JP2551692Y2 - ハイハットシンバルホルダー - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、支持ロッドに支持され
ている上シンバルと下シンバル支持部に支持されている
下シンバルとの間隔が調整可能なハイハットシンバルホ
ルダーに関し、さらに詳しくは、下シンバル支持部の中
間部に配設されたホルダー本体の間隔調整部材を回動さ
せ、この間隔調整部材に形成されたねじ部と螺合し、か
つ支持ロッドの下端部で連結している調整ねじ部材を上
下方向に移動させて上下シンバルの間隔を調整すること
により、ステイック打ち演奏の邪魔とならず、演奏者か
らも近い位置で上下シンバルの間隔調整作業を極めて容
易に行うことが可能なものに関する。

【０００２】

【従来の技術】通常、ハイハットシンバルは、ペダルを
踏み込むことにより上シンバルを下シンバルに打ち合わ
せるか、又はペダルを踏み込んでクローズ状態におい
て、さらには、踏み込まずにオープン状態でステイック
打ちを行うことにより各種の音を出していた。ここで、
ツインバスシステム(例えばバスドラムが２個配列され
たもの)の場合には、ドラムペダルが２個となるため、
両足がふさがってハイハットシンバルのペダルを踏み込
んでクローズ状態でステイック打ちすることが不可能と
なってしまう。

【０００３】そこで、ツインバスシステムであってもク
ローズ状態でハイハットのステイック打ちが可能であ
り、しかも取り付け位置も限定されず演奏のバリエーシ
ョンの多様化が図れるハイハットシンバルとして、例え
ば、実開平１ー６０２５８号公報、特公昭６２ー３８７
１１号公報に示されるものが知られている。

【０００４】実開平１ー６０２５８号公報に示すもの
は、スタンドに支持されたシャフトの下端側に下シンバ
ル受けを設け、前記シャフトの上端側に上シンバル受け
を上下に摺動可能に設けるとともに、前記上シンバル受
けの下側に、この上シンバル受けを上方に押圧するばね
部材を設け、かつ前記上シンバル受けの上側に、前記シ
ャフトの上端側に設けたねじ部材に螺合させて前記上シ
ンバル受けを下方に押し下げるハンドル付きナットを設
けた構造であり、前記ハンドル付きナットを回転させて
上シンバルを上下方向に移動させることにより上下シン
バルの間隔を調整するものである。

【０００５】また、特公昭６２ー３８７１１号公報に示
すものは、頂部で下シンバルを保持するスタンドパイプ
に、上シンバルを保持する保持ロッドが弾性体を介して
上方へ付勢状態でスライド可能に保持され、保持ロッド
がスタンドパイプの底部に設けられたねじ機構により微
量スライド可能とされた構造であり、ねじ機構を回転さ
せることにより上下シンバルの間隔を調整するものであ
る。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た２例のハイハットシンバルにおいては、以下の不都合
が生じてしまう。

【０００７】すなわち、ステイック打ちの演奏を行いな
がら上下シンバルの間隔を調節する場合には、実開平１
ー６０２５８号公報に示すものにあっては、演奏中のス
テイックを打つ位置に近い上シンバルの上部にハンドル
付きナットが配設されているので、演奏中の調整がやり
にくいという問題があった。

【０００８】一方、特公昭６２ー３８７１１号公報に示
すものにあっては、演奏中の演奏者から遠い位置に設け
られたスタンドパイプの下端部のねじ機構を回転させて
調整を行わなければならず、上記と同様に演奏中の上下
シシンバルの調整がやりにくいという問題があった。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本考案に係るハイハット
シンバルホルダーは、略筒状のホルダー本体の上部に下
シンバル支持部を介して支持された下シンバルと、前記
ホルダー本体の中心軸部に挿入されてこのホルダー本体
の上端から突出された支持ロッドに支持された上シンバ
ルとを有し、前記支持ロッドが上下に移動されることに
より、前記下シンバルと前記上シンバルとの間隔が調整
されるハイハットシンバルホルダーであって、前記ホル
ダー本体の内部における支持ロッドの下端部には、外周
にねじ部が形成された調整ねじ部材が、支持ロッドと軸
線を一致させた状態で連結され、前記ホルダー本体の中
間部には、このホルダー本体に挿入された前記支持ロッ
ドの前記調整ねじ部材と螺合するねじ部が形成されて自
身の回動により前記調整ねじ部材を介して前記支持ロッ
ドを上下方向へ移動させる間隔調整部材が回動自在に配
設され、前記支持ロッドの下方側には、前記支持ロッド
の下端部に配設されたブッシュを介してこの支持ロッド
を上方へ向けて押圧する付勢部材が設けられていること
を特徴とするものである。

【００１０】

【作用】本考案に係るハイハットシンバルホルダーによ
れば、演奏中に上シンバルと下シンバルとの間隔を調整
する場合には、下シンバル支持部の中間部に設けられて
いる間隔調整部材を回動させることにより、この間隔調
整部材のねじ部と螺合している調節ねじ部材及び調節ね
じ部材と連結する支持ロッドが上方若しくは下方へ移動
する。従って、上シシンバルと下シシンバルとの間隔の
調整作業が極めて容易に行える。

【００１１】また、一方の手でステイック打ちを行って
いても、他方の手で間隔調整部材を回動させることがで
きるので、ステイック打ちの演奏の邪魔とならず、演奏
者からも近い位置で容易に調整作業が行える。

【００１２】

【作用】本考案に係るハイハットシンバルホルダーによ
れば、演奏中に上シンバルと下シンバルとの間隔を調整
する場合には、下シンバル支持部の下方におけるホルダ
ー本体の中間部に設けられている間隔調整部材を回動さ
せることにより、この間隔調整部材のねじ部と螺合して
いる調整ねじ部材及び調整ねじ部材と連結する支持ロッ
ドが上方若しくは下方へ移動する。従って、上シンバル
と下シンバルとの間隔の調整作業が極めて容易に行え
る。

【００１３】

【実施例】本考案のハイハットシンバルホルダーの実施
例について、図１及び図２を参照して説明する。

【００１４】図中符号１は、エクステンションロッド
(支持ロッド)である。この支持ロッド１は、上シンバル
２を上下方向からフェルトワッシャー３等で挾持し、上
方から締付けねじ４を締付けることにより上シンバルを
上部で支持している。そして、この支持ロッド１は、図
２に示すように、軸心に連結穴５が穿設されている略円
柱状のブッシュ６に、前記連結穴５に支持ロッド１の下
端部が螺着されて連結されている。また、ブッシュ６の
径方向にはねじ穴７が形成され、このねじ穴７に、止め
ねじ８が支持ロッド１の外周に当接した状態でねじ込ま
れている。

【００１５】さらに、ブッシュ６の下部には、外周にお
ねじ部９が形成された筒状の調節ねじ管(調節ねじ部材)
１０が、支持ロッド１と軸線を一致させた状態で圧入さ
れて連結されている。そして支持ロッド１は、ホルダー
本体１１の内部に調節ねじ管１０を位置させ、かつホル
ダー本体１１の上部に設けられている下シンバル支持部
１２の軸心上を通過してさらに上方に延出した状態で配
設されている。

【００１６】ホルダー本体１１は、略筒状をなし、上部
に下シンバル１３を支持する下シンバル支持部１２を配
設するとともに、下部にスプリング(付勢部材)１４を内
蔵したスプリングホルダー１５が配設されたものであ
る。そして、ホルダー本体１１の前面側にはカバー１６
が複数のボルト１７により固定されている。

【００１７】前記下シンバル支持部１２は、ホルダー本
体１１の上部に形成された嵌合穴１８に挿入された筒状
のポスト１９と、このポスト１９の上部に設けられてい
るシンバル受け皿２０とからなるもので、シンバル受け
皿２０にシンバル受けファイバー２１、フェルトワッシ
ャー２２を配設し、その上に下シンバル１３を載置し
て、下シンバル１３の上方からアーム締付けナット２３
を締め付けることにより下シンバル１３を支持してい
る。

【００１８】また、ホルダー本体１１の中央部には、ロ
ータリーナット(間隔調整部材)２４が回転自在に配設さ
れている。このロータリーナット２４は、筒体２５の一
端側外周にリング状の回転部２６が固定されてなるもの
で、回転部２６の外周面には等間隔に凹凸部が形成され
ているとともに、筒体２５の内周面には前記調節ねじ管
１０のおねじ部９と螺合するめねじ部２７が形成されて
いる。そして、このロータリーナット２４のめねじ部２
７におねじ部９を螺合させた状態で調節ねじ管１０が配
設されている。また、前記リング状の回転部２６の一部
は、カバー１６に形成された長方形状の開口部２８から
外側へ突出した状態で配設されている。そして、図１に
示すように、回転部２６をＯＰＥＮ方向へ回転させるこ
とにより、筒体２５の外周がカバー本体１１の内周面を
摺動し、それにより筒体２５と螺合している調節ねじ管
１０が上方へ移動するようになっている。逆に、回転部
２６をＣＬＯＳＥ方向へ回転させることにより、筒体２
５の外周がカバー本体１１の内周面を摺動し、それによ
り筒体２５と螺合している調節ねじ管１０が下方へ移動
するようになっている。

【００１９】また、スプリングホルダー１５に内蔵され
たコイル状のスプリング(付勢部材)１４は、付勢された
状態で一端をブッシュ６の下面に当接させ、他端をスプ
リングホルダー１５の内部を閉塞するホルダーブッシュ
２９に当接させた状態で配設されている。これにより、
調節ねじ管１０及び支持ロッド１は、付勢されたスプリ
ング１４により常に上方に向けて押圧されている。

【００２０】さらに、カバー１６の上部には長溝３０が
形成されており、この長溝３０には、調整ねじ管１０の
周面に当接して回り止め機構とされるガイドスペーサー
３１が設けられている。

【００２１】なお、図中符号３２は、本考案のハイハッ
トシンバルホルダーを固定するスタンドである。

【００２２】上記構成からなるハイハットシンバルホル
ダーを使用して上シンバル２と下シンバル１３との間隔
の調整を行うには、ロータリーナット２４の回転部２６
をＯＰＥＮ方向へ回すと、ロータリーナット２４のめね
じ部２７とおねじ部９が螺合している調整ねじ管１０が
上方へ移動し、それにより支持ロッド１は上方へ移動し
て上シンバル２と下シンバル１３との間隔が徐々に拡大
し、最終的にはオープン状態になる。また逆に、ロータ
リーナット２４の回転部をＣＬＯＳＥ方向へ回すと、調
整ねじ管１０が下方へ移動し、それにより支持ロッド１
は下方へ移動して上シンバル２と下シンバル１３との間
隔が徐々に狭められていく。

【００２３】以上、述べたことから理解できるように、
演奏中に上シンバル２と下シンバル１３との間隔を調整
する場合には、下シンバル支持部１２の下部に設けられ
ているホルダー本体の１１のロータリーナット２４を片
手で回動させるだけで済むので、調整作業を極めて容易
に行うことができる。

【００２４】また、一方の手でステイック打ちを行って
いても、他方の手でロータリーナット２４を回動させる
ことができるので、ステイック打ちの演奏の邪魔となら
ず、演奏者からも近い位置で調整作業を行うことができ
る。

【００２５】また、支持ロッド１は、付勢されたスプリ
ング１４より常に上方に押し上げられた状態で配設さ
れ、この支持ロッド１と連結する調整ねじ管１０をロー
タリーナット２４の回転により上下方向へ移動させる構
造になっているので、上下シンバル２,１３の調整を高
精度に行うことができる。

【００２６】さらに、スプリング１４はスプリングホル
ダー１５に内蔵された構造になっているとともに、支持
ロッド１とスプリング１４とが、ブッシュ６を介して連
結されて上下シンバル２、３を叩くことにより生じた振
動が支持ロッド１に伝達されても、この支持ロッド１の
振動のスプリング１４への伝達が防止されるようになっ
ているので、スプリング１４が振動することによる共振
音等の雑音の発生を確実に防止することができる。

【００２７】

【考案の効果】以上説明したように、本考案のハイハッ
トシンバルホルダーによれば、略筒状のホルダー本体の
上部に下シンバル支持部を介して支持された下シンバル
と、前記ホルダー本体の中心軸部に挿入されてこのホル
ダー本体の上端から突出された支持ロッドに支持された
上シンバルとを有し、前記支持ロッドが上下に移動され
ることにより、前記下シンバルと前記上シンバルとの間
隔が調整されるハイハットシンバルホルダーであって、
前記ホルダー本体の内部における支持ロッドの下端部に
は、外周にねじ部が形成された調整ねじ部材が、支持ロ
ッドと軸線を一致させた状態で連結され、前記ホルダー
本体の中間部には、このホルダー本体に挿入された前記
支持ロッドの前記調整ねじ部材と螺合するねじ部が形成
されて自身の回動により前記調整ねじ部材を介して前記
支持ロッドを上下方向へ移動させる間隔調整部材が回動
自在に配設され、前記支持ロッドの下方側には、前記支
持ロッドの下端部に配設されたブッシュを介してこの支
持ロッドを上方へ向けて押圧する付勢部材が設けられて
いる構造になっており、演奏中に上シンバルと下シンバ
ルとの間隔を調整する場合には、下シンバル支持部の下
部におけるホルダー本体の中間部に設けられている間隔
調整部材を片手で回動させるだけで済むため、調整作業
を極めて容易に行うことができる。

【００２８】また、一方の手でステイック打ちを行って
いても、他方の手で間隔調整部材を回動させることがで
きるため、ステイック打ちの演奏の邪魔とならず、演奏
者からも近い位置で調整作業を行うことができる。

【００２９】さらに、支持ロッドは、付勢された付勢部
材により常に上方に押し上げられた状態で配設され、こ
の支持ロッドと連結した調整ねじ部材を間隔調整部材の
回動により上下に移動させる構造になっているため、上
下シンバルの調整を高精度に行うことができる。また、
支持ロッドと付勢部材とが、ブッシュを介して連結され
ているので、シンバルを叩くことにより生じた振動が支
持ロッドに伝達されても、この支持ロッドの振動の付勢
部材への伝達を防止することができ、これにより、付勢
部材が振動することによる共振音等の雑音の発生を確実
に防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の上下シシンバルが装着されたハイハッ
トシンバルホルダーを示す正面図である。

【図２】ハイハットシンバルホルダーの要部を示す図１
のIIーII矢視断面図である。

【符号の説明】

１ 支持ロッド ２ 上シンバル ９ 調整ねじ部材のねじ部(おねじ部) １０ 調整ねじ部材 １１ ホルダー本体 １２ 下シンバル支持部 １３ 下シンバル １４ 付勢部材(スプリング) ２４ 間隔調整部材(ロータリーナット) ２７ 間隔調整部材のねじ部(めねじ部)。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 略筒状のホルダー本体の上部に下シンバ
   ル支持部を介して支持された下シンバルと、前記ホルダ
   ー本体の中心軸部に挿入されてこのホルダー本体の上端
   から突出された支持ロッドに支持された上シンバルとを
   有し、前記支持ロッドが上下に移動されることにより、
   前記下シンバルと前記上シンバルとの間隔が調整される
   ハイハットシンバルホルダーであって、 前記ホルダー本体の内部における支持ロッドの下端部に
   は、外周にねじ部が形成された調整ねじ部材が、支持ロ
   ッドと軸線を一致させた状態で連結され、 前記ホルダー本体の中間部には、このホルダー本体に挿
   入された前記支持ロッドの前記調整ねじ部材と螺合する
   ねじ部が形成されて自身の回動により前記調整ねじ部材
   を介して前記支持ロッドを上下方向へ移動させる間隔調
   整部材が回動自在に配設され、 前記支持ロッドの下方側には、前記支持ロッドの下端部
   に配設されたブッシュを介してこの支持ロッドを上方へ
   向けて押圧する付勢部材が設けられている ことを特徴と
   するハイハットシンバルホルダー。