JP2535792B2 - 始原生殖細胞および生殖細胞の凍結保存法 - Google Patents

始原生殖細胞および生殖細胞の凍結保存法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、始原生殖細胞および生
殖細胞の凍結保存法に関し、詳しくは農業,医薬等の分
野で発生工学の材料または種の保存用等として使用する
始原生殖細胞および生殖細胞の凍結保存法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】発生
工学の分野では、各種の操作を施し、その効果を子孫に
伝えることが必要な場合や種の保存を効率的に行おうと
する場合、生殖細胞系列の細胞を利用するのが一般的で
ある。さらに、その生殖細胞系列の細胞の中でも種の全
ての遺伝子を保存している始原生殖細胞または減数分裂
前の生殖細胞を利用することが最も有利である。近年、
特に鳥類において、始原生殖細胞の分離法および移植法
が開発されたが、これを用いて各種の遺伝子操作を行お
うとすれば、大量の始原生殖細胞を凍結保存して発生工
学的利用に供することが必要である。また、種の保存を
普遍的に行う場合には、始原生殖細胞または生殖細胞の
凍結保存技術の開発が必要である。特にトキのような絶
滅が懸念されている稀少種については、その遺伝資源の
保護の点からも遺伝情報の保存技術の開発が急務とされ
ている。
【0003】従来、生殖細胞系列の細胞を凍結保存する
場合、卵子が卵黄を多量に含んでいない哺乳類等の胎生
動物では、精子,卵子,受精卵,初期卵割卵の凍結保存
が行われてきた。しかし、この方法は全般的に可能とい
うわけではなく、特に受精卵の凍結保存が困難な種も存
在する。一方、鳥類などの卵生動物では、卵の中の卵黄
が凍結の際に障害となるため、精子以外の生殖細胞系列
の細胞の凍結保存は不可能であるとされてきた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、発生工
学の材料または種の保存等に用いるため、鳥類の始原生
殖細胞または生殖細胞を凍結保存する方法を開発するこ
とである。本発明者は、始原生殖細胞または減数分裂前
の生殖細胞は多様な遺伝情報を保持しており、卵や精子
とは異なり、体細胞と類似の形態や性質を有している
が、その形態や性質には一般の体細胞と相違する点も多
いことに着目した。そのわずかな違いを利用して、特定
の発生ステージの胚から始原生殖細胞を分離、精製する
ことができる。こうして取り出した始原生殖細胞または
生殖細胞を凍結用培地に浮遊させて、液体窒素等を用い
る超低温にて保存した後、適宜融解し、その細胞の生存
を確認し、発生工学の材料または種の保存等に用いるこ
とが可能であることを確認し、本発明に到達した。
【0005】すなわち、本発明は鳥類の胚から分離した
始原生殖細胞または減数分裂前の生殖細胞を凍結保護物
質を含有する凍結用培地に浮遊させた後、凍結、保存す
ることを特徴とする始原生殖細胞および生殖細胞の凍結
保存法に関するものである。
【0006】本発明には鳥類の胚、特に初期胚から分離
した始原生殖細胞または減数分裂前の生殖細胞が用いら
れる。鳥類としては、ニワトリ,ウズラ,七面鳥,アヒ
ルなどの家禽類が好ましい。なお、鳥類以外の昆虫,魚
類,両生類,は虫類,哺乳類等の卵生動物および胎生動
物の胚から分離される細胞に対しても本発明の方法を適
用することが可能である。
【0007】本発明の凍結保存法が適用される始原生殖
細胞および生殖細胞は、鳥類の胚の胚体外組織、血液、
さらに発生段階の進んだ生殖腺原基に由来する始原生殖
細胞および減数分裂前の生殖細胞である。これら細胞の
分離は、常法により行えばよい。例えばFreshney, R.
I., Culture of Animal Cells, 2nd edition, Alan R.
Liss Inc., New York (1987)に一般的な方法が述べられ
ている。始原生殖細胞は、発生過程により様々な位置に
存在しており、発生初期には胚体外の生殖三日月環と呼
ばれる部位に、さらに発生が進むと血流中を循環するよ
うになり、やがて生殖隆起と呼ばれる発生に伴い生殖腺
原基になる部位に移住するという性質を有している。
【0008】したがって、各発生段階に応じて始原生殖
細胞の存在様式が異なり、始原生殖細胞の分離法も各発
生段階に適した方法を採用する必要がある。例えば、胚
の組織から分離する場合は、採取した組織の細胞をトリ
プシン処理やピペッティングにより解離したり、遠心分
離操作により体細胞と分離したりすることが必要であ
る。なお、血液から分離する場合は、ガラス針等を用い
て初期胚より血液を集め、培養液に懸濁し、その後、Fi
collを用いた密度勾配遠心分離法(Yasuda, Y. et al.,
Journal of Reproduction and Fertility, 96,521-528
(1992))により、血球細胞より始原生殖細胞を分離し、
濃縮した始原生殖細胞画分を得ることができる。また、
分離用細胞懸濁液は通常用いられているものでよく、例
えば10%牛胎児血清を含む培養液(DMEM, Hanks, M19
9, cHanks': Yasuda Y.et al, Journalof Reproduction
and Fertility, 96, 521-528 (1992) 等) やリン酸緩
衝液(PBS)、カルシウムおよびマグネシウムを含まない
リン酸緩衝液(PBS(-)) 等を用いる。
【0009】凍結保存用培地は、ジメチルスルホキシド
(DMSO),グリセロール,1,2-プロパンジオール,エチ
レングリコール,プロピレングリコール,アセトアミ
ド,シュークロース,ラフィノース等の凍結保護物質の
最終濃度が通常10〜90%、好ましくは10〜20%
となるように調整した10%牛胎児血清を含む培養液
(DMEM, Hanks, M199, cHanks': Yasuda Y.et al, Jour
nal of Reproduction andFertility, 96, 521-528 (199
2) 等) を用いるが、本発明の方法にはDMSOが好適であ
る。
【0010】凍結法は、常法による緩慢凍結法でも、急
速凍結法でも良く、例えば−80℃までは1℃/分の速
度で温度を下げた後、−196℃の液体窒素に入れて凍
結し、液体窒素中に保存する方法が適用される。
【0011】以下、ニワトリを例にして本発明を説明す
る。ニワトリの胚の発生段階は、通常産卵以前の体内で
のステージI〜X[Eyal-Giladi,H. and Kochav,S., Dev
elopmental Biology, 49, 321-337 (1976)] および産卵
後の孵卵期間中のステージ1〜45 [Hamburger,V. and
Hamilton,H.L., Journal of Morphology, 88, 49-92
(1951)]までであるが、好ましくはステージ1〜36、
特にステージ4〜30、より好ましくはステージ4〜1
0、12〜18および26〜30のものが本発明に利用
される。
【0012】ニワトリの初期胚から始原生殖細胞を分離
する場合は、以下の手順により行うことができる。 生殖三日月環より始原生殖細胞を分離する場合 ステージ4〜10の初期胚の生殖三日月環を形成する組
織を切り出し、トリプシン処理あるいはピペッティング
等により細胞を解離させ、10%牛胎児血清を含む培養
液(DMEM, Hanks, cHanks', M199等) に懸濁させて始原
生殖細胞を含む細胞画分を得る。 血液より始原生殖細胞を分離する場合 ステージ12〜18の初期胚よりガラス針等を用いて血
液を集め、10%牛胎児血清を含む培養液(DMEM, Hank
s, cHanks', M199等) に懸濁する。その後、Ficollを用
いた密度勾配遠心分離法[Yasuda Y.et al, Journal of
Reproduction and Fertility, 96, 521-528 (1992)] に
より、始原生殖細胞を血球細胞より分離し、濃縮した始
原生殖細胞画分を得る。この画分中に血球細胞は40%
程度存在するが、実用上、問題はない。
【0013】次に、この画分を、ジメチルスルホキシド
等の凍結保護物質の最終濃度が通常10〜90%、好ま
しくは10〜20%となるように調整した10%牛胎児
血清を含む培養液(DMEM, Hanks, cHanks', M199等) に
懸濁し、これを凍結用チューブに入れ、−80℃までは
1℃/分の速度で温度を下げた後、−196℃の液体窒
素に入れて凍結し、液体窒素中に保存する。
【0014】胚の生殖腺原基あるいは生殖腺から、始原
生殖細胞あるいは減数分裂前の生殖細胞を分離する場合
は、以下の手順により行う。ステージ23〜36、好ま
しくはステージ26〜30の胚をリン酸緩衝液(PBS)
等、好ましくはカルシウムおよびマグネシウムを含まな
いリン酸緩衝液(PBS(-)) に入れ、付着している卵黄等
を洗浄する。その後、実体顕微鏡下で、左右の腎臓と共
存し相互に付着している生殖腺あるいは生殖腺原基を分
離し、PBS(-)中に入れる。このようにして、胚の生殖腺
あるいは生殖腺原基を採取し、これを細切する。細切
後、遠心分離、例えば800×gで5分間の条件で遠心
分離し、上清を捨て0.25%トリプシンを含むPBS(-)を
添加した後、37℃で5分間インキュベーションして生
殖腺原基の細胞をピペッティングにより解離させる。こ
の細胞懸濁液には始原生殖細胞あるいは生殖細胞と生殖
腺あるいは生殖腺原基由来の体細胞が含まれている。
【0015】これをさらに800×gで10分間の条件
で遠心分離し、上清を捨てその後、この画分をDMSO等の
凍結保護物質の最終濃度が通常10〜90%、好ましく
は10〜20%となるように調整した10%牛胎児血清
を含む培養液(DMEM, Hanks,cHanks', M199等) に懸濁
し、これを凍結用チューブに入れ、上記と同様に、−8
0℃までは1℃/分の速度で温度を下げた後、−196
℃の液体窒素に入れて凍結し、液体窒素中に保存する。
【0016】本発明の方法によれば、凍結した始原生殖
細胞および生殖細胞を所望の期間保存することが可能で
あり、例えば4〜5ヶ月間保存した後、取り出した凍結
用チューブを4℃の水に入れて融解したとき、当該細胞
は形態的に正常であり、トリパンブルー染色により調べ
た生存率は85.7〜98.0%であった。
【0017】本発明の方法により凍結保存した細胞を使
用する場合は、液体窒素中に保存された凍結用チューブ
を取り出し、直ちに4℃程度の水に入れることにより細
胞を融解する。融解した細胞懸濁液をトリパンブルー染
色することによって細胞の生存を確認することができ
る。
【0018】
【実施例】次に、本発明を実施例により詳しく説明す
る。 実施例1 凍結保存した始原生殖細胞を用いた個体の作出を以下の
ように試みた。 (1)始原生殖細胞の採取および凍結保存 白色レグホーン種と横斑プリマスロック種の卵をそれぞ
れ38℃で約53時間孵卵した。割卵後、ステージ13
〜15の胚70個より血液を約50μl集め、200μ
lの10%牛胎児血清を含む培養液 [cHanks': Yasuda
Y.et al, Journal of Reproduction and Fertility, 9
6, 521-528 (1992)] に浮遊させた。そして、Ficollを
用いた密度勾配遠心分離法(前記)により、始原生殖細
胞を血球細胞より分離し、濃縮した始原生殖細胞画分約
40μlを得た。次に、この画分に、DMSOの最終濃度が
10%となるように調整した培養液(cHanks')を40μ
l添加し攪拌した後、これを凍結用チューブに入れ、−
80℃までは1℃/分の速度で温度を下げた後、−19
6℃の液体窒素に入れて凍結し、液体窒素中に4〜5ヵ
月保存した。
【0019】(2)レシピエント胚の調製 始原生殖細胞の移植操作を容易にするため、レシピエン
ト胚は卵殻を用いた培養系に移した。白色レグホーン種
と横斑プリマスロック種の受精卵を割り、卵黄のみを別
の小さな卵殻に移して水溶性卵白を満たし、ラップとリ
ングを用いて卵殻の切り口を密封した。この状態で38
℃で53時間孵卵し、胚がステージ14〜15に達した
とき、ガラス針を用いて血液を4〜10μl抜き取り、
始原生殖細胞数を計測した。その後、再度卵殻を密封
し、38℃で4〜5時間培養したものをレシピエント胚
として用いた。
【0020】(3)始原生殖細胞の移植 液体窒素中に保存された凍結用チューブを取り出し、直
ちに4℃の水に入れて始原生殖細胞を融解した。凍結融
解処理後の始原生殖細胞は形態的に正常であり、トリパ
ンブルー染色により調べた生存率は94.2%であっ
た。始原生殖細胞は血球細胞と形態が異なるため、顕微
鏡下で両者を容易に区別することができるので、倒立顕
微鏡下でガラス針を用いて100個の凍結融解した始原
生殖細胞を拾い集め、約1μlの10%牛胎児血清を含
む培養液(cHanks')に浮遊させた後、レシピエント胚
の血流中に注入した。移植された始原生殖細胞はレシピ
エント胚の生殖隆起に移住することができる。
【0021】移植の処理をしたレシピエント胚は、別の
大きな卵殻に移して孵化まで38℃で約18日間培養
し、雛を得た。このときの孵化率は22.0%であっ
た。この雛を常法により飼育し、成熟したニワトリ(生
殖系列キメラ)を得た。
【0022】(4)生殖系列キメラからの凍結融解した
始原生殖細胞由来の個体の作出(後代検定) 凍結融解した始原生殖細胞を移植したレシピエント胚よ
り孵化し、成熟した個体(生殖系列キメラ)について交
配実験を行った。羽色に関して、白色レグホーン種は黒
色色素の羽毛への沈着を抑制する優性遺伝子(I/I)
をもつのに対し、横斑プリマスロック種はこの遺伝子を
もたない(i/i)ため、作製された生殖系列キメラを
横斑プリマスロック種と交配することにより得た雛の羽
色から、注入した始原生殖細胞由来の個体を識別するこ
とができる。したがって、交配実験は生殖系列キメラを
横斑プリマスロック種と交配することにより行い、ドナ
ー細胞が横斑プリマスロック種の場合は黒色雛を、また
ドナー細胞が白色レグホーン種の場合は白色雛(黒い斑
点がでる場合がある)を、それぞれ注入した始原生殖細
胞由来の雛とした。
【0023】結果を第1表および第2表に示した。第1
表には、凍結保存した横斑プリマスロック種の始原生殖
細胞を白色レグホーン種の初期胚に移植して作製した生
殖系列キメラの後代検定の結果を、第2表には、凍結保
存した白色レグホーン種の始原生殖細胞を横斑プリマス
ロック種の初期胚に移植して作製した生殖系列キメラの
後代検定の結果を示した。生殖系列キメラからは、注入
した始原生殖細胞由来の個体が1〜26%の割合で得ら
れ、凍結保存した始原生殖細胞は個体への発生能を保持
していたことが示された。なお、表中の「調査期間」は
交配実験の期間であり、移植処理をして孵化したニワト
リが雄であれば3羽の雌と交配して後代を生産し、注入
した始原生殖細胞由来の雛が生産される割合を調べた。
また、移植処理をして孵化したニワトリが雌であれば人
工授精して後代を生産し、注入した始原生殖細胞由来の
雛が生産される割合を調べた。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】また、ここで得られた雛のうち雄1羽、雌
2羽についてさらに育成成熟させた後、相互に交配して
繁殖能力を検討した。交配は毎週人工授精により行い、
10週間にわたり卵を採取し、受精率と孵化率を調べ
た。その結果、交配による受精率86.5%、受精卵の
孵化率81.7%を示し、正常な繁殖能力を持つことが
示された。
【0027】実施例2 (1)減数分裂前の生殖細胞の採取および凍結保存 白色レグホーン種と横斑プリマスロック種の卵をそれぞ
れ38℃で4.5日間孵卵し、ステージ23〜25の胚
を得た。割卵後、胚をカルシウムおよびマグネシウムを
含まないリン酸緩衝液(PBS(-)) に入れ、付着している
卵黄等を洗浄した。その後、実体顕微鏡下で、左右の腎
臓と共存し相互に付着している生殖腺原基を分離し、PB
S(-)中に入れた。このようにして15〜20個体の胚の
生殖腺原基を採取し、これを細切した。細切後、800
×gで5分間遠心分離し、上清を捨て0.25%トリプシ
ンを含むPBS(-)を200μl添加した後、37℃で5分
間インキュベーションし、次いで生殖腺原基の細胞をピ
ペッティングにより解離させた。この細胞懸濁液には生
殖細胞と生殖腺原基由来の体細胞が含まれている。
【0028】懸濁後、10%牛胎児血清を含む培養液(D
MEM)を1ml添加して攪拌し、800×gで10分間遠
心分離し、上清を捨てた。その後、DMSOの最終濃度が1
0%になるように調製した10%牛胎児血清を含む培養
液(DMEM)を40μl添加して攪拌した後、これを凍結用
チューブに入れ、−80℃までは1℃/分の速度で温度
を下げた後、−196℃の液体窒素に入れて凍結し、液
体窒素中に1〜2ヶ月保存した。
【0029】(2)減数分裂前の生殖細胞の融解 液体窒素中に保存された凍結用チューブを取り出し、直
ちに4℃の水に入れて減数分裂前の生殖細胞を融解し
た。凍結融解処理後、トリパンブルー染色により調べた
細胞の生存率は92.0%であった。
【0030】
【発明の効果】本発明の方法は、多様な遺伝情報を保持
している始原生殖細胞および減数分裂前の生殖細胞を対
象にしているので、鳥類における種の保存やトキのよう
な絶滅が懸念されている稀少種の救済の他、トランスジ
ェニック動物の作成、細胞レベルでの新しい遺伝子マー
カー動物の作成、疾患モデル動物の作成、遺伝子操作を
行っての有用物質の生産、生殖細胞系列に対する毒性作
用の検定法の開発等の多くの効果が期待される。

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鳥類の胚から分離した始原生殖細胞また
    は減数分裂前の生殖細胞を凍結保護物質を含有する凍結
    用培地に浮遊させた後、凍結、保存することを特徴とす
    る始原生殖細胞および生殖細胞の凍結保存法。
  2. 【請求項2】 鳥類が家禽類である請求項1記載の方
    法。
  3. 【請求項3】 家禽類がニワトリ,ウズラ,七面鳥およ
    びアヒルのいずれかである請求項2記載の方法。
  4. 【請求項4】 卵黄を除去した胚から分離した胚の生殖
    三日月環、血液または生殖腺原基より得た始原生殖細胞
    あるいは減数分裂前の生殖細胞を用いる請求項1記載の
    方法。
  5. 【請求項5】 始原生殖細胞がステージ4〜10のニワ
    トリ胚の生殖三日月環より分離したものである請求項1
    記載の方法。
  6. 【請求項6】 始原生殖細胞がステージ12〜18のニ
    ワトリ初期胚の血液より分離したものである請求項1記
    載の方法。
  7. 【請求項7】 始原生殖細胞または生殖細胞がステージ
    23〜36のニワトリの胚の生殖腺原基あるいは生殖腺
    より分離したものである請求項1記載の方法。
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