JP2529819B2 - 注射装置 - Google Patents

注射装置

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JP2529819B2
JP2529819B2 JP6199494A JP19949494A JP2529819B2 JP 2529819 B2 JP2529819 B2 JP 2529819B2 JP 6199494 A JP6199494 A JP 6199494A JP 19949494 A JP19949494 A JP 19949494A JP 2529819 B2 JP2529819 B2 JP 2529819B2
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山縣  秀人
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日本イーライリリー株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、注射装置に関し、詳し
くは、アンプルを装着して該アンプル内の薬剤を手操作
で注射するための注射装置に関し、特に、アンプルが2
成分薬剤からなる場合に好適な注射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】アンプルを注射装置に装着し、装着され
たアンプルに針を取り付け、注射装置を操作してアンプ
ル内の薬剤を注射する注射装置としては、一般に、図1
に示すペンタイプのものが主流である。このタイプの注
射装置90は、筒状の本体部92とキャップ部94とか
らなり、本体部92の内部にアンプル95を挿入するよ
うになっている。そして、本体部92の端部から突出し
たアンプル95の先端に針91を取り付け、キャップ部
94の後端のつまみ96を操作して注射量を設定し、つ
ぎに、つまみ96を針側に押して、ロッド97を介して
アンプル95のピストン99を移動することにより、注
射液98を注射するものである。
【0003】ところが、このタイプの注射装置では、ア
ンプル95の取り付け・取り外しのためには、本体部9
2からキャップ部94を外し、本体部92の中にアンプ
ル95を挿入または取り出して、再びキャップ部94を
取り付けなければならない。このような操作において、
キャップ部94の嵌合がうまくかなかったり、本体部9
2とキャップ部94とが分離するため操作に手間取るこ
とがあり、今ひとつ、取り扱いに不便さがあるという問
題がある。
【0004】また、アンプル95は注射装置90の内部
に全体が入って隠れてしまうので、アンプル95が外か
ら見えなかったり、また、本体部94にのぞき窓がある
場合でも、アンプル95が見えにくかったりする。その
ため、注射液98の状態が十分に見えないという問題が
ある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
解決すべき第1の技術的課題は、アンプルの取り付け操
作が簡単な注射装置を提供することである。
【0006】また、第2の技術的課題は、アンプル装着
状態のアンプルを外部から見やすくすることである。
【0007】
【課題を解決するための手段および作用・効果】上記の
技術的課題を解決するため、本発明に係る注射装置は以
下のように構成されている。
【0008】すなわち、注射装置は、シリンジ内に基剤
を密封するピストンを有するアンプルが装着され、かつ
アンプルのピストンを軸方向に押し込むピストンロッド
手段を備えるものである。注射装置は、アンプル保持部
とアンプル把持部とを備える。アンプル保持部は、アン
プルを挿入するための外部に開放された開口であってア
ンプル挿入時に周方向に広がる開口と、アンプルが挿入
されるアンプル挿入空間とを形成し、かつ、アンプル挿
入後に開口が元に戻ってアンプル挿入空間に挿入された
アンプルを仮保持する。アンプル把持部は、アンプルを
把持して軸方向および径方向の移動を固定する。
【0009】上記構成において、アンプル装着時のアン
プルの中心軸(以下、 「軸」 という)方向または軸直角方
向から、アンプルを注射装置の開口を通してアンプル挿
入空間に挿入する。このとき、アンプルは開口を押し広
げる。アンプルが挿入された後に開口は元に戻るので、
アンプルはアンプル挿入空間から抜け出ることが阻止さ
れる。換言すると、アンプルは、アンプル保持部により
挿入状態が仮保持される。仮保持されたアンプルは、ア
ンプル把持手段により軸方向および径方向の移動が固定
される。つまり、アンプル挿入時に注射装置の分解等の
余分な操作が不要であり、アンプルをアンプル保持手段
のアンプル挿入空間にはめ込み、アンプル把持手段で固
定することによって、アンプルを取り付けることができ
る。アンプルは仮保持されるので、アンプル固定操作中
に、アンプルが装置から抜け出さないように特に注意を
払う必要はない。
【0010】したがって、上記構成の注射装置は、アン
プルの取り付け操作が簡単である。
【0011】また、上記構成において、外部に開放され
た開口から、挿入されたアンプルを容易に見ることがで
きる。
【0012】したがって、上記構成の注射装置は、アン
プル装着時のアンプルを外部から見やすい。好ましく
は、上記アンプル保持部の上記アンプル挿入空間は、上
記シリンジの大略上記ピストンより上記ピストンの押し
込み側とは反対側が挿入され、上記シリンジの大略上記
ピストンより上記ピストンの押し込み側が外部に露出す
る。
【0013】好ましくは、上記アンプル保持部は、挿入
された上記アンプルを抱持する一対のアンプル抱持用弾
性翼を備える。この一対のアンプル抱持用弾性翼の側端
縁間および前端縁間により上記開口が形成され、かつ該
一対のアンプル抱持用弾性翼の内周面により上記アンプ
ル挿入空間が形成される。さらに、該一対のアンプル抱
持用弾性翼の側端縁間の距離が上記アンプルの上記シリ
ンジの外径より所定量小さい構成とする。
【0014】上記構成において、アンプルは、アンプル
保持部の側端縁間により形成される開口から、アンプル
挿入空間へ軸直角方向に挿入され、挿入後、針ユニット
が取り付けられるアンプルの先端部が、アンプル保持部
の前端縁間に形成される開口から外部へ突出する。一対
のアンプル抱持用弾性翼の側端縁間の距離がアンプルの
シリンジ外径より小さいので、アンプル抱持用弾性翼を
外側へ押し広げながら、アンプルを挿入する。挿入後
は、アンプル抱持用弾性翼の側端縁は元に戻るので、ア
ンプルは軸直角方向への移動が弾力的に規制される。し
たがって、アンプルの挿入状態が一時的に保持され、ア
ンプル装着操作中にアンプルが脱落する等の事故を防ぐ
ことができる。
【0015】好ましくは、注射装置は、上記ピストンロ
ッド手段を有する本体部と、上記アンプル保持部を有す
る移動部とを備える。本体部および移動部は、移動部の
上記アンプル保持部に上記アンプルを挿入するときのア
ンプル挿入位置と、移動部が本体部に最接近するセット
位置との間で、相対移動される駆動手段を備える。
【0016】上記構成において、移動部および本体部が
アンプル挿入位置にあるときに、アンプルを挿入する。
このとき、挿入されたアンプルを脱着可能に一時的に保
持することが可能である。そして、駆動手段により移動
部および本体部をセット位置にしたときに、アンプルを
固定保持することが可能である。
【0017】上記構成においては、装置の分解等が不要
である。したがって、アンプルの取り付け操作が簡単で
ある。
【0018】好ましくは、上記駆動手段はねじ送り手段
とする。このねじ送り手段は、上記本体部の案内ねじ軸
と、上記移動部に軸方向移動不自在かつ回転自在に形設
されかつ案内ねじ軸の外周に螺合するナット型操作ノブ
とからなる構成とする。
【0019】上記構成において、ナット型操作ノブが案
内ねじ軸の外周に螺合するため、ナット型操作ノブを回
転すると、ナット型操作ノブは移動部とともに、案内ね
じ軸に沿って移動する。つまり、上記構成において、移
動部と本体部とを相対移動させることができる。この構
成は、アンプルが2成分薬剤からなり、2成分の混合を
徐々に行なうためにピストンを注意深くゆっくり押し込
む必要がある場合に、特に好都合である。このような場
合には、ナット型操作ノブと案内ねじ軸とのねじ部を適
当に選択すれば、ナット型操作ノブを、特に注意するこ
となく、普通に回転操作しても、移動部と本体部とがゆ
っくりと相対移動するように構成すればよい。
【0020】好ましくは、上記アンプルはフランジを有
する。上記アンプル把持手段は、フランジ押さえ部とフ
ランジ圧接部とからなる。フランジ押さえ部は、上記移
動部の上記アンプル挿入空間の所定位置に形成され、か
つ挿入された上記アンプルのフランジの前面に当接する
とともに、上記移動部が上記セット位置まで移動すると
きに、上記アンプルのフランジの前面を押しながら上記
アンプルを後側へ移動させる。フランジ圧接部は、上記
本体部の上記ピストンロッド手段の周囲に形設されて、
上記移動部および上記本体部が上記セット位置にあると
き、上記アンプルのフランジの後面に圧接するフランジ
圧接部とよりなる構成とする。
【0021】上記構成において、アンプルが挿入されて
移動部および本体部がセット位置にあるとき、アンプル
のフランジは、その前面がフランジ押さえ部により、ま
た、その後面がフランジ圧接部により、挾持される。つ
まり、アンプルの軸方向の移動が固定される。
【0022】好ましくは、上記フランジ圧接部は、スペ
ーサと弾性Oリングとからなる。スペーサは、上記ピス
トンロッド手段の外周に遊嵌し、かつ上記移動部が上記
アンプル挿入位置にあるとき、上記アンプル挿入空間の
所定位置に位置して上記アンプルの上記フランジの上記
後面に実質的に当接する。弾性Oリングは、上記ピスト
ンロッド手段の外周所定位置に軸方向移動不自在に形設
され、かつ上記移動部が上記セット位置にあるとき上記
スペーサの後面に圧接する。
【0023】上記構成において、スペーサは、移動部の
移動にともなって、アンプルのフランジにより、案内ス
リーブに沿って後方へ押し込まれる。移動部がセット位
置に達すると、スペーサはアンプルのフランジ後面に当
接したまま、対向する面が弾性Oリングに圧接される。
したがって、アンプルのフランジは、スペーサを介し
て、弾性Oリングの弾性力によりガタなく軸方向に固定
される。
【0024】好ましくは、上記ピストンロッド手段は、
案内スリーブと、ピストンロッドと、ねじロッドとから
なる。案内スリーブは、上記本体部から前方に突出・固
定され、かつ挿入された上記アンプルと同心であるとと
もに上記アンプルの上記シリンジ内径に略等しい外径を
有する。ピストンロッドは、このスリーブに対して回転
不自在かつ軸方向摺動自在にスリーブ内に挿入され、か
つねじ穴を有する。ねじロッドは、このピストンロッド
のねじ穴のねじ部に螺合するねじ部が前端に形成され、
かつ後端に操作ノブを有し、かつピストンロッドととも
に、初期位置と押し込み位置との間を移動自在であるよ
うに構成する。
【0025】上記構成において、ねじロッドの前端がピ
ストンロッドに螺合し、かつピストンロッドは回転しな
いので、後端の操作ノブを回転してねじロッドを回転す
ると、ピストンロッドは、ねじロッドに対して相対移動
する。したがって、初期位置においてピストンロッドを
ねじロッドに対して相対的に繰り出し、つぎに押し込み
位置までねじロッドを押し込むと、ピストンロッドの繰
り出し量に対応して、アンプルのピストンを押し込むこ
とができる。すなわち、ねじロッドの回転量に対応し
て、注射量を設定可能である。初期位置において注射量
を設定可能であり、押し込み位置から初期位置に復帰す
れば、再び注射量の設定が可能となる。
【0026】上記構成において、ねじロッドの正逆回転
により、ピストンロッドはねじロッドに対して前進また
は後退する。一旦注射した後につぎの注射量を設定する
には、初期位置に戻したねじロッドを新たに回転してピ
ストンロッドをねじロッドに対して相対的に繰り出す
(前進させる)必要がある。もし、逆回転してピストンロ
ッドをねじロッドに対して相対的に後退すれば、つぎの
ねじロッド押し込み時には、ピストンロッドとアンプル
のピストンとの間にすきまが生じるため、注射をするこ
とができない。
【0027】したがって、好ましくは、上記ピストンロ
ッド手段は、上記ねじロッドの回転方向を一方向に規制
する回転規制手段をさらに備える構成とする。
【0028】上記構成において、ねじロッドの回転方向
は、ピストンロッドをねじロッドに対して相対的に繰り
出す方向に規制されるので、注射量設定操作の誤操作を
防止できる。
【0029】好ましくは、注射装置は、検出手段と、表
示手段と、回転規制解除手段とをさらに備える。検出手
段は、上記ピストンロッド手段の上記ねじロッドの回転
量と、上記押し込み位置から上記初期位置への復帰とを
検出する。表示手段は、上記ピストンロッド手段の上記
ねじロッドが上記初期位置に復帰した後に新たに回転さ
れたねじロッドの回転量に対応して注射量を表示する。
回転規制解除手段は、上記アンプル挿入空間からアンプ
ルを取り外すとき、上記ピストンロッド手段の上記回転
規制手段を解除する構成とする。
【0030】上記構成において、検出手段からの回転量
と初期位置復帰との信号により、ねじロッドが初期位置
に復帰した後に新たに回転されたねじロッドの回転量に
対応して設定された注射量を、表示手段により表示す
る。したがって、設定された注射量をいつでも確認する
ことが可能である。
【0031】また、回転規制解除手段により、ピストン
ロッド手段の回転規制手段が解除され、ねじロッドを逆
回転してピストンロッドを後退させることができる。し
たがって、アンプル取り外し時にアンプルのシリンジ内
にピストンロッドが存在するためにアンプルが取り出せ
ないという不都合が解消される。
【0032】ところで、上記構成において、注射量設定
時にはねじロッドをピストンロッドに対して回転する
が、このとき、注射装置の本体部に対して、ピストンロ
ッドが軸方向前方に移動する場合と、ねじロッドが軸方
向後方に移動する場合とがある。前者のようにピストン
ロッドが軸方向前方に移動する場合には、シリンジのピ
ストンと当接するまでは、ピストンロッドを移動して注
射量の設定ができるが、それ以上移動すると、ピストン
ロッドがシリンジのピストンを押し込んで注射液を押し
出してしまうので、設定できる注射量は制約を受ける。
これに対して、後者のようにねじロッドが軸方向後方に
移動する場合には、このような制約を受けない。以下、
後者のようにねじロッドが軸方向後方に移動する場合の
構成について説明する。
【0033】すなわち、上記ピストンロッドの外周面部
に凹部が形成され、この凹部は、対向する上記案内スリ
ーブの内周面と略平行な底面と、この底面より前側かつ
この底面より径方向外側に延在する前段面と、上記底面
より後側にかつ上記底面より径方向外側に延在する後段
面とを有する。凹部は複数であってもよく、たとえば、
凹部は、アリ溝状、すなわち軸方向に延在する細長い溝
であってもよい。上記ピストンロッド手段は、さらに、
ばね手段と、ストッパ部材とを備える。ばね手段は、上
記ねじロッドを上記ピストンロッドとともに押し込む押
し込み力を解除したときに、上記ねじロッドを上記ピス
トンロッドとともに上記初期位置まで自動的に復帰させ
る。上記ストッパ部材は、上記ピストンロッドの上記凹
部内に位置し、かつ上記ピストンロッドの上記底面と上
記案内スリーブの内周面とに所定の摩擦力で摺接し、上
記ピストンロッドが押し込まれたときには上記ピストン
ロッドの上記後段面に当接して上記ピストンロッドとと
もに移動する一方、上記ピストンロッドが上記ばね手段
によって引き戻されるときには、上記ピストンロッドの
上記前段面に当接して上記ピストンロッドの移動を止め
る。そして、上記ストッパ部材と上記ピストンロッドの
上記底面との摩擦力は、上記ばね手段の自動復帰力より
小さく、上記ストッパ部材と上記案内スリーブの上記内
周面との摩擦力は、上記ばね手段の上記自動復帰力より
大きい。
【0034】上記構成において、ストッパ部材とピスト
ンロッドの底面との摩擦力、ばね手段の自動復帰力、ス
トッパ部材と案内スリーブの内周面との摩擦力の順に、
力は大きくなる。そのため、ストッパ部材と案内スリー
ブの内周面との摩擦力より大きい押し込み力でねじロッ
ドを押し込むと、ストッパ部材とピストンロッドの底面
との摩擦力はストッパ部材と案内スリーブの内周面との
摩擦力より小さいので、ピストンロッドと案内スリーブ
との間にあるストッパ部材は案内スリーブに対しては相
対的に静止する一方、ピストンロッドは案内スリーブの
底面を摺動して前方に移動する。そして、ピストンロッ
ドの後段面にストッパ部材が当接すると、ストッパ部材
はピストンロッドの後段面に押されながら移動する。す
なわち、ストッパ部材は案内スリーブの内周面を摺動す
る。次に、ばね手段によって、ピストンロッドが引き戻
されるとき、ストッパ部材とピストンロッドの底面との
摩擦力はばね手段の自動復帰力より小さいので、ピスト
ンロッドは、ストッパ部材の前段面に当接するまでは引
き戻し方向に移動する。すなわち、ピストンロッドの底
面とストッパ部材とは相対的に摺動する。そして、ピス
トンロッドがストッパ部材の前段面に当接すると、ばね
手段の自動復帰力よりストッパ部材と案内スリーブの内
周面との摩擦力の方が大きいので、ストッパ部材は案内
スリーブに対して静止状態を保持する。したがって、ピ
ストンロッドは、それ以上は移動せず、この状態がつぎ
の初期位置となる。この初期位置において、ねじロッド
を回転して、ねじロッドをピストンロッドに対して繰り
出し、次にねじロッドを押し込めばシリンジのピストン
が押し出される。つまり、ねじロッドの繰り出し量に対
応した注射量を注射ができる。
【0035】したがって、上記構成により、注射量設定
時にはねじロッドをピストンロッドに対して回転すると
き、注射装置の本体部に対してねじロッドが軸方向後方
に移動する。
【0036】好ましくは、上記ストッパ部材は、ゴム等
の摩擦・弾性体、すなわち、摩擦性に優れた弾性体とす
る。また、上記ピストンロッドの上記前段面は、上記底
面より径方向外側かつ前方に向かって傾斜した傾斜面と
し、この傾斜面と上記案内スリーブの上記内周面との間
にくさび状空間を形成する。
【0037】上記構成において、ピストンロッドがばね
手段によって押し込み位置から初期位置に復帰すると
き、溝の傾斜面と案内スリーブの内周面との間に形成さ
れるくさび状空間にストッパ部材が達すると、ストッパ
部材は弾性変形しながらこのくさび空間にくい込み、ス
トッパ部材と案内スリーブ内周面およびピストンロッド
傾斜面との摩擦力が増大する。
【0038】したがって、上記構成により、初期位置に
おいて、ピストンロッドは案内スリーブに対してより確
実に固定される。
【0039】上記構成において、ねじロッドの押し込み
量が上記ピストンロッドの上記前段面と上記後段面との
間を移動するストッパ部材のストロークより小さいと、
ねじロッドの押し込み時にストッパ部材はピストンロッ
ドの後段面に押されないので、案内スリーブの内周面に
対して静止した状態のままとなる。そのため、押し込ま
れたピストンロッドがばね手段によって引き戻されて
も、ねじロッドは押し込み前と同じ位置に戻ってしま
い、注射したのかどうかが、ねじロッドの位置からは判
別できない。このようなことがないように、以下のよう
に構成するのが好ましい。
【0040】すなわち、好ましくは、上記ピストンロッ
ドの上記前段面と上記後段面との間を移動するストッパ
部材のストロークは、1回分の注射量設定のために回転
されて上記ピストンロッドに対して相対的に繰り出され
た上記ねじロッドの繰り出し量よりも小さい構成とす
る。
【0041】上記構成において、ピストンロッドが押し
込まれるとき、ストッパ部材は必ずピストンロッドの後
段面に当接して押し込まれて移動し、その移動量は、上
記ピストンロッドの上記前段面と上記後段面との間を移
動するストッパ部材のストロークよりも大きい。そのた
め、ばね手段によってピストンロッドが引き戻されると
き、ストッパ部材は必ずピストンロッドの前段面に当接
する。つまり、注射操作後には、押し込み位置から、上
記ピストンロッドの上記前段面と上記後段面との間を移
動するストッパ部材のストローク分だけ引き戻された初
期位置に復帰するので、注射装置に対するねじロッドの
後端の位置は一定位置となる。
【0042】したがって、ねじロッドは、注射量設定の
ために後方に繰り出された注射前の位置に復帰すること
はなく、注射装置の本体部に対する一定位置に復帰する
ので、設定した注射量の注射が完了したことを容易に判
別できる。
【0043】好ましくは、上記凹部は円周凹部として構
成され、一方、ストッパ部材はこの円周凹部に設けられ
るリング状ストッパ部材とする。
【0044】上記構成においては、部品点数が少なく、
また形状も簡単であるので、最も好ましい。
【0045】
【実施例】以下に、図2〜21に示した本発明の実施例
に係る注射装置について詳細に説明する。
【0046】まず、図2〜14に基づき、第1実施例に
ついて説明する。
【0047】図2(I)に示すように、注射装置10は、
大略、本体部20と移動部30とからなる。本体部20
の後端部には、解除ボタン40と注射操作ノブ50と有
し、一側面には表示器61を有する。移動部30の後部
ケーシング31は本体部20に入れ子式にはまり込んで
いる。移動部30の前部ケーシング32は、その上部切
欠き33に操作ノブ34を、下部にアンプル抱持部36
を有する。
【0048】本装置10に特に好適なアンプル70は、
図2(I)において鎖線で示すような2成分アンプルであ
り、針取り付け部76と対向する端部にフランジ75を
有する。このアンプル70は、シリンジ77内に二つの
ピストン72,74を有し、それによって形成される第
1室71、第2室73にそれぞれ成分基剤が封入されて
いる。たとえば、第1室71には凍結乾燥された粉末成
分基剤が、第2室73には溶解成分基剤が別個に分離し
て封入されており、注射の際に両基剤を混合して使用す
る。
【0049】アンプル70は、図2(I)において矢印1
10で示すように、移動部30の前部ケーシング32の
下方より、アンプル抱持部36に挿入し、操作ノブ34
を回転操作して移動部30をアンプル70とともに後方
に移動した後、針ユニット80をアンプル70の針取付
け部76に取り付けて、図2(IV)に示すようにセットす
る。アンプル70をセット後、注射操作ノブ50を回転
して注射量を設定し、注射操作ノブ50を軸方向に押す
ことにより、注射する。
【0050】注射装置10の構成を、図2(I),4,11
を参照しながら、さらに詳しく説明する。
【0051】図4は、図2(I)に示した初期状態に対応
する断面図である。注射装置10は、本体部20のケー
シングを構成する筒状の案内筒壁28に、移動部30の
前部ケーシング31が摺動自在にはまり込んでいる。そ
して、本体部20は、アンプル70を注射装置10にセ
ットしたときのアンプル70の軸(以下、簡単に「軸」
という)と同心に案内スリーブ22が前方へ突出し、軸
と平行に案内ねじ軸26が、前方へ突出している。
【0052】案内スリーブ22は、アンプル70のシリ
ンジ77の内径と略等しい外径の外周面22aを有し、
図11の軸直角断面に示すように、その一部には外周切
欠き22bが形成されている。案内スリーブ22の基部
22dには、Oリング24を備えている。このOリング
24より前側に、案内スリーブ22の外周面22aに遊
嵌するスペーサ25を備えている。このスペーサ25の
外径は、アンプル70のフランジ75の外径と略等し
い。
【0053】案内スリーブ22には、貫通穴23が形成
され、この貫通穴23には、回転不自在かつ軸方向移動
自在にピストンロッド54が嵌合している。すなわち、
図11に示すように、案内スリーブ22の貫通穴23
は、略円形断面形状であるが、90度後毎に4方向から
内側へ突出する突起23aが形成される。一方、ピスト
ンロッド54は、この貫通穴23に対応した断面形状を
有する。したがって、ピストンロッド54は、案内スリ
ーブ22の貫通穴23内を回転することなく軸方向に移
動可能である。初期状態においては、ピストンロッド5
4は、案内スリーブ22の貫通穴23内に後退し、案内
スリーブ22の先端22cとピストンロッド54の先端
とは、略同一平面上にある。
【0054】ピストンロッド54は、その中心には穴を
有し、この穴には雌ねじ54aが形成される。この雌ね
じ54aに螺合する雄ねじ52aが前端部に形成され、後
端部に注射操作ノブ50が固定されたねじロッド52
が、ピストンロッド54に螺合結合している。
【0055】ねじロッド52は、ラチェット56の貫通
穴56aと、エンコーダカム55の貫通穴55cとを貫通
する。前側のラチェット56と後側のエンコーダカム5
5とは一体的に固定され、軸方向に移動せずに回転す
る。
【0056】ねじロッド52は、その中間部に、外側へ
膨出するスプライン軸部52bを有する。ラチェット5
6の貫通穴56aの前側には、スプライン部56bが形成
される。ねじロッド52のスプライン軸部52bと、ラ
チェット56のスプライン部56bとは、互いに嵌合
し、ねじロッド52とラチェット56およびエンコーダ
カム55は常時一体的に回転する。
【0057】ねじロッド52は、エンコーダカム55と
注射操作ノブ50との間に、戻しばね57を備える。こ
の戻しばね57は、ばね復帰力により、ねじロッド52
が常時後方へ付勢されるようにする。
【0058】ラチェット56の前端にはフランジ56c
が形成される。このフランジ56cは、戻しばね57の
ばね復帰力により、本体部20のラチェット当接部21
に、常時当接する。
【0059】ラチェット56は、フランジ56cより後
側に、前向きにラチェット部56dが形成される。この
ラチェット部56dとフランジ56cとの間に位置しかつ
ラチェット56が貫通する貫通穴を有する回転規制板5
8が、軸方向に移動自在に本体部20に固定されてい
る。回転規制板58の後側には、ラチェット56のラチ
ェット部56dに対向するラチェット58aが形成され
る。回転規制板58の前側と本体部20のラチェット当
接部21との間に、戻しばね59が備えられている。こ
の戻しばね59のばね復帰力により、回転規制板58を
後方へ付勢し、回転規制板58のラチェット58aと、
ラチェット56のラチェット部56dとが、常時は嵌合
するようにしている。
【0060】つぎに、本体部20の案内ねじ軸26につ
いて説明する。案内ねじ軸26は、軸と平行に前側へ突
出しており、その外周には雄ねじ26aが、その中心に
は貫通穴27が、それぞれ形成されている。
【0061】この雄ねじ26aは、移動部30の操作ノ
ブ34の中心穴に形成された雌ねじ34aと螺合する。
【0062】貫通穴27は、回転規制解除ピン46が貫
通する。貫通穴27の前側には、ばね収納部27aが形
成される。回転規制解除ピン46の前端部には、ばねフ
ランジ46bが固定される。そして、ばねフランジ46b
と、ばね収納部27aとの間に、戻しばね46aが備えら
れ、そのばね復帰力により、回転規制解除ピン46は前
方へ付勢される。
【0063】一方、回転規制解除ピン46の後端部は、
回転規制板58を貫通し、回転規制板58より後側に解
除フランジ46cが固定される。回転規制解除ピン46
が前方へ移動すると、解除フランジ46cにより、回転
規制板58は前方へ移動される。
【0064】つぎに、移動部30について、説明する。
図2(I)、図4、図11に示すように、移動部30の前
部ケーシング32の下部にアンプル抱持部36が形成さ
れている。すなわち、アンプル抱持部36は、前部ケー
シング32下部の両側に一対のアンプル抱持用弾性翼3
6aが形成されてなる。この一対のアンプル抱持用弾性
翼は、図11に示すように、略C字状軸直角断面形状で
ある。一対のアンプル抱持翼36aの内周面により、ア
ンプル70が挿入されるアンプル挿入空間36fが形成
され、この内周面の内径は、アンプル70のシリンジ7
7の外径に略等しい。一対のアンプル抱持翼36aの下
内側の側端縁36bにより、下部開口36cが形成され
る。また、一対のアンプル抱持用弾性翼36aの前端縁
36dにより、前部開口36eが形成される。一対のアン
プル抱持用弾性翼36aの側端縁36b間の距離は、アン
プル70のシリンジ77の外径より所定量狭くなってい
る。
【0065】また、前部ケーシング32の下部中央が切
り欠かれ、アンプル70のフランジ75が挿入されるフ
ランジ挿入部38が形成される。このフランジ挿入部3
8に、前述のスペーサ25が位置し、スペーサ25の後
側が移動部30の前部ケーシング32にはまり込んでい
る。
【0066】前部ケーシング32の上部切欠き33に、
軸方向移動不自在かつ回転自在に操作ノブ34が形設さ
れている。操作ノブ34の中心には貫通穴34aが形成
され、その内周面にねじ34bが形成され、本体部20
の案内ねじ軸26外周のおねじ26aと螺合している。
操作ノブ34は、その両端に軸受け部34cが形成さ
れ、前部ケーシング32の軸受け部33aに支持され
る。
【0067】移動部30の後部ケーシング31は、所定
位置が切り欠かれて透明板が固定された表示窓39を備
える。この表示窓39から、アンプル70がセットされ
たときに、本体部20の表示器61が見える。
【0068】以下において、注射装置10の操作ととも
に、さらに詳細に構成を説明する。
【0069】図2(I)、図4に示す初期状態において、
アンプル挿入位置にある移動部30のアンプル抱持部3
6に、アンプル70を下方よりはめ込む。
【0070】このとき、移動部30は本体部20から最
大くり出されている。また、ピストンロッド54は、上
述のように、本体部20の案内スリーブ22に引き戻さ
れた状態である。そして、案内スリーブ22およびピス
トンロッド54は、アンプル挿入空間36fへは突出し
ていないので、アンプル70は干渉なく挿入できる。一
方、不完全な初期状態であれば、案内スリーブ22およ
びまたはピストンロッド54が、アンプル挿入空間36
fに突出するので、干渉により、アンプル70は挿入で
きない。したがって、完全な初期状態でなければ、アン
プル70を挿入することができない。
【0071】なお、この初期状態において、回転規制解
除ピン46は、回転規制板58を戻しばね59により後
方へ付勢する力に打ち勝って、戻しばね46aにより、
回転規制板58を前方へ移動している。そのため、回転
規制板58のラチェット58aとラチェット56のラチ
ェット部56dとの嵌合は解除され、ねじロッド52は
両方の向きに回転でき、ピストンロッド54を戻すこと
が可能である。
【0072】アンプルを挿入するときには、図11に示
すように、一対アンプル抱持用弾性翼36aの下部開口
36cより、アンプル70を押し込み、アンプル抱持用
弾性翼36aを外側へ押し広げて、アンプル70をアン
プル挿入空間36fに挿入する。一旦挿入されると、ア
ンプル抱持用弾性翼36bはもとの形状に戻り、アンプ
ル70の軸直角方向への移動を規制する。同時に、アン
プル70のフランジ75がフランジ挿入部38にはまり
込み、軸方向の移動も規制される。したがって、アンプ
ル70は軸方向および軸直角方向に一時的に保持され
る。
【0073】つぎに、図2(II)、図5に示すように、操
作ノブ34を所定方向に回転して、移動部30をセット
位置まで移動し、アンプル70の移動を完了する。
【0074】すなわち、移動部30の操作ノブ34の雌
ねじ34bが、本体部20の案内ねじ軸26の雄ねじ2
6aと螺合するので、操作ノブ34の回転によって操作
ノブ34は案内ねじ軸26に沿って移動し、その結果、
移動部30全体は本体部20に対して相対移動する。し
たがって、所定方向に操作ノブ34を回転すれば、移動
部30は本体部20側へ移動する。
【0075】移動部30のアンプル抱持部36に保持さ
れたアンプル70は、そのフランジ75が移動部30の
フランジ挿入部38にはまり込んでいるので、保持され
たまま移動部30とともに本体部20側へ移動する。こ
のとき、アンプル70のシリンジ77内へ、本体部20
の案内スリーブ22が挿入される。案内スリーブ22
は、その外周面22aがアンプル70のシリンジ77の
内周面に摺接し、案内スリーブ22に外周切欠き22b
が形成されているので、摩擦が低減されること等によ
り、円滑に挿入される。
【0076】そして、案内スリーブ22の先端22c
が、アンプル70の第2ピストン74の後面に当接し、
第2ピストン74を押し込む。同時に、第1ピストン7
2は、第2室73の基剤により第2ピストン74との相
対位置を保ちながら移動する。そして、第1ピストン7
2がシリンジ77の内周面の一部が外側に膨出したバイ
パス部78の位置に達して、第1室71と第2室73と
がこのバイパス部78を介して連通すると、第2ピスト
ン74に押される第2室73の成分基剤が、第1ピスト
ン72の後側からバイパス部78を通り、第1室71に
移動する。このとき、第1ピストン72は移動せず、第
2ピストン74が第1ピストン72に当接するまで移動
する。これによって、第1室71の基剤と第2室73の
基剤とが混合される。注射剤によっては、このような混
合は、非常に注意深く、ゆっくりと行なわなければなら
ない場合がある。そのような場合には、操作ノブ34と
案内ねじ軸26とのねじ34b,26bを適切に選定し、
特に注意して操作しなくても、すなわち、普通に操作し
ても、ゆっくりと基剤を混合することができるように構
成すればよい。
【0077】アンプル70のシリンジ77の中に案内ス
リーブ22が挿入されると、アンプル70は軸直角方向
に移動できなくなる。
【0078】移動部30の移動に伴い、アンプル70の
フランジ75後面75bは、案内スリーブ22にはめら
れたスペーサ25を押す。そして、移動が完了したセッ
ト位置において、スペーサ25は、案内スリーブ22の
基部22dにあるOリング24を押圧する。このOリン
グ24の弾性力により、スペーサ25を介してアンプル
70のフランジ75が前方へ付勢される一方、フランジ
75の前面75aは、移動部30のフランジ挿入部38
の前面38aに当接する。したがって、アンプル70は軸
方向にガタつくことなく保持される。
【0079】そして、アンプル70の針取り付け部76
に針ユニット80を取り付け、アンプル70のシリンジ
77内の空気を抜く。
【0080】さらに完全に空気を抜くため、図2(II
I)、図6に示すように、注射操作ノブ50を前側へ押し
込み、ピストンロッド54を前方に移動して、ピストン
72,74を押し込む。このとき、ねじロッド52およ
びピストンロッド54とが一体となって初期位置から押
し込み位置まで移動する。すなわち、ねじロッド52の
スプライン軸部52bはラチェット56のスプライン部
56bとの嵌合を保持しつつ、初期位置から軸方向前方
に移動する。そして、注射操作ノブ50のストッパ溝5
0cに、ストッパ板42のストッパ片42aがはまり込
み、押し込み位置となる。
【0081】つぎに、図2(IV)、図7に示すように、解
除ボタン40を押して、ねじロッド52およびピストン
ロッド54を初期位置へ復帰させる。このとき、解除ボ
タン40のストッパ解除部40cが、図13において点
線で示すように、ストッパ板42のリセット片42bを
図において左側へ移動させ、ストッパ板42がストッパ
支持ピン44を中心に回転し、ストッパ片42aを注射
操作ノブ50のストッパ溝50cから解除する。そし
て、戻しばね57のばね復帰力により、ねじロッド52
およびピストンロッド54を初期位置へ復帰する。スト
ッパ板42の位置を検出するストッパ位置検出器(図示
せず)により、初期位置への復帰を検出する。
【0082】この状態において、アンプル70のセット
は完了する。そして、表示器61には、ストッパ位置検
出器からの信号により、初期値0.0を表示する。
【0083】つぎに、注射量を設定するため、図3
(V)、図8に示すように、注射操作ノブ50を所定方向
に回転して、ピストンロッド54をねじロッド52から
前方へ繰り出す。この繰り出し量が、注射量に対応す
る。ねじロッド52の回転が所定方向のときには、ラチ
ェット56のラチェット部56dの当接斜面が回転規制
板58のラチェット58aを、戻しばね59のばね復帰
力に抗し前方へ押し出すので、ねじロッド52は回転可
能である。逆回転のときは、ラチェット56d,58aの
軸方向面同士がかみ合って、回転が阻止される。したが
って、ピストンロッド54を繰り出して注射量を設定で
きる方向にのみ、注射操作ノブ50は回転可能である。
【0084】図14の断面図に示すように、注射操作ノ
ブ50により回転されたねじロッド52の回転量は、エン
コーダカム55の位置により接点が開閉する検出スイッ
チ62により検出される。この検出信号により、対応す
る注射量設定値を、表示器61が表示する。
【0085】注射量の設定が完了した後、図3(VI)、図
9に示すように、針を患者に刺してから注射操作ノブ5
0を押し込むことにより、注射する。このとき、ピスト
ンロッド54は、直前に注射操作ノブ50を回転した分
だけ繰り出しているので、この繰り出し量に対応してピ
ストン72,74を押し込むことになる。
【0086】一回分の注射が完了した後、図3(VII)に
示すように、針ユニット80を取り外して、そのまま保
管することが可能である。
【0087】また、繰り返して注射する場合は、上記と
同様に、解除ノブ40を押し込むことにより、ねじロッ
ド52およびピストンロッド54を初期位置に復帰させ
る。このとき、ストッパ位置検出器(不図示)からの信号
により、表示器61の表示はリセットされ、0.0を表
示する。
【0088】アンプル70を注射装置10から取り外す
ときには、ねじロッド52を初期位置に戻し、注射操作
ノブ50を逆回転する。通常は、ラチェット56と回転
規制板58とにより、上記のように逆回転できないた
め、図3(VIII)、図10に示すように、解除ボタン40
を深く押して、逆回転可能とする。すなわち、解除ボタ
ン40のばね収納部40bの底面によりストッパ支持ピ
ン44の後端が前方向に押される。これにより、ストッ
パ支持ピン44の解除フランジ44aが回転規制板58
を前方に押し、それによって、ラチェット56のラチェ
ット部56dと、回転規制板58のラチェット58aとの
嵌合が解除される。したがって、ねじロッド52を逆回
転できる。
【0089】注射操作ノブ50を逆回転してピストンロ
ッド54を案内スリーブ22内に完全に後退させ、上記
と逆の手順で移動部30をアンプル挿入位置に戻す。こ
のとき、アンプル70は、アンプル抱持用弾性翼36a
およびフランジ挿入部38とにより、一時的に軸直角方
向および軸方向に保持されるので、アンプル70が注射
装置10から脱落する事故を防ぐことができる。そし
て、アンプル70をアンプル抱持用弾性翼36aに抗し
て軸直角方向下方へ抜き外す。
【0090】上記構成において、注射装置10は、アン
プル70の取り付け操作が簡単で、かつ、開口36c,3
6eよりアンプル70内の注射液の状態が見やすい。
【0091】なお、本発明は上記実施例に限らず、その
他種々の態様で実施可能である。たとえば、移動部と本
体部とを相対移動させる駆動手段は、ラックとピニオン
等で構成することも可能である。
【0092】上記第1実施例のピストンロッド手段は、
注射量設定時に操作ノブ50を回転すると、ピストンロ
ッド54が前方に繰り出し、ねじロッド50は本体部2
0に対して静止状態である。これとは反対に、操作ノブ
の回転操作によって、ねじロッドが後方に繰り出し、ピ
ストンロッドは静止状態とする構成も可能である。
【0093】以下、このように構成した本発明の第2実
施例に係る注射装置について、図15〜21に基づき、
詳細に説明する。図15,16は、アンプル装着時にお
ける注射装置の拡大断面図である。図17〜21は、各
操作ステップにおける注射装置の断面図である。
【0094】第2実施例では、ピストンロッド手段以外
は第1実施例と同様に構成されている。以下では、相違
点を中心に説明する。なお、図15〜21において、第
1実施例と同じ構成の部品については同じ符号を用い、
異なる構成の部品については、添字“s"を付すことによ
り区別することとする。
【0095】第2実施例の注射装置10sのピストンロ
ッド手段は、大略、第1実施例と同様に構成されてい
る。すなわち、図15,16に示すように、ピストンロ
ッド54sは、その中心には穴を有し、この穴には雌ね
じ54aが形成され、この雌ねじ54aに、ねじロッド5
2の前端部の雄ねじ52aが螺合結合している点では、
第1実施例と実質的に同様である。
【0096】一方、ピストンロッド54sの外周面は、
第1実施例と異なり、段状に構成されている。すなわ
ち、ピストンロッド54sは、その外周面中央に円周方
向に溝が形成され、溝に対して前端側の外周面である前
端摺動部54psは、後端側の外周面である後端摺動部5
4qsより、外径が小さい。この溝の底面の後側にはスト
ッパ摺動部54ysが、前側にはテーパ部54xsが、それ
ぞれ形成されている。ストッパ摺動部54ysは前部摺動
部54psより外径が小さく、前部摺動部54psとストッ
パ摺動部54ysとの間を、テーパ部54xsがテーパ状に
滑らかに連続する。ストッパ摺動部54ysと後部摺動部
54qsとの境界には、段54wsが形成されている。
【0097】また、案内スリーブ22sの内周面も、第
1実施例と異なり、前部内周面22psおよび後部内周面
22qsが段状に形成され、前部内周面22psは後部内周
面22qsより内径が小さく、両内周面22ps,22qsの
境界には段22wsが形成されている。そして、案内スリ
ーブ22sの前部内周面22psとピストンロッド54sの
前部摺動部54psとが摺接し、案内スリーブ22sの後
部内周面22qsとピストンロッド54sの後部摺動部5
4qsとが摺接する。
【0098】さらに、ピストンロッド54sのストッパ
摺動部54ysおよびテーパ部54xsには、第1実施例に
はなかったストッパ部材であるストッパリング54msの
内周面が摺動自在に嵌合している。このストッパリング
54msの外周面は、案内スリーブ22sの後部内周面2
2qsに摺接し、案内スリーブ22sの段22wsと、ピス
トンロッド54sの段54wsとの間を、軸方向に移動で
きるようになっている。
【0099】ストッパリング54msは、案内スリーブ2
2sとピストンロッド54sとの両方に摺接しているが、
その摩擦力は、以下の条件を満たす。
【0100】すなわち、ストッパリング54msの外周面
と案内スリーブ22sの後部内周面22qsとの間の摩擦
力Foは、ストッパリング54msの内周面とピストンロ
ッド54sのストッパ摺動部54ysおよびテーパ部54x
sとの間の摩擦力Fiよりも大きい。すなわち、 Fi < Fo (1) また、戻しばね57によりねじロッド52を軸方向後方
に付勢するばね復帰力Pは、ストッパリング54msの内
周面とピストンロッド54sのストッパ摺動部54ysお
よびテーパ部54xsとの間の摩擦力Fiよりも大きく、
かつ、ストッパリング54msの外周面と案内スリーブ2
2sの後部内周面22qsとの間の摩擦力Foより小さい。
すなわち、 Fi < P < Fo (2) さらに、後述のようにねじロッド52を後方に強制的に
引き戻す強制引き抜き力Tは、ストッパリング54msの
外周面と案内スリーブの後部内周面22qsとの間の摩擦
力Foより大きい。すなわち、 Fo < T (3) 以上の(1)〜(3)式をまとめると、 Fi < P < Fo < T (4) となる。
【0101】つぎに、注射装置10sの操作とともに、
さらに詳細に構成を説明する。操作自体は、第1実施例
と同様に行なうが、ピストンロッド54sおよびねじロ
ッド52の動作が異なる。
【0102】まず、第1実施例と同様に、アンプル70
を注射装置10sにはめ込み、操作ノブ34を回転して
セット位置まで移動部30を移動し、針ユニット80を
取り付け、アンプル70のシリンジ77内の空気を抜
く。このときの状態を、図2(II)の状態に対応する図1
7、および、その拡大図である図15,16に示す。
【0103】さらに完全に空気を抜くため、図2(III)
の状態に対応する図18に示すように、注射操作ノブ5
0を前側へ押し込み、ピストンロッド54sを前方に移
動して、ピストン72,74を押し込む。すなわち、第
1実施例と同様に、ねじロッド52およびピストンロッ
ド54sとが一体となって初期位置から押し込み位置、
すなわち、ねじロッド50のストッパ溝50cにストッ
パ片42aが嵌合する位置まで移動し、ねじロッド52
のスプライン軸部52bはラチェット56のスプライン
部56bとの嵌合を保持しつつ、軸方向に移動する。
【0104】このとき、(1)式のように、ストッパリン
グ54msと案内スリーブ22sとの間の摩擦力Foは、ス
トッパリング54msとピストンロッド54sとの摩擦力
Fiよりも大きいので、ストッパリング54msは案内ス
リーブ22に対して静止状態を保ち、ピストンロッド5
4sがストッパリング54msに対して摺動する。そし
て、ピストンロッド54sの溝の段54wsがストッパリ
ング54msの後端面に達すると、ストッパリング54ms
はピストンロッド54sの溝の段54wsに押され、案内
スリーブ22sの内周面に沿って摺動する。これは、一
般に、ピストンロッド54sを前方に押す操作力は、ス
トッパリング54msと案内スリーブ22sとの間の摩擦
力Foより大きいからである。
【0105】つぎに、図2(IV)の状態に対応する図19
に示すように、解除ボタン40を押して、ねじロッド5
2およびピストンロッド54sを初期位置へ復帰させ
る。すなわち、第1実施例と同様に、ストッパ片42a
が注射操作ノブ50のストッパ溝50cから外れ、戻し
ばね57のばね復帰力Pにより、ねじロッド52および
ピストンロッド54sは初期位置へ付勢される。
【0106】このとき、(2)式の条件によって、ストッ
パリング54msは案内スリーブ22sに対しては静止し
た状態を保つ一方、ストッパリング54msに対しては、
その内周面を摺動する。そして、ピストンロッド54ms
のテーパ部54xsがストッパリング54msに達すると、
ストッパリング54msは、テーパ部54xsと案内スリー
ブ22sの後部内周面22qsとの間のくさび状空間には
め込まれることとなるので、ピストンロッド54sはそ
れ以上の移動が阻止され、初期位置復帰は完了する。
【0107】そして、第1実施例と同様に、ストッパ板
42の位置を検出するストッパ位置検出器(図示せず)に
より、初期位置への復帰を検出する。この状態におい
て、アンプル70のセットは完了する。同時に、表示器
61には、ストッパ位置検出器からの信号により、初期
値0.0を表示する。
【0108】つぎに、注射量を設定するため、図3(V)
に対応する図20に示すように、注射操作ノブ50を所
定方向に回転する。
【0109】このとき、ピストンロッド54sは、その
テーパ部54xsにはまり込んだストッパリング54msに
よって軸方向には移動しないので、操作ノブ50が回転
すると、ねじロッド52は、ピストンロッド54sに対
して後方へ繰り出され、ピストンロッド54sとねじロ
ッド52との全長が伸びる。つまり、ねじロッド52に
対してピストンロッド54が前方に繰り出された第1実
施例とは異なる。
【0110】その他の点では、第1実施例と同様であ
り、この繰り出し量が注射量に対応し、注射量設定値が
表示器61に表示される。また、注射操作ノブ50の回
転操作は、ラチェット機構によって、注射量を設定でき
る方向にのみ可能である。
【0111】注射量の設定が完了した後、図3(VI)に対
応する図21に示すように、針を患者に刺してから注射
操作ノブ50を押し込むことにより、第1実施例と同様
に注射する。このとき、ねじロッド52のストッパ溝5
0cに、ストッパ片42aが嵌合する所定位置まで、ねじ
ロッド52は押し込まれる。ねじロッド52のストッパ
溝50cから、ピストン74に当接するピストンロッド
54s先端までの長さは、注射操作ノブ50を回転した
分だけ伸びているので、この伸び量に対応した分だけ、
ピストン72,74は、さらに押し込まれ、設定量分の
注射が行なわれる。ストッパ片42aは、ピストンロッ
ド54sの溝内において、テーパ部54xsと段54wsと
の間を移動する。通常は、このテーパ部54xsと段54
wsとの間のピストンロッド54sに対するストッパ片4
2aのストロークすなわち相対移動距離よりも、操作ノ
ブ50により設定されるねじロッドおよびピストンロッ
ド54sの上記伸び量の方が大きいので、注射する度
に、ストッパリング54msはピストンロッド54sの溝
の段54wsに押され、案内スリーブ22sの内周面に沿
って前進する。
【0112】注射を繰り返す場合には、解除ボタン40
を押して、ねじロッド52およびピストンロッド54s
を初期位置へ復帰させ、上記手順を繰り返す。なお、上
記手順において注射を繰り返すうちに、ストッパリング
54msは前方にのみ移動し、後方には戻らない。したが
って、ピストンロッド54sおよびストッパリング54m
sについては、注射を繰り返すにつれて、初期位置が前
進していくことになる。
【0113】アンプル70を注射装置10sから取り外
すときには、ねじロッド52を初期位置に戻した後、ま
ず、操作ノブ50を強制的に後方に引き戻し、ピストン
ロッド54sおよびストッパリング54msを後方に移動
する。
【0114】このとき、(3)式の条件より、ストッパリ
ング54msと案内スリーブ22sとの摩擦力Foはねじロ
ッド強制引き抜き力Tよりも小さいので、ピスンロッド
54sのテーパ部54xsに達しているストッパリング5
4msは、ピストンロッド54sとともに一体的に、案内
スリーブ22sの後部内周面22qs上を摺動しながら後
方に移動する。
【0115】そして、ねじロッド52のスプライン軸部
52bの後端が、ラチェット56のスプライン部56bの
後端の底面56e(図16参照)に当接すると、移動が完
了する。
【0116】次に、操作ノブ50を逆回転し、ピストン
ロッド54sにねじロッド52をねじ込んで、両者の全
長を短くする。通常操作時はねじロッド52を逆回転で
きないが、このときには、第1実施例と同様に解除ボタ
ン40を深く押し、逆回転可能とする。ピストンロッド
54sはストッパリング54msにより軸方向に移動しな
いので、操作ノブ50を逆回転すると、ねじロッド52
は前方に移動する。
【0117】ねじロッド52をピストンロッド54sに
完全にねじ込んだ後、第1実施例と同様に、操作ノブ3
4を逆回転して移動部30をアンプル挿入位置に戻し、
アンプル70を注射装置10sから引き抜く。
【0118】上記第2実施例の注射装置10sでは、注
射量を設定すると、ねじロッド52が後方に繰り出され
る。したがって、表示器61による数字表示以外に、ね
じロッド52すなわち操作ノブ50の繰り出し量によっ
ても、注射量を設定できたことが確認できる。
【0119】なお、本発明は上記実施例に限らず、その
他種々の態様で実施可能である。たとえば、移動部と本
体部とを相対移動させる駆動手段は、ラックとピニオン
等で構成することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来例の一部断面正面図である。
【図2】 本発明の第1実施例の注射装置の正面図であ
る。
【図3】 本発明の第1実施例の注射装置の正面図であ
る。
【図4】 図2(I)の状態における注射装置の拡大断面
図である。
【図5】 図2(II)の状態における注射装置の拡大断面
図である。
【図6】 図2(III)の状態における注射装置の拡大断
面図である。
【図7】 図2(IV)の状態における注射装置の拡大断面
図である。
【図8】 図3(V)の状態における注射装置の拡大断面
図である。
【図9】 図3(VI)の状態における注射装置の拡大断面
図である。
【図10】 図3(VIII)の状態における注射装置の拡大
断面図である。
【図11】 図4の線XI−XIについての断面図である。
【図12】 図4の線XII−XIIについての断面図であ
る。
【図13】 図6の線XIII−XIIIについての断面図であ
る。
【図14】 図7の線XIV−XIVについての断面図であ
る。
【図15】 本発明の第2実施例の注射装置の拡大断面
図である。図3(II)の状態に対応する。
【図16】 本発明の第2実施例の注射装置の拡大断面
図である。図3(II)の状態に対応する。
【図17】 図15,16の注射装置の断面図である。
図3(II)の状態に対応する。
【図18】 図15,16の注射装置の断面図である。
図3(III)の状態に対応する。
【図19】 図15,16の注射装置の断面図である。
図3(IV)の状態に対応する。
【図20】 図15,16の注射装置の断面図である。
図3(V)の状態に対応する。
【図21】 図15,16の注射装置の断面図である。
図3(VI)の状態に対応する。
【符号の説明】
10,10s 注射装置 20 本体部 21 ラチェット当接部 22,22s 案内スリーブ(ピストンロッド手段) 22a 外周面 22b 外周切欠き 22c 先端 22d 基部 22ps 前部内周面 22qs 後部内周面 23 貫通穴 23a 突起 24 Oリング(アンプル把持手段、フランジ圧接部) 25 スペーサ(アンプル把持手段、フランジ圧接部) 26 案内ねじ軸(駆動手段) 26a 雄ねじ 27 貫通穴 27a ばね収納部 28 案内筒壁 28a 肩部 29 端部 29a 肩部 30 移動部 31 後部ケーシング 32 前部ケーシング 33 上部切欠き 33a 軸受け部 34 操作ノブ(駆動手段) 34a 貫通穴 34b 雌ねじ 34c 軸受け部 35 回転規制解除ピン当接部 36 アンプル抱持部(アンプル保持部) 36a アンプル抱持用弾性翼 36b 側端縁 36c 開口 36d 前端縁 36e 開口 36f アンプル挿入空間 38 フランジ挿入部 38a 前面(アンプル把持手段、フランジ押え部) 39 表示窓 40 解除ボタン 40a 案内溝 40b ばね収納部 40c ストッパ解除部 41 戻しばね 42 ストッパ板 42a ストッパ片 42b リセット片 42c ピン穴 44 ストッパ支持ピン 44a 解除フランジ 46 回転規制解除ピン 46a 戻しばね 46b ばねフランジ 46c 解除フランジ 50 注射操作ノブ 50a 操作部 50b ばね受け部 50c ストッパ溝 52 ねじロッド(ピストンロッド手段) 52a 雄ねじ(ねじ部) 52b スプライン軸部 54,54s ピストンロッド(ピストンロッド手段) 54a 雌ねじ(ねじ部) 54ms ストッパリング(ストッパ部材) 54ps 前部摺動部 54qs 後部摺動部 54xs テーパ部(前段面、斜面) 54ys ストッパ摺動部(底面) 54ws 段(後段面) 55 エンコーダカム 55a 前部カム 55b 後部カム 55c 貫通穴 56 ラチェット 56a 貫通穴 56b スプライン部 56c フランジ 56d ラチェット部 57 戻しばね(ばね手段) 58 回転規制板 58a ラチェット 59 戻しばね 60 IC基板 61 表示器 62 検出スイッチ (検出器) 70 アンプル 71 第1室 72 第1ピストン 73 第2室 74 第2ピストン 75 フランジ 75a 前面 75b 後面 76 針取り付け部 77 シリンジ 78 バイパス部 80 針ユニット

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンジ(77)内に基剤を密封するピス
    トン(72,74)を有するアンプル(70)が装着される
    注射装置(10;10s)であって、かつアンプル(70)の
    ピストン(72,74)を軸方向に押し込むピストンロッ
    ド手段(22,52,54;22s,52,54s)を備えた注
    射装置(10;10s)において、 アンプル(70)を挿入するための外部開放開口(36c,
    36e)であってアンプル挿入時に周方向に広がる開口
    (36c,36e)と、アンプル(70)が挿入されるアンプ
    ル挿入空間(36f)とを形成し、かつアンプル挿入後に
    開口(36c,36e)が元に戻ってアンプル挿入空間(36
    f)に挿入されたアンプル(70)を仮保持するアンプル保
    持部(36)と、 アンプル(70)を把持して軸方向および径方向の移動を
    固定するアンプル把持手段(38)とを備える注射装置。
  2. 【請求項2】 上記アンプル保持部(36)の上記アンプ
    ル挿入空間(36f)は、上記シリンジ(77)の大略上記
    ピストン(72,74)より上記ピストン(72,74)の押
    し込み側とは反対側が挿入され、上記シリンジ(77)の
    大略上記ピストン(72,74)より上記ピストン(72,
    74)の押し込み側が外部に露出することを特徴とする
    請求項1記載の注射装置。
  3. 【請求項3】 上記アンプル保持部(36)は、挿入され
    た上記アンプル(70)を抱持する一対のアンプル抱持用
    弾性翼(36a)を備え、該一対のアンプル抱持用弾性翼
    (36a)の側端縁(36b)間および前端縁(36d)間によ
    り上記開口(36c,36e)が形成され、かつ該一対のア
    ンプル抱持用弾性翼(36a)の内周面により上記アンプ
    ル挿入空間(36f)が形成されるとともに、該一対のア
    ンプル抱持用弾性翼(36a)の側端縁(36b)間の距離が
    上記アンプル(70)の上記シリンジ(77)の外径より所
    定量小さいことを特徴とする請求項1又は2記載の注射
    装置。
  4. 【請求項4】 上記ピストンロッド手段(22,52,5
    4;22s,52,54s)を有する本体部(20)と、上記ア
    ンプル保持部(36)を有する移動部(30)とを備え、 本体部(20)および移動部(30)は、移動部(30)の上
    記アンプル保持部(36)に上記アンプル(70)を挿入す
    るときのアンプル挿入位置と、移動部(30)が本体部
    (20)に最接近するセット位置との間で、相対移動され
    る駆動手段(26,34)を備えることを特徴とする請求
    項1、2又は3記載の注射装置。
  5. 【請求項5】 上記駆動手段(26,34)はねじ送り手
    段であって、該ねじ送り手段は、上記本体部(20)の案
    内ねじ軸(26)と、上記移動部(30)に軸方向移動不自
    在かつ回転自在に形設されかつ案内ねじ軸(26)の外周
    に螺合するナット型操作ノブ(34)とからなることを特
    徴とする請求項4記載の注射装置。
  6. 【請求項6】 上記アンプル(70)はフランジ(75)を
    有し、 上記アンプル把持手段(24,25,38a)は、 上記移動部(30)の上記アンプル挿入空間(36f)の所
    定位置に形成され、かつ挿入された上記アンプル(70)
    のフランジ(75)の前面(75a)に当接するとともに、
    上記移動部(30)が上記セット位置まで移動するとき
    に、上記アンプル(70)のフランジ(75)の前面(75
    a)を押しながら上記アンプル(70)を後側へ移動させる
    フランジ押さえ部(38a)と、 上記本体部(20)の上記ピストンロッド手段(22,5
    2,54;22s,52,54s)の周囲に形設されて、上記
    移動部(30)および上記本体部(20)が上記セット位置
    にあるとき、上記アンプル(70)のフランジ(75)の後
    面(75b)に圧接するフランジ圧接部(24,25)とより
    なることを特徴とする請求項4又は5記載の注射装置。
  7. 【請求項7】 上記フランジ圧接部(24,25)は、 上記ピストンロッド手段(22,52,54;22s,52,
    54s)の外周に遊嵌し、かつ上記移動部(30)が上記ア
    ンプル挿入位置にあるとき、上記アンプル挿入空間(3
    6f)の所定位置に位置して上記アンプル(70)の上記フ
    ランジ(75)の上記後面(75b)に実質的に当接するス
    ペーサ(25)と、 上記ピストンロッド手段(22,52,54;22s,52,
    54s)の外周所定位置に軸方向移動不自在に形設され、
    かつ上記移動部(30)が上記セット位置にあるとき上記
    スペーサ(25)の後面に圧接する弾性Oリング(24)と
    からなることを特徴とする請求項6記載の注射装置。
  8. 【請求項8】 上記ピストンロッド手段(22,52,5
    4;22s,52,54s)は、 上記本体部(20)から前方に突出・固定され、かつ挿入
    された上記アンプル(70)と同心であるとともに上記ア
    ンプル(70)の上記シリンジ(77)の内径に略等しい外
    径を有する案内スリーブ(22;22s)と、 該スリーブ(22;22s)に対して回転不自在かつ軸方向
    摺動自在にスリーブ(22,22s)内に挿入され、かつね
    じ穴を有するピストンロッド(54;54s)と、 該ピストンロッド(54;54s)のねじ穴のねじ部(54
    a)に螺合するねじ部(52a)が前端に形成され、かつ後
    端に操作ノブ(50)を有し、かつピストンロッド(54;
    54s)とともに、初期位置と押し込み位置との間を移動
    自在であるねじロッド(52)とを含むことを特徴とする
    請求項4、5、6又は7記載の注射装置。
  9. 【請求項9】 上記ピストンロッド手段(22,52,5
    4;22s,52,54s)は、上記ねじロッド(52)の回転
    方向を一方向に規制する回転規制手段(56,58)をさ
    らに備えることを特徴とする請求項8記載の注射装置。
  10. 【請求項10】 上記ピストンロッド手段(22,52,
    54;22s,52,54s)の上記ねじロッド(52)の回転
    量と、上記押し込み位置から上記初期位置への復帰とを
    検出する検出手段(55,62)と、 上記ピストンロッド手段(22,52,54;22s,52,
    54s)の上記ねじロッド(52)が上記初期位置に復帰し
    た後の該ねじロッド(52)の回転量に対応して注射量を
    表示する表示手段(60,61)と、 上記アンプル挿入空間(36f)からアンプル(70)を取
    り出すとき、上記ピストンロッド手段(22,52,54;
    22s,52,54s)の上記回転規制手段(56,58)を解
    除する回転規制解除手段(46)とを備えることを特徴と
    する請求項9記載の注射装置。
  11. 【請求項11】 上記ピストンロッド(54s)の外周面
    に凹部が形成され、該凹部は、対向する上記案内スリー
    ブ(22s)の内周面(22qs)と略平行な底面(54ys)
    と、該底面(54ys)より前側かつ該底面(54ys)より径
    方向外側に延在する前段面(54xs)と、上記底面(54y
    s)より後側にかつ上記底面(54ys)より径方向外側に延
    在する後段面(54ws)とを有し、 上記ピストンロッド手段は、さらに、 上記ねじロッド(52)を上記ピストンロッド(54s)と
    ともに押し込む押し込み力を解除したときに、上記ねじ
    ロッド(52)を上記ピストンロッド(54s)とともに上
    記初期位置まで自動的に復帰させるばね手段(57)と、 上記ピストンロッド(54s)の上記凹部内に位置し、か
    つ上記ピストンロッド(54s)の上記底面(54ys)と上
    記案内スリーブ(22s)の内周面(22qs)とに所定の摩
    擦力で摺接し、上記ピストンロッド(54s)が押し込ま
    れたときには上記ピストンロッド(54s)の上記後段面
    (54ws)に当接して上記ピストンロッド(54s)ととも
    に移動する一方、上記ピストンロッド(54s)が上記ば
    ね手段(57)によって引き戻されるときには、上記ピス
    トンロッド(54s)の上記前段面(54xs)に当接して上
    記ピストンロッド(54s)の移動を止めるストッパ部材
    (54ms)とを備え、 上記ストッパ部材(54ms)と上記ピストンロッド(54
    s)の上記底面(54ys)との摩擦力は、上記ばね手段(5
    7)の自動復帰力より小さく、上記ストッパ部材(54m
    s)と上記案内スリーブ(22s)の上記内周面(54ys)と
    の摩擦力は、上記ばね手段(57)の上記自動復帰力より
    大きいことを特徴とする請求項8、9又は10記載の注
    射装置。
  12. 【請求項12】 上記ストッパ部材(54ms)はゴム等の
    摩擦・弾性体(54ms)であり、 上記ピストンロッド(54s)の上記前段面(54xs)は、
    上記底面(54ys)より径方向外側かつ前方に向かって傾
    斜した傾斜面(54xs)であり、該傾斜面(54xs)と上記
    案内スリーブ(22s)の上記内周面(22qs)との間にく
    さび状空間を形成することを特徴とする請求項11記載
    の注射装置。
  13. 【請求項13】 上記ピストンロッド(54s)の上記前
    段面(54xs)と上記後段面(54ws)との間を移動するス
    トッパ部材(54ms)のストロークは、1回分の注射量設
    定のために回転されて上記ピストンロッド(54s)に対
    して相対的に繰り出された上記ねじロッド(52)の繰り
    出し量よりも小さいことを特徴とする請求項11又は1
    2記載の注射装置。
  14. 【請求項14】 上記凹部は円周凹部として構成され、
    一方、ストッパ部材(54ms)は該円周凹部に設けられる
    リング状ストッパ部材(54ms)であることを特徴とする
    請求項11、12又は13記載の注射装置。
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