JP2521748B2 - 弗化物及び燐系汚染物質の除去方法 - Google Patents

弗化物及び燐系汚染物質の除去方法

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JP2521748B2 JP62081340A JP8134087A JP2521748B2 JP 2521748 B2 JP2521748 B2 JP 2521748B2 JP 62081340 A JP62081340 A JP 62081340A JP 8134087 A JP8134087 A JP 8134087A JP 2521748 B2 JP2521748 B2 JP 2521748B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、イオン交換法に関し、さらに詳しく述べる
と、例えば通常用いられている湿式燐酸処理設備におい
てみられるもののような酸性プロセス廃水から、弗化物
及び燐系の汚染物質を除去する方法に関する。
〔従来の技術〕
湿式燐酸の製造において、大規模な冷却及び石膏貯蔵
池が一般に用いられている。さらに詳しく説明すると、
燐酸の処理では、多量の水が循環せしめられかつ再使用
されており、また、この水をできるかぎり最大限利用す
るため、多大の努力がはらわれている。
上記した廃水は、弗化物及び燐系の汚染物質の両者を
高レベルで含有することが屡々であるので、その廃棄が
困難となっている。通常、多額の経費のかかるライミン
グ(石灰)法が用いられている。特に、2段階のライミ
ングシステムが用いられていて、そこでは、石灰を最初
に池の水に添加してそのpH値を約4〜約5に上昇させ、
これによって弗化物系化合物を沈殿させる。次いで、ス
ラリーを清澄にし、そしてその水をもう一度石灰で処理
してpH値を約9に高める。これは、燐系化合物の除去の
ためである。多少は有効であるというものの、このよう
な除去システムのコストはかなりの高額である。なぜな
ら、石灰の添加によって沈殿せしめられるところの弗化
物及び燐系の汚染物質は、スラッジ(汚泥)として廃棄
されるわけであるけれども、スラッジの取り扱いは非常
に難しく、また、精製プロセスに対して実質的な額のコ
ストが加算されることとなる。さらに加えて、弗化物及
び燐系の化合物をスラッジと一緒に廃棄することは、潜
在的に貴重な商品の形でそれらを回収することを妨害
し、また、したがって、2段階ライミングの有望性を低
減させる。したがって、常用の2段階ライミング法は、
その実施が非常に難しいばかりでなく、潜在的に貴重な
最終生成物、すなわち、弗化物及び燐系の化合物の廃棄
をも導く。
〔発明が解決しようとする問題点〕
酸性プロセス廃水から弗化物及び燐系の汚染物質を除
去する従来の方法に関して先に述べた制限及び欠点なら
びに特に前記しなかったその他の欠点にかんがみて、こ
の技術分野では、上述の汚染物質を酸性廃水から有効に
除去することを可能ならしめかつこれらの汚染物質を商
業的に有用な最終生成物として回収することを可能なら
しめる方法が依然として要求されていることが明らかで
ある。本発明の主たる目的は、したがって、例えば常用
の湿式燐酸処理設備において生じるもののような酸性プ
ロセス廃水から弗化物及び燐系汚染物質を除去するため
に強塩基イオン交換樹脂を使用する形式のイオン交換法
を提供することによって、上記要求を満たすことにあ
る。
本発明の別の目的は、必要とされる水の全量を下げる
ような、廃水から弗化物及び燐系の汚染物質を除去する
方法を提供することにある。
本発明のもう1つの目的は、弗化物及び燐系の汚染物
質を廃水から除去するためのものであって、これらの汚
染物質を有用な副生物を回収することを可能ならしめる
方法を提供することにある。
本発明のさらにもう1つの1方は、分離装置(アドバ
ンスド・セパレーション・デバイス)を使用して、弗化
物及び燐系の汚染物質を酸性プロセス廃水から除去する
ためのものであって、従来可能であったよりもより大き
な効率でもってこれらの汚染物質を回収することを可能
ならしめる方法を提供することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
簡単に述べると、本発明のこれら及びその他の目的
は、弗化物及び(又は)燐系の化合物を酸性廃水から除
去するためのものであって、前記廃水を強塩基イオン交
換樹脂と接触させる工程を含む方法を提供することによ
って達成される。強塩基イオン交換樹脂は、予想されな
かったことではあるが、酸性媒体中において、すなわ
ち、約1.5〜2.0のpHレベルにおいて、例えばSiF6 2-のよ
うな弗化物含有イオンを除去するということが認められ
た。次いで、弗化物が付加(load)せしめられた樹脂
を、その樹脂を弗化物−樹脂再生液と接触させることに
よって再生する。弗化物は、水溶性の弗化物含有塩の形
で樹脂から脱離せしめられる。次いで、実質的にからレ
ベル(使用し尽した濃度)の弗化物含有イオンを含有す
る流出廃水のpH値を約5.0〜7.0に上昇させると、例えば
HPO4 2-のような燐系汚染物質を廃水から除去することが
できる。弗化内含有成分の場合と同様に、燐系化合物が
付加せしめられた樹脂の再生を、水溶性の燐酸塩を生成
するような組成物を用いて行うことができる。
上記した工程のどちらも、最も有利には、以下に説明
する分離装置アドバンスド・セパレーション・デバイス
(ASD)を用いて行うことができる。この分離装置を使
用すると、イオン交換プロセスを連続的にかつ最適な効
率でもって実施することができる。
本発明の上記及びそれ以外の目的、利点、そして特徴
は以下の記載から明らかとなるであろう。また、本発明
の本質は、下記の本発明の詳細な説明、特許請求の範
囲、そして図面を参照することによってよりはっきりと
理解されるであろう。
好ましい実施態様の詳細な説明 以下に説明する方法は、弗化物は燐系化合物の両方を
酸性廃水から除去することに関する。しかし、両方の汚
染物質の除去は、本発明方法の多才性を立証するため、
説明のみを目的として記載されていることが理解される
であろう。したがって、汚染物質の一方のみを含有する
廃水について本発明方法を実施することも本発明の範囲
に含まれる。
本発明に従って処理されるべき酸性廃水は、通常、湿
式燐酸を製造するプロセスに由来する。かかる廃水は、
一般に、約1.5から約2.0の範囲のpH値を有しており、そ
して約5,000〜10,000ppmの弗化物化合物、5,000〜10,00
00rpmの燐酸塩(P2O5として表わされる)及び500ppmよ
りも多量のアンモニウムイオンを含有する。弗化物成分
は、主としてSiF6 2-からなるものと考えられる。なお、
この方法は、以下、燐酸プロセスからの廃水に関して記
載するけれども、SiF6 2-及び(又は)燐酸塩が酸性媒体
中に存在するいかなるプロセスにも適用可能であるとい
うことが理解されるであろう。
廃水は、例えば固定層又は脈動層のような常用の接触
技法を使用してあるいは、最も有利には、ASDによっ
て、強塩基イオン交換樹脂と接触させることができる。
廃水は、もしも必要ならば、用いられる接触技法とは
無関係に先ず最初に清澄にし、懸濁せる固体を除去す
る。清澄は、レリーフ清澄器、ポリッシングフィルタ
ー、その他のような常用の装置を使用して実施すること
ができる。
第1図のフローシートに示されているように、次い
で、清澄水を強塩基イオン交換樹脂含有の接触装置に供
給する。このような樹脂は、通常、選ばれたアニオンを
水及び(又は)化学プロセスの流動体、特に2価のアニ
オンを含有するものから除去するために用いられてい
る。したがって、燐酸プロセス廃水中に含まれる弗化物
イオンがかかる樹脂に関して高い親和性を有するなどと
いうことは全く予想だにされなかった。この予想外の結
果が得られた理由は、理論に制限されるものではないけ
れども、燐酸池水中の燐酸プロセス廃水中に含まれる弗
化物イオンがSiF6 2-の形で存在する傾向にあり、したが
って、2価の種として作用することにあると考えられ
る。SiF6 2-の形をした弗化物イオンは、イオン交換を通
じて樹脂上に付加せしめられる。強塩基アニオン交換樹
脂と組み合わされるアニオンは、このような適用に一般
的に用いられるもののいずれかであることができる。か
かるアニオンを選択する際の基本的な基準は、便宜性、
入手容易性、そして再生媒体との相溶性である。このよ
うな目的のために典型的なアニオンは、水酸化物、硫酸
塩、硫酸水素塩、そして炭酸塩であり、但し、これらの
アニオンに限定されない。
有利であることが判明した強塩基イオン交換樹脂は、
ローム・アンド・ハース社製のDUOLITE AIOIDである。
この樹脂は、処理されるべき池水の本来のpH値、すなわ
ち、約1.5から約2.0までのpH値の時に弗化物イオンに対
して親和性を有している。その他の適当な樹脂には、同
じくどちらもローム・アンド・ハース社製であるIRA 90
0C及びIRA910、そしてダウ・ケミカル社製のTG 550があ
る。
使用し終えた強塩基イオン交換樹脂は、洗浄した後、
樹脂から弗化物を脱離し、そして水溶性の商業的に有用
な最終生成物あるいは商業的に有用な最終生成物に変換
可能である中間体を形成するような化合物でもって再生
する。このような化合物は、以下に列挙するものに限定
されないけれども、硫酸、硫酸アンモニウム及び硫酸水
素アンモニウムを包含する。ここで用いられる特定の化
合物は、それによって形成される弗化物塩が水溶性であ
り、したがって、その塩を樹脂から洗い落すことが可能
である限りおいて臨界的ではない。約2〜約4のpH値を
有する1〜4規定の硫酸水素アンモニウム水溶液がとり
わけ有利であることが判明した。というのも、硫酸水素
アンモニウムは、通常、湿式燐酸の製造において用いら
れるからである。硫酸水素アンモニウムは、その硫酸水
素イオンとSiF6 2-の交換の結果として樹脂から弗化物化
合物を脱離し、よって、珪弗化アンモニウムを含有する
ところの濃厚な脱離液を生成する。樹脂は、したがっ
て、硫酸水素塩の形に変えられる。
次いで、珪弗化アンモニウムの脱離液を追加量のアン
モニアと反応させてそのpH値を約8.5〜9.0に上昇させ、
よって、活性化せしめられたシリカ化合物を沈殿させる
ことができる。引き続いて、常用の濾過法を使用してシ
リカの除去を行った後、得られる弗化アンモニウム溶液
を中間体として、例えば弗化カルシウム、弗化水素酸、
金属弗化物、その他のようないろいろな商業的に有用な
弗化物化合物を調製するために使用する。次いで、から
レベルの、すなわち、1000ppm未満、好ましくは50ppm未
満の弗化物化合物を含有する処理済みの廃水をさらに石
灰で処理して、そのpH値を約5.0〜7.0に上昇させる。弗
化物の実質的に全量が廃水の溶液から除去され、硫酸塩
と置き換えられているので、pH値を5.0に上昇させるた
め、弗化物イオンが依然として存在している場合に必要
となるよりもさらに少量の石灰が必要である。これでも
って、水処理コストを低減させることができる。
弗化物がからになった水のpH値を所望のレベルに調整
した後、強塩基イオン交換樹脂との相互作用のための第
2の接触装置にこの水を供給する。しかし、樹脂は、よ
り高いpHレベルの時、燐酸塩イオンとの親和性を有して
いる。燐酸塩の実質的に全量を除去して、約100〜約200
ppm未満、好ましくは約5.0〜100ppmの燐酸塩(P2O5とし
て)を含有する流出液を調製する。この流出液は、今や
ほぼ中性のpH値を有し、そして極く少量の弗化物及び燐
系化合物を含有する。次いで、この物質を、プロセスメ
ークアップウォーター(補給水)として使用するため、
現行の運転系に再循環させることができる。特に適当な
使途の1つとして、燐酸製造プロセスにおいて用いられ
る鉱石湿式粉砕工程用の補給水としてこの流出液を使用
することがあげられる。この方法では、鉱石湿式粉砕を
ホス−アシッドコンプレッククス中で利用することがで
き、その際、全体的な水のバランスに影響が及びことは
ない。なお、このことは、現在まで、鉱石湿式粉砕を利
用する際の主たる欠点となっていた。
次いで、使用済みの樹脂(今や燐酸塩が結合してい
る)を、有用な最終生成物を形成可能であるかもしくは
このような最終生成物を燐酸塩とともに形成可能である
化合物で再生する。燐酸塩樹脂再生段階において用いら
れる特定の再生液は、弗化物樹脂再生段階の場合と同
様、生成物あるいはその中間体が水溶性を奏する限りに
おいて臨界的ではない。このような化合物は、硫酸アン
モニウム、水酸化アンモニウム、硫酸ナトリウム、その
他を包含する。これらの化合物のなかでも、水酸化アン
モニウムがとりわけ有利である。水酸化アンモニウム
は、結合せしめられた燐酸塩を水酸化物に交換する作用
を有し、したがって、再生水酸化物樹脂及び燐酸アンモ
ニウムを生成することができる。燐酸アンモニウムは、
もちろん、商業的に貴重な最終生成物である。
本発明方法は、常用の固定層又は脈動層において実施
することができるけれども、ASD(アドバンスド、セパ
レーション、デバイス)を使用して実施するのが最も有
利である。さらに詳しく説明すると、ASDを使用して本
発明方法を行った場合、完全に連続したイオン交換なら
びにすぐれた技術的及び経済的利点を達成することがで
きる。ASDは、本願明細書でも開示内容を参照して記載
するところの米国特許第4,522,726号に詳細に記載され
ている。
ASDを第2図に図示する。ASD 10は、多数個の固定供
給口12を有していて、これらの供給口のそれぞれにいろ
いろな供給物質を補給することができる。本発明の場合
には、このような物質として、酸性プロセス廃水の供給
物質、弗化物樹脂再生液、弗化物がからの廃水の供給物
質、燐酸塩樹脂再生液、そして、任意であるけれども、
1本もしくはそれ以上の洗浄水供給流が含まれる。
上記した固定供給口のそれぞれと周期的流体連通状態
を形成している還状流路の周囲には、供給液体との相互
作用を行う強塩基イオン交換樹脂が詰められた多数個の
チャンバ14が回転している。流出液、すなわち、供給物
質と交換材料との相互作用に由来する流体は、以下、相
互作用生成物として参照する。本発明の方法において、
強塩基イオン交換樹脂は、有利には、ダウ・ケミカル社
製のTG 550である。
供給物質は、チャンバ14のそれぞれ中の樹脂との周期
的な相互作用のため、そのそれぞれの固定供給口12に対
して連続的に供給されることが理解されるであろう。同
様にして、固定供給口12の終端に対向するチャンバの端
部のところには多数個の固定排出口16が設けられてい
る。それぞれの固定供給口12は、対応の固定排出口16を
有している。相互作用は生成物は、所定の固定排出口を
通過した後、系からパージし、選らばれた供給口あるい
はその組み合わせに再循環させることができる。
本発明の方法を実施するために、酸性廃水の供給物
質、弗化物樹脂再生液、燐酸塩樹脂再生液、そして1本
もしくはそれ以上の洗浄水供給流をそれぞれ所定の供給
口に供給する。この供給によって、樹脂は、(i)弗化
物が付加せしめられ、(ii)洗浄され、(iii)弗化物
樹脂再生液と接触せしめられ、よって、樹脂からの弗化
物が再生液中のアニオンと交換され、(iv)再洗浄さ
れ、(v)より高pHの、弗化物がからの廃水と接触せし
められ、よって、樹脂に燐酸塩が付加せしめられ、(v
i)再洗浄され、そして次に(vii)樹脂から燐酸塩を脱
離して、その塩を引き続く処理のためのアニオンで置き
換えるところの燐酸塩樹脂再生液でもって再生されるで
あろう。
ASDを用いて実施される方法を図式的に示すと、第3
図のようになる。弗化物及び燐系の汚染物質を含有する
廃水を清澄にした後、強塩基イオン交換樹脂を収容した
チャンバに配水するための固定供給口12に対して流れ
(I)として供給する。次いで、からレベルの弗化物イ
オンを含有する相互作用生成物の流れ(II)を排出口16
Aを介して排出しかつ、向流で、もつ1つのチャンバ12B
に循環させる。向流循環とは、固定排出口16Aを介して
排出されるところのからレベルの弗化物を含有する相互
作用生成物がチャンバの回転方向に関して向流をなす方
向で固定供給口に循環されることを意味する。本図の場
合には、流れ(II)を固定供給口12Bに向流で供給し、
そして、供給口12Bで、なおも存在する多量の弗化物化
合物を除去するため、その流れを樹脂が詰められたチャ
ンバに配水する。この例では単に2個の固定供給及び排
出口が用いられているけれども、より多数個の開口及び
チャンバを必要に応じて使用し得るということが理解さ
れるであろう。
次いで、固定排出口16Bを介して排出される流出液の
流れ(III)を別の処理に供する。次いで、チャンバ中
にあって弗化物化合物が付加せしめられた樹脂を洗浄
し、そして再生する。さらに詳説すると、洗浄水の流れ
(IV)を1個もしくはそれ以上の固定供給口12Cに供給
して、残留量の水溶性物質を樹脂から除去することがで
きる。次いで、固定排出口16Cを介して排出されるとこ
ろの洗浄水の流出液の流れ(V)を、特定のプロセス要
件に依存して、廃水池に戻すかもしくは脱離水中に混入
する。強塩基交換樹脂からSiF6 2-を脱離させる。この脱
離は、例えば硫酸水素アンモニウムのような再生液の流
れ(VI)を固定供給口12Dに供給し、そこで、珪弗化ア
ンモニウムならびに再生せる硫酸塩結合樹脂を形成させ
ることによって行うことができる。再生工程は、弗化物
化合物付加工程の場合と同じように、向流接触法を使用
する場合に最も有利に実施することができる。したがっ
て、約2〜4のpH値の時に約0.5〜約4規定の硫酸水素
アンモニウムを含有する再生液をチャンバ配液用固定排
出口12Dに供給する。次いで、珪弗化アンモニウム及び
低減濃度の硫酸水素アンモニウムを含有する流出液の流
れ(VII)を、また別のチャンバに配液するための固定
供給口12Eに向流で供給する。弗化物付加工程の場合と
同様に、さらに多量の再生液を配液するかもしくは固定
排出口のいずれかから排出される相互作用生成物を配液
するため、追加の固定供給口が存在していてもよい。
次いで、珪弗化アンモニウムを含有する流出液の流れ
(VIII)を、例えば弗化カルシウム、弗化水素酸、金属
弗化物、その他のような貴重な弗化物の副生成物を回収
するために、さらに処理する。特に、珪弗化アンモニウ
ム脱離液を最初に追加量のアンモニアと反応させて、そ
のpH値を約8.5〜9.0に上昇させ、そして活性化せしめら
れたシリカ化合物の沈殿を行う。次いで、このシリカを
濾過し、洗浄し、そして引き続く販売を目的として乾燥
する。
別法によれば、流れに硫酸を添加することによって、
珪弗化アンモニウム/硫酸水素アンモニウム溶液の酸性
度を上昇させ、これによって、珪弗化物部分をその流れ
からガスの形で分離させることができる。次いで、珪弗
化物を含有するガスを常用の装置を使用してスクラビン
グに供し、SiF6 2-を含有する溶液を調製する。得られた
溶液は、弗化アンモニウムの中間体を製造することを目
的として、さらに処理することができる。次いで、得ら
れた弗化アンモニウム溶液を、上記したものも含めた多
数の弗化物化合物の中間体として使用することができ
る。
固定排出口16Bを介して排出されるところの、弗化物
がからになった廃水の流れ(III)を最初に混合槽に送
り、この槽で、pH値を約5.0〜7.0に上昇させるため、十
分な量の石灰あるいはその他のアルカリ物質を添加す
る。廃水中に含まれる弗化物イオンの実質的に全量が先
に説明した工程でもって除去されているので、弗化物イ
オンが依然として存在していた場合に必要であったより
もはるかに少量の石灰がpH値の上昇に必要である。この
ことは、含まれる水処理コストを著しく下げるのに有効
である。
次いで、pH値を調製した水を第2の清澄器に送って石
灰の固体を除去する。得られる石灰の固体そのものは、
ライミングシステムに再循環させることができる。次い
で、清澄にした水(pH=約5.0〜7.0)を第2のASDユニ
ットに送る。このASDユニットにも強塩基イオン交換樹
脂が詰められている。この樹脂は、第2のライミング工
程の後に到達するより高いpHレベルの時、燐酸塩アニオ
ンに関する親和性を有している。次いで、弗化物が使い
尽された水を第2のASDの固定口12A′に送り、このASD
で水と樹脂とを先に行なったように向流で接触させる。
したがって、第1の排出口16A′を介して排出された相
互生成物の流れ(IX)が、強塩基イオン交換樹脂とのさ
らなる接触のため、第2の供給口12B′に対して向流で
流される。ここで、廃水と交換樹脂とをさらに接触させ
るため、第1のASDの操作と同様なやり方でもって、追
加の固定供給及び排出口を配設してもよい。得られる流
出液の流れは、ほぼ中性のpH値のところにあり、そして
非常に少量の弗化物及び燐系化合物だけを含有してい
る。
ところで、得られる流出液の流れ(X)は、ほぼ中性
のpH値のところにあり、そして残留量の弗化物及び燐だ
けを含有している。この物質は、有利には、プロセスメ
ークアップウォーターとして使用するため、現行の操作
を通じて再循環させることができる。理想的な用途は、
鉱石湿式粉砕プロセスのメークアップウォーターとして
である。この方法では、鉱石湿式粉砕をホス−アシッド
コンプレックスにおいて利用することができ、全体的な
水のバランスに影響が及ぶことはない。
次いで、今や燐酸塩が付加せしめられている使用済み
の樹脂を洗浄水の流れ(X I)で前記のようにして洗浄
し、そして次に、樹脂に結合している燐酸塩をアニオン
に交換するような物質でもって再生する。この目的のた
め、水酸化アンモニウムが理想的であることが判明し
た。したがって、水酸化アンモニウムの1〜10%溶液を
流れ(X II)として固定供給口12D′中に供給し、ここ
でもって燐酸塩付加樹脂と接触させる。ここでも再び、
向流接触法が最も有利である。したがって、固定排出口
16D′を介して排出される相互作用生成物の流れ(X II
I)を固定供給口12E′に供給する。ここでは、水酸化物
と燐酸塩とのさらなる交換が発生する。燐酸アンモニウ
ムのかなり濃厚な水溶液の流れからなる相互作用生成物
の流れ(X IV)を化学プラントに再循環させ、粒状アン
モニウム燐酸塩肥料の製造における組成物として利用す
る。ここで、この方法によって回収されるいかなるP2O5
有価物も燐酸プロセスに対して等しく同一の価値を有し
ているということが理解されるであろう。なぜなら、肥
料の製造に用いられる燐酸及びしたがって錯体について
の全体的な燐酸塩の回収率が増大するからである。
上記した方法の場合には、20,000ppmまでのSiF6 2-
び20,000ppmまでの燐酸塩を含有する廃水を連続したか
つ効果的な方法で処理することが可能である。最終的な
処理の完了した後の流出液の流れは、約100ppmを下廻る
汚染物質濃度を有するであろう。
〔実施例〕
下記の例は、説明のために記載するものであり、本願
明細書において開示しかつ特許請求の範囲に記載する方
法を制限するものではないということを理解されたい。
したがって、ここで例示する方法は、2個の別個のASD
ユニット、すなわち、弗化物除去のためのユニットと燐
酸塩除去のためのユニットとにおいて実施されるけれど
も、これらの両方の工程を単一のASDユニットでもって
有利に実施することも可能である。
例 例えばSiF6 2-のような弗化物化合物を廃水から除去す
るための方法をASDユニットで実施した。ASDは、直径2
インチ(5.1cm)の独立した回転チャンバ30個からなっ
ていた。それぞれのチャンバには、約16〜18インチ(4
0.5〜45.5cm)のダウ・ケミカル社製のDOWEX MSA−1強
塩基イオン交換樹脂が含まれた。このユニットを約60mi
n/rev.の速度で回転させ、そしてプロセスを室温で実施
した。ASDはまた、20個の固定せる供給及び排出口を有
していた。弗化物回収方式のフローシートを第4図に示
す。
約1.8のpH値を有する廃水を最初に常用の弁付清澄器
に供給し、よって、固体を除去した。次いで、清澄にし
た水をASDに送り、ここで、樹脂との相互作用のため、
清澄水を樹脂充填チャンバに配水した。
第4図に示されているように、供給物質(フィード)
をDOWEX MSA−1との相互作用のために固定供給口2,3及
び4に平行に供給し、よって、フィード中に含まれる弗
化物化合物、例えばSiF6 2-を樹脂上に吸着させた。フィ
ードは、10.4bs.(4.5kg)の燐酸塩、8.01bs.(3.6
3kg)の弗化物化合物及び2.75bs.(1.25kg)を硫酸塩
を含有した。このフィードを106lmL/minの速度で固定供
給口に供給した。
固定排出口2,3及び4から排出された相互作用組成物
をそれぞれ固定供給口5,6及び7に向流で循環させ、よ
って、追加量の弗化物化合物を廃水から吸着させ、ま
た、第2の相互作用生成物を固定排出口5,6及び7から
排出させた。固定排出口5,6及び7から排出された第2
の相互作用生成物を含有する3本の流れを3個の固定供
給口8,9及び10に供給し、これによって、第3の相互作
用生成物を生成させかつ固定排出口8,9及び10から排出
させた。固定排出口8,9及び10から排出された第3の相
互作用生成物を、生成物の流れとして、1937mL/minの速
度でASD系から除去した。この生成物の流れは、8.46b
s.(3.84kg)の燐酸塩、1.85bs.(0.84kg)の弗化物
化合物及び13.07bs.(5.93kg)の硫酸塩を含有した。
次いで、今例えばSiF6 2-のような弗化物化合物が結合
している樹脂を新鮮水を約1gpm/ft2の速度で固定供給口
19に供給することによって洗浄した。洗浄水の流出液を
固定排出口20から150mL/minの速度で排出され、そして
池(ポンドシステム)に戻した。その流出液は、約0.76
bs.(0.34kg)の燐酸塩、0.40bs.(0.18kg)の弗化
物化合物及び1.71bs.(0.77kg)の硫酸塩を含有し
た。
次いで、洗浄後のSiF6 2-付加樹脂を再生した。この再
生のため、それと相互作用させるための2規定硫酸水素
アンモニウムを固定供給口15に供給した。この再生液に
は24.1bs(10.9kg)の硫酸水素塩に含ませ、331mL/mi
nの速度で固定供給口15に供給した。次いで、硫酸水素
塩再生液の第1の相互作用生成物を固定供給口16及び17
に向流及び直列で供給して第2及び第3の相互作用生成
物を生成させた。固定排出口17から排出された第3の相
互作用生成物を使用済み再生液として速度311mL/minでA
SD系から除去した。この使用済み再生液は、珪弗化アン
モニウムであって、0.77bs.(0.35kg)の燐酸塩、5.4
5bs.(2.47kg)の弗化物化合物及び1.20bs.(0.54k
g)の硫酸塩を含有した。これを換算すると、溶液中の
弗化物化合物は4.3重量%であった。
次いで、再生後の硫酸水素塩樹脂を水で、その水をAS
Dの固定供給口12に供給することによって洗浄した。こ
の洗浄による相互作用生成物を向流で循環させ、そして
固定排出口13から164mL/minの速度で再生洗浄液として
排出させた。この再生洗浄液は、0.14bs.(63.5kg)
の燐酸塩、1.26bs.(0.57kg)の弗化物化合物及び4.9
7bs.(2.25kg)の硫酸塩を含有した。
固定排出口17(前記した)から排出された珪弗化アン
モニウム脱離液を撹拌式タンク型反応器中で、そのpH値
を約8.5まで上昇させ、それによって弗化アンモニウム
及び活性化シリカ化合物を含有する溶液を形成するのに
十分な量の追加のアンモニアと反応させた。フィルター
プレス、遠心分離、ベルトフィルター等を使用した活性
化シリカを濾別した後、弗化アンモニウム溶液を別の処
理のために送液した。
次いで、燐酸塩除去工程を実施した。固定排出口8,9
及び10から排出されたものであってからレベルの弗化物
を含有する廃水の流れを例えば撹拌式バッフルタンクの
ような混合槽に供給し、この混合槽で、その流れのpH値
を約5〜7に上昇させるのに十分な石灰と合した。次い
で、残留せる石灰固体を除去するために常用の弁付清澄
器を通した後、水をASDに供給した。使用するASDは、Si
F6 2-付加工程で使用したものと同一の構成を有していて
もよい。追加的に、物質の同一の向流循環を使用するこ
とができる。
したがって、弗化物がからになった廃水を、低下され
た濃度の燐酸塩を含有する相互作用生成物を形成するた
めの強塩基イオン交換樹脂との相互作用のため、第1の
固定口に供給した。次いで、この第1の相互作用生成物
を第2の固定供給口に送って樹脂充填チャンバ中に配液
し、これによって、別のからレベルの燐酸塩を含有する
第2の相互作用生成物を得、そしてさらに、100ppm未満
のP2O5の形をした燐酸塩を含有する最終生成物を調製す
るため、第3の固定供給口に供給した。次いで、処理済
みの水を、種々のプロセスで再利用するためのプラント
に供給した。
弗化物付加工程の場合と同様に、カリウムが付加した
樹脂を最初に約1gpm/ft2の洗浄水の流れで洗浄し、その
際、この洗浄水の流れを洗浄工程の固定供給口に供給し
た。洗浄工程の固定排出口から排出された流出液を存在
するポンドシステムに送った。
最後に、燐酸塩が付加した樹脂を再生した。これは、
1〜10%の水酸化アンモニウム溶液を第1の固定再生液
供給口に供給し、よって、燐酸塩が付加した樹脂を含有
するチャンバ中に送液することによって行った。水酸化
物と燐酸塩の交換がおこり、第1の再生相互作用生成物
が得られた。次いで、この第1の再生相互作用生成物を
第2の固定再生液供給口に向流で循環させ、そして再
び、強塩基イオン交換樹脂との相互作用のためのチャン
バに配送した。次いで、5〜10%の燐酸塩をP2O5として
含有する第2の再生相互作用生成物を肥料プラントに、
別の処理に供するために戻した。
第1のASDにおける弗化物の除去の場合と同様、第2
のASDにおける燐酸塩の除去を同じようにして実施し
た。これは、数本の流れをASDの固定供給口に平行で供
給し、次いで相互作用生成物の流れをASDの3個の追加
の同定供給口に関して平行で向流とすることによって行
った。
本願明細書では、いくつかの好ましい態様だけを特に
図示しかつ説明したけれども、上記した教示内容にてら
しかつ特許請求の範囲に記載の範囲内で、本発明の精神
及び範囲を逸脱することなく、本発明の多くの改良及び
変更が可能であることが理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
第1図は、酸性廃水から弗化物及び燐系化合物を回収す
る方法を示したフローシート、 第2図は、アドバンスド・セパレーション・デバイスの
斜視図、 第3図は、アドバンスド・セパレーション・デバイスに
おいて実施される全プロセスを示した説明図、そして 第4図は、アドバンスド・セパレーション・デバイスに
おいて実施される弗化物回収プロセスを示したフローシ
ートである。 第2図において、10はアドバンスド・セパレーション・
デバイス、12は固定供給口、14はチャンバ、そして16は
固定排出口である。

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】イオン交換法を用いて、酸性プロセス廃水
    から弗化物及び燐系汚染物質を除去する方法であって、
    (i)前記廃水を強塩基イオン交換樹脂と接触させてそ
    の樹脂上にSiF6 2-を付加せしめ、そして(ii)前記弗化
    物含有イオンを廃水から除去した後に前記廃水から燐酸
    塩イオンを除去し、その際、前記廃水のpH値を約5.0〜
    7.0に上昇させ、次いで前記廃水を強塩基イオン交換樹
    脂と接触させ、そして前記燐酸塩イオンを前記樹脂上に
    付加せしめることによって燐酸塩イオンの除去を行う工
    程を含んでなることを特徴とする、弗化物及び燐系汚染
    物質の除去方法。
  2. 【請求項2】樹脂からSiF6 2-を脱離してそれとの水溶性
    塩を形成する化合物を用いて前記強塩基イオン交換樹脂
    を再生する工程をさらに含む、特許請求の範囲第1項に
    記載の方法。
  3. 【請求項3】弗化物イオン交換プロセスを多数個の単一
    樹脂層を通して連続的に行い、かつ再生液によって各層
    の周期的再生を行う、特許請求の範囲第1項又は第2項
    に記載の方法。
  4. 【請求項4】前記再生液が、SiF6 2-との水溶性塩を前記
    強塩基イオン交換樹脂上に形成する化合物包含する、特
    許請求の範囲第3項に記載の方法。
  5. 【請求項5】SiF6 2-との水溶性塩を形成する前記化合物
    が、硫酸、硫酸アンモニウム又は硫酸水素アンモニウム
    である、特許請求の範囲第4項に記載の方法。
  6. 【請求項6】前記化合物が、前記強塩基イオン交換樹脂
    から前記SiF6 2-を脱離して珪弗化アンモニウムを形成す
    る硫酸水素マンモニウムである、特許請求の範囲第5項
    に記載の方法。
  7. 【請求項7】前記珪弗化アンモニウム脱離液を追加のア
    ンモニアと反応させてpH値を約8.5〜9.0にし、そして活
    性化せしめられたシリカ化合物を沈殿させる工程をさら
    に含む、特許請求の範囲第6項に記載の方法。
  8. 【請求項8】連続したイオン交換及び再生工程を最低2
    個の固定廃水供給口及び対応の固定廃水排出口あるいは
    最低2個の固定再生液供給口及び対応の再生液排出口を
    有する分離装置を用いて実施し、その際、前記第1又は
    追加の固定排出口から排出される相互作用生成物を後続
    せる廃水又は再生液供給口に向流で循環させる、特許請
    求の範囲第3項〜第7項のいずれか1項に記載の方法。
  9. 【請求項9】第1及び第2の分離装置を用意して、第1
    の分離装置で弗化物交換プロセスを実施しかつ第2の分
    離装置で燐酸塩交換プロセスを実施し、 約1.5〜2.0のpH値を有する前記酸性プロセス廃水を、前
    記強塩基イオン交換樹脂を含有するチャンバ中に配水
    し、そして前記樹脂上にSiF6 2-を付加せしめ、よって、
    廃水排出口を介して排出されるところのからレベルのSi
    F6 2-含有の第1の相互作用生成物を少なくとも形成する
    ため、前記第1の分離装置に供給し、 第1の再生液を、SiF6 2-が付加せしめられた樹脂を含有
    する前記チャンバ中に配送し、そして前記樹脂からSiF6
    2-を脱離して、前記最低1個の固定再生液排出口を介し
    て排出されるところのSiF6 2-との水溶性塩を形成するた
    め、前記第1の分離装置に供給し、 前記第1の分離装置から排出される相互作用生成物のpH
    値を約5.0〜7.0に高めて第2の供給廃水を調製し、 前記第2の供給廃水を、前記強塩基イオン交換樹脂を含
    有するチャンバ中に配水し、そして前記樹脂上に燐酸塩
    アニオンを付加せしめて、配水排出口を介して排出され
    るところのからレベルの燐酸塩含有の第1の燐酸塩相互
    作用生成物を少なくとも形成するため、前記第2の分離
    装置に供給し、そして 第2の再生液を、燐酸塩アニオンが付加せしめられた樹
    脂を含有する前記チャンバ中に配送し、そして前記樹脂
    から燐酸塩アニオンを脱離して、前記第2の分離装置か
    ら排出されるところの燐酸塩アニオンとの水溶性塩を形
    成するため、前記第2の分離装置に供給する、特許請求
    の範囲第3項〜第7項のいずれか1項に記載の方法。
  10. 【請求項10】前記第2の再生液が、前記第2の強塩基
    イオン交換樹脂上に付加せしめられた燐酸塩アニオンと
    ともに水溶性塩を形成する化合物を包含する、特許請求
    の範囲第9項に記載の方法。
  11. 【請求項11】燐酸塩アニオンとともに水溶性塩を形成
    する前記化合物が、硫酸アンモニウム、水酸化アンモニ
    ウム又は硫酸ナトリウムである、特許請求の範囲第10項
    に記載の方法。
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