JP2555595B2 - 超清浄鋼の溶製方法 - Google Patents
超清浄鋼の溶製方法Info
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- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P10/00—Technologies related to metal processing
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 炉内耐火物として用いたカルシアを利用して溶鋼中の
脱酸,脱硫を行う超清浄鋼の溶製方法に関する。
脱酸,脱硫を行う超清浄鋼の溶製方法に関する。
炉内耐火物として用いたカルシアを利用して脱酸,脱
硫を行う溶製方法は従来知られている(特開昭61−2311
12号)。カルシア耐火物による脱酸,脱硫はカルシア耐
火物と溶鋼、特に介在物であるAl2O3,硫黄等との直接的
な接触によって生じ、例えばAl2O3等はカルシア細粒と
低融点化合物である2Ca−Al2O3,3CaO−Al2O3を形成し、
また硫黄はCaSとして前記低融点化合物間に分布するも
のと考えられている。
硫を行う溶製方法は従来知られている(特開昭61−2311
12号)。カルシア耐火物による脱酸,脱硫はカルシア耐
火物と溶鋼、特に介在物であるAl2O3,硫黄等との直接的
な接触によって生じ、例えばAl2O3等はカルシア細粒と
低融点化合物である2Ca−Al2O3,3CaO−Al2O3を形成し、
また硫黄はCaSとして前記低融点化合物間に分布するも
のと考えられている。
従って溶鋼中の介在物,硫黄に対する吸収機能を向上
させるために、耐火物と溶鋼中の介在物,硫黄等との接
触機会を増大させ、またカルシア耐火物自体の吸収能を
増大させることが試みられている。
させるために、耐火物と溶鋼中の介在物,硫黄等との接
触機会を増大させ、またカルシア耐火物自体の吸収能を
増大させることが試みられている。
溶鋼とカルシア耐火物との接触機会を増大させる手段
としては従来主にArガス撹拌、或いは高周波誘導撹拌等
に依っており、またカルシア耐火物自体の吸収能の増強
には吸収が主としてカルシア粗粒間に分布する細粒に依
ることから細粒を増大させることが行われている。
としては従来主にArガス撹拌、或いは高周波誘導撹拌等
に依っており、またカルシア耐火物自体の吸収能の増強
には吸収が主としてカルシア粗粒間に分布する細粒に依
ることから細粒を増大させることが行われている。
ところで上述した如き溶鋼の撹拌によりカルシア耐火
物との接触機会を増大させる方法ではカルシア耐火物自
体は炉内の底部及び側壁に形成されるに留まるからその
面積は限られ、接触機会の増大には限界がある。
物との接触機会を増大させる方法ではカルシア耐火物自
体は炉内の底部及び側壁に形成されるに留まるからその
面積は限られ、接触機会の増大には限界がある。
またカルシア粒自体の細粒を増大することはスタンプ
及び焼結により形成される耐火物自体の強度を低下させ
ることとなってこれにも同様の限界がある。
及び焼結により形成される耐火物自体の強度を低下させ
ることとなってこれにも同様の限界がある。
しかもカルシア耐火物はその稼動面でAl2O3濃度が1.5
〜3.5%に達すると飽和状態となり、それ以降の吸収は
稼動面内部へのAl2O3等の浸透深さに依ることとなっ
て、吸収速度は固体耐火物中の半凝固の2Ca−Al2O3,3Ca
O−Al2O3の移動が律速し、脱酸能力は極度に低下し、脱
酸,脱硫能力を維持し得る耐火物としての寿命は極めて
短い。
〜3.5%に達すると飽和状態となり、それ以降の吸収は
稼動面内部へのAl2O3等の浸透深さに依ることとなっ
て、吸収速度は固体耐火物中の半凝固の2Ca−Al2O3,3Ca
O−Al2O3の移動が律速し、脱酸能力は極度に低下し、脱
酸,脱硫能力を維持し得る耐火物としての寿命は極めて
短い。
本発明者等は溶鋼に対する脱酸,脱硫速度の向上、カ
ルシア耐火物の長命化につき実験,研究を行った結果、
溶鋼表面への高塩基性スラグの添加が極めて効果的であ
ることを知見した。
ルシア耐火物の長命化につき実験,研究を行った結果、
溶鋼表面への高塩基性スラグの添加が極めて効果的であ
ることを知見した。
即ち、 耐火物としてカルシアを用いた場合には溶鋼表面へ
の添加スラグは高塩基度の組成のものが望ましく、しか
もカルシア耐火物を溶損させないためにはCaOの活量が
1に極めて近いものが望ましいこと、 溶鋼の表面は撹拌力が抑制されることが少なく、溶
鋼運動に消費される結果、スラグ−溶鋼の接触面積が大
きく、迅速な脱酸,脱硫機能が得られること、 スラグが脱酸,脱硫の一部(1/4〜1/3)を分担する
結果、カルシア耐火物の延命化が図れ、しかもカルシア
耐火物との併用によって脱酸,脱硫機能が増大され、介
在物等をより迅速に吸収し得ること が解った。
の添加スラグは高塩基度の組成のものが望ましく、しか
もカルシア耐火物を溶損させないためにはCaOの活量が
1に極めて近いものが望ましいこと、 溶鋼の表面は撹拌力が抑制されることが少なく、溶
鋼運動に消費される結果、スラグ−溶鋼の接触面積が大
きく、迅速な脱酸,脱硫機能が得られること、 スラグが脱酸,脱硫の一部(1/4〜1/3)を分担する
結果、カルシア耐火物の延命化が図れ、しかもカルシア
耐火物との併用によって脱酸,脱硫機能が増大され、介
在物等をより迅速に吸収し得ること が解った。
一般に取鍋精錬法においては脱酸を行う場合、脱酸生
成物は主としてAl2O3,SiO2等の酸性酸化物であるから、
その吸収にはこれとの結合によって低融点スラグ組成が
生成される塩基性スラグが望ましいといえる。
成物は主としてAl2O3,SiO2等の酸性酸化物であるから、
その吸収にはこれとの結合によって低融点スラグ組成が
生成される塩基性スラグが望ましいといえる。
ところが取鍋材質としてはMgO−Cr2O3質、MgO−C質
等の塩基性酸化物も用いられているが、急熱,急冷に弱
く用途も限られることから、通常はシャモット質,ジル
コニア質及びハイアルミナ質等の酸性酸化物を主体とし
ている。従ってスラグの塩基度を高くしすぎると耐火物
自体を溶損させるおそれがあり、塩基度の上限は2〜3
程度に抑えられ、しかも取鍋のスラグラインには上記し
たMgO−C等の耐火物を用いてその溶損を防止する対策
を欠かせないのが現状であることを考えれば、添加スラ
グとして高塩基度の組成が望まれる前述の場合は、極め
て好都合な組み合わせということが出来る。
等の塩基性酸化物も用いられているが、急熱,急冷に弱
く用途も限られることから、通常はシャモット質,ジル
コニア質及びハイアルミナ質等の酸性酸化物を主体とし
ている。従ってスラグの塩基度を高くしすぎると耐火物
自体を溶損させるおそれがあり、塩基度の上限は2〜3
程度に抑えられ、しかも取鍋のスラグラインには上記し
たMgO−C等の耐火物を用いてその溶損を防止する対策
を欠かせないのが現状であることを考えれば、添加スラ
グとして高塩基度の組成が望まれる前述の場合は、極め
て好都合な組み合わせということが出来る。
本発明はかかる知見に基づきなされたものであって、
その目的とするところはカルシア耐火物と高塩基性スラ
グとの併用によって脱酸,脱硫能力の向上、並びに脱
酸,脱硫機能を有するカルシア耐火物としての大幅な延
命を図れるようにした超清浄鋼の溶製方法を提供するに
ある。
その目的とするところはカルシア耐火物と高塩基性スラ
グとの併用によって脱酸,脱硫能力の向上、並びに脱
酸,脱硫機能を有するカルシア耐火物としての大幅な延
命を図れるようにした超清浄鋼の溶製方法を提供するに
ある。
本発明方法にあっては、粒度調整した電融カルシア粒
を焼成して得た耐火材を用いた溶解炉内で超清浄鋼を溶
製する過程で、CaOとCaF2とを主成分とし、その比をCaO
/CaF2>1.2としたフラックスを溶鋼に添加する。
を焼成して得た耐火材を用いた溶解炉内で超清浄鋼を溶
製する過程で、CaOとCaF2とを主成分とし、その比をCaO
/CaF2>1.2としたフラックスを溶鋼に添加する。
本発明方法によってはS,Al2O3介在物等に対する吸収
機能の一部をフラックスに分担せしめ得ることとなる。
機能の一部をフラックスに分担せしめ得ることとなる。
本発明方法にあっては溶鋼との接触面に、予め粒度調
整した電融カルシア粒をスタンプ形成し、焼成して耐火
材とした溶解炉を用いて清浄鋼を溶製する過程でCaOと
媒溶剤としてのCaF2を主成分とし、その比をCaO/CaF2>
1.2としたフラックスであって、フラックス中におけるS
iO2,Al2O3等の酸性酸化物成分の含有率を10%以下とし
たものを脱酸調整した、即ち具体的にはAl脱酸した溶鋼
に添加し溶製を行う。
整した電融カルシア粒をスタンプ形成し、焼成して耐火
材とした溶解炉を用いて清浄鋼を溶製する過程でCaOと
媒溶剤としてのCaF2を主成分とし、その比をCaO/CaF2>
1.2としたフラックスであって、フラックス中におけるS
iO2,Al2O3等の酸性酸化物成分の含有率を10%以下とし
たものを脱酸調整した、即ち具体的にはAl脱酸した溶鋼
に添加し溶製を行う。
CaO/CaF2>1.2とするのは1.2以下の領域では耐火物の
溶損が大きいことによる。ただし1.2以上であってもCaF
2が5%以下の領域になると流動性を得られないため、
実質上CaO/CaF2としては2以上、CaF2を5%以上と設定
するのが望ましい。
溶損が大きいことによる。ただし1.2以上であってもCaF
2が5%以下の領域になると流動性を得られないため、
実質上CaO/CaF2としては2以上、CaF2を5%以上と設定
するのが望ましい。
CaO−CaF2系の状態図はその測定条件により著しく異
なるが以下に組成特定に利用したJ.Mukerjiの状態図に
基づき説明する。
なるが以下に組成特定に利用したJ.Mukerjiの状態図に
基づき説明する。
第1図はJ.Mukerjiが測定したCaO−CaF2系スラグの状
態図であり、これから明らかな如くCaOの活量が1付近
であって、しかも流動性を有するための組成は、例えば
1600℃で用いる場合CaF2が45%以上の領域である。
態図であり、これから明らかな如くCaOの活量が1付近
であって、しかも流動性を有するための組成は、例えば
1600℃で用いる場合CaF2が45%以上の領域である。
なおCaOの活量を1に近づける手段としてはSiO2が6
%以下の高品位蛍石の混入が望ましい。
%以下の高品位蛍石の混入が望ましい。
このようなフラックスの供給は予め粉末状にして溶鋼
表面に添加し、また粉末状に混合したものを焼結後破砕
して用いる。また供給方法も添加法に限らずインジェク
ション法に依ってもよい。この場合は耐火物選択の難し
いランスを用いるよりも吸込羽口方式とするのがよい。
表面に添加し、また粉末状に混合したものを焼結後破砕
して用いる。また供給方法も添加法に限らずインジェク
ション法に依ってもよい。この場合は耐火物選択の難し
いランスを用いるよりも吸込羽口方式とするのがよい。
〔実施例1〕 5〜3mmの粗粒と3mm以下の細粒との電融カルシアを5:
3の比率で混合したものを炉内の炉底及び側壁にスタン
プし、焼結させて構成した高周波誘導炉における精錬過
程で、2トンの溶鋼にフラックスを溶鋼トン当り20kgの
割合で表面添加した。フラックスはCaO−CaF2系(CaO+
CaF2≧90%含有)でその組成比CaO/CaF2を夫々変化させ
たものを0.1mm以下の混合粉末、又は混合粉末を焼結さ
せた後粉砕し、3〜1mmに整粒したものを用いた。SolAl
を0.03%に調整した時の脱酸状況を表1に示す。なお到
達酸素値は清浄化処理開始後約40分の値である。
3の比率で混合したものを炉内の炉底及び側壁にスタン
プし、焼結させて構成した高周波誘導炉における精錬過
程で、2トンの溶鋼にフラックスを溶鋼トン当り20kgの
割合で表面添加した。フラックスはCaO−CaF2系(CaO+
CaF2≧90%含有)でその組成比CaO/CaF2を夫々変化させ
たものを0.1mm以下の混合粉末、又は混合粉末を焼結さ
せた後粉砕し、3〜1mmに整粒したものを用いた。SolAl
を0.03%に調整した時の脱酸状況を表1に示す。なお到
達酸素値は清浄化処理開始後約40分の値である。
本実施例においては溶製対象とした溶鋼の成分はC=
0.07%,Si=0.10%,Mn=0.15%,S=0.008%のものであ
り、初期トータル酸素値(T.〔O〕値)は約300〜400pp
mに調整した。、実施番号1の場合についてみるとAl脱
酸実施時における計算上生成されるAl2O3量は約1.4kgと
なる。
0.07%,Si=0.10%,Mn=0.15%,S=0.008%のものであ
り、初期トータル酸素値(T.〔O〕値)は約300〜400pp
mに調整した。、実施番号1の場合についてみるとAl脱
酸実施時における計算上生成されるAl2O3量は約1.4kgと
なる。
従って脱酸処理後スラグ中の平均Al2O3濃度が約0.76
%となり、総Al2O3の約22%がスラグ中に吸収され、残
り約78%が耐火物中に吸収されたことになる。この時耐
火物表面のAl2O3濃度は1.7%程度であった。本実施例で
はいずれも到達T.〔O〕値は5ppm以下となり、しかも耐
火物中に吸収されるべきAl2O3量の約1/4〜1/2がスラグ
中に吸収され、それだけカルシア耐火物の吸収負担を軽
減し、カルシア耐火物の寿命を長くできることを示して
いる。また本実施例では到達S値はいずれも約20分程度
の処理で6ppm以下にできるが、フラックスを使わない比
較例a,bでは上記の値になるのに約40分以上を要した。
%となり、総Al2O3の約22%がスラグ中に吸収され、残
り約78%が耐火物中に吸収されたことになる。この時耐
火物表面のAl2O3濃度は1.7%程度であった。本実施例で
はいずれも到達T.〔O〕値は5ppm以下となり、しかも耐
火物中に吸収されるべきAl2O3量の約1/4〜1/2がスラグ
中に吸収され、それだけカルシア耐火物の吸収負担を軽
減し、カルシア耐火物の寿命を長くできることを示して
いる。また本実施例では到達S値はいずれも約20分程度
の処理で6ppm以下にできるが、フラックスを使わない比
較例a,bでは上記の値になるのに約40分以上を要した。
比較例aはCaO/CaF2=1の場合であって流動性は高い
が耐火物溶損が多く、実質上40分の処理でT.〔O〕=17
ppmの値を得たものの炉寿命の点で好ましくない。
が耐火物溶損が多く、実質上40分の処理でT.〔O〕=17
ppmの値を得たものの炉寿命の点で好ましくない。
比較例b,cはカルシア材質が上記1〜4と同じである
が、フラックス添加のない場合であり、40分の処理でT.
〔O〕<10ppmは可能であるが、フラックスを添加した
ものより脱酸速度は遅い。
が、フラックス添加のない場合であり、40分の処理でT.
〔O〕<10ppmは可能であるが、フラックスを添加した
ものより脱酸速度は遅い。
第2図はAl脱酸後、CaO−CaF2系フラックスを添加し
たときと、しないときとの脱酸挙動を示すグラフであ
り、横軸にAl添加後の時間(分)を、また縦軸に全酸素
量(ppm)をとって示してある。グラフ中白丸でプロッ
トしたのは本発明方法である実施番号2の、また黒丸で
プロットしたのは比較例bAl脱酸処理のみを施しCaO−Ca
F系フラックスを用いないときの各結果を示している。
このグラフから明らかな如く本発明方法では従来方法に
比較して脱酸素量の低下が著しいことが解る。
たときと、しないときとの脱酸挙動を示すグラフであ
り、横軸にAl添加後の時間(分)を、また縦軸に全酸素
量(ppm)をとって示してある。グラフ中白丸でプロッ
トしたのは本発明方法である実施番号2の、また黒丸で
プロットしたのは比較例bAl脱酸処理のみを施しCaO−Ca
F系フラックスを用いないときの各結果を示している。
このグラフから明らかな如く本発明方法では従来方法に
比較して脱酸素量の低下が著しいことが解る。
第3図は本発明方法である実施番号2と比較例bとに
示す各条件でAl脱酸後CaO−CaF2系フラックスを添加し
たときと、しないときとの脱酸挙動について調査結果を
示すグラフであり、横軸に精練時間(分)を、また縦軸
に介在物個数を(1/mm2)をとって示してあり、グラフ
中白丸でプロットしたのはCaO−CaF2系フラックスを用
いた実施番号2の場合の、また黒丸でプロットしたのは
スラグを用いない比較例bのときの各結果を示してい
る。このグラフから明らかな如く、本発明方法において
は介在物個数が大幅に低下していることが解る。
示す各条件でAl脱酸後CaO−CaF2系フラックスを添加し
たときと、しないときとの脱酸挙動について調査結果を
示すグラフであり、横軸に精練時間(分)を、また縦軸
に介在物個数を(1/mm2)をとって示してあり、グラフ
中白丸でプロットしたのはCaO−CaF2系フラックスを用
いた実施番号2の場合の、また黒丸でプロットしたのは
スラグを用いない比較例bのときの各結果を示してい
る。このグラフから明らかな如く、本発明方法において
は介在物個数が大幅に低下していることが解る。
比較例d,e,fではカルシア耐火材に代えてマグネシア
耐火材製溶解炉を用いた溶製過程でCaO/CaF2>1.2のフ
ラックスを添加した場合であるが、到達T.〔O〕はいず
れも20ppm以上となり、十分な低酸素鋼が得られない。
また比較例d,eは耐火物溶損が大きくスラグはCaO−CaF2
−MgO系スラグとなった。しかも耐火材中へのAl2O3吸収
は殆どなく、耐火材の低酸素化(介在物吸収)効果が認
められなかった。
耐火材製溶解炉を用いた溶製過程でCaO/CaF2>1.2のフ
ラックスを添加した場合であるが、到達T.〔O〕はいず
れも20ppm以上となり、十分な低酸素鋼が得られない。
また比較例d,eは耐火物溶損が大きくスラグはCaO−CaF2
−MgO系スラグとなった。しかも耐火材中へのAl2O3吸収
は殆どなく、耐火材の低酸素化(介在物吸収)効果が認
められなかった。
なおフラックス中のCaF2含有量はCaO/CaF2>1.2としC
aF2量を5%以下にして、実施例1と同様の処理を行っ
たところ、表2に示す如く処理後40分での到達T.〔O〕
値は6〜7ppm(80分で5ppm)となり、フラックスを添加
しない場合(比較例b)にくらべ若干改善される程度
で、本発明の如き効果が得られなかった。このことから
フラックス中の主成分についてCaO/CaF2>1.2の条件を
満足してもCaO+CaF2<90%であって、残成分10%以上
がSiO2,Al2O3等の酸性酸化物で構成されている場合(比
較例g,h)には、到達酸素値はフラックスを添加しない
場合よりも高くなるといえる。
aF2量を5%以下にして、実施例1と同様の処理を行っ
たところ、表2に示す如く処理後40分での到達T.〔O〕
値は6〜7ppm(80分で5ppm)となり、フラックスを添加
しない場合(比較例b)にくらべ若干改善される程度
で、本発明の如き効果が得られなかった。このことから
フラックス中の主成分についてCaO/CaF2>1.2の条件を
満足してもCaO+CaF2<90%であって、残成分10%以上
がSiO2,Al2O3等の酸性酸化物で構成されている場合(比
較例g,h)には、到達酸素値はフラックスを添加しない
場合よりも高くなるといえる。
従ってフラックス中の酸性酸化物成分の含有量は10%
以下にするのがよいことが解る。
以下にするのがよいことが解る。
〔実施例2〕 実施例1の実施番号2(表1参照)の条件と、フラッ
クス組成,添加量及びその添加方法を同じにして反復的
に溶製を行い、炉体の使用回数と到達酸素値及びT.
〔O〕値が5ppm以下になる迄の処理時間との関係を求め
た。結果は表3に示すとおりである。
クス組成,添加量及びその添加方法を同じにして反復的
に溶製を行い、炉体の使用回数と到達酸素値及びT.
〔O〕値が5ppm以下になる迄の処理時間との関係を求め
た。結果は表3に示すとおりである。
フラックスを使用しないカルシア耐火物のみに依る場
合、表1の比較例b,cに示す如く炉体使用回数2〜3回
では80分の処理でT.〔O〕=5ppmを得ることができた
が、3回以上では5ppmを得ることはできなかった。これ
に対しフラックス併用時は表3に明らかな如く炉体使用
回数5回までT.〔O〕≦5ppmを約40分以下で得られ、し
かも50分の処理では、炉体使用回数7回目でもT.〔O〕
=5ppmを達成し得ることからフラックスを使用しない場
合の約1/2の処理時間でよく、寿命は約2倍向上したこ
ととなる。
合、表1の比較例b,cに示す如く炉体使用回数2〜3回
では80分の処理でT.〔O〕=5ppmを得ることができた
が、3回以上では5ppmを得ることはできなかった。これ
に対しフラックス併用時は表3に明らかな如く炉体使用
回数5回までT.〔O〕≦5ppmを約40分以下で得られ、し
かも50分の処理では、炉体使用回数7回目でもT.〔O〕
=5ppmを達成し得ることからフラックスを使用しない場
合の約1/2の処理時間でよく、寿命は約2倍向上したこ
ととなる。
〔効果〕 以上の如く本発明方法にあっては耐火材として粒度調
整した電融カルシア粒を焼成したものを用いた溶解炉で
の溶製過程で、CaOとCaF2を主成分とし、その比がCaO/C
aF2>1.2であるフラックスを用いることとしているか
ら、溶鋼中の介在物,S等はカルシア耐火物及び高塩基度
スラグの双方によって吸収除去されることとなって、耐
火材の溶損なく、脱酸,脱硫を迅速、且つ効率的に行い
得、カルシア耐火物自体の寿命の大幅な延長が図れるな
ど本発明は優れた効果を奏するものである。
整した電融カルシア粒を焼成したものを用いた溶解炉で
の溶製過程で、CaOとCaF2を主成分とし、その比がCaO/C
aF2>1.2であるフラックスを用いることとしているか
ら、溶鋼中の介在物,S等はカルシア耐火物及び高塩基度
スラグの双方によって吸収除去されることとなって、耐
火材の溶損なく、脱酸,脱硫を迅速、且つ効率的に行い
得、カルシア耐火物自体の寿命の大幅な延長が図れるな
ど本発明は優れた効果を奏するものである。
第1図は本発明方法において用いたJ.Mukerjiの測定に
なるCaO−CaF2系スラグの状態図、第2図はCaO−CaF2系
スラグを添加したときの脱酸挙動を示すグラフ、第3図
はCaO−CaF2系スラグを添加したときの介在物個数変化
を示すグラフである。
なるCaO−CaF2系スラグの状態図、第2図はCaO−CaF2系
スラグを添加したときの脱酸挙動を示すグラフ、第3図
はCaO−CaF2系スラグを添加したときの介在物個数変化
を示すグラフである。
Claims (2)
- 【請求項1】粒度調整した電融カルシア粒を焼成して得
た耐火材を用いた溶解炉内で超清浄鋼を溶製する過程
で、CaOとCaF2とを主成分とし、その比をCaO/CaF2>1.2
としたフラックスを溶鋼に添加することを特徴とする超
清浄鋼の溶製方法。 - 【請求項2】前記フラックスはSiO2,Al2O3等の酸性酸化
物成分を含有し、その含有率は10%以下である特許請求
の範囲第1項記載の超清浄鋼の溶製方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62102397A JP2555595B2 (ja) | 1987-04-24 | 1987-04-24 | 超清浄鋼の溶製方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62102397A JP2555595B2 (ja) | 1987-04-24 | 1987-04-24 | 超清浄鋼の溶製方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63270408A JPS63270408A (ja) | 1988-11-08 |
JP2555595B2 true JP2555595B2 (ja) | 1996-11-20 |
Family
ID=14326316
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62102397A Expired - Fee Related JP2555595B2 (ja) | 1987-04-24 | 1987-04-24 | 超清浄鋼の溶製方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
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CN113737042B (zh) * | 2021-09-23 | 2022-08-02 | 江苏江南铁合金有限公司 | 一种熔炼合金的熔剂及其制造方法及其应用 |
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1987
- 1987-04-24 JP JP62102397A patent/JP2555595B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPS63270408A (ja) | 1988-11-08 |
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