12、絶縁
フィルム13、14には、例えばポリエステルフィルム
を使用する。一方の絶縁フィルム13はスペーサ12と
の接触面(上面)に、各透孔15内に表呈する複数の第
1の接点16と、接点16の各リード部16aに一端が
接続する抵抗素子17と、抵抗素子17の他端に接続す
る配線18とをパターン形成している。図3のX配線1
(またはY配線3)に相当する複数本の各配線18は主
幹配線18aと、例えばX方向に並ぶ複数の抵抗素子1
7を同一主幹配線18aに接続される分岐配線18bに
て構成される。
【0010】他方の絶縁フィルム14はスペーサ12と
の接触面(下面)に、透孔15内に表呈し第1の接点1
6に対向する複数の第2の接点19と、第2の接点19
をそれぞれ外部接続する第2の配線20とをパターン形
成している。図3のY配線3(またはX配線1)に相当
する複数本の配線20は、例えばY方向に並ぶ複数の接
点19の間を接続する接続部20bと、一連の接続部2
0bで接続された複数の接点19を外部接続する主幹部
20aにて構成される。
【0011】接点16、19と配線18、20は、銀等
の導体層にそのマイグレーション防止用の低抵抗を積層
させた二重構成または、低抵抗層のみの一層構成で形成
される。図1のシート状スイッチ素子11は、絶縁フィ
ルム13に対しスペーサ12と絶縁フィルム14の一部
分を剥離させた状態であり、このように構成したシート
状スイッチ素子11は、接点19の形成された絶縁フィ
ルム14の上面をキー等にて押下すると、絶縁フィルム
14が変形することにによって、その接点19は、対向
する接点16に接触し、次いで該押下力を除去すると接
点19は、絶縁フィルム14が有する復元力で復帰し、
接点16と接点19は開離するようになる。 なお、図
示されてないが、本考案の実施例によるキーボードは、
図3に示すような検出回路および駆動回路が接続され
る。
【0012】図2において、図1の抵抗素子17に相当
する抵抗素子21は、図1のリード部16a、分岐配線
18bに相当するリード部22と分岐配線23とを接続
する。リード部22および配線23は、銀等の導体層2
4に例えば面抵抗が数十Ω/□程度のカーボンペースト
の抵抗層25を積層させた構造であり、抵抗素子21は
抵抗層25と同一カーボンペーストをつづら折り状に形
成したものである。抵抗素子に接続する配線の抵抗値を
L 、抵抗素子21の抵抗値をRH としたとき、RL
H =10%以下となるようにする。抵抗素子21をつ
づら折り状にすることにより、シート上の小さいスペー
スに所定の抵抗値を有する多数の抵抗素子パターンを形
成することができるので、キーボード全体を小型化する
ことができる。
【0013】キーボードにおいて、多数のスイッチをマ
トリックス状に配列した一般にメンブレンスイッチと呼
ばれるシート状スイッチ素子は、エンコーダ回路と共に
使用されるが、メンブレンスイッチの配線に分布する配
線抵抗を等価的に集中定数としてモデル化して抵抗をR
L 、プルアップ抵抗をRとし、それらに比較して低抵抗
であるエンコーダ回路(検出回路等)の配線抵抗を無視
したとき、一つの可動接点のみを押下して発生する検出
電位ΦY1は、 ΦY1=( RH +RL )・VCC/(RH +RL +R) で表される。
【0014】従って、各可動接点19のON/OFF
は、 ΦY1<ΦTH<ΦCC に設定したしきい値の電位ΦTHを求め、ΦY1<ΦTHなら
ばON、ΦY1>ΦTH( ΦY1=VCC)ならばOFFと判定
することができる。ここで、配線抵抗RL は動作させた
可動接点19によって発生する経路に依存し、配線抵抗
L の単調増加関数である検出電位ΦY1の最大値Φmax
は、配線抵抗RL の最大値をRLMとすれば、 Φmax =(RH +RLM)VCC/(RH +RLM+R) となる。
【0015】従って、全可動接点19に対してON/O
FFの判定を行うには、 (VCC>)ΦTH>Φmax を満たせばよいわけである。そして、RLM→∞でΦmax
→VCCとなるから電位ΦTHは、理論上、任意のRLM対し
て取ることが可能だが本考案では、 RL /RH ≦0.1 としている。
【0016】その理由は、以下のとおりである。シート
状スイッチ素子11をキーボードに使用したとき、3キ
ー以上(3個以上の可動接点19)を同時押下して発生
する回り込みを識別する必要がある。所定キーに代わっ
て回り込みが発生する3キーを同時に押したときの検出
電位ΦY3は、次の式によって現すことができる。 ΦY3=(3RH +RL )・VCC/(3RH +RL +R) 従って、3キー同時押下を所定キーのONと誤認しない
ためにしきい値の電位ΦTHは、 ΦTH<ΦY3(<VCC) を満たす必要がある。
【0017】さらに、多数のキーを同時押下して回り込
みを起こす経路は1通りでなく、同時押下キー数が増え
るに従って様々な経路が存在する。そこで、抵抗素子R
H の集合がつくる合成抵抗[RH ]とすれば、その合成
抵抗による検出電位ΦY は ΦY =([RH ]+RL )・VCC/([RH ]+RL +R) となり、回り込みの誤認識を避けるしきい値の電位ΦTH
はΦY より小さくする必要がある。そこで、解析を一般
化するため配線の長さ、幅等に特別な条件(一定以上の
長さを持つとか、一定以下の幅であるとか)を設けない
とすれば、RL の最小値は0であるため電位ΦTHは、 ΦTH<[ RH ] VCC/([RH ]+R) を満たす必要がある。
【0018】そして、同時押下のキー数nが増えるに従
って、有限の抵抗値をもった経路が並列に増えるように
なり、n→∞で[RH ]→0となるが、10本指で操作
するキーボードでは最大のn=8で十分である。そこ
で、種々の経路が考えられる8キー同時押下において、
最も配線抵抗RLの小さい条件(n=8における最も厳
しい条件)における合成抵抗RH8は RH8=1.2RH となり、最終的にしきい値の電位ΦTHが満たすべき条件
は、 (RH +RLM)・VCC/(RH +RLM+R) より大きく、 1.2RH ・VCC/(1.2RH +R) より小さくする必要がある。
【0019】これより、 RH +RLM<1.2RHLM/RH <0.2 となるが、ノイズ等に対するマージンを考慮して本考案
では、RLM/RH <0.1程度とした。なお、VCC=5
V,RH /R=0.1とすれば、しきい値の電位Φ
THは、 0.5[V]<ΦTH<0.54[V] であり、例えばΦTH=0.52[V]に設定する。
【0020】そのとき、1キーのみ操作して発生する検
出電圧の最大値Φmax および最小値Φmin は、 Φmax =αRH CC/(αRH +R) ∵RLM/RH =0.1のときのα=1.1 Φmin =RH CC/(RH +R) となるため、 (Φmax −Φmin )/Φmin =(α−1)/(1+α・RH /R) となり、さらにα・RH /R>0のため, (α−1)/(1+α・RH /R)<α−1 となり、α=1.1のとき、 α−1=0.1 となる。即ち、本考案において配線抵抗による検出電圧
のばらつきを最大10%に抑え、回り込み排除が可能に
なる。
【0021】
【考案の効果】以上説明した如く本考案のキーボードに
よれば、シート状スイッチ素子の配線と、回り込み阻止
用の抵抗素子の抵抗値の比を10%以下になるよう抵抗
素子のパターン形状をつづら折り形状にしたので、キー
の数やキーボードの大きさに関係なく、かつ小型で確実
にNキーロールオーバ入力のできるキーボードを実現で
きる。
【0022】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本考案のキーボードの実施例に使用したシー
ト状スイッチ素子の基本構成の模式図
【図2】 本考案の実施例のキーボードに係わるシート
状スイッチ素子の抵抗素子
【図3】 従来のキーボードにおける回路構成例を示す
【符号の説明】
1はX配線 2は検出回路 3はY配線 4は駆動回路 11はシート状スイッチ素子 12はスペーサ 13,14は絶縁フィルム 15は透孔 16は第1の接点 17,21は抵抗素子 18,18a,18b,23は第1の配線 19は第2の接点 20は第2の配線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 遠藤 孝夫 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1 番1号 富士通株式会社内 (56)参考文献 特開 昭60−128523(JP,A) 特開 昭60−39718(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G06F 3/02 310

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の透孔を有する絶縁スペーサを挟む一
    対の絶縁フィルムを具え、該一方の絶縁フィルムには、
    前記透孔内のそれぞれに表呈してマトリックス配列の行
    および列の群を構成する第1の接点と、該第1の接点を
    その行毎に共通に外部接続する第1の配線と、該行単位
    の第1の配線と各第1の接点との接続経路の一部に付設
    した抵抗素子を有すると共に、前記他方の絶縁フィルム
    には、前記第1の接点のそれぞれに前記透孔内で対向す
    る第2の接点と、該第2の接点を前記マトリックスの列
    を構成する群毎に共通に外部接続する第2の配線とを有
    し、さらに前記第1の配線または第2の配線の一方に接
    続する検出回路と、他方に接続する駆動回路とを有して
    なるキーボードにおいて、 前記各抵抗素子の抵抗値をRH 、該各抵抗素子に接続さ
    れて前記検出回路と駆動回路に至る配線の抵抗値をRL
    としたとき、RL /RH の比が10%以下となるよう該
    各抵抗素子のパターンをつづら折り形状に形成したこと
    を特徴とするキーボード
JP1997002708U 1997-04-10 1997-04-10 キーボード Expired - Lifetime JP2587929Y2 (ja)

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JPH10237U JPH10237U (ja) 1998-10-09
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Effective date: 19980922