JP2557822B2 - 配水管網異常発生位置推定装置 - Google Patents

配水管網異常発生位置推定装置

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JP2557822B2 JP59215653A JP21565384A JP2557822B2 JP 2557822 B2 JP2557822 B2 JP 2557822B2 JP 59215653 A JP59215653 A JP 59215653A JP 21565384 A JP21565384 A JP 21565384A JP 2557822 B2 JP2557822 B2 JP 2557822B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、配水管網において異常流出をともなう異常
の発生位置を推定する配水管網異常発生位置推定装置に
関するものである。
〔従来の技術〕
一般に配水管は街路に沿つて埋設されているが、地震
や重量車によるスレス、あるいは腐食,継手のゆるみ,
凍結,工事などによつて漏水異常が発生する。その結果
は道路および他の地下埋設物を損傷するなど社会的影響
が大きい。よつて早期に発見しすみやかな復旧が必要と
なる。しかし、管の地下埋設と道路舗装は異常早期発見
の障害となつている。すなわち、異常発生の検知装置に
は計測値の急激な変化現象から異常の検知をする装置が
あるが、漏水の異常位置は、その影響が地表に現れる
か、もしくは管からの漏水の流出音を地表から聴音法に
より推定し見つけているのが現状である。
〔発明が解決しようとする問題点〕
上述のように従来の配水管網異常発生を検知する装置
は異常位置の発見が遅れるという問題点があつた。
この発明は、かかる問題点を解決するためになされた
もので、異常位置が存在するであろう管路網の所定の範
囲を異常発生と同時に推定することにより、異常位置の
早期発見を可能とする配水管網異常発生位置推定装置を
得ることを目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
この発明に係る配水管網異常発生位置推定装置は配水
管網に異常が発生するとオンラインで計測中の圧力計測
器に急激な変化が現われる。計測値変化分ベクトル算出
装置はその変化分を全ての計測器について算出ベクトル
として出力する。一方、仮想計測値変化分パターン発生
装置は異常発生の数式モデルを用い異常位置を仮定して
計測値変化モデルを算出する。理想的には仮定された異
常位置が正しければ観測された変化分ベクトルと同じ向
きとなる。マツチング装置は仮想計測値変化分パターン
発生装置によつて発生される数々の仮想計測値変化ベク
トルの中から観測された変化分ベクトルと向きが最も一
致するものを見つけることにより異常位置を推定するも
のである。
〔作用〕
この発明においては配水管網をオンラインで得られる
計測情報によつて管路異常の発生と同時にその管の異常
存在の位置の推定を自動的に行うものである。
〔実施例〕
第1図はこの発明の一実施例を示したもので、計測器
は圧力計に限つて説明するが流量計の場合には後述の式
の展開が異なるだけで原理は同一である。
図において、1は配水管網、2はこの配水管網1の節
点に取り付けられた圧力計測器、3は前記圧力計測器2
で計測されている圧力の時系列からある定められた時間
単位の変化分をすべての計測値について算出する計測値
変化分ベクトル算出装置、4はモデル式から仮想により
異常時によつて計測値がどのように変動するかを算出す
る仮想計測値変化パターン発生装置、5は前記計測値変
化分ベクトル算出装置3からの出力を仮想計測値変化分
パターン発生装置4で発生させたパターンとのマツチン
グをおこなうことにより異常位置を推定するマツチング
装置である。
次に第1図の動作について説明する。参考として第2
図は配水管網異常発生位置推定装置のブロツク図であ
り、第3図は配水管網異常発生位置推定装置の動作順序
を示すフローチャートである。すなわち、第1図におい
て、圧力計測器2は第3図(ST−1)の如くサンプル時
毎に配水管網1の節点の圧力を計測する。これをhi{n
Δt}と表わす。hは圧力、iは計測器番号、Δtは時
間間隔である。計測値変化分ベクトル算出装置3は、定
められた時間間隔K・Δt間の変化分をすべての計測器
について求める。これを計測値変化分ベクトルといいΔ
Hで表わす(第3図のST−2)。
ΔH=(Δh1……Δhm ……(1) Δhi=hi{(n0+K)ΔT}−hi{n0・ΔT} ……
(2) m:計測器数,T:転置 第3図に示すステップST3は、異常発生検出装置6が
異常発生を検知したか否か判定するステップである。異
常発生を検知すれば、ステップST4に進み、仮想計測値
変化分パターンが、仮想計測値変化分パターン発生装置
4によって求められる。
配水管網1は、節点での流量の連続性、流量と圧力の
特性関係によって数式表現できる。数式表現時に、実際
には存在しない多数の仮想節点を管路上に設定してお
く。配水管網に異常が生じていない場合には、仮想節点
からの流出量(排水管網外への漏れ量)はゼロである。
異常の発生は仮想節点および実際に存在する節点におい
て流出量の急激な増加として表現できるので、数式モデ
ル上で異常を発生させるためには、異常が発生する節点
の位置を仮定し、各節点からの流出量を増加させればよ
い。流出量増加前の模擬圧力と増加後の模擬圧力との差
が異常発生による節点における圧力増加分となる。これ
らの模擬圧力増加分の中から計測器が設置してある実節
点の分だけを取り出し、(1)式と同じ順序でベクトル
表現したものが仮想計測値変化分パターンである。
仮想計測値変化分パターンの計算方法を以下に示す。
まず、仮想計測値変化分パターンを(3)式,(4)式
で定義する。仮定した流出量増加の節点の番号がjのと
きの仮想計測値変化分パターンがΔV(Pj)である。
ここで、(4)式中のPOは、異常発生前の状態(仮想
節点を含む全ての節点において流出量増加が生じていな
い状態)を意味し、(4)式では、節点Pj(j=1〜
l)で流出量増加を仮定したときの、各計測点i0での流
出量増加前と増加後の圧力変化分を表す式である。これ
らの変化分を節点1から節点mまでに関してm個を並べ
てベクトル表現したものがΔV(Pj)である。Tはベク
トルの転置を意味する。mは計測器の個数である。
よって、Δv(Pj)は、節点Pjに流出量変化が生じ
たときのm番目の計測器による圧力変化を示す。
次に、(3)式で定義された仮想計測値変化分パター
ンの具体的計算方法を示す。配水管網は、流量連続性と
管特性の式で表現できるので(水理公式集:土木学会
編)、配水管網1の数式表現は以下のようになる。
(i) 流量連続性 節点が仮想節点の場合、異常がなければdj=0、異常
時にはdjは流出量(漏れ量)を示す。
節点が実際にある節点の場合には、異常がなければdj
は配水管網から供給される需要量を示し、異常時にはそ
れからの増加分を示す。
INは節点jの上流にある各節点kから節点jへの各管
流量を示し、 OUTは節点jの下流にある各節点kへの節点jからの
各管流量を示す。
(ii) 管特性 |vk−vj|−0.46(vk−vj)・Zkj=qkj ……(6) for all qkj ここに、q:管流量 v:節点圧力 Z:0.27853C・D2.63−0.54 C:流速係数,D:管径(m),L:管長(m) (6)式を(5)式に代入すると、vを未知数とする
jの個数分からなる連立方程式が得られる。なお、ここ
での代入は、(6)式においてqkjが正の値ならば(節
点kが節点jの上流にある)、それが(5)式の左辺の
ものとして扱われ、(6)式においてqkjが負の値なら
ば(節点kが節点jの下流にある)、その絶対値が
(5)式の右辺のqkjとして扱われることに相当する。
これを管網方程式として、 f(v・d)=0 ……(7) と記述しておく。第3図ST−4では仮想計測値変化パタ
ーン発生装置4によって、(3)式で示される仮想の計
測値変化分パターン{ΔV(P1),…ΔV(Pl)} が、管網方程式(7)から計算される。
(7)式より が得られる。異常発生前状態の流出をd(P0)と表わ
し、 (9)式を求め、圧力計が設置してある節点に対する行
だけをとりだし、(1)式と同じ順序にならべると以下
のようになる。
第j列は、j番目の節点の流出量を微小変化させたと
きの圧力の変化量を示している。j番目の節点を異常位
置Pjとすると、(10)式のj列が仮想計測値変化分パタ
ーンΔV(Pj)に相当する。ただし、流出の変化分は微
小とした場合のものである。
以上、(8)〜(10)式により仮想計測値変化分パタ
ーンを求めたが、(7)式を解き節点圧力vを求め、
(4)式の方法で直接的に仮想計測値変化分パターンを
算出してもよい。
次にマツチング装置5について説明する。第3図ST−
5はマツチング装置5によつて、計測値変化分ベクトル
ΔHと最も近似した仮想計測値変化パターンが{ΔV
(P1),……,ΔV(Pl)}のなかから、(11)式のマ
ツチングにより検出される。これは(1)式の計測値変
化分ベクトルΔHとベクトルの向きが近い仮想計測値変
化分パターンΔV(Pj)を見つけるものである。
これは、計測値変化分ベクトルΔHと仮想計測値変化
分パターンΔV(Pi)のベクトルのなす角を、i=1…
…lに対して計算し、最も小さな角をもつパターンiが
最適マツチング仮想計測変化分パターンとする方法で実
現できる。ベクトルのなす角θは、 但し、||;ユークリツド・ノルム である。
最適マツチング仮想計測値変化分パターンの生成で仮
定した異常位置が推定異常位置となり出力される。第3
図ST−6は検出された仮想変化分パターンにおいて仮定
された異常位置を、異常位置の推定結果として、マツチ
ング装置5が出力する。
上記実施例では、マツチング装置5でのベクトルのな
す角によってマツチングをおこなう方法について説明し
たが、同じ目的を達成させる他の方法でおこなつてもよ
い。また、最適マツチングパターン一つだけを選ぶよう
に説明したが、複数個選ぶようにしてもよい。また、圧
力計測器2を設けたものを説明したが、管に流量計測器
を設置したものでもよく、両計測器が併用されたもので
もよい。
〔発明の効果〕
以上のように、各計測設置点において異常が発生した
と仮定した場合における計測値変化分ベクトルの向きに
もとづいて実際の異常発生箇所を推定するので、すなわ
ち、あらかじめ算出されたベクトルを用いて異常発生箇
所を推定するので、迅速で確実な異常発生位置推定がで
きる効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の一実施例による配水管網異常発生位
置推定装置のブロツク図、第2図は配水管網異常発生位
置推定装置のブロツク図、第3図は配水管網異常発生位
置推定装置の動作フローチャートである。 1……配水管網、2……圧力計測器、3……計測値変化
分ベクトル算出装置、4……仮想計測値変化分パターン
発生装置、5……マツチング装置。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】配水管網における複数の節点の圧力や流量
    をそれぞれ所定時間毎に計測する各計測器と、 前記配水管網における各節点で圧力や流量に異常が生じ
    たと仮定した場合の前記各計測器による計測値の変化分
    をそれぞれベクトル表現する仮想計測値変化分パターン
    算出装置と、 所定時間毎に前記各計測器による計測値の実際の変化分
    を求めそれらをベクトル表現する計測値変化分ベクトル
    算出装置と、 前記各計測器による計測値の変化にもとづいて配水管網
    に異常が生じたと判定する異常発生検知装置と、 前記異常発生検知装置によって配水管網に異常が生じた
    と判定されたときに、前記仮想計測値変化分パターン算
    出装置が発生した各ベクトルのうち前記計測値変化分ベ
    クトル算出装置によるベクトルと最も向きが近いベクト
    ルを求め、そのベクトルが作成されたときに異常と仮定
    された節点を異常発生箇所と推定するマッチング装置と を備えた配水管網異常発生位置推定装置。
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