JP2556264Y2 - 電動歯ブラシ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は電動歯ブラシに係り、ブ
ラシピースに往復運動とローリング運動を同時に付与さ
せて、ブラシ毛の先端にサークル運動をさせるようにし
たものである。

【０００２】

【従来の技術】電動歯ブラシは、本体ケースの内部にモ
ータやカム機構などの駆動手段を内蔵して構成されてお
り、この駆手段を駆動して、ブラシピースを往復運動又
はローリング運動させて歯みがきするようになってい
る。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】従来の電動歯ブラシの
ブラシピースは、往復運動又はローリング運動をするも
のであるが、歯みがき効果を上げるためには、歯ブラシ
先端がサークル運動をするなどしてブラシピースに往復
運動とローリング運動を同時に付与することが望まし
い。ところで従来このようなサークル運動をさせた電動
歯ブラシとして図８のような実開昭５６−１０１７９号
公報に示すものや図９のような実公平２−３７３７０号
公報に示すもの等が提案されていた。 しかしながら、こ
れらの従来例の場合、図８に示すものにおいては往復運
動のためにバネ１０１を必要としたり又図９に示すもの
においてはギア１０２等を複雑に組み合わせるなどして
実現させているため、本体が大型化し、騒音も大きく又
故障も発生しやすいという欠点があった。したがって本
考案は、簡単な構成でブラシピースに往復運動とローリ
ング運動を同時に付与できる電動歯ブラシを提供するこ
とを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】このために本考案は、駆
動手段１３が内蔵された本体ケース１と、この駆動手段
１３に駆動される駆動シャフト２４と、この駆動シャフ
ト２４に着脱自在に連結されるブラシ毛５４を有するブ
ラシピース５とを備え、上記駆動手段１３が、上記本体
ケース１に内蔵されたモータ１２に駆動されて回転する
フェイスギア２１により、上記シャフト２４の軸方向と
直交方向に回転するカム２３と、上記駆動シャフト２４
に固着されて、このカム２３に駆動されるカムフォロア
３０とから成り、上記カムフォロア３０はシャフト２４
に平行な一対の平行対向面３１ａ，３１ｂと、シャフト
に垂直な一対の垂直対向面３２ａ，３２ｂにより構成さ
れた開口部３３を有しており、上記カム２３はこのカム
フォロア３０の開口部３３に内接し、カム２３の一回転
で上記開口部３３の対向面３１ａ，３２ａ，３１ｂ，３
２ｂに順次押圧力を作用せしめこのカム２３の回転によ
り、上記シャフト２４に往復運動とローリング運動を同
時に付与するようにせしめ、ブラシ毛５４の先端がサー
クル運動するようにしたものである。

【０００５】

【作用】上記構成によれば、カム２３の回転により、ブ
ラシピース５に往復運動とローリング運動を同時に付与
して、ブラシ毛５４をサークル運動させながら、良好に
歯みがきすることができる。

【０００６】

【実施例】次に、図面を参照しながら本考案の実施例を
説明する。図１は電動歯ブラシの断面図であって、１は
棒状の本体ケースであり、その前部と後部には、キャッ
プケース２と底ケース３が着脱自在に装着されている。
キャップケース２から駆動杆４が突出しており、この駆
動杆４には、ブラシピース５が着脱自在に装着される。
また本体ケース１の上部壁面には、回転式のスイッチ部
６が装着されている。

【０００７】本体ケース１の内部には、充電時の変圧用
コイル１０、充電池１１、モータ１２、駆動手段１３が
順に収納されている。１４，１５は上記各部品１１〜１
３の組付けケースであり、駆動手段１３の振動によりが
たつかないように、本体ケース１の内部に強固に組付け
られている。１６はこの電動歯ブラシの収納部（図外）
に設けられた鉄芯であり、この鉄芯１６をコイル１０に
嵌挿することにより、充電池１１の充電を行う。

【０００８】駆動手段１３は、モータ１２に駆動される
ギヤ２０と、このギヤ２０に係合するフェイスギア２１
と、このフェイスギヤ２１と同一の回転軸２２に装着さ
れたカム２３と、このカム２３に駆動されるカムフォロ
ア３０と、このカムフォロア３０に固着された駆動シャ
フト２４から成っており、上記駆動杆４はこの駆動シャ
フト２４の一端に形成されている。

【０００９】また回転軸２２は、がたつかないようにそ
の上下両端部をケース１５にしっかり固定されており、
更にその一端部は上記フェイスギヤ２１を貫通してい
る。２５はモータ１２の平坦な上面に配設された配線基
板、２６はこの配線基板２５上に摺動自在に設けられた
可動ピースである。上記スイッチ部６を操作すると、可
動ピース２６は配線基板２５上を摺動し、配線基板に配
線された電気回路を切り換えて、上記モータ１２をオ
ン、オフする。

【００１０】図２〜図４は、上記駆動手段１３の詳細な
構造を示している。上記カム２３は、上記ギヤ２１に一
体的に垂設されており、その形状は屈曲円筒形であり、
その中心孔には上記回転軸２２が挿入される。

【００１１】上記カムフォロア３０は略容器形であっ
て、その内部には上記異形カム２３に当接するカム壁が
形成されている。カム壁はシャフト２４に平行な一対の
平行対向面３１ａ，３１ｂとシャフト２４に垂直な一対
の垂直対向面３２ａ，３２ｂにより構成されている。図
２及び図３に示すように、モータ１２が駆動してフェイ
スギヤ２１及びカム２３が回転すると、カムフォロア３
０にはカム壁３１の各対向面３１ａ，３２ａ，３１ｂ，
３２ｂの順にカム２３からの押圧力が作用し本体ケース
１の長さ方向に往復運動しながら同時に左右方向に運動
する。この時平行対向面３１ａ，３１ｂの作用点はシャ
フト２４の軸心から下方へｌだけずれた位置に設定して
いるのでカム２３からの左右方向の押圧力はシャフトの
揺動方向への動きにスムーズに変換されしたがって駆動
シャフト２４を介してこのカムフォロア３０に連結され
たブラシピース５には、往復運動とローリング運動が同
時に付与される。

【００１２】図５及び図６は、ブラシピース５の詳細な
形状と寸法を示している。このブラシピース５は、主杆
５１の前部と後部に、ブラシ毛５４が植毛された植毛部
５２と、上記駆動杆４に対する連結部５３を一体形成し
て構成されている。ブラシピース５の全長は８０mmであ
る。また植毛部５２の長さは２４mm、巾は８mm、厚さは
５mmである。ブラシ毛５４は中央線ＮＡの左右に３mmピ
ッチで並設されている。またブラシ毛５４の突出長は９
mm、ローリング運動の回転中心である中央線ＮＡからの
長さは１１mmである。また連結部５３には、上記駆動杆
４の挿着孔５５が形成されている。この連結部５３の寸
法は図示するとおりである。

【００１３】上記往復運動とローリング運動が同時にブ
ラシピース５に付与されることにより、ブラシ毛５４の
先端部はサークル運動をする。図７は、ブラシ毛５４の
サークル運動の軌跡Ｑを示している。ブラシ毛５４の毛
先による均一な歯みがき効果を得るためには、各々の軌
跡Ｑがすき間なく重なり合い、しかも軌跡Ｑが真円に近
いことが望ましい。

【００１４】本実施例では、往復運動ストロークＬ１は
４mmである。また計算によると上記のようにブラシ毛５
４の先端から中央線ＮＡまでの長さを１１．４６mmとし
た場合、ローリング角度θ（図４参照）を１０°にすれ
ば、４mmのローリングストロークＬ２が得られる。この
ように、両ストロークＬ１，Ｌ２を等しくすれば、ブラ
シ毛５４は真円運動をする。

【００１５】このように、ブラシピース５に往復運動と
ローリング運動を付与する場合、ブラシ毛５４の毛先の
軌跡Ｑが重なり合うように、上記異形カム２３のカム特
性や、ブラシ毛５４の長さ、ピッチ等を設定することよ
り、歯を均一にみがくことができる。

【００１６】

【考案の効果】以上説明したように本考案は、駆動手段
１３が内蔵された本体ケース１と、この駆動手段１３に
駆動される駆動シャフト２４と、この駆動シャフト２４
に着脱自在に連結されるブラシ毛５４を有するブラシピ
ース５とを備え、上記駆動手段１３が、上記本体ケース
１に内蔵されたモータ１２に駆動されて回転するフェイ
スギア２１により、上記シャフト２４の軸方向と直交方
向に回転するカム２３と、上記駆動シャフト２４に固着
されて、このカム２３に駆動されるカムフォロア３０と
から成り、上記カムフォロア３０はシャフト２４に平行
な一対の平行対向面３１ａ，３１ｂと、シャフトに垂直
な一対の垂直対向面３２ａ，３２ｂにより構成された開
口部３３を有しており、上記カム２３はこのカムフォロ
ア３０の開口部３３に内接し、カム２３の一回転で上記
開口部３３の対向面３１ａ，３２ａ ，３１ｂ，３２ｂに
順次押圧力を作用せしめこのカム２３の回転により、上
記シャフト２４に往復運動とローリング運動を同時に付
与するようにせしめ、ブラシ毛５４の先端がサークル運
動するようにしているので、シャフト２４の一端に、回
転運動するカム２３が内接可能な開口部３３を有すカム
フォロア３０を固着するだけでブラシピース５のブラシ
毛５４をサークル運動さることが可能となり、本体をコ
ンパクトにして組立性の向上や小型化が図れる作用効果
を有す。

【００１７】

【図面の簡単な説明】

【図１】電動歯ブラシの断面図

【図２】駆動手段の斜視図

【図３】駆動手段の断面図

【図４】駆動手段の断面図

【図５】ブラシピースの側面図

【図６】ブラシピースの平面図

【図７】ブラシ毛の運動図

【図８】従来例を示す斜視図

【図９】従来例を示す斜視図

【００１８】

【符号の説明】

１ 本体ケース ５ ブラシピース １３ 駆動手段 ２３ カム ２４ 駆動シャフト ３０ カムフォロア ５４ ブラシ毛

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 駆動手段１３が内蔵された本体ケース１
   と、この駆動手段１３に駆動される駆動シャフト２４
   と、この駆動シャフト２４に着脱自在に連結されるブラ
   シ毛５４を有するブラシピース５とを備え、上記駆動手
   段１３が、上記本体ケース１に内蔵されたモータ１２に
   駆動されて回転するフェイスギア２１により、上記シャ
   フト２４の軸方向と直交方向に回転するカム２３と、上
   記駆動シャフト２４に固着されて、このカム２３に駆動
   されるカムフォロア３０とから成り、上記カムフォロア
   ３０はシャフト２４に平行な一対の平行対向面３１ａ，
   ３１ｂと、シャフトに垂直な一対の垂直対向面３２ａ，
   ３２ｂにより構成された開口部３３を有しており、上記
   カム２３はこのカムフォロア３０の開口部３３に内接
   し、カム２３の一回転で上記開口部３３の対向面３１
   ａ，３２ａ，３１ｂ，３２ｂに順次押圧力を作用せしめ
   このカム２３の回転により、上記シャフト２４に往復運
   動とローリング運動を同時に付与するようにせしめ、ブ
   ラシ毛５４の先端がサークル運動するようにしたことを
   特徴とする電動歯ブラシ。