JP2535820B2 - 金属材料の浸炭処理方法 - Google Patents

金属材料の浸炭処理方法

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JP2535820B2
JP2535820B2 JP61031613A JP3161386A JP2535820B2 JP 2535820 B2 JP2535820 B2 JP 2535820B2 JP 61031613 A JP61031613 A JP 61031613A JP 3161386 A JP3161386 A JP 3161386A JP 2535820 B2 JP2535820 B2 JP 2535820B2
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gas
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正博 松本
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は金属材料の浸炭処理方法に関する。
金属材料である例えば鋼製品の内部を元の状態に保持
してその表面だけを硬化し、該鋼製品の靱性を維持しつ
つ、該鋼製品の耐摩耗性や耐疲労強度性及び耐衝撃性等
を向上させる表面硬化熱処理に、浸炭炉が使用される。
浸炭炉では、メタノールの如きキャリアーガスを炉内に
導入し、その熱分解によって発生する一酸化炭素そして
究極的には炭素それ自体を利用して、これを鋼製品表面
へ浸透拡散することにより浸炭処理する。
本発明はは上記のような浸炭処理方法の改良に関する
ものである。
<従来の技術及びその問題点> ところで、前述した浸炭処理では、キャリアーガスと
してメタノール中の炭素は、次式1)〜3)で鋼製品の
鉄と結合する。
1) CH3OH→CO+2H2 2) 2CO→C+CO2 3) C+3Fe→Fe3C 浸炭炉内の雰囲気ガスにおいて、鋼製品の表面を浸炭
処理する[C]は式2)によって支配されるが、式2)
は平衡関係を有するため、式2)の3成分のうちの一つ
である[CO2]を制御すれば、浸炭処理を制御すること
ができることになる。
そこで従来は、炉内へ一定量のキャリアーガスを導入
する一方で、炉内の[CO2]を検出し、その検出値に基
づいて別にエンリッチガスを炉内へ導入することにより
炉内の[CO2]を制御するという浸炭処理方法が行なわ
れている。
ところが実際には、上記のような従来法によると、処
理品の品質バラツキが大きいという問題点がある。例え
ば所定のビッカーズ硬度を有する処理品を得るのに、有
効浸炭深さのバラツキが大き過ぎるのである。
<発明が解決しようとする問題点及びその解決手段> 本発明は叙上の如き従来の問題点を解決する改良され
た浸炭処理方法を提供するものである。
しかして本発明者らは、上記観点で研究した結果、浸
炭処理において、従来のように被処理品の形態と無関係
に一定量のキャリアーガスを炉内へ導入する方法では、
炉内の[CO2]を検出し、そして制御することによる不
備を補えず、そのために処理品の品質バラツキが大きく
なってしまうが、被処理品の形態、特にその表面積に相
応してキャリアーガスの導入量を制御すれば、上記不備
を補ってその処理品の品質バラツキが著しく小さくなる
ことを見出した。すなわち、前記の式2)及び3)は次
式4)で表わされるが、 4) 2CO+3Fe→CO2+Fe3C 式4)のCO2は炭素が例えば鋼製品の鉄へ取り込まれる
際に該鋼製品の表面で主に発生し、そのため該鋼製品の
表面ではCO2濃度が炉内の他の個所よりも高くなってし
まう。ところが、炉内のある個所を検出点とする炉内CO
2の検出とその制御では上記のようなCO2の状態を充分に
補うことができないので、そこに不備が生じる。そして
このような不備は、被処理品である鋼製品の如き金属材
料の形態、特にその表面積が大きい程に助長されるので
ある。
したがって本発明は、炉内へキャリアーガス及びエン
リッチガスを導入して所定雰囲気ガス下に該炉内で金属
材料を浸炭処理するに当たり、金属材料の表面積に相応
してキャリアーガスの導入量を制御し、その一方で検出
される炉内の炭酸ガス濃度によってエンリッチガスの導
入量を制御することを特徴とする金属材料の浸炭処理方
法に係る。
本発明において肝要な点は、所定雰囲気ガス下に金属
材料を浸炭処理するに当たり、該金属材料の表面積に相
応してキャリアーガスの導入量を制御し、その一方で検
出される炉内の炭酸ガス濃度によってエンリッチガスの
導入量を制御するところにある。
以下、図面に基づいて本発明の構成を更に詳細に説明
する。
第1図は本発明の一実施系統を示す全体略視図であ
る。浸炭炉1内に所定の浸炭処理を施す被処理品である
金属材料Aが位置決めされ、浸炭炉1へそれぞれ自動バ
ルブ2,3を介してキャリアーガスとエンリッチガスが導
入されるようになっている。キャリアーガス用の自動バ
ルブ2は設定器4で制御され、設定器4には金属材料A
の表面積に相応するキャリアーガスの導入量が予め設定
されている。例えば、金属材料Aが多数の個体からな
り、その表面積の総和が5m2の場合にはキャリアーガス
の導入量が1m3/時、10m2の場合には2m3/時、15m2の場合
には3m3/時というが如くである。一方、エンリッチガス
用の自動バルブ3は調節計5で制御され、調節計5には
CO2分析計6が入力されていて、CO2分析計6の検出端は
浸炭炉1内へと挿入されている。
所望通りの浸炭処理を施す金属材料Aを浸炭炉1内へ
位置決めし、金属材料Aの表面積に相応して設定器4を
介し自動バルブ2を作動せしめることにより制御された
量のキャリアーガスを浸炭炉1内へ導入しつつ、その一
方で、浸炭炉1内の炭酸ガス分圧(炭酸ガス濃度)に相
応してCO2分析計6から入力される信号に応じて調節計
5から出力される信号で自動バルブ3を作動せしめるこ
とにより制御された量のエンリッチガスを浸炭炉1内へ
導入し、この間に金属材料Aを、所定雰囲気ガス下、所
定温度で所定時間、浸炭処理するのである。
<実施例> 前述した第1図の実施系統にしたがって、次の条件下
で浸炭処理をした。
金属材料:SCM415、表面積総和15m2、 キャリアーガス:CH3OH、導入量3m3/時、 エンリッチガス:C3H8、導入量0.15m3/時、 浸炭時間:1時間、 浸炭温度:90℃、 かくして浸炭処理された、ビッカース硬度650の処理
品は、有効浸炭深さ0.27〜0.30mmであった。
比較として、その他の条件は同一にし、キャリアーガ
スの導入量を制御することなく1.5m3/時で一定量導入し
た場合、ビッカース硬度650の処理品は、有効浸炭深さ
0.15〜0.30mmのバラツキを有していた。
<発明の効果> 以上説明した通りであるから、被処理品である金属材
料の表面積に相応してキャリアーガスを導入する本発明
には、その処理品の品質バラツキを著しく減少させるこ
とができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施系統を示す全体略視図である。 1……浸炭炉、2,3……自動バルブ 4……設定器、5……調節計、6……CO2分析計

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炉内へキャリアーガス及びエンリッチガス
    を導入して所定雰囲気ガス下に該炉内で金属材料を浸炭
    処理するに当たり、金属材料の表面積に相応してキャリ
    アーガスの導入量を制御し、その一方で検出される炉内
    の炭酸ガス濃度によってエンリッチガスの導入量を制御
    することを特徴とする金属材料の浸炭処理方法。
JP61031613A 1986-02-15 1986-02-15 金属材料の浸炭処理方法 Expired - Lifetime JP2535820B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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DE3411605C2 (de) * 1984-03-29 1986-07-17 Joachim Dr.-Ing. 7250 Leonberg Wünning Verfahren und Einrichtung zur Gasaufkohlung von Stahl

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
「浸炭焼入れの実際」(昭54−8−30)日刊工業新聞社P.56,P.63−67,P.78−79

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