JP2559955B2 - 耐熱冷却構造部材及びその製造方法 - Google Patents
耐熱冷却構造部材及びその製造方法Info
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Description
その製造方法に関する。
題】航空機・宇宙往環機等の機体・エンジン部材には、
極めて高い熱負荷環境に晒されるものがあり、例えばス
ペースシャトルの外表面最高温度は胴体先端部の約15
00℃であるが、将来のスペースプレーン(地上と宇宙
の間を往復する輸送機)計画では機体外表面最高温度と
して、3500℃程度(米国NASP計画)が予測され
ている。このような外表面の超高温環境に比して乗員室
はもちろん室温程度が要求され、機体の制御機器が収納
される箇所もせいぜい50℃程度に維持する必要があ
る。すなわち、航空機・宇宙往環機等の機体材料は表面
の超高温と内部の低温とを最小限の重量で満足させるも
のでなければならない。従って、この要求を満たすため
には、断熱材を用いて各部の温度を適正値内に保持す
る、いわゆる「受動型熱制御方式」ではなく、内側にジ
ャケットあるいは配管を設け、この中に冷媒を強制的に
循環させて構造材料の温度を許容値内に維持する、いわ
ゆる「能動型熱制御方式」の採用が不可欠である。とこ
ろで、冷却構造部材としては、従来からCu基合金、N
i基合金あるいはSUS合金等の比較的比重の大きい金
属材料をマトリックスとする冷却部品が公知である(例
えば、特公昭61−51124号公報参照)。しかし、
上記金属材料は重いので、軽量性が極めて重視される航
空・宇宙分野の耐熱冷却材料として適用するのは好まし
くない。また、Cu基合金製冷却構造部材を宇宙往環機
に適用した場合、その高熱伝導特性により易冷却である
にも関わらず、その一方で耐熱性が高くないため(常用
耐熱温度300℃以下)、多量の冷却剤(例えば、多量
の液体水素)を必要とするので機体打ち上げ重量が増大
するという問題が発生する。
却構造部材の加熱側表面に熱遮蔽材料を配して冷却構造
部材の冷却負荷を軽減する方法が提案されているが、熱
遮蔽材と冷却構造部材との接合面に熱膨張率のミスフィ
ットに起因する熱応力が集中し、熱遮蔽材が剥離・脱落
する場合がある。組成傾斜型材料はその組成が連続的に
変化することによりこのような熱応力を緩和するもので
あり、係る組成傾斜型材料を用いた冷却パネルは公知で
ある(例えば、第4回FGMシンポジウム、1991年
10月、於川崎市、前刷集235〜243頁参照)。し
かし、この公知組成傾斜型材料は比重の大きいNiを構
成材料とするものであり、またその冷却パネルはやはり
比重の大きいステンレス製であることから、前記したよ
うに軽量性が極めて重視される航空・宇宙分野の耐熱冷
却部材としては好ましくない。
に分割して各部分をロウ付け法により接合するか、また
は、電鋳法により直接製造する方法で製造される場合が
多い。しかし、ロウ付け法によるものは高い温度で使用
される場合には接合強度が低下し、高圧(数十気圧)の
冷却剤の使用に際して十分な気密信頼性がおけないとい
う問題がある。また、電鋳法によるものは製造コストが
高いという問題がある。
題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、軽量
で極めて高い耐熱性を有する耐熱冷却構造部材ならびに
気密信頼性が高い耐熱冷却構造部材の製造方法を提供す
ることにある。
に本発明の要旨は、金属間化合物を構成材料の一部また
は全部とし、冷却剤が流通する通路が設けられている耐
熱冷却構造部材において、熱遮蔽性の組成傾斜型材料を
加熱側表面に配したことを特徴とする耐熱冷却構造部材
を第一の発明とし、上記第一の発明において、組成傾斜
型材料が金属間化合物を構成材料として含むことを特徴
とする耐熱冷却構造部材を第二の発明とし、上記第一ま
たは第二の発明において、複数の構成部分を拡散接合法
により接合して耐熱冷却構造部材を得、この耐熱冷却構
造部材の加熱側表面に別途作製した組成傾斜型材料を接
合することを特徴とする耐熱冷却構造部材の製造方法を
第三の発明とする。
l系のTiAl・Ti3 Al・TiAl3 、Ni−Al
系のNiAl・Ni3 Al・NiAl3 、Nb−Al系
のNbAl・Nb3 Al・NbAl3 、Mo−Si系の
MoSi2 、Ti−Si系のTi5 Si3 、Ti−B系
のTiB2 、Ti−C系のTiC、Co−Si系のCo
Si2 、Fe−Al系のFeAl、またはこれらの複合
物を使用することができる。
これに強化材としてSiC・B4 Cなどの炭化物、Si
3 N4 ・BNなどの窒化物、TiB2 などのホウ化物等
を短繊維、長繊維、粒子の形態で添加した複合物を使用
することもできる。
ZrO2 、Al2 O3 、SiCなどのセラミックスと上
記金属間化合物またはその複合材料とを複合させたもの
を使用することができる。この組成傾斜型材料の製造法
としては、例えば、焼結法、燃焼焼結法、CVD法、P
VD法または溶射法などを採用することができる。
は拡散接合法、ロウ付け法などにより接合することがで
きる。また、CVD法またはPVD法により組成傾斜型
材料を冷却構造部材上に蒸着させるか、または組成傾斜
型材料を冷却構造部材上に溶射する方法を採用すること
もできる。さらに、組成傾斜型材料と冷却構造部材とを
中子を用いて一体的に焼結成形することもできる。
に比較して材料の平均密度が小さくなり、冷却構造部材
の軽量化が可能となる。また、熱遮蔽性の組成傾斜型材
料を加熱側表面に配することで、冷却構造部材の冷却負
荷を軽減しうるので、冷却剤流量を低減することが可能
となる。さらに、冷却構造部材を拡散接合法で製造する
ことにより、気密性の優れた信頼性の高い冷却部材を得
ることができる。
ながら製造工程順に説明する。
布) 冷却剤量との関係 機体表面が超高温となるスペ
ースプレーンの能動型冷却方式において使用する冷却剤
の重量は機体全重量の約半分にも達するものと予想され
るので、必要冷却剤量を低減することは機体の軽量化に
大きく貢献する。そこで、使用時の加熱環境(例えばガ
ス温度=3000℃、ガス流速=マッハ3)下において
必要冷却剤量が最小となるような材料厚さと材料板厚方
向の組成分布を有限要素伝熱解析により求めた。
型材料(部分安定化ジルコニアとTiAlとの複合物)
製造後の残留応力、この組成傾斜型材料と冷却構造部材
(TiAl製)との接合後の残留応力および使用時発生
熱応力が材料の破壊強度を下回るような材料厚さと材料
板厚方向の組成分布を有限要素熱応力解析により求め
た。 以上のようにして求めた材料厚さおよび材料板厚方
向の組成分布の共通解を設計値とした。今回の設計デー
タとしては、材料厚さを3mmとし、厚さ方向の組成分布
を直線分布とすることで、上記の条件が満足されるとの
結果を得た。
γチタンアルミナイド(粒径が10μmのもの)の各粉
末を体積比で10:0、9:1、8:2、7:3、6:
4、5:5、4:6、3:7、2:8、1:9、0:1
0となるように混合した11組成の原料粉末を用意し
た。そして、この11組成の原料粉末を黒鉛製の型(図
示せず)の中に順次積層・充填し、この積層・充填物を
ホットプレス装置(図示せず)に収容し、装置内を10
-5Torrの真空とし、温度1300℃、圧力200kg/cm
2 の一軸加圧焼結により、図1に示すような厚さ3mmで
85mm径の円盤状組成傾斜型材料1を得た。
定化ZrO2 で加熱側、そして他方の面Bはγ−TiA
lで冷却構造部材と接する側である。
するγ- TiAl製の複数の部分2、3、4を放電加工
及び機械加工により製造した。5はSUS304製の支
持パネル、6は冷却剤が流通するSUS430製の螺子
付きパイプである。これらの部材5、6は機械加工によ
り製造した。そして、この構成部分2、3、4を積層し
てホットプレス装置内に収容し、装置内を10-5Torrの
真空とし、温度1050℃で15Tonの荷重を加え、
固相拡散接合によりインサート材を使用せずに冷却構造
部材を製造した。このようにして得た冷却構造部材を超
音波探傷装置を用いて非破壊検査したところ、全く異常
はなく、介在物・ピンホール等の欠陥のない清浄な組織
であることが確認された。さらに、この冷却構造部材を
N2 ガス雰囲気下で150気圧で30分間保持して気密
・耐圧試験を実施したところ、いかなるリークも外観上
の変化も認められず、その健全性が証明された。
合 Ti入りAg−Cu活性ロウ材シートを、図1の組成傾
斜型材料1から切りだしたほぼ正方形状の4個の組成傾
斜型材料と、構成部分2、3、4を拡散接合して得た冷
却構造部材7との間に挿入し、10-5Torrの真空中で8
50℃×10分間保持することにより両者を接合し、さ
らに、この冷却構造部材7に螺子付きパイプ6をロウ付
けした支持パネル5を螺合することで図3に示すような
冷却構造体を得た。このようにして得られた組成傾斜型
材料付き冷却構造部材を超音波探傷装置を用いて非破壊
検査したところ、全く欠陥のないことが確認された。図
4(a) は図3のX−X矢視断面図、図4(b) は図3のY
−Y矢視断面図であり、冷却剤は螺子付きパイプ6内を
通り、矢印で示すように流通する。以下の表1は本発明
に係る冷却構造部材で使用する金属間化合物TiAlと
他の耐熱材料との比重ならびに比強度を比較する表であ
る。比強度とは材料強度を材料の単位体積当たりの重量
で割った値であり、比強度の値が大きい材料を用いるほ
ど、同じ荷重条件に対して構造物を軽く造ることができ
る。
耐熱材料に比して単に軽いだけでなく、高温になっても
比強度は十分大きく、耐熱・軽量・高強度という、航空
機・宇宙往環機の耐熱冷却構造材料として最も重要な要
件を満たす材料である。
材料の有無による冷却構造部材の必要冷却剤量を比較す
る表(一例)である。
斜型材料を付加することにより、必要冷却剤量を大幅に
低減することが可能となる。
で以下の効果を奏する。 請求項1記載の発明によれば、金属間化合物を構成
材料とすることで耐熱性向上・高強度・軽量化が可能に
なり、熱遮蔽性の組成傾斜型材料を加熱側表面に配する
ことにより冷却構造部材の冷却負荷(冷却剤流量)を大
幅に低減しうるので、係る冷却構造部材を機体・エンジ
ン材料に採用すれば、ペイロード体積を大きく取ること
ができる。 請求項2記載の発明によれば、一層の軽量化が可能
になる。 請求項3記載の発明によれば、欠陥のない信頼性の
高い冷却構造部材を提供することができる。
の分解斜視図で、図2(a) は斜め下方から見た図、図2
(b) は斜め上方から見た図である。
却構造部材の斜視図である。
は図3のY−Y矢視断面図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 金属間化合物を構成材料の一部または全
部とし、冷却剤が流通する通路が設けられている耐熱冷
却構造部材において、熱遮蔽性の組成傾斜型材料を加熱
側表面に配したことを特徴とする耐熱冷却構造部材。 - 【請求項2】 組成傾斜型材料が金属間化合物を構成材
料として含むことを特徴とする請求項1記載の耐熱冷却
構造部材。 - 【請求項3】 複数の構成部分を拡散接合法により接合
して耐熱冷却構造部材を得、この耐熱冷却構造部材の加
熱側表面に別途作製した組成傾斜型材料を接合すること
を特徴とする請求項1または2記載の耐熱冷却構造部材
の製造方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP4224037A JP2559955B2 (ja) | 1992-08-24 | 1992-08-24 | 耐熱冷却構造部材及びその製造方法 |
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JP4224037A JP2559955B2 (ja) | 1992-08-24 | 1992-08-24 | 耐熱冷却構造部材及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH0672783A JPH0672783A (ja) | 1994-03-15 |
JP2559955B2 true JP2559955B2 (ja) | 1996-12-04 |
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ID=16807608
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JP4224037A Expired - Fee Related JP2559955B2 (ja) | 1992-08-24 | 1992-08-24 | 耐熱冷却構造部材及びその製造方法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2559955B2 (ja) |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6151124A (ja) * | 1984-08-20 | 1986-03-13 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 液晶表示装置 |
-
1992
- 1992-08-24 JP JP4224037A patent/JP2559955B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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JPH0672783A (ja) | 1994-03-15 |
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