JP2545756B2 - 導電性コンクリ−ト - Google Patents

導電性コンクリ−ト

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JP2545756B2 JP62167870A JP16787087A JP2545756B2 JP 2545756 B2 JP2545756 B2 JP 2545756B2 JP 62167870 A JP62167870 A JP 62167870A JP 16787087 A JP16787087 A JP 16787087A JP 2545756 B2 JP2545756 B2 JP 2545756B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は一本一本が三次元的に大きく曲がっている炭
素繊維チョップを含む導電性コンクリートに関するもの
である。
〔従来技術及びその問題点〕
可燃性危険物を扱う作業場、クリーンな環境を必要と
する精密工作場、食品関連作業場あるいは電磁波の障害
を除去しなければならないコンピュータールームなどで
は静電気の除去対策が重要な課題とされている。そのよ
うな場所では建築材料としてコンクリートが多く用いら
れている。コンクリートは安価な建築材料であり、体積
固有抵抗が108Ω・cmとプラスチックやゴムなど有機系
建築材料に比較して低い電気抵抗性を示すが、静電気を
除去できる程の導電性はなく、静電気除去対策を必要と
する。
その方法としてコンクリート表面に導電塗料を塗付し
たり、導電材を貼合せるなど表面処理方法と導電材をコ
ンクリート中へ配合するなど表面と内面の通電を同時に
行なう方法がある。前者は導電材のはがれ落ちや摩耗が
最大の欠点である。一方後者は表面及び内面を同時に通
電しているために前者の様な欠点はないが、導電材を多
量に必要とし、且つ表面及び内面への両者への処理工程
を必要とするため効率的でない。
又、コンクリートを通電するために、従来、金属繊維
及びその粉末、直状炭素繊維、カーボンブラック、炭化
硅素繊維、チタン酸カリウムホイスカーなど導電性の繊
維や粉体あるいはフレークの混入が検討されている。こ
のうち金属繊維やその粉末は導電性に優れるが、錆びた
り、表面が荒れたりする欠点がある。又、カーボンブラ
ックは経済的な導電材ではあるが、隠蔽力が強いので黒
色のコンクリートとなり、着色を必要とする場合、不都
合であるばかりでなく、コンクリートをもろくする欠点
がある。更に、直状炭素繊維は上記欠点は少なく注目す
べき導電材であるが、高価であるばかりでなく、それ自
体導電性とはいいながら比較的高い固有抵抗を有してい
るためコンクリートへ多量に配合しなければならない欠
点がある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らは、特定の曲状炭素繊維を用いることによ
り、導電性が改良されたコンクリートがもたらされるこ
とを見い出し本発明に至った。
即ち、本発明は、直状炭素繊維に比べて比容積が大き
いアスペクト比50以上の曲状炭素繊維チョップを含んで
なることを特徴とする導電性コンクリートを提供する。
本発明で用いられる曲状炭素繊維チョップとは、アス
ペクト比が50以上で、直状炭素繊維に比べて比容積が大
であり、通常1cm3/g以上大きいものを言う。かかる曲状
炭素繊維チョップは、一般的にはアスペクト比を500に
換算して比容積が9cm3/g以上となるものであれば良く、
実際的にはアスペクト比50以上、好ましくは200〜150
0、直状炭素繊維チョップに比べて比容積が1cm3/g以
上、好ましくは2〜3cm3/g大きいものが使用に供され
る。曲状炭素繊維チョップと直状炭素繊維チョップとの
比容積の差については、それぞれの代表的なものの差を
第1図に示す。尚、本発明に於いて、比容積とは500ml
ビーカーに該ビーカーの容積を満たすように試料を入
れ、次いで150g/cm3の加圧下で測定した嵩密度の逆数で
表わしたものである。このような曲状炭素繊維チョップ
としては、例えばドナカーボ (ピッチ系炭素繊維、
(株)ドナック製)を挙げることができる。
上記曲状炭素繊維チョップは繊維同志が直状炭素繊維
チョップより、より良くからみ合うので、接触抵抗が減
少するため直状炭素繊維チョップを用いた場合より少い
使用量でコンクリートの固有抵抗を低減することができ
る。
本発明の導電性コンクリート中に含有される曲状炭素
繊維チョップの量は、セメントに対して0.03〜4.5重量
%、好ましくは0.1〜3重量%が適当である。
本発明での曲状炭素繊維チョップをコンクリート中に
分散させる方法はセメント粉体中へあらかじめ該炭素繊
維チョップを分散させておき、ミキサー中で砂、混和
剤、水、エマルジョン等を加え混練りする方法、あるい
は該炭素繊維チョップを水、エマルジョン混和剤の中で
あらかじめ分散させたものに砂、セメントを加えミキサ
ー中で混練する等の方法で混合することができる。又、
本発明での曲状炭素繊維チョップの長さは、短か過ぎる
と多量に添加する必要があり、逆に長過ぎるとコンクリ
ート中への分散性が低下するため、1mm〜100mm、好まし
くは3〜20mmが適当である。又、該チョップの直径は通
常5〜20μmである。
本発明による導電性コンクリートはその固有抵抗を10
Ω・cm程度にまで下げる事ができるため、静電気や電磁
気による障害を除去することができる。又、両端に電極
を接置し電圧を加えた時、その固有抵抗により発熱する
ため、面状のコンクリートボード発熱体として利用で
き、床暖房等に使用する事が可能である。更に、落雷電
流をすみやかにアースする高圧電力線の鉄塔部における
接地抵抗低減材にも使用され得る。
〔発明の効果〕
本発明の導電性コンクリートは固有抵抗が低いもので
あるため、導電性が改良されたものである。又、炭素繊
維を含んでいるため、通常のプレーンコンクリートより
高い強度を有し、且つひび割れが生じ難い効果にも優れ
ている。
〔実施例〕
次いで本発明を実施例により更に説明する。
実施例1、比較例1〜2 普通ポルトランドセメント100重量部(以下単に
「部」と略す。)に対し、曲状炭素繊維ドナカーボ
−231(直径13.5μm、長さ3mm、アスペクト比222、比
容積11cm3/g)2部を加え、千代田技研(株)製オムニ
ミキサーであらかじめ混合し、これをモルタルミキサー
中で150部の6号珪砂、70部の水、エマルジョンとして
ポリアクリル酸エステル(大日本インキ化学工業製、ボ
ンコート550)15部、高性能減水剤としてナフタリンス
ルホン酸ホルマリン縮合物4部を加え混練した。比較と
してドナカーボ S−231の代りに直径12.5μmと14.5
μmの直状炭素繊維(各長さ3mm、アスペクト比前者24
0、後者207、比容積前者7cm3/g、後者6.5cm3/g)を2部
加え同じ配合比で混練した。その後、160mm×160mm×10
mmの型枠へ打設し、24時間後に脱型した。
この供試体より40mm×40mm×10mmの大きさの試料板を
作成し、電極として銅箔を導電性樹脂接着剤を用い接着
した。20℃,60%R.H.の条件で4週養生を行った後絶対
乾燥状態を得るべく、110℃の恒温乾燥機中で2日間乾
燥した。その後長さ方向、厚み方向の体積固有抵抗値及
び表面固有抵抗値を測定した。結果を表1に記す。
繊維径が細くなると単位重量当りに含まれる繊維の数
が増加し、一般には抵抗値が減少すると考えられる。し
かし、表1に記した様に12.5μm径の直状炭素繊維糸を
用いたコンクリートより、曲状炭素繊維を使用したもの
の方が抵抗値がかなり低くなっている。これは、曲状炭
素繊維の一本一本が三次元的に曲がっていることにより
直状炭素繊維よりより良いからみ合いを持っていること
に起因していると考えられる。
実施例2、比較例3 実施例1で用いた曲状炭素繊維の、繊維長が3mm(ア
スペクト比222、比容積11cm3/g)、6mm(アスペクト比4
44、比容積11cm3/g)、10mm(アスペクト比741、比容積
11cm3/g)のチョップと直状炭素繊維(繊維径13.5μ
m)の繊維長が3mm(アスペクト比222、比容積6.5g/c
m3)、6mm(アスペクト比444、比容積7.5cm3/g)のチョ
ップを用いて、実施例1と同じ方法で各固有抵抗値を測
定し、繊維長と各固有抵抗値の関係を検討した。その結
果を第2図〜第4図に示す。
第2〜4図から判るように、直状炭素繊維チョップを
用いたものに比較して曲状炭素繊維を用いたものは低い
抵抗値を示し、かつ繊維長が長くなるに従い抵抗値が低
下していく傾向がみられた。尚、繊維長が長くなるに従
い繊維の曲り方が大きく固有抵抗値に影響していると考
えられる。
実施例3、比較例4 曲状炭素繊維チョップDONACARBO S−232(直径13.5
μm、繊維長6mm、アスペクト比444、比容積11cm3/g)
と直状炭素繊維チョップ(直径13.5μm、繊維長6mm、
アスペクト比444、比容積7.5cm3/g)のチョップをセメ
ントに対し重量比で0〜4部用い、実施例1と同じ方法
で各固有抵抗値を測定し繊維含有率と各固有抵抗値の関
係を検討した。その結果を第5図〜第7図に示す。
第5〜7図から判るように、曲状炭素繊維を用いたも
のも、直状炭素繊維を用いたものもどちらも繊維含有率
が増加するに従い抵抗値は減少する傾向がある。曲状炭
素繊維を用いたものについてはその繊維同志のからみ合
いが良いため、直状炭素繊維を用いたものよりも少い使
用量で同等の抵抗値を示した。
実施例4 曲状炭素繊維チョップDONACARBO S−232(直径13.5
μm、繊維長6mm、アスペクト比444、比容積11cm3/g)
と直状炭素繊維チョップ(直径13.5μm、繊維長6mm、
アスペクト比444、比容積7.5cm3/g)との混合比を第8
〜10図に示すようにし、該混合物をセメントに対して重
量比で2部となる様加え、実施例1と同じ方法で4週間
養生後と4週間養生後乾燥機で2日間乾燥した後各固有
抵抗値を測定した。その結果を第8〜10図に示す。
第8〜10図に示した様に直状炭素繊維100%ではプレ
ーンコンクリートの固有抵抗値とほとんど変わらない
が、曲状炭素繊維を加えるに従って抵抗値が減少するこ
とがわかる。
実施例5、比較例5 曲状炭素繊維チョップDONACARBO S−232(直径13.5
μm、繊維長6mm、アスペクト比444、比容積11cm3/g)
と、直状炭素繊維チョップ(直径13.5μm、繊維長6m
m、アスペクト比444、比容積7.5cm3/g)をセメントに対
し重量比でそれぞれ1部及び2部となる様加え実施例1
と同じ方法で混合した。その各混合物をコテ塗り施工、
吹付け施工、吹付け後コテ押さえ施工及び吹付け後ロー
ラー押さえ施工の各施工を実施し、160mm×160mmの面積
を持つ各試料板を作成し、実施例1と同じ方法で表面固
有抵抗を測定して施工方法と表面固有抵抗の関係を検討
した。その結果を図11に示す。
第11図に示した様に、吹き付け施工を行った場合、コ
ンクリート表面に対し炭素繊維の立ち上りが多いと考え
られるので、表面での横方向の炭素繊維のからみ合いが
少く、表面固有抵抗値は曲状炭素繊維使用品、直状炭素
繊維使用品共にそれ程差はなかった。吹き付け後コテ仕
上げ又はローラー仕上げを行い炭素繊維を表面に押え付
け横方向のからみ合いを多くすると、曲状炭素繊維を使
用したものの方がその繊維間のより良いからみ合いのた
め表面固有抵抗値は直状炭素繊維使用品に比べて低い抵
抗値を示した。
実施例6、比較例6 曲状炭素繊維チョップDONACARBO S−232(直径13.5
μm、繊維長6mm、アスペクト比444、比容積25cm3/g)
と直状炭素繊維チョップ(直径13.5μm、繊維長6mm、
アスペクト比444、比容積8cm3/g)を各配合量使用し、
実施例1と同じ方法で試料板を作成し、各材令ごとに各
固有抵抗値を測定し各固有抵抗値の経時変化を観測し
た。その結果を第12〜14図に示す。
第12〜14図に示した様に曲状炭素繊維を用いたものの
方が直状炭素繊維を用いたものに比べて養生終了時点ま
で低い抵抗値を示している。又、経時変化についても、
初期抵抗値が低い方が有利であることがわかる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明で用いられる曲状炭素繊維チョップと
直状炭素繊維チョップのそれぞれのアスペクト比と比容
積の関係を示すグラフである。第2〜4図は、実施例2
及び比較例3の各成形コンクリートの固有抵抗を示すグ
ラフである。第5〜7図は、実施例3及び比較4の各成
形コンクリートの固有抵抗を示すグラフである。第8〜
10図は、実施例4の成形コンクリートの固有抵抗を示す
グラフである。第11図は、実施例5及び比較例5の各コ
ンクリート混合物を種々に施工したものについての各施
工法と固有抵抗との関係を示すグラフである。又、第12
〜14図は、実施例6及び比較例6の各成形コンクリート
の固有抵抗の経時変化を示すグラフである。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】直状炭素繊維に比べて比容積が大きいアス
    ペクト比50以上の曲状炭素繊維チョップを含んでなるこ
    とを特徴とする導電性コンクリート。
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JPS60260181A (ja) * 1984-06-06 1985-12-23 Fujitsu Ltd 半導体発光装置
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