JP2539056B2 - 直流ア―ク炉の制御装置 - Google Patents

直流ア―ク炉の制御装置

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JP2539056B2 JP1268543A JP26854389A JP2539056B2 JP 2539056 B2 JP2539056 B2 JP 2539056B2 JP 1268543 A JP1268543 A JP 1268543A JP 26854389 A JP26854389 A JP 26854389A JP 2539056 B2 JP2539056 B2 JP 2539056B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は直流アークの熱エネルギーにより金属を溶解
する直流アーク炉の制御装置に関する。
(従来の技術) 直流アーク炉は可動電極と炉内に収容された金属との
間にアークを形成し、その時のアーク熱により金属を溶
解するものである。
従来、かかるアーク炉において、アーク電流は電源側
の整流器の位相を制御することにより、またアーク電圧
は可動電極を昇降して被溶解物との間の距離を制御する
ことで必要なアーク長を保つように制御されている。
(発明が解決しようとする課題) このような制御においては、炉内でスクラップ(鉄
屑)の崩落或いは溶鋼の動揺が生じてアーク長が短くな
ったり、或いは長くなった場合、アーク電流は整流器の
位相制御によって短い時間で設定値に戻るように制御さ
れる。しかし、アーク電圧はアーク長に比例するので、
可動電極の昇降移動により制御されて設定値に戻るため
には、応答遅れなどによって時間がかかる。この昇降移
動の間は電流と電圧の積である投入電力はアーク長が短
くなっている分だけ、或いは長くなっている分だけ減少
或いは増加してしまう。
本発明は簡易な構成でアークの変動により投入電力が
変動することを抑制し、溶解中において常に一定な投入
電力を供給することの可能な直流アーク炉の制御装置を
提供することを目的とする。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) 本発明は上記の目的を達成するため、交流を直流に変
換する整流器の点弧位相を電流設定器の出力と電流検出
器の出力の偏差である電流偏差信号に応じて制御し、前
記整流器の直流出力が印加される直流アーク炉の電極の
昇降を電圧設定器の出力信号と電圧検出器の出力信号と
の偏差である電圧偏差信号に応じて制御する直流アーク
炉の制御装置において、前記電流偏差信号と電圧偏差信
号とを乗算する乗算器と、この乗算器の出力信号を前記
電圧検出器の出力信号で除算する除算器と、この除算器
の出力信号を前記電流設定器の出力信号に加算して電流
設定値を補正する加算器とを具備する構成としたもので
ある。
(作用) したがって、このように構成された本発明による直流
アーク炉の制御装置にあっては、電流偏差信号と電圧偏
差信号とを乗算して得られる電力偏差分を電圧検出信号
で除算して電流換算の電力偏差を求め、さらにこの電流
換算の電力偏差を電流設定値に加算して電流設定値を補
正することにより、電極昇降の応答遅れによるアーク電
圧の誤差分が補正され、一定した投入電力を得ることが
可能となる。
(実施例) 以下本発明の一実施例を図面を参照して説明する。
第1図は本発明による直流アーク炉の制御装置の構成
例を示す回路構成図である。第1図において、1は整流
器用変圧器2およびしゃ断器3を介して図示しない交流
電源に接続された制御可能な整流器で、この整流器1は
交流を直流に変換し、負荷となるアーク炉4の可動電極
4aと固定電極4b間に直流リアクトル5を介して直流電圧
を印加するものである。また、6は整流器1の出力電路
に設けられた直流変流器、7はこの直流変流器6の出力
信号が加えられる電流検出器、8はこの電流検出器7で
検出された直流電流値と詳細を後述する電力補償回路9
で補償された電流設定器10の電流設定値とを比較する比
較器、11はこの比較器8で比較された電流検出値と電流
設定値との偏差が入力され、この偏差に応じて整流器1
の位相を制御する位相制御回路である。
一方、12は整流器1の出力電路に接続された直流変圧
器、13はこの直流変圧器12の出力信号から直流電圧を検
出する直流電圧検出器、14はこの直流電圧検出器13で検
出された電圧検出値と電圧設定器15の電圧設定値とを比
較する比較器、16はこの比較器14で比較された電圧検出
値と電圧設定値との偏差が入力される電動機駆動装置
で、この電動機駆動装置16は電動機17をその偏差に応じ
て制御し、アーク炉4の可動電極4aを昇降駆動するもの
である。
第2図は電力補償回路9の詳細を示すブロック回路図
ある。この電力補償回路9は、電流設定器10に設定され
た電流設定信号ISと電流検出器7で検出された電流検出
信号Irとを比較する比較器18、電圧設定器15に設定され
た電圧設定信号VSと電圧検出器13で検出された電圧検出
信号Vrとを比較する比較器19、比較器18より出力される
偏差信号ΔIと比較器19より出力される偏差信号ΔVと
を乗算して電力偏差ΔWを求める乗算器20、この乗算器
20で求められた電力偏差ΔWを電圧検出信号Vrで除算す
る除算器21、この除算器21の出力信号と電流設定信号IS
とを加算する加算器22、電流設定信号ISと最小電流係数
設定器23に設定された係数kとを乗算する乗算器24、加
算器22の出力信号と乗算器24より出力される最小電流値
Iminおよび最大電流設定器25に設定された最大電流値I
maxがそれぞれ入力され、電流設定値として加算器22の
出力信号に対して最大電流値Imaxと最小電流値Iminで制
限した電流設定出力IS′を得る上下限制限器26から構成
されている。
次に上記のように構成されたアーク炉の制御装置の作
用について述べる。
いま、アーク炉4のアーク長に変動が生じると、その
時電流検出器7で検出された直流電流Irおよび電圧検出
器13で検出された直流電圧Vrが電力補償回路9に入力さ
れ、ここで比較器18,19により電流設定信号ISおよび電
圧設定信号VSとそれぞれ比較され、その設定値に対する
偏差ΔI,ΔVを乗算器17により乗算して電力偏差ΔWが
求められる。この電力偏差ΔWは除算器21により電圧検
出信号Vrで除算されて電流換算の電力偏差が求められ
る。この場合、除算器21により電流換算の電力偏差を求
めているのは、直流電圧が可動電極4aの昇降により決定
され、応答が遅くなるためである。
この除算器17により求められた電流換算の電力偏差は
加算器22により、電流設定信号ISに加算されることで電
力偏差分が補正され、電力補償回路26に与えられる。こ
の電力補償回路26では電力偏差が正の値である時には、
加算器22より入力される電流換算の電力偏差で補正され
た電流設定信号に対し予め最大電流設定器25により設定
された最大電流値Imaxに上限を持たせて電流設定信号
IS′が出力される。また、逆に電力偏差が負の値である
時は加算器22より入力される電流換算の電力偏差で補正
された電流設定信号に対して乗算器24により予め最小電
流係数設定器23により設定された最小電流係数kと電流
設定信号ISとの積として求められた最小電流値Iminで下
限を制限した電流設定出力IS′が出力される。
このように本実施例では、アーク長の変動によって生
じた直流電圧および直流電流の設定値に対する偏差の積
である電力偏差分を直流電圧で除算して電流換算の電力
偏差を求め、この電流換算の電力偏差を設定電流値に加
算して電流設定値を増減させているので、電力の偏差分
が補正され、常に一定した投入電力を得ることができ
る。また、電力偏差が正の値であるときには整流器の通
電電流に上限があるので、この上限値以上に電流を増加
させると過負荷になってしまうが、加算器22の出力を上
下限制限器26に加えて最大電流設定器25により電流値の
上限を持たせることにより整流器の過負荷を防止するこ
とができる。これとは逆に電力偏差が負の値となった場
合には、電流設定値に対してある割合以下にならないよ
うに最小電流係数設定23に設定された係数kと電流設定
器の設定値ISとの積によって下限を制限している。この
場合、電力偏差が負の値になるということは、投入電力
が設定値以上になっていることを意味するが、これに対
応して電流を低減することは低減し過ぎてアーク切れを
生じることがあり、また必要以上の電力投入であっても
溶解には悪影響を与えることもないので、電流設定値に
対してある割合以下にならないようにしている。
なお、上記実施例では1つの直流電源に1個の可動電
極を有するアーク炉の制御の場合について述べたが、複
数の直流電源を持ち、これらの直流電源が各々独立した
可動電極を有する複数電極の直流アーク炉においても前
述同様に適用実施することができるものである。
[発明の効果] 以上述べたように本発明によれば、簡易な構成でアー
クの変動により投入電力が変動することを抑制し、溶解
中において常に一定な投入電力を供給することの可能な
直流アーク炉の制御装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による直流アーク炉の制御装置の一実施
例を示す回路構成図、第2図は同実施例における電力補
償回路の詳細を示すブロック回路図である。 1……整流器、2……整流器用変圧器、3……炉用しゃ
断器、4……直流アーク炉、5……直流リアクトル、6
……直流変流器、7……電流検出器、8,14……比較器、
9……電力補償回路、10……電流設定器、11……位相制
御回路、12……直流変圧器、13……電圧検出器、15……
電圧設定器、16……電動機駆動装置、17……電動機、1
8,19……比較器、20,24……乗算器、21……除算器、22
……加算器、23……最小電流係数設定器、25……最大電
流設定器、26……上下限設定器。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】交流を直流に変換する整流器の点弧位相を
    電流設定器の出力と電流検出器の出力の偏差である電流
    偏差信号に応じて制御し、前記整流器の直流出力が印加
    される直流アーク炉の電極の昇降を電圧設定器の出力信
    号と電圧検出器の出力信号との偏差である電圧偏差信号
    に応じて制御する直流アーク炉の制御装置において、前
    記電流偏差信号と電圧偏差信号とを乗算する乗算器と、
    この乗算器の出力信号を前記電圧検出器の出力信号で除
    算する除算器と、この除算器の出力信号を前記電流設定
    器の出力信号に加算して電流設定値を補正する加算器と
    を具備してなる直流アーク炉の制御装置。
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