JP2559117Y2 - い草苗ほぐし機のスパイク構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案はい草を掘り起こしてい草
移植機にて植え付けられるように、根部をほぐすい草苗
ほぐし機のスパイク構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来からい草移植機により機械的に植え
付けることは行われているが、掘り起こしてきたい草の
根部は固くなっており、移植機の苗載台に載せるときに
均等に載置できなかったり、一定量切り取って植え付け
ることができなかったりするので、予めい草の根部を両
側から突起物により挟んで突き刺して広げることにより
ほぐして、その後一定長さに切断して処理を行ってから
苗載台に載置していたのである。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】しかし、根をほぐすた
めの処理機は多数の突起物を突出させていたのである
が、該突起が図７に示すように尖状の円錐形であると、
根部や茎部に先端が突っ込むときや離れるとき引っ掛か
りが生じて苗を傷めてしまうのである。また、図８に示
すように円筒形であると、茎と茎の間に入り難く押し潰
すことがあり、離れるときには根部や茎部を巻き込んで
引っ張ってしまうことがあり苗を傷めることになり、ま
た、図９に示すようにスターホイル状であると、挟む時
に根部や茎部を切ってしまうことがあったのである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本考案はこのような問題
点を解消するために、多数の突起を有する回転体を対向
配置し、その間にい草の根部を通過させてほぐすい草ほ
ぐし機において、ほぐしチェーン表面に突出する多数の
スパイクを砲弾状に構成したものである。

【０００５】

【実施例】本考案の解決すべき課題及び解決する手段は
以上の如くであり、次に添付の図面に示した実施例につ
いて説明すると、図１はい草苗ほぐし機正面図、図２は
同じく平面断面図、図３は同じくほぐし部拡大正面図、
図４はほぐしチェーンのスパイク拡大図、図５はほぐし
チェーンのチェーン部平面図、図６は同じく側面図であ
る。

【０００６】図１、図２、図３において、い草苗ほぐし
機の構成から説明すると、機台１上にほぐし部Ａが載置
され、該機台１は下端に移動が容易にできるようにキャ
スター輪２・２・・・が設けられ、高さもピン３・３の
差し替えによりオペレーター及び次工程のい草苗そろえ
機に合わせて調整できるようにしている。

【０００７】前記ほぐし部Ａは後部の後ケース５内にモ
ーターＭ１と動力を伝える歯車等が内装され、該後ケー
ス５の前部には中央縦にい草を供給するための空間を形
成する左右の前ケース６Ｌ・６Ｒが配設され、該前ケー
ス６Ｌ・６Ｒの間の空間の上部を供給部Ｋとし、該前ケ
ース６Ｒの前面上部にモーターＭ１のメインスイッチ１
５が配設され、後ケース５の側面にブレーカ１６と詰ま
ったときに後述するほぐしチェーン１０を逆転させる逆
転スイッチ１７が配設されている。

【０００８】前記後ケース５の前板と前ケース６Ｌ・６
Ｒの間には駆動軸１３Ｌ・１３Ｒと従動軸１４Ｌ・１４
Ｒが横架され、該駆動軸１３Ｌ・１３Ｒ上にはそれぞれ
駆動スプロケット２１Ｌ・２１Ｒが固設され、従動軸１
４Ｌ・１４Ｒ上にはそれぞれ従動スプロケット２２Ｌ・
２２Ｒが固設され、該駆動スプロケット２１Ｌ・２１Ｒ
と従動スプロケット２２Ｌ・２２Ｒの間に本考案のほぐ
しチェーン１０Ｌ・１０Ｒが巻回されて、該ほぐしチェ
ーン１０Ｌ・１０Ｒが正面視で逆ハ字状に対向配設され
ているのである。該ほぐしチェーン１０Ｌ・１０Ｒ上の
後述するスパイク２４・２４・・・の縦列の間にはガイ
ド板１８Ｌ・１８Ｒが配設されて巻き込みが防止され、
前記前ケース６Ｌ・６Ｒ前面にガイド杆１１・１２が上
下方向に配設してい草苗の挿入のガイドとオペレーター
の手が入り込まないように危険防止を図っている。

【０００９】そして、前記駆動軸１３Ｌ・１３Ｒ端の後
ケース５内に歯車８・９が固設されて互いに噛合され、
モーターＭ１の駆動軸４上に固設した歯車７から左側の
駆動軸１３Ｌ上に固設した歯車８と噛合して歯車８・９
を互いに逆方向に回転して、回転数も少し変えてほぐし
易く回転する構成としている。

【００１０】前記ほぐしチェーン１０Ｌ・１０Ｒは図
５、図６に示すようにローラチェーンより構成され、該
ほぐしチェーン１０は低摩擦材料（プラスチックや軟質
金属等）を用いた無給油チェーンにて構成され、オペレ
ーターやい草苗に潤滑油が飛び散らないようにしてお
り、該ほぐしチェーン１０の上面にはほぐし用のスパイ
ク２４・２４・・・を取り付けるために、外側方に取付
板部１０ａ・１０ａ・・・を突出しており、該取付板部
１０ａ中央にネジ孔１０ｂを開口している。

【００１１】前記スパイク２４は図４に示すように、基
部側２４ａを円筒状に構成し、先端部２４ｂを曲面で尖
状として全体として砲弾形に形成され、基部側の端部２
４ｃを取付プレート２５に挿入してかしめて固定し、該
取付プレート２５の両側には取付孔２５ａ・２５ａが開
口され、該取付孔２５ａ・２５ａと前記ほぐしチェーン
１０のネジ孔１０ｂ・１０ｂと合致させてネジにて固定
しているのである。

【００１２】このように構成することにより、モーター
Ｍ１によりほぐしチェーン１０Ｌ・１０Ｒを回動して、
い草苗を前ケース６Ｌ・６Ｒの間の供給部Ｋから根部を
後ケース５前面に押し当てて下方へ下げることにより、
両側のほぐしチェーン１０Ｌ・１０Ｒ上のスパイク２４
・２４・・・がい草苗の根部の下降と共に回転されなが
らつき刺さって分離してほぐし、ほぐし後の排出時には
先端部２４ｂの曲面により巻き込みや引っ掛かりがなく
い草苗を下方へ押し出すのである。

【００１３】

【考案の効果】本考案は以上の如く構成したので、次の
ような効果を奏するものである。即ち、ほぐしチェーン
の突起を砲弾形に構成したので、い草苗に突き刺さると
きに苗を傷付けることがなくなり、曲面部で分離するた
めに無理な力がかからなくなり、排出時にも苗の巻き込
みがないために、詰まりや絡みがなくなり、操作性が向
上し、メンテナンスも容易に行えるようになったのであ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】い草苗ほぐし機正面図である。

【図２】同じく平面断面図である。

【図３】同じくほぐし部拡大正面図である。

【図４】ほぐしチェーンのスパク拡大図である。

【図５】ほぐしチェーンのチェーン部拡大平面図であ
る。

【図６】同じく側面図である。

【図７】ほぐし突起を円錐状とした側面図である。

【図８】ほぐし突起を円柱状とした側面図である。

【図９】ほぐし突起の代わりにスターホイルとした側面
図である。

【符号の説明】

１０ ほぐしチェーン ２４ スパイク

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 多数の突起を有する回転体を対向配置
   し、その間にい草の根部を通過させてほぐすい草ほぐし
   機において、ほぐしチェーン表面に突出する多数のスパ
   イクを砲弾状に構成したことを特徴とするい草苗ほぐし
   機のスパイク構造。