JP2563546Y2

JP2563546Y2 - コンパクトディスクを添付した書籍

Info

Publication number: JP2563546Y2
Application number: JP1991076601U
Authority: JP
Inventors: 智夫成島
Original assignee: Toppan Inc
Current assignee: Toppan Inc
Priority date: 1991-09-24
Filing date: 1991-09-24
Publication date: 1998-02-25
Anticipated expiration: 2006-09-24
Also published as: JPH0529989U

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、光学式記録ディスク
（以下、コンパクトディスクと称する）を添付した雑誌
等の書籍に係り、特に書籍が中綴じの場合にも、コンパ
クトディスクの反り、破損が生ずることなく確実に保護
しつつコンパクトディスクを書籍に容易に添付し得るよ
うにしたコンパクトディスクを添付した書籍に関するも
のである。

【０００２】

【従来の技術】光学式記録は、磁気式記録と比較して記
録媒体とヘッドとが非接触であり、かつ高密度の記録が
可能である等の利点がある。この光学式記録媒体として
は、読出し専用のもの、追加書込み可能なもの、消去再
書込み可能なものが知られており、本考案にかかる読出
し専用の光学式記録媒体としては、既にコンパクトディ
スクや、光学方式のビデオディスク、光カ―ド等の形
で、実用に供されてきている。

【０００３】このうち、コンパクトディスクと総称され
るメディアは、音楽記録媒体として、その普及が著し
く、最近では、その応用商品として、ＣＤ−ＲＯＭ、Ｃ
Ｄ−Ｉ等が出版物と競合して、電子出版なる名称で発行
されてきている。このように、コンパクトディスクがよ
り身近なものとなり、コンパクトディスクと書籍とが、
一つのセットで発売されるようになってきている。

【０００４】ところで、このようにコンパクトディスク
と書籍とが一体になったものの一つとして、コンパクト
ディスクを書籍のある頁間に綴じ込んでいるものがあ
る。すなわち、その収納形態を図４の部分断面図に示す
ように、コンパクトディスク１１を不織布の袋１２の中
に収納し、これを紙の袋１３の中に収納し、さらにこの
紙の袋１３を書籍に綴じ込むことにより、コンパクトデ
ィスクを書籍のある頁間に綴じ込むようにしている。

【０００５】この場合、例えば月刊誌等のような無せん
綴じの書籍では、上記のような形態でコンパクトディス
クを書籍に綴じ込んでも特に問題がない。

【０００６】しかしながら、例えば週刊誌等のような中
綴じ（針金綴じの一つ）の書籍（中綴本工程は、通常、
印刷した刷本の折ったもの（折丁）をフィーダーから一
部ずつ供給する工程、頁数に従って重ねる工程、表紙を
重ねる工程、針金綴じ（ホチキスで止める）する工程、
断裁する工程からなっている）では、上記のような形態
でコンパクトディスクを書籍に綴じ込んだ場合、次のよ
うな問題が生ずる。

【０００７】すなわち、製本後の何十冊（通常、２５
冊）かの結束過程で書籍のずれが生じ、しいては結束し
た書籍を何段かに積んだ際に、その重量圧によって書籍
の中のコンパクトディスクに荷重が加わり、コンパクト
ディスクの反りが大きくなったり破損したり（信号読取
り部分に傷等がつく）して、結果としてコンパクトディ
スクの再生が行なえなくなることがある。

【０００８】

【０００９】

【考案が解決しようとする課題】本考案は上述のような
問題を解決するために成されたもので、書籍が中綴じの
場合にも、コンパクトディスクの反り、破損が生ずるこ
となく確実に保護しつつコンパクトディスクを書籍に容
易に添付することが可能な極めて実用的で信頼性の高い
コンパクトディスクを添付した書籍を提供することを目
的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項１の考案では、複数の折丁を重ね、その折
り部分を針金で貫くことで折丁を綴じたコンパクトディ
スクを添付した書籍において、折り部分で折曲げられた
折丁の内側に、コンパクトディスクを添付している。

【００１１】ここで、特に例えば請求項２に記載したよ
うに、コンパクトディスクの周囲に一体配置されたコン
パクトディスクの厚みと等しいかまたは若干厚い枠体を
有し、折り部分で折曲げられた折丁の内側に、コンパク
トディスクと枠体を添付している。また、例えば請求項
３に記載したように、折り部分で折曲げられた折丁の最
も内側に、コンパクトディスクを添付している。さら
に、例えば請求項４に記載したように、コンパクトディ
スクは袋体に収納されて添付されている。さらにまた、
例えば請求項５に記載したように、コンパクトディスク
は保護ジャケットに収納されている。

【００１２】

【作用】従って、本考案のコンパクトディスクを添付し
た書籍においては、複数の折丁を重ね、その折り部分を
針金で貫くことで折丁を綴じたコンパクトディスクを添
付した書籍において、折り部分で折曲げられた折丁の内
側に、コンパクトディスクを添付していることにより、
中綴じの書籍にコンパクトディスクを綴じ込み、それを
何十冊か結束しても書籍のずれが生じることがなく、も
って結束した書籍を何段かに積んだ場合でも、その重量
圧によって書籍の中のコンパクトディスクに荷重が加わ
ることがない。

【００１３】これにより、コンパクトディスクの反りが
大きくなったり、コンパクトディスクの中央部分、すな
わち信号読取り部分（信号刻設部分）に傷が発生したり
することはなく、コンパクトディスクを書籍に容易に添
付して、コンパクトディスクを確実に保護することがで
きる。

【００１４】

【実施例】以下、本考案の一実施例について図面を参照
して詳細に説明する。

【００１５】図１は本考案による書籍に採用したコンパ
クトディスク用保護ジャケットの全体構成例を示す斜視
図、図２は図１における部分断面図である。すなわち、
本実施例のコンパクトディスク用保護ジャケットは、図
に示すように、紙製（板紙もしくはボール紙）のほぼ正
方形の支持片１と、片面側が支持片１の片面（図示上
面）側に貼着されると共に、コンパクトディスクの厚み
（１．２mm）と等しいかまたは若干厚く、かつ支持片１
の厚みと等しいかまたは若干薄い紙製（板紙もしくはボ
ール紙）からなり、コンパクトディスクの直径と等しい
かまたは若干大きいディスク収納用穴２がくり抜き形成
された枠片３と、枠片３の他面（図示上面）側に、その
少なくとも一部が貼着して設けられた表紙片４と、ディ
スク収納用穴２の支持片１側に貼着された信号読取り面
保護用の不織布５とからなっている。

【００１６】ここで、支持片１の材質としては、コンパ
クトディスクを収容するに必要なある程度の剛性（４５
０ｇ／ｍ²以上、好ましくは５５０ｇ／ｍ²以上程度）
を有するもの（例えば、大昭和製紙ＪＥＴスター５５０
ｇ／ｍ²）を用いる。また、枠片３の材質としては、コ
ンパクトディスクを収容するに必要なある程度の剛性
（４００ｇ／ｍ²以上、好ましくは５００ｇ／ｍ²以上
程度）を有するもの（例えば、大昭和製紙ＪＥＴスター
６００ｇ／ｍ²）を用いる。さらに、枠片３は、本コン
パクトディスク用保護ジャケットにコンパクトディスク
が収納されて雑誌等の書籍に綴じ込まれた際に（後に述
べる）、コンパクトディスクに荷重が加わるのを防止す
るための「枕」に相当する。

【００１７】次に、以上のように構成した本実施例の書
籍に採用したコンパクトディスク用保護ジャケットの使
用法について説明する。

【００１８】いま、コンパクトディスク用保護ジャケッ
トにコンパクトディスクを収納する場合には、まず、支
持片１に貼着された不織布５上の枠片３のディスク収納
用穴２に、コンパクトディスクをその信号読取り面を不
織布５側にして収納する。

【００１９】次に、コンパクトディスクの収納後に、枠
片３およびコンパクトディスク上に表紙片４を重ねる。

【００２０】次に、このようにしてコンパクトディスク
がセットされた本コンパクトディスク用保護ジャケット
を、図３に概要図を示すように、中綴じで製本した書籍
７のある頁７ａに、針金７ｂによって綴じ込まれたジャ
ケット収納用の紙袋７ｃの内部に収納することにより、
書籍７にコンパクトディスクを添付する。なお、図中７
ｄは、書籍７の表紙を示している。

【００２１】さらに、読者（使用者）は、このような状
態で、ジャケット収納用紙袋７ｃから本コンパクトディ
スク用保護ジャケットを取り出し、さらにこのコンパク
トディスク用保護ジャケットの表紙片４を剥がして、保
護ジャケットからコンパクトディスクを取り出し、その
後コンパクトディスクを再生する。

【００２２】一方、上記のような形態でコンパクトディ
スクが添付された書籍７を、２５冊積みで結束し、さら
にこの結束たばを３段積みにしたが、このような条件下
においても、コンパクトディスクを取り出して品質をチ
ェックしたが、前述したようにコンパクトディスクの反
りが大きくなったり、あるいは破損したり（信号読取り
部分に傷等がつく）という現象は起こらなかった。

【００２３】また、本実施例の書籍に採用したコンパク
トディスク用保護ジャケットにおいては、保護ジャケッ
ト本体の材質が紙製であることにより、極めて安価であ
り、コンパクトディスクの原価を安くすることができ
る。

【００２４】また、保護ジャケット本体の材質が紙製で
あることにより、保護ジャケット自体の重量が極めて軽
量で、しかも厚さが薄いものとなり、保管スペースが小
さくて済む。これにより、書籍７にコンパクトディスク
を収容した場合と、しない場合とで、書籍の体積がほと
んど変わらなくなり、もって書籍の流通コストが低下
し、書籍の定価を引下げることができる。

【００２５】さらに、枠片３のディスク収納用穴２は、
その大きさがコンパクトディスクの直径とほぼ等しいか
若干大きくすることにより、保護ジャケット本体へのコ
ンパクトディスクの出し入れに際しては、表紙片４を開
けることによって、コンパクトディスクの出し入れを極
めて容易に行なうことができる。

【００２６】さらにまた、枠片３は、コンパクトディス
クの厚みと等しいか、または若干厚い板紙もしくはボー
ル紙とすることにより、コンパクトディスクの中央部
分、すなわち信号読取り部分（信号刻設部分）に傷が発
生することはなく、コンパクトディスクの性能を損なう
こともない。この場合、さらにディスク収納用穴２の支
持片１側に、信号読取り面保護用の不織布５を貼着して
いることにより、かかる効果をより一層向上させること
ができる。

【００２７】上述したように、本実施例の書籍に採用し
たコンパクトディスク用保護ジャケットは、紙製（板紙
もしくはボール紙）のほぼ正方形の支持片１と、片面側
が支持片１の片面側に貼着されると共に、コンパクトデ
ィスクの厚みと等しいかまたは若干厚く、かつ支持片１
の厚みと等しいかまたは若干薄い紙製（板紙もしくはボ
ール紙）からなり、コンパクトディスクの直径と等しい
かまたは若干大きいディスク収納用穴２がくり抜き形成
された枠片３と、枠片３の他面側に、その少なくとも一
部が貼着して設けられた表紙片４と、ディスク収納用穴
２の支持片１側に貼着された信号読取り面保護用の不織
布５とから構成するようにしたものである。

【００２８】従って、次のような種々の作用効果が得ら
れるものである。

【００２９】（ａ）書籍を積重ねた際に、板紙の枠片３
にて荷重を受けるため、中綴じの書籍にコンパクトディ
スクを綴じ込み、それを何十冊か結束しても書籍のずれ
が生じることがなく、もって結束した書籍を何段かに積
んだ場合でも、従来のようにその重量圧によって書籍の
中のコンパクトディスクに荷重が加わることがない。こ
れにより、コンパクトディスクの反りが大きくなった
り、コンパクトディスクの中央部分、すなわち信号読取
り部分（信号刻設部分）に傷が発生したりすることはな
く、コンパクトディスクを書籍に容易に添付して、コン
パクトディスクを確実に保護しつつ、書籍を数多く積む
ことが可能となる。さらに、ディスク収納用穴２の支持
片１側に、信号読取り面保護用の不織布５を貼着してい
るため、かかる効果をより一層向上させることが可能と
なる。

【００３０】（ｂ）紙製のため安価で構成も、ディスク
の厚みより若干厚い程度（１．２mm＋α）で、製本での
丁合（綴じ込み）が可能である。

【００３１】（ｃ）保護ジャケット本体の材質が紙製で
あるため、保護ジャケットとして極めて軽量で、しかも
厚さが薄いものを作成することが可能となり、保管スペ
ースが小さくて済む。

【００３２】（ｄ）枠片３の他面側に表紙片４が設けら
れているため、本コンパクトディスク用保護ジャケット
を、書籍に綴じ込まれたジャケット収納用の紙袋７ｃの
内部に収納する際に、コンパクトディスクがジャケット
から脱落したりするようなことがなく、コンパクトディ
スク収納の際の作業性を向上させることが可能となる。

【００３３】（ｆ）これまでのコンパクトディスクを添
付した書籍は、コンパクトディスクの収納ケースがかさ
ばるため、イメージとしてはコンパクトディスクを添付
した書籍か、書籍を添付したコンパクトディスクかわか
らない位であったが、本書籍に採用したコンパクトディ
スク用保護ジャケットにおいては、コンパクトディスク
が添付されているにもかわらず、書籍１冊のカサ（体
積）はこれまでとほぼ同じであるため、書籍取次店まで
の流通形態は従来通りでよく、従って流通コストがアッ
プすることはなく、書籍の価格への影響が極めて少な
い。

【００３４】（ｇ）コンパクトディスクの収納体に対す
る原価の占める割合を限りなく小さくして、コンパクト
ディスクを雑誌に添付することが可能となる。

【００３５】尚、上記実施例では、本考案をコンパクト
ディスクに適用した場合について説明したが、これに限
らず光学方式のビデオディスクについても、同様に本考
案を適用して同様の効果を得ることができるものであ
る。

【００３６】また、上記実施例において、保護ジャケッ
ト本体の材質として、厚紙を用いた場合について説明し
たが、これに限らず例えばコンパクトディスクを収容す
るに必要なある程度の剛性を有する紙製のものであれば
何でもよいものである。

【００３７】さらに、上記実施例において、ディスク収
納用穴２の支持片１側に信号読取り面保護用の不織布５
を貼着することは、本考案に必ずしも必要不可欠なこと
ではない。

【００３８】さらにまた、上記実施例において、枠片３
の他面側に表紙片４を設けることも、本考案に必ずしも
必要不可欠なことではない。

【００３９】

【考案の効果】以上説明したように本考案によれば、複
数の折丁を重ね、その折り部分を針金で貫くことで折丁
を綴じたコンパクトディスクを添付した書籍において、
折り部分で折曲げられた折丁の内側に、コンパクトディ
スクを添付しているので、書籍が中綴じの場合にも、コ
ンパクトディスクの反り、破損が生ずることなく確実に
保護しつつコンパクトディスクを書籍に容易に添付する
ことが可能な極めて実用的で信頼性の高いコンパクトデ
ィスクを添付した書籍が提供できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案による書籍に採用したコンパクトディス
ク用保護ジャケットの一実施例を示す全体斜視図。

【図２】同実施例における書籍に採用したコンパクトデ
ィスク用保護ジャケットの部分断面図。

【図３】同実施例におけるコンパクトディスク用保護ジ
ャケットを書籍に綴じ込んだ場合の状態を示す概要図。

【図４】従来のコンパクトディスク用保護ジャケットの
構成例を示す部分断面図。

【符号の説明】

１…支持片、２…ディスク収納用穴、３…枠片、４…表
紙片、５…不織布、７…書籍、７ａ…書籍７の頁、７ｂ
…針金、７ｃ…ジャケット収納用紙袋、７ｄ…書籍７の
表紙、１１…コンパクトディスク、１２…不織布の袋、
１３…紙の袋。

Claims

(57)【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】複数の折丁を重ね、その折り部分を針金
で貫くことで折丁を綴じたコンパクトディスクを添付し
た書籍において、前記折り部分で折曲げられた折丁の内側に、コンパクト
ディスクを添付したことを特徴とするコンパクトディス
クを添付した書籍。
【請求項２】前記コンパクトディスクの周囲に一体配
置されたコンパクトディスクの厚みと等しいかまたは若
干厚い枠体を有し、前記折り部分で折曲げられた折丁の
内側に、コンパクトディスクと枠体を添付したことを特
徴とする請求項１に記載のコンパクトディスクを添付し
た書籍。
【請求項３】前記折り部分で折曲げられた折丁の最も
内側に、コンパクトディスクを添付したことを特徴とす
る請求項１または請求項２に記載のコンパクトディスク
を添付した書籍。
【請求項４】前記コンパクトディスクは袋体に収納さ
れて添付されていることを特徴とする請求項１乃至請求
項３のいずれか１項に記載のコンパクトディスクを添付
した書籍。
【請求項５】前記コンパクトディスクは保護ジャケッ
トに収納されていることを特徴とする請求項１乃至請求
項４のいずれか１項に記載のコンパクトディスクを添付
した書籍。