JP2548067C - - Google Patents

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JP2548067C
JP2548067C JP2548067C JP 2548067 C JP2548067 C JP 2548067C JP 2548067 C JP2548067 C JP 2548067C
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Aichi Steel Corp
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【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】 本発明は産業用車両の走行用、駆動用部品等に用いられる高靭性、高強度を有
し、かつ焼入れ性、被削性に優れた低合金鋼に関するものである。 【0002】 【従来技術】 産業用車両の走行用、駆動用部品としてトラツクリンク、クランクシャフト、
ステアリングナツクル等がある。例えば図2および図3に示す大型トラツクリン
ク1は最小断面が25mm以上の大断面を有するものであって、熱間鍛造によって
成形されたのち、切削加工により一対のブツシュ孔2が仕上げられ、この一対の
ブツシュ孔2にワツシャ3を介してブツシュ4を圧入し、かつブツシュ4にピン
5を挿入固定してチエン状をなし、ついでボルト6およびナツト7によってシュ
ー8に取付けるもので、トラツクリンクとシューとは一体的に回転し産業車両を
走行させるものである。 この車両用部品には走行時に高い曲げ応力、捩り、引張りおよび圧縮繰り返し
応力などの負荷が加わるものであって、このような走行用、駆動用部品に用いる
鋼に対して高い靭性と強度を有し、かつ大断面を有する前記部品の芯部まで焼入
れ組織とするため優れた焼入れ性を有していることが要求される。 また、産業用車両は−50℃以下の寒冷地においても作業をするものであるか
ら、極低温域においても前記特性があまり低下することがなく、特に低温靭性に
優れていることが要求される。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】 従来、前記のような特性が要求される産業用車両の走行用、駆動用部品に用い
る鋼として、SNCM431などのニツケル・クロム・モリブデン鋼が使用され
ているが、SNCM431はNiを1.8%含有することによって低温靭性につ
いては優れている反面、1.8%のNiを含有することによって熱間鍛造後の焼
きなましに長時間を要し、かつ、被削性が劣るとともに、多量のNiを含有する
ことによって高価な鋼となっていた。 また、SNCM431などの従来鋼は、焼入れに際してマルテンサイトを主体
とする組織となり、焼入れ時に大きな変態応力、熱応力が加わることによって焼
き割れが発生し易いので、従来は水焼入れを行うことができず、油焼入れを施し
ていた。しかし、油焼入れにおいては、焼入れ油の管理を十分に行わないと焼入
れ硬さがバラツクという欠点があり、例えば劣化した焼入れ油を使用して焼入れ を行うと、被焼入れ材の各部分において冷却速度が変化することによって、焼入
れ組織がマルテンサイトとベイナイトとが不均一に分布した組織となり、焼入れ
硬さにバラツキが生じるとともに、所望の硬さが得られないという問題があった
さらに、油焼入れにおいては十分な焼入れ硬さが得られないため、従来焼入れに
際して高温で焼入れを行い、かつ焼きもどしにおいては低温もどしを施さなけれ
ばならず、油焼入れ材は靭性が低いものとなり、従来トラツクリンクにおいては
、使用中にブッシュ孔付近に割れが発生するという問題があった。 【0005】 【課題を解決するための手段】 本発明は、従来鋼のSNCM431などのニツケル・クロム・モリブデン鋼に
比して、焼入れ硬さ、焼きもどし硬さは同等もしくはそれ以上の硬さを有し、引
張り強さ、靭性においては従来鋼より優れ水焼入れを可能とした高靭性低合金鋼
を提供するものである。 即ち、本発明者らの研究によれば、従来の含Ni鋼においては水焼入れを施し
た場合に焼き割れが発生するのは、該含Ni鋼はオーステナイト領域が広いため
、焼入れ時にほぼマルテンサイト一相の組織となることと、C量が高いことが相
俟って、水焼入れ時に大きな変態応力、熱応力が被焼入れ材に加わることによっ
て発生することを見出した。そこで本発明においては、変態応力を緩和するため
にマルテンサイトの析出を抑制し、焼入れ後の組織をマルテンサイトとベイナイ
トの混合組織とするため、Niの含有を不純物量程度に止め、Moを必要量含有
させることによって水焼入れが可能な鋼としたものである。また本発明において
は、水焼入れが可能となったことによって十分な焼入れ硬さが得られ、従来鋼に
比べて低い温度で焼入れができ、かつ高温で焼きもどしができるため、水焼入れ
を施した従来鋼に比して優れた靭性を有する鋼を提供することができる。さらに
本発明によれば、必要に応じて適量のV、Nbを1種または両方含有せしめるこ
とにより強度と靭性をさらに向上させ、またS、Pbを1種又は両方含有せしめ
ることにより、鋼の被削性をも向上させることができる等、高靭性、高強度を有
し、かつ優れた焼入れ性、被削性を有する産業用車両の走行用、駆動用部品に適
した高靭性低合金鋼を提供するものである。 【0006】 請求項1に記載の第1発明鋼は、重量比にしてC:0.32〜0.40%,S
i:0.15〜0.65%,Mn:0.65〜1.20%, Cr:0.90〜
2.00%,Mo:0.36〜0.49%を含有し、残部Feならびに不純物元
素からなり、組織が焼もどしマルテンサイトと焼もどしベイナイトの混合組織か
らなり、水焼入れ時に焼き割れが無く、高靭性、高強度でかつ、優れた焼入れ性
を有するものである。また請求項2に記載の第2発明鋼は第1発明鋼の化学成分
のほかに、V:0.05〜0.30%、Nb:0.05〜0.30%のうち1種
または2種を含有し結晶粒を微細化することによって低温靭性をさらに向上させ
たものである。請求項3に記載の第3発明鋼は、第1発明鋼の化学成分のほかに
、S:0.035%以下,Pb0.15%以下のうち1種ないし2種を含有させ
ることによって被削性を改善したものである。 本発明鋼は上記各成分範囲の鋼に焼入れ、焼もどしを施すことによって焼もど
しマルテンサイトと焼もどしベイナイトの混合組織を得たものであって、従来鋼
のSNCM431の焼入れ焼もどし組織に比して同等またはそれ以上の強度を保
持しながら、より優れた靭性を有する組織である。 【0007】 【作用】 本発明鋼の成分の作用は次のとおりである。 Cは、0.32〜0.40%を含有させることにより、産業車両の走行用、駆
動用部品として鋼に要求される強度を確保する。 Siは、0.15〜0.65%を含有させることにより、製鋼中に、脱酸作用
を有するとともに、鋼の地質に固溶して素地の強度を向上し、さらに焼もどし軟
化抵抗を有する。 Mnは、0.65〜1.20%を含有することにより、製鋼中にSiと同様に
脱酸作用を有し、かつ鋼の焼入れ性を向上させる。 Crは、0.90〜2.0%を含有させることにより、Mnと同様に鋼の焼入
れ性を高め、かつ炭化物を形成して耐摩耗性を向上させる。 Moは、0.36〜0.49%を含有させることにより、本発明の鋼の変態応 力を緩和し、水焼入れを可能とする優れた焼入れ性と、靭性および焼もどし軟化
抵抗を高め、さらに微細な炭化物を生成して耐摩耗性を向上させる。 VおよびNbは、いずれか一方または両者をそれぞれ0.05〜0.30%含
有させることにより、鋼に、炭窒化物を生成するとともに結晶粒を微細化し、強
度と靭性を向上させる。 Sは、0.035%以下を含有させることにより、鋼中にMnSを生成して被
削性を改善する。Pbは、0.15%以下を含有させることにより、鋼中におい
て単独あるいは化合物を形成し、切削時に切欠き効果と、潤滑作用により切削抵
抗を減少させて工具寿命、切屑の破砕性を著しく改善する。 【0008】 【実施例】 本発明鋼は、重量比にしてC:0.32〜0.40%, Si:0.15〜
0.65%,Mn:0.65〜1.20%,Cr:0.90〜2.00%, M
o:0.36〜0.49%を含有し、残部Feならびに不純物元素からなり組織
が焼もどしマルテンサイトと焼もどしベイナイトの混合組織からなり、水焼入れ
時に焼き割れが無く、高靭性、高強度でかつ、優れた焼入れ性を有する高靭性低
合金鋼である。これにV:0.05〜0.30%,Nb:0.05〜0.30%
のうち1種または2種を含有し結晶粒を微細化することによって低温靭性をさら
に向上させたものであり、あるいはこれにS:0.035%以下、Pb:0.1
5%以下を含有させることによって被削性を改善したものである。 【0009】 本発明鋼の成分限定理由について説明する。 Cは、産業車両の走行用、駆動用部品として要求される強度を確保するに必要
な元素であって、所望の硬さを得るためには少くとも0.32%以上のCを含有
させる必要があり、下限を0.32%とした。しかし0.40%を超えて含有さ
せると靭性が低下するとともに熱処理によって歪が発生し易くなるので上限を0
.40%とした。 Siは、脱酸作用を有するとともに地質に固溶して素地の強度を向上し、さら
に焼きもどし軟化抵抗を有する元素であって、これらの効果を得るには0.15 %以上含有させる必要があり下限を0.15とした。しかし必要以上のSiを含
有させると被削性が損なわれるので上限を0.65%とした。 MnはSiと同様に脱酸剤として用いられ、かつ焼入れ性を向上させる元素で
あって、大型トラツクリンクのような大断面を有する走行用部品においても芯部
まで焼入れ組織とするためには0.65%以上含有させる必要があり、下限を0
.65%とした。しかし必要以上に含有させると水焼入れにおいて割れが発生し
易くなるので、上限を1.20%とした。 Crは、Mnと同様に焼入れ性を高め、かつ炭化物を形成して耐摩耗性を向上
させる元素であって、走行用部品として必要な焼入れ性と耐摩耗性を得るには、
0.90%以上含有させる必要があり、下限を0.90%とした。しかし多く含
有させると炭化物が粗大化し、かつ硬い炭化物が生成し、かえって焼入れ性と耐
摩耗性を損なうので、上限を2.0%とした。 【0010】 Moは、本発明鋼の変態応力を緩和し、水焼入れを可能とする優れた焼入れ性
と、靭性および焼もどし軟化抵抗を高め、さらに微細な炭化物を生成して耐摩耗
性を向上させる、本発明においては最も重要な元素であって、これらの効果を得
るには少くとも0.36%以上含有させる必要があり、下限を0.36%とした しかし必要以上に多く含有させるとベイナイトノーズが後退し、水焼入れ時に
焼き割れが発生し易くなり、かつMoは高価な元素であるので、上限を0.49
%とした。 VおよびNbは、炭窒化物を生成するとともに結晶粒を微細化し、強度と靭性
を向上させる元素であって、これらの効果を得るには0.05%以上含有させる
必要があり下限を0.05%とした。しかしVおよびNbはともに0.30%を
超えて含有させても効果の向上が小さいので、上限を0.30%とした。 Sは、MnSを生成して被削性を改善する元素であって、Pbは、鋼中におい
て単独あるいは化合物を形成し、切削時に切欠き効果と、潤滑作用により切削抵
抗を減少させて工具寿命、切屑の破砕性を著しく改善する元素である。しかし、
SおよびPbは、その含有量が多くなると機械的性質を損なうものであるから、
Sは0.035%、Pb:0.15%とその上限を規制した。 【0011】 表1は、本発明による高靭性低合金鋼の実施例の化学成分を、対比した比較鋼
の化学成分とともに記載した表であって、供試鋼の鋼は前記第1発明鋼、
は前記第2発明鋼、C鋼、D鋼は前記第3発明鋼であり、比較鋼のうち、W鋼は
SNCM431に基く鋼、Xは本発明鋼に比較し、Moの含有量の低いSCM4
30に基く鋼、Y鋼は本発明におけるCおよびMo含有量の下限以下の量のC、
Moを添加した比較鋼、Z鋼は本発明におけるMn、Moの含有量の下限以下の
量のMn、Moを添加した比較鋼である。なお、本発明鋼のA〜鋼および比較
鋼のX〜Z鋼の欄に記載のNi量は、通常電気炉溶解において不純物として含有
されるNi量を示したものである。 また本発明中A鋼、B鋼およびC鋼と比較鋼のW〜Z鋼の欄に記載のS量も同
様に電気炉溶解において不純物として含有されるS量である。 【0012】 【表1】 【0013】 上記表1に記載の化学成分を有する鋼を鋳造後、圧延比50以上で直径50mm
に熱間圧延を施して供試鋼とし、これに焼入れ、焼もどし処理を行い、焼入れ時
焼もどし時の硬さ、引張り強さ、伸び、絞り、シャルピー衝撃値などの機械的性
質を測定した。その結果を表2に示す。なお焼入れ、焼もどし温度は、比較鋼中
従来鋼であるW鋼については、従来技術に基いて880℃に加熱して油焼入れを
行い、次いで480℃で焼もどし処理を行い、本発明鋼および残りの比較鋼につ
いては、850℃に加熱して水焼入れを行い、次いで560℃で焼もどし処理を
行った。なお、本発明の焼入れ焼きもどし後の組織は、全て焼もどしマルテンサ
イトと焼もどしベイナイトの混合組織であった。ここで本発明鋼および比較鋼中
のX鋼、Y鋼およびZ鋼の焼入れ時の冷却速度は29℃/sec、W鋼の焼入れ時
の冷却速度は、5℃/secであった。また引張り強さ、伸び、絞りについては、
JIS4号試験片を用いて測定し、衝撃値はJIS3号試験片を用いて測定した
【0014】 【表2】 【0015】 表2から明らかなように、本発明鋼は、焼入れ硬さがHB475〜495、焼
もどし硬さがHB363〜377の範囲内に、引張り強さが115〜124kg・
f/mm2の範囲内に、伸びが12.4〜15.8の範囲内に、絞りが41.9
46.3の範囲内に、シャルピー衝撃値が7.7〜10.1kg・f−m/cm2
範囲内にあるのに対し、従来鋼のW鋼(SNCM431)は880℃で焼入れ、
480℃で焼もどしという高温焼入れ、低温焼もどしを施した結果、焼入れ硬さ
はHB485、焼もどし硬さはHB370であり、引張り強さは119kg・f/
mm2と強度については優れているが、シャルピー衝撃値については6.9kg・f
−m/cm2と靭性については低い。 また、比較鋼中の従来鋼であるX鋼(SCM430)およびその他の比較鋼で
あるY鋼およびZ鋼は850℃で水焼入れ、560℃で焼もどしを施した結果焼
入れ硬さはHB385〜446、焼もどし硬さHB297〜342とW鋼に比べ
て低く、かつ、引張り強さについても72〜101kg・f/mm2とW鋼に比べて
低く、前記W鋼や本発明鋼に比べて強度についても劣っている。 前記の従来鋼、比較鋼に対して本発明鋼であるA〜鋼はいずれも850℃と
いう低い温度で水焼入れし、かつ560℃という高い温度で焼もどしを施しても
焼入れ硬さはHB475〜495、焼もどし硬さはHB363〜377と、1.
8%ものNiを含有する従来鋼であるW鋼と同等もしくはそれ以上の硬さを有す
るものであり、かつ引張り強さについても115〜124kg・f/mm2とW鋼以
上の優れた強度を有するものである。されに本発明鋼は高温もどしを施したこと
によりシャルピー衝撃値が7.7〜10.1kg・f−m/cm2と靭性についても
W鋼に比べて大幅に優れており、本発明鋼は高強度と高靭性を有するものである
ということができる。 【0016】 【表3】 【0017】 表3は、表1に示した供試鋼の焼入れ性について測定をした結果を示す。これ
らの測定値は前記熱間圧延片からジョミニー試験片を作製し、焼入れ端から1. 5mm、3mm、5mm、8mm、11mm、13mm、15mm、25mmの各距離の部分の硬
さを測定したものである。 表3から明らかなように、従来鋼であるX鋼および比較鋼であるY鋼、Z鋼が
従来鋼Wに比して焼入れ硬さが低いのに対して、本発明鋼であるA〜鋼はW鋼
と同等あるいはそれ以上の硬さを有することが明らかであり、本発明鋼は焼入れ
性についても優れていることがわかる。 次に図1に本発明鋼中のA鋼の低温靭性を、従来鋼のW鋼とともに測定した結
果を比較して示す。低温靭性はJIS4号試験片を作製し、20℃〜−80℃の
低温域での供試鋼のシャルピー衝撃値を測定したものである。 図1から明らかなように、従来鋼であるW鋼の−40℃におけるシャルピー衝
撃値が5.2kg・f−m/cm2であるのに対し、本発明鋼であるA鋼7.3kg
・f−m/cm2であって、W鋼に比して大幅に高くなっており、本発明鋼は低温
靭性についても優れていることがわかる。 【0018】 次に本発明鋼の被削性を、A鋼、C鋼、D鋼につき、従来鋼であるW鋼の被削
性と対比する。この対比試験は、前記各供試鋼について焼入れ、焼もどし処理を
施したものから、直径40mm、長さ10mmの素材を用意し、これに定盤上に固定
し、直径5mm、のSKH9ストレートドリルを用いて、回転数1140rpm、
推力30kg(重錘自由落下法)により、ドリル穿孔性を測定したものである。な
お表4には従来鋼であるW鋼のドリル穿孔性を100とした指数で示した。 【0019】 【表4】 【0020】 表4により明らかなように、本発明鋼はいずれも従来鋼であるW鋼に比して優
れた被削性を有しており、特に快削性元素であるS、Pbを含有せしめたC鋼お
よびD鋼は、W鋼に比して大幅に被削性を改善したものとなっている。 【0021】 【発明の効果】 本発明は産業車両の走行用、駆動用部品等に用いられる高靭性低合金鋼におい て、Cを、要求強度を確保するため、および靭性を低下させずかつ熱処理による
歪の発生を阻止する範囲の0.32〜0.40%、Siを、素地の強度を向上し
かつ焼もどし軟化抵抗を有せしめるため、および被削性を損なわない範囲の0.
15〜0.65%、Mnを、大断面を有する鍛造部品の芯部まで焼入れ組織とす
るため、および焼入れにあたり割れの発生を阻止する範囲の0.65〜1.20
%、Crを、大断面を有する鍛造部品の焼入れ性を得るとともに微細な炭化物を
形成して耐摩耗性を得るため、および前記炭化物を粗大化せしめない範囲の0.
90〜2.0%を含有させるとともに、Moを、変態応力を緩和し、水焼入れを
可能とする焼入れ性と、靭性および焼もどし軟化抵抗を高め、さらに微細な炭化
物を生成して耐摩耗性を向上するため、およびベイナイトノーズが後退して水焼
入れ時に焼き割れが発生しない範囲の0.36〜0.49%を含有させ、高い量
のCの存在下において水焼入れ時に大きな変態応力、熱応力を被焼入れ材に加え
るNiを積極的に添加することなく、不純物量程度に止めたことにより、焼入れ
時の変態応力を緩和させて水焼入れを可能としたものであって、従来産業車両の
走行用、駆動用部品に用いられていたSNCM431に比して低い810〜88
0℃の温度に加熱し、この温度から水焼入れ等によって冷却速度25℃/sec
上で焼入れし、次いで540〜580℃という高い温度で焼もどしを行っても、
従来鋼と同等もしくはそれ以上の硬さおよび機械的性質を有し、靭性については
大幅に優れているという効果を有する。 【0022】 これに対し、比較鋼中のX鋼、およびY,Z鋼は、Niを不純物量程度しか含
有しないが、本発明鋼に比較してMo含有量が低く、さらにY鋼はC含有量、Z
鋼はMo含有量が低く、その結果、SNCM431であるW鋼に比較して、強度
、硬さが著しく劣っている 従って、本発明鋼は、従来鋼であるSNCM431
と同等以上の強度を確保しつつ、より優れた靭性を有する鋼であるといえる。 また本発明においては、さらに、V:0.05〜0.30%,Nb:0.05
〜0.30%の1種または2種を含有せしめることにより、炭窒化物を生成させ
るとともに結晶粒を微細化させ、これにより低温靭性をさらに向上せしめること
ができ、あるいはS:0.035%以下、Pb:0.15%以下のうちの1種又 は2種を含有せしめることにより、切削時の切欠き効果と潤滑作用により切削抵
抗を減少させ、被削性を向上させることができる。 さらに本発明鋼の焼もどしマルテンサイトと焼もどしベイナイトの混合組織は
、C、Si、Mn、Cr、Moを前記所定の量含有する鋼を溶製後成形して、例
えば電気炉等の熱処理炉により810〜880℃に加熱し、水焼入れ等の手段に
より25℃/sec 以上の冷却速度で焼入れすることによりマルテンサイトとベイ
ナイトの混合組織が得られ、その後540〜560℃で焼もどしを施すことによ
り得られる組織であって、従来鋼であるSNCM431の場合のように、焼入れ
焼もどしを施した組織がマルテンサイトの一相組織ではないので、本発明鋼は優
れた靭性を有するとともに、マルテンサイトの析出が抑制されているため変態応
力が緩和されて焼割れの発生が少くされている鋼である。
Description: BACKGROUND OF THE INVENTION 1. Field of the Invention The present invention has high toughness, high strength, hardenability and machinability used for parts for driving and driving industrial vehicles. It relates to a low-alloy steel having excellent properties. [0002] Track links, crankshafts, and other parts for driving and driving industrial vehicles.
There are steering nuts and the like. For example, the large truck link 1 shown in FIGS. 2 and 3 has a large cross section with a minimum cross section of 25 mm or more. After being formed by hot forging, a pair of bush holes 2 are finished by cutting. A bush 4 is press-fitted into a pair of bush holes 2 via a washer 3 and a pin 5 is inserted and fixed in the bush 4 to form a chain, and then attached to a shoe 8 with bolts 6 and nuts 7. The shoe rotates integrally to run the industrial vehicle. These parts for vehicles are subjected to loads such as high bending stress, torsional, tensile and compressive stresses during running, and have high toughness and strength to steel used for such running and driving parts. In addition, in order to obtain a hardened structure up to the core of the component having a large cross section, it is required to have excellent hardenability. Further, since the industrial vehicle works even in a cold region of −50 ° C. or lower, it is required that the above-mentioned properties do not decrease so much even in an extremely low temperature region, and that the material be particularly excellent in low-temperature toughness. . [0004] Conventionally, nickel chromium-molybdenum steel such as SNCM431 has been used as a steel for running and driving parts of industrial vehicles requiring the above characteristics. Although SNCM431 contains 1.8% Ni, it is excellent in low-temperature toughness. On the other hand, since it contains 1.8% Ni, it takes a long time for annealing after hot forging, and In addition, the machinability is inferior and the steel contains a large amount of Ni, resulting in expensive steel. Further, conventional steels such as SNCM431 have a structure mainly composed of martensite during quenching, and quenching cracks are easily generated by applying a large transformation stress and thermal stress at the time of quenching. Had been oil quenched. However, oil quenching has the disadvantage that quenching hardness varies if quenching oil is not adequately managed.For example, when quenching is performed using deteriorated quenching oil, the cooling rate in each part of the material to be quenched is reduced. Is changed, the quenched structure becomes a structure in which martensite and bainite are unevenly distributed, and the quenching hardness varies, and there is a problem that a desired hardness cannot be obtained. Since quenching hardness cannot be obtained, conventional quenching requires quenching at high temperature and tempering at low temperature.The oil quenched material has low toughness. However, there has been a problem that cracks occur near the bush hole during use. [0005] The present invention provides a quenching hardness and a tempering hardness equal to or higher than those of a nickel-chromium-molybdenum steel such as SNCM431, which is a conventional steel. An object of the present invention is to provide a high-toughness low-alloy steel which has superior tensile strength and toughness as compared with conventional steel and enables water quenching. That is, according to the study of the present inventors, in conventional Ni-containing steel, quenching cracking occurs when water quenching is performed, because the Ni-containing steel has a wide austenite region, and therefore, substantially hardened martensite during quenching. It has been found that a combination of a single-phase structure and a high C content causes a large transformation stress and thermal stress to be applied to the material to be quenched during water quenching. Therefore, in the present invention, in order to reduce the transformation stress, the precipitation of martensite is suppressed, and the structure after quenching is a mixed structure of martensite and bainite. It is a steel which can be water-quenched by being contained in an amount. In addition, in the present invention, sufficient quenching hardness is obtained by enabling water quenching, and quenching can be performed at a lower temperature than conventional steel, and can be tempered at a high temperature. A steel having excellent toughness compared to conventional steel can be provided. Further, according to the present invention, the strength and toughness are further improved by including an appropriate amount of one or both of V and Nb as needed, and the steel coating is further improved by including one or both of S and Pb. High toughness, high strength, high hardenability, excellent hardenability, machinability, etc. To provide. [0006] The first invention steel according to claim 1 has a weight ratio of C: 0.32 to 0.40%, S
i: 0.15 to 0.65%, Mn: 0.65 to 1.20%, Cr: 0.90
2.00%, Mo: containing 0.36 to 0.49%, and the balance Fe and impurity elements, organization Ri is Do from mixed structure of martensite and tempered bainite tempering, cracking baked during water quenching No toughness, high strength and excellent hardenability
It has . The second invention steel according to claim 2 is one or more of V: 0.05 to 0.30% and Nb: 0.05 to 0.30% in addition to the chemical composition of the first invention steel. The low-temperature toughness is further improved by containing seeds and refining the crystal grains. The third invention steel according to the third aspect is characterized in that, in addition to the chemical composition of the first invention steel, one or two of S: 0.035% or less and Pb 0.15% or less are contained to cut the steel. It is an improvement in the performance. The steel of the present invention has a mixed structure of tempered martensite and tempered bainite by quenching and tempering the steel of each component range described above, and is compared with the quenched and tempered structure of SNCM431 of the conventional steel. This is a structure having better toughness while maintaining the same or higher strength. The operation of the components of the steel of the present invention is as follows. By ensuring that C contains 0.32 to 0.40%, the strength required for steel as a part for driving and driving industrial vehicles is secured. By containing 0.15 to 0.65% of Si, the steel has a deoxidizing effect during steel making, improves the strength of the base by being solid-dissolved in the geology of the steel, and has a tempering softening resistance. . When Mn contains 0.65 to 1.20%, it has a deoxidizing effect in the same way as Si during steelmaking, and improves the hardenability of the steel. By adding 0.90 to 2.0% of Cr, the hardenability of steel is increased as in Mn, and a carbide is formed to improve wear resistance. By containing 0.36 to 0.49 % of Mo, the transformation stress of the steel of the present invention is relaxed, excellent hardenability enabling water quenching, and toughness and tempering softening resistance are increased. Generates fine carbides to improve wear resistance. By containing one or both of V and Nb in an amount of 0.05 to 0.30%, carbon and nitride are formed in the steel, the crystal grains are refined, and the strength and toughness are improved. By containing 0.035% or less of S, MnS is generated in steel to improve machinability. By containing 0.15% or less of Pb, it forms a single compound or a compound in steel. Notch effect during cutting and cutting resistance is reduced by lubrication to significantly improve tool life and chip crushability. I do. The steel of the present invention has a weight ratio of C: 0.32 to 0.40%, Si: 0.15 to
0.65%, Mn: 0.65 to 1.20%, Cr: 0.90 to 2.00%, M
o: containing 0.36 to 0.49%, Ri Do the balance Fe as well as consists of the impurity element organization is tempered mixed structure of martensite and tempered bainite, water quenching
It is a high toughness low alloy steel with high toughness , high strength, and excellent hardenability , sometimes without quenching cracks . V: 0.05 to 0.30%, Nb: 0.05 to 0.30%
One or two of which are included to further improve the low-temperature toughness by refining the crystal grains, or S: 0.035% or less, Pb: 0.1
Machinability is improved by containing 5% or less. The reasons for limiting the components of the steel of the present invention will be described. C is an element necessary to secure the strength required for parts for driving and driving industrial vehicles, and it is necessary to contain at least 0.32% or more of C in order to obtain a desired hardness. And the lower limit was set to 0.32%. However, when the content exceeds 0.40%, the toughness is reduced and strain is easily generated by heat treatment.
. 40%. Si is an element which has a deoxidizing effect and forms a solid solution in the geology to improve the strength of the base material and further has a resistance to tempering and softening. To obtain these effects, it is necessary to contain 0.15% or more. The lower limit was set to 0.15. However, if Si is contained more than necessary, the machinability is impaired, so the upper limit was made 0.65%. Mn is used as a deoxidizing agent similarly to Si, and is an element for improving hardenability. Even in a traveling part having a large cross section such as a large truck link, Mn is required to have a hardened structure up to the core. .65% or more.
. 65%. However, if it is contained more than necessary, cracks easily occur in water quenching, so the upper limit was made 1.20%. Cr is an element that enhances hardenability similarly to Mn and forms carbides to improve wear resistance.To obtain the hardenability and wear resistance required for traveling parts,
The content must be 0.90% or more, and the lower limit is set to 0.90%. However, when a large amount is contained, the carbides are coarsened and hard carbides are formed, which impairs hardenability and wear resistance. Therefore, the upper limit is set to 2.0%. [0010] Mo reduces the transformation stress of the steel of the present invention, enhances the hardenability that enables water quenching, increases the toughness and temper softening resistance, and further generates fine carbides to improve wear resistance. It is the most important element in the present invention. To obtain these effects, it is necessary to contain at least 0.36 % or more, and the lower limit is set to 0.36 %. bainite nose is retracted, cracking baked at the time of water quenching is likely to occur, and since Mo is an expensive element, the upper limit 0.49
%. V and Nb are elements that form carbonitrides, refine crystal grains, and improve strength and toughness. To obtain these effects, it is necessary to contain 0.05% or more, and the lower limit is set to 0.1%. 05%. However, if both V and Nb are contained in excess of 0.30%, the effect is not significantly improved, so the upper limit is set to 0.30%. S is an element that forms MnS to improve machinability, and Pb forms a single compound or forms a compound in steel, reduces notch effect during cutting, and reduces cutting resistance by lubricating action to reduce tool life. Is an element that significantly improves the friability of chips. But,
Since S and Pb impair the mechanical properties when the content thereof is large,
S regulated 0.035%, Pb: 0.15% and the upper limit. [0011] Table 1, the chemical component of the embodiment of a high toughness low alloy steel according to the present invention, there is provided a table described in conjunction with a chemical component of the comparative steel versus, A steel test steel is the first invention steel , B steel is the second invention steel, C steel, and D steel are the third invention steel. Of the comparative steels, W steel is a steel based on SNCM431, and X is Mo content as compared with the present invention steel. Low SCM4
The steel based on No. 30 and the Y steel are C and Mo in the present invention in an amount not more than the lower limit of the C and Mo contents.
The comparative steel and Z steel to which Mo is added are comparative steels to which Mn and Mo are added in amounts not more than the lower limits of the Mn and Mo contents in the present invention. The amounts of Ni described in the columns of the steels A to D of the steel of the present invention and the steels X to Z of the comparative steels indicate the amounts of Ni normally contained as impurities in the electric furnace melting. In the present invention, the amounts of S described in the columns of W to Z steels of the steels A, B, and C and the comparative steels are also the amounts of S contained as impurities in the electric furnace melting. [Table 1] After casting a steel having the chemical components shown in Table 1 above, the rolling ratio is 50 or more and the diameter is 50 mm.
Hot-rolled into a test steel, quenched and tempered, and measured for mechanical properties such as hardness, tensile strength, elongation, drawing, and Charpy impact value during quenching and tempering. . Table 2 shows the results. Note that the quenching and tempering temperatures of the conventional steel in the comparative steel, W steel, were heated to 880 ° C. based on the prior art to perform oil quenching, then tempered at 480 ° C., and the steel of the present invention and The remaining comparative steels were heated to 850 ° C. for water quenching, and then tempered at 560 ° C. The structures after quenching and tempering of the present invention were all mixed structures of tempered martensite and tempered bainite. Here, the cooling rate during quenching of the X steel, Y steel and Z steel in the steel of the present invention and the comparative steel was 29 ° C./sec , and the cooling rate during quenching of the W steel was 5 ° C./sec . For tensile strength, elongation, and drawing,
The measurement was performed using a JIS No. 4 test piece, and the impact value was measured using a JIS No. 3 test piece. As is apparent from Table 2, the steels of the present invention, quenching hardness HB475~ 495, within the tempering hardness is HB363~ 377, a tensile strength of 115 to 124 kg ·
f / mm 2 , elongation in the range of 12.4 to 15.8, and aperture of 41.9 to
While the Charpy impact value is within the range of 7.7 to 10.1 kg · fm / cm 2 within the range of 46.3, the conventional steel W (SNCM431) is quenched at 880 ° C.
As a result of high temperature quenching and low temperature tempering at 480 ° C., the quenching hardness was HB485, the tempering hardness was HB370, and the tensile strength was 119 kg · f /
mm 2 and excellent strength, but Charpy impact value is 6.9 kg · f
−m / cm 2 , low in toughness. Further, in the comparative steels, the conventional steel X steel (SCM430) and other comparative steels Y steel and Z steel were water-quenched at 850 ° C. and tempered at 560 ° C., and the quenching hardness was HB385 to 446. Temper hardness HB 297-342, lower than W steel, and tensile strength is also 72-101 kg · f / mm 2 , lower than W steel, and strength as compared with W steel and the present invention steel. Is also inferior. In contrast to the conventional steel and the comparative steel, the steels A to D, which are the steels of the present invention, are all water-quenched at a temperature as low as 850 ° C., and have a quenching hardness of HB475 even when tempered at a temperature as high as 560 ° C. 95 495 , and the temper hardness was HB 363 to 377 .
It has hardness equal to or higher than W steel, which is a conventional steel containing as much as 8% Ni, and has an excellent tensile strength of 115 to 124 kg · f / mm 2, which is superior to W steel. It has. In addition, the steel of the present invention has a Charpy impact value of 7.7 to 10.1 kg · fm / cm 2 , which is significantly superior to that of the W steel, as a result of being subjected to high-temperature tempering. It can be said that it has high strength and high toughness. [Table 3] Table 3 shows the results of measuring the hardenability of the test steels shown in Table 1. These measurement values were obtained by preparing a Jominy test specimen from the hot-rolled specimen, and measuring 1. The hardness was measured at each distance of 5 mm, 3 mm, 5 mm, 8 mm, 11 mm, 13 mm, 15 mm, and 25 mm. As is clear from Table 3, the conventional steels X and the comparative steels Y and Z have lower quenching hardness than the conventional steel W, whereas the steels A to D according to the present invention. It is clear that the steel has a hardness equal to or higher than that of the W steel, indicating that the steel of the present invention is also excellent in hardenability. Next, FIG. 1 shows a comparison of the low-temperature toughness of the steel A in the steel of the present invention together with the result of measurement together with the conventional steel W. The low temperature toughness is obtained by preparing a JIS No. 4 test piece and measuring the Charpy impact value of the test steel in a low temperature range of 20 ° C to -80 ° C. As is clear from FIG. 1, the Charpy impact value at −40 ° C. of the conventional steel W is 5.2 kg · fm / cm 2 , whereas the steel A of the present invention is 7.3. kg
-Fm / cm 2 , which is much higher than that of W steel, indicating that the steel of the present invention is also excellent in low-temperature toughness. Next, the machinability of the steel of the present invention is compared with the machinability of the conventional steel W for the steels A, C and D. In this comparison test, a SKH9 straight drill having a diameter of 5 mm was prepared by preparing a material having a diameter of 40 mm and a length of 10 mm from each of the test steels that had been quenched and tempered, and fixed on a platen. , The rotational speed is 1140 rpm,
The drill piercing property was measured by a thrust of 30 kg (free weight drop method). In Table 4, an index is shown with the drilling pierceability of W steel, which is a conventional steel, as 100. [Table 4] As is clear from Table 4, all of the steels of the present invention have excellent machinability as compared with the conventional steel W, and particularly contain the free-cutting elements S and Pb. C steel
The steels D and D have significantly improved machinability as compared with the steel W. According to the present invention, in a high-toughness low alloy steel used for running and driving parts of industrial vehicles, C is used to secure required strength, and to reduce the toughness by heat treatment. Si is added in an amount of 0.32 to 0.40% in a range where the generation of strain is prevented, and in a range in which Si is improved in order to improve the strength of the base material, to have a softening resistance by tempering, and not to impair the machinability.
15 to 0.65%, Mn is used to form a quenched structure up to the core of a forged part having a large cross section, and 0.65 to 1.20 in a range that prevents the occurrence of cracks during quenching.
%, Cr, in order to obtain hardenability of a forged part having a large cross section and to form fine carbides to obtain wear resistance, and to reduce the amount of Cr in the range not to coarsen the carbides.
In addition to containing 90 to 2.0%, Mo reduces the transformation stress, enhances the hardenability to enable water quenching, and enhances the toughness and tempering softening resistance. And 0.36 to 0.49 % of the range in which the bainite nose recedes and does not cause quenching cracks during water quenching. In the presence of a high amount of C, large transformation stress and heat Without adding Ni, which adds stress to the material to be quenched, actively, the amount of impurities was stopped to about the amount of impurities, thereby alleviating the transformation stress during quenching and enabling water quenching. 810-88 lower than SNCM431 used for running and driving parts
Heating to a temperature of 0 ° C., quenching at a cooling rate of 25 ° C./sec or more from this temperature by water quenching,
It has the same or higher hardness and mechanical properties as conventional steel, and has the effect of greatly improving toughness. On the other hand, the X steel and the Y and Z steels in the comparative steels contain Ni only in the amount of impurities, but have a lower Mo content than the steel of the present invention, and the Y steel has a C content. Quantity, Z
The steel has a low Mo content, and as a result, is significantly inferior in strength and hardness as compared with the W steel which is SNCM431. Therefore, the steel of the present invention is a conventional steel of SNCM431.
It can be said that the steel has more excellent toughness while securing strength equal to or higher than. Further, in the present invention, V: 0.05 to 0.30%, Nb: 0.05
By adding one or two kinds of 0.30.30%, carbonitrides can be formed and crystal grains can be refined, whereby the low-temperature toughness can be further improved, or S: 0.035% Hereinafter, by containing one or two of Pb: 0.15% or less, the cutting resistance can be reduced by the notch effect and the lubricating effect at the time of cutting, and the machinability can be improved. Further, the mixed structure of tempered martensite and tempered bainite of the steel of the present invention is obtained by melting and forming a steel containing C, Si, Mn, Cr, and Mo in the above-mentioned predetermined amount, and then forming, for example, a heat treatment furnace such as an electric furnace. To 810 to 880 ° C. by quenching at a cooling rate of 25 ° C./sec or more by means such as water quenching to obtain a mixed structure of martensite and bainite, and then tempering at 540 to 560 ° C. And the structure obtained by quenching and tempering is not a one-phase structure of martensite as in the case of the conventional steel SNCM431, so that the steel of the present invention has excellent toughness and This is a steel in which the transformation stress is relaxed because precipitation of is suppressed, and the occurrence of quenching cracking is reduced.

【図面の簡単な説明】 【図1】 本発明の実施例の鋼と比較鋼の低温靭性を示す試験温度とシャルピー衝撃値と
の関係の線図 【図2】 本発明鋼の用途として適したトラツクリンクの分解図 【図3】 トラツクリンクの組立図 【符号の説明】 1トラツクリンク 2ブツシュ孔 4ブツシュ 5ピン 8シュー
BRIEF DESCRIPTION OF THE DRAWINGS FIG. 1 is a diagram showing the relationship between the test temperature indicating the low-temperature toughness and the Charpy impact value of the steel of the example of the present invention and the comparative steel. FIG. Exploded view of track link [Fig. 3] Assembly view of track link [Explanation of reference numerals] 1 track link 2 bush hole 4 bush 5 pin 8 shoe

Claims (1)

【特許請求の範囲】 【請求項1】重量比にして、C:0.32〜0.40%,Si:0.15〜0
.65%,Mn:0.65〜1.20%,Cr:0.90〜2.00%,Mo:
0.36〜0.49%を含有し、残部Feならびに不純物元素からなり、組織が
焼もどしマルテンサイトと焼もどしベイナイトの混合組織からなり、水焼入れ時
に焼き割れが無く、高靭性、高強度でかつ、優れた焼入れ性を有することを特徴
とする高靭性低合金鋼。 【請求項2】重量比にして、C:0.32〜0.40%,Si:0.15〜0.
65%,Mn:0.65〜1.20%,Cr:0.90〜2.00%,Mo:
.36〜0.49%と、さらにV:0.05〜0.30%,Nb:0.05〜0
.30%のうち1種ないし2種を含有し、残部Feならびに不純物元素からなり
、組織が焼もどしマルテンサイトと焼もどしベイナイトの混合組織からなり、水
焼入れ時に焼き割れが無く、高靭性、高強度でかつ、優れた焼入れ性を有する
とを特徴とする高靭性低合金鋼。 【請求項3】重量比にして、C:0.32〜0.40%,Si:0.15〜0.
65%,Mn:0.65〜1.20%,Cr:0.90〜2.00%,Mo:
.36〜0.49%と、さらにS:0.035%以下、Pb:0.15%以下の
うち1種ないし2種を含有し、残部Feならびに不純物元素からなり、組織が焼
もどしマルテンサイトと焼もどしベイナイトの混合組織からなり、水焼入れ時に
焼き割れが無く、高靭性、高強度でかつ、優れた焼入れ性を有することを特徴と
する高靭性低合金鋼。
Claims: C: 0.32 to 0.40%, Si: 0.15 to 0 by weight ratio
. 65%, Mn: 0.65 to 1.20%, Cr: 0.90 to 2.00%, Mo:
Containing 0.36 to 0.49%, and the balance Fe and impurity elements, Ri organization Do a mixed structure of martensite and tempered bainite tempering, during water quenching
High toughness, low alloy steel characterized by high toughness , high strength and excellent hardenability without quenching cracks . 2. C: 0.32 to 0.40%, Si: 0.15 to 0.
65%, Mn: 0.65 to 1.20%, Cr: 0.90 to 2.00%, Mo: 0
. 36 to 0.49 %, V: 0.05 to 0.30%, Nb: 0.05 to 0%
. It one free of 30% and contains two, and the balance Fe and impurity elements, Ri organization Do a mixed structure of martensite and tempered bainite tempering, water
A high toughness low alloy steel characterized by being free from quenching during quenching, having high toughness, high strength, and excellent hardenability . 3. A weight ratio of C: 0.32 to 0.40% and Si: 0.15 to 0.
65%, Mn: 0.65 to 1.20%, Cr: 0.90 to 2.00%, Mo: 0
. 36 to 0.49 %, one or more of S: 0.035% or less and Pb: 0.15% or less, the balance being Fe and impurity elements, and the structure is tempered martensite. Ri Do from mixed structure of tempered bainite, during water quenching
A high toughness low alloy steel characterized by high toughness , high strength and excellent hardenability without quenching cracks .

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