JP2546439C - - Google Patents
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Description
【発明の詳細な説明】
技術分野
この発明は,超音波ポンプによって液容器内の液体を揚液し,多数の微小孔が
形成されたメッシュ板を通して噴霧する超音波霧化装置,超音波霧化装置の応用
例の一つである超音波式吸入器およびその動作制御方法に関する。 背景技術 この種の超音波霧化装置として実開昭3−15674号公報に記載のものが知られ
ている。この文献に記載の霧化装置はメッシュ板として,微小孔がその一面から
他面に向ってテーパ状に拡開しているものを用いている点に特徴がある。微小孔
の径の大きい開口をもつ面が超音波ポンプのポンプ軸上端面に対面するように,
かつメッシュ板とポンプ軸上端面との間に微小間隙が生じるようにメッシュ板が
配置される。 超音波霧化装置においては超音波ポンプによる揚液量とメッシュ板による霧化
量とのバランスをとることが重要である。上記の文献のようにポンプ軸上端面と メッシュ板との間に微小間隙があると,揚液量の方が霧化量よりも多くなりがち
である。霧化されない液体は上記間隙からポンプ軸上部(ホーン)に流下し,ホ
ーン部における超音波振動に対する負荷となり,噴霧動作の不安定性を引起し,
場合によってはその停止につながる。 また,噴霧されない液体が装置外に流れ出すとユーザの手指を汚すという問題
がある。装置の液密性の確保も重要な技術的課題である。 メッシュ板に形成される微小孔の数は噴霧量に直接に影響し,単位面積当りの
微小孔の数が多いほど噴霧量が増大する。しかしながら,微小孔の数を増大させ
るとメッシュ板自体の強度が低下する。強度があり,しかも微小孔の数を多くす
ることができるようにする工夫が要求される。 上述した文献に記載のメッシュ板では微小孔の開口径が両面で異なるので,メ
ッシュ板を霧化装置に取付けるときにはその面の向きも注意すべき重要な項目と
なる。 超音波霧化装置は上述したように超音波式吸入器に応用可能である。吸入器に
おいては安価な水,生理食塩水等よりも高価な薬液が使用されることが多い。し
たがって,一旦充填した薬液を一滴残らず使いきれるようにすることが経済上の
観点から重要である。 また吸入器においてはユーザは呼吸にあわせて吸入液の噴霧動作とその停止を
繰返すことが必要である。噴霧動作の制御は操作スイッチをユーザがオン,オフ
操作することにより達成されるが,とくに老人や子供の場合に操作スイッチをオ
ン,オフ操作するのは煩わしくまた困難であることが多い。ユーザの呼吸に合わ
せて自動的にかつ間欠的に噴霧が行なわれるようにすることが望まれている。 発明の開示 この発明の目的は,超音波霧化装置において,揚液量と噴霧量とのバランスを
保ち,効率的かつ安定な霧化が可能な構造を提供することにある。 この発明の目的はまた,メッシュ板の洗浄や交換を容易にすることにある。 この発明の他の目的は充分な強度をもつメッシュ板を提供することにある。 この発明のさらに他の目的はメッシュ板の微小孔の数を多くして噴霧量の増大
を図ることにある。 この発明のさらに他の目的はメッシュ板の検査を容易にすることにある。 さらにこの発明の目的は超音波ポンプのホーンの振動を制限することなく装置
の液密性を高めることにある。 さらにこの発明の目的は噴霧されない余剰液があったとしてもこれを外部に流
出させないような構造を提供することにある。 さらにこの発明の目的は充填された液体を効果的に利用できるようにすること
にある。 さらにこの発明の目的はユーザの呼吸にあわせた噴霧の自動断続動作が可能な
吸入器およびその制御方法を提供することにある。 この発明による超音波霧化装置は,軸方向に貫通して上端と下端とが開口した
揚液孔が形成されたポンプ軸と,このポンプ軸にその軸方向の中央付近において
取付けられた超音波振動子とから構成される超音波ポンプ,ポンプ軸の下端部が
その中に入り込む位置に設けられた液容器,ポンプ軸の上端面上に配置され,多
数の微小孔が形成されたメッシュ板,およびメッシュ板をポンプ軸上端面の方向
に付勢する押圧弾性部材を備えているものである。 超音波振動子の振動によりポンプ軸もその軸方向に振動して,液容器内の液体
がポンプ軸の揚液孔を通って揚液されていく。メッシュ板は弾性部材によってポ
ンプ軸上端面に押圧されているからメッシュ板もポンプ軸に追従して振動するこ
とになる。メッシュ板が振動することにより,それが弾性部材によって押圧され
ていることとあいまって,メッシュ板がポンブ軸の揚 液孔の上端開口を開閉する一種の弁として働く。弁が開いたときに揚液された液
体がメッシュ板に供給され,閉じたときに液体はメッシュ板を通して霧化され噴
霧される。揚液された量の液体が霧化されることになるので,揚液量と霧化量と
のバランスがうまくとれ,効率的で安定した噴霧動作が達成される。 メッシュ板は少くともポンプ軸の上端開口の付近でポンプ軸上端面に圧接すれ
ばよいから次のような構造とすることが好ましい。 好ましい一実施態様においては,ポンプ軸の上端面が,上記揚液孔の上端開口
の位置で最も高くなり周囲にいくほど低くなるようにわずかにかつ滑らかに湾曲
した形状に形成されている。 メッシュ板が上記ポンプ軸上端面よりも外方に延びた周縁で弾性部材によって
押圧される構成の場合には,メッシュ板はわずかに湾曲される。メッシュ板の湾
曲の程度がポンプ軸上端面の湾曲の程度よりも小さくなるように,ポンプ軸上端
面の曲率,弾性部材の弾性力およびメッシュ板の強さが定められる。 他の実施態様においては,ポンプ軸の上端面に,揚液孔の上端開口を含む領域
で突出した突部が形成される。 さらに他の実施態様においては,メッシュ板がその中央部が下方に向うように
わずかに湾曲また屈曲した 形状に形成される。 さらに他の実施態様においては,押圧弾性部材が圧縮コイルばねであって,メ
ッシュ板のポンプ軸上端面上の位置でメッシュ板を押圧するように,コイルばね
のコイル径がメッシュ板に近づくほど小さくなっている。 メッシュ板としては,上記文献に記載のように,微小孔がメッシュ板の上面か
ら下面に向うにしたがって拡開するように形成されているものを用いることが好
ましい。 メッシュ板における微小孔の密度を高める構成として,微小孔が,対角線の長
さが一定距離ずつ変化する多くの正六角形の辺に沿って等間隔で形成されている
ものが推奨される。 この発明はメッシュ板に関する他の改良も提案している。その一つは,微小孔
に囲まれた領域の中に微小孔の形成が欠如された小領域が存在するメッシュ板で
ある。メッシュ板には多数の微小孔があるからそのすべての検査を行うことは不
可能に近い。そこで微小孔が欠如された小領域を基準として検査すべき微小孔を
特定すれば常に同じ位置の微小孔の検査が可能となる。 他のメッシュ板は,ポンプ軸の揚液孔上端開口に対向する箇所に上端開口より
も広い範囲にわたって微小 孔の形成が欠如された領域が存在するものである。この構成により上述した弁作
用がより効果的に達成されることが期待される。 さらに他のメッシュ板は,その周縁において,メッシュ板の中心を中心として
点対称となる箇所以外の少くとも2箇所に大きさの異なる切欠きが形成されてい
るものである。 メッシュ板は次に述べるキャップの段部,その他の箇所に載置または取付けら
れる。キャップ等のメッシュ板支持部材に上記2つの切欠きに適合する突部を設
けておけば,メッシュ板の面方向を間違えることなくメッシュ板の装着が可能と
なる。これは上述したように,面によって微小孔の開口の大きさの異なるメッシ
ュ板に好都合である。 この発明による超音波霧化装置の他の好ましい実施態様においては,超音波ポ
ンプを支持し,液容器が着脱自在に取付けられるハウジング,およびハウジング
の一部に,ポンプ軸の上端部を覆うように着脱自在に取付けられるキャップがさ
らに設けられる。キャップの上面には噴霧口があけられ,かつ噴霧口の下方の位
置でメッシュ板をその周縁で支持する段部が形成され,キャップ上面の一部とメ
ッシュ板との間に押圧弾性部材が設けられる。 キャップをハウジングに装着すると,メッシュ板は 弾性部材によって押圧されてポンプ軸上端面に接触することになる。このように
して,メッシュ板の位置決めが容易に達成できる。また,メッシュ板はキャップ
に設けられているから,その洗浄または交換(キャップの交換も含む)が容易と
なる。 さらに他の実施態様においては,弾性部材による押圧力を均一にメッシュ板に
加えるために,メッシュ板の周縁部に環状板が設けられる,またはメッシュ板と
ポンプ軸の上端面との間にスペーサが設けられる。 この発明は強度の高いメッシュ板を提供している。このメッシュ板は,全体的
にみて2つの面を備えるとともに一方の面から他方の面に貫通する多数の微小孔
が形成されており,各微小孔が一方の面から他方の面に向って拡開しかつ上記一
方の面において隣接する微小孔間に溝ないしは窪みが形成されるように一枚の板
状体が微小孔の箇所ごとに連続して変形されてなるものである。 この発明はまた,超音波霧化装置における効果的なシール構造を提供している
。すなわち,この発明は,軸方向に貫通して上端と下端とが開口した揚液孔が形
成されたポンプ軸と,このポンプ軸にその軸方向の中央付近において取付けられ
た超音波振動子とから構成される超音波ポンプを備え,揚液孔の下端から液容器
内の液体を揚液し,揚液孔の上端から液体をメッシュ 板に供給して噴霧させる超音波霧化装置において,超音波ポンプのポンプ軸の上
端部および下端部を除く部分を液密に囲み保持するブッシュが設けられ,ブッシ
ュの上部の少なくとも上,下2箇所に,超音波振動子よりも上方に位置するポン
プ軸部分に液密に密接する環状シール・リップが一体的に形成され,上記少なく
とも上,下2箇所の環状シール・リップ間においてポンプ軸部分とブッシュとの
間に間隙が設けられていることを特徴とするものである。 上記環状シール・リップによってブッシュ内の超音波ポンプの液密性が確保さ
れる。また,ブッシュは振動の大きいポンプ軸上部(ホーン)に全面的に接触せ
ずシール・リップのみが部分的に密接しているだけであるからホーンの振動を減
衰させることがない。 この発明はさらに霧化されずに溢れた液体を溜めておく液溜部を備えた超音波
霧化装置を提供している。すなわち,この発明による超音波霧化装置は,軸方向
に貫通して上端と下端とが開口した揚液孔が形成されたポンプ軸と,このポンプ
軸にその軸方向の中央付近において取付けられた超音波振動子とから構成される
超音波ポンプ,ポンプ軸の下端部がその中に入り込む位置に設けられた液容器,
ポンプ軸の上端面上に配置され,多数の微小孔が形成されたメッシュ板,メッシ
ュ板をポンプ軸上端面の方向に付勢する押圧弾性部 材,超音波ポンプの上記ポンプ軸の上端部および下端部を除く部分を液密に囲み
保持するブッシュ,ブッシュが液密に嵌込まれたハウジング,およびハウジング
の上記ポンプ軸の上端部のまわりに形成された環状突壁に,ポンプ軸上端部を覆
うように着脱自在に取付けられるキャップを備え,ブッシュの上面を底面とし,
キャップまたは環状突壁の少なくとも一方を周壁とする液溜部が形成されている
ものである。 液溜部に流入した液体はポンプ軸にそってその振動により揚液され最終的に霧
化されることになる。したがって,液体が装置外部に溢れてユーザの手指等を汚
すことがなく,かつ液体が効果的に使用されることになる。 さらにこの発明は液容器の液体を余すところなく利用できる超音波霧化装置を
提供している。 この発明は,霧化すべき液体を収容する液容器,および下端が上記液容器内に
位置し,軸方向に貫通して上端と下端とが開口した揚液孔が形成されたポンプ軸
と,このポンプ軸に取付けられた超音波振動子とから構成される超音波ポンプを
備えた超音波霧化装置において,液容器内の残液が表面張力により上記ポンプ軸
の下端に付着して揚液されるように,ポンプ軸の下端が液容器の底面または側面
に近接して配置されていることを特徴とする。 好ましい実施態様においては,液容器内の残液が溜る窪みが液容器に形成され
,ポンプ軸の下端が窪みにのぞむように配置されている。 液容器内の液体の残量が少なくなっても液体は表面張力および超音波振動によ
ってポンプ軸の下端に付着しかつ揚液され,殆どすべての液体が噴霧のために使
用される。これは液体として高価な薬液が使用されたときに特に有効である。 最後にこの発明は,学習機能をもち,ユーザによる操作スイッチの操作の周期
にほぼ一致した周期で噴霧を自動的に断続する超音波式吸入器およびその制御方
法を提供している。 すなわち,この発明は軸方向に貫通する揚液孔が形成されたポンプ軸と,この
ポンプ軸に取付けられた超音波振動子とから構成される超音波ポンプを備え,液
体を超音波振動により上記ポンプ軸を通して揚液して噴霧する超音波式吸入器に
おいて,超音波ポンプの超音波振動子を駆動する駆動回路,操作スイッチ,操作
スイッチのオン,オフに応答して駆動回路による超音波振動子の駆動を制御する
第1の制御手段,ならびに操作スイッチが1回または複数回にわたってオン,オ
フされることに応答して,操作スイッチのオン時間およびオフ時間に基づいて自
動断続動作におけるオン時間およびオフ時間を決定し(たとえば平均値を算出す ることにより決定し),決定したオン時間およびオフ時間の周期で超音波振動子
が駆動されるように駆動回路を制御する第2の制御手段を備えたことを特徴とす
るものである。 この発明による吸入器の制御方法は,軸方向に貫通する揚液孔が形成されたポ
ンプ軸と,このポンプ軸に取付けられた超音波振動子とから構成される超音波ポ
ンプを備え,液体を超音波振動子による振動で上記ポンプ軸を通して揚液して噴
霧する超音波式吸入器において,操作スイッチがオンとされたときにオンとされ
ている時間の間超音波振動子を駆動するとともに,このオン時間を計時し,操作
スイッチがオフとされているときにオフとされている時間の間超音波振動子の駆
動を停止するとともに,このオフ時間を計時し,操作スイッチが所定回にわたっ
てオン,オフ操作された後に,操作スイッチの計時されたオン時間およびオフ時
間に基づいて自動断続動作におけるオン時間およびオフ時間を決定し,決定した
オン時間およびオフ時間の周期で超音波振動子を駆動するものである。 ユーザは自分の呼吸にあわせて操作スイッチを何回かオン,オフ操作すると,
このオン,オフの各時間が計時され,ユーザに適したオン,オフ時間が決定され
る。以後,自動断続動作モードに入り,決定されたオン,オフ時間の周期で噴霧
動作が断続されるので, ユーザはもはや操作スイッチを操作することなく吸入を行うことができる。 一実施態様においては,第2の制御手段は,操作スイッチのオン,オフ操作が
所要複数回にわたって繰返されたことに応答して自動断続動作を行うように起動
される。または,第2の制御手段は所要複数回目の操作スイッチのオン時間が第
1の所定時間以上であることを確認して自動断続動作に移行する。 他の実施態様では自動断続動作モード・スイッチがさらに設けられ,第2の制
御手段は自動断続動作モード・スイッチからの入力に応答して自動断続動作を行
うように起動される。 操作スイッチのオン時間が第2の所定時間以上であることに応答して,超音波
振動子を連続駆動するように駆動回路を制御する第3の制御手段がさらに設けら
れることが好ましい。これにより,ユーザが操作スイッチをもはや押さなくても
連続して噴霧が行なわれることになる。 さらに好ましくはユーザが常に操作スイッチを操作するマニュアル・モードが
設けられる。 この発明の他の特徴および利点は,図面を参照した実施例の説明において明ら
かになるであろう。
形成されたメッシュ板を通して噴霧する超音波霧化装置,超音波霧化装置の応用
例の一つである超音波式吸入器およびその動作制御方法に関する。 背景技術 この種の超音波霧化装置として実開昭3−15674号公報に記載のものが知られ
ている。この文献に記載の霧化装置はメッシュ板として,微小孔がその一面から
他面に向ってテーパ状に拡開しているものを用いている点に特徴がある。微小孔
の径の大きい開口をもつ面が超音波ポンプのポンプ軸上端面に対面するように,
かつメッシュ板とポンプ軸上端面との間に微小間隙が生じるようにメッシュ板が
配置される。 超音波霧化装置においては超音波ポンプによる揚液量とメッシュ板による霧化
量とのバランスをとることが重要である。上記の文献のようにポンプ軸上端面と メッシュ板との間に微小間隙があると,揚液量の方が霧化量よりも多くなりがち
である。霧化されない液体は上記間隙からポンプ軸上部(ホーン)に流下し,ホ
ーン部における超音波振動に対する負荷となり,噴霧動作の不安定性を引起し,
場合によってはその停止につながる。 また,噴霧されない液体が装置外に流れ出すとユーザの手指を汚すという問題
がある。装置の液密性の確保も重要な技術的課題である。 メッシュ板に形成される微小孔の数は噴霧量に直接に影響し,単位面積当りの
微小孔の数が多いほど噴霧量が増大する。しかしながら,微小孔の数を増大させ
るとメッシュ板自体の強度が低下する。強度があり,しかも微小孔の数を多くす
ることができるようにする工夫が要求される。 上述した文献に記載のメッシュ板では微小孔の開口径が両面で異なるので,メ
ッシュ板を霧化装置に取付けるときにはその面の向きも注意すべき重要な項目と
なる。 超音波霧化装置は上述したように超音波式吸入器に応用可能である。吸入器に
おいては安価な水,生理食塩水等よりも高価な薬液が使用されることが多い。し
たがって,一旦充填した薬液を一滴残らず使いきれるようにすることが経済上の
観点から重要である。 また吸入器においてはユーザは呼吸にあわせて吸入液の噴霧動作とその停止を
繰返すことが必要である。噴霧動作の制御は操作スイッチをユーザがオン,オフ
操作することにより達成されるが,とくに老人や子供の場合に操作スイッチをオ
ン,オフ操作するのは煩わしくまた困難であることが多い。ユーザの呼吸に合わ
せて自動的にかつ間欠的に噴霧が行なわれるようにすることが望まれている。 発明の開示 この発明の目的は,超音波霧化装置において,揚液量と噴霧量とのバランスを
保ち,効率的かつ安定な霧化が可能な構造を提供することにある。 この発明の目的はまた,メッシュ板の洗浄や交換を容易にすることにある。 この発明の他の目的は充分な強度をもつメッシュ板を提供することにある。 この発明のさらに他の目的はメッシュ板の微小孔の数を多くして噴霧量の増大
を図ることにある。 この発明のさらに他の目的はメッシュ板の検査を容易にすることにある。 さらにこの発明の目的は超音波ポンプのホーンの振動を制限することなく装置
の液密性を高めることにある。 さらにこの発明の目的は噴霧されない余剰液があったとしてもこれを外部に流
出させないような構造を提供することにある。 さらにこの発明の目的は充填された液体を効果的に利用できるようにすること
にある。 さらにこの発明の目的はユーザの呼吸にあわせた噴霧の自動断続動作が可能な
吸入器およびその制御方法を提供することにある。 この発明による超音波霧化装置は,軸方向に貫通して上端と下端とが開口した
揚液孔が形成されたポンプ軸と,このポンプ軸にその軸方向の中央付近において
取付けられた超音波振動子とから構成される超音波ポンプ,ポンプ軸の下端部が
その中に入り込む位置に設けられた液容器,ポンプ軸の上端面上に配置され,多
数の微小孔が形成されたメッシュ板,およびメッシュ板をポンプ軸上端面の方向
に付勢する押圧弾性部材を備えているものである。 超音波振動子の振動によりポンプ軸もその軸方向に振動して,液容器内の液体
がポンプ軸の揚液孔を通って揚液されていく。メッシュ板は弾性部材によってポ
ンプ軸上端面に押圧されているからメッシュ板もポンプ軸に追従して振動するこ
とになる。メッシュ板が振動することにより,それが弾性部材によって押圧され
ていることとあいまって,メッシュ板がポンブ軸の揚 液孔の上端開口を開閉する一種の弁として働く。弁が開いたときに揚液された液
体がメッシュ板に供給され,閉じたときに液体はメッシュ板を通して霧化され噴
霧される。揚液された量の液体が霧化されることになるので,揚液量と霧化量と
のバランスがうまくとれ,効率的で安定した噴霧動作が達成される。 メッシュ板は少くともポンプ軸の上端開口の付近でポンプ軸上端面に圧接すれ
ばよいから次のような構造とすることが好ましい。 好ましい一実施態様においては,ポンプ軸の上端面が,上記揚液孔の上端開口
の位置で最も高くなり周囲にいくほど低くなるようにわずかにかつ滑らかに湾曲
した形状に形成されている。 メッシュ板が上記ポンプ軸上端面よりも外方に延びた周縁で弾性部材によって
押圧される構成の場合には,メッシュ板はわずかに湾曲される。メッシュ板の湾
曲の程度がポンプ軸上端面の湾曲の程度よりも小さくなるように,ポンプ軸上端
面の曲率,弾性部材の弾性力およびメッシュ板の強さが定められる。 他の実施態様においては,ポンプ軸の上端面に,揚液孔の上端開口を含む領域
で突出した突部が形成される。 さらに他の実施態様においては,メッシュ板がその中央部が下方に向うように
わずかに湾曲また屈曲した 形状に形成される。 さらに他の実施態様においては,押圧弾性部材が圧縮コイルばねであって,メ
ッシュ板のポンプ軸上端面上の位置でメッシュ板を押圧するように,コイルばね
のコイル径がメッシュ板に近づくほど小さくなっている。 メッシュ板としては,上記文献に記載のように,微小孔がメッシュ板の上面か
ら下面に向うにしたがって拡開するように形成されているものを用いることが好
ましい。 メッシュ板における微小孔の密度を高める構成として,微小孔が,対角線の長
さが一定距離ずつ変化する多くの正六角形の辺に沿って等間隔で形成されている
ものが推奨される。 この発明はメッシュ板に関する他の改良も提案している。その一つは,微小孔
に囲まれた領域の中に微小孔の形成が欠如された小領域が存在するメッシュ板で
ある。メッシュ板には多数の微小孔があるからそのすべての検査を行うことは不
可能に近い。そこで微小孔が欠如された小領域を基準として検査すべき微小孔を
特定すれば常に同じ位置の微小孔の検査が可能となる。 他のメッシュ板は,ポンプ軸の揚液孔上端開口に対向する箇所に上端開口より
も広い範囲にわたって微小 孔の形成が欠如された領域が存在するものである。この構成により上述した弁作
用がより効果的に達成されることが期待される。 さらに他のメッシュ板は,その周縁において,メッシュ板の中心を中心として
点対称となる箇所以外の少くとも2箇所に大きさの異なる切欠きが形成されてい
るものである。 メッシュ板は次に述べるキャップの段部,その他の箇所に載置または取付けら
れる。キャップ等のメッシュ板支持部材に上記2つの切欠きに適合する突部を設
けておけば,メッシュ板の面方向を間違えることなくメッシュ板の装着が可能と
なる。これは上述したように,面によって微小孔の開口の大きさの異なるメッシ
ュ板に好都合である。 この発明による超音波霧化装置の他の好ましい実施態様においては,超音波ポ
ンプを支持し,液容器が着脱自在に取付けられるハウジング,およびハウジング
の一部に,ポンプ軸の上端部を覆うように着脱自在に取付けられるキャップがさ
らに設けられる。キャップの上面には噴霧口があけられ,かつ噴霧口の下方の位
置でメッシュ板をその周縁で支持する段部が形成され,キャップ上面の一部とメ
ッシュ板との間に押圧弾性部材が設けられる。 キャップをハウジングに装着すると,メッシュ板は 弾性部材によって押圧されてポンプ軸上端面に接触することになる。このように
して,メッシュ板の位置決めが容易に達成できる。また,メッシュ板はキャップ
に設けられているから,その洗浄または交換(キャップの交換も含む)が容易と
なる。 さらに他の実施態様においては,弾性部材による押圧力を均一にメッシュ板に
加えるために,メッシュ板の周縁部に環状板が設けられる,またはメッシュ板と
ポンプ軸の上端面との間にスペーサが設けられる。 この発明は強度の高いメッシュ板を提供している。このメッシュ板は,全体的
にみて2つの面を備えるとともに一方の面から他方の面に貫通する多数の微小孔
が形成されており,各微小孔が一方の面から他方の面に向って拡開しかつ上記一
方の面において隣接する微小孔間に溝ないしは窪みが形成されるように一枚の板
状体が微小孔の箇所ごとに連続して変形されてなるものである。 この発明はまた,超音波霧化装置における効果的なシール構造を提供している
。すなわち,この発明は,軸方向に貫通して上端と下端とが開口した揚液孔が形
成されたポンプ軸と,このポンプ軸にその軸方向の中央付近において取付けられ
た超音波振動子とから構成される超音波ポンプを備え,揚液孔の下端から液容器
内の液体を揚液し,揚液孔の上端から液体をメッシュ 板に供給して噴霧させる超音波霧化装置において,超音波ポンプのポンプ軸の上
端部および下端部を除く部分を液密に囲み保持するブッシュが設けられ,ブッシ
ュの上部の少なくとも上,下2箇所に,超音波振動子よりも上方に位置するポン
プ軸部分に液密に密接する環状シール・リップが一体的に形成され,上記少なく
とも上,下2箇所の環状シール・リップ間においてポンプ軸部分とブッシュとの
間に間隙が設けられていることを特徴とするものである。 上記環状シール・リップによってブッシュ内の超音波ポンプの液密性が確保さ
れる。また,ブッシュは振動の大きいポンプ軸上部(ホーン)に全面的に接触せ
ずシール・リップのみが部分的に密接しているだけであるからホーンの振動を減
衰させることがない。 この発明はさらに霧化されずに溢れた液体を溜めておく液溜部を備えた超音波
霧化装置を提供している。すなわち,この発明による超音波霧化装置は,軸方向
に貫通して上端と下端とが開口した揚液孔が形成されたポンプ軸と,このポンプ
軸にその軸方向の中央付近において取付けられた超音波振動子とから構成される
超音波ポンプ,ポンプ軸の下端部がその中に入り込む位置に設けられた液容器,
ポンプ軸の上端面上に配置され,多数の微小孔が形成されたメッシュ板,メッシ
ュ板をポンプ軸上端面の方向に付勢する押圧弾性部 材,超音波ポンプの上記ポンプ軸の上端部および下端部を除く部分を液密に囲み
保持するブッシュ,ブッシュが液密に嵌込まれたハウジング,およびハウジング
の上記ポンプ軸の上端部のまわりに形成された環状突壁に,ポンプ軸上端部を覆
うように着脱自在に取付けられるキャップを備え,ブッシュの上面を底面とし,
キャップまたは環状突壁の少なくとも一方を周壁とする液溜部が形成されている
ものである。 液溜部に流入した液体はポンプ軸にそってその振動により揚液され最終的に霧
化されることになる。したがって,液体が装置外部に溢れてユーザの手指等を汚
すことがなく,かつ液体が効果的に使用されることになる。 さらにこの発明は液容器の液体を余すところなく利用できる超音波霧化装置を
提供している。 この発明は,霧化すべき液体を収容する液容器,および下端が上記液容器内に
位置し,軸方向に貫通して上端と下端とが開口した揚液孔が形成されたポンプ軸
と,このポンプ軸に取付けられた超音波振動子とから構成される超音波ポンプを
備えた超音波霧化装置において,液容器内の残液が表面張力により上記ポンプ軸
の下端に付着して揚液されるように,ポンプ軸の下端が液容器の底面または側面
に近接して配置されていることを特徴とする。 好ましい実施態様においては,液容器内の残液が溜る窪みが液容器に形成され
,ポンプ軸の下端が窪みにのぞむように配置されている。 液容器内の液体の残量が少なくなっても液体は表面張力および超音波振動によ
ってポンプ軸の下端に付着しかつ揚液され,殆どすべての液体が噴霧のために使
用される。これは液体として高価な薬液が使用されたときに特に有効である。 最後にこの発明は,学習機能をもち,ユーザによる操作スイッチの操作の周期
にほぼ一致した周期で噴霧を自動的に断続する超音波式吸入器およびその制御方
法を提供している。 すなわち,この発明は軸方向に貫通する揚液孔が形成されたポンプ軸と,この
ポンプ軸に取付けられた超音波振動子とから構成される超音波ポンプを備え,液
体を超音波振動により上記ポンプ軸を通して揚液して噴霧する超音波式吸入器に
おいて,超音波ポンプの超音波振動子を駆動する駆動回路,操作スイッチ,操作
スイッチのオン,オフに応答して駆動回路による超音波振動子の駆動を制御する
第1の制御手段,ならびに操作スイッチが1回または複数回にわたってオン,オ
フされることに応答して,操作スイッチのオン時間およびオフ時間に基づいて自
動断続動作におけるオン時間およびオフ時間を決定し(たとえば平均値を算出す ることにより決定し),決定したオン時間およびオフ時間の周期で超音波振動子
が駆動されるように駆動回路を制御する第2の制御手段を備えたことを特徴とす
るものである。 この発明による吸入器の制御方法は,軸方向に貫通する揚液孔が形成されたポ
ンプ軸と,このポンプ軸に取付けられた超音波振動子とから構成される超音波ポ
ンプを備え,液体を超音波振動子による振動で上記ポンプ軸を通して揚液して噴
霧する超音波式吸入器において,操作スイッチがオンとされたときにオンとされ
ている時間の間超音波振動子を駆動するとともに,このオン時間を計時し,操作
スイッチがオフとされているときにオフとされている時間の間超音波振動子の駆
動を停止するとともに,このオフ時間を計時し,操作スイッチが所定回にわたっ
てオン,オフ操作された後に,操作スイッチの計時されたオン時間およびオフ時
間に基づいて自動断続動作におけるオン時間およびオフ時間を決定し,決定した
オン時間およびオフ時間の周期で超音波振動子を駆動するものである。 ユーザは自分の呼吸にあわせて操作スイッチを何回かオン,オフ操作すると,
このオン,オフの各時間が計時され,ユーザに適したオン,オフ時間が決定され
る。以後,自動断続動作モードに入り,決定されたオン,オフ時間の周期で噴霧
動作が断続されるので, ユーザはもはや操作スイッチを操作することなく吸入を行うことができる。 一実施態様においては,第2の制御手段は,操作スイッチのオン,オフ操作が
所要複数回にわたって繰返されたことに応答して自動断続動作を行うように起動
される。または,第2の制御手段は所要複数回目の操作スイッチのオン時間が第
1の所定時間以上であることを確認して自動断続動作に移行する。 他の実施態様では自動断続動作モード・スイッチがさらに設けられ,第2の制
御手段は自動断続動作モード・スイッチからの入力に応答して自動断続動作を行
うように起動される。 操作スイッチのオン時間が第2の所定時間以上であることに応答して,超音波
振動子を連続駆動するように駆動回路を制御する第3の制御手段がさらに設けら
れることが好ましい。これにより,ユーザが操作スイッチをもはや押さなくても
連続して噴霧が行なわれることになる。 さらに好ましくはユーザが常に操作スイッチを操作するマニュアル・モードが
設けられる。 この発明の他の特徴および利点は,図面を参照した実施例の説明において明ら
かになるであろう。
【図面の簡単な説明】
第1図は超音波霧化装置の全体構成を示す一部切欠き側面図である。
第2図は超音波霧化装置の主要な機構的構成を示す拡大断面図である。
第3図はメッシュ板の拡大平面図である。
第4図はメッシュ板の他の例を示す拡大平面図である。
第5図はメッシュ板のさらに他の例を示す拡大平面図である。
第6図はメッシュ板の一部の拡大断面図である。
第7図は他の例のメッシュ板の一部の拡大断面図である。
第8図はキャップの一部,メッシュ板およびホーンの拡大断面図である。
第9図はキャップの一部,メッシュ板およびホーンの他の例を示す拡大断面図
である。 第10図はキャップの一部,メッシュ板およびホーンのさらに他の例を示す拡大
断面図である。 第11図はメッシュ板の他の例を示す斜視図である。 第12a図から第12c図はメッシュ板のさらに他の例を示し,第12a図は平面図
,第12b図は第12a図のb−b線にそう断面図,第12c図は側面図である。 第13図は圧縮ばねの他の例を示す拡大断面図である。 第14図は押圧弾性部材の他の例を示す拡大断面図である。 第15図はメッシュ板に環状板を取付けた例を示す拡大断面図である。 第16図はメッシュ板に環状板を取付けた他の例を示す拡大断面図である。 第17図はメッシュ板にスペーサを組合せた例を示す拡大断面図である。 第18図にスペーサの拡大平面図である。 第19図はスペーサの他の例を示す拡大平面図である。 第20図は液容器の一部切欠平面図である。 第21図は第20図のXXI−XXI線にそう断面図である。 第22図は超音波霧化装置の電気回路を示す回路図である。 第23図から第25図はCPUの処理手順を示すフロー・チャートである。 第26a図および第26b図は操作スイッチのオン,オフと表示器の表示および各
動作モードへの移行を示すタイム・チャートである。 発明を実施するための最良の形態 第1図は超音波霧化装置の全体的構成を示すもので ある。より分りやすくするために,実際の装置よりも全体的にやや大き目に描か
れている。 超音波霧化装置のハウジング10の下半部は断面が正方形に近い概略方形で垂直
にのび,上半部は前方に向って斜め上方に屈曲している。この上半部,とくに最
上部に,後述する超音波ポンプ12,ポンプによって揚液された液体を霧化するた
めのメッシュ板14,メッシュ板14を保持するキャップ15,液体(薬液等)を収容
する液容器16等からなる主要機構部が設けられている。このハウジング上半部の
後面側は鎖線で示す着脱自在のカバー11により覆われている。超音波霧化装置の
使用時にはカバー11が取外される。 ハウジング10の下半部内には後述する超音波発振回路を含む超音波ポンプの駆
動回路,各種動作モードをもつ制御回路,電源回路等から構成される電気回路が
内蔵されている。ユーザが操作するスイッチSWおよび表示器(発光ダイオード
)LEDはカバー11によって覆われる上半部の後面に設けられている。この超音
波霧化装置は充電式電池を内蔵しており,この電池を充電するために外部のAC
アダプタ等から導き出されたプラグを差込むジャック13がハウジング10の下部凹
所内に設けられている。 第2図はハウジング10の上半部に設けられた主要機構部をさらに拡大して示す
ものである。 超音波ポンプ12は,小さな(直径1mm以下の)揚液孔22が軸方向に貫通してあ
けられた金属性ポンプ軸21と,このポンプ軸21の長さのほぼ中央付近に固定され
た2個の圧電素子(超音波振動子)23とから構成されている。ポンプ軸21の中央
よりもやや上部にはフランジ21aがポンプ軸21に一体的に形成されている。圧電
素子23は円環状であり,ポンプ軸21に嵌入れられている。圧電素子23の両側には
円環状の電極板24が設けられている。ポンプ軸21に形成された雄ねじにナット26
がねじ嵌められ,圧電素子23および電極板24はフランジ21aとナット26との間で
ポンプ軸21に強く固定されている。電極板24にはリード線25を通して上記駆動回
路から高周波(超音波周波数の)電圧が印加され,圧電素子23は主にポンプ軸21
の軸方向に超音波振動する。 ポンプ軸21の下端面において揚液孔22が開口し,また揚液孔22はポンプ軸21の
上端面においても開口している。ポンプ軸21の下端部21Bは液容器16内に突出し
ており,液容器16内の液体内に浸る。ポンプ軸21の上端部分21Aがホーンであり
,その上端の径はやや大きくつくられている。圧電素子23の超音波振動がポンプ
軸21に伝えられ,ポンプ軸21も軸方向に超音波振動する結果,液容器16内の液体
がポンプ軸21の揚液孔22内を上昇していく。これは超音波振動により働く力と, 液体の表面張力と,揚液孔22内に発生する負圧とによるものと考えられている。 上述した超音波ポンプ12は弾性体(たとえばゴム)よりなる防水ブッシュ31に
よって囲まれかつこのブッシュ31を介してハウジング10の上半部に固定されてい
る。 ブッシュ31は上半体32と下半体33とから構成されている。これらの上半体32と
下半体33の内部には超音波ポンプ12を収納する空間が形成されている。上半体32
の下面には環状凹溝32aが,下半体33の上面には環状突起33aがそれぞれ形成さ
れ,凹溝32aに突起33aが嵌合することにより,両者32と33が結合してブッシュ
31を構成している。下半体33の上部にはさらに外方にのびるフランジ33bが形成
されている。上半体32はハウジング10に形成された収納凹所10Aにきつく嵌込ま
れている。下半体33は押え部材38の凹部内に支持されている。押え部材38はねじ
39により3箇所(1箇所のみ図示)においてハウジング10に固定されている。こ
のようにして,超音波ポンプ12のポンプ軸21の上端部21Aおよび下端部21Bを除
くすべての部分がブッシュ31によって水密に覆われ,かつハウジング10に固定さ
れることになる。 ブッシュの上半体32に形成され,ポンプ軸21が挿通される円筒状部分の内周面
の上部と下部には,内方に 突出する環状シール・リップ43A,43Bがブッシュ上半体32と一体的に形成され
ている。これらの環状シール・リップ43A,43Bがポンプ軸21の外周面に密着し
て液密性を保つ。上部のシール・リップ43Aと下部のシール・リップ43Bとの間
において,ブッシュ上半体32の筒状部分内周面とポンプ軸21の外周面との間には
わずかの間隙35が形成されている。ブッシュ上半体32とポンプ軸21の上部(ホー
ン)21Aとの接触面積が小さいので,ポンプ軸21の上部において大きな超音波振
動振幅を確保することができる。超音波ポンプ12の振動振幅の小さい中央部分(
フランジ21a,振動子23,ナット26等)はブッシュ31によってきつく保持されて
いる。 ブッシュ下半体33においても同じように,ポンプ軸21が挿通されるその円筒部
分の内周面の上部と下部において,内方に突出する環状リップ・シール36B,36
Aが下半体33と一体的に形成されている。これらのリップ・シール36B,36Aが
ポンプ軸21の下部外周面に密接することにより液密性が保たれている。また,上
下のリップ・シール36B,36A間において,下半体33とポンプ軸21との間に小さ
な間隙37が形成され,大きな超音波振動が確保されている。 ハウジング10のポンプ軸21の上端部21Aが突出した位置の周囲には,キャップ
15を装着するための背の低 い円筒部(環状突壁)59が一体的に形成されている。この円筒部59の外周部には
2箇所に突起59aが形成されている。 一方,キャップ15はその上面に噴霧口51が形成され,下面は開口している。こ
のキャップ15内にはベース52が嵌入れられている。ベース52にはポンプ軸21の上
端部がゆるく通る孔53とその上の凹部54とが形成されているとともに,外側に円
筒部59が入る環状溝が形成されている。このベース52とキャップ15とによって形
成されるキャップ15の内周面には上記突起59aが通る縦溝(第2図には図示され
ていない)と,この縦溝の上端に連なり,斜め上方にゆるく傾斜した溝55とが形
成されている。したがって,キャップ15は,突起59aが上記縦溝に一致する位置
で円筒部59に被せかつキャップ15を少し回転させることにより,突起59aが溝55
内にはまりかつ溝55内を移動して,円筒部59に固定される(第2図に図示の状態
)。このようにしてキャップ15はハウジング10に着脱自在に装着可能である。キ
ャップ15の円筒部59への装着は上記の構成に限らず,ねじ式でもよいし,単なる
突起と凹部との係合によっても達成できるのはいうまでもない。 さらにキャップ15のベース52の上部には凹部54にのぞんで環状段部57が形成さ
れている。この環状段部57に,多数の微小孔があけられたメッシュ板14が載置さ れている。このメッシュ板14の周縁部とキャップ15の噴霧口51の周縁部との間に
は圧縮ばね42が設けられている。キャップ15がハウジング10から取外されている
状態では,この圧縮ばね42によりメッシュ板14はその周縁部で段部57に押し付け
られている。キャップ15がハウジング10の円筒部59に装着されると,メッシュ板
14の中央部にポンプ軸21の上端面が当り,メッシュ部材14の周縁部は段部57から
わずかに浮き上る。メッシュ板14はばね42により常時ポンプ軸21の上端面の方向
に付勢されることになり,メッシュ板14はホーン21Aの縦振動に追従して振動す
る。ポンプ軸21の揚液孔22を通して上昇してきた液体はメッシュ板14を通してき
わめて細かく霧化され,噴霧口51から外部に噴霧されることになる。メッシュ板
14の詳細,およびメッシュ板14とばね42とポンプ軸21の上端面との関係について
は後に詳述する。 キャップ15にメッシュ板14が取付けられており,キャップ15はハウジング10に
着脱自在であるから,メッシュ板14の洗浄またはその交換(キャップごとの交換
を含む)が容易である。また,ホーン21A上端面に対するメッシュ板14の位置調
整が不要となる。 環状シール・リップ34Aを含むブッシュ上半体32の上面,ホーン21Aの外周面
,ベース52の孔53および凹部54によって規定される空間が液溜部56となってい る。超音波ポンプ12によってホーン21A上端面に揚液された液量が噴霧量よりも
多く,ホーン21Aの上端面から液体が溢流した場合,ユーザが誤って液体を滴下
した場合において,これらの液体は液溜部56に一時的に溜るが,ホーン21Aの超
音波振動によりメッシュ板14の下面まで揚液され,噴霧されることになる。この
ようにして,ホーン21Aの振幅の減衰,その他の要因による噴霧性能の低下や不
安定さを防止することができる。また,ホーン21Aの上端面から溢れた液体がハ
ウジング10の外側に流出することが防止されるので,ユーザが手指を汚すおそれ
がなくなり,高価な薬液の損失を防止できる。 押え部材38はブッシュ下半体33を囲む部分において円筒状に下方に突出し,こ
の円筒状突出部の周囲にOリング63が設けられている。また,円筒状突出部の外
側において,押え部材38の下面には環状突起38Aが形成されている。この環状突
起38Aは好ましくは複数箇所において一部欠けている。一方,液容器16は透明な
材料により形成され,上面に口61があけられ,口61の周囲が円筒状に若干突出し
ている(円筒状口縁部を符号61Aで示す)。液容器16の円筒状口縁部61AをOリ
ング63と環状突起38Aとの間に挿入することにより,液容器16が押え部材38の下
面に取付け固定される。このようにして液容器16はハウジング10に着脱自在であ る。液容器16は透明であるから内部の液体の量を外から視認することができる。
液容器16の上面には小さな大気連通孔62があけられている。これは液容器16内の
液体が超音波ポンプ12によって揚液されることにより,液容器16内に負圧が生じ
るのを防止するためである。液容器16の詳細な構造およびその利点については後
述する。 第3図はメッシュ板14の平面図を示している。上述したようにメッシュ板14に
は多数の微小孔14aがあけられている。 好ましくはこれらの多数の微小孔14aは円形メッシュ板14の中心を中心として
描かれる多数の正六角形の辺にそって等間隔でおよび頂点に形成されている。多
数の正六角形の対角線の長さは一定長さずつ変化している。隣接する正六角形の
辺にそって並ぶ微小孔14aの数は1個異なる。このような配置によると単位面積
当りの微小円孔14aの数が最大となり,その結果噴霧量が増大する。 第4図はメッシュ板14の他の例を示している。このメッシュ板14は上記に加え
て2つの特徴をもっている。 その一つは微小孔14aの存在しない目潰し部43が設けられていることである。
第4図においては目潰し部43は中心点と,正六角形の対角線の一部にそって中心 から5個の微小孔置きに定められた2点の合計3点に設けられている。 メッシュ板には多数の微小孔が形成されている。メッシュ板の製造工程におい
て,納品時において,その他の必要なときにメッシュ板に規定通りの大きさ,形
状の微小孔が形成されているかどうかの検査が必要となる。このような検査にお
いてすべての微小孔の径の測定等を行なうことは事実上不可能であるから,特定
の微小孔のみの検査を行うことになる。検査の毎に検査すべき微小孔の位置が変
わるのは好ましくないので,常に特定の位置にある微小孔を調べることが要請さ
れる。上記のように目潰し部43を設けておけばこの目潰し部43を基準として調べ
るべき微小孔を定めることができる。たとえば目潰し部43に隣接してその外側に
ある微小孔を調べるというように,調べるべき微小孔を特定することができる。 他の一つの特徴はメッシュ板14の周縁部の2箇所(メッシュ板の中心を中心と
して点対称となる位置を除く)に大きさの異なる少くとも2種の切欠き44A,44
Bが形成されていることである。後に説明するようにメッシュ板14には表面と裏
面(または上面と下面)とがあり,必ず一方の面がホーン21Aの上端面に面する
ようにキャップ15に組込まれなければならない。キャップ15のベース52の段部57
上には,メッシュ板14 が正しい面方向で配置されたときにメッシュ板14の切欠き44A,44Bとそれぞれ
合致する異なる大きさの突部57A,57Bが設けられている。これらの突部57A,
57Bに合致するように切欠き44A,44Bが位置すればメッシュ板14は正しい向き
でキャップ15に組込まれたことになる。 第5図に示すメッシュ板14はさらに他の特徴をもっている。それは,メッシュ
板14の中心部に比較的大きな閉塞部45が設けられていることである。この閉塞部
45には微小孔は形成されていない。メッシュ板14が組込まれたキャップ15がハウ
ジング10に装着されたときにこの閉塞部45は,ホーン21Aの上端面に開口した揚
液孔22の開口に対面してこの開口を振動に伴って周期的に塞ぐように作用する。
これにより,後述するメッシュ板14による弁作用が強化され,より効率的な揚水
,噴霧作用が期待される。閉塞部45はホーン21Aの上端開口を塞ぐことのできる
大きさであればよいが,あまり大きくすると微小孔が設けられる実質的な面積が
減るので,噴霧作用に悪影響を与えない程度がよい。ホーン21Aの上端開口がそ
の中心になく中心から偏っている場合には閉塞部45もまた上端開口に対面するよ
うにメッシュ板14上で中心から偏った位置に設けられるのはいうまでもない。 第6図はメッシュ板の断面の一部を拡大して示すも のである。 円形の微小孔14aの径はメッシュ板14の上面で小さく,下面に向うにつれて孔
が拡開してその径が大きくなっている。また,各微小孔14aの周囲,すなわち微
小孔14a間には上面に向って開いた窪みまたは溝14bが形成されている。この結
果,微小孔14aを規定するその周縁が上方に突出した形状となる。ここでメッシ
ュ板14の下面がホーン21Aの上端面に対向し,上面がキャップ15の噴霧口51に対
向するようにメッシュ板14がキャップ15に組込まれる。このメッシュ板14はその
厚さを厚くしなくとも比較的大きな強度が得られるという特徴をもつ。 第6図に示す断面形状をもつメッシュ板における各部分の寸法例を挙げると,
微小孔14aのピッチaが50〜150μm(100μm程度が適当),微小孔14aの上面
開口の径bが4.5±1μm程度,メッシュ板14の厚さcが30〜100μm(50μm程
度が適当)である。このようなメッシュ板はフォトエッチング技術とエレクトロ
フォーミング技術(電鋳法)とを組合わせることにより作製することができる。
すなわち,絶縁板上に多数の電極を窪み14bの中心位置に対応させてフォトエッ
チングにより形成し,これを第1の原版とする。次にエレクトロフォーミングに
より電極の上に相互に独立した山が形成されるように第1の金属を堆積 させ,第2の原版とする。さらにエレクトロフォーミングにより第2の原版の各
山の上に均一に第2の金属を積層させ,積層した第2の金属から第2の原版を剥
離すれば,第2の金属層からなるメッシュ板が得られる。微小孔が比較的大きく
てもよければ第6図に示す形状のメッシュ板はプレス加工または射出成形によっ
ても作製できる。 第7図はメッシュ板の他の例についてその断面を拡大して示すものである。円
形微小孔14aの径がメッシュ板14の上面において小さく,下面に向って大きくな
るように,多数の微小孔のそれぞれが下方に向って拡開している。このようなメ
ッシュ板は公知のものである。材質は金属でもプラスチック・フィルムでもよい
。微小孔は円形でなくてもよい。 メッシュ板をキャップに取付けるときの上述した面の向きの重要性は微小孔の
径が上面と下面とで異なることによる。 第8図はホーン21Aの上端面の形状,およびメッシュ板14と圧縮ばね42とキャ
ップ15との関係を拡大して示すものである。 ホーン21Aの上端面は揚液孔22が開口している中心においても上方に最も突出
するように,わずかにかつ滑らかに(球面状に)湾曲するように形成されている
。メッシュ板14はその周縁部が圧縮ばね42によって 押え付けられることにより,わずかに湾曲する。一例として,ホーン21Aの上端
面の最も高いところと最も低いところとの差dは20〜50μm程度,メッシュ板14
のたわみ量は5〜10μm程度であり,ホーン21Aの上端面の湾曲の度合の方がメ
ッシュ板14のたわみによる湾曲の度合いよりも大きい。圧縮ばね42によってメッ
シュ板でホーン上端面の揚水孔22の開口付近を押えることが重要である。このよ
うな関係が生じるように,ホーン上端面の湾曲の度合い,メッシュ板の強さ,圧
縮ばねの強さが選定される。 上述したようにメッシュ板14はホーン12Aの縦(上下)振動にともなって上下
振動する。メッシュ板14には微小孔14aが形成されているが,マクロ的にみると
,メッシュ板14が振動することにより揚液孔22の上端開口を開閉する弁の働きを
する。このメッシュ板14による弁作用により,弁が開いたときに揚液孔開口から
揚液された液体がホーン21A上端面に広がって液膜が形成され,次に弁が閉じた
ときに揚液が抑制され,かつ上記液膜がメッシュ板14を通して霧化される。すな
わち,揚液と霧化とが交互に行なわれ,揚液量と霧化量とがバランスすることに
より効率的でかつ安定した噴霧作用が達成される。発明者らの実験および試作に
よると性能の安定した噴霧動作が達成された。その理由は現在のところ上述の通
りであると考えられてい る。第5図に示すように閉塞部45をもっメッシュ板によると上記の弁作用が一層
効率的に達成されることが期待できる。とくにメッシュ板の弁作用によるポンプ
効果は揚液,噴霧動作の初期において重要である。 第9図は他の実施例を示すものである。ホーン21Aの上端面は平坦であり,メ
ッシュ板14は下方に向って突出するように湾曲している。このメッシュ板14の斜
視図が第11図に示されている。第9図に示す態様において使用可能なメッシュ板
の他の例が第12a図から第12c図に示されている。このメッシュ板14においては
中心を通る一つの直線を境界としてメッシュ板がわずかにかつ滑らかに折曲げら
れている。第11図および第12a図から第12c図において微小孔の図示は省略され
ている。 第10図はさらに他の実施例を示すものである。ホーン21Aの上端面において,
揚液孔22の上端開口の周囲の部分がわずかに突出している(突出部を符号21Cで
示す)。 上述した例ではいずれもコイル圧縮はねの径はすべての部分において等しく設
定されている。そして,圧縮ばねがメッシュ板のホーン上端面よりも外側に延び
ている周縁部を押圧する構成となっている。このためメッシュ板が上方に向って
突状に湾曲するので,メッシュ板が揚液孔上端開口を閉鎖し得なくなる可能性が ある。メッシュ板によって揚液孔上端開口を押えることができるようにするため
に,ホーン上端面を上方に向って突出するように湾曲させたり,突出部を形成し
たり,メッシュ板を下方に向って突状に湾曲させたりしている訳である。 これに対して第13図に示す変形例の圧縮ばねを用いると,ホーン上端面やメッ
シュ板の加工が不要となる。ホーン上端面は平坦であり,メッシュ板14も平坦で
ある。圧縮ばね42は下部の径が小さく,上方にいくほど径が大きくなっている。
そして,圧縮ばね42はホーン21Aの上端面上においてメッシュ板14を押えている
。 第14図は押圧弾性部材の他の例を示すもので,ここではばねに代えて環状スポ
ンジ46が用いられている。 上述した圧縮ばねによるとメッシュ板に必ずしも均一に押圧力がかかるとは限
らない。そこで第15図に示すように,メッシュ板14の周縁部上に環状板47を単に
配置し,またはメッシュ板14に接着もしくは溶接により固定し,この環状板47の
上から圧縮ばねによって押圧することが推奨される。 第16図は環状板47の幅を広くし,環状板47の内周縁がホーン上端面にかかるよ
うにした例である。この場合にはホーン21Aの上端面は平坦でもよい。 第17図は環状板47に代えてスペーサ48をメッシュ板 14とホーン上端面との間に介在させた例を示している。スペーサ48は第18図また
は第19図に示すように,中心の小さな円形部と,外周の環状部と,これらの両部
分をつなぐ放射状の連結部とが一体的に形成されてなる。中心の小さな円形部の
大きさはホーン上端面における揚液孔22の開口を覆う程度がよい。ホーン21Aの
上端面は平坦でよい。環状板47,スペーサ48ともに金属製でもプラスチック製で
もよい。 液容器16の形状について第2図,第20図および第21図を参照して説明する。 液容器16の後壁65は前方に向って斜め下方に傾斜している。また,底壁64の後
部にある両側部分64A,64Bもまた側方に向って上方に傾斜している。第1図に
示すように超音波霧化装置の主要機構部は下方に向って前方に傾斜した姿勢で設
けられているので,液容器16は取付けられた状態では底壁64の前部も後方に向っ
て下方に傾斜することになる。このようにして液容器16には4つの斜面64,64A
,64B,65によって囲まれた最も深い窪み66が形成されることになる。ポンプ軸
21の下端部21Bは丁度この窪み66の真上に接近して位置し,後壁65ともかなり接
近している。一例を挙げると,ポンプ軸21の下端面と窪み66の底との距離は2〜
3mm程度,ポンプ軸21の下端の周面のうち後壁65に最も近い部分と後壁65との間
の距離は1mm程度であ る。 この超音波霧化装置を使用するにあたって液容器16には液体が溢れない程度に
適量充填される。装置を動作させ液体が噴霧されるにともない液容器16内の液体
は減少していく。少量になった液体は最も深い窪み66に集まっていく。すると第
2図に符号Wで示されるように,超音波振動エネルギ(負圧)と液体の表面張力
とによって少量の液体がポンプ軸21の下端に付着して最後の一滴まで液体は揚液
され噴霧される。このようにして,液容器16内に入れられたすべての液体が一滴
も無駄になることなくすべて使い尽されることになる。水や生理食塩水のように
安価な液体であれば多少残っても不都合はないが,高価な薬液の場合には上述の
ようにそのすべてが使い尽されるので,無駄がなく経済的である。 最後に第22図を参照してこの超音波霧化装置の電気的構成について説明する。 超音波霧化装置のハウジング10内に内蔵された電気回路は,その全体の動作を
制御するCPU(マイクロプロセッサ)70,DC/CDコンバータ71,発振回路
(および駆動回路)72,ゲート回路73,スイッチ状態検出回路74,電源回路75,
表示回路76および電池79から構成されている。 電池79の動作電圧はDC/CDコンバータ71によっ て発振回路72の動作に適した電圧に変換されて高周波(超音波)信号を発生する
発振回路72に与えられる。 発振回路72の発振動作は,後述するように,CPU70によってゲート回路73を
介して制御される。ゲート回路73は抵抗R1とMOSトランジスタQ1とから構成
されている。CPU70がその出力端子O1から出力する電圧レベル(Hレベルま
たはLレベル)に応じて発振回路72の発振動作の開始と停止が制御される。発振
回路72が動作すると,その出力高周波信号がリード線25を通して圧電素子23に与
えられ,上述したように超音波ポンプ12が働いて噴霧が行なわれる。 スイッチ状態検出回路74はユーザが操作するスイッチSWのオン,オフ状態を
検出し,検出結果をCPU70に与えるものである。操作スイッチSWは一種の押
ボタン式のもので,ユーザがスイッチSWを押している間オンとなり,ユーザが
スイッチSWから手を離すとオフとなる。検出回路74は操作スイッチSWとダイ
オードD1とプルアップ抵抗R2とから構成されている。操作スイッチSWがオン
となると,Lレベルの電圧がCPU70にその入力端子I1から入力する。スイッ
チがオフであればHレベルの電圧がCPU70の入力端子I1に入力する。 電源回路75は電池79の動作電源をCPU70に供給するのを制御するものである
。電源回路75はトランジス タQ2,Q3,抵抗R3,R4,R5,R6,R7から構成される。 操作スイッチSWがオンとなると,トランジスタQ3がオンとなるので,この
トランジスタQ3を通してCPU70に電源が供給される。スイッチSWがオン状
態に保たれる限り,トランジスタQ2の状態に関係なくCPU70には動作電源が
供給されることになる。 CPU70に一旦動作電源が供給されると,後述するところから分るように一定
の条件下で電源供給を断っ場合を除いて,CPU70は出力端子O2にHレベルの
オン信号を出力し続ける。このHレベルのオン信号によってトランジスタQ2が
オンとなり,操作スイッチSWがたとえオフとなっても,トランジスタQ3はオ
ン状態を保ち,CPU70に動作電源が供給され続ける。CPU70は電源をオフと
すべきであると判断すると出力端子O2の出力信号をLレベルに反転する。する
と,トランジスタQ2がオフとなり,スイッチSWがオフである限りトランジス
タQ3はオフとなり,CPU70への電源の供給が停止する。この後はユーザがス
イッチSWをオンとしない限りCPU70へは電源は供給されない。 表示回路76は表示器LEDの点灯または点滅を制御するもので,抵抗R8を含
む。CPU70は表示器LEDを点灯させる場合にはその出力端子O3をLレ ベルにする。また表示器LEDを点滅させる場合には出力端子O3に一定周波数
(たとえば5Hz)のパルス信号を出力する。出力端子O3がHレベルであれば
表示器LEDは消灯したままである。表示器LEDが点灯または点滅するのはト
ランジスタQ3がオンでCPU70および表示器LEDに動作電圧が印加されてい
る場合のみであるのはいうまでもない。 この実施例では連続動作モードと自動断続動作モードとがある。 連続動作モードは,操作スイッチSWがオフであっても噴霧動作を連続的に続
けるものである。第26a図に示すように,操作スイッチSWが4秒間以上押し続
けられたときにこの連続動作モードに移行する。次に述べる自動断続動作モード
のときおよび自動断続動作モードへの移行過程において操作スイッチSWが4秒
間以上押し続けられた場合にも連続動作モードに移行する。 自動断続動作モードは,操作スイッチSWがオフであっても一定周期で噴霧動
作とその停止とを繰返すものである。噴霧動作の断続の周期は学習により決定さ
れる。第26b図に示すように,ユーザが,1回当りオン時間が4秒以内の操作ス
イッチSWのオン操作を3回繰返すことによりこの自動断続動作モードに移行す
る。この移行過程においてユーザが操作スイッチをオ ン,オフする周期(オン時間とオフ時間)をCPU70が学習して自動断続動作モ
ードにおける断続周期(オン/オフ繰返し周期)を決定する。 自動断続動作モードはこの超音波霧化装置を吸入器に応用した場合に特に効果
的である。吸入器ではユーザが息を吸った場合にのみ霧化された薬品が咽喉に吸
引されていく。使用する吸入薬液が高価であることもあって,薬液の無駄使いを
防止するためにユーザの呼吸にあわせて噴霧動作およびその停止を繰返す必要が
ある。学習過程においてユーザが操作スイッチSWをオン/オフする周期(時間
)を計時することにより学習し,学習後はユーザがスイッチSWをオン/オフし
なくても自動的にユーザの呼吸にあわせた繰返し周期で噴霧動作とその停止を繰
返すように働く。これは特に操作スイッチSWを上手にオン/オフ操作できない
老人,子供のために有用である。 連続動作モードおよび自動断続動作モードにおいて操作スイッチSWが再び押
され,そのオン時間が4秒間以内であれば,CPU70への電源の供給が停止され
る(トランジスタQ2がオフとなる)。また,自動断続動作モードへの移行過程
(学習過程)において操作スイッチSWが5秒以上にわたってオフとなっていた
場合にも電源オフとなる。 上述した働きをCPU70の処理手順にしたがって表 わしたのが第23図から第25図に示すフロー・チャートである。 操作スイッチSWがユーザによってオンとされることによりCPU70の動作が
開始する。操作スイッチSWがオンされるとCPU70は出力端子O2にHレベル
の信号を出力してトランジスタQ2をオンとする(ステップ111)。これにより,
上述したようにスイッチSWのオン,オフに関係なくCPU70には動作電圧が印
加される。 もし,操作スイッチSWが4秒以上継続してオンとされていれば(ステップ11
2でYES),連続動作モードに移るとともにその旨の表示が行なわれる(ステップ
113)。第26a図に示すように,操作スイッチSWが4秒間オン状態を続けたの
ち,オフとなるまでの間,表示器LEDが点滅して連続動作モードへの移行の旨
が表示される。操作スイッチSWがオンとされて4秒間経過するまで,および連
続動作モードでの動作中は表示器LEDは点灯し続ける。また,操作スイッチS
Wがオンとなった時点から噴霧動作が連続的に続けられる。 連続動作モードの噴霧動作は,その後操作スイッチSWがオフとなり(ステッ
プ114でNO),再び操作スイッチSWがオンとならない限り(ステップ115でNO)
,続行される。 再び操作スイッチSWがオンとなり(ステップ115でYES),そのオン時間が4
秒未満であれば(ステップ116でNO,ステップ117でYES),CPU70は出力端子
O2の出力をLレベルにして電源の供給を断つ(ステップ118)。 操作スイッチSWのオン時間が4秒以上の場合には(ステップ116でYES),再
び連続動作モードへの移行処理が行なわれる(ステップ113)。 停止状態から操作スイッチSWがオンされてそのオン時間が4秒未満の場合に
は(ステップ112でNO,ステップ119でYES),学習カウンタNがクリアされる(
ステップ120)。 再び操作スイッチSWがオンされると(ステップ122でYES),第1回目の学習
,すなわち先のスイッチのオン時間およびオフ時間の測定結果が取込まれ,オン
/オフの一周期が算出されるとともに学習カウンタNがインクレメントされる(
ステップ122)。スイッチSWのオン時間およびオフ時間はタイマまたはカウン
タにより常に計時されている。 操作スイッチSWが2回目にオンされてから4秒未満のうちに再びオフされる
と(ステップ124でNO,ステップ125でYES),N=2でなければ(ステップ126で
No),再びステップ121を経て,スイッチSWの3回目のオン操作が行なわれた
かどうかがチェック される(ステップ122)。 操作スイッチSWが3回目にオンされると(ステップ122でYES),スイッチS
Wの2回目のオン,オフ時間の計時結果が取込まれ,2回目のオン/オフ周期の
学習が行なわれるとともにカウンタNがさらにインクレメントされる(ステップ
123)。 操作スイッチSWが3回目にオンされたのち4秒未満のうちに再びオフされる
と(ステップ124でNO,ステップ125でYES),既に学習カウンタNの値は2とな
っているので(ステップ126でYES),オン/オフ平均周期が算出される(ステッ
プ127)。すなわち,既に2回の学習結果が蓄積されているので,オン時間の平
均値,オフ時間の平均値がそれぞれ算出され,これらの平均値が自動断続動作モ
ードにおけるオン時間,オフ時間と決定される。 この後,自動断続動作モードに移り,スイッチSWがオフである限り先に決定
されたオン時間,オフ時間の周期で噴霧動作が断続されていく。また,第26b図
に示すように操作スイッチSWが3回目にオフとされた時点から,操作スイッチ
SWが3回目にオンとされてから4秒の時間が経過するまでの間,表示器LED
が点滅して自動断続動作モードへの移行の旨が表示される(ステップ128)。 第1回目〜第3回目の操作スイッチSWがオンとさ れている間,および自動断続動作モードにおいて噴霧動作が行なわれているとき
には表示器LEDは点灯される。また,第1回目〜第3回目の操作スイッチSW
がオンとされている間も噴霧動作が行なわれるのはいうまでもない。 この後,操作スイッチSWが再び4秒未満の間オンとされると(ステップ129
でYES,ステップ130でNO,ステップ131でYES),電源がオフとされる(ステップ
118)。 自動断続動作モードへの移行過程(学習過程)において操作スイッチSWが5
秒以上にわたってオフとされていた場合には(ステップ121でYES),何らかの誤
操作または操作中止と判断して電源がオフとされる(ステップ118)。 また,自動断続動作モードへの移行過程または自動断続動作モードにおいて,
操作スイッチSWが4秒以上にわたってオンとされていた場合には(ステップ12
4でYES,ステップ130でYES),ただちに連続動作モードへ移行する(ステップ11
3)。 上記実施例では2回の学習動作が行なわれているが,さらに多くの回数にわた
って操作スイッチSWのオン時間,オフ時間を計時して,その結果に基づいて自
動断続動作モードにおけるオン/オフ周期を決定するようにしてもよいのはいう
までもない。 また,上記実施例では操作スイッチSWを3回押すと(いずれもオン時間は4
秒以内),強制的に自動断続動作モードに移行しているが,常にユーザが操作ス
イッチSWをオン/オフでき,このオン,オフ操作にしたがって噴霧の断続が制
御されるマニアル・モードを設けてもよい。マニアル・モードと自動断続動作モ
ードとを区別するために,操作スイッチの3回目のオン動作が4秒以上断続して
はじめて自動断続動作モードに移行するようにすることができる。これに代えて
,自動断続動作モードを指定するための特別のスイッチを設けることができる。
この場合にも1回または複数回にわたって学習が行なわれるのはいうまでもない
。 産業上の利用可能性 超音波霧化装置はたとえば超音波式吸入器に応用される。超音波式吸入器は医
療機器産業において利用される。
である。 第10図はキャップの一部,メッシュ板およびホーンのさらに他の例を示す拡大
断面図である。 第11図はメッシュ板の他の例を示す斜視図である。 第12a図から第12c図はメッシュ板のさらに他の例を示し,第12a図は平面図
,第12b図は第12a図のb−b線にそう断面図,第12c図は側面図である。 第13図は圧縮ばねの他の例を示す拡大断面図である。 第14図は押圧弾性部材の他の例を示す拡大断面図である。 第15図はメッシュ板に環状板を取付けた例を示す拡大断面図である。 第16図はメッシュ板に環状板を取付けた他の例を示す拡大断面図である。 第17図はメッシュ板にスペーサを組合せた例を示す拡大断面図である。 第18図にスペーサの拡大平面図である。 第19図はスペーサの他の例を示す拡大平面図である。 第20図は液容器の一部切欠平面図である。 第21図は第20図のXXI−XXI線にそう断面図である。 第22図は超音波霧化装置の電気回路を示す回路図である。 第23図から第25図はCPUの処理手順を示すフロー・チャートである。 第26a図および第26b図は操作スイッチのオン,オフと表示器の表示および各
動作モードへの移行を示すタイム・チャートである。 発明を実施するための最良の形態 第1図は超音波霧化装置の全体的構成を示すもので ある。より分りやすくするために,実際の装置よりも全体的にやや大き目に描か
れている。 超音波霧化装置のハウジング10の下半部は断面が正方形に近い概略方形で垂直
にのび,上半部は前方に向って斜め上方に屈曲している。この上半部,とくに最
上部に,後述する超音波ポンプ12,ポンプによって揚液された液体を霧化するた
めのメッシュ板14,メッシュ板14を保持するキャップ15,液体(薬液等)を収容
する液容器16等からなる主要機構部が設けられている。このハウジング上半部の
後面側は鎖線で示す着脱自在のカバー11により覆われている。超音波霧化装置の
使用時にはカバー11が取外される。 ハウジング10の下半部内には後述する超音波発振回路を含む超音波ポンプの駆
動回路,各種動作モードをもつ制御回路,電源回路等から構成される電気回路が
内蔵されている。ユーザが操作するスイッチSWおよび表示器(発光ダイオード
)LEDはカバー11によって覆われる上半部の後面に設けられている。この超音
波霧化装置は充電式電池を内蔵しており,この電池を充電するために外部のAC
アダプタ等から導き出されたプラグを差込むジャック13がハウジング10の下部凹
所内に設けられている。 第2図はハウジング10の上半部に設けられた主要機構部をさらに拡大して示す
ものである。 超音波ポンプ12は,小さな(直径1mm以下の)揚液孔22が軸方向に貫通してあ
けられた金属性ポンプ軸21と,このポンプ軸21の長さのほぼ中央付近に固定され
た2個の圧電素子(超音波振動子)23とから構成されている。ポンプ軸21の中央
よりもやや上部にはフランジ21aがポンプ軸21に一体的に形成されている。圧電
素子23は円環状であり,ポンプ軸21に嵌入れられている。圧電素子23の両側には
円環状の電極板24が設けられている。ポンプ軸21に形成された雄ねじにナット26
がねじ嵌められ,圧電素子23および電極板24はフランジ21aとナット26との間で
ポンプ軸21に強く固定されている。電極板24にはリード線25を通して上記駆動回
路から高周波(超音波周波数の)電圧が印加され,圧電素子23は主にポンプ軸21
の軸方向に超音波振動する。 ポンプ軸21の下端面において揚液孔22が開口し,また揚液孔22はポンプ軸21の
上端面においても開口している。ポンプ軸21の下端部21Bは液容器16内に突出し
ており,液容器16内の液体内に浸る。ポンプ軸21の上端部分21Aがホーンであり
,その上端の径はやや大きくつくられている。圧電素子23の超音波振動がポンプ
軸21に伝えられ,ポンプ軸21も軸方向に超音波振動する結果,液容器16内の液体
がポンプ軸21の揚液孔22内を上昇していく。これは超音波振動により働く力と, 液体の表面張力と,揚液孔22内に発生する負圧とによるものと考えられている。 上述した超音波ポンプ12は弾性体(たとえばゴム)よりなる防水ブッシュ31に
よって囲まれかつこのブッシュ31を介してハウジング10の上半部に固定されてい
る。 ブッシュ31は上半体32と下半体33とから構成されている。これらの上半体32と
下半体33の内部には超音波ポンプ12を収納する空間が形成されている。上半体32
の下面には環状凹溝32aが,下半体33の上面には環状突起33aがそれぞれ形成さ
れ,凹溝32aに突起33aが嵌合することにより,両者32と33が結合してブッシュ
31を構成している。下半体33の上部にはさらに外方にのびるフランジ33bが形成
されている。上半体32はハウジング10に形成された収納凹所10Aにきつく嵌込ま
れている。下半体33は押え部材38の凹部内に支持されている。押え部材38はねじ
39により3箇所(1箇所のみ図示)においてハウジング10に固定されている。こ
のようにして,超音波ポンプ12のポンプ軸21の上端部21Aおよび下端部21Bを除
くすべての部分がブッシュ31によって水密に覆われ,かつハウジング10に固定さ
れることになる。 ブッシュの上半体32に形成され,ポンプ軸21が挿通される円筒状部分の内周面
の上部と下部には,内方に 突出する環状シール・リップ43A,43Bがブッシュ上半体32と一体的に形成され
ている。これらの環状シール・リップ43A,43Bがポンプ軸21の外周面に密着し
て液密性を保つ。上部のシール・リップ43Aと下部のシール・リップ43Bとの間
において,ブッシュ上半体32の筒状部分内周面とポンプ軸21の外周面との間には
わずかの間隙35が形成されている。ブッシュ上半体32とポンプ軸21の上部(ホー
ン)21Aとの接触面積が小さいので,ポンプ軸21の上部において大きな超音波振
動振幅を確保することができる。超音波ポンプ12の振動振幅の小さい中央部分(
フランジ21a,振動子23,ナット26等)はブッシュ31によってきつく保持されて
いる。 ブッシュ下半体33においても同じように,ポンプ軸21が挿通されるその円筒部
分の内周面の上部と下部において,内方に突出する環状リップ・シール36B,36
Aが下半体33と一体的に形成されている。これらのリップ・シール36B,36Aが
ポンプ軸21の下部外周面に密接することにより液密性が保たれている。また,上
下のリップ・シール36B,36A間において,下半体33とポンプ軸21との間に小さ
な間隙37が形成され,大きな超音波振動が確保されている。 ハウジング10のポンプ軸21の上端部21Aが突出した位置の周囲には,キャップ
15を装着するための背の低 い円筒部(環状突壁)59が一体的に形成されている。この円筒部59の外周部には
2箇所に突起59aが形成されている。 一方,キャップ15はその上面に噴霧口51が形成され,下面は開口している。こ
のキャップ15内にはベース52が嵌入れられている。ベース52にはポンプ軸21の上
端部がゆるく通る孔53とその上の凹部54とが形成されているとともに,外側に円
筒部59が入る環状溝が形成されている。このベース52とキャップ15とによって形
成されるキャップ15の内周面には上記突起59aが通る縦溝(第2図には図示され
ていない)と,この縦溝の上端に連なり,斜め上方にゆるく傾斜した溝55とが形
成されている。したがって,キャップ15は,突起59aが上記縦溝に一致する位置
で円筒部59に被せかつキャップ15を少し回転させることにより,突起59aが溝55
内にはまりかつ溝55内を移動して,円筒部59に固定される(第2図に図示の状態
)。このようにしてキャップ15はハウジング10に着脱自在に装着可能である。キ
ャップ15の円筒部59への装着は上記の構成に限らず,ねじ式でもよいし,単なる
突起と凹部との係合によっても達成できるのはいうまでもない。 さらにキャップ15のベース52の上部には凹部54にのぞんで環状段部57が形成さ
れている。この環状段部57に,多数の微小孔があけられたメッシュ板14が載置さ れている。このメッシュ板14の周縁部とキャップ15の噴霧口51の周縁部との間に
は圧縮ばね42が設けられている。キャップ15がハウジング10から取外されている
状態では,この圧縮ばね42によりメッシュ板14はその周縁部で段部57に押し付け
られている。キャップ15がハウジング10の円筒部59に装着されると,メッシュ板
14の中央部にポンプ軸21の上端面が当り,メッシュ部材14の周縁部は段部57から
わずかに浮き上る。メッシュ板14はばね42により常時ポンプ軸21の上端面の方向
に付勢されることになり,メッシュ板14はホーン21Aの縦振動に追従して振動す
る。ポンプ軸21の揚液孔22を通して上昇してきた液体はメッシュ板14を通してき
わめて細かく霧化され,噴霧口51から外部に噴霧されることになる。メッシュ板
14の詳細,およびメッシュ板14とばね42とポンプ軸21の上端面との関係について
は後に詳述する。 キャップ15にメッシュ板14が取付けられており,キャップ15はハウジング10に
着脱自在であるから,メッシュ板14の洗浄またはその交換(キャップごとの交換
を含む)が容易である。また,ホーン21A上端面に対するメッシュ板14の位置調
整が不要となる。 環状シール・リップ34Aを含むブッシュ上半体32の上面,ホーン21Aの外周面
,ベース52の孔53および凹部54によって規定される空間が液溜部56となってい る。超音波ポンプ12によってホーン21A上端面に揚液された液量が噴霧量よりも
多く,ホーン21Aの上端面から液体が溢流した場合,ユーザが誤って液体を滴下
した場合において,これらの液体は液溜部56に一時的に溜るが,ホーン21Aの超
音波振動によりメッシュ板14の下面まで揚液され,噴霧されることになる。この
ようにして,ホーン21Aの振幅の減衰,その他の要因による噴霧性能の低下や不
安定さを防止することができる。また,ホーン21Aの上端面から溢れた液体がハ
ウジング10の外側に流出することが防止されるので,ユーザが手指を汚すおそれ
がなくなり,高価な薬液の損失を防止できる。 押え部材38はブッシュ下半体33を囲む部分において円筒状に下方に突出し,こ
の円筒状突出部の周囲にOリング63が設けられている。また,円筒状突出部の外
側において,押え部材38の下面には環状突起38Aが形成されている。この環状突
起38Aは好ましくは複数箇所において一部欠けている。一方,液容器16は透明な
材料により形成され,上面に口61があけられ,口61の周囲が円筒状に若干突出し
ている(円筒状口縁部を符号61Aで示す)。液容器16の円筒状口縁部61AをOリ
ング63と環状突起38Aとの間に挿入することにより,液容器16が押え部材38の下
面に取付け固定される。このようにして液容器16はハウジング10に着脱自在であ る。液容器16は透明であるから内部の液体の量を外から視認することができる。
液容器16の上面には小さな大気連通孔62があけられている。これは液容器16内の
液体が超音波ポンプ12によって揚液されることにより,液容器16内に負圧が生じ
るのを防止するためである。液容器16の詳細な構造およびその利点については後
述する。 第3図はメッシュ板14の平面図を示している。上述したようにメッシュ板14に
は多数の微小孔14aがあけられている。 好ましくはこれらの多数の微小孔14aは円形メッシュ板14の中心を中心として
描かれる多数の正六角形の辺にそって等間隔でおよび頂点に形成されている。多
数の正六角形の対角線の長さは一定長さずつ変化している。隣接する正六角形の
辺にそって並ぶ微小孔14aの数は1個異なる。このような配置によると単位面積
当りの微小円孔14aの数が最大となり,その結果噴霧量が増大する。 第4図はメッシュ板14の他の例を示している。このメッシュ板14は上記に加え
て2つの特徴をもっている。 その一つは微小孔14aの存在しない目潰し部43が設けられていることである。
第4図においては目潰し部43は中心点と,正六角形の対角線の一部にそって中心 から5個の微小孔置きに定められた2点の合計3点に設けられている。 メッシュ板には多数の微小孔が形成されている。メッシュ板の製造工程におい
て,納品時において,その他の必要なときにメッシュ板に規定通りの大きさ,形
状の微小孔が形成されているかどうかの検査が必要となる。このような検査にお
いてすべての微小孔の径の測定等を行なうことは事実上不可能であるから,特定
の微小孔のみの検査を行うことになる。検査の毎に検査すべき微小孔の位置が変
わるのは好ましくないので,常に特定の位置にある微小孔を調べることが要請さ
れる。上記のように目潰し部43を設けておけばこの目潰し部43を基準として調べ
るべき微小孔を定めることができる。たとえば目潰し部43に隣接してその外側に
ある微小孔を調べるというように,調べるべき微小孔を特定することができる。 他の一つの特徴はメッシュ板14の周縁部の2箇所(メッシュ板の中心を中心と
して点対称となる位置を除く)に大きさの異なる少くとも2種の切欠き44A,44
Bが形成されていることである。後に説明するようにメッシュ板14には表面と裏
面(または上面と下面)とがあり,必ず一方の面がホーン21Aの上端面に面する
ようにキャップ15に組込まれなければならない。キャップ15のベース52の段部57
上には,メッシュ板14 が正しい面方向で配置されたときにメッシュ板14の切欠き44A,44Bとそれぞれ
合致する異なる大きさの突部57A,57Bが設けられている。これらの突部57A,
57Bに合致するように切欠き44A,44Bが位置すればメッシュ板14は正しい向き
でキャップ15に組込まれたことになる。 第5図に示すメッシュ板14はさらに他の特徴をもっている。それは,メッシュ
板14の中心部に比較的大きな閉塞部45が設けられていることである。この閉塞部
45には微小孔は形成されていない。メッシュ板14が組込まれたキャップ15がハウ
ジング10に装着されたときにこの閉塞部45は,ホーン21Aの上端面に開口した揚
液孔22の開口に対面してこの開口を振動に伴って周期的に塞ぐように作用する。
これにより,後述するメッシュ板14による弁作用が強化され,より効率的な揚水
,噴霧作用が期待される。閉塞部45はホーン21Aの上端開口を塞ぐことのできる
大きさであればよいが,あまり大きくすると微小孔が設けられる実質的な面積が
減るので,噴霧作用に悪影響を与えない程度がよい。ホーン21Aの上端開口がそ
の中心になく中心から偏っている場合には閉塞部45もまた上端開口に対面するよ
うにメッシュ板14上で中心から偏った位置に設けられるのはいうまでもない。 第6図はメッシュ板の断面の一部を拡大して示すも のである。 円形の微小孔14aの径はメッシュ板14の上面で小さく,下面に向うにつれて孔
が拡開してその径が大きくなっている。また,各微小孔14aの周囲,すなわち微
小孔14a間には上面に向って開いた窪みまたは溝14bが形成されている。この結
果,微小孔14aを規定するその周縁が上方に突出した形状となる。ここでメッシ
ュ板14の下面がホーン21Aの上端面に対向し,上面がキャップ15の噴霧口51に対
向するようにメッシュ板14がキャップ15に組込まれる。このメッシュ板14はその
厚さを厚くしなくとも比較的大きな強度が得られるという特徴をもつ。 第6図に示す断面形状をもつメッシュ板における各部分の寸法例を挙げると,
微小孔14aのピッチaが50〜150μm(100μm程度が適当),微小孔14aの上面
開口の径bが4.5±1μm程度,メッシュ板14の厚さcが30〜100μm(50μm程
度が適当)である。このようなメッシュ板はフォトエッチング技術とエレクトロ
フォーミング技術(電鋳法)とを組合わせることにより作製することができる。
すなわち,絶縁板上に多数の電極を窪み14bの中心位置に対応させてフォトエッ
チングにより形成し,これを第1の原版とする。次にエレクトロフォーミングに
より電極の上に相互に独立した山が形成されるように第1の金属を堆積 させ,第2の原版とする。さらにエレクトロフォーミングにより第2の原版の各
山の上に均一に第2の金属を積層させ,積層した第2の金属から第2の原版を剥
離すれば,第2の金属層からなるメッシュ板が得られる。微小孔が比較的大きく
てもよければ第6図に示す形状のメッシュ板はプレス加工または射出成形によっ
ても作製できる。 第7図はメッシュ板の他の例についてその断面を拡大して示すものである。円
形微小孔14aの径がメッシュ板14の上面において小さく,下面に向って大きくな
るように,多数の微小孔のそれぞれが下方に向って拡開している。このようなメ
ッシュ板は公知のものである。材質は金属でもプラスチック・フィルムでもよい
。微小孔は円形でなくてもよい。 メッシュ板をキャップに取付けるときの上述した面の向きの重要性は微小孔の
径が上面と下面とで異なることによる。 第8図はホーン21Aの上端面の形状,およびメッシュ板14と圧縮ばね42とキャ
ップ15との関係を拡大して示すものである。 ホーン21Aの上端面は揚液孔22が開口している中心においても上方に最も突出
するように,わずかにかつ滑らかに(球面状に)湾曲するように形成されている
。メッシュ板14はその周縁部が圧縮ばね42によって 押え付けられることにより,わずかに湾曲する。一例として,ホーン21Aの上端
面の最も高いところと最も低いところとの差dは20〜50μm程度,メッシュ板14
のたわみ量は5〜10μm程度であり,ホーン21Aの上端面の湾曲の度合の方がメ
ッシュ板14のたわみによる湾曲の度合いよりも大きい。圧縮ばね42によってメッ
シュ板でホーン上端面の揚水孔22の開口付近を押えることが重要である。このよ
うな関係が生じるように,ホーン上端面の湾曲の度合い,メッシュ板の強さ,圧
縮ばねの強さが選定される。 上述したようにメッシュ板14はホーン12Aの縦(上下)振動にともなって上下
振動する。メッシュ板14には微小孔14aが形成されているが,マクロ的にみると
,メッシュ板14が振動することにより揚液孔22の上端開口を開閉する弁の働きを
する。このメッシュ板14による弁作用により,弁が開いたときに揚液孔開口から
揚液された液体がホーン21A上端面に広がって液膜が形成され,次に弁が閉じた
ときに揚液が抑制され,かつ上記液膜がメッシュ板14を通して霧化される。すな
わち,揚液と霧化とが交互に行なわれ,揚液量と霧化量とがバランスすることに
より効率的でかつ安定した噴霧作用が達成される。発明者らの実験および試作に
よると性能の安定した噴霧動作が達成された。その理由は現在のところ上述の通
りであると考えられてい る。第5図に示すように閉塞部45をもっメッシュ板によると上記の弁作用が一層
効率的に達成されることが期待できる。とくにメッシュ板の弁作用によるポンプ
効果は揚液,噴霧動作の初期において重要である。 第9図は他の実施例を示すものである。ホーン21Aの上端面は平坦であり,メ
ッシュ板14は下方に向って突出するように湾曲している。このメッシュ板14の斜
視図が第11図に示されている。第9図に示す態様において使用可能なメッシュ板
の他の例が第12a図から第12c図に示されている。このメッシュ板14においては
中心を通る一つの直線を境界としてメッシュ板がわずかにかつ滑らかに折曲げら
れている。第11図および第12a図から第12c図において微小孔の図示は省略され
ている。 第10図はさらに他の実施例を示すものである。ホーン21Aの上端面において,
揚液孔22の上端開口の周囲の部分がわずかに突出している(突出部を符号21Cで
示す)。 上述した例ではいずれもコイル圧縮はねの径はすべての部分において等しく設
定されている。そして,圧縮ばねがメッシュ板のホーン上端面よりも外側に延び
ている周縁部を押圧する構成となっている。このためメッシュ板が上方に向って
突状に湾曲するので,メッシュ板が揚液孔上端開口を閉鎖し得なくなる可能性が ある。メッシュ板によって揚液孔上端開口を押えることができるようにするため
に,ホーン上端面を上方に向って突出するように湾曲させたり,突出部を形成し
たり,メッシュ板を下方に向って突状に湾曲させたりしている訳である。 これに対して第13図に示す変形例の圧縮ばねを用いると,ホーン上端面やメッ
シュ板の加工が不要となる。ホーン上端面は平坦であり,メッシュ板14も平坦で
ある。圧縮ばね42は下部の径が小さく,上方にいくほど径が大きくなっている。
そして,圧縮ばね42はホーン21Aの上端面上においてメッシュ板14を押えている
。 第14図は押圧弾性部材の他の例を示すもので,ここではばねに代えて環状スポ
ンジ46が用いられている。 上述した圧縮ばねによるとメッシュ板に必ずしも均一に押圧力がかかるとは限
らない。そこで第15図に示すように,メッシュ板14の周縁部上に環状板47を単に
配置し,またはメッシュ板14に接着もしくは溶接により固定し,この環状板47の
上から圧縮ばねによって押圧することが推奨される。 第16図は環状板47の幅を広くし,環状板47の内周縁がホーン上端面にかかるよ
うにした例である。この場合にはホーン21Aの上端面は平坦でもよい。 第17図は環状板47に代えてスペーサ48をメッシュ板 14とホーン上端面との間に介在させた例を示している。スペーサ48は第18図また
は第19図に示すように,中心の小さな円形部と,外周の環状部と,これらの両部
分をつなぐ放射状の連結部とが一体的に形成されてなる。中心の小さな円形部の
大きさはホーン上端面における揚液孔22の開口を覆う程度がよい。ホーン21Aの
上端面は平坦でよい。環状板47,スペーサ48ともに金属製でもプラスチック製で
もよい。 液容器16の形状について第2図,第20図および第21図を参照して説明する。 液容器16の後壁65は前方に向って斜め下方に傾斜している。また,底壁64の後
部にある両側部分64A,64Bもまた側方に向って上方に傾斜している。第1図に
示すように超音波霧化装置の主要機構部は下方に向って前方に傾斜した姿勢で設
けられているので,液容器16は取付けられた状態では底壁64の前部も後方に向っ
て下方に傾斜することになる。このようにして液容器16には4つの斜面64,64A
,64B,65によって囲まれた最も深い窪み66が形成されることになる。ポンプ軸
21の下端部21Bは丁度この窪み66の真上に接近して位置し,後壁65ともかなり接
近している。一例を挙げると,ポンプ軸21の下端面と窪み66の底との距離は2〜
3mm程度,ポンプ軸21の下端の周面のうち後壁65に最も近い部分と後壁65との間
の距離は1mm程度であ る。 この超音波霧化装置を使用するにあたって液容器16には液体が溢れない程度に
適量充填される。装置を動作させ液体が噴霧されるにともない液容器16内の液体
は減少していく。少量になった液体は最も深い窪み66に集まっていく。すると第
2図に符号Wで示されるように,超音波振動エネルギ(負圧)と液体の表面張力
とによって少量の液体がポンプ軸21の下端に付着して最後の一滴まで液体は揚液
され噴霧される。このようにして,液容器16内に入れられたすべての液体が一滴
も無駄になることなくすべて使い尽されることになる。水や生理食塩水のように
安価な液体であれば多少残っても不都合はないが,高価な薬液の場合には上述の
ようにそのすべてが使い尽されるので,無駄がなく経済的である。 最後に第22図を参照してこの超音波霧化装置の電気的構成について説明する。 超音波霧化装置のハウジング10内に内蔵された電気回路は,その全体の動作を
制御するCPU(マイクロプロセッサ)70,DC/CDコンバータ71,発振回路
(および駆動回路)72,ゲート回路73,スイッチ状態検出回路74,電源回路75,
表示回路76および電池79から構成されている。 電池79の動作電圧はDC/CDコンバータ71によっ て発振回路72の動作に適した電圧に変換されて高周波(超音波)信号を発生する
発振回路72に与えられる。 発振回路72の発振動作は,後述するように,CPU70によってゲート回路73を
介して制御される。ゲート回路73は抵抗R1とMOSトランジスタQ1とから構成
されている。CPU70がその出力端子O1から出力する電圧レベル(Hレベルま
たはLレベル)に応じて発振回路72の発振動作の開始と停止が制御される。発振
回路72が動作すると,その出力高周波信号がリード線25を通して圧電素子23に与
えられ,上述したように超音波ポンプ12が働いて噴霧が行なわれる。 スイッチ状態検出回路74はユーザが操作するスイッチSWのオン,オフ状態を
検出し,検出結果をCPU70に与えるものである。操作スイッチSWは一種の押
ボタン式のもので,ユーザがスイッチSWを押している間オンとなり,ユーザが
スイッチSWから手を離すとオフとなる。検出回路74は操作スイッチSWとダイ
オードD1とプルアップ抵抗R2とから構成されている。操作スイッチSWがオン
となると,Lレベルの電圧がCPU70にその入力端子I1から入力する。スイッ
チがオフであればHレベルの電圧がCPU70の入力端子I1に入力する。 電源回路75は電池79の動作電源をCPU70に供給するのを制御するものである
。電源回路75はトランジス タQ2,Q3,抵抗R3,R4,R5,R6,R7から構成される。 操作スイッチSWがオンとなると,トランジスタQ3がオンとなるので,この
トランジスタQ3を通してCPU70に電源が供給される。スイッチSWがオン状
態に保たれる限り,トランジスタQ2の状態に関係なくCPU70には動作電源が
供給されることになる。 CPU70に一旦動作電源が供給されると,後述するところから分るように一定
の条件下で電源供給を断っ場合を除いて,CPU70は出力端子O2にHレベルの
オン信号を出力し続ける。このHレベルのオン信号によってトランジスタQ2が
オンとなり,操作スイッチSWがたとえオフとなっても,トランジスタQ3はオ
ン状態を保ち,CPU70に動作電源が供給され続ける。CPU70は電源をオフと
すべきであると判断すると出力端子O2の出力信号をLレベルに反転する。する
と,トランジスタQ2がオフとなり,スイッチSWがオフである限りトランジス
タQ3はオフとなり,CPU70への電源の供給が停止する。この後はユーザがス
イッチSWをオンとしない限りCPU70へは電源は供給されない。 表示回路76は表示器LEDの点灯または点滅を制御するもので,抵抗R8を含
む。CPU70は表示器LEDを点灯させる場合にはその出力端子O3をLレ ベルにする。また表示器LEDを点滅させる場合には出力端子O3に一定周波数
(たとえば5Hz)のパルス信号を出力する。出力端子O3がHレベルであれば
表示器LEDは消灯したままである。表示器LEDが点灯または点滅するのはト
ランジスタQ3がオンでCPU70および表示器LEDに動作電圧が印加されてい
る場合のみであるのはいうまでもない。 この実施例では連続動作モードと自動断続動作モードとがある。 連続動作モードは,操作スイッチSWがオフであっても噴霧動作を連続的に続
けるものである。第26a図に示すように,操作スイッチSWが4秒間以上押し続
けられたときにこの連続動作モードに移行する。次に述べる自動断続動作モード
のときおよび自動断続動作モードへの移行過程において操作スイッチSWが4秒
間以上押し続けられた場合にも連続動作モードに移行する。 自動断続動作モードは,操作スイッチSWがオフであっても一定周期で噴霧動
作とその停止とを繰返すものである。噴霧動作の断続の周期は学習により決定さ
れる。第26b図に示すように,ユーザが,1回当りオン時間が4秒以内の操作ス
イッチSWのオン操作を3回繰返すことによりこの自動断続動作モードに移行す
る。この移行過程においてユーザが操作スイッチをオ ン,オフする周期(オン時間とオフ時間)をCPU70が学習して自動断続動作モ
ードにおける断続周期(オン/オフ繰返し周期)を決定する。 自動断続動作モードはこの超音波霧化装置を吸入器に応用した場合に特に効果
的である。吸入器ではユーザが息を吸った場合にのみ霧化された薬品が咽喉に吸
引されていく。使用する吸入薬液が高価であることもあって,薬液の無駄使いを
防止するためにユーザの呼吸にあわせて噴霧動作およびその停止を繰返す必要が
ある。学習過程においてユーザが操作スイッチSWをオン/オフする周期(時間
)を計時することにより学習し,学習後はユーザがスイッチSWをオン/オフし
なくても自動的にユーザの呼吸にあわせた繰返し周期で噴霧動作とその停止を繰
返すように働く。これは特に操作スイッチSWを上手にオン/オフ操作できない
老人,子供のために有用である。 連続動作モードおよび自動断続動作モードにおいて操作スイッチSWが再び押
され,そのオン時間が4秒間以内であれば,CPU70への電源の供給が停止され
る(トランジスタQ2がオフとなる)。また,自動断続動作モードへの移行過程
(学習過程)において操作スイッチSWが5秒以上にわたってオフとなっていた
場合にも電源オフとなる。 上述した働きをCPU70の処理手順にしたがって表 わしたのが第23図から第25図に示すフロー・チャートである。 操作スイッチSWがユーザによってオンとされることによりCPU70の動作が
開始する。操作スイッチSWがオンされるとCPU70は出力端子O2にHレベル
の信号を出力してトランジスタQ2をオンとする(ステップ111)。これにより,
上述したようにスイッチSWのオン,オフに関係なくCPU70には動作電圧が印
加される。 もし,操作スイッチSWが4秒以上継続してオンとされていれば(ステップ11
2でYES),連続動作モードに移るとともにその旨の表示が行なわれる(ステップ
113)。第26a図に示すように,操作スイッチSWが4秒間オン状態を続けたの
ち,オフとなるまでの間,表示器LEDが点滅して連続動作モードへの移行の旨
が表示される。操作スイッチSWがオンとされて4秒間経過するまで,および連
続動作モードでの動作中は表示器LEDは点灯し続ける。また,操作スイッチS
Wがオンとなった時点から噴霧動作が連続的に続けられる。 連続動作モードの噴霧動作は,その後操作スイッチSWがオフとなり(ステッ
プ114でNO),再び操作スイッチSWがオンとならない限り(ステップ115でNO)
,続行される。 再び操作スイッチSWがオンとなり(ステップ115でYES),そのオン時間が4
秒未満であれば(ステップ116でNO,ステップ117でYES),CPU70は出力端子
O2の出力をLレベルにして電源の供給を断つ(ステップ118)。 操作スイッチSWのオン時間が4秒以上の場合には(ステップ116でYES),再
び連続動作モードへの移行処理が行なわれる(ステップ113)。 停止状態から操作スイッチSWがオンされてそのオン時間が4秒未満の場合に
は(ステップ112でNO,ステップ119でYES),学習カウンタNがクリアされる(
ステップ120)。 再び操作スイッチSWがオンされると(ステップ122でYES),第1回目の学習
,すなわち先のスイッチのオン時間およびオフ時間の測定結果が取込まれ,オン
/オフの一周期が算出されるとともに学習カウンタNがインクレメントされる(
ステップ122)。スイッチSWのオン時間およびオフ時間はタイマまたはカウン
タにより常に計時されている。 操作スイッチSWが2回目にオンされてから4秒未満のうちに再びオフされる
と(ステップ124でNO,ステップ125でYES),N=2でなければ(ステップ126で
No),再びステップ121を経て,スイッチSWの3回目のオン操作が行なわれた
かどうかがチェック される(ステップ122)。 操作スイッチSWが3回目にオンされると(ステップ122でYES),スイッチS
Wの2回目のオン,オフ時間の計時結果が取込まれ,2回目のオン/オフ周期の
学習が行なわれるとともにカウンタNがさらにインクレメントされる(ステップ
123)。 操作スイッチSWが3回目にオンされたのち4秒未満のうちに再びオフされる
と(ステップ124でNO,ステップ125でYES),既に学習カウンタNの値は2とな
っているので(ステップ126でYES),オン/オフ平均周期が算出される(ステッ
プ127)。すなわち,既に2回の学習結果が蓄積されているので,オン時間の平
均値,オフ時間の平均値がそれぞれ算出され,これらの平均値が自動断続動作モ
ードにおけるオン時間,オフ時間と決定される。 この後,自動断続動作モードに移り,スイッチSWがオフである限り先に決定
されたオン時間,オフ時間の周期で噴霧動作が断続されていく。また,第26b図
に示すように操作スイッチSWが3回目にオフとされた時点から,操作スイッチ
SWが3回目にオンとされてから4秒の時間が経過するまでの間,表示器LED
が点滅して自動断続動作モードへの移行の旨が表示される(ステップ128)。 第1回目〜第3回目の操作スイッチSWがオンとさ れている間,および自動断続動作モードにおいて噴霧動作が行なわれているとき
には表示器LEDは点灯される。また,第1回目〜第3回目の操作スイッチSW
がオンとされている間も噴霧動作が行なわれるのはいうまでもない。 この後,操作スイッチSWが再び4秒未満の間オンとされると(ステップ129
でYES,ステップ130でNO,ステップ131でYES),電源がオフとされる(ステップ
118)。 自動断続動作モードへの移行過程(学習過程)において操作スイッチSWが5
秒以上にわたってオフとされていた場合には(ステップ121でYES),何らかの誤
操作または操作中止と判断して電源がオフとされる(ステップ118)。 また,自動断続動作モードへの移行過程または自動断続動作モードにおいて,
操作スイッチSWが4秒以上にわたってオンとされていた場合には(ステップ12
4でYES,ステップ130でYES),ただちに連続動作モードへ移行する(ステップ11
3)。 上記実施例では2回の学習動作が行なわれているが,さらに多くの回数にわた
って操作スイッチSWのオン時間,オフ時間を計時して,その結果に基づいて自
動断続動作モードにおけるオン/オフ周期を決定するようにしてもよいのはいう
までもない。 また,上記実施例では操作スイッチSWを3回押すと(いずれもオン時間は4
秒以内),強制的に自動断続動作モードに移行しているが,常にユーザが操作ス
イッチSWをオン/オフでき,このオン,オフ操作にしたがって噴霧の断続が制
御されるマニアル・モードを設けてもよい。マニアル・モードと自動断続動作モ
ードとを区別するために,操作スイッチの3回目のオン動作が4秒以上断続して
はじめて自動断続動作モードに移行するようにすることができる。これに代えて
,自動断続動作モードを指定するための特別のスイッチを設けることができる。
この場合にも1回または複数回にわたって学習が行なわれるのはいうまでもない
。 産業上の利用可能性 超音波霧化装置はたとえば超音波式吸入器に応用される。超音波式吸入器は医
療機器産業において利用される。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.軸方向に貫通して上端と下端とが開口した揚液孔が形成されたポンプ軸と,
このポンプ軸にその軸方向の中央付近において取付けられた超音波振動子とから
構成される超音波ポンプ, 上記ポンプ軸の下端部がその中に入り込む位置に設けられた液容器, 上記ポンプ軸の上端面上に配置され,多数の微小孔が形成されたメッシュ板,
および 上記メッシュ板を上記ポンプ軸上端面の方向に付勢する押圧弾性部材, を備えた超音波霧化装置。 2.上記超音波ポンプを支持し,上記液容器が着脱自在に取付けられるハウジン
グ,および 上記ハウジングの一部に,上記ポンプ軸の上端部を覆うように着脱自在に取付
けられるキャップをさらに備え, 上記キャップの上面に噴霧口があけられ,上記噴霧口の下方の位置で上記メッ
シュ板をその周縁で支持する段部が形成され,上記キャップ上面の一部と上記メ
ッシュ板との間に上記押圧弾性部材が設けられている, 請求項1に記載の超音波霧化装置。 3.上記メッシュ板が上記ポンプ軸の上端面のうち少くとも揚液孔の上端開口を
含む領域で上記上端面に接触するように上記弾性部材によって押圧されている,
請求項1または2に記載の超音波霧化装置。 4.上記ポンプ軸の上端面が,上記揚液孔の上端開口の位置で最も高くなり周囲
にいくほど低くなるようにわずかにかつ滑らかに湾曲した形状に形成されている
,請求項1から3のいずれか一項に記載の超音波霧化装置。 5.上記メッシュ板が上記ポンプ軸上端面よりも外方に延びた周縁で上記弾性部
材によって押圧されることによりわずかに湾曲し,上記メッシュ板の湾曲の程度
が上記ポンプ軸上端面の湾曲の程度よりも小さくなるように,上記ポンプ軸上端
面の曲率,上記弾性部材の弾性力および上記メッシュ板の強さが定められている
,請求項4に記載の超音波霧化装置。 6.上記ポンプ軸の上端面に,上記揚液孔の上端開口を含む領域で突出した突部
が形成されている,請求項1から3のいずれか一項に記載の超音波霧化装置。 7.上記メッシュ板がその中央部が下方に向うようにわずかに湾曲または屈曲し
た形状に形成されている,請求項1から3のいずれか一項に記載の超音波霧化装
置。 8.上記押圧弾性部材が圧縮ばねである,請求項1か ら7のいずれか一項に記載の超音波霧化装置。 9.上記押圧弾性部材が圧縮コイルばねであって,上記メッシュ板の上記ポンプ
軸上端面上の位置で上記メッシュ板を押圧するように,コイル径が上記メッシュ
板に近づくほど小さくなっている,請求項1から4および6,7のいずれか一項
に記載の超音波霧化装置。 10.上記メッシュ板の微小孔が上記メッシュ板の上面から下面に向うにしたがっ
て拡開するように形成されている,請求項1から9のいずれか一項に記載の超音
波霧化装置。 11.上記メッシュ板が,その微小孔がメッシュ板の上面から下面に向って拡開し
,かつ上面において隣接する微小孔間に溝ないしは窪みが形成されるような形に
形成されている,請求項1から9のいずれか一項に記載の超音波霧化装置。 12.上記メッシュ板の周縁において,メッシュ板の中心を中心として点対称とな
る箇所以外の少くとも2箇所に大きさの異なる切欠きが形成されている,請求項
1から11のいずれか一項に記載の超音波霧化装置。 13.上記メッシュ板において,上記微小孔が,対角線の長さが一定距離ずつ変化
する多くの正六角形の辺に沿って等間隔で形成されている,請求項1から12のい
ずれか一項に記載の超音波霧化装置。 14.上記メッシュ板において,上記微小孔に囲まれた 領域の中に微小孔の形成が欠如された小領域が存在する,請求項1から13のいず
れか一項に記載の超音波霧化装置。 15.上記メッシュ板において,上記ポンプ軸の揚液孔上端開口に対向する箇所に
上記上端開口よりも広い範囲にわたって上記微小孔の形成が欠如された領域が存
在する,請求項1から14のいずれか一項に記載の超音波霧化装置。 16.上記弾性部材による押圧力を均一に上記メッシュ板に加えるために,上記メ
ッシュ板の周縁部に環状板が設けられている,請求項1から8および10から15の
いずれか一項に記載の超音波霧化装置。 17.上記メッシュ板と上記ポンプ軸の上端面との間にスペーサが設けられている
,請求項1から15のいずれか一項に記載の超音波霧化装置。 18.上記超音波ポンプの上記ポンプ軸の上端部および下端部を除く部分を液密に
囲み保持するブッシュをさらに備え, 上記ブッシュの上部の少なくとも上,下2箇所に,上記超音波振動子よりも上
方に位置するポンプ軸部分に液密に密接する環状シール・リップが一体的に形成
され,上記少なくとも上,下2箇所の環状シール・リップ間において上記ポンプ
軸部分と上記ブッシュとの間に間隙が設けられている, 請求項1に記載の超音波霧化装置。 19.上記超音波ポンプの上記ポンプ軸の上端部および下端部を除く部分を液密に
囲み保持するブッシュ, 上記ブッシュが液密に嵌込まれたハウジング,および 上記ハウジングの上記ポンプ軸の上端部のまわりに形成された環状突壁に,上
記ポンプ軸上端部を覆うように着脱自在に取付けられるキャップをさらに備え, 上記ブッシュの上面を底面とし,上記キャップまたは上記環状突壁の少なくと
も一方を周壁とする液溜部が形成されている, 請求項1に記載の超音波霧化装置。 20.上記液容器内の残液が表面張力により上記ポンプ軸の下端に付着して揚液さ
れるように,上記ポンプ軸の下端が液容器の底面または側面に近接して配置され
ている,請求項1に記載の超音波霧化装置。 21.上記液容器内の残液が溜る窪みが上記液容器に形成され,上記ポンプ軸の下
端が上記窪みにのぞむように配置されている,請求項1または20に記載の超音波
霧化装置。 22.上記超音波ポンプの超音波振動子を駆動する駆動回路, 操作スイッチ, 上記操作スイッチのオン,オフに応答して上記駆動 回路による上記超音波振動子の駆動を制御する第1の制御手段,ならびに 上記操作スイッチが1回または複数回にわたってオン,オフされることに応答
して,上記操作スイッチのオン時間およびオフ時間に基づいて自動断続動作にお
けるオン時間およびオフ時間を決定し,決定したオン時間およびオフ時間の周期
で上記超音波振動子が駆動されるように上記駆動回路を制御する第2の制御手段
, をさらに備えた請求項1に記載の超音波霧化装置。 23.全体的にみて2つの面を備えるとともに一方の面から他方の面に貫通する多
数の微小孔が形成されてなるメッシュ板であり,このメッシュ板を構成する板状
体自体が屈曲した構造を持ち,上記微小孔を規定する周壁面が上記一方の面から
他方の面に向って拡開し,かつ隣接する微小孔の周壁面が上記他方の面の側にお
いて相互につながり,上記一方の面からみると隣接する微小孔の間に溝ないしは
窪みが形成されている,メッシュ板。 24.周縁において,その中心を中心として点対称となる箇所以外の少くとも2箇
所に大きさの異なる切欠きが形成されている,請求項23に記載のメッシュ板。 25.上記微小孔が,対角線の長さが一定距離ずつ変化する多くの正六角形の辺に
沿って等間隔で形成されて いる,請求項23に記載のメッシュ板。 26.上記微小孔に囲まれた領域の中に微小孔の形成が欠如された小領域が存在す
る,請求項23に記載のメッシュ板。 27.中心部に上記微小孔の欠如された領域が存在する,請求項23に記載のメッシ
ュ板。 28.液容器内の液体を多数の微小孔が形成されたメッシュ板の一面に供給し,上
記メッシュ板を超音波振動体により振動させることによってメッシュ板の上記一
面に供給された液体を上記メッシュ板の他面から噴霧させる超音波霧化装置にお
いて, 上記メッシュ板を構成する板状体自体が屈曲した構造をもち,上記微小孔を規
定する周壁面の隣接するもの同志が上記一面の側において相互につながり,メッ
シュ板を上記他面からみると隣接する微小孔の間に溝ないし窪みが形成されてい
るものであることを特徴とする,超音波霧化装置。 29.上記微小孔が上記他面から上記一面に向って拡開している,請求項28に記載
の超音波霧化装置。 30.上記メッシュ板の周縁において,メッシュ板の中心を中心として点対称とな
る箇所以外の少くとも2箇所に大きさの異なる切欠きが形成されている,請求項
28または29に記載の超音波霧化装置。 31.上記メッシュ板において,上記微小孔が,対角線 の長さが一定距離ずつ変化する多くの正六角形の辺に沿って等間隔で形成されて
いる,請求項28または29に記載の超音波霧化装置。 32.上記メッシュ板において,上記微小孔に囲まれた領域の中に微小孔の形成が
欠如された小領域が存在する,請求項28または29に記載の超音波霧化装置。 33.上記メッシュ板において,液体の供給口に対向する箇所に上記供給口よりも
広い範囲にわたって上記微小孔の形成が欠如された領域が存在する,請求項28ま
たは29に記載の超音波霧化装置。 34.軸方向に貫通して上端と下端とが開口した揚液孔が形成されたポンプ軸と,
このポンプ軸にその軸方向の中央付近において取付けられた超音波振動子とから
構成される超音波ポンプ, 上記ポンプ軸の下端部がその中に入り込む位置に設けられた液容器, 上記ポンプ軸の上端面上に配置され,多数の微小孔が形成されたメッシュ板, 上記メッシュ板を上記ポンプ軸上端面の方向に付勢する押圧弾性部材,および 上記弾性部材による押圧力を均一に上記メッシュ板に加えるために,上記メッ
シュ板の周縁部に設けられた環状板,または上記メッシュ板と上記ポンプ軸の上
端面との間に設けられたスペーサ, を備えた超音波霧化装置。 35.軸方向に貫通して上端と下端とが開口した揚液孔が形成されたポンプ軸と,
このポンプ軸にその軸方向の中央付近において取付けられた超音波振動子とから
構成される超音波ポンプを備え,上記揚液孔の下端から液容器内の液体を揚液し
,上記揚液孔の上端から液体をメッシュ板に供給して噴霧させる超音波霧化装置
において, 上記超音波ポンプの上記ポンプ軸の上端部および下端部を除く部分を液密に囲
み保持するブッシュが設けられ, 上記ブッシュの上部の少なくとも上,下2箇所に,上記超音波振動予よりも上
方に位置するポンプ軸部分に液密に密接する環状シール・リップが一体的に形成
され,上記少なくとも上,下2箇所の環状シール・リップ間において上記ポンプ
軸部分と上記ブッシュとの間に間隙が設けられていることを特徴とする, 超音波霧化装置。 36.軸方向に貫通して上端と下端とが開口した揚液孔が形成されたポンプ軸と,
このポンプ軸にその軸方向の中央付近において取付けられた超音波振動子とから
構成される超音波ポンプ, 上記ポンプ軸の下端部がその中に入り込む位置に設けられた液容器, 上記ポンプ軸の上端面上に配置され,多数の微小孔が形成されたメッシュ板, 上記メッシュ板を上記ポンプ軸上端面の方向に付勢する押圧弾性部材, 上記超音波ポンプの上記ポンプ軸の上端部および下端部を除く部分を液密に囲
み保持するブッシュ, 上記ブッシュが液密に嵌込まれたハウジング,および 上記ハウジングの上記ポンプ軸の上端部のまわりに形成された環状突壁に,上
記ポンプ軸上端部を覆うように着脱自在に取付けられるキャップを備え, 上記ブッシュの上面を底面とし,上記キャップまたは上記環状突壁の少なくと
も一方を周壁とする液溜部が形成されている, 超音波霧化装置。 37.上記キャップの上面に噴霧口があけられ,上記噴霧口の下方の位置で上記メ
ッシュ板をその周縁で支持する段部が形成され,上記キャップ上面の一部と上記
メッシュ板との間に上記押圧弾性部材が設けられている, 請求項36に記載の超音波霧化装置。 38.霧化すべき液体を収容する液容器,および 下端が上記液容器内に位置し,軸方向に貫通して上端と下端とが開口した揚液
孔が形成されたポンプ軸と ,このポンブ軸に取付けられた超音波振動子とから構成される超音波ポンプを備
えた超音波霧化装置において, 上記液容器の底面または側面が水平面に対して傾斜するように形成され,上記
液容器内の残液が表面張力および超音波振動により上記ポンプ軸の下端に付着し
て揚液されるように,上記ポンプ軸の下端が液容器の傾斜した底面または傾斜し
た側面に近接して配置されていることを特徴とする超音波霧化装置。 39.上記液容器内の傾斜した底面または側面によって窪みが形成され,上記ポン
プ軸の下端が上記窪みにのぞむように配置されている,請求項38に記載の超音波
霧化装置。 40.上記液容器がハウジングに着脱自在である,請求項38または39に記載の超音
波霧化装置。 41.軸方向に貫通する揚液孔が形成されたポンプ軸と,このポンプ軸に取付けら
れた超音波振動子とから構成される超音波ポンプを備え,液体を超音波振動によ
り上記ポンプ軸を通して揚液して噴霧する超音波式吸入器において, 上記超音波ポンプの超音波振動子を駆動する駆動回路, 操作スイッチ, 上記操作スイッチのオン,オフに応答して上記駆動 回路による上記超音波振動子の駆動を制御する第1の制御手段, 上記操作スイッチが1回または複数回にわたってオン,オフされることに応答
して,上記操作スイッチのオン時間およびオフ時間に基づいて自動断続動作にお
けるオン時間およびオフ時間を決定する学習手段,ならびに 上記学習手段によって決定されオン時間およびオフ時間の周期で繰返し上記超
音波振動子が駆動されるように上記駆動回路を制御する第2の制御手段, を備えたことを特徴とする超音波式吸入器。 42.上記第2の制御手段は,上記操作スイッチのオン,オフ操作が所要複数回に
わたって繰返されたことに応答して自動断続動作を行うように起動される,請求
項41に記載の超音波式吸入器。 43.上記第2の制御手段は所要複数回目の上記操作スイッチのオン時間が第1の
所定時間以上であることを確認して自動断続動作に移行する,請求項42に記載の
超音波式吸入器。 44.自動断続動作モード・スイッチがさらに設けられ, 上記第2の制御手段は上記自動断続動作モード・スイッチからの入力に応答し
て自動断続動作を行うように起動される,請求項41に記載の超音波式吸入器。 45.上記操作スイッチのオン時間が第2の所定時間以上であることに応答して,
上記超音波振動子を連続駆動するように上記駆動回路を制御する第3の制御手段
がさらに設けられている,請求項41に記載の超音波式吸入器。 46.軸方向に貫通する揚液孔が形成されたポンプ軸と,このポンプ軸に取付けら
れた超音波振動子とから構成される超音波ポンプを備え,液体を超音波振動子に
よる振動で上記ポンプ軸を通して揚液して噴霧する超音波式吸入器において, 操作スイッチがオンとされたときにオンとされている時間の間上記超音波振動
子を駆動するとともに,このオン時間を計時し, 操作スイッチがオフとされているときにオフとされている時間の間上記超音波
振動子の駆動を停止するとともに,このオフ時間を計時し, 上記操作スイッチが所定回にわたってオン,オフ操作された後に,上記操作ス
イッチの計時されたオン時間およびオフ時間に基づいて自動断続動作におけるオ
ン時間およびオフ時間を決定し,決定したオン時間およびオフ時間の周期で上記
超音波振動子を駆動する, 超音波式吸入器の制御方法。
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