JP2537372B2 - 自動封緘装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は封筒の開口部を自動的に密封する自動封緘装
置に関する。

［従来の技術］ 従来郵便封書は一般に手作業によって封緘片の裏側に
糊付けをすると共に封緘片を折返して封筒の裏面に貼着
しているが、封書類の大量化に伴い作業も大幅に増大し
手作業では対応できない状態である。従って、これに対
応できる自動化が要請されていた。そのため、この要請
に応える特公昭57−30579号公報の自動封緘装置が開発
されている。

［発明が解決しようとする問題点］ 前記開発された特公昭57−30679号公報の自動封緘装
置は、器函内の上下に近接平行して走行する無端ベルト
を備え、この無端ベルトで封筒を挟持して移送している
が、封筒が厚くなると挟持して移送できず薄い封筒に限
定されていた。また封筒の封緘片の折り筋は、封筒封緘
片を走行中に起立案内壁により起立させ、この起立部の
封緘片の元部を尖輪が押圧転動させて折り筋を付ける構
成としてあるため、封緘片は上向に起立させて折り筋が
付けられるので封筒の裏面に重なる状態となるため宛名
記入の有無が確認できず、無駄となる不都合や、接着剤
塗布ローラは縦方向に軸支して回転自在に垂下し、起立
案内壁に沿って起立させた封緘片を起立案内壁を受面と
して他方から塗布ローラにより塗布されるが、接着剤が
流れる等の不都合及び接着剤は平均に塗布することがで
きず、貼着後剥がれるような悪影響があった。

［問題点を解決するための手段］ 本発明は斯様な実情に鑑み、これ等の問題を一掃する
ため開発したもので、即ち、器匣内に備えた移送機構を
上下にして、一方の下部はローラを介在すると共に左右
のローラに張架した移送ベルトを配し、他方の上部は移
送ベルトに向けて付勢させた加圧ローラで構成して移送
中の封筒の厚みに関係なく常に移送姿勢を崩さず保つよ
うにしたこと、及び糊付け装置は塗布ローラと、これと
対向した一対の封緘片煽り止めローラ、糊量を一定にす
るドクターを備えて封緘片に下部から平均に一定量の糊
を塗布し、上部及び側部からの糊の塗布に比較し、糊の
たれ流がなく防止し、更には、封筒走行時に規定された
位置に折り筋つけ機構を設け、封筒サイズは封筒底部が
当るガイドを取付け、このガイドに沿って移動して折り
曲げ位置を一定にし、規定された位置に降り、封筒表面
を上にして封緘片を下向に折り曲げ、封筒の宛先記入の
有無を確認し乍ら完全な密封を行うようにしたことを目
的としたものである。

［実 施 例］ 次に本発明に係る封筒自動封緘装置の一実施例を図面
に基いて説明する。

１は器匣で、この器匣１内には上下で構成した移送機
構Ａを設け、一方下段は複数の軸２を回転自在に架設
し、各軸2,2には複数列のローラ2a,2aを配装すると共に
前後の軸2,2の各ローラ2a,2a間には無端状の搬送ベルト
３を掛架張設し、この搬送ベルト３は、挿入側端の軸２
をモータＭとチエン等の伝動手段で連繋させ、モータＭ
の駆動でローラ2aに沿って上部を走行するようにしてあ
る。

前記各軸２に配したローラ2a,2aの夫々上部には、搬
送ベルト３を介して対向させた加圧ローラ4a,4aを、フ
レームに穿った縦方向の長孔4b,4bに嵌めた軸４に配装
し、かつ夫々の加圧ローラ4a,4aは搬送ベルト３に向け
て付勢させたスプリング5,5を設け、一端の挿入側から
供給した封筒Ｆを挟持して封筒Ｆの厚さに関係なく一定
の姿勢を保持し搬送するようにしてある。

前記器匣１は、一端正面を封筒Ｆの挿入口６、他端背
面を出口７として開口し、挿入口６側には、挿入板6aを
設け、更にこの挿入板6aの一側には封筒Ｆの底部を当て
て位置決めする調整可能な当片6bを設け、更に挿入板6a
の他側には糊付け装置Ｂを設けてある。この糊付け装置
Ｂは、挿入口６の挿入板6aの下部側に位置させて取付け
た糊槽８と、この糊槽８内の糊に一部を浸し、かつ周囲
が挿入板6aと略同一面となる塗布ローラ９を配し、この
塗布ローラ９は器匣１に取付けた軸受片10により軸支さ
れ、更に塗布ローラ９と対向して位置させて糊の量を調
整するドクター11と、両端の糊を取除くドクター11aを
配してある。

また塗布ローラ９の上部には対向して一対のあおり止
めローラ12,12aを器匣１に取付けた軸受片13からの軸14
に軸支して設けてある。

前記塗布ローラ９の軸9aの一端にはプーリ15を取付
け、このプーリ15はモータＭにチエン等の伝動部材16を
介して連繋した軸17のプーリ18と伝動部材19を介して連
絡し、モータＭの駆動で回転させるようにしてある。

糊付け装置Ｂの先方で、かつ器匣１内には、前記挿入
口６側の下部駆動側軸２の一端に設けた受輪20と、受輪
20の端縁と対向して挿入する封筒Ｆから張出した舌状封
緘片Faの基部に折目を施す尖輪21を僅かラップさせて転
動自在に設けて受輪20の端面と尖輪21により折られて折
り筋が施されるようにしてある。

また器匣１内で前記折り筋部の先方で、前記搬送ベル
ト２と対応した一側の搬送経路間で任意の位置に、搬送
される封筒Ｆの封緘片Faの折曲げ位置を規制する水平案
内定規22と、該水平案内定規22の端縁定規部と封緘片Fa
の通る程度の間をおいて、折曲げの案内を行う折曲げ案
内羽根23を取付けて配してある。

水平案内定規22は、供給側と先端部側には斜面22a,22
bを設けると共に供給側端部は下向に折曲げ封筒Ｆを導
き易くする。

案内羽根23は、供給側を、封緘片Faが順次下部に向け
て折曲げられるよう案内する案内部23aと、該案内部23a
と連続して封緘片Faを起立させる起立部23bと、封緘片F
aを順次封筒Ｆの下面に向けて折曲げ水平に折返す折返
し部23Cを連続させるようにして構成し、移動する封筒
Ｆの封緘片Faを順次折曲げ封筒Ｆの裏面に重ね合わせる
ようにしてある。

また折曲げ案内羽根23内には、第11図、第12図に示す
ように一端を供給側の内面上部に固定し、他端は自由と
した弾性押圧片24を設けることもあり、この弾性押圧片
24により水平案内定規22上を走る封筒Ｆを押圧し折曲げ
時の折曲げズレを防ぐようにすることもある。

更に器匣１内の出口７側には、前記折曲げ案内羽根23
の走行方向の前方に、一対の加圧保持ローラ25,25aをベ
ルト等の連動部材26で連絡して配装すると共に、この一
方の加圧保持ローラ軸は前記モータＭとチエン27を介し
て連繋し、モータＭの駆動により回転する。また加圧保
持ローラ25,25aと夫々対向させた上部にスプリング28,2
8を加圧方向に付勢させた加圧ローラ29,29aを配して、
案内羽根23を通って封筒Ｆの裏面に折返し重合された封
緘片Faを封筒の裏面に加圧し押圧して密封するようにし
てある。

［作用］ 本考案は前記構成で明らかなように、モータＭを駆動
すると器匣１内の移送機構Ａ及び糊付け装置Ｂの塗布ロ
ーラ９、押圧部の加圧保持ローラ25,25aは同一速度で回
転する。そこで、器匣１の挿入口６の挿入板6aから封筒
Ｆを裏面を下側にすると共に底部を当片6bに当てて挿入
板6aに沿って挿入口６から挿込むと、挿入板6a上にある
封筒Ｆの舌状封緘片Faは、ドクターで掻取られ適量に糊
が塗布された塗布ローラ９と一対のあおり止めローラ1
2,12aにより適量の糊が封緘片Faに塗布されて挿入口６
を経て移送機構Ａに送られ、この移送機構Ａは下段の搬
送ベルト３と、上段の加圧ローラ4a,4aで構成され、こ
のベルト３と加圧ローラ4a,4a間で挟持され封筒Ｆの厚
さに関係なく搬送姿勢を一定に保ちながら送られるが、
この間に、搬送され走行する封筒Ｆの封緘片Faの基部は
受輪20の端部と、尖輪21とにより折り筋が付けられ、更
に走行し、走行方向に沿って配した水平案内定規22と折
曲げ案内羽根23の間を封緘片Faが通過する間に封緘片Fa
の基部に設けた折り筋を前記水平案内定規22の端縁で規
制すると共に封緘片Faは順次下向に折曲げられ、更に中
央部で起立すると共に続いて除々に折返され、更に折返
された封緘片Faは封筒Ｆの裏面に重ね合されて封筒Ｆは
案内羽根23から外れると加圧保持ローラ25,25aと、上部
からの加圧ローラ29,29aにより加圧押圧されて封緘片Fa
は封筒Ｆの裏面に貼付けられ密封されて器匣１の出口７
から放出される。

従って封筒Ｆを挿入口６から連続して挿込めば自動的
に連続して密封され放出される。

［効果］ 本発明は上述のように一方の正面側に挿入口と、他方
背面に出口を設けた器匣内に、挿入口から出口に向けて
走行する複数条の搬送ベルトを張架するローラを並列し
た複数本の軸を架設し、更に軸に配した各ローラと対応
させた上部に、前記搬送ベルトを介してベルトに向けて
加圧するスプリングを付勢した加圧ローラを配装した搬
送手段と、搬送ベルトの走行方向に沿った搬送手段の一
端側経路に、挿入口側から出口に向かって受輪と尖輪等
による封緘片基部の折り筋を施す折り筋つけ手段と、こ
れに続いて前記折り筋位置を規制する水平案内定規と、
この水平案内定規の端縁定規部と封緘片が通過する間を
おいて、徐々に下面に折曲げる案内部と、起立して案内
する案内部と徐々に封筒の裏面に折返す案内部を連続し
て一体に備えた案内羽根と、封筒の裏面に向けて折返し
た封緘片を封筒の裏面に押圧して密着させる加圧保持ロ
ーラと、これに対向した上部に加圧方向にスプリングを
付勢した加圧ローラからなる押圧手段を一連に配装する
と共に、器匣の挿入口側には、糊槽と、この糊槽内の糊
に一部を浸し、挿入する封筒の封緘片に糊を塗布する塗
布ローラと糊を適量に掻取るドクターと封緘片のあおり
を防ぐあおり止めローラを備えた糊付手段を設けた事を
特徴とした自動封緘装置で、器匣内に備えた移送機構は
ローラに張設した複数条の搬送ベルトとローラと搬送ベ
ルトを介在して上部に対応し、しかも加圧方向に付勢さ
せた加圧ローラからなり、この移送機構により挿入口か
ら挿込まれた封筒は封筒の厚さに関係なく搬送姿勢を崩
さず一定の姿勢を保って送られるのでズレが生じない。
また挿入口側に設けた糊付け装置は、糊槽内の糊に一部
を浸して回転する塗布ローラと、上部に設けたあおり止
めローラ及びドクターを備えて平均にしかも糊はたれる
ことなく確実に塗布されるので貼着けた後剥がれること
なく、また汚さない。

また折り筋つけは挿入口の近くで行い封緘片の折り曲
げ位置が固定できるので操作が簡単である。また封緘片
は下向に折曲げ折返されるので封筒の宛先書の有無が確
認できる等の効果があり、しかも封筒を挿入口から挿込
めば封緘が行われて出口から放出するまで封筒の厚さに
かかわらず自動的に行うので作業が簡易迅速で事務合理
化ができる優れた装置である。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明に係る自動封緘装置の一実施例を示したも
ので、第１図は全体の正面からの斜視図、第２図は背面
からの斜視図、第３図は糊付け装置を取外した正面図、
第４図はカバーを取外した平面図、第５図は第４図の上
段加圧ローラを取外した平面図、第６図は挿入口側の一
部を示した斜視図、第７図は第４図Ｘ−Ｘ線の断面図、
第８図は第７図Ｙ−Ｙ線の一部縦断側面図、第９図は作
動説明の平面図、第10図は第８図の側面図、第11図は折
曲げ案内羽根に封筒を押える弾性バネ板を使用した時の
平面図、第12図は第11図の側面図である。 １……器匣、２……軸、2a……ローラ、３……搬送ベル
ト、４……軸、4a……加圧ローラ、５……スプリング、
６……挿入口、6a……挿入板、6b……当片、７……出
口、８……糊槽、９……塗布ローラ、9a……軸、10,13
……軸受片、11,11a……ドクター、12,12a……あおり止
めローラ、14,17……軸、15,18……プーリ、16,19……
伝動部材、20……受輪、21……尖輪、22……水平案内定
規、23……折り曲げ案内羽根、23a……下向折り曲げ案
内部、23b……起立部、23c……折り返し案内部、24……
弾性押圧片、25,25a……加圧保持ローラ、26……連動部
材、27……チエン、28……スプリング、29,29a……加圧
ローラ、Ａ……搬送機構、Ｂ……糊付け装置、Ｆ……封
筒、Fa……封緘片

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】一方の正面側に挿入口と、他方背面に出口
   を設けた器匣内に、挿入口から出口に向けて走行する複
   数条の搬送ベルトを張架するローラを並列した複数本の
   軸を架設し、更に軸に配した各ローラと対応させた上部
   に、前記搬送ベルトを介してベルトに向けて加圧するス
   プリングを付勢した加圧ローラを配装した搬送手段と、
   搬送ベルトの走行方向に沿った搬送手段の一端側経路
   に、挿入口側から出口に向かって受輪と尖輪等による封
   緘片基部の折り筋を施す折り筋付け手段と、これに続い
   て前記折り筋位置を規制する水平案内定規と、この水平
   案内定規の端縁定規部と封緘片が通過する間をおいて、
   徐々に下面に折曲げる案内部と、起立して案内する案内
   部と徐々に封筒の裏面に折返す案内部を連続して一体に
   備えた案内羽根と、封筒の裏面に向けて折返した封緘片
   を封筒の裏面に押圧して密着させる加圧保持ローラと、
   これに対向した上部に加圧方向にスプリングを付勢した
   加圧ローラからなる押圧手段を一連に配装すると共に、
   器匣の挿入口側には、糊槽と、この糊槽内の糊に一部を
   浸し、挿入する封筒の封緘片に糊を塗布する塗布ローラ
   と糊を適量に掻取るドクターと封緘片のあおりを防ぐあ
   おり止めローラを備えた糊付手段を設けた事を特徴とし
   た自動封緘装置。