JP2565619B2 - 螺子部保護方法及びシステム - Google Patents

螺子部保護方法及びシステム

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はパイプの螺子部を腐食
から保護するための方法及びシステムに関する。さらに
詳しくは、この発明は油田で使用されるチュービング、
ドリルパイプ、ケーシング、その他の螺子連結部を有す
る管状部材の螺子部の保護方法及びシステムに関する。
そして、この発明は腐食抑制調合物と独創的な保護部材
(保護カバー)との組合せによって構成されている。
【0002】
【従来の技術】油田で使用される管状部材もしくはパイ
プが製造されてから使用されるまでの間にその螺子部が
腐食しないように保護する方法及びシステムについて
は、多くの研究開発が行われてきた。このように多くの
研究が行われてきた理由は、これらの管状部材が高価で
あることに加え、これらの管状部材が油井内に設置され
た後における漏れの原因となる螺子部の欠陥を確実にな
くすことは極めて重要であるからである。油井で使用さ
れるチュービングには1平方インチ当たり数百から数千
ポンドの内圧が加えられる。したがって、チュービング
を設置した後に漏れが発生した場合には、そのチュービ
ングを引き上げて修理又は交換しなくてはならないが、
その費用は数百ドルから数千ドルにおよぶものと推定さ
れる。
【0003】パイプの螺子部の腐食原因は通常は酸化す
なわち錆であるが、微生物が螺子部表面に体積した種々
の物質を食べることによって生成される酸性物質である
場合もある。このような腐食を防止するために様々な手
段が講じられているが、その効果の程は疑わしい。腐食
防止手段として一般的なものは、API(American Pet
roleum Institute)の報告書5A2に示されているパイ
プドープ剤の使用であるが、腐食抑制効果はあまり高く
ない。このパイプドープ剤は潤滑性及びシール性を付与
するための螺子部適用剤として開発されたもので、油田
で使用される管状部材において一般的な丸螺子の螺子溝
をシールするための鉛等のフィラーを含有する濃厚なグ
リース状の薬剤である。その他、ケンデックス(KENDE
X)という商標で販売されているワックス状の薬剤も腐
食防止の目的で使用されている。さらに、パイプに螺子
を形成してから1日又は2日でそのパイプが使用するよ
うな場合には、軽油等の軽質剤が使用されることもあ
る。いずれにせよ、このような腐食抑制剤はパイプに螺
子を形成した後速やかに螺子部に適用される。これは、
螺子部表面に短時間のうちに生成される錆(フラッシュ
ラスト)を極力少なくするためである。このフラッシュ
ラストは特に「プレミアムスレッド」と呼ばれる金属対
金属シールによる高精度の螺子において支障となるもの
である。
【0004】パイプに新たに形成された螺子部には腐食
抑制剤が適用された後、「スレッドプロテクタ」と呼ば
れる螺子を切った保護カバーがその螺子部をさらに保護
するために取り付けられる。この保護カバーは金属、プ
ラスチック、あるいは金属とプラスチックとの複合材で
形成され、誤ってパイプを落としたりパイプを何かに打
ちつけたりした場合でも、螺子部を保護し得るように構
成されている。保護カバーの多くはこの業界で「ダスト
カバー」と呼ばれる保護カバーである。このような保護
カバーは螺子部に可動状態で嵌められるもので、螺子部
を湿気から保護する機能はない。しかしながら、これら
の保護カバーの中には、カップ状に形成されてパイプの
端部を閉止できるように設計されたものがあり、また、
パイプの螺子部にぴったりとフィットするように設計さ
れるとともに湿気に対するシール部材を設けて耐腐食性
を向上させたものもある。
【0005】螺子部を有する管状部材を製造する螺子切
り盤では、水性の切削流体が使用される。そして、螺子
切り終了後において、切削流体は拭き取り又は空気によ
る吹き飛ばしによって除去され、その後直ちに螺子部に
対して腐食抑制剤が適用されるとともに保護カバーが取
り付けられる。このように処理されたパイプはそれが使
用されるまでパイプ保管場所に保管される。通常、これ
らのパイプは風雨に曝された状態で保管される。また、
これらのパイプは、需給のバランスにもよるが、1年又
はそれ以上にわたって保管される。したがって、パイプ
の螺子部を腐食から保護する必要性が最も高いのはこの
期間である。
【0006】しかしながら、従来腐食抑制剤として使用
されてきたオイル、グリース、ワックス状の薬剤等は腐
食抑制剤として十分な特性を有していない。パイプに対
する螺子切り工程においては、切削流体を螺子部から除
去する手段としてどのような手段を用いても、形成され
た螺子部から水分、有機化合物、硫黄化合物等を完全に
除去することはできないし、有機物、硫黄含有物質、酸
等の生成原因となる微生物を完全に除去することもでき
ない。従来使用されてきたグリースやワックス状の薬剤
は螺子部表面の水分を吸収除去することはできず、螺子
部の表面に残された水分をそのまま保持するとともに腐
食の原因となる酸素や微生物をその螺子部の表面と接触
した状態に保持する。
【0007】このため、このような腐食抑制剤を塗付さ
れるとともに保護カバーを取り付けられたパイプが、上
記のような保管場所に60日ないし90日を越える期間
放置される場合には、螺子部に腐食が発生しないように
点検及び再処理をする必要がある。このような再処理を
するためには、まず保護カバーを外し、次に溶剤、蒸気
あるいは機械的手段によって塗布されている腐食抑制剤
を除去しなくてはならない。そして、螺子部の検査が終
了したら、再び腐食抑制剤を塗布し、新しい保護カバー
が取り付けられるか又は先に外した保護カバーを洗浄し
てから取り付けなくてはならない。パイプがその保管場
所に保管されている限り、60日ないし90日毎にこの
ような再処理を繰り返して、螺子部に腐食が発生しない
ようにしなくてはならない。
【0008】この検査及び再処理のプロセスには多くの
費用がかかる。その内訳は腐食抑制剤及び保護カバーの
コストと、その作業を行う人の人件費である。さらに、
鉛を含有するAPIドープ剤を洗浄除去する際には、常
に汚染の問題を考慮しなくてはならない。このようなプ
ロセスによって地球上に排出される鉛は、推定で年間2
00万ポンド(900t)にも及ぶ。従来より用いられ
ている前出のケンデックス等の腐食抑制剤はナフサ、デ
ィーゼル燃料、その他の石油系溶剤で洗浄されるが、こ
れらの溶剤が地球上に排出されることによって環境汚染
問題を引き起こしている。
【0009】パイプは最終的に油井内へ配置されるため
にリグに送られる。この時点で、再度保護カバーが取り
外されて螺子部が洗浄され、腐食の有無が調べられる。
そして、螺子部にシール剤(シーラント)が塗布され、
油井内に配置するためのジョイントが形成される。この
ようなシーラントとしては、たとえば、米国特許第4,81
3,714 号に開示されているような無気性シーラント、す
なわち、アメリカ合衆国、コネチカット州、ニューイン
トンのロックタイト・コーポレーション(Loctite Corp
oration )で製造され、シーリューブ(SEALLUBE)とい
う商標を付して販売されているものがある。ところで、
APIパイプドープ剤、ケンデックス等の腐食防止剤は
このような無気性シーラントに対する混合適合性がな
い。したがって、この種のシーラントを塗布する前に、
これらのグリース状又はワックス状の腐食防止剤を螺子
部から完全に除去して螺子部を清浄化しておかなくては
ならない。
【0010】この業界に携わっている人々の中には、油
田で使用される管状部材に対する腐食抑制剤として通常
使用されている薬剤がもっている問題点に気付いている
人もいる。そして、かれらによって、若干の解決策が提
案されている。たとえば、レベスキュー(Levesque)
は、1985年 3月に発行されたワールド・オイル(WORLDO
IL )に発表された文献「錆抑制流体による保管中のOCT
Gの保護」において、腐食抑制を目的とする錫メッキ、
亜鉛メッキ、燐酸塩コーティング等について論じてい
る。彼は、さらに螺子部にぴったりと嵌まる非金属製の
保護カバー(スレッドプロテクタ)を使用して湿気に対
するシール性を高めて腐食を抑制することが望ましいこ
とも指摘している。
【0011】気相腐食抑制剤は輸送中あるいは保管中に
金属を腐食から保護する手段としてよく知られている。
このような腐食抑制剤としては、米国特許第2,643,177
号あるいは同第3,779,818 号に開示されているもの、又
はカーク- オスマー、エンサイクロペディア・オブ・ケ
ミカル・テクノロジー(Kirk-Othmer, Encyclopediaof
Chemical Technology)、第7巻、第137−138頁
に記載されているものが挙げられる。こうした腐食抑制
剤は気化し、露出した面上に吸着堆積して非常に薄い皮
膜を形成する。周知の気相腐食抑制剤としてはアミンの
亜硝酸塩又はクロム酸塩、アミンの炭酸、カルバミン
酸、酢酸及び置換又は非置換安香酸の塩、亜硝酸、フタ
ル酸又は炭酸の有機エステル、第1、第2及び第3脂肪
族アミン、脂環式アミン及び芳香族アミン、ポリメチレ
ンアミン、亜硝酸塩と尿素、ウロトロピン及びエタノー
ルアミンとの混合物、ニトロベンゼン、及び1-ニトロナ
フタレンが挙げられる。気相腐食抑制剤として一般的な
ものを2つ挙げると、ジシクロヘキシルアミンの亜硝酸
塩及びシクロヘキシルアミンの炭酸塩である。しかしな
がら、これらの腐食抑制剤はいずれもある程度の毒性を
有しているため、毒性のない種々の新規組成物が開発さ
れ、腐食防止を目的として使用されている。このような
組成物の中の一つはアメリカ合衆国、コネチカット州、
タンフォードのカーレス・ノースアメリカ・インコーポ
レーテッド(Corless North-America, Inc. )で製造さ
れ、コントロール(Control ) VCI(商標名)として販
売されている。このコトロール VCIは安息香酸ナトリウ
ムと約15−25%のアルキル化安息香酸ナトリウムと
を主成分とし、少量の水及びアミン塩を含有する水溶性
混合物である。このような物質はコールタールの蒸留留
分(トルエン、キシレン、その他のアルキルベンゼンが
含まれている)を部分的に酸化して安息香酸及びアルキ
ル化された安息香酸を生成させ、これらの生成物を水酸
化ナトリウム又は炭酸ナトリウムと反応させることによ
って得られる。
【0012】気相腐食抑制剤は乾燥状態での使用を前提
としているが、これら気相腐食抑制剤の多くは水に溶解
された状態でも腐食抑制作用をある程度維持する。しか
しながら、一般に、金属製のタンクやボイラのパイプの
ように、被保護面が水に浸漬される場合には、水溶性の
有機塩や無機塩のように金属面上に不動態化面を形成す
る液相腐食抑制剤が使用される。こうした液相腐食抑制
剤としては、たとえば、米国特許第2,550,997 号に開示
されたものがある。ここに開示された液相抑制剤は亜硝
酸のアルカリ金属又はアルカリ土金属の塩、芳香族アミ
ン、脂肪族アミン、及び複素環式アミン(これらは、周
囲温度において分解されない)等である。また、安息香
酸及びその塩(安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウ
ム、安息香酸アンモニウム等)も有効な液相腐食抑制剤
である。このように、多くの液相腐食抑制剤があるが、
コスト及び入手し易さの点において、安息香酸ナトリウ
ム、亜硝酸ナトリウム及び亜硝酸カリウムが好ましい。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】この発明の目的は、パ
イプの螺子部を腐食から保護するための方法及びシステ
ムであって、腐食抑制剤の除去にまつわる環境汚染の問
題を解消し得る方法及びシステムを開発することであ
る。この発明の別の目的は、パイプの螺子部を保護する
ためのシステムであって、環境に対する安全性が高く、
ジョイントの形成に先立ってパイプの螺子部を洗浄する
必要がなく、しかも従来使用されているシステムに比べ
てコストが低いシステムを開発することである。この発
明の別の目的は、パイプの螺子部を保護するためのシス
テムであって、パイプの螺子部に対する螺子部保護部材
と腐食抑制剤とから成り、螺子部保護部材をパイプから
取り外さなくても、また腐食抑制剤を螺子部から除去し
なくても、パイプの螺子部における腐食の有無を検査す
ることのできるシステムを開発することである。この発
明のさらに別の目的は、パイプに取り付けられる透明な
パイプ保護部材であって、パイプからそれを取り外さな
くてもパイプの螺子部を検査することが可能であるとと
もに、パイプを落とした場合等においてもパイプの螺子
部の損傷を防止し得る十分な強度及び耐衝撃性を備えた
パイプ保護部材を開発することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本願発明の保護方法は、
腐食抑制剤調合物を螺子部に塗布する段階と、螺子部に
螺子部を保護するための保護部材を取り付ける段階とを
有する。そして、使用される腐食抑制剤調合物は前記螺
子部に塗布された状態下において前記螺子部の色の変化
を目視で認識できる程度の透明度を有し、さらに保護部
材も螺子部の色の変化を目視で認識できる程度の十分な
透明度を有する。また、この発明の保護システムは、螺
子部付の端部を有するパイプと、パイプの螺子部付の端
部に塗布された腐食抑制剤と、パイプの螺子部付の端部
に取り付けられた保護部材との組合せである。そして、
腐食抑制剤は螺子部付の端部の腐食に起因する変色を目
視で認識できる程度の透明度を有している。
【0015】
【実施例】次に、この発明の好ましい実施例について説
明する。この発明においても、パイプの螺子部の腐食を
抑制するために、パイプの螺子部に適用される腐食抑制
剤が使用される。しかしながら、この発明の腐食抑制剤
は、従来のものと異なり、パイプの螺子部を隠さないも
のである。すなわち、この腐食抑制剤は透明な物質であ
る。また、この発明においては、腐食抑制剤を塗布され
た螺子部にはさらに保護部材が取り付けられる。この保
護部材は透明なプラスチック製で、パイプの螺子部に合
うような螺子が形成されており、この螺子によってパイ
プの螺子部に取り付けられる。このように、腐食抑制剤
と保護部材との双方を透明にしたことにより、保護部材
を取り外さなくても螺子部における錆(腐食)の発生の
有無を定期的に観察することができる。どのような錆も
透明な保護部材及び腐食抑制剤を通して目視することが
できるので、錆の有無を調べるために、パイプの螺子部
から腐食抑制剤を除去する必要はない。したがって、腐
食抑制剤の除去に伴って起こる環境汚染を来す恐れはな
い。
【0016】この発明の腐食防止方法及びその装置にお
いて使用されている腐食抑制剤は、液相腐食抑制剤と気
相腐食抑制剤とを含有する水溶液である。この腐食抑制
剤水溶液はグリース又はオイルは含有しないが、腐食抑
制剤水溶液と被保護パイプの螺子部との接触性を向上さ
せるための界面活性剤を含有する。しかしながら、次の
ような条件を満たす他の腐食抑制剤も使用することがで
きる。その条件とは、保護部材に対して悪影響を与える
成分を含有しないこと、及び透明な保護部材を取り外さ
ずに螺子部における錆の発生の有無を十分に観察するこ
とができる程度の皮膜の状態で十分な腐食抑制効果を発
揮し得ることである。この条件を満たす腐食抑制剤とし
ては、たとえば、軽油が挙げられる。軽油は一部の保護
部材に対しては悪影響を与えることはなく、また薄い皮
膜状態で腐食抑制効果を発揮し得る。さらに、上記他の
腐食抑制剤は次のような条件を満たすものが望ましい。
すなわち、パイプを油井内に配置してパイプを連結する
ときに使用される螺子部に塗布される薬剤すなわちシー
ラントに対する適合性すなわち相溶性を有するもの(シ
ーラントと混じり合っても問題がないもの)で、シーラ
ントを塗布する前にパイプの螺子部から除去する必要の
ないものであることが望ましい。
【0017】この発明による腐食抑制剤は螺子部に発生
した錆をそれを通して見得る程度の透視性(すなわち、
十分に薄くされるか、又は十分に高い透明性を有するか
のいずれか)を有するので、腐食抑制剤を除去しなくて
もこの腐食抑制剤がコーティングされたパイプの螺子部
に錆が発生したかどうかを確認できる。なお、錆の発生
の有無は腐食抑制剤の変色の有無によって認識できる。
さらに、この発明の腐食抑制剤として望ましいものは、
連結されるパイプのジョイントに潤滑性やシール性を付
与する目的で適用される螺子部塗布剤の効能を損なわな
いものである。このような条件を満たす腐食抑制剤は螺
子部塗布剤として無気性化合物(たとえば、前出のシー
リューブ)が使用されるパイプの螺子部に使用される
と、その有用性が最も発揮されるが、このような腐食抑
制剤は多くの有用な特徴を有しているので、これ以外の
螺子部塗布剤が使用されるパイプの螺子部に対しても十
分適用可能である。これらの腐食抑制剤は環境汚染の点
からも無害で、製造コストも低く、さらに使用する上で
の人件費も低く抑えることができる。その理由は、パイ
プの螺子部の錆の有無の検査に際して腐食抑制剤を除去
する必要がないため、及び腐食抑制剤を製造するための
原料費が安いためである。
【0018】この発明の腐食抑制剤は気相腐食抑制剤を
含む。この気相腐食抑制剤は安息香酸及びそのアルキル
化同族体(コールタールの蒸留によって得られるトルエ
ンその他の低沸点留分を主体とする芳香族留分を酸化す
ることによって生成される)の塩(望ましくはナトリウ
ム、カリウム又はアンモニウム塩)を含有する。このよ
うな塩としては、コスト、入手の容易さ、及び毒性の低
さを考慮すると、ナトリウム塩が好ましい。この気相腐
食抑制剤は安息香酸ナトリウムを主体として含有させて
もよいが、アルキル化同族体を約5−50%又はそれ以
上含有させるのが望ましい。このような気相腐食抑制剤
はカーレス・ノースアメリカ・インコーポレーテッドか
らコントロール VCI(商標名)として販売されている。
このコントロール VCIは約15−25%のアルキル化安
息香酸ナトリウムを含有する。この気相腐食抑制剤は固
体状態で有効な腐食抑制剤であるが、この発明の腐食抑
制プロセスにおいては、この気相腐食抑制剤は水溶液の
状態で適用される。
【0019】気相腐食抑制剤は液相腐食抑制剤及び界面
活性剤と混合され、混合水溶液として調製される。そし
て、好適実施例においては、この混合水溶液中に凝固点
を下げるためのヒドロキシアルコール又はポリヒドロキ
シアルコールがさらに添加される。なお、前の段落に記
載された気相腐食抑制剤との混合に適した液相腐食抑制
剤は安息香酸ナトリウムである。
【0020】好ましい腐食抑制剤調合物は、安息香酸ナ
トリウムの飽和溶液を調製し、これに界面活性剤を添加
し、さらにこの混合水溶液にコントロール VCIを加えて
飽和状態にすることによって調製される。なお、この調
合物には必要に応じてアルコールが添加される。この発
明の好ましい腐食抑制剤水溶液は、具体的には次のよう
にして調製される。すなわち、約150ポンド(67.
5kg)の安息香酸ナトリウムを約36ガロン(136リ
ットル)の水に溶解させ、これに約0.1−1ポンド
(45−450g )の液体界面活性剤を添加し、こうし
て得られた混合水溶液に約55ポンド(25kg)のコン
トロール VCIを加えて飽和状態にすることによって調製
される。そして、最後に約30ポンド(13.5kg)の
ポリエチレングリコールが添加される。
【0021】一般的に、飽和状態又は飽和状態に近い状
態の水溶液は使用に適している。その理由は、所望の腐
食抑制効果を得るのに必要とされる腐食抑制剤の絶対量
の占める体積が小さく、それに伴い貯蔵及び輸送のコス
トも低くなるからである。しかしながら、この腐食抑制
剤は極めて少量で効果を発揮するので、用途によって
は、水溶液中の液相腐食抑制剤及び気相腐食抑制剤の濃
度を低く(たとえば、各成分の添加量を重量比で2−1
0%程度低くする)調整するのが望ましい。なお、幾分
過飽和状態の水溶液が調製されることもあるが、このよ
うな溶液においては、気温が低くなると溶液中の過飽和
成分が沈澱析出する。したがって、場合によっては、溶
液中に十分な量のアルコールを添加して、成分の沈澱析
出を少なくするとともに周囲温度において凝固しないよ
うにするのが望ましいが、その腐食抑制剤水溶液の使用
温度が約5℃以上であるならば、アルコールの添加は不
要である。アルコールの添加量は多い場合でも重量比で
約10%までである。界面活性剤の添加量はそれほど重
要ではない。その理由は、界面活性剤の添加目的が、腐
食抑制剤水溶液をパイプの螺子部に適用した場合におけ
るその水溶液の皮膜形成能を向上させること、及びパイ
プの螺子部に付着しているオイルやグリースの膜を溶解
して腐食抑制剤が螺子部表面に接触し易くすることにあ
るからである。したがって、界面活性剤の添加率は0.
1%程度でよい。
【0022】上記の腐食抑制剤調合物は好適な例である
けれども、この例に示されている調合物は発明の範囲を
制限するものではない。したがって、この発明の腐食抑
制剤は、以下の条件を満たすもの全てを包含する。すな
わち、この発明の腐食抑制剤は、それをパイプの螺子部
に塗布してその上から保護部材を取り付けた状態で屋外
に放置したときに、長期間(1年程度)にわたって螺子
部の腐食を防止し得る能力を有するものであって、かつ
塗布されたままの状態で螺子部の腐食の有無を目視でき
る程度の透明性を有しているものであればよい。好まし
い腐食抑制剤は湿潤状態でも乾燥状態でも腐食抑制効果
を発揮するものである。このような腐食抑制剤として
は、特に、水溶性の気相腐食抑制剤と水溶性の液相腐食
抑制剤との混合物が適している。
【0023】「ダストカバー」と呼ばれる保護カバーは
パイプの螺子部に対するシール性がそれほど高くないだ
けでなくパイプの端部を十分にカバーするものではない
ので、このような保護カバーが使用される場合には、パ
イプの螺子部に塗布された腐食抑制剤水溶液中の水分が
経時的に蒸発し、その結果螺子部に残される腐食抑制剤
の皮膜は気相腐食抑制剤と液相腐食抑制剤の双方を含む
薄い白色の皮膜となる。また、パイプの螺子部に対する
シール性が高いだけでなくパイプの端部を十分にカバー
し得る「プレミアムプロテクタ」と呼ばれる保護カバー
が使用される場合には、腐食抑制剤水溶液中の水分が完
全に蒸発することはないが、パイプの螺子部はこの水溶
液中に含まれる2種類の腐食抑制剤の共働作用によって
保護される。
【0024】パイプの螺子部に設けられる保護部材のシ
ール能が低く、降雨時等において螺子部が湿気に曝され
るような事態が生じても、この発明の腐食抑制剤調合物
はその腐食抑制機能を発揮する。これは、浸入した湿気
によって螺子部に塗布された腐食抑制剤調合物が再溶解
され、それによって液相腐食抑制剤が有効に機能するか
らである。この発明の腐食抑制剤調合物はそのpHが8又
はそれ以上と高いので、螺子部に付着している酸や微生
物によって生成される酸に対する中和作用を有する。さ
らに、この腐食抑制剤調合物は微生物の成長に寄与する
物質(栄養物)を含有していないので、抗微生物剤とし
ての作用も有している。
【0025】この腐食抑制剤調合物は次のようにして使
用される。すなわち、この腐食抑制剤調合物は図1に示
されるチュービング又はパイプ10の螺子部12に対し
て通常スプレー塗布又はブラシ塗布によって塗布され
る。この腐食抑制剤調合物は水性であるので、パイプの
螺子部表面に水分があってもその水分を吸収する作用を
有する。これに対し、従来使用されてきたグリースをベ
ースとする油性調合物は螺子部表面に存在する水(酸を
含有している)を吸収する作用がなく、水分を螺子部表
面にそのまま保持するので、螺子部における錆の発生を
助長することもある。また、この腐食抑制剤調合物は湿
潤状態及び乾燥状態のいずれの状態においても効力を発
揮する。気相腐食抑制剤は金属(鉄)表面に単分子皮膜
を形成する。この気相腐食抑制剤は鉄表面に凹部等があ
っても容易に浸入して表面の鉄分子に結合するので、こ
の気相腐食抑制剤の皮膜形成によって、鉄の表面は酸素
分子に対して不活性化されることになる。この気相腐食
抑制剤の皮膜は乾燥して薄い白色の皮膜になる。腐食抑
制剤調合物が清浄化された螺子部に塗布されたら、その
上に螺子部プロテクタすなわち保護部材14が取り付け
られる。保護部材14にはパイプの螺子部に形成された
螺子に合う螺子が形成されており、保護部材14はこの
螺子とパイプの螺子部の螺子とを係合させることによっ
て取り付けられる。保護部材14は、図1に示されてい
るように、カップ状すなわち筒状体の一端を閉止した形
状を有している。
【0026】この発明の好ましい保護部材14は耐衝撃
性を有する透明な材料で形成されている。この材料は少
なくとも紫外線によって分解すなわち劣化してその強度
や透明度を損なわないような材料である。さらに、この
材料はパイプの螺子部の色の変化(錆の発生等に起因す
る色の変化)を保護部材14を通して認識できる程度の
透明度を有し、しかも保護部材14を取り付けたパイプ
を屋外に保管した状態でも、その透明度を少なくとも6
か月間は維持し得るものである。このような条件を満た
す材料としては、スチレン/ブタジエン共重合体、米国
のゼネラル・エレクトリック・カンパニ(General Elec
tric Company)から商標名レクサン(Lexan ) 113とし
て販売されているようなポリカーボネート、ローム・ア
ンド・ハース・カンパニ(Rohm & Haas Company )から
商標名プレキシグラス(Plexiglass)として販売されて
いるアクリル樹脂、高密度ポリエチレン、クラリファイ
ド・ポリエチレン、ポリ塩化ビニル等が挙げられる。通
常、光透過度85%以上、ヘイズ値5%以下(いずれ
も、米国ASTM基準D1003に基づく測定値)の材
料であれば、上記条件は満たせれるが、これらの数値を
満たさない材料でも使用できる場合もある。たとえば、
ある材料が紫外線の影響によってその透明度を短期間で
失ってしまう材料である場合には、その材料中に酸化防
止剤を含有させることによて、その材料を保護部材14
を形成するための材料として使用できる。このような材
料は周知であり、当業者であれば、種々の材料の中から
容易に選択することができる。このような材料として
は、3部のスチレンと1部のブタジエンとの反応によっ
て得られた共重合体に酸化防止剤を含有させたものが挙
げられる。これは、米国のフィリップス・シックスティ
ーシックス・カンパニ(Phillips 66 Company )から商
標名 KR03 として販売されている。この物質は光透過度
89−91%、ヘイズ値1−3%(いずれも、米国AS
TM基準D1003に基づく測定値)である。また、保
護部材14はミルクや清涼飲料水の容器を再生して得ら
れる再生材料を使用して形成することもできる。さら
に、好ましい保護部材形成用の材料は少量(たとえば、
5−10%程度)の気相腐食抑制剤を含む。この気相腐
食抑制剤は材料の重合過程で添加されるもので、この気
相腐食抑制剤を添加することによって、螺子部に塗布さ
れた腐食抑制剤調合物の腐食抑制効果が一段と向上され
る。用途によっては、このような気相腐食抑制剤を含む
材料から形成された保護部材を使用すると、腐食抑制剤
調合物を塗布しなくても十分な防錆効果が得られる。
【0027】保護部材14は射出成形等による成形(モ
ールディング)や機械加工、あるいは成形と機械加工と
の併用によって形成され得る。しかしながら、保護部材
14の取り付け対象となるパイプの螺子部の種類は多種
多様であるため、モールディングのみによって螺子付の
保護部材14を形成することは製造コストの点で好まし
くないことがわかった。したがって、保護部材14を低
コストで形成するためには、先ずモールディングによっ
て螺子なしの保護部材を成形し、このようにして成形さ
れた成形体に機械加工によってそれぞれのパイプの螺子
に合わせて螺子を切って螺子付の保護部材14を形成す
るという方法がとられる。
【0028】透明な保護部材は本願発明の腐食抑制剤調
合物以外の腐食抑制剤(螺子部を見えなくすることのな
い透明なもの)を塗布したパイプの螺子部に適用するこ
とも可能である。このような腐食抑制剤としては軽油、
その他の市販の腐食抑制剤(たとえば、商標名WD-40 と
して販売されているもの)等がある。ただし、スチレン
/ブタジエン共重合体製の保護部材は軽油に侵されるの
で、軽油を塗布した螺子部への適用は好ましくない。
【0029】保護部材を製造するための材料は脆性が低
く破損しにくいものでなくてはならない。その理由は、
保護部材は通常の取扱時及び輸送時においてパイプの端
部及び螺子部を保護するための十分な強度と耐衝撃性を
有する必要があるからである。アメリカン・ペトリウム
・インスティチュート・スペシフィケイション (Americ
an Petroleum Institute Specification) 5CT のセクシ
ョン 7.5に示されているように、落下等によりパイプに
衝撃が加えられたときにパイプの螺子部及び端部を保護
するためには、保護部材は高い強度と耐衝撃性を備えた
ものでなくてはならない。油田で使用されるチュービン
グ用のパイプの保護部材に要求されるこのような特性
は、次のようなテストによって保証される。このテスト
について説明すると、保護部材を取り付けたパイプは支
持体状に配置される。このとき保護部材の端部が傾斜角
45°になるように設定される。この状態で、パイプ
(長さ30フィート(9m))の重さに等しい重さの重りが
2フィート(60cm)の高さから保護部材上に落とされ
る。この衝撃によってパイプの端部の真円度が0.00
5インチ(0.13mm)以下であれば合格である。な
お、パイプがチュービング用のパイプより重いケーシン
グ用のパイプである場合には、重りを落とす高さが変更
される。この高さは、保護部材が取り付けられていない
パイプの端部の真円度が0.005インチ(0.13m
m)となるような高さである。いずれの場合にも、保護
部材は重りの落下によって破損されない程度の強度を有
していることが望ましい。
【0030】図1に示されるように、保護部材にはポー
ト16が形成され、このポート16にはフィッティング
18が取り付けられる。このフィッティング18は腐食
抑制剤調合物を注入するためのもので、初めに塗布され
た腐食抑制剤調合物がパイプ保管中に劣化したり少なく
なったことが検査によって認められたときに、必要に応
じて腐食抑制剤調合物を追加注入する場合に使用され
る。保護部材は透明であるので、腐食抑制剤調合物を追
加注入する際に、その調合物がパイプの螺子部全域に均
一に注入されたかどうかは容易に知ることができる。
【0031】図1においては、雄螺子を有するパイプの
みが示されているが、雌螺子を有するパイプに対しても
この発明の腐食抑制剤調合物及び保護部材を同様に適用
可能である。螺子部を定期的に観察して錆(腐食)が発
生していないことを確認すれば、腐食抑制剤調合物が有
効に作用しているどうかを確かめることができる。保護
部材は透明であるので、保護部材を取り外さなくてもパ
イプの螺子部を観察することができる。また、この発明
の腐食抑制剤調合物は乾燥して薄い白色のフィルムにな
るが、そのフィルムの膜厚は分子数個分に相当する厚さ
しかないので、パイプの螺子部に少しでも錆が発生して
いれば、このフィルムを通してその錆の発生を知ること
ができる。このように、本願発明によれば、保護部材を
取り付けたままの状態でパイプの螺子部に錆が発生した
かどうかを目視によって検査することが可能である。
【0032】保護部材を取り付けて保管されていたパイ
プを使用するに当たっては、先ず保護部材を取り外し、
パイプの螺子部に所定の塗布剤すなわちシーラントが塗
布される。なお、保管時にパイプの螺子部に塗布されて
いたこの発明の腐食抑制剤調合物はこのようなシーラン
トに対して適合性(相溶性)があるので、シーラントの
塗布に際してこの腐食抑制剤調合物を除去する必要はな
い。シーラントの塗布が完了したら、パイプは連結され
る。このとき、図2に示されるように、ジョイントの螺
子24とパイプの螺子26との間には狭い隙間22が形
成される。この隙間内の状態をより良く示すために、隙
間22が拡大して示されている。隙間22を拡大して示
した図3において、参照番号28,30はパイプの螺子
部に形成されている腐食抑制剤調合物の薄いフィルムを
示し、参照番号32はスペース22内に満たされている
シーラントを示す。
【0033】この発明の透明な保護部材は上記以外の有
用性を有している。例えば、油田で使用されるパイプの
保管に際して、パイプの螺子部に腐食警戒指示薬が塗布
される場合があるが、この保護部材はそのような場合に
もその透明性故の機能を発揮する。この腐食警戒指示剤
とは、パイプの螺子部が腐食し易い環境に曝されとき
に、そのことを知らせる(変色等による)ことのできる
薬剤である。また、螺子部が腐食し易い環境はパイプが
運搬船によって沖合に運搬されている場合、パイプに海
水がかかった場合等に発生する。螺子部が酸性状態にな
ったことを示す指示剤は、所定量の海水が保護部材内に
浸入して螺子部を酸性状態にしたときに、そのことを示
し得る薬剤である。このような指示剤としてはフェノー
ルフタレイン、メチルオレンジ等が挙げられる。以上、
この発明の実施例を幾つか示したが、この実施例は発明
の範囲を制限するものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の保護部材を取り付けたパイプの端部
の縦断面図である。
【図2】連結された状態におけるパイプの螺子部の部分
断面図である。
【図3】図2の部分拡大断面図である。
【符号の説明】
10 パイプ 12 螺子部 14 保護部材 18 フィッティング 22 隙間 28,30 フィルム 32 シーラント
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−101013(JP,A) 実開 昭52−51512(JP,U) 実開 平4−50794(JP,U) 特公 平2−53677(JP,B2) 実表 平1−502509(JP,U)

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油田で使用される管状部材のための螺子
    部保護部材であって、管状部材に形成されている螺子部
    に係合可能な螺子を有する円筒状の壁部を含む壁部材を
    有し、前記壁部材は管状部材の螺子部及び端部を通常の
    使用及び輸送中における衝撃による破損から保護し得る
    十分な機械的強度を有し、さらに、前記円筒状の壁部は
    螺子部保護部材の螺子に係合された管状部材の螺子部の
    色の変化を目視で認識できる程度の十分な透明度を有
    し、前記円筒状の壁部にはその透明度を少なくとも60
    日間にわたって維持させるための手段が設けられている
    螺子部保護部材。
  2. 【請求項2】 前記円筒状の壁部が、米国ASTMのD
    1003に基づく測定において、少なくとも85%の光
    透過度を有し、5%以下のヘイズ値を有する請求項1に
    記載の螺子部保護部材。
  3. 【請求項3】 螺子部保護部材を取り付けた管状部材
    60cmの高さから落下させたときに管状部材の螺子部の
    真円度が0.13mm以下となるように管状部材の螺子部
    を保護し得る十分な機械的強度及び耐衝撃性を有する請
    求項1に記載の螺子部保護部材。
  4. 【請求項4】 螺子部保護部材を取り付けた管状部材
    所定の高さから落下させたときに管状部材の螺子部の真
    円度が0.13mm以下となるように管状部材の螺子部を
    保護し得る十分な機械的強度及び耐衝撃性を有し、前記
    所定の高さが螺子部保護部材を取り付けない状態でその
    管状部材を落下させたときにその管状部材の螺子部の真
    円度が0.13mmとなるような高さである請求項1に記
    載の螺子部保護部材。
  5. 【請求項5】 螺子部保護部材がカップ状である請求項
    に記載の螺子部保護部材。
  6. 【請求項6】 前記円筒状の壁部には屋外においてその
    透明度を少なくとも6か月間にわたって維持させるため
    の手段が設けられている請求項に記載の螺子部保護部
    材。
  7. 【請求項7】 螺子部が形成された端部を有する油田で
    使用される管状部材に組み合わせて使用される組合せ体
    であって、 螺子部が形成された端部に塗布された腐食抑制剤と、 螺子部が形成された端部に取り付けられた螺子部保護部
    材と、 を有し、前記腐食抑制剤が螺子部が形成された端部の腐
    食に起因する変色を目視で認識できる程度の透明度を有
    し、前記螺子部保護部材が管状部材に形成されている螺
    子部に係合された螺子を有する円筒状の壁部を含む壁部
    材を有し、前記壁部材は管状部材の螺子部及び端部を通
    常の使用及び輸送中における衝撃による破損から保護し
    得る十分な機械的強度を有し、さらに、前記円筒状の壁
    部は螺子部保護部材の螺子に係合された管状部材の螺子
    部の色の変化を目視で認識できる程度の十分な透明度を
    有し、前記円筒状の壁部にはその透明度を少なくとも6
    0日間にわたって維持させるための手段が設けられてい
    組み合わせ体。
  8. 【請求項8】 前記螺子部保護部材はそれを取り付けた
    管状部材を60cmの高さから落下させたときに管状部材
    の螺子部の真円度が0.13mm以下となるように管状部
    材の螺子部を保護し得る十分な機械的強度及び耐衝撃性
    を有する請求項に記載の組み合わせ体。
  9. 【請求項9】 前記螺子部保護部材の円筒状の壁部が、
    米国ASTMのD1003に基づく測定において、少な
    くとも85%の光透過度を有し、5%以下のヘイズ値を
    有する請求項に記載の組み合わせ体。
  10. 【請求項10】 前記螺子部保護部材はそれを取り付け
    た管状部材を所定の高さから落下させたときに管状部材
    の螺子部の真円度が0.13mm以下となるように管状部
    材の螺子部を保護し得る十分な機械的強度及び耐衝撃性
    を有し、前記所定の高さが螺子部保護部材を取り付けな
    い状態でその管状部材を落下させたときにその管状部材
    の螺子部の真円度が0.13mmとなるような高さである
    請求項に記載の組み合わせ体。
  11. 【請求項11】 螺子部保護部材がカップ状である請求
    に記載の組み合わせ体。
  12. 【請求項12】 前記腐食抑制が腐食抑制効果を発揮し
    得る量の気相腐食抑制剤の水溶液を含有する請求項
    記載の組合せ体。
  13. 【請求項13】 前記円筒状の壁部には屋外においてそ
    の透明度を少なくとも6か月間にわたって維持させるた
    めの手段が設けられている請求項に記載の組み合わせ
    体。
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