JP2527341B2 - 自動給餌装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は養魚池や観賞用の魚槽に配置され、定時に
定量の餌を供給することのできる自動給餌装置に関し、
特に、餌箱の底面に回転底板を設け、それに設けた餌出
孔とその下方に設けた餌受孔とが合致したときにのみ餌
がそこを通過して水槽へ給餌されるようにしたものに関
する。

〔従来の技術〕 出願人は先に魚槽へ設置し、定刻に所定量の魚餌を供
給するのに好適な円筒形の回転式自動給餌装置を提案し
た（特願昭62−248159号）。これは円筒形に形成した餌
箱と機械箱とを分離可能に嵌合させ、それらの間に挾持
した区画板に餌箱の底面をなす回転底板を支持したもの
で、回転底板に設けた餌出孔とその下方に設けた餌受孔
とが合致したときにのみ餌がそこを通過して水槽へ給餌
されるようにしてある。

〔発明が解決しようとする問題点〕

然しながら、餌箱に回転底板を設けるものでは餌箱の
内面と回転底板との間に魚槽が入り込み、長期間に亘つ
て使用されると、それが固化して回転底板の円滑な回転
が難しくなる不具合があつた。

〔問題点を解決するための手段〕

この発明は斯かる不具合を解消し、回転底板が長期に
亘つて円滑に作動することを目的になされたもので、円
筒形の餌箱と下側に機械箱とを区画板によつて区画して
設け、その区画板の上面に餌箱の内周面と同心に配され
た回転底板と下面にその回転底板に連結された電動機と
を支持し、回転底板には回転軸線からやや離れた位置に
餌出孔を、また、区画板には餌出孔と対応する餌受孔を
形成し餌受孔の下面に餌の取出し管を接続する一方、円
筒形の餌箱の下端部に大径部を形成し、その段部に截頭
円錐状の下向き突起を形成すると共に前記回転底板の周
縁に内面が窪んだ擦り鉢状の傾斜面を形成し、その傾斜
面を前記下向き突起と対面させた点に特徴がある。

〔作用〕

餌箱に入れた魚餌は回転底板の上に堆積し、その上面
に形成された擦り鉢状の傾斜面に沿つて下方へ滑動し、
餌出孔から給餌される。その際、餌箱上方から順次に降
下してくる魚餌は回転底板上面の擦り鉢状の傾斜面に沿
い餌出孔へ向けて滑動するが、回転底板の周縁は一段と
高くなつていることと、餌箱の下端部に設けた截頭円錐
状の下向き突起との間に形成される狭い空間によつて魚
餌が回転底板の周縁に達するのが阻止される。

〔実施例〕

以下、図示の実施例によつてこの発明を説明すると、
図中、１はこの発明に係る自動給餌装置であり、上下に
分割可能に嵌合した円筒形の餌箱２と機械箱３とからな
つている。餌箱２と機械箱３とはアクリルのような透明
な合成樹脂、あるいは発泡スチロールのような断熱性の
合成樹脂で作られており、それらの間を結合する連結部
Ａは餌箱２の下端に形成した大径の内面へ機械箱３の上
端に形成した小径の外面を密着嵌合させたものである。
すなわち、外面をなす餌箱２の下端には前記上端の長さ
より短いスリツト2aが形成してあり、その内径よりやや
大径に作られた前記機械箱３の上端の外面が手で抜き挿
し出来る程度の固さに嵌着され、雨や水滴が餌箱の外面
を伝つて流下することがあつても、内部へ入ることがな
いようにしてある。

４は両箱2,3の間に挾持した円板形をなす合成樹脂製
の区画板で餌箱２と機械箱３とを区画する。区画板４の
上面には餌箱２の底面をなす回転底板５が餌箱２に接し
て設けられ、下面にはこれを駆動する電動機６がボルト
止めしてある。なお、前記餌箱２自体も比較的小径の円
筒部2bと大径の円筒部2eとからなる２個の部材を嵌合し
接着したもので、小径の円筒部2eの下端面は内径部が尖
つた截頭円錐状の下向き突起とされている。また、小径
の円筒部2bは前記連結部Ａと同様な手法がより補助筒Ｂ
を結合し、長さの異なる数個の補助筒Ｂを基準すること
により、餌箱２の容量を大小に調節できるようにしてあ
る。７は餌箱２の上端開口に載せてそこを閉じる蓋であ
る。

回転底板５はその回転軸線からやや離れた位置に餌出
孔5aが開設してあり、これに対応して区画板４に餌出孔
5aよりやや大径又は下開きテーパ状に形成した１個の餌
受孔4aが開設されていて、両孔5a,4aが合致したときの
みそこを通して魚餌が落下するようになつている。回転
底板５は中央に円錐形の突起5bと、外周に外面が高くな
る傾斜面からなる突縁5eとが同心状に形成されており、
前記餌出孔5aをそれらの間の谷の部分に開口させて、魚
餌が餌出孔5aへ向け円滑に落下するようにしてある。

また、環状の突縁5eの外端上面は前記小径の円筒部2e
に設けた円錐面と対面して上方へ向かう狭い隙間を形成
し、これによつて餌箱２内の飼料が前記下部の円筒部2e
と回転底板５との隙間5dに落下するのを防止している。

８は餌の取出し管であり、区画板４に設けた餌受孔4a
に接続されたゴム状の合成樹脂によつて作られ、垂直部
8aとこれに連結された送風部8bとからなつている。送風
部8bの一端は送風機９に連結され、他端は機械箱３の壁
面を貫いて外部へ開口して、垂直部8aから落下する魚餌
が送風機９からの送風によつて飼料を滞らせることな
く、外部へ排出するようにしてある。なお、3aは機械箱
３の壁面に設けた送風機９の空気吸入口、3bは機械箱３
の底板であり、送風機９をボルト止めしている。

なお、この給餌装置は必ずしも魚槽用に限られず、犬
や猫用としても利用できる。

次に、この自動給餌装置１の作動を説明する。まず、
餌箱２の粒状あるいは粉状の飼料を入れ、電源を投入す
る。所定時間経過後、或いは所定の時刻になるタイマス
イツチが動作し、それによつて設定された時間だけ電動
機６と送風機９とに通過される。これにより回転底板５
が回転してその餌出孔5aと区画板４の餌受孔4aとが合致
している時間、飼料は下方の取出し管８内へ落下し、送
風機９によつて外部へ吹き出され、図示してない活魚の
水槽内へ落下する。

〔発明の効果〕

この発明は以上のように、円筒形餌箱の底部をなす餌
出孔を設けた回転回転底板の上面周縁に内面が窪んだ擦
り鉢状の傾斜面を形成し、これに対する円筒形の餌箱の
下端部に大径部を形成し、その段部に截頭円錐状の下向
き突起を形成して前記傾斜面と対面させたものであるか
ら、回転底板上に入れられた魚餌が餌箱内面と回転底板
との隙間に入れるのを防止できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

図面はこの発明の一実施例を示すもので、第１図は自動
給餌装置の縦断面図、第２図はそのII−II断面図、第３
図は他の実施例を示す回転底板の平面図、第４図はその
断面図である。 ２……餌箱、４……区画板、５……回転底板、5c……突
縁。

Claims (4)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】円筒形の餌箱と機械箱とを区画板によつて
   上下に区画して設け、その区画板の上面に餌箱の内周面
   と同心に配された回転底板と下面にその回転底板に連結
   された電動機とを支持し、回転底板には回転軸線からや
   や離れた位置に餌出孔を、また、区画板には餌出孔と対
   応する餌受孔を形成し餌受孔の下面に餌の取出し管を接
   続する一方、円筒形の餌箱の下端部に大径部を形成し、
   その端部に截頭円錐状の下向き突起を形成すると共に前
   記回転底板の周縁に内面が窪んだ擦り鉢状の傾斜面を形
   成し、その傾斜面を前記下向き突起と対面させてなる自
   動給餌装置。
2. 【請求項２】回転底板の上面は軸線より偏倚して設けた
   餌出と擦り鉢状の傾斜面との間を滑らかな傾斜面で形成
   してなる特許請求の範囲第１項記載の自動給餌装置。
3. 【請求項３】餌出孔は少なくとも大小２個からなり、小
   さい方の餌出孔が回転方向前方に配されている特許請求
   の範囲第１項記載の自動給餌装置。
4. 【請求項４】餌出孔は回転方向前側から後側にかけて幅
   狭に形成されている特許請求の範囲第１項記載の自動給
   餌装置。