JP2552125B2 - 疎水処理絹雲母を含有する潤滑剤 - Google Patents

疎水処理絹雲母を含有する潤滑剤

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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は,固体潤滑剤及びそれを含む潤滑剤に関す
る。
(従来技術) 従来固体潤滑剤としては,層状構造を有する二硫化モ
リブデン,グラファイト又は絹雲母が用いられていた。
(発明が解決しようとする問題点) しかし,二硫化モリブデンとグラファイトは,空気中
で使用された場合,それぞれ350℃と500℃付近から急に
酸化され易くなるのでいずれも使用温度が限定されてい
る。
また,通常の絹雲母を含有する潤滑剤は,有機媒体と
絹雲母との間に親和性が無いので,一般のグリース,油
懸濁体へ分散したものは,絹雲母粒子を金属表面に配向
し易い安定な分散状態に保持できず,また揮発性有機媒
体に分散しても凝集が生じ易く金属表面に絹雲母粒子を
定方位状態で一様な被膜として固着させることができな
かった。
本発明は,このような従来技術の問題点を解決した潤
滑剤及びその製造方法を提供することを目的とする。
(発明による問題点の解決手段) 本発明によれば,イオン性界面活性剤により疎水化処
理された粒子状の絹雲母を含有し、該絹雲母が、非イオ
ン界面活性剤を含有する有機媒体中に分散されているこ
とを特徴とする潤滑剤を提供する。更に、粒子状の絹雲
母にイオン性界面活性剤を接触させて疎水化処理する工
程と、該疎水化処理された絹雲母と非イオン界面活性剤
とを有機媒体に添加して、該絹雲母が分散された潤滑剤
を製造する工程と、からなることを特徴とする潤滑剤の
製造方法を提供する。
前記イオン性界面活性剤が脂肪酸アミン塩であり、前
記非イオン界面活性剤がポリグリセリンアルキルエステ
ルであることが好ましい。
(好適な実施の態様) 本発明の固体潤滑剤における疎水化処理した超微細な
絹雲母の疎水化処理,及び本発明の潤滑剤に含有される
固体潤滑剤としての疎水化処理絹雲母の疎水化処理は,
陽イオン若しくは陰イオンのイオン性界面活性剤による
疎水化処理であること更に該疎水化処理を行った絹雲母
を有機媒体に懸濁させる際に、非イオン界面活性剤を有
機媒体に添加することが好ましい。
このようなイオン性の界面活性剤としては,1分子内に
炭素原子を8〜22個持つ長鎖アルキル基を有するものを
利用できる。また,非イオン界面活性剤としては,ポリ
エチレングリコールアルキルエーテル系,ポリエチレン
グリコール脂肪酸エステル系,ソルビタン脂肪酸エステ
ル系,脂肪酸モノグリセリド系等のものがある。
前記イオン性界面活性剤として脂肪族アミンの塩を利
用することはより好ましい。アミン系,第4アンモニウ
ム系などの陽イオン界面活性剤は,絹雲母表面にプロト
ネーション及びイオン交換反応によって強く吸着し,脱
水,乾燥が容易となるためである。
脂肪族アミンの塩における脂肪族アミンとしては,一
分子内に炭素原子を8〜20個有するアミンであることは
好ましい。具体的には,オクチルアミン,ノニルアミ
ン,デシルアミン,ウンデシルアミン,ドデシルアミ
ン,トリデシルアミン,テトラデシルアミン,ペンタデ
シルアミン,セチルアミン,ヘプタデシルアミン,オク
タデシルアミン,ノナデシルアミン,エイコシルアミ
ン、トリアリルアミン,ステアリルアミン,オレイルア
ミン,ラウリルアミン及びその他の飽和又は不飽和の脂
肪族アミンがある。
脂肪族アミンと塩を形成するものには特に限定されな
いが,酢酸等の有機酸あるいは,塩酸等の無機酸である
ことは好ましい。
本発明の潤滑剤の好ましい態様としては,疎水化処理
絹雲母をグリース,油又は揮発性液体等の疎水性媒体
(特に有機質媒体)に分散あるいは懸濁させたものがあ
る。この分散あるいは懸濁の際に,既述したような非イ
オン界面活性剤を含有することは好ましく,また非イオ
ン界面活性剤としてポリグリセリンアルキルエステル系
のものを用いることはより好ましい。
疎水化処理絹雲母が揮発性液体に分散する潤滑性乾燥
被膜形成剤を製造するためには,ポリグリセリンアルキ
ルエステル系を含有することが特に好ましい。この潤滑
性乾燥被膜形成剤をスプレー等により金属等の表面に噴
霧すれば,潤滑性乾燥被膜を形成することができる。
本発明の潤滑剤として用いる絹雲母は粒子が非常に微
細で結晶性が良好であること,および金属接触面に擦傷
を生ずる石英粒子を含有しないことが好ましい。
絹雲母の形状は,6角形結晶板状であることが好まし
い。絹雲母の大きさは,2μm以下であることが好まし
く,より好ましくは1〜2μmである。絹雲母結晶板の
厚さ(粒径)の平均は,0.01〜0.3μmであることは好ま
しい。
次に実施例によって本発明をさらに詳細に説明する。
(実施例) 本発明の実施例に用いられた固体潤滑剤用の絹雲母
は,田子倉鉱山産原鉱石から粒度分級とフラッシング法
による精製処理によって石英粒子を含有せずに厳密に精
製分離され,はじめて多量供給が可能になったものであ
る。例えば2μmカットの絹雲母粉末は平均粒径が約0.
3μmと非常に微細でありながら各粒子は厚みが極めて
薄い六角板状を呈している。
実施例1 田子倉産絹雲母原鉱石からフラッシング法による精
製,および回分法による粒度分級によって石英粒子を含
有しない2μm以下の固体潤滑剤用の絹雲母を分離し,
通常の方法により脱水後風乾し,粉末にする。この粉末
は平均粒径約0.3μm,BET(N2)比表面積6.7m2/gであ
り,構成粒子は結晶性が良好で偏平な六角板状を呈す
る。その化学組成はSiO247.45,Al2O331.19,Fe2O32.32,T
iO20.22,CaO 0.08,MgO 1.22,K2O 10.23,Na2O 1.18,灼熱
減量4.82%である。
次に絹雲母粉末を水中に投入して1〜5重量%の懸濁
液とし,水ガラス溶液を添加してpHを7〜8に調整して
分散状態にし,撹拌しながら懸濁液100容積部について
5重量%オレイルアミン酢酸塩水溶液約5容積部を添加
する。さらに30分間撹拌した後脱水し,再び等量の水に
懸濁して脱水する方法で洗浄後,80℃で完全に乾燥す
る。オレイルアミン酢酸塩水溶液の添加量は好ましく
は,一旦凝集した懸濁液が再分散するまでの添加量の半
分が適量である。
上記の方法で製造したオレイルアミン酢酸塩処理絹雲
母をパラフィン系鉱油(40℃における粘度:20.1cSt,100
℃における粘度:4.07cSt,粘度指数:100)とジオクチル
セバケートの混合油に非イオン界面活性剤を用いて分散
した次の組成の油懸濁体を試料1−aとし,その摩擦係
数をパラフィン系鉱油のみ(試料1−b)の値とともに
第1表に示す。
試料1−a オレイルアミン酢酸塩処理絹雲母 …2g パラフィン系鉱油 …90ml ジオクチルセバケート …10ml デカグリセリンオレイルエステル (NIKKOLデカグリン−10−O) …0.3g 油懸濁体はオレイルアミン酢酸塩処理絹雲母粉末にデ
カグリセリンオレイルエステル(NIKKOLデカグリン−10
−O)の5重量%n−ヘキサン溶液を添加して混練し,
次にジオクチルセバケートを添加してほぼn−ヘキサン
が蒸発してしまうまで混練した後,パラフィン系鉱油を
添加してさらに混練して製造した。摩擦係数は振子型油
性摩擦試験機により,標準試験条件にて3回測定し,そ
の平均値を示す。
第1表の結果から試料1−aは試料1−bと比べて低
摩擦を示し,絹雲母の表面を疎水化処理することにより
得られる本発明の固体潤滑剤を含む潤滑剤は油中分散型
の低摩擦を与える潤滑剤として有用であることがわか
る。
実施例2 実施例1で製造した同じオレイルアミン酢酸塩処理絹
雲母を次の組成で揮発性の有機溶剤に分散したものを試
料2−aとし,摩擦係数測定用試験片に滴下した後,溶
剤を蒸発させた絹雲母乾燥被膜の摩擦係数を実施例1と
同じ方法で測定した。
試料2−a オレイルアミン酢酸塩処理絹雲母 …3g n−ヘキサン …92ml メチルイソブチルケトン …8ml デカグリセリンオレイルエステル (NIKKOLデカグリン−10−O) …0.8g 乾燥被膜形成用懸濁液はオレイルアミン酢酸塩処理絹
雲母粉末3gにデカグリセリンオレイルエステル(NIKKOL
デカグリン−10−O)の5重量%n−ヘキサン溶液を添
加してよく混練後,ボールミルに移してメチルイソブチ
ルケトンおよびn−ヘキサン残部を加えて十分に混合し
て製造した。乾燥被膜の摩擦係数測定値は0.112を示し
た。この値は実施例1の試料1−aより更に低摩擦であ
り,絹雲母自身が層状構造を有することから,二硫化モ
リブデン,グラファイト型の固体潤滑剤であることを証
明している。乾燥被膜の絹雲母は良好な定方位配向をし
て基体に強固に付着している。有機溶剤はn−ヘキサン
−メチルイソブチルケトン系以外にも一般の有機溶剤が
使用できる。
実施例3 実施例1で用いる絹雲母油懸濁液と同じパラフィン系
鉱油(90容積部)とジオクチルセバケート(10容積部)
混合油および同じ非イオン界面活性剤を添加して(0.3g
/100ml混合油)混合油100mlに対して絹雲母複合量を3g,
5g,10g,13gとした油懸濁体を実施例1と同じ方法で調整
し,曽田四球試験機により,試験条件:荷重1.5kg f/cm
2,回転速度200rpm,試験時間30分,室温にて摩耗(試験
球の摩耗痕径,mm)を測定した。測定値は4回の平均値
とし,結果を第1図に示す。絹雲母添加油は無添加油に
比較して摩耗は少なく,また添加濃度3〜10g/100ml混
合油の範囲で使用することにより,十分耐摩耗性が得ら
れることがわかる。又各試料について得られた試験球の
摩耗痕の金属顕微鏡写真によると,無添加油では金属光
沢の多数の深い溝状の傷がすべり方向に発生しているの
に対し,添加油では摩耗痕全面にわたって絹雲母が付着
した滑らかな摩擦面が得られた。又、絹雲母添加濃度の
増加と共に,より滑らかな表面が得られた。
実施例4 実施例3と同じ絹雲母油懸濁体および添加濃度30g/10
0ml混合油の試料について,曽田四球試験機により,標
準法(200rpm)で耐荷重能を測定した結果を第2図に示
す。測定3回の平均値は基油のみが2〜2.5kg f/cm2
あるのに対して,それぞれ3g/100ml,5g/100mlが4kg f/c
m2,10g/100ml,13g/100mlが6kg f/cm2,30g/100mlが7.5kg
f/cm2を示す。
実施例5 ジオクチルセバケート100重量部にステアリン酸リチ
ウム14重量部,酸化防止剤BHT1重量部を添加して220℃
に昇温して完全に溶解した後放冷して作製したグリース
ベースに実施例1により製造したオレイルアミン酢酸塩
処理絹雲母および非イオン界面活性剤を試料5−aの組
成で混合し,三本ロールで混練しグリースを調整した。
これらの試料5−aのNo.1〜4の耐荷重能試験を行な
った。試験方法は曽田式四球法(200rpm)による。
試験結果 試験結果から絹雲母添加の効果があることがわかる。
(発明の効果) 本発明による潤滑剤は、粒子状の絹雲母が有機媒体に
良好に分散されているので、高度な耐熱性及び潤滑性を
有する。
即ち,実施例に示されるように,油,グリースのみの
場合に比べて本発明の潤滑剤は使用部材の摩耗が少く,
かつ耐荷重能が大きく,潤滑剤としてすぐれている。
さらに絹雲母自体耐熱性を有するが本発明の疎水化処
理した絹雲母は同様の耐熱性を有するので,二硫化モリ
ブデンやグラファイトが使用できないような高温におい
ても使用することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は絹雲母の耐摩耗性試験の結果を示す図,第2図
は絹雲母の耐荷重能試験の結果を示す図である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】イオン性界面活性剤により疎水化処理され
    た粒子状の絹雲母を含有し、該絹雲母が、非イオン界面
    活性剤を含有する有機媒体中に分散されていることを特
    徴とする潤滑剤。
  2. 【請求項2】疎水化処理された2μm以下の粒径を有す
    る絹雲母を含む固体潤滑剤であって、 前記疎水化処理が、脂肪酸アミン塩を含有する溶液に前
    記絹雲母を接触させる工程と、該絹雲母を乾燥させる工
    程と、からなることを特徴とする固体潤滑剤。
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