JP2573977B2 - ハニカムコア複合材の成形法 - Google Patents

ハニカムコア複合材の成形法

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JP2573977B2 JP63000544A JP54488A JP2573977B2 JP 2573977 B2 JP2573977 B2 JP 2573977B2 JP 63000544 A JP63000544 A JP 63000544A JP 54488 A JP54488 A JP 54488A JP 2573977 B2 JP2573977 B2 JP 2573977B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はハニカムコア複合材の成形法に係り、特にハ
ニカムコアとこのハニカムコアの上下面を被覆する繊維
補強プラスチック積層材とからなるハニカムサンドイッ
チ構造体を真空バックによって覆った後に加圧加熱し繊
維補強プラスチック積層材を硬化させるハニカムコア複
合材の成形法に関する。
[従来の技術] ハニカムコアを繊維補強プラスチック積層材で被覆し
たハニカムコア複合材は、高剛性かつ軽量であると共に
疲労強度が高いなど種々の優れた特性を有するため、航
空機、浮上式鉄道車両や自動車などに使用され、または
その使用が検討されている。
このハニカムコア複合材は、例えば特開昭56−51325
号に開示されているようにハニカムコアをプリプレグ積
層体で被覆したハニカムサンドイッチ構造体をプラスチ
ック製の真空バックで覆い内部を真空にしてこのハニカ
ムサンドイッチ構造体を固定した後に数時間にわたり加
圧加熱して成形される。
[発明が解決しようとする課題] ところが、上述した従来の成形法では、ハニカムサン
ドイッチ構造体の硬化前に真空圧を大気圧に開放する
と、真空バック内は直ちに大気圧に戻るのに対しハニカ
ムコアの各セル(孔)は大気圧への復帰が遅れて、真空
バック内とハニカムコアのセル内との間に圧力差が生じ
る。この圧力差は、ハニカムコアに側方向の外力として
作用しハニカムコアを滑動させてしまい、ときにはハニ
カムコアを側方向に押し潰し変形させてしまうといった
問題があった。
そこで、本発明の目的は真空バック内とハニカムコア
のセル内との間に発生する圧力差に起因するハニカムコ
アの滑動及びハニカムコアの変形を防止したハニカムコ
ア複合材の成形法を提供することにある。
[課題を解決するための手段] この目的を達成するために、本発明はハニカムコアと
このハニカムコアの少なくとも上下面を被覆する維持補
強プラスチック積層材とからなるハニカムサンドイッチ
構造体を真空バックによって覆い、この真空バック内を
真空化した後に加圧加熱し上記繊維補強プラスチック積
層材を硬化成形するハニカムコア複合材の成形法におい
て、樹脂を上記ハニカムコアの外周部に充填硬化しこの
ハニカムコア外周部に固着させて、この樹脂を機械的固
定具によって治具に固定した後に上記加圧加熱すること
を特徴とするものである。
上記樹脂は、上記繊維補強プラスチック積層材の硬化
温度よりも高い耐熱性を有し、かつ上記ハニカムコアの
外周部の複数箇所に充填されるものであり、また、上記
機械固定具は上記樹脂を貫通し上記治具に固定される。
さらにまた、上記樹脂は、上記ハニカムコアの外周部の
ハニカムコアセル内に充填される。さらに、上記樹脂
は、上記ハニカムコアの外周部の外側に充填され、上記
繊維補強プラスチック積層材の硬化成形後に除去され
る。
[作用] 真空バック内の真空の開放時に真空バック内とハニカ
ムコアのセル内との間に圧力差が生じてハニカムコアに
側部方向の外力が作用しても、このハニカムコアは、そ
の外周部に固着された樹脂を介して機械的固定具によっ
て治具に固定されているため、滑動及び変形が防止され
る。
[実施例] 以下に本発明によるハニカムコア複合材の成形法の一
実施例を第1図及び第2図を参照して説明する。
第1図において、平板状の治具1の上にハニカムサン
ドイッチ構造体2が載置される。このハニカムサンドイ
ッチ構造体2は、例えばアルミ製のハニカムコア3と、
このハニカムコア3の少なくとも上下を被覆する繊維補
強プラスチック積層材4とから構成されている。このハ
ニカムコア3は多数のセル3aを備えており、各繊維補強
プラスチック積層材4はプリプレグシートが複数枚積層
されたプリプレグ積層体から構成されている。ハニカム
コア3の最外周囲に位置する複数個のセル3aには樹脂5
が充填・硬化され、この樹脂5には貫通孔6が穿孔され
ている。なお、貫通孔6はハニカムコア3の最外周のセ
ル3aにほぼ等間隔例えば400mmの間隔に設けることが好
ましい。
樹脂5の貫通孔6にはピンやボルト等の機械的固定具
7が貫通し平板治具1に対して左右方向に固定されてい
る。この固定具7によってハニカムサンドイッチ構造体
2は平板治具1に固定される。樹脂5の側部には側部位
置決め用治具8が平板治具1に載置されている。
このように平板状治具1に載置されたハニカムサンド
イッチ構造体2と側部位置決め用治具8とをナイロンフ
ィルム製の真空バック9によって被覆し、真空口金10か
らバック9の内部を真空にして真空バック9の内部を外
圧で加圧固定する。
次いで真空バック9内の真空を開放する。この真空の
開放によって真空バック9内は直ちに大気圧となるが、
ハニカムコア3のセル3aは繊維補強プラスチック積層材
4により被覆されているのでかなり遅れて開放されるた
め、この時間遅れの間、ハニカムサンドイッチ構造体2
は真空バック9内とセル3a内との圧力差による側方向
(図中、左右方向)の外力を受ける。しかしながら、ハ
ニカムサンドイッチ構造体2は、樹脂5と固定具7とに
よって平板治具1に固定されているので上述の外力の作
用にもかかわらず滑動したり、またはセルが押し潰され
たすることが防止される。その後、全体を数時間にわた
り加熱して繊維補強プラスチック積層材4を硬化成形す
る。
このように成形されたハニカムコア複合材は、外周部
に樹脂部5が連続して又は複数個固着されているので、
このハニカムコア複合材を航空機等に組込む際に樹脂部
5の貫通孔6を取付け孔として利用することができる。
なお、樹脂5は上述のプリプレグ積層体4の硬化温度
よりも高い耐熱性を有する材料を使用することが必要で
あり、また硬化収縮性の低いものが好ましい。
第2図は上記実施例の変形例を示したもので、ハニカ
ムコア3にテーパーが付いている点を除いて第1図のも
のと同一である。
上記実施例では樹脂5は、ハニカムコア3のセル内に
充填したが、この代わりにハニカムコアの外側に固着し
ハニカムサンドイッチ構造体2の成形後に切断除去して
もよい。
また、繊維補強プラスチック積層材4はハニカムコア
3の上面と下面に加えてその側面をも被覆するようにし
てもよい。
[発明の効果] 以上の説明から明らかなように、本発明によれば樹脂
をハニカムコアの外周部に充填硬化し上記外周部に固着
させてこの樹脂を機械的固定具によって治具に固定した
後にハニカムサンドイッチ構造体の加圧加熱硬化を行う
ため、真空バックの真空を開放した際に生ずる真空バッ
ク内とハニカムコアセル内との間の圧力差に起因するハ
ニカムコアの滑動及び変形を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明によるハニカムコア複合材の成形法の一
実施例を示した断面図、第2図は上記実施例の変形例を
示した断面図である。 1…治具、2…ハニカムサンドイッチ構造体、3…ハニ
カムコア、4…繊維補強プラスチック積層材、5…樹
脂、7…固定具、9…真空バック。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ハニカムコアとこのハニカムコアの上下面
    を被覆する繊維強化プラスチック積層材とからなるハニ
    カムサンドイッチ構造体とこのハニカムサンドイッチ構
    造体の位置決め治具とを真空バックによって覆い、この
    真空バック内を真空引きした後に加圧加熱し上記繊維強
    化プラスチック積層材を硬化成形するハニカムコア複合
    材の成形法において、樹脂を上記ハニカムコアの外周部
    の複数個所のセル内に充填硬化し、このハニカムコア外
    周の一部に固着させて、この樹脂を上下に貫通するピン
    によって治具に固定した後に上記加圧加熱することを特
    徴とするハニカムコア複合材の成形法。
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