JP2542155Y2 - 筆記具用キャップ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、サインペン、ボールペ
ン、フェルトペン等の２重（キャップ外装体とキャップ
内装体とからなる）筆記具用キャップに関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】従来、サインペン、ボールペン、フェル
トペン等の筆記具用キャップは、大別するとクリップ付
きのものと、クリップ無しのものに分けることができ、
更に太いもの及び細いものがある。また、１部品からな
るもの２部品、３部品からなるもの等、部品構成も様々
である。さて、子供又は幼児が筆記具を使用する場合、
誤ってキャップを口に入れて飲み込んでしまう危険があ
る。万一誤って飲み込んでしまった場合、クリップ無し
のキャップは全く空気を流通しないので大変危険であ
る。

【０００３】これらの欠点を改良するために、（イ）特
開平１−１５７８９８号、（ロ）実開平１−１６９３８
４号、（ハ）同１−１６９３８５号、（ニ）同１−１６
９３８６号、（ホ）英国公開特許第２１７４３７４号、
（ヘ）実開平２−５８９８１号、（ト）ドイツ公開特許
第３８１７２４８号、（チ）ドイツ公開特許第３８２１
１９５号、（リ）特開平２−５０１５５８号、（ヌ）英
国公開特許第２２２９９６７号、（ル）実開平３−９８
７８号、（オ）実開平３−９８７９号、（ワ）実開平３
−９８８０号等が知られている。 （イ）は、本考案とは異なるが、キャップの外面に空気
流通路を設けたので、キヤップ外径が大きくなり、材料
も多くなるためコストアップとなる。また、長い穴であ
るので成形上も困難である。 （ロ）は、キャップをペン先に被せる場合、ペン先がイ
ンナーキャップとキャップの間に入り、ペン先にキズを
つけてしまう場合がある。 （ハ）は、インナーキャップの外面軸方向に溝を設ける
ので、キャップの肉厚が厚くなりコストアップとなる。

【０００４】（ニ）は、（ロ）と同様の欠点がある。 （ホ）は、キャップ開口端部に近いので、ペン先を誤っ
て孔にいれてしまいペン先をキズつけてしまう。 （ヘ）及び（ト）は、インナーキャップ開口部近くに空
気流通孔があるため誤ってペン先を入れてしまいペン先
をキズつけてしまう。 （チ）は、ペン芯保護の構成となっているが、空気流通
孔は金型のスライド可動により作られる為、バリ等が発
生しやすい。 （リ）は、特に、気密部分とペン芯保護部材を設けてい
ない。 （ヌ）は、空気流通路も３部品よりなり、ペン芯保護材
もなく本考案とは構成がことなる。 （ル）と（オ）は、（ロ）・（ニ）と同様の欠点があ
る。特に（ル）は、インナ−キャップと筆記具本体との
テ−パ−嵌合により気密保持されている。よって、イン
ナ−キャップの内壁面にはテ−パ−がついており、空気
流通孔の端面又は一部分がかならずペン芯挿入側から見
え、ペン芯が触ることになる。 （ワ）は、本考案とは構成が異なり、外との空気流通を
キャップ本体の側面で行い、外観状クリップで隠してい
る。

【０００５】以上、筆記具にキャップを装着する際、ペ
ン芯とキャップの軸線が多少ずれて挿入することが頻繁
にあり、ペン先を空気流通口にペン先をいれてしまい、
著しく筆記具の寿命を縮めることとなる。これは、１部
品ではペン芯挿入側からは空気流通孔を完全に隠すこと
は出来ない為におこる。

【０００６】

【考案が解決しようとする問題点】本考案は、２重筆記
具用キャップにおいて、誤って飲み込んでも空気の流通
が確実に出来、更に、２部品を確実に嵌合固定し、完全
に空気流通孔を隠し、誤ってペン先を空気流通孔に入れ
ることがなくキズつけることがない、着脱可能なキヤッ
プを提供するものである。

【０００７】

【問題点を解決するための手段】キャップ内装体５を嵌
合固定する固定部４と空気流通路２を内部に設けてなる
キャップ外装体１と、前記キャップ外装体１の内部に嵌
合固定し、天面に気密保持壁８、その下方に気密保持リ
ング９、更に軸線と平行面に空気流通孔１０、開口端７
に鍔６を設けてなるキャップ内装体５とからなる筆記具
用キャップである。

【０００８】

【作用】空気１６は、リブ３と３´の間とキャップ外装
体内壁とキャップ内装体外壁とで出来る空気流通路より
空気流通孔を通りキャップ内装体の内部に入り、キャッ
プ外装体の両端より空気の流通が確実にできる。また、
キャップを被せる場合、ペン芯とキャップとの軸線がず
れた時には、ペン芯が鍔に接触し鍔がロート状になって
いるため、これがペン芯を導き、前記ペン芯は気密保持
リングにより気密保持される。更に、ペン芯挿入側から
空気流通孔が完全に見えないので、誤ってペン芯が空気
流通路に入ることはなく、ペン芯を傷つけることはな
い。

【０００９】

【実施例】以下、本考案を第１実施例を図１、図２、図
３にて具体的に説明する。１は、キャップ外装体で筒状
であり、内部にリブ３を等間隔に設け、更にリブ３の内
面にはキャップ内装体５を固定嵌合する固定部４を設け
ている。ここで、リブ３はキャップ外装体１の上開口端
１２より下方に中心近傍まで伸びているが、その長さは
問わない。５は、キャップ内装体で一方を開口端７、他
端を気密保持壁８を有する。更に、内側には気密保持壁
８より開口端７に向かって筆記具本体（図示していな
い）と気密保持することが出来る気密保持リング９、そ
の下方に空気流通孔１０、更にペン芯ガイド用の鍔６を
有する。前記空気流通孔１０は、キャップ内装体５の中
央近傍に、軸線に対し平行方向の面に設けられており円
弧状で２個あるが特に形状・個数は問わない。また、キ
ャップ外装体１とキャップ内装体５とは別体であるた
め、割り型が使用出来、簡単・容易にしかも安く成形す
ることが出来る。鍔６は、ロ−ト状であり、開口端７は
キャップ外装体１の内面に当接している。しかし、開口
端７と、キャップ外装体１への当接は問わない。

【００１０】外側には、キャップ外装体１と嵌合固定さ
れる固定環状部１１が設けられている。２は、空気流通
路であり、リブ３、３´とキャップ外装体１の内壁で作
られる。ここで、空気１６は、上記空気流通路２を通り
空気流通孔１０を抜けてキャップ内部に入り、上開口端
１２から下開口端１３まで流通可能となる。次に、第２
実施例を図４にてキャップ内装体５´の固定方法につい
て詳細に説明する。１´は、キャップ外装体であり、内
側には上開口端１２近傍に等間隔に数本固定リブ１５を
設け、下方に固定部４´を設けてなるものである。キャ
ップ内装体５´は下開口端１３より挿入し、固定部４´
を開口端７が乗り越え、気密保持壁８は固定リブ１５に
当接し、嵌合固定される。本考案の、キャップ外装体１
・１´及びキャップ内装体５・５´の材質は、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、塩化ビニ−ル、ＡＢＳ樹脂、ナ
イロン、ポリアセタ−ル等の熱可塑性樹脂、ユリア、フ
ェノ−ル、メラミン等の熱硬化性樹脂など各種プラスチ
ック、及びアルミ等の金属など、適宜材料を選択して使
用することが出来る。

【００１１】

【効果】本考案は以下の効果がある。 （イ）二重部品としたことから空気流通孔１０が確実に
隠れる。よって、筆記具にキャップを被せる際、キャッ
プ軸方向から多少ずれても鍔６により導かれてキャップ
の中央に挿入される。 （ロ）キャップ内装体５・５´の軸線方向に平行な面
に、空気流通孔１０を設けたため、誤ってペン先を空気
流通孔１０に入れることがなくペン先をキズつけること
はない。 （ハ）二重部品としたことから、空気流通孔をキャップ
内装体５・５´の軸線方向に平行な面に、確実に設ける
ことが出来、金型構造も簡単で成形性もよい。 （ニ）キャップ外装体１・１´とキャップ内装体５・５
´に嵌合固定部分を設けたため確実に嵌着固定出来る。 （ホ）（ハ）により空気流通孔１０が確実に設けること
が出来るため、誤って飲み込んでも空気の流通が確実に
出来る。

【００１２】

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例１の断面図

【図２】本考案の実施例１のキャップ内装体の斜視図

【図３】本考案の実施例１のキャップ内装体の断面図

【図４】本考案の実施例２の断面図

【符号の説明】

１・１´ キャップ外装体 ２ 空気流通路 ３ リブ ４ 固定部 ５・５´ キャップ内装体 ６ 鍔 ７ 開口端 ８ 気密保持壁 ９ 気密保持リング １０ 空気流通孔 １１ 環状部 １２ 上開口端 １３ 下開口端 １５ 固定リブ １６ 空気

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】キャップ内装体５を嵌合固定する固定部４
   と空気流通路２を内部に設けてなるキャップ外装体１
   と、前記キャップ外装体１の内部に嵌合固定し、天面に
   気密保持壁８、その下方に気密保持リング９、更に軸線
   と平行面に空気流通孔１０、開口端７に鍔６を設けてな
   るキャップ内装体５とからなる筆記具用キャップ。