JP2534969Y2 - 油水分離装置を有する油漏洩検知装置 - Google Patents

油水分離装置を有する油漏洩検知装置

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JP2534969Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【産業上の利用分野】本考案は、石油精製コンビナート
等の化学プラント、発電所等の配管ラインのフランジ
部、あるいは、原油、薬液等の液体を移動させる送出ポ
ンプのメカニカルシール部から、不可避的に滲出する油
水混合液体を油と水に分解して、油の漏洩を正確に検出
する装置に関するものである。
【従来の技術】従来この種の油水分解装置は、浸透膜に
よる装置等があり、また、検出方法は、漏洩した液体を
容器に溜めて、フロートスイッチにより、液面レベルを
検出する方法、あるいは、高分子物質に炭素や金属等の
導電性微粒子を分散させて作った薄膜抵抗体に、油、有
機溶剤が接触して抵抗値が変化することを利用した検出
装置等があつた。
【考案が解決しようとする課題】したがって、従来のこ
の種の油水分解装置は、装置の仕掛けが大掛かりで、か
つ複雑になり、また、油漏洩検出装置にあっては、フロ
ートスイッチによる液面レベル検出方式では油の漏洩を
検出することはできるが、油送出ポンプのメカニカルシ
ールの場合、通常時、極く微量の滲出による漏洩があっ
ても、それは異常ではないとされていたのであるが、仮
にそれが異常でないと判断される程度の微量漏洩であっ
ても、容器に溜めていくと、やがて間もなく、検出レベ
ルに達するために、警報動作を起こしてしまうという問
題があった。また、このような油漏洩検出装置にあって
は、薄膜抵抗体方式では、気化し易い油、有機溶剤の場
合、周囲温度が高くなると、極く微量の漏洩であって
も、その蒸気で作動してしまうという問題もあった。そ
こで、従来は、上記課題の解決方法として、前記の漏洩
油を溜める容器の底部に弁機構を設けて、一定量以下の
漏洩では、弁機構から排出し、一定量以上の液体漏洩が
あったとき、前記の容器に溜まるようにする装置がある
が、この場合、油の種類、粘度の相違によって、弁機構
を通過する量が大幅に変わるために、これに対応しよう
とすると、弁機構の穴径、長さを液体毎に変える必要が
あり、管理が極めて困難という問題、又は弁機構が不純
物やゴミ等で詰まって正確に動作しないという問題もあ
った。更に、前記弁機構の代わりに、コックまたはニー
ドル弁を設ける方法もあるが、実際の現場で、一定量以
上の油漏洩で作動するようにコック又はニードル弁を調
整するのは極めて困難であって、警報を発するレベルの
管理は事実上不可能という問題があった。また、外気の
雨水等で容器内の液面レベルが上昇して、誤動作すると
いう問題もあった。本考案は、このような従来の液体漏
洩検出装置が有していた課題を解決して、フランジ、液
体送出ポンプのメカニカルシール部等からの油漏洩を極
く微量から一定量まで、任意の漏洩量を確実に検出する
ことができる油漏洩検出装置を提供することを目的とす
る。そこで、本考案は、このような従来の油水分解装置
が有していた課題を解決するために、油と水の比重の差
を利用して、その中間の比重のフロートを混合液に浮遊
させてその浮沈によって、分離作用を行うという簡単な
仕掛けによって行うことができる油水分離と油漏洩検出
を行い得る装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】該目的を達成するための
本考案の構成を、実施例に対応する図1乃至図4を用い
て説明すると、本考案は、油(3a)と水(4a)それ
ぞれの比重の中間の比重を有するコマ形状の例えばポリ
プロピレン製のフロート(5)を油水分離槽(1)に浮
遊させ、側壁(1a)から油(3a)が溢流する油溢流
口(1b)、油分通路(1c)を形成するとともに、底
面にフロート(5)の下面突出部(5a)を遊嵌入する
水出口(4b)を設け、フロート下面と、水出口(4
b)の間にフロート弁(5b)を設け、油水分離槽
(1)の底部との水出口(4b)とを連通し、水(4
a)を一定量滞留させ、外部への排出バイパス通路(2
b)を装着した水留槽(2)を形成し、油分通路の下部
の油滴下口(1d)に、斜めに開口した受け口開口部
(8a)と、永久磁石(9)を設けた底面と、略中央部
に回動支点(10)を備えた、漏洩油溜(8b)を有す
るシーソー容器(8)と、前記の永久磁石(9)に対向
して位置し、応動して間歇的に開閉動作するリードスイ
ッチ(11)を備え、前記リードスイッチ(11)の開
閉信号を受信し、得られる開閉周期を油量に変換する変
換器(13)を備えて、単位時間当たりの油漏洩量を検
出し得るごとくなした油水分離装置を有する油漏洩検知
装置である。
【作用】本考案は、このような構成としたものであるか
ら、油水混合液からなる漏洩液体(6)を油水分離槽
(1)に注入すると、その分量が少ない間は、フロート
(5)は沈下して静止したままで、フロート弁(5b)
を閉鎖しているが、分量が増してくるとフロート(5)
は浮力を受けて浮き上がり、水出口(4b)から離脱す
るので、その水出口(4b)から水(4a)が水溜槽
(2)へ流出する。そして水溜槽(2)から溢れて排水
バイパス通路(2b)を経て外部へ排出される。油(3
a)の分量が増すと、油水分離槽(1)の内部で水(4
a)の上に溜まり、さらに増量すると、油溢流口(1
b)から油分通路(1c)をへて油滴下口(1d)から
シーソー容器(8)の受け開口部(8a)に滴下する。
このようにして、分離された油(3a)がシーソー容器
(8)の漏洩油溜(8b)に溜まると、溜まった油(3
a)の自重によってシーソー容器(8)が回動支点(1
0)を中心にして回動、反転して、油(3a)は外部へ
放出される。そうするとシーソー容器(8)は空にな
り、再び反転して、元の姿勢に戻る。このとき、永久磁
石(9)が一時リードスイッチ(11)から離隔して磁
力が弱まるので、リードスイッチ(11)が作動して外
部回路にパルスが1回発生する。次ぎに、油(3a)の
漏洩が継続して発生していると、再びシーソー容器
(8)に溜まって、シーソー容器(8)の反転動作が起
こり、次のパルスが発生する。このようにして、シーソ
ー容器(8)の底部に取り付けた永久磁石(9)と、そ
れと対向位置に配置したリードスイッチ(11)によっ
て、電気的なパルスを取り出すことができる。すなわ
ち、仮にシーソー容器(8)の容積を例えば5ccにし
た場合、1cc/minの液体漏洩があった場合、5分
間に1回の周期でシーソー容器(8)が反転し、リード
スイッチ(11)がON−OFF作動してパルスが発生
する。そして、漏洩量が増加すると、パルス周期が短く
なる。つまり、パルス周期を測定することにより、漏洩
量が測定できることになる。すなわち、漏洩量Vは、V
=シーソー容器の容積、T=パルス周期とすると、V
=V/Tで表すことができる。反転したシーソー容器
(8)から流れ出した油(3a)は、油排出口(12)
から外部へ排出される。その結果、装置全体は簡単な機
構で、かつ静粛に油水分離を行い得るとともに、油(3
a)の検出の精密度の向上を図ることができる。
【実施例】以下本考案の実施例について図面に基づいて
説明する。図1は、本考案の1実施例の断面を示す図で
ある。(1)は油水混合液からなる漏洩液体(6)を流
入する漏洩液体導入口(7)を上方に設けた油水分離槽
であり、例えば直径32mmの円筒形容器である。内部
の側壁(1a)の高さは14mmである。内部の側壁
(1a)に油(3a)が溢流する油溢流口(1b)並び
に油分通路(1c)を形成してあり、油分通路(1c)
の先端は斜めに切断した油滴下口(1d)となってい
る。油滴下口(1d)が水平に切断してあるときは切断
部分に油が溜まり、油分通路(1c)に油(3a)が滞
留し、油滴下口(1d)より油(3a)が滴下しないと
いう現象が起きる。斜めに切断してあるときは、順次油
(3a)が油滴下口(1d)より滴下する。前記油水分
離槽(1)の底面に水出口(4b)が設けてあり、油
(3a)と水(4a)それぞれの比重の中間の比重を有
するコマ形状のフロート(5)を曲水分離槽(1)に浮
遊させ、フロート(5)の下面に形成した突出部(5
a)が水出ロ(4b)に遊嵌入し、フロート(5)の下
面と水出口との間にフロート弁(5b)を設ける。フロ
ート(5)の底面が水出口(4b)に当接して水(4
a)が濫りに漏洩するのを防いでいる。油水分離槽
(1)の底部と水出口(4b)を連通して水溜槽(2)
に水(4a)を一定量滞留させるようにしている。これ
は、フロート(5)の上下運動を抵抗なくスムースに行
わせるためのもので、水が滞留していないときは、フロ
ート弁(5)の圧着解消がスムースに行かないためであ
る。油水分離槽(1)に浮遊し、静止していたフロート
(5)が水(4a)の分量が増して、フロート(5)が
浮き上がると、フロート弁(5b)の圧着が解消して解
放され、その水出口(4b)から水(4a)が漏出す
る。水溜槽(2)の水量が一定量を越すと水が溢流して
排水バイパス通路(2b)を通って排水口(2a)から
外部へ排出される。コマ形状のフロート(5)は、前記
の通り油(3a)と水(4a)のそれぞれの比重の中間
の比重を有する樹脂成形物でも、樹脂又は金属の中空成
形物であってもよい。ポリエチレン又はポリプロピレン
が上記条件の樹脂の中でも最も適していて、ポリプロピ
レンが耐油性に於いて優れている。前記油滴下口(1
d)より滴下した油(3a)は、斜めに開口した受け口
開口部(8a)と、永久磁石(9)を設けた底面と、略
中央部に回動支点(10)を備えた漏洩油溜(8b)を
有するシーソー容器(8)の、前記の永久磁石(9)に
対向して位置し、応動して間歇的に開閉動作するリード
スイッチ(11)を備え、前記リードスイッチ(11)
の開閉信号を受信し、得られる開閉周期を油(3a)漏
洩量に変換する変換器(13)を備えて、単位時間当た
りの油(38)漏洩量を検出することができる油漏洩検
知装置である。実験例では、シーソー容器(8)の漏洩
油溜(8b)容器を3.2mlとし、油量3mlでシー
ソーがバランスするよう設計試作した。一方模擬漏洩液
体として、水を一定量導入し、これに機械油を一定量添
加し、総導入量を5ml/min〜80ml/minに
変化させ、油排出口(12)から排出される油(3a)
の流出量と油に混入して排出される水量及び油と分離さ
れて水排出口(2a)から排出される排水量を測定し
た。その結果を図2〜図4に示す。図2は水導入量を5
ml/minとし、油導入量を5〜40ml/minに
したのに対して、油流出量は5〜40ml/minで同
量流出されていて、油中に水分は認められなかった。排
出される水の量は5ml/minで、油と混じって流出
した水の量はなく、完全に分離されている。図3は、水
導入量を20ml/minとして、油導入量5〜40m
l/minに対して油流出量は5〜40ml/min
で、ほぼ同量流出される。排出される水の量は、20m
l/minより僅かに少なく、油と混じって流出した水
の量は少ないが僅かにある。図4は、水導入量を40m
l/minとして油導入量5〜40ml/minに対し
て油流出量は4〜40minでほぼ同量流出される。排
出される水の量は、40ml/minより僅かに少な
く、油と混じって流出した水の量は図3のときより僅か
に増加している。上記した図2〜図4から油水分離機能
と油水の混合比及び模擬漏洩液体の導入量の関係を要約
すると、 1.漏洩液体の導入量が少ない場合は、油分と水分の混
合比に関係なく完全に分離されている。 2.漏洩液体の導入量が多く、かつ油分の量も多くなる
と、油排出口から排出される油分中の水分量が僅かに増
加する傾向が認められる。以上の実験から、本装置の規
模であれば、漏洩液体の導入量が100ml/minま
でであれば、油分と水分の含有比に関係なく、いずれの
場合も十分実用に供することができる油水分離機能をも
つものである。なお、上記実験では油分として機械油を
用いたか、より粘度の低い油分であれば、更に油水分離
機能が向上する。また、漏洩液体の導入量が100ml
/minより多い場合は、装置の規模を大きくすれば油
水分離機能を完全に近く維持させるよう対処することが
可能である。以上本考案の代表的と思われる実施例につ
いて説明したが、本考案は必ずしもこれらの実施例構造
のみに限定されるものではなく、本考案にいう前記の構
成要件を備え、かつ、本考案にいう目的を達成し、以下
にいう効果を有する範囲内において適宜改変して実施す
ることができるものである。
【考案の効果】以上の説明から既に明らかなように、本
考案は、油水分離作用は、比重差を利用したフロートに
よって、また、漏浅油量の検出はシーソー容器によっ
て、それぞれ簡単に、正確に動作を行い得るものである
から、以上の説明から既に明らかなように、本発明は、
上述の構成により次のような作用効果を得られる。 消耗品を要せずに、油水分離を確実に行うことがで
き、長期間の使用に耐え得る。 1時間1cc程度の極く微小な漏洩から、1分間数
百ccまで、容器の大きさを変えることにより、広範囲
の漏洩量の測定か出来る。 従来技術で問題であった弁機構等が不要で、かつ、
異常ではない程度の小量漏洩では、誤報を発生せず、一
定量の漏洩に対して、警報レベルを電気的に設定でき
る。 ニードル弁、電磁弁等を設けなくても、漏洩油溜
(8b)に溜まった油(3a)は、その自重により、正
確に、シーソー容器(8)が自動的に反転し、永久磁石
(9)がリードスイッチ(11)を的確に動作させて、
正確にパルスを発することかできる。そして、反転した
容器(8)から排出された油(3a)は、油排出口(1
2)から排出されるので、手数を要せずに、繰り返し継
続することができる。このようにして、パルス周期を測
定することにより、漏液量V=V/Tが正確に測定で
きる。更に、本装置の変換器(13)を電子的に制御す
ることによって、レベルを一段と向上させることができ
る。 従来技術の導電微粒子を分散させた薄膜抵抗体の場
合、一旦油性液体に接触すると新品と取り替え交換する
必要があったが、本発明では、何回も使用でき、長寿命
である。また、油性液体の蒸気による誤報の恐れもな
い。 従来装置に比してトータルコストが低廉である。と
いう従来のものには期待することが出来ない顕著な効果
を数多く有するに至ったのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案を実施する油水分離装置を有する油漏洩
検知装置の要部の機構を示した断面正面図。
【図2】水導入量5ml/minのときの油導入量と油
流出量の関係の測定結果を示す図表。
【図3】水導入量20ml/minのときの油導入量と
油流出量の関係の測定結果を示す図表。
【図4】水導入量40ml/minのときの油導入量と
油流出量の関係の測定結果を示す図表。
【符号の説明】
(1) 油水分離槽 (1a) 側壁 (1b) 油溢流口 (1c) 油分通路 (1d) 油滴下口 (2) 水溜槽 (2a) 排水口 (2b) 排水バイパス通路 (3a) 油 (4a) 水 (4b) 水出口 (5) フロート (5a) 突出部 (5b) フロート弁 (6) 漏洩液体 (7) 漏洩液体導入口 (8) シーソー容器 (8a) 受け口開口部 (8b) 漏洩油溜 (9) 永久磁石 (10) 回動支点 (11) リードスイッチ (12) 油排出口 (13) 変換器

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】油(3a)と水(4a)それぞれの比重の中間の比
    重を有するフロート(5)を、漏洩液体(6)の導入口(7)の
    下方に配置した油水分離槽(1)に浮遊させ、油水分離槽
    (1)の側壁(1a)から溢流する油溢流口(1b)、 並びに斜め
    に切断した油滴下口(1d)を有する油分通路(1c)を形成す
    るとともに、 油水分離槽(1)の底面に水出口(4b)を形成
    し、 フロート(5)の下面突出部(5a)を遊嵌入するフロー
    ト弁(5b)を設け、 油水分離槽(1)の底部と水出口(4b)と
    を連通して水(4a)を定量滞留させ、外部への排出バイパ
    ス通路(2b)を装着した水溜槽(2)を形成し、 前記油滴下
    口(1d)の下方に、 斜めに開口した受け口開口部(8a)と、
    永久磁石(9)を設けた底面と、 略中央部に回動支点(10)
    を備えた油漏洩溜(8b)を有するシーソー容器(8)と、前記
    の永久磁石(9)に対向して位置し、 応動して間歇的に開
    閉動作するリードスイッチ(11)を備え、 前記リードスイ
    ッチ(11)の開閉信号を受信し、 得られる開閉周期を油量
    に変換する変換器(13)を備えて、 単位時間当たりの漏洩
    油量を検出し得るごとくなした油水分離装置を有する油
    漏洩検知装置。
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