JP2516468Y2 - 複写防止用紙 - Google Patents

複写防止用紙

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JP2516468Y2
JP2516468Y2 JP1988073009U JP7300988U JP2516468Y2 JP 2516468 Y2 JP2516468 Y2 JP 2516468Y2 JP 1988073009 U JP1988073009 U JP 1988073009U JP 7300988 U JP7300988 U JP 7300988U JP 2516468 Y2 JP2516468 Y2 JP 2516468Y2
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均 長浜
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Description

【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本考案は、例えば、電子写真複写機やプリンタ等の画
像形成装置により画像が形成される用紙に関し、より詳
細には、一旦画像が形成されれば、その画像が電子写真
複写機により複写されない複写防止用紙に関する。
(従来の技術) 重要書類、機密書類などは、その機密の漏洩を防止す
るために、特定の人にのみ配付し、その配付先を把握し
ておくことが必要になる。配付された書類が複写されれ
ば、不特定多数の人々に、機密が漏洩するおそれがある
ため、一旦配付された書類は複写されないようにしてお
くことが好ましい。このような目的のために、機密書類
を、電子写真複写機では複写できないような用紙に作成
して配付することが行われている。
このような複写防止用紙としては、従来、電子写真複
写機に使用される感光体にほとんど吸収されない波長の
色彩、換言すれば、感光体がほとんど感度を有さない波
長の色彩(例えばセレン感光体に対しては赤色)に着色
されたものが使用されていた。このように、所定の色彩
に着色された用紙に機密事項を手書きで形成したり、あ
るいは機密書類等の原稿画像を電子写真複写機により黒
色のトナーにて複写すれば、所定色彩の転写紙上に黒色
のトナー像が形成されるため、そのトナー像は、肉眼で
は識別でき、情報画像を読み取ることができる。そし
て、画像の形成されたこのような用紙を原稿として、そ
の画像の複写画像を電子写真複写機により形成しようと
すれば、原稿となった用紙における画像以外の非画像領
域の反射光を感光体は吸収しないために、該感光体上で
は、この画像以外の非画像領域に対応する部分と、感光
体に反射光が投射されない黒色の画像領域に対応する部
分とが静電的に同様の状態となり、感光体上に像様の静
電潜像が形成されず、その結果、感光体上には全面にト
ナーが付着して複写画像が形成されない。
しかしながら、例えば赤色に着色された用紙に黒色の
画像が形成された原稿を、電子写真複写機により複写す
る場合には、原稿を露光する際の光量を増加させれば、
画像以外の非画像領域の反射光が感光体に若干吸収さ
れ、感光体上では画像以外の非画像領域に対応する部分
と、画像領域に対応する部分とに静電的に差が生じて静
電潜像が形成され、肉眼で識別し得る複写画像が得られ
るおそれがあった。
このような着色用紙に替えて、近時、一面を金属蒸着
により、鏡面化した複写防止用紙が開発されている。電
子写真複写機では、原稿に光を投射し、その原稿の非画
像領域(白色部)から乱反射される光の一部により感光
体の電荷を除去して、感光体上に静電潜像を形成する。
原稿面が鏡面化されていれば、投射された光の全てがそ
の鏡面化された部分で、特定の方向にのみ正反射し、光
学系の方向に正反射されない場合は感光体上には反射光
が到達しない。その結果、感光体上には像様な静電潜像
が形成されず、前述の場合と同様に、感光体全面にトナ
ーが付着し、用紙はそのトナーにて真黒な状態となっ
て、その原稿の複写画像が得られない。
(考案が解決しようとする問題点) 一面が鏡面化された用紙では、その鏡面化面上に重要
書類の画像が形成される。鏡面化面上に直に情報を書き
込んだり、電子写真複写機やプリンタ等の画像形成装置
により画像を形成した場合、画像を肉眼で視認しようと
すると、周囲の多数の光が鏡面化面にて反射されるた
め、非常に見づらいという欠点がある。
また、金属蒸着面に直接電子写真複写機によるトナー
像や感熱転写型プリンタによる像を形成すると、蒸着層
表面が非常に平滑であるため、形成されたトナー像等が
剥離しやすく、また油性インキやその他の画像形成装置
による像も形成されにくい。
さらに、画像形成手段として電子写真複写機を用いた
場合、鏡面化のために金属蒸着層を設けた用紙の蒸着面
が感光体に対向し、非蒸着面が転写装置に対向するよう
に搬送される。これは、蒸着面を転写装置に対向するよ
うに搬送すると、コロナ放電による電荷が金属蒸着層か
ら転写装置等のハウジングを通じて消失されてしまい、
転写できなくなることがあるからである。しかしなが
ら、蒸着面を感光体に対向させて搬送させると、金属蒸
着層によって感光体表面を傷つけるおそれがある。
(考案の目的) 本考案は上記従来の問題点を解消すべくなされたもの
であり、その目的は、鏡面化面上に形成された画像が目
視しやすい複写防止用紙を提供することにある。本考案
の他の目的は、情報を手で書き込んだり、電子写真複写
機やプリンタ等の画像形成装置で形成する際に、画像が
形成しやすく、かつ定着性の優れた画像が得られる複写
防止用紙を提供することにある。本考案のさらに他の目
的は、電子写真複写機の感光体を傷つけることのない複
写防止用紙を提供することにある。本考案のさらに他の
目的は、電子写真複写機の転写紙として用いた際、トナ
ー像形成時に熱定着によって絶縁樹脂層の溶融されず、
また樹脂が基材上に塗布しやすい複写防止用紙を提供す
ることにある。
(問題点を解決するための手段) 上記目的を達成するために本考案によれば、フィルム
状またはシート状の絶縁性基材と、該基材の一面に鏡面
化すべく積層された金属蒸着層と、該金属蒸着層を被覆
すべく積層された樹脂層とを具備し、該金属蒸着層は0.
03乃至2.00μmの層厚を有し、該樹脂層は熱溶融特性に
おける120℃での流れ値が1×10-5乃至1×10-4であ
り、かつ1.2乃至3.5の誘電率を有する樹脂からなること
を特徴とする複写防止用紙が提案される。
(実施例) 以下に本考案を実施例について詳細に説明する。
本考案の複写防止用紙は、第1図に示すように、フィ
ルム状またはシート状の絶縁性基材10と、該基材10の一
方の面を鏡面化するべく積層された金属蒸着層20と、さ
らに金属蒸着層20を被覆すべく積層された樹脂層30を有
する。基材10は平面視矩形状をしており、例えばポリエ
ステルフィルム、ポリプロピレンフィルム等の透明フィ
ルムや通常の複写に用いられる普通紙が使用される。
鏡面化のための金属蒸着に用いられる金属は、アルミ
ニウム、銅、銀、亜鉛、マンガン、ニッケル、スズ、ク
ロム、鉛等をはじめ、これらの金属の化合物等、通常の
真空蒸着に用いられるものが使用されるが、蒸着の簡易
性、鏡面性、経済性を考慮すれば、アルミニウムが最も
好ましい。金属蒸着は、通常1×10-5乃至1×10-7Torr
程度の真空下で、200乃至1500℃程度の温度にて行われ
る。蒸着層の厚さは、0.03乃至2.00μm程度である。
基材10上にはさらに、金属蒸着層20を被覆する絶縁樹
脂層30が設けられている。この樹脂層30を設けることに
より、周囲の多数の光が鏡面にて反射されるのを軽減す
るため、複写防止用紙上に形成された画像が見づらくな
るという欠点が改善される。また、直接金属蒸着層20に
トナー等による画像を形成するよりも、樹脂層30に形成
した方が形成しやすく、画像の定着性も良好となる。さ
らに、画像形成装置として電子写真複写機を使用した場
合、金属蒸着層20と電子写真複写機の感光体とが接触し
て感光体が傷付くのを防止し、また金属蒸着層20が樹脂
層30によって転写装置等のハウジングとの絶縁を保つた
め、コロナ放電による電荷が消失されない。
樹脂層の流れ値の決定 物質の粘度は、特定の温度におけるその物質の流れ値
〔ml/sec〕で表される。流れ値が高いほど物質は溶融し
やすく、逆に流れ値が低いほど溶融しやすい。
(測定方法) 流れ値の測定は、島津フローテスタCFT-500により以
下の方法により行う。
各樹脂を44μm以下に粉砕し、1.5g秤量する。これ
を、専用加圧機にて100/cm2の圧力下にてペレットを作
成する。このペレットを本体シリンダ内に挿入し、温度
を120℃にたもちながら定温試験を行う。
尚、流れ値は次の式にて計算される。
Xmax;計測終了点(cm) Xmin;計測開始点(cm) t ;計測時間(sec) A ;シリンダ断面積(cm2) (i) 本考案の用紙に形成される樹脂層30は、用紙を
電子写真複写機の転写紙として使用した場合に、熱定着
ローラによって溶融しない物質が選択されなければなら
ない。トナーの定着温度(溶融温度)において樹脂層30
が溶融すれば、トナーの定着が良好に行えず、また溶融
した樹脂が定着ローラに付着し、定着機能に支障をきた
すおそれがある。さらに、樹脂層30が溶融すれば、その
表面が凹凸となり平滑性が損なわれるため、透光性が悪
くなる。これにより金属蒸着層20の鏡面性が劣化し、再
複写物の画像が判読可能となる。本考案者等は鋭意検討
の結果、熱溶融特性における120℃での流れ値を1×10
-4以下とすれば、トナー像定着時に熱ローラによって溶
融されず、表面の劣化も起こらないことを見出した。こ
のため、本考案の転写紙の絶縁性樹脂層には流れ値が1
×10-4以下の樹脂が使用される。
(ii) また、本考案の転写紙に形成される樹脂層30
は、基材10上に金属蒸着層20を介して塗布される程度の
粘性を有していなければならない。この樹脂層30はスプ
レー、ローラ等により基材10に塗布されるが、流れ値が
少なすぎると適度な粘性が得られず、樹脂層30を良好に
転写することができない。仮に塗布したとしても表面が
凹凸であり、金属蒸着層20の鏡面性を維持できず、複写
物の画像が判読可能となるおそれがある。本考案者等は
熱溶融特性における120℃での流れ値が1×10-5以上で
ある樹脂を使用すれば、基材10に良好に塗布され、表面
も金属蒸着層20の鏡面性を維持する程度に平滑になるこ
とを見出した。このため、本考案の転写紙の絶縁性樹脂
層には流れ値が1×10-5以上の樹脂が使用される。
(i),(ii)より、本考案の用紙に形成される樹脂層
は、熱溶融特性における120℃での流れ値が1×10-5
至1×10-4である樹脂が使用される。
また、本考案の用紙に形成される樹脂層30はトナー等
が十分に定着される程度の層厚を有していなければなら
ない。樹脂層30が薄すぎるとトナーの定着性が良好でな
く剥離しやすい。また、金属蒸着層20と転写装置等のハ
ウジングとの絶縁も不十分となり、電荷が消失されて転
写が行えないことがある。さらに樹脂層30が薄すぎる
と、周囲の多数の光が鏡面にて反射されるのを防止でき
ず、見づらいという欠点も改善されない。樹脂層30の層
厚を1μm以上とするとトナー像の定義が良好に行え、
また金属蒸着層20の絶縁も十分となり、さらに用紙上に
形成されたトナー画像も見やすくなるため、樹脂層30の
層厚は1μm以上に設定される。
また、本考案の用紙に形成される樹脂層30は、画像形
成手段として電子写真複写機を用いた場合、トナー像が
十分に転写される程度の厚みでなければならない。樹脂
層30が厚すぎると、転写装置のコロナ放電によって感光
体上のトナー像を用紙に引く力が弱くなり、良好な転写
が行えなくなる。また、層厚が厚すぎると金属蒸着によ
る鏡面性が弱くなり、複写物上に形成した画像が判読さ
れるおそれがある。樹脂層30の層厚を20μm以下とすれ
ばトナー像の転写が良好に行うことができ、さらに金属
蒸着による鏡面性も複写物上の画像が判読されない程度
の鏡面性を維持でき、これにより、樹脂層30の層厚は20
μm以下に設定される。
以上より樹脂層30の層厚は1乃至20μmに設定され
る。
この複写防止用紙の樹脂層30に用いられる材料として
は、絶縁性であり、屈折率が1.7以下である樹脂がよ
い。樹脂の屈折率が1に近いほど、透光性が増し、金属
蒸着層20の鏡面性が保たれことになるが、樹脂層30の厚
みを上述の範囲とした場合、屈折率が1.7を越えると、
樹脂の透光性が悪くなり鏡面性が損なわれるため複写物
上の画像が判読可能となる。このため本考案の用紙で
は、屈折率が1.7以下の樹脂で金属蒸着層20を被覆する
のが好ましい。
また、この樹脂層30に用いられる樹脂は、1.2乃至3.5
の誘電率を有するものがよい。用紙の誘電率はトナー像
の転写性に影響する。誘電率が低すぎると、転写装置と
感光体表面間の電場が弱くなり、トナーの転写が良好に
行われない。逆に誘電率が高すぎると、転写装置と感光
体表面間の電場が強くなり無用な放電が発生し、感光体
のピンホールやトナー画像の白抜け等の現像が発生す
る。本考案の用紙においては、樹脂層30の厚みを上述の
範囲とした場合、誘電率が1.2乃至3.5である樹脂で被覆
すると、用紙全体の抵抗が通常の普通紙やOHPシートと
同様に保たれ、トナー像が良好に転写される。
本考案のこのような特性を有する樹脂としてはスチレ
ンアクリル、ポリエステル、ポリアミド、ポリビニルカ
ルバゾール、フッ素系樹脂などが挙げられる。
尚、本考案の複写防止用紙に機密文書を作成する手段
として電子写真複写機を使用する場合、分離手段として
交流コロナ放電によるものは、採用されにくい、交流コ
ロナ放電による分離装置を有する電子写真複写機によ
り、アルミニウム等の導電性金属が一面に蒸着された用
紙上にトナー像を形成しようとすれば、転写の際、分離
装置の交流コロナ放電により生じた電荷が、用紙の導電
性である金属蒸着層を伝わり、この電荷が転写装置であ
るるコロナ帯電器により金属蒸着面に生じる電荷を消失
させてしまうからである。それ故、分離手段として、爪
により感光体から剥離する爪分離や、転写紙の端部をベ
ルトで挟持して剥離するベルト分離などの分離手段が採
用されている電子写真複写機が使用される。
このようにして、金属蒸着層20上に、所定原稿の複写
画像が形成された本考案の用紙を、原稿として使用し、
電子写真複写機によりその画像の複数画像を形成する場
合には、該用紙に投射される光が、非画像領域の鏡面性
を有する金属蒸着層20にて特定方向にのみ正反射され、
その反射光は感光体には到達せず、該感光体には像様静
電潜像が形成されない。その結果、電子写真複写機内を
通過した普通紙である転写紙には複写画像が形成され
ず、該転写紙は、トナーが全面に付着した真黒な状態と
なり、元の原稿の情報を判読することは不可能となる。
(考案の効果) 本願考案に係る複写防止用紙は、 フィルム状またはシート状の絶縁性基材と、該基材
の一面に鏡面化すべく積層された金属蒸着層と、該金属
蒸着層を被覆すべく積層された樹脂層とを具備している
こと 金属蒸着層の層厚が0.03乃至2.00μmであること 樹脂層は熱溶融特性における120℃での流れ値が1
×10-5乃至1×10-4である樹脂からなること 樹脂層は誘電率が1.2乃至3.5の樹脂からなること、 という特有の構成からなるため、本考案に係る複写防止
用紙上に形成された画像は電子写真複写機等で複写され
ないのはもちろんのこと、画像形成装置としてコロナ放
電による転写機構を有する電子写真複写機を用いる場合
であっても電荷が金属蒸着層を通じて消失することがな
く良好に感光体上のトナーが本考案に係る用紙上に転写
される。また、本考案に係る用紙は、これまでの複写防
止用紙に比べ用紙上の画像を肉眼で視認しやすい。さら
に、樹脂層を基材上に形成しやすく金属蒸着層の鏡面性
を損なわず、また定着時に樹脂層が熱ローラによって溶
融しないのでトナーの定着性がよいという効果が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の複防止用紙の構成を示す図である。 10……基材,20……金属蒸着層,30……樹脂層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−77101(JP,A) 特開 昭60−32058(JP,A) 特開 昭61−23187(JP,A) 特開 昭62−18586(JP,A) 特開 昭62−176874(JP,A) 実開 昭60−23850(JP,U)

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】フィルム状またはシート状の絶縁性基材
    と、該基材の一面に鏡面化すべく積層された金属蒸着層
    と、該金属蒸着層を被覆すべく積層された樹脂層とを具
    備し、 該金属蒸着層は0.03乃至2.00μmの層厚を有し、 該樹脂層は熱溶融特性における120℃での流れ値が1×1
    0−5乃至1×10−4であり、かつ1.2乃至3.5の誘電率
    を有する樹脂からなることを特徴とする複写防止用紙。
  2. 【請求項2】前記金属蒸着層がアルミニウム蒸着により
    積層される実用新案登録請求の範囲第1項記載の複写防
    止用紙。
JP1988073009U 1988-05-31 1988-05-31 複写防止用紙 Expired - Lifetime JP2516468Y2 (ja)

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JPS6023850U (ja) * 1983-07-25 1985-02-18 キソ化成産業株式会社 遮光フイルム
JPS6032058A (ja) * 1983-08-03 1985-02-19 Sanyo Kokusaku Pulp Co Ltd 電子写真用金属含有転写シ−ト
JPH0762780B2 (ja) * 1986-01-30 1995-07-05 尾池工業株式会社 再複写防止電子写真用受容シ−ト

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