JP2572976B2 - 液体の定温度加熱部の構造 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （イ） 産業上の利用分野 本発明は酒や、飲料水又は化学薬品等を混合して特定
加温液体を製造する場合に使用される液体の定温度加熱
装置に関する。

（ロ） 縦来の技術 本発明の技術分野において使用される具体的なものと
しては既に各種のものが公知である。即ち、病院等で使
用される薬物混合製造装置、或いは一般家庭において使
用される温水洗滌機を組み込んだ便器、給湯器はたまた
業務用に使用される各種の の類等、それである。そしてこれ等の加熱、加温手段に
は電気的あるいはガス等を用いた燃焼式など、各種の温
度制御装置によって特定温度範囲内に制御された定温タ
ンクを準備し、この中に酒等被加熱液体の通る送液管を
浸漬せしめてこれによって所要温度に加温された被加熱
液体を連続的に得るという、いわば間接加熱方式のもの
と、又別に近時はこの制御された定温水を使用せず、ヒ
ーターを埋設したアルミブロックの中に直接被加熱パイ
プを埋設して、この加熱パイプ中に被加熱液体を通すこ
とによって所要温度の加熱液を得るという、云わば直接
加熱方式のものが知られている。この外、貯留式と称さ
れるものもある。例えば実公昭60−16336号公報等で明
らかな様に、液槽タンクから導通管を用いて加温タンク
に貯留し、そのタンクの外周に取付けた電熱ヒーターを
用いて内部液体を加熱しつつ取出すという単純な形式の
ものもある。

（ハ） 発明が解決しようとする問題点 而してこの前記間接加熱方式に類するものにはタンク
内で温度制御された室温水中に別の送液管を浸漬し、そ
の送液管の中に被加熱液体を通すために、そのタンク内
の定温水を加温するのに長時間の予備加熱が必要とな
り、又この送液管中を連続して通過せしめるためにその
通過量によって消耗する熱容量の変化を一定に維持制御
することが極めて困難という大きな欠点がある。又直接
加熱方式のものにあってはヒーターと送液管を同一熱伝
導体に埋設するため完成した加熱装置としては、その取
扱いが前者に比して容易となり温水の準備も不要となり
便利ではあるものの被加熱液を絶えず定温度で取出すこ
とは前者同様の欠点、問題点があり、これに加えて、被
加熱液の外気温の変化に対する補正的即応性に欠け、又
異種金属相互間に発生する熱歪や熱破壊等が生じ、液漏
れが発生し易いと云う欠点がある。又この外、薬液定温
度加熱機などにあっては薬液中にテフロン製の熱交換パ
イプを浸漬して、この中にスチームを通して加温すると
いう型式のものも公知であるが、これ等にはスチーム発
生装置やその制御装置、それ等に連繋する各種配管等を
必要とし、その取扱いが日常又全く容易でないと云う欠
点がある。

（ニ） 問題点を解決するための手段 本発明はこれ等各装置の持つ前記本質的欠点を根本的
にことごとく排除し、これ等の公知手段によることなく
鋭意考究のうえ全く新たな手段の創作によって完成され
たもので、それはこれ等液体定温度加熱装置に組込まれ
る定温度加熱部の構造に関するものである。以下に図面
の例を用いてその構造を説明する。

１は本発明にいう加熱部本体で使用目的に応じ耐熱、
耐薬品性に安定した性質をもつ合成樹脂材を用いて厚板
状の長方形に成形され、これの上面には複数の凹部２が
縦列状に配置されている。３はセラミックヒターでパッ
キング４を介して、この各凹部２に埋設する様に押入さ
れ、止めネジ５とナット６とでそれぞれ水密に加熱部本
体１に取り付けられると共に、リード線７は加熱部本体
１に穿孔せられた孔を通ってその裏側に引出されてい
る。８は酒等加熱液体の流入口で、この加熱部本体１の
裏側で流入パイプ９と連通する。また10は排出口で同様
に加熱部本体１の裏側、上部他端に成形され、排出パイ
プ11と連通している。12は加熱部本体１の表側に設けら
れたリブで、前記複数の凹部２並に流入口８と排出口10
の外周を囲む様に成形され加熱部本体１との間に溝13を
形成する。14はこの溝13に嵌入された水密用Ｏリングで
ある。15は加熱部本体１、同様の合成樹脂材からなる平
板状で溝のある覆い蓋で、この覆い蓋15は加熱部本体１
の上面に取付ネジ16、並びに取付ナット17を用い、且つ
又Ｏリング14を押圧して水密に組付けられる。18は加熱
部本体１の上面と溝のある覆い蓋15の下面とでＯリング
14並びにリブ12を挾持し、水密に形成された偏平状の流
通路で、下方は流入パイプ９に又上方は排出パイプ11に
それぞれ連通する。19は別設する加熱温度制御装置の電
気回路に結線された温度センサーで、排出口10近く流通
路18内に突出するように覆い蓋15に水密に固着されて本
発明に云う定温度加熱部を構成する。

（ホ） 作 用 かかる構造であるので本発明になる加熱部は、液体定
温度加熱装置に組み込まれてその機能上最も重要な役割
を果すために次の様に機能する。即ち別設する電動ポン
プによって圧送されて来る被加熱液体は先づ流入パイプ
９から加熱部の入口下部流入口８を経て偏平状の流通路
18に入り、更に圧送されて上部の排出口10から排出パイ
プ11に至り、排出されるがこの間縦列状に配置された複
数のセラミックヒーター３はその液体定温度加熱装置に
組込まれた温度制御図路によって作動しているので、偏
平状流通路18に入った被加熱液体は下方から順次上昇
し、この上昇と共に縦配列された各セラミックヒーター
３の正面を連続して通過し、これによって被加熱液体は
急速に直接加熱されて温度センサー19に至る。そしてこ
の直接加熱温度を感知し作動した温度センサー19は前記
液体定温度加熱装置に組込まれた温度制御回路に機能
し、その変化をこの被加熱液体を圧送する電動ポンプに
伝えて、その圧送量を増減し、その圧送量の増減によっ
て流通路18の通過液量を増減し、その結果終始予め設定
した加熱温度に等しい被加熱液体を連続して取り出すこ
とが出来る様に作動する。

（ヘ） 効 果 本発明はこれを液体定温度加熱装置に組込んで以上の
様に作動するので、結果必要な温度に制御された酒類そ
の他所望の液体を簡単確実に連続して取り出すことが出
来るという大きな効果を有するが、更にその過程に於い
て、次に述べるが如き新たな各種の効果を生むことが出
来た。即ち、構造的に加熱部分の内容積が小さく熱抵抗
や熱容量の小さい薄いセラミックヒーターを加熱液体の
通路に配置し使用するので、その制御回路の応答時間が
極めて短かく出来、正確な温度制御が出来る。又これが
瞬間加熱方式ともなるので使用される液体が長時間高温
にさらされることがないので、その変質も全く起らない
ばかりか、これが使用前の予熱時間を全く必要とせず、
従って消費電力も極めて少なくてすみ、又加熱された液
体を保温するような必要も全く起らない、そのため従来
技術のように大量の貯留部を必要とせずためにその貯留
部材が溶解して、使用する液体を汚し変質せしめる等の
事故も全く起らない等、巾広く各種の用途に利用して大
きな効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施の例を示すもので、第１図は本発明
加熱部の正面図、第２図は第１図のＡ〜Ａ断面図であ
る。 １……加熱部本体 ３……セラミックヒーター ８……流入口、10……排出口 15……覆い蓋、18……流通路 19……温度センサー

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】組込まれた電動ポンプで圧送して移送され
   る液体の加熱温度の高低を制御出来る電気回路を備えた
   液体加熱装置において、耐熱、耐薬品性に安定した合成
   樹脂材で成形され、且つ所定の厚さを有する長方形の加
   熱部本体の表面に縦列するように複数の酸化アルミナを
   基材とするセラミックヒーターを各隣接してその加熱表
   面が同一平面となるよう水密に埋設固定し、その表面に
   連通した単一の偏平の流通路を形成せしめるよう溝のあ
   る覆い蓋を固着せしめ、かくて出来る密閉された流通路
   の下部に被加熱液体の流入する流入口を、又該流通路の
   上部には前記被加熱液体の温度を直接感知して、その流
   入量の制御が出来る温度センサーを前記流通路内に突出
   して取付け、且つその突出背面に前記被加熱液体の排出
   口を設けてなる液体の定温度加熱部の構造。