JP2535222B2 - 直流無停電電源装置 - Google Patents

直流無停電電源装置

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JP2535222B2 JP1102189A JP10218989A JP2535222B2 JP 2535222 B2 JP2535222 B2 JP 2535222B2 JP 1102189 A JP1102189 A JP 1102189A JP 10218989 A JP10218989 A JP 10218989A JP 2535222 B2 JP2535222 B2 JP 2535222B2
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靖生 大橋
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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 この発明は蓄電池のエネルギーを有効に活用できると
ともに、回路損失が少なく、かつ低コストで装置信頼度
を向上させることができる直流無停電電源装置に関する
ものである。
「従来の技術」 交換機や伝送装置等の通信機器は直流電力で動作す
る。この直流電力は直流出力電力変換装置である整流器
によって商用交流電力を電圧の安定した直流電圧に変換
して得るのが一般的である。商用電源が停電した場合や
整流器が故障した時でも通信機器に無瞬断で直流電力を
供給する必要がある場合には蓄電池を使用することが多
い。従来の蓄電池を用いた直流無停電電源装置を第4図
に示す。交流電力を直流電力に変換する整流器11の出力
端子12,13間に蓄電池14が接続され、蓄電池14の一端に
負荷15の一端が接続され、負荷15の他端はバイパスダイ
オード16を通じて蓄電池14の他端に接続される。バイパ
スダイオード16は電池14に対して順方向とされる。蓄電
池14の両端にDC−DCコンバータ17の入力側が接続され、
DC−DCコンバータ17の出力側の両端はバイパスダイオー
ド16の両端に接続される。
整流器11は位相制御形のサイリスタ整流器、パルス幅
制御形の高周波スイッチング整流器などいくつかの種類
があるが、何れも蓄電池14を充電しながらバイパスダイ
オード16を介して負荷15に直流電力を供給する。整流器
11は増設性や保守性の向上を図るため、複数台のユニッ
トで構成し、信頼性の点から1台を予備とした冗長並列
運転方式が一般に採用されている。蓄電池14の充電電圧
は負荷15が必要とする電圧の範囲に設定し、かつ充電電
圧精度は寿命の観点から厳しく抑えられており、一般的
には±1%となっている。蓄電池1個当たりの充電電圧
の推奨値は決まっているので、必要な個数は必然的に決
まる。例えば負荷15の許容上限電圧が53Vとし、蓄電池
1個当たりの充電電圧が2.23Vとすれば、蓄電池個数は5
3/2.23から23個となる。
商用交流電源停電時あるいは整流器11が故障して整流
器11の出力がなくなると、直ちに蓄電池14がバイパスダ
イオード16を介して放電し、無瞬断で負荷15に直流電力
を供給する。蓄電池14の電圧は放電とともに低下する。
負荷15の許容下限電圧が43Vとすれば、蓄電池14の1個
当たりの電圧が1.87(=43/23)V以下になると、負荷1
5は正常に動作することができなくなる。しかし蓄電池1
4にはエネルギーが残っているので、このエネルギーを
有効に活用するためDC−DCコンバータ17を用いる。DC−
DCコンバータ17の出力電圧は蓄電池14の電圧に加わるよ
うに接続されている。DC−DCコンバータ17は蓄電池14の
電圧が43Vになる前に動作を開始するように設定してお
けば、蓄電池14の電圧が43V以下になっても負荷15の電
圧を43V以上に維持することができる。例えばDC−DCコ
ンバータ17の最大出力電圧を6Vとすれば、蓄電池14の1
個当たりの電圧は(43−6)/23=1.61Vまで使用でき、
1.87Vの場合に比較し直流無停電電源装置の電力供給可
能時間の延長が可能となる。電力供給可能時間を同じと
すれば蓄電池容量を削減できる。
「発明が解決しようとする課題」 しかしこの回路構成では以下のような問題がある。
第1に整流器11の出力電流は常時バイパスダイオード
16を流れるため、バイパスダイオード16で損失が発生す
ることである。バイパスダイオード16の電圧降下を1V、
流れる電流を1000Aとすれば、1000Wの損失となる。この
ため大きなヒートシンクが必要となり、小形・軽量化の
点で問題である。
第2に蓄電池14、DC−DCコンバータ17、バイパスダイ
オード16、負荷15を一つのブロックにして増設する場合
を考える。即ち第5図に示すように整流器11を共通にし
てブロック11〜1nから成る直流無停電電源装置におい
て、商用電源停電時、あるいは整流器11の故障時に、例
えばブロック11のDC−DCコンバータ17が故障すると、他
のブロック1nのDC−DCコンバータ17が正常でも、ブロッ
ク11〜1nの蓄電池電圧が43V以下になるとブロック1n
負荷電圧も43V以下になり、ブロック1nの負荷は動作す
ることができなくなる。装置信頼度を向上させるために
は各ブロックのDC−DCコンバータ17は整流器11と同様、
1台を予備とした冗長並列運転方式とすることが考えら
れるが、DC−DCコンバータ台数の増加、故障したDC−DC
コンバータを出力から切り離す選択遮断回路の追加など
のために、損失の増加、コストの増加となり問題が多
い。
第3に整流器11、DC−DCコンバータ17、バイパスダイ
オード16、負荷15を一つのブロックにして増設する場合
を考える。即ち第6図に示すようにブロック内の整流器
11とは別に設けた整流器(充電器)18で充電される蓄電
池14を共通にしたブロック21〜2nから成る直流無停電電
源装置において、各ブロックを独立させブロック間の影
響が無いようにする、即ちブロック21の負荷短絡があっ
たような場合には他のブロック2nの整流器から電力が供
給されないようにする、言い換えればブロック21〜2n
で電力の授受がないようにするには各ブロック21〜2n
それぞれダイオード31〜3nを介して蓄電池14に接続する
必要がある。しかし商用電源停電時あるいは整流器故障
時に、蓄電池14の放電電流はダイオード31〜3nを流れる
ので、そのダイオードの降下電圧により損失が発生し、
バイパスダイオード用のヒートシンクの他に大きなヒー
トシンクが必要となり、小形・軽量化の点で問題である
とともに、蓄電池14の終止電圧が高くなり、蓄電池を有
用に活用できなくなる問題もある。
この発明の目的は蓄電池エネルギーを有効に活性しな
がら、バイパスダイオードでの損失を削除でき、かつ整
流器を共通にして、DC−DCコンバータ、バイパスダイオ
ード、蓄電池、負荷を一つのブロックにして増設する場
合にはブロック間で電力供給を行うことにより、装置信
頼度を向上させることができ、さらに整流器、DC−DCコ
ンバータ、バイパスダイオード、負荷を一つのブロック
にして増設する場合は、ブロック間で電力の授受を防止
するダイオードとしてバイパスダイオードを兼用するこ
とにより、損失の低減、蓄電池の有効利用ができる直流
無停電電源装置を提供することにある。
「課題を解決するための手段」 この発明によれば交流電力を直流電力に変換する整流
器の両端に負荷が接続され、またその整流器の一方の出
力端子に蓄電池の一端が互いに同極性で接続され、その
蓄電池の両端にDC−DCコンバータの入力側が接続され、
そのDC−DCコンバータの出力側の一端は蓄電池の他端に
同極性で接続され、出力側の他端は整流器の他方の出力
端子に接続され、DC−DCコンバータの出力側の両端間
に、その出力に対し逆方向となり、かつ蓄電池に対して
順方向となるようにバイパスダイオードが接続され、蓄
電池の両端にこれに対して充電を行う充電器が接続され
る。
「実施例」 第1図にこの発明の実施例を示す。交流電力を直流電
力に変換する整流器11の出力端子12,13間に負荷15が接
続され、一方の出力端子12に蓄電池14の一端が接続さ
れ、蓄電池14の両端にDC−DCコンバータ17の入力側が接
続され、DC−DCコンバータ17の出力側の一端は蓄電池14
の他端に接続され、出力側の他端は整流器11の他方の出
力端子13に接続され、DC−DCコンバータ17の出力側の両
端間にバイパスダイオード16が接続され、バイパスダイ
オード16は蓄電池14に対して順方向とされ、蓄電池14の
両端に、交流電力を整流して蓄電池14を充電する充電器
19が接続される。
商用電源と整流器11が正常である場合は、整流器11は
負荷15に直流電力を供給する。また充電器19は蓄電池14
を充電する。この状態ではDC−DCコンバータ17は動作し
ていない。整流器11の出力電圧を充電器19の出力電圧よ
り高くしておけば整流器11の出力電流はバイパスダイオ
ード16を流れないので、バイパスダイオード16での損失
はなく、バイパスダイオード16は逆バイアスになるので
充電器19が負荷15に直流電力を供給することもない。
この状態で商用電源が停電し整流器11と充電器19が停
止し、整流器11と充電器19の出力がなくなると、蓄電池
14が直ちにバイパスダイオード16を通して放電し、無瞬
断で負荷15に直流電力を供給する。蓄電池14の電圧は放
電とともに低下していく。蓄電池14の電圧からバイパス
ダイオード16の降下電圧を差し引いた電圧が、負荷15が
必要とする電圧以下になる前にDC−DCコンバータ17を動
作させる。DC−DCコンバータ17が動作を始めると、バイ
パスダイオード16は逆バイアスとなり、蓄電池14はDC−
DCコンバータ17を通して負荷15に直流電力を供給する。
負荷15の電圧は蓄電池14と電圧とDC−DCコンバータ17の
出力電圧の和になる。即ち蓄電池14の電圧低下分を△V
とし、DC−DCコンバータ17の出力電圧を△Vとすれば、
負荷15の電圧は一定になる。従って蓄電池14の電圧が負
荷15の許容下限値以下になった場合でも、DC−DCコンバ
ータ17の出力電圧が加算されるので負荷15は正常に動作
を続けることが可能となる。
蓄電池14の電圧が43V以下になった状態で、商用電源
が回復し整流器11の出力が正常になった場合はDC−DCコ
ンバータ17の動作を停止させれば良い。第1図において
は、整流器11はバイパスダイオード16を介して充電器19
と並列運転していることになるので、従来の構成と同
様、1台を予備とした冗長並列運転方式と見なすことが
できる。
つぎに整流器11を共通にして第1図の充電器19、DC−
DCコンバータ17、バイパスダイオード16、蓄電池14、負
荷15を一つのブロックとして増設する場合を考える。そ
の実施例を第2図に示す。ブロック41〜4nの各々は充電
器19、DC−DCコンバータ17、バイパスダイオード16、蓄
電池14、負荷15で構成されており、各ブロックの蓄電池
14とDC−DCコンバータ17との直列回路及び負荷15は整流
器11の出力側に接続されている。整流器11からの電力供
給が停止すると、ブロック41〜4nは前述の動作を開始す
る。ここでブロック41のDC−DCコンバータ17が故障して
動作を停止し、かつブロック41〜4nの蓄電池14の容量が
劣化のため低下して正常に電力を供給できなくなった場
合でも、ブロック41の負荷15は他のブロック4nの蓄電池
14及びDC−DCコンバータ17の直列回路から電力が供給さ
れるから、ブロック41の負荷は正常に動作を続けること
が可能となる。
つぎに充電器19と蓄電池14を共通にして第1図の整流
器11、DC−DCコンバータ17、バイパスダイオード16、負
荷15を一つのブロックとして増設する場合を考える。そ
の実施例を第3図に示す。ブロック51〜5nの各々は整流
器11、DC−DCコンバータ17、バイパスダイオード16、負
荷15で構成されており、各ブロックのDC−DCコンバータ
17の出力側が共通の蓄電池14と直列回路とされ、この直
列回路が各ブロックで整流器11の出力側に接続されてい
る。整流器11の出力電圧が充電器19の出力電圧より高け
れば、各ブロックのバイパスダイオード16は逆バイアス
されるので、充電器19からは各ブロックの負荷15へは電
力は供給されない。またブロック間ではバイパスダイオ
ード16により電力の授受は防止できる。
「発明の効果」 以上説明したように、この発明による直流無停電電源
装置はバイパスダイオードに整流器の電流が流れないの
で損失が少なく、また整流器を共通にして充電器、DC−
DCコンバータ、蓄電池、バイパスダイオード、負荷から
成るブロックを増設する場合には、故障ブロックの負荷
に他の健全なブロックから電力を供給でき信頼性の向上
も可能となる利点がある。さらに充電器、蓄電池を共通
にして、整流器、DC−DCコンバータ、バイパスダイオー
ド、負荷から成るブロックを増設する場合には、バイパ
スダイオードによりブロック間で電力の授受が行われな
いようにすることができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の直流無停電電源装置の実施例の接続
図、第2図は整流器を共通にして充電器、DC−DCコンバ
ータ、バイパスダイオード、蓄電池、負荷をブロックに
して増設する場合の接続図、第3図は充電器と蓄電池を
共通にして整流器、DC−DCコンバータ、バイパスダイオ
ード、負荷から成るブロックを増設する場合の接続図、
第4図は従来の直流無停電電源装置の接続図、第5図は
第4図の回路を基本として整流器を共通にしてDC−DCコ
ンバータ、バイパスダイオード、蓄電池、負荷をブロッ
クにして増設する場合の接続図、第6図は第4図の回路
を基本として整流器、DC−DCコンバータ、バイパスダイ
オード、負荷から成るブロックを増設する場合の接続図
である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】交流電力を直流電力に変換し、その出力側
    の両端が負荷の両端に接続される整流器と、 その整流器の一方の出力端子にこれと同極性の一端が接
    続された蓄電池と、 その蓄電池の両端に入力側の両端が接続され、出力側の
    一端が上記蓄電池の他端に互いに逆極性で接続され、出
    力側の他端が上記整流器の他方の出力端子に互いに同極
    性で接続されたDC−DCコンバータと、 そのDC−DCコンバータの出力側の両端側にその出力に対
    し逆方向になるように接続され、上記蓄電池に対して順
    方向にバイパスダイオードと、 上記蓄電池の両端に出力側が接続された充電器と、 を具備する直流無停電電源装置。
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