JP2581551Y2 - 人工股関節に於ける臼蓋ソケット - Google Patents

人工股関節に於ける臼蓋ソケット

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JP2581551Y2
JP2581551Y2 JP8982891U JP8982891U JP2581551Y2 JP 2581551 Y2 JP2581551 Y2 JP 2581551Y2 JP 8982891 U JP8982891 U JP 8982891U JP 8982891 U JP8982891 U JP 8982891U JP 2581551 Y2 JP2581551 Y2 JP 2581551Y2
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acetabular socket
edge
socket
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hip joint
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典之 石田
和生 林
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Kyocera Corp
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は人工股関節の臼蓋ソケッ
ト(外殻)に関する。
【0002】
【従来の技術】人工股関節は図1の如く寛骨Hと大腿骨
Fとの間の股関節を人工部材によって置換修復するもの
であって、寛骨H側に凹設にしたソケット受凹所Rに臼
蓋ソケットAを嵌合着座させると共に大腿骨Fの髄腔内
に植立したステムSの先端のステムヘッドSHを上記臼
蓋ソケットA内に高密度ポリエチレン製受座Cを介して
転動自在に勘合してなる。臼蓋ソケットA、ステムヘッ
ドSH及びステムSは高強度にして生体為害性のないチ
タン金属、チタン合金もしくはCo−Cr合金などのメ
タル材もしくはアルミナセラミック、ジルコニアセラミ
ックなどのセラミック材よりなるが、臼蓋ソケットAは
大腿骨Fのソケット受凹所R内に嵌合固定されてステム
ヘッドSHを転動自在に支承するものであり、生体と人
工部材の界面にあって大腿骨Tの動荷重を受けとめる重
要な役割を果たす。ところで、このような臼蓋ソケット
Aは図6に示すように倒椀状殼もしくは半球状殻をなし
て凹所R内に嵌納され止めねじBによって寛骨Hにねじ
着されるものであるが、次のような問題点を含んでい
た。
【0003】図7に示す如く正常な寛骨Hの表面の皮
質骨H1は硬質層でその内側の海綿骨H2は軟骨層であ
り前者は外力の支承体となり得るが後者はその役に耐え
ない。しかるに従来のものに於いては半球状であるため
図6の如くソケットAの主要範囲は海綿骨H2と圧接し
ており且つ開口端縁a1は凹所Rの開口縁に相当する皮
質骨H11とは何等の接触関係を持たないのでソケット
Aを皮質骨によって剛直的に受けとめる範域は十分とは
伝えない。
【0004】人工股関節を着用して経時すると股関節
運動の累積と、この際に生ずる摩耗粉とによって臼蓋ソ
ケットAは寛骨Hの内側に次第に陥入移行する所謂マイ
グレーション(migration )を起こして正常な股関節機
能を阻害したり、この部分に応力集中が起きて二次的な
疾患を誘発する。この原因の一つとしてで述べたよう
な開口周縁a1と皮質骨H11との接触関係の不在が上
げられる。
【0005】また、実際の人工股関節の手術において
は、大腿骨の大転子を切り離して人工股関節置換術を施
行する場合と、大転子を切除せずに置換作業を行う場合
の2通りがある。後者の方法を採用すると、手術時にお
ける出血量が少ないことと、手術時間がより短いこと、
大転子の取り付けという作業が不要で大転子の癒合不全
などの術式の不安を残さないなどの多くの長所がある
が、一方では; 手術の視野が狭くなり、特に寛骨Hの骨切り作業は大
転子を切り離す場合に較べるとはるかにやりにくくな
る。
【0006】これに対して、特開平3-198848号公報は全
体としてほぼ倒椀状殼もしくは半球状殻をなしてその開
口周縁には周方向に間隔おきに外方張出縁を備えると共
に該外方張出縁の表面に縦横凹溝を備えて成る人工股関
節に於ける臼蓋ソケットを説明している。
【0007】
【従来技術の課題】上記特許公報において説明される臼
蓋ソケットは上記及びの問題点を解決するのに極め
て有効な手段である。しかしながら、上記の問題点、
つまり大転子を切り離しておこなう置換術においては手
術の視野が狭くなりやりにくくなるという問題点ついて
は何ら解決手段を提供するものではなく、外方張出縁の
存在のため、むしろそれ以前のものよりも手術の視野が
さらに狭くなってしまっていた。
【0008】
【課題を解決するための手段】本考案は、上記の課題を
解決するため、臼蓋ソケット、ステム及びステムヘッド
を含む人工股関節に於いて、上記臼蓋ソケットは全体と
してほぼ倒椀状殼もしくは半球状殻をなしてその開口周
縁には周方向に間隔おきに縦横凹溝を備えた外方張出
縁、および辺縁張出を備えて成る人工股関節に於ける臼
蓋ソケットを提供するものである。
【0009】
【作用】以上のような構成よりなる本臼蓋ソケットAの
使用要領と作用とにつき以下に述べる。臼蓋ソケットA
を寛骨Hに取り付ける要領は従来例と変わりなく、図5
に示すように凹所R内にソケットAを嵌納し止めねじ取
りつけ孔a4でもって止めねじBにてねじ着する。この
場合、図2に示すように本考案臼蓋ソケットAの開口周
縁a1には周方向間隔おきに外方張出縁a2が形成され
ているので外方張出縁a2は寛骨Hの皮質骨H11を含
んで凹所Rの開口周縁を施蓋するように取付けられる。
従って、この外方張出縁a2及びその背后に密着する皮
質骨H11によって臼蓋ソケットAの硬質支持域が従来
のものに較べて増大することになり、ステムヘッドSH
から該ソケットAに伝達される関節荷重に対する抗性が
高まる。また、この外方張出縁a2は臼蓋ソケットAの
回旋やティルティング対する抵抗力を大幅に高める作用
を持っている。
【0010】この外方張出縁a2をして図例の如く平面
円弧状片となすことによって寛骨Hの対応骨形状に対す
る適合性が良くなり、下向漸増肉状とすることによって
ソケットAの開口周縁a1に向かって順次強度補強が図
られ堅固となると共に外方張出縁a2の表面に縦横凹溝
a3を形成することによって皮質骨H11に対する接触
面積が増大して界面の密着性が高まる。そして外方張出
縁a2が皮質骨H11に係止することによって阻止し、
もってマイグレーションを防止することである。
【0011】さらに、本考案臼蓋ソケットAの開口周縁
a1には周方向の肉厚が薄い回旋止め梁a5及び上記開
口周縁a1に平行で厚み略一定のプレート状の辺縁張出
a6が形成されている。この辺縁張出a6は皮質骨H1
1と係止するが、接触面積が小さいので界面の密着性の
点で前記外方張出縁a2に劣る。しかしながら、その
分、大転子の切除を行う場合でも手術の視野が広くなる
ように肉薄にしたものである。すなわち、大転子の切除
を行う場合に手術の視野を阻害していた部位にも従来は
外方張出縁a2でったものを、部分的に肉薄のプレート
状としたものが辺縁張出a6であると言っても良い。同
時に、この辺縁張出a6は皮質骨H11と係止するの
で、外方張出縁a2のマイグレーション防止および回旋
防止の作用を補足する役割を果たす。
【0012】
【実施例】望ましい実施例を示す図2,3,4,5に於
いて外方張出縁a2は円周方向にほぼ105°をもって
発現する2個の例を示している。そして、この外方張出
縁a2,a2の扇角θ1及びθ2は図2に於いてそれぞ
れ30°及び10°、下向斬増肉形状は図3に於いて約
35°の拡開角θ3をもって実現しており、且つこの外
方張出縁a2の突出長は2〜10mmが適当であり、特
に4mm程度であるのが最も好ましい。
【0013】上記扇角θ1は外方張出縁a2の個数に係
わらず合計で90°以下が好ましい。90°より大きけ
れば骨切除量が多く成り過ぎ、出血量が多くなること
と、残存骨量が僅かになってしまうため骨が応力に耐え
かねて破損してしまう危険性がある。また、図5に示す
ように外方張出縁a2は上面側が水平方向に対して緩や
かに傾斜してあったものでも良いが、上記拡開角θ3
(図3参照)が5°〜45°としたものがより好まし
い。5°より小さくてはマイグレーション及び回旋防止
の機能を果たさず、45°より大きくては骨切除量が多
くなり過ぎるため残存骨量が僅かになってしまい骨が応
力に耐えかねて破損してしまう危険性がある。
【0014】また、辺縁張出a6及び回旋止め梁a5は
上記扇角θ1=30°である外方張出縁a2より他方の
外方張出縁a2と逆の円周方向にほぼ105°をもって
発現している。このうち辺縁張出a5については厚みが
0.5mm〜3mm程度、突出長は1mm〜5mm程度
が適当である。
【0015】上方外方張出縁a2及び辺縁張出a6の角
部はR部a7の如く丸みを帯びており、このようにする
と鋭角を有する角部の場合と比べて、該角部付近の皮質
骨におけるクラックの発生を引き起こすことがない。な
お、R部のR半径としては2〜5mm程度が適当で、と
くに4mm程度であるのが最も好ましい。更に外方張出
縁a2、辺縁張出a6、回旋止め梁a5の表面及び臼蓋
ソケットAの半球状もしくは倒椀状の殻の表面にはアパ
タイト等の生体活性材料よりなるコーティング層(不図
示)を形成しておくことにより骨との結合が促進される
と共に強固な結合が達成される。なお、縦横凹溝a3の
深さは約0.75mmとしてある。
【0016】臼蓋ソケットAの材質はチタン合金(Ti
−6Al−4V)であるが、その他、Co−Cr合金な
どのメタル材もしくはアルミナセラミック、ジルコニア
セラミックなどのセラミック材、またはこれらの材料を
複合化したものであっても良い。
【0017】以上の実施例は1例にすぎず症例に合わせ
て種々の態様が取られ得ることは勿論である。
【0018】
【考案の効果】以上説明したところから明らかなよう
に、本考案によれば臼蓋ソケットの開口周縁沿いに間隔
おきの外方張出縁と辺縁張出を具備させることにより該
ソケットと皮質骨との接触範囲を増大して臼蓋ソケット
の支持力を高めるとともにソケットの回旋やティルティ
ングを防止し且つマイグレーションを阻止し、また大転
子の切除を必要とするか、または切除をしても手術視野
が十分広い置換手術が可能であるので、従来の人工股関
節の適正を増大する優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案臼蓋ソケットが適用される人工股関節の
概略全体図
【図2】本考案臼蓋ソケットの平面図
【図3】本考案臼蓋ソケットを図2のX方向より眺めた
側面図である。
【図4】図2IV−IV線端面図
【図5】本考案臼蓋ソケットを寛骨に取着した状態を示
す要部縦断面図
【図6】従来の臼蓋ソケットの図5同様図
【図7】正常な人間の寛骨の要部段面図
【符号の説明】
H 寛骨 A 臼蓋ソケット S ステム SH ステムヘッド a1 開口周縁 a2 外方張出縁 a3 縦横凹溝 a4 止めじ取付け孔 a5 回旋止め梁 a6 辺縁張出 B 止ねじ C 受座
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A61F 2/34

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】臼蓋ソケット、ステム及びステムヘッドを
    含む人工股関節に於いて、上記臼蓋ソケットは全体とし
    てほぼ倒椀状殻もしくはは半球状殻をなしてその開口周
    縁には間隙おきに縦横凹溝を備えた下向漸増肉状の外方
    張出縁、およびプレート状の辺縁張出を備えて成る人工
    股関節に於ける臼蓋ソケット。
JP8982891U 1991-10-31 1991-10-31 人工股関節に於ける臼蓋ソケット Expired - Lifetime JP2581551Y2 (ja)

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