JP2526468Y2 - ディスクプレーヤのローディング機構 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （イ） 産業上の利用分野 本考案はコンパクトディスクプレーヤ等のディスクプ
レーヤに関し、殊に、径の異なる数種のディスクをプレ
ーヤ内に搬入装着可能なディスクローディング機構に関
するものである。

（ロ） 従来の技術 近年、従来の直径12cmのコンパクトディスクに加え
て、直径8cmのコンパクトディスクが開発されている。
斯かるディスクは、従来の12cm径ディスクに比べ、情報
の記録の仕方に全く相異がなく、ただ単に径が小さくな
っただけであるから、ターンテーブルを駆動するモータ
のモータ制御回路を若干だけ変更するのみで（これはデ
ィスクの慣性モーメントの相異に基く）、選択的に再生
が可能となる。

据置型のコンパクトディスクプレーヤでは、一般にプ
レーヤ内外を水平移動するトレーが配設され、ディスク
はこのトレー上面に形成されたディスクより小許だけ径
の大きな凹部に収納されることにより、プレーヤ内外に
亘って搬送される。またこの凹部には、ディスク昇降用
のリフターが没入可能に配設されており、ディスクは前
記搬送時にこのリフター上に載置されている。斯様にリ
フターに載置されたディスクは、トレー搬入位置にてプ
レーヤ内のターンテーブル上にその中央孔が正確に位置
づけられており、然る後リフターが没入されることによ
って、ターンテーブル上に降下及び載置される。尚、こ
の時、クランパーがディスク上面を押圧するため、ディ
スクはターンテーブルに圧着される。

斯かるプレーヤにて前記8cm径のディスクを再生する
場合、先づ、ディスクのターンテーブルへの装着が問題
となる。即ち上記プレーヤでは、凹部が12cm径のディス
クより小許だけ径の大きな円形にて形成されているた
め、12cm径ディスクの場合ディスクをこの凹部に収納す
るのみで、ディスクと凹部とのセンター合わせが可能と
なり、このためトレーを搬入した際、ディスクはターン
テーブルに対し、自動的にセンター合わせされるもので
あるが、8cm径ディスクの場合、ディスクの径が凹部の
径よりかなり小さいため、ディスクの凹部に対するセン
ター合わせが困難で、また仮にセンター合わせが良好に
行われたとしても、トレー移動時にディスクに横ずれが
生じることがあり、この様なことからトレー搬入時にデ
ィスクがターンテーブルの真上に位置づけられず、以っ
てディスクをターンテーブルに良好に載置できないもの
であった。

斯かる点を解決する手段として実開昭59-16538号公報
（G11B17/04）に開示されたものがある。即ちリフター
に複数の段部を設け、この段部に夫々の径のディスクを
係合させてディスクのセンター合わせを行うものであ
る。然し乍ら、斯かる装置では全ての径のディスクに対
し、ディスクの外周と段部とを係合させる構成であるた
め、12cm径及び8cm径の如くディスクの径の差が大きい
場合にはリフターの径方向の長さが大きくなるという欠
点がある。またこの場合、ディスクの径の差に応じて段
部の長さが長くなると、この段部に載置されたディスク
の段部に対する当接部分が、ディスクの内周方向に大き
く及び、このためディスクの情報記録面に傷がついてし
まう危惧があった。これに対し、特開昭60-93664号公報
（G11B17/04）の如く、段部を内周方向に傾斜させるこ
とにより、段部がディスクの情報記録面に当接するのを
防止できるが、相変らずリフターの径方向の長さが大き
くなるという問題が残り、また段部の長さが長いことか
ら、ディスク面への当接を避ける様な傾斜を得ようとす
ると、傾斜部の高さ方向に占める寸法が大きくなり、結
果的にリフターの高さ方向の寸法が大きくなるという問
題があった。

（ハ） 考案が解決しようとする課題 本考案は簡単な構成にて数種のディスクのローディン
グが可能で然もディスクの情報記録面の傷つきを防止し
得る様なディスクプレーヤのローディング機構を提供せ
んとするものである。

（ニ） 課題を解決するための手段 上記課題に鑑み本考案のローディング機構は、プレー
ヤ本体外に搬出されたディスク着脱位置とプレーヤ本体
内に搬入されたディスク再生位置との間を水平に移動す
るディスク搬送用のトレーと、該トレー上面に形成され
且つ前記ディスクの径より若干大きな径を有するディス
ク収納用の凹部と、該凹部に没入可能に配され、前記デ
ィスクを載置する少なくとも３つのリフターとを備えた
ディスクプレーヤに於いて、前記リフターは前記凹部中
心側に段部が形成され該段部の底に前記凹部の中心に向
って徐々に低く傾斜した傾斜部と、前記リフター上面に
配設された合成皮革等よりなる損傷防止部材とを有し、
径の大きなディスクは前記損傷防止部材を介して前記リ
フター上に載置すると共に、径の小さなディスクはその
周縁が前記段部の傾斜部に当接した状態で前記リフター
上に載置する様に構成したことを特徴とする。

（ホ） 作用 径の大きなディスクはディスク収納用の凹部に収納さ
れることによりセンター合わせされ、リフターの上部形
状に合わせて配設された合成皮革等よりなる損傷防止部
材上に載置される。この際、ディスクは損傷防止部材に
当接するため、ディスクの情報面に損傷が生じる危惧は
ない。また、径の小さなディスクは、段部にその周縁が
係合し傾斜部によってディスク収納用の凹部に対しセン
ター合わせされる。この際、傾斜部は前記凹部中心に向
って徐々に低く傾斜しているため、径の小さなディスク
は該ディスクの周縁が段部の傾斜部に当接支持され、こ
の傾斜部とディスクの情報面とは離間し、以ってディス
クの情報面に傷が生じる危惧はない。

（ヘ） 実施例 以下、本発明の一実施例について説明する。

第１図及び第２図の斜視図及び分解斜視図において、
トレー（１）にはその上面に、ディスクを収納するため
の円形の凹部（２）が形成されている。この凹部（２）
は大径ディスク（12cm径ディスク）の径より若干だけ大
きな径を有する。またこの凹部（２）には、ターンテー
ブル（図示せず）及びピックアップ（図示せず）の移動
を許容するべく切欠部（３）が形成されていると共にデ
ィスク昇降用のリフター（４）（４）（４）（４）が突
出する透孔（５）（５）（５）（５）が形成されてい
る。更にトレー（１）上面にはリフター昇降用の透孔
（６）（６）が穿設されている。

リフター（４）（４）（４）（４）は、その内２つが
対となって、軸（７）（７）を中心としてトレー（１）
に回動自在に装着されたレバー（８）（８）に一体的に
形成されている。これらレバー（８）（８）は図示しな
いバネ手段によりリフター（４）（４）（４）（４）が
凹部（２）内に突出する様に付勢されている。更にレバ
ー（８）（８）には夫々その上面に突起（９）（９）が
形成されており、レバー（８）（８）装着時にこれら突
起（９）（９）が前記トレー（１）上面の透孔（６）
（６）より外部に臨む。

第３図にリフター（4a）の上部形状を示す。斯かるリ
フター（4a）上部にはトレー（１）内部側に段部（10）
が形成され、更にこの段部（10）の底には凹部（２）中
心に向って徐々に低く傾斜した傾斜部（10a）が形成さ
れている。またこのリフター（4a）の上部には、打ち抜
き品の合成皮革（例えばエクセーヌ（登録商標名））等
よりなるパッド（11）が貼着されている。残りのリフタ
ー（４）（４）（４）にも同様に段部（10）（10）（1
0）が形成されていると共にパッド（11）（11）（11）
が貼着されており、各々の段部（10）（10）（10）の底
は同様に凹部（２）中心に向って徐々に低く傾斜した傾
斜部（10a）（10a）（10a）が形成されている。

而して大径ディスクは凹部（２）に収納されることに
より、凹部（２）内にセンター合わせされて位置決めさ
れた状態でトレー（１）に載置される。この際、大径デ
ィスクはリフター（4a）（4a）（4a）（4a）上部に貼着
されたディスク損傷防止用のパッド（11）（11）（11）
（11）を介してリフター（4a）（4a）（4a）（4a）上に
載置されるのでディスク情報面への傷つきは防止され
る。更にトレー（１）がプレーヤ内に搬入された後リフ
ター（４）（４）（４）（４）が没入されることによ
り、ターンテーブル（図示せず）上に載置される。尚、
リフター（４）（４）（４）（４）の没入は、ディスク
をターンテーブルに圧着するクランパー（図示せず）に
より達成され、即ちクランパーがターンテーブル方向に
変位する際に、クランパーに配されたピン（図示せず）
が、トレー（１）上面の透孔（６）（６）を介してレバ
ー（８）（８）の突起（９）（９）を押下し、レバー
（８）（８）をバネ手段の付勢に抗して回動せしめ、以
ってリフター（４）（４）（４）（４）を没入せしめる
ものである。

更に小径ディスクは、前記リフター（４）（４）
（４）（４）の段部（10）（10）（10）（10）にその周
縁を係合させ傾斜部に載置されることにより、凹部
（２）内に水平状態にて中心合わせされて位置決めされ
る。この際、小径ディスク（D₂）は第４図に示す如く、
段部の底に傾斜部（10a）（10a）（10a）（10a）が形成
されているため、小径ディスク（D₂）の周縁のみがこの
傾斜部に当接することで支持される。依って、ディスク
（D2）の情報面は前記傾斜部（10a）（10a）（10a）（1
0a）に当接することはないので傷つきが防止される。

第５図はリフター（４）（４）（４）（４）の配置を
示す図である。図の如く、リフター（４）（４）（４）
（４）はトレー（１）の搬入方向に対してθの角度に位
置づけられている。斯かる角度は、大径ディスク（D₁）
及び小径ディスク（D₂）の安定した支持、及び切欠部
（３）との兼合から60°位が好ましい。

以上、本考案の一実施例について説明したが、本考案
は斯かる実施例に限定されるものではなく種々変更が可
能である。例えば、第６図に示す如く、リフター
（４′）（４′）（４′）（４′）自身をゴム部材にて
形成し、ディスク面の傷つきを防止する様にしても良
い。

（ト） 考案の効果 以上、本考案に依れば、径の大きなディスクはディス
ク収納用の凹部に収納されることによりセンター合わせ
され、リフターの上部形状に合わせて配設された合成皮
革等よりなる損傷防止部材を介してリフター上に載置さ
れる。この際、ディスクは損傷防止部材に当接するた
め、ディスクの情報面に損傷が生じる危惧はない。ま
た、径の小さなディスクは、段部にその周縁が係合し傾
斜部によってディスク収納用の凹部に対しセンター合わ
せされる。この際、傾斜部は前記凹部中心に向って徐々
に低く傾斜しているため、径の小さなディスクはその周
縁が段部の傾斜部に当接した状態でリフター上に載置さ
れる。また、傾斜部とディスクの情報面とは離間するた
め、ディスクの情報面に損傷が生じる危惧はない。従っ
て、簡単な構成にて数種の径のディスクをローディング
することができ、然もディスク面の損傷も同時に防止で
きるので、その実用的効果は大きい。

【図面の簡単な説明】

図は何れも本考案の一実施例を示すもので、第１図はト
レーの斜視図、第２図はその分解斜視図、第３図はリフ
ター上部の斜視図、第４図は小径ディスクを装着した際
の要部側面図、第５図はトレーの上面図、第６図は他の
実施例を示す斜視図である。 （１）……トレー、（２）……凹部、（４）（４′）…
…リフター、（10）……段部、（11）パッド……（損傷
防止手段）。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】プレーヤ本体外に搬出されたディスク着脱
   位置とプレーヤ本体内に搬入されたディスク再生位置と
   の間を水平に移動するディスク搬送用のトレーと、該ト
   レー上面に形成され且つ前記ディスクの径より若干大き
   な径を有するディスク収納用の凹部と、該凹部に没入可
   能に配され、前記ディスクを載置する少なくとも３つの
   リフターとを備えたディスクプレーヤに於いて、前記リ
   フターは前記凹部中心側に段部が形成され該段部の底に
   前記凹部の中心に向って徐々に低く傾斜した傾斜部と、
   前記リフター上面に配設された合成皮革等よりなる損傷
   防止部材とを有し、径の大きなディスクは前記損傷防止
   部材を介して前記リフター上に載置すると共に、径の小
   さなディスクはその周縁が前記段部の傾斜部に当接した
   状態で前記リフター上に載置する様に構成したことを特
   徴とするディスクプレーヤのローディング機構。