JP2551734B2 - 放射線治療システム - Google Patents

放射線治療システム

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JP2551734B2
JP2551734B2 JP7051994A JP7051994A JP2551734B2 JP 2551734 B2 JP2551734 B2 JP 2551734B2 JP 7051994 A JP7051994 A JP 7051994A JP 7051994 A JP7051994 A JP 7051994A JP 2551734 B2 JP2551734 B2 JP 2551734B2
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千昭 加藤
耕一 佐野
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技術研究組合医療福祉機器研究所
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、正常組織に対する放射
線被爆を抑え、病巣に効果的な放射線量を得る放射線治
療システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】放射線治療においては、正常組織に対す
る放射線被爆を最小限にとどめ、かつ、病巣部の腫瘍等
に治療効果がある放射線量を与えるような照射方法を、
治療に先立って求める。この過程は一般に治療計画とい
われる。従来は、ある照射方法に対する放射線の線量分
布を数値計算により求めた後で、例えば各線量値に対す
る組織体積の関係を示すドーズ・ボリューム・ヒストグ
ラム(Dose Volume Histogram:以下、DVHと記
す)、あるいは、各線量値とその線量以上になる組織の
総体積との関係を示す累加DVHという一種の評価用特
性図を用いて、上記照射方法の評価を行い、満足できる
結果であればその照射方法を治療に採用し、満足できる
結果でなければ、主として別の照射方法で同様な処理を
行うような試行錯誤の方法によって、治療計画を立案し
ていた。上記のような試行錯誤の方法をとるかわりに、
治療計画を一種の数理的な最適化問題として捕える方法
もある。例えば「腔内照射放射線治療の最適化に関する
研究」(熊本悦子他、JAMIT研究会予稿集、pp.
96−101、1993)では、ある制約条件下である
目的関数を最小にする線形計画法による最適化で治療計
画を立案している。また、上記両者の特徴を兼ね備えた
方法もある(S.M.Morrill,et al.「メディカル・フィジ
ックス(Med.Phys.)」pp.1201−1210,1991)。これは
最高線量値とそれ以下の線量値との2か所で累加DVH
に対して制約を課し、これらを線形計画法の制約条件式
に利用して線形計画問題を解き、望ましい累加DVHの
形状が実現する照射方法を求めるものである。しかし、
望ましい累加DVHの形状は未知であるから、累加DV
Hにどのような制約を課せばよいのか、また、線形計画
法で実行可能な解が得られない場合にはどのような処置
をすれば適切な解が得られるようになるのか、これらの
点は明らかになっていない。また、「対話的多目的計画
法とその応用」(中山弘隆、オペレーションズ・リサー
チ、36(9)、pp.435−439,1991)に
おいては、一般的な解法として目的関数や制約条件を対
話的に修正しながら、満足できる解に到達する方法が紹
介されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
技術には、DVHを利用するような放射線治療システム
に対する応用は示されていない。
【0004】本発明は、DVHなどの評価用特性図の望
ましい形状が実現でき、実際に治療が実行可能な放射線
の照射方法を求める、放射線治療システムを得ることを
目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的は、画像診断装
置から得る人体断層像と、操作者の入力値を使用して
療計画を立案する治療計画装置と、上記治療計画に基づ
き、ガントリ、照射ヘッド、治療寝台の位置や方向およ
び加速器のエネルギーを制御する手段を有する放射線治
療装置とから構成される、放射線治療システムにおい
て、上記治療計画装置は、人体内の病巣部に対し空間的
に分布する放射線源の強度を、線形計画問題を解くこと
により治療効果を最適値に決定する際に、制約条件を対
話的に変更することにより線形計画問題を繰り返し解
き、上記放射線源の強度を最適値に決定することにより
治療計画を立案することにより達成される。
【0006】上記最適値に決定する処理を、DVH形状
または累加DVHの形状を対話的に修正することに対応
し制約条件の変更が可能な線形計画問題を繰り返し解く
ことにより、あるいはまた、2次元組織吸収分布の等線
量線図の修正、または3次元組織吸収線量分布の等線量
面図形状の修正に対応し、制約条件の変更が可能な線形
計画問題を繰り返し解くことによって、放射線源の強度
最適値に決定することによってそれぞれ達成すること
ができる。
【0007】放射線治療では放射線の組織破壊作用によ
り腫瘍等の病変部を壊死させる治療方法を採っている。
治療には図2に示すような治療装置を使用し、患者を治
療寝台201に寝かせ、ガントリ202と上記治療寝台
201とを回転させ、いろいろな方向から体内の病変部
に放射線の照射を行う。放射線はガントリ内の放射線源
203から照射ヘッド204を経てビームとなり病変部
に照射される。照射方法には大きく分けて多門照射と回
転照射との2種類があり、前者の多門照射は、ガントリ
202と治療寝台201とを回転させることによって体
内の病変部、例えば腫瘍に対して、ある方向に放射線源
203を移動して固定し、放射線照射を行ったのち別の
方向に上記放射線源203を移動し、再び放射線照射を
行うが、上記過程を複数回実施して腫瘍に必要な放射線
量を与える方法である。多門照射は多数の放射線源から
の同時照射ではないが、組織の吸収線量の総量は各方向
からの照射による吸収線量の総和になるので、同時照射
と効果は同じになる。上記方法はこのことから多門照射
と呼ばれるが、放射線源の数を意味する門数は上記腫瘍
に対して線源を固定した方向の数と等しい。また、後者
の回転照射は、治療寝台201をある角度に保ったまま
で、ガントリ202を一定回転速度である範囲を回転さ
せ、体内の腫瘍を中心にした円弧軌道上を一定速度で移
動する放射線源203から連続的に照射して、腫瘍に放
射線量を与える方法であり、通常は治療寝台201を数
個所で固定するので、円弧軌道数本分の照射を行うのが
一般的である。
【0008】人体内部組織の吸収線量分布を直接計測す
ることは不可能なので、治療前にX線CT装置などの画
像診断装置から得た組織分布を基礎データとして、ある
物理モデルを仮定した計算処理を上記データに施して組
織の吸収線量分布を求める。数値計算法は「放射線治療
計画システム」(稲邑清也、篠原出版、1992)に示
されているように、物理モデルに依存して第1世代から
第3世代のアルゴリズム、モンテカルロ法などの各種が
考案されている。モンテカルロ法は現在最も正確な計算
方法と考えられているが、計算時間が膨大になるため実
際の治療計画に使われることはない。実際の治療計画で
使用する計算方法は第1、第2世代のアルゴリズムであ
る。世代が進む程物理モデルは精巧になって精度が良く
なるが、計算時間を多く必要とする。第2世代のアルゴ
リズムが実用面から見て現在の限界のようである。しか
しながら、第2世代のアルゴリズムでさえ多くの計算時
間を要するので、第1世代のアルゴリズムを治療計画に
使うのが一般的である。本発明は数値計算法には依存し
ないので、以下の記載では数値計算法の内容には触れな
い。
【0009】つぎに、ドーズ・ボリューム・ヒストグラ
ム(DVH)について説明する。図3(a)にDVH3
01の例を示す。DVH301は数値計算による吸収線
量分布を利用して、注目する組織または照射部位全体を
対象に横軸を吸収線量とし縦軸を体積とし、各吸収線量
に対する組織体積をグラフに表示したものである。治療
計画では腫瘍に高線量を与え、正常組織へは極力線量を
抑えるという照射条件にしたがって、数値計算で吸収線
量分布を求めるので、DVH301の低線量域で体積を
もつ組織は正常組織と考えられる。低線量域の体積が多
いものは望ましい治療計画ともいえる。DVH301は
腫瘍に対する照射条件の評価を行うために利用される。
また、累加DVH302というものもあり、この例を図
3(b)に示す。これはDVH301において、ある吸
収線量に注目してその値以上になった組織の総体積を計
算し、上記総体積を注目した吸収線量ごとに対応させて
表示したものである。Dを注目する吸収線量、Dmax
最大吸収線量、DVH301における体積をV(D)お
よび累加DVH302における体積をVc(D)とする
【0010】
【数1】
【0011】と表わせる。累加DVH302も主に正常
組織に対する照射条件の評価を行うために利用される。
【0012】つぎに、線形計画法について説明する。線
形計画法とは、ある線形の目的関数を最小化または最大
化する変数の値を解として求める数理的な手法である。
線形計画法による治療計画の定式化の例をつぎに示す。
これは正常組織の吸収線量が耐用線量以下、腫瘍の吸収
線量は致死線量以上にして、総出力線量を最小にする各
線源の重みを決定するものである。
【0013】目的関数 Z=S11+S22+…+Snn(総出力線量) 制約条件 aj11+aj22+…+ajnn≦DTj (j=1,2,…,p)(正常組織の吸収線量) bk11+bk22+…+bknn≦DLk (k=1,2,…,q)(腫瘍の吸収線量) xi≧0 (i=1,2,…,n)(重み:解) Si:照射線源iにおける出力線量 aji:照射線源iによる正常組織内j点における吸収線
量 bki:照射線源iによる腫瘍内k点における吸収線量 DTj:重要組織内j点における耐用線量 DLk:腫瘍内k点における致死線量 上記説明は多数の放射線源を設けた多門照射を想定して
記載されているが、回転照射の場合には1つの軌道を1
つの長い線源としてとらえて、軌道毎の重みを解として
求める定式化と考えればよいので、多門照射と回転照射
との本質的な差異はなく、上記の定式化で両方の照射方
法を統一的に扱える。
【0014】つぎに、組織の吸収線量分布の表示方法に
ついて説明する。数値計算などによって求めた組織の吸
収線量を表示するのに等線量線図をよく用いる。組織の
3次元吸収線量分布を使うならば、ある断層面上の吸収
線量分布を使用し、2次元吸収線量分布を使うならばそ
れをそのまま使用して、断層面上でいくつかの吸収線量
のそれぞれに対して値が等しい点を線でつないでいく。
その結果、等高線図と同様なものができるが、これを等
線量線図という。組織の分布に対して吸収線量分布がど
うなっているかを上記等線量線図で評価できるように、
通常は組織分布に重畳して等線量線図を表示する。
【0015】2次元である等線量線図を3次元に拡張し
た表示方法もある。この場合は組織の3次元吸収線量分
布内で吸収線量が等しい点を連結しながら面を作る。こ
れを等線量面図というが、3次元の等線量面図では内部
の面が見えなくなるという問題がある。このため、等線
量面図を半透明表示することをよく行う。組織分布と等
線量面図との重畳は両者をそのまま重ねて合成表示する
と、互いに影になってしまい内部構造を観察しにくくな
るので、例えば、注目する組織だけを不透明な3次元表
示にして、そこに等線量面を半透明表示で重ねる表示方
法などがある。このようにしても見えない部分が生じる
ので、3次元画像を回転させて裏面から観察したり、適
当な切断面で切り取って内部を観察する方法などを用い
る。
【0016】画像の重畳などの合成表示や、3次元画像
の回転処理または切断処理などの画像処理の詳細につい
ては、本発明の本質と直接関係がないので、特に詳細な
説明は行わない。
【0017】
【作用】本発明は、計算機の画面上に表示されたDV
H、累加DVH、等線量線図、または等線量面図の特性
図を、治療計画の立案者にとって望ましい形状に近づけ
る繰り返し処理を経て、放射線源強度の最適な空間分布
を見つけ出す方法を得るものである。上記方法の実際の
手順はつぎのようになる。事前に決めておいた制約条件
下で線形計画問題を解いて放射線源の強度分布を求め、
その分布の下で数値計算により組織吸収線量分布を得
る。その分布から作成した上記特性図を出発点とする。
まず、望ましい形状になるような制約を立案者が特性図
に課すことによつて、線形計画法における制約条件を自
動的に生成する。つぎに、このようにして作成した線形
計画問題を解いて放射線源の強度分布を求め、その分布
に基づき数値計算により組織吸収線量分布を得る。この
結果を用いて再び特性図を作成し表示して立案者につぎ
の制約を促す。立案者が満足するような特性図が得られ
るまで、上記過程を繰り返す。それぞれの特性図によっ
て制約の加え方が異なるので、つぎに各特性ごとにその
方法を説明する。
【0018】(1)DVHによる方法 正常組織においては許容範囲εTを設定して耐用線量DT
をそれよりもεTだけ小さい(DT−εT)とで区間〔DT
−εT,DT〕を考える。耐用線量DT以下と制約条件を
課した正常組織内の制約点のうち、線形計画問題を1回
解いた後で再び吸収線量分布を計算したとき、上記区間
に入る制約点があれば、例えばその総数分を高さとした
幅εTの矩形でDVHに表示する。上記区間に制約点が
全く入らない場合も考えられるが、これはどの制約点で
も耐用線量をもっと低くできることを意味する。制約点
が全て上記区間に入る場合は、全ての制約点でこれ以上
は耐用線量を低くできないことを意味する。普通は制約
点の一部が上記区間に入るが、これは耐用線量をもっと
低くできる制約点とこれ以上は耐用線量を低くできない
制約点とが混在することを意味している。上記のような
DVHを見て治療計画の立案者は、制約点数を増加させ
て制約を厳しくするか制約点数を減少させて制約を緩め
るか、あるいは制約点数を変えずに制約を変更するか、
いずれかの方針を採る。
【0019】制約点数を増加させる場合は、DTよりも
高い線量の点に耐用線量DT以下の制約を加える。すな
わち、正常組織内からその線量値になっている点をラン
ダムに数点選び出し、それらに対して線形計画法用の制
約条件を加える。制約点数を減少させる場合は、区間
〔DT−εT,DT〕内の数点から制約をはずす。制約点
数を変えずに制約を変更する場合は、(DT−εT)より
値が小さい線量を選び、区間〔DT−εT,DT〕内でラ
ンダムに選んだ数点に対しその選択した線量以下の制約
を加える。すなわち、区間〔DT−εT,DT〕内の数点
に対しては、既に設定した耐用線量とは別の耐用線量を
制約として新たに加える。区間内の全ての点に対してこ
の操作を行ってもよい。これは耐用線量の変更に相当す
る。
【0020】標的組織である腫瘍などにおいては、許容
範囲εLを設定して致死線量DLとそれよりもεLだけ大
きい(DL+εL)とで区間〔DL,DL+εL〕を考え
る。正常組織と同様に上記区間に入る制約点があれば、
その総数分を高さとした幅εLの矩形でDVHに表示す
る。このようなDVHを見て治療計画の立案者は、制約
点数を増加させて制約を厳しくするか制約点数を減少さ
せて制約を緩めるか、制約点数を変えずに制約を変更す
るかあるいは致死線量の値を変更するか、いずれかの方
針を採る。
【0021】制約点数を増加させる場合は、DLよりも
低い線量の点に致死線量DL以上の制約を加える。すな
わち、例えば腫瘍内からその線量値になっている点をラ
ンダムに数点選び出し、それらに対して線形計画法用の
制約条件を加える。制約点数を減少させる場合は、区間
〔DL,DL+εL〕内の数点から制約をはずす。制約点
数を変えずに制約を変更する場合は、(DL+εL)より
値が大きい線量を選び、区間〔DL,DL+εL〕内でラ
ンダムに選んだ数点に対してその選択した線量以上の制
約を加える。すなわち、区間〔DL,DL+εL〕内の数
点に対して、既に設定した致死線量とは別の致死線量を
制約として新たに加える。区間内の全ての点に対して上
記操作を行うと、これは致死線量の変更になる。
【0022】上記処理を行ったのちに線形計画問題を解
き、求解できたならば吸収線量分布を求め、DVHを表
示して上記同様の処理を行う。求解不能であったなら、
それまでに終えた処理をキャンセルして新たな制約を課
す。
【0023】(2)累加DVHによる方法 上記DVHによる方法と制約を加える処理は同様である
が、加えた制約に対する表示が異なる。ここでは表示の
相異だけを説明する。前記したように累加DVHはある
吸収線量に注目して、その吸収線量以上になった組織の
総体積を、上記注目した吸収線量に対して表わしたグラ
フである。したがって、DVH上で制約を加える方法で
用いた矩形は、累加DVHでは正常組織の場合、原点か
ら耐用線量DTまでの幅で、高さがDVHで区間〔DT
εT,DT〕に入った制約点の数になる矩形となる。標的
組織の場合は原点から致死線量DLまでの幅で、高さが
DVHで区間〔DL,DL+εL〕に入る制約点の数にな
る矩形となる。
【0024】(3)等線量線図(2次元)による方法 正常組織においては各組織ごとに許容範囲εTを設定し
て耐用線量DTとそれよりもεTだけ小さい(DT−εT
とで区間〔DT−εT,DT〕を考える。等線量線図では
上記区間を帯状領域として表示する。また、耐用線量D
T以下と制約条件を課したその組織内の制約点を、その
位置通りに等線量線図にプロットしておく。帯状領域内
にプロツトされた制約点はこれ以上耐用線量を低くでき
ないことを意味し、帯状領域外にプロットされた制約点
は耐用線量をもっと低くできることを意味する。このよ
うな等線量線図を見て治療計画の立案者は、制約点数を
増加させて制約を厳しくするか制約点数を減少させて制
約を緩めるか、あるいは制約点数を変えずに制約を変更
するか、いずれかの方針を採る。
【0025】制約点数を増加させる場合は、DTよりも
高い線量の点に耐用線量DT以下の制約を加える。すな
わち、帯状領域外でDTよりも高い線量の制約点を数点
選び出し、それらに対して線形計画法用の制約条件を加
える。制約点数を減少させる場合は、帯状領域内の数点
から制約をはずす。制約点数を変えずに制約を変更する
場合は、帯状領域内の数点を選び、帯状領域外で(DT
−εT)よりも低い線量の位置へ制約点を移動させる。
帯状領域内の全ての点に対して上記操作を行ってもよ
い。これは耐用線量の変更であるとも考えられる。
【0026】標的組織である腫瘍等においては、各組織
ごとに許容範囲εLを設定して致死線量DLとそれよりも
εLだけ大きい(DL+εL)とで区間〔DL,DL+εL
を考える。正常組織と同様に等線量線図ではこの区間を
帯状領域として表示する。また、致死線量DL以上と制
約条件を課したその組織内の制約点を、その位置通りに
等線量線図にプロットしておく。帯状領域内にプロット
された制約点は、これ以上致死線量をもっと高くできる
ことを意味する。
【0027】上記のような等線量線図を見て治療計画の
立案者は、制約点数を増加させて制約を厳しくするか制
約点数を減少させて制約を緩めるか、あるいは制約点数
を変えずに制約を変更するか、いずれかの方針を採る。
制約点数を増加させる場合は、DLよりも低い線量の点
に致死線量DL以上の制約を加える。すなわち、帯状領
域外でDLよりも低い線量の制約点を数点選び出し、そ
れらに対して線形計画法用の制約条件を加える。制約点
数を減少させる場合は、帯状領域内の数点から制約をは
ずす。制約点数を変えずに制約を変更する場合は、帯状
領域内の数点を選び、帯状領域外で(DL+εL)よりも
高い線量の位置に制約点を移動させる。帯状領域内の全
ての点に対して上記操作を行ってもよい。これは致死線
量の変更であるとも考えられる。等線量線図ではDVH
の場合と異なり、1つの特性図で正常組織と標的組織と
を同時に見ながら、両方の制約を考えることができる。
【0028】上記処理を行ったのちに線形計画問題を解
き、求解できたならば吸収線量分布を求め等線量線図を
表示して、上記同様の処理を再び行う。求解不能であっ
たなら、それまでに終えた処理をキャンセルして新たな
制約を課す。
【0029】(4)等線量面図(3次元)による方法 等線量線図による方法と制約を加える処理には本質的な
差はない。つぎにこれらの異なる点だけを記載する。等
線量面図では区間〔DT−εT,DT〕や区間〔DL,DL
+εL〕は2つの面に挟まれた領域になる。等線量面図
上での制約点の設定には、3次元画像の回転処理や切断
処理などの裏側や内部を観察する補助的な手段が必要に
なる。
【0030】
【実施例】つぎに本発明の実施例を図面とともに説明す
る。図1は本発明による放射線治療システムにおける治
療計画のフローチャートを示す図、図4は放射線治療シ
ステムの一例を示す図、図5はDVHによる最適化のフ
ローチャートを示す図、図6は累加DVHによる最適化
のフローチャートを示す図、図7は等線量線図による最
適化のフローチャートを示す図、図8は等線量面図によ
る最適化のフローチャートを示す図である。
【0031】まず本発明を適用できる放射線治療システ
ムの一例を示し、つぎに本発明を含む放射線治療計画全
体のフローチャートの例を示し、最後に本発明の具体例
を記載する。
【0032】図4に放射線治療システムの一例を示す
が、X線CT装置401から得られる人体断層像は、治
療計画装置402に入力される。治療計画装置402で
は放射線の照射条件が立案者403の入力によって、あ
るいは上記治療計画装置402内における自動計算処理
によって決定される。放射線の照射条件は治療装置40
4内の制御装置405に入力され、その照射条件に従っ
て電子加速器406のエネルギ、ガントリ407の回転
角度や回転軌道位置、照射ヘッド408の照射野の大き
さ、および治療寝台409の水平・垂直平行移動位置や
回転角度などが、制御装置405によってコントロール
される。
【0033】図1には上記放射線治療システムに基づく
放射線治療計画全体のフローチャートの一例を示す。
〔ステップ101〕では人体断層像のCT画像を入力
し、〔ステップ102〕で立案者403が治療計画装置
402の画面上に表示されたCT画像を見て、腫瘍など
の標的組織と正常組織とを特定してその位置を入力する
か、あるいは治療計画装置402が標的組織と正常組織
との位置を自動的に抽出計算する。〔ステップ103〕
で立案者403が照射条件に関するパラメータを入力
し、〔ステップ104〕で線形計画法における制約条件
の各係数を計算するために、入力された照射条件下で数
値計算により制約点の吸収線量を求める。〔ステップ1
05〕では事前に与えられた制約条件を使い、線形計画
法による最適化問題を解き、〔ステップ106〕で入力
された照射条件下で数値計算により吸収線量分布を求め
る。上記吸収線量分布を利用し、〔ステップ107〕で
DVH、累加DVH、等線量線図、等線量面図の各特性
図を作成し、画面に表示する。〔ステップ108〕で上
記特性図のいずれかに画面上で形状の修正を行い、線形
計画法の制約条件を変更する。〔ステップ109〕では
線形計画法における制約条件の各係数を計算するため、
数値計算によって制約点の吸収線量を求める。つぎに
〔ステップ110〕で線形計画法による最適化問題を解
く。解けなければ上記〔ステップ108〕に戻り、解け
ればつぎに進む。〔ステップ111〕では数値計算によ
り吸収線量分布を求め、〔ステップ112〕で上記吸収
線量分布を利用してDVH、累加DVH、等線量線図、
等線量面図の各特性図を作成し、図面に表示する。〔ス
テップ113〕で望ましい特性図が得られていれば次に
進み、そうでなければ〔ステップ108〕に戻る。〔ス
テップ114〕で照射条件に関するパラメータを治療装
置404内の制御装置405に出力する。
【0034】上記〔ステップ102〕における抽出計算
には既存の方法がいくつかあり、それらを用いることに
より抽出は実現可能である。抽出結果は、本発明におい
て制約の変更対象とする組織や表示対象とする組織を選
択する際に利用する。
【0035】つぎに本発明の具体的な実施例を数例記載
する。これらの例は〔ステップ108〕から〔ステップ
113〕の過程を詳細化した特性図と制約の変更法の例
であり、各種の特性図の組合わせを採った場合はどのよ
うに処理が進むかをフローで記載した具体例である。画
面上に表示された特性図を見て制約の変更を行うには、
例えば耐用線量や致死線量となる位置を色付けにより特
性図に表示しておき、ある点をマウスでピックしてか
ら、つぎに耐用線量や致死線量の場所をマウスでピック
することにより、その点に耐用線量や致死線量の制約を
加えたり、制約がついている点をマウスでダブルクリッ
クして上記点の制約を外したりすることによつて処理す
る。まず、単純にある特性図を繰り返し使って、最適な
照射条件を求める例について説明する。
【0036】(1)DVHを使用する場合 図5に示すフローチャートに示すように、〔ステップ5
01〕で照射部位全体のDVHを見て制約を加えるか、
組織ごとのDVHを見て制約を加えるかを選択する。照
射部位全体を選択する場合は〔ステップ502〕に進
み、正常組織を選択する場合は〔ステップ504〕に進
み、標的組織を選択する場合は〔ステップ512〕へ進
む。つぎに〔ステップ502〕で照射部位全体のDVH
を表示し、〔ステップ503〕で正常組織に注目する場
合には〔ステップ506〕に進み、標的組織に注目する
場合には〔ステップ514〕に進む。〔ステップ50
4〕では正常組織iを選択すると、〔ステップ505〕
でその組織のDVHを表示する。〔ステップ506〕で
制約点数を増加させる場合には〔ステップ507〕に進
み、制約点数を減少させる場合には〔ステップ508〕
に進み、制約点数を変えない場合には〔ステップ50
9〕に進み、前回の変更時に変更した制約をキャンセル
する場合は〔ステップ510〕に進む。〔ステップ50
7〕の制約点数増加では正常組織iに対する耐用線量D
Tiよりも高い線領域でランダムに選んだ正常組織iの数
点に耐用線量DTi以下の制約を加え、〔ステップ51
1〕に進む。〔ステップ508〕の制約点数減少では正
常組織iに対する線量区間〔DTi−εTi,DTi〕内でラ
ンダムに選んだ正常組織iの数点から制約をはずし、
〔ステップ511〕に進む。〔ステップ509〕の制約
点数不変では正常組織iに対する線量区間〔DTi
εTi,DTi〕内でランダムに選んだ正常組織iの数点に
対して(DTi−εTi)より小さい線量を選択し、その線
量以下の制約を加え、〔ステップ511〕に進む。〔ス
テップ510〕のキャンセルでは前回の変更時に変更し
た制約をキャンセルする。〔ステップ511〕で制約の
変更を終了する場合は〔ステップ520〕に進み、照射
部位全体に注目する場合は〔ステップ502〕に進み、
同じ正常組織に注目する場合は〔ステップ506〕に進
み、他の正常組織に注目する場合は〔ステップ504〕
に進み、標的組織に注目する場合には〔ステップ51
2〕に進む。
【0037】〔ステップ512〕で標的組織jを選択し
た場合は、〔ステップ513〕でその組織のDVHを表
示する。つぎに〔ステップ514〕で制約点数を増加さ
せる場合には〔ステップ515〕へ進み、制約点数を減
少させる場合には〔ステップ516〕に進み、制約点数
を変えない場合には〔ステップ517〕に進み、前回の
変更時に変更した制約をキャンセルする場合は〔ステッ
プ518〕に進む。〔ステップ515〕の制約点数増加
では標的組織jに対する致死線量DLjよりも低い線量域
でランダムに選んだ標的組織jの数点に、致死線量DLj
以上の制約を加え、〔ステップ519〕に進む。〔ステ
ップ516〕の制約点数減少では標的組織jに対する線
量区間〔DLj,DLj+εLj〕内でランダムに選んだ標的
組織jの数点から制約をはずし〔ステップ519〕に進
む。〔ステップ517〕の制約点数不変では標的組織j
に対する線量区間〔DLj,DLj+εLj〕内でランダムに
選んだ標的組織jの数点に対して(DLj+εLj)より大
きい線量を選択し、その線量以上の制約を加え、〔ステ
ップ519〕に進む。〔ステップ518〕のキャンセル
では前回の変更時に変更した制約をキャンセルする。
〔ステップ519〕で制約の変更を終了する場合は〔ス
テップ520〕に進み、同じ標的組織に注目する場合は
〔ステップ514〕に進み、他の標的組織に注目する場
合は〔ステップ512〕に進み、正常組織に注目する場
合には〔ステップ504〕に進む。そして、〔ステップ
520〕の制約の変更を終了する。
【0038】(2)累加DVHを使用する場合 DVHを使用する場合と同様であり、上記〔ステップ5
01〕から〔ステップ520〕におけるDVHを累加D
VHと読み変えればよい。
【0039】 (3)等線量線図(2次元)を使用する場合 正常組織と標的組織の付近の吸収線量分布を同時に見る
ことができるので、両組織の選択を明示して行わなくて
も制約の変更を行うことができる。図6にフローチャー
トを示す。
【0040】〔ステップ601〕で等線量線図を表示す
る断層像を指定する。組織吸収線量分布が3次元データ
ならば断層像kを選択し、組織吸収線量分布が2次元デ
ータならばそれを断層像kとして使用する。〔ステップ
602〕で等線量線図を表示し、正常組織iに対する線
量区間〔DTi−εTi,DTi〕と標的組織jに対する線量
区間〔DLj,DLj+εLj〕を帯状領域として表示する。
組織分布も重畳して合成表示する。〔ステップ603〕
で制約点数を増加させる場合には〔ステップ604〕に
進み、制約点数を減少させる場合には〔ステップ60
5〕に進み、制約点数を変えない場合には〔ステップ6
06〕に進み、前回の変更時に変更した制約をキャンセ
ルする場合には〔ステップ607〕に進む。〔ステップ
604〕の制約点数増加で正常組織iに注目する場合
は、正常組織iの耐用線量DTiよりも高い線量域で選ん
だ正常組織iの数点に耐用線量DTi以下の制約を加え、
標的組織jに注目する場合には、標的組織jの致死線量
Ljよりも低い線量域で選んだ標的組織jの数点に致死
線量DLj以上の制約を加え、〔ステップ608〕に進
む。〔ステップ605〕の制約点数減少で正常組織iに
注目する場合は、正常組織iの線量区間〔DTi−εTi
Ti〕の帯状領域内で選んだ正常組織iの数点から制約
をはずし、標的組織jに注目する場合は、標的組織jの
線量区間〔DLj,DLj+εLj〕の帯状領域内で選んだ標
的組織jの数点から制約をはずし、〔ステップ608〕
に進む。〔ステップ606〕の制約点数不変で正常組織
iに注目する場合は、正常組織iの線量区間〔DTi−ε
Ti,DTi〕の帯状領域内で選んだ正常組織iの数点に対
して(DTi−εTi)より小さい線量を選択し、その線量
以下の制約を加え、標的組織jに注目する場合は、標的
組織jの線量区間〔DLj,DLj+εLj〕の帯状領域内で
選んだ標的組織jの数点に(DLj+εLj)より大きい線
量を選択し、その線量以上の制約を加え〔ステップ60
8〕に進む。〔ステップ607〕のキャンセルでは、前
回の変更時に変更した制約をキャンセルする。〔ステッ
プ608〕で制約の変更を終了する場合は〔ステップ6
09〕に進み、同じ断層像に注目する場合に〔ステップ
602〕に進み、他の断層像に注目する場合は〔ステッ
プ601〕に進む。そして〔ステップ609〕で制約の
変更を終了する。
【0041】 (4)等線量面図(3次元)を使用する場合 等線量面図全体または各組織に注目する場合を選択して
制約を変更できる例について記し、フローチャートを図
7に示す。〔ステップ701〕で照射部位全体の等線量
面図を見て制約を加えるか、組織ごとの等線量面図を見
て制約を加えるかを選択する。照射部位全体を選択する
場合は〔ステップ702〕へ進み、正常組織を選択する
場合は〔ステップ709〕へ進み、標的組織を選択する
場合は〔ステップ717〕に進む。
【0042】〔ステップ702〕で等線量面図を表示す
る。正常組織iに対する線量区間〔DTi−εTi,DTi
と標的組織jに対する線量区間〔DLj,DLj+εLj〕を
2つの面に挟まれた領域として表示し、組織分布も重畳
して合成表示する。〔ステップ703〕で制約点数を増
加させる場合には〔ステップ704〕へ進み、制約点数
を減少させる場合には〔ステップ705〕へ進み、制約
点数を変えない場合には〔ステップ706〕へ進み、前
回の変更時に変更した制約をキャンセルする場合は〔ス
テップ707〕へ進む。〔ステップ704〕の制約点数
増加で、正常組織iに注目する場合は、正常組織iの耐
用線量DTiよりも高い線領域で選んだ正常組織iの数点
に耐用線量DTi以下の制約を加え、標的組織jに注目す
る場合は、標的組織jの致死線量DLjよりも低い線領域
で選んだ標的組織jの数点に致死線量DLj以上の制約を
加え、〔ステップ708〕へ進む。〔ステップ705〕
の制約点数減少で正常組織iに注目する場合は、正常組
織iの線量区間〔DTi−εTi,DTi〕の帯状領域内で選
んだ正常組織iの数点から制約をはずし、標的組織jに
注目する場合は、標的組織jの線量区間〔DLj,DLj
εLj〕の帯状領域内で選んだ標的組織jの数点から制約
をはずし、〔ステップ708〕へ進む。〔ステップ70
6〕の制約点数不変で、正常組織iに注目する場合は、
正常組織iの線量区間〔DTi−εTi,DTi〕の帯状領域
内で選んだ正常組織iの数点に対して(DTi−εTi)よ
り小さい線量を選択し、その線量以下の制約を加え、標
的組織jに注目する場合は、標的組織jの線量区間〔D
Lj,DLj+εLj〕の帯状領域内で選んだ標的組織jの数
点に(DLj+εLj)より大きい線量を選択し、その線量
以上の制約を加え、〔ステップ708〕へ進む。〔ステ
ップ707〕のキャンセルは前回の変更時に変更した制
約をキャンセルする。〔ステップ708〕で制約の変更
を終了する場合は〔ステップ725〕へ進み、照射部位
全体に注目する場合は〔ステップ702〕へ進み、正常
組織に注目する場合は〔ステツプ709〕へ進み、標的
組織に注目する場合は〔ステップ717〕に進む。
【0043】〔ステップ709〕では正常組織iを選択
し、〔ステップ710〕ではその組織付近の等線量面図
を表示する。正常組織iに対する線量区間〔DTi
εTi,DTi〕を2つの面に挟まれた領域として表示し、
組織分布も重畳して合成表示する。
【0044】〔ステップ711〕で制約点数を増加させ
る場合には〔ステップ712〕へ進み、制約点数を減少
させる場合には〔ステップ713〕へ進み、制約点数を
変えない場合には〔ステップ714〕へ進み、前回の変
更時に変更した制約をキャンセルする場合は〔ステップ
715〕へ進む。〔ステップ712〕の制約点数増加で
正常組織iに対する耐用線量DTiよりも高い線量域で選
んだ正常組織iの数点に耐用線量DTi以下の制約を加
え、〔ステップ716〕へ進む。〔ステップ713〕の
制約点数減少で正常組織iに対する線量区間〔DTi−ε
Ti,DTi〕の領域内で選んだ正常組織iの数点から制約
をはずし、〔ステップ716〕に進む。〔ステップ71
4〕の制約点数不変で正常組織iに対する線量区間〔D
Ti−εTi,DTi〕の領域内で選んだ正常組織iの数点に
対して(DTi−εTi)より小さい線量を選択し、その線
量以下の制約を加え〔ステップ716〕に進む。〔ステ
ップ715〕のキャンセルでは前回の変更時に変更した
制約をキャンセルする。〔ステップ716〕で制約の変
更を終了する場合は〔ステップ725〕に進み、照射部
位全体に注目する場合には〔ステップ702〕に進み、
正常組織に注目する場合は〔ステップ709〕に進み、
標的組織に注目する場合は〔ステップ717〕に進む。
【0045】〔ステップ717〕で標的組織jを選択
し、〔ステップ718〕でその組織付近の等線量面図を
表示し、標的組織jに対する線量区間〔DLj,DLj+ε
Lj〕を2つの面に挟まれた領域として表示し、組織分布
も重畳して合成表示する。
【0046】〔ステップ719〕で制約点数を増加させ
る場合には〔ステップ720〕に進み、制約点数を減少
させる場合には〔ステップ721〕へ進み、制約点数を
変えない場合は〔ステップ722〕へ進み、前回の変更
時に変更した制約をキャンセルする場合には〔ステップ
723〕に進む。〔ステップ720〕の制約点数増加で
は、標的組織jに対する致死線量DLjよりも低い線領域
で選んだ標的組織jの数点に致死線量DLj以上の制約を
加え、〔ステップ724〕に進む。〔ステップ721〕
の制約点数減少では、標的組織jに対する線量区間〔D
Lj,DLj+εLj〕の領域内で選んだ標的組織jの数点か
ら制約をはずし、〔ステップ724〕に進む。〔ステッ
プ722〕の制約点数不変では、標的組織jに対する線
量区間〔DLj,DLj+εLj〕の領域内で選んだ標的組織
jの数点に(DLj+εLj)より大きい線量を選択し、そ
の線量以上の制約を加えて、〔ステップ724〕に進
む。〔ステップ723〕のキャンセルでは前回の変更時
に変更した制約をキャンセルルする。〔ステップ72
4〕で制約の変更を終了する場合は〔ステップ725〕
に進み、照射部位全体に注目する場合は〔ステップ70
2〕に進み、正常組織に注目する場合は〔ステップ70
9〕に進み、標的組織に注目する場合は〔ステップ71
7〕に進む。〔ステップ725〕で制約の変更を終了す
る。
【0047】(5)複数の特性図を使用する方法 最後に2種類以上の特性図を交互に見ながら制約の変更
を行う例について説明する。図8にフローチャートを示
す。〔ステップ801〕で特性図を選択するが、DVH
を選択する場合は〔ステップ802〕に進み、累加DV
Hを選択する場合は〔ステップ804〕に進み、等線量
線図(2次元)を選択する場合は〔ステップ806〕に
進み、等線量面図(3次元)を選択する場合は〔ステッ
プ808〕に進む。〔ステップ802〕では照射部位全
体、正常組織i、標的組織jのいずれかを選択する。
〔ステップ803〕ではその組織のDVHを表示し〔ス
テップ810〕に進む。〔ステップ804〕では照射部
位全体、正常組織i、標的組織jのいずれかを選択す
る。〔ステップ805〕ではその組織の累加DVHを表
示し〔ステップ810〕に進む。〔ステップ806〕で
は断層像kを選択する。〔ステップ807〕ではその組
織の等線量線図を表示し〔ステップ810〕に進む。
〔ステップ808〕では照射部位全体、正常組織i、標
的組織jのいずれかを選択する。〔ステップ809〕で
はその組織の等線量面図を表示し〔ステップ810〕に
進む。〔ステップ810〕では制約点数を増加させる場
合には〔ステップ811〕に進み、制約点数を減少させ
る場合には〔ステップ812〕に進み、制約点数を変え
ない場合には〔ステップ813〕に進み、前回の変更時
に変更した制約をキャンセルする場合には〔ステップ8
14〕に進む。
【0048】〔ステップ811〕の制約点増加で正常組
織iに注目する場合は、正常組織iの耐用線量DTiより
も高い線量域で選んだ正常組織iの数点に耐用線量DTi
以下の制約を加え、標的組織jに注目する場合は、標的
組織jの致死線量DLjよりも低い線量域で選んだ標的組
織jの数点に致死線量DLj以上の制約を加え、〔ステッ
プ815〕に進む。〔ステップ812〕の制約点数減少
で正常組織iに注目する場合は、正常組織iの線量区間
〔DTi−εTi,DTi〕の帯状領域内で選んだ正常組織i
の数点から制約をはずし、標的組織jに注目する場合
は、標的組織jの線量区間〔DLj,DLj+εLj〕の帯状
領域内で選んだ標的組織jの数点から制約をはずし〔ス
テップ815〕に進む。〔ステップ813〕の制約点数
不変で正常組織iに注目する場合は、正常組織iの線量
区間〔DTi−εTi,DTi〕の帯状領域内で選んだ正常組
織iの数点に対して(DTi−εTi)より小さい線量を選
択し、その線量以下の制約を加え、標的組織jに注目す
る場合は、標的組織jの線量区間〔DLj,DLj+εLj
の帯状領域内で選んだ標的組織jの数点に(DLj
εLj)より大きい線量を選択し、その線量以上の制約を
加え、〔ステップ815〕に進む。〔ステップ814〕
のキャンセルでは前回の変更時に変更した制約をキャン
セルする。〔ステップ815〕で制約の変更を終了する
場合は〔ステップ818〕に進み、同じ組織に対して変
更を続行する場合は〔ステップ816〕に進み、他の組
織に対して変更を続行する場合は〔ステップ817〕に
進む。
【0049】〔ステップ816〕でDVHを選択する場
合は〔ステップ803〕に進み、累加DVHを選択する
場合は〔ステップ805〕に進み、等線量線図を選択す
る場合には〔ステップ807〕に進み、等線量面図を選
択する場合には〔ステップ809〕に進む。〔ステップ
817〕でDVHを選択する場合は〔ステップ802〕
に進み、累加DVHを選択する場合は〔ステップ80
4〕に進み、等線量線図を選択する場合には〔ステップ
806〕に進み、等線量面図を選択する場合には〔ステ
ップ808〕に進む。〔ステップ818〕で制約の変更
を終了する。
【0050】
【発明の効果】上記のように本発明による放射線治療シ
ステムは、画像診断装置から得る人体断層像と、操作者
の入力値を使用して治療計画を立案する手段とを有する
治療計画装置と、上記治療計画に基づき、ガントリ、照
射ヘッド、治療寝台の位置や方向および加速器のエネル
ギーを制御する手段を有する放射線治療装置とから構成
される放射線治療システムにおいて、人体内の病巣部に
対し空間的に分布する放射線源の強度を、線形計画問題
を解くことにより治療効果を最適値に決定する際に、制
約条件を対話的に変更することにより線形計画問題を繰
り返し解き、上記放射線源の強度を最適値に決定する処
理を行うことにより、治療計画立案者は特性図を逐次確
認することができ、かつ、線形計画法における制約条件
を自在に変更できるので、最適な照射方法に早く到達す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による放射線治療システムにおける治療
計画のフローチャートを示す図である。
【図2】放射線治療装置の概略を示す図である。
【図3】DVHと累加DVHに関する説明図で、(a)
はDVHにおける例を示す図、(b)は累加DVHにお
ける例を示す図である。
【図4】放射線治療システムの一例を示す図である。
【図5】DVHによる最適化のフローチャートを示す図
である。
【図6】累加DVHによる最適化のフローチャートを示
す図である。
【図7】等線量線図による最適化のフローチャートを示
す図である。
【図8】等線量面図による最適化のフローチャートを示
す図である。
【符号の説明】
201、409 治療寝台 202、407 ガ
ントリ 203 放射線源 204、408 照
射ヘッド 301 DVH 302 累加DVH 401 X線CT装置 402 治療計画装
置 403 立案者 404 放射線治療
装置

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】画像診断装置から得る人体断層像と、操作
    者の入力値を使用して治療計画を立案する治療計画装置
    と、上記治療計画に基づき、ガントリ、照射ヘッド、治
    療寝台の位置や方向および加速器のエネルギーを制御す
    る手段を有する放射線治療装置とから構成される放射線
    治療システムにおいて、 上記治療計画装置は、 人体内の病巣部に対し空間的に分
    布する放射線源の強度を、線形計画問題を解くことによ
    り治療効果を最適値に決定する際に、制約条件を対話的
    に変更することにより線形計画問題を繰り返し解き、上
    記放射線源の強度を最適値に決定することにより治療計
    画を立案することを特徴とする放射線治療システム
  2. 【請求項2】上記治療計画装置では、上記最適値に決定
    する処理は、放射線の吸収線量と人体組織体積との関係
    を表わすドース・ボリューム・ヒストグラム(DVH)
    の形状を、対話的に修正することに対応し制約条件の変
    更が可能な線形計画問題を繰り返し解くことによって、
    放射線源の強度を最適値に決定することを特徴とする請
    求項1記載の放射線治療システム
  3. 【請求項3】上記治療計画装置では、上記最適値に決定
    する処理は、放射線の吸収線量と該吸収線量以上になる
    人体組織の総体積との関係を表わす累加ドーズ・ボリュ
    ーム・ヒストグラム(累加DVH)の形状を、対話的に
    修正することに対応し制約条件の変更が可能な線形計画
    問題を繰り返し解くことによって、放射線源の強度を
    適値に決定することを特徴とする請求項1記載の放射線
    治療システム
  4. 【請求項4】上記治療計画装置では、上記最適値に決定
    する処理は、人体における2次元組織吸収線分布の等線
    量線図の形状を修正することに対応し、制約条件の変更
    が可能な線形計画問題を繰り返し解くことによって、放
    射線源の強度を最適値に決定することを特徴とする請求
    項1記載の放射線治療システム
  5. 【請求項5】上記治療計画装置では、上記最適値に決定
    する処理は、人体における3次元組織吸収線分布の等線
    量面図の形状を修正することに対応し、制約条件の変更
    が可能な線形計画問題を繰り返し解くことによって、放
    射線源の強度を最適値に決定することを特徴とする請求
    項1記載の放射線治療システム
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