JP2514897B2 - 高吸水性打込型枠 - Google Patents
高吸水性打込型枠Info
- Publication number
- JP2514897B2 JP2514897B2 JP5140139A JP14013993A JP2514897B2 JP 2514897 B2 JP2514897 B2 JP 2514897B2 JP 5140139 A JP5140139 A JP 5140139A JP 14013993 A JP14013993 A JP 14013993A JP 2514897 B2 JP2514897 B2 JP 2514897B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- concrete
- formwork
- mold
- water
- highly water
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Forms Removed On Construction Sites Or Auxiliary Members Thereof (AREA)
- Panels For Use In Building Construction (AREA)
- Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)
- Building Environments (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、各種コンクリート工
事におけるコンクリート打込時に使用される打込型枠に
関するものである。
事におけるコンクリート打込時に使用される打込型枠に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般的に鉄筋コンクリート躯体工事にお
いてコンクリートを打ち込む場合には、予め型枠部材を
組立てるなどしてコンクリート打込空間を形成し、その
後当該打込空間内に所定のコンクリートを打ち込んでい
る。
いてコンクリートを打ち込む場合には、予め型枠部材を
組立てるなどしてコンクリート打込空間を形成し、その
後当該打込空間内に所定のコンクリートを打ち込んでい
る。
【0003】かかる用途に使用されている従来の型枠に
は、ラワンや米松などを使用したベニヤ型枠、鉄や
アルミ等の材質で構成される金属板型枠、FRP、F
RV、ポリカーボネートなどの材質で構成されたプラス
チック型枠、透水性のある布張型枠があった。
は、ラワンや米松などを使用したベニヤ型枠、鉄や
アルミ等の材質で構成される金属板型枠、FRP、F
RV、ポリカーボネートなどの材質で構成されたプラス
チック型枠、透水性のある布張型枠があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の型枠を使用した場合、次のような問題があった。の
ベニヤ型枠では、吸水性は多少あるものの、コンクリー
トの質改良効果は殆どない。またそのまま仕上材とする
打込型枠にも適さない。しかもとりわけ問題なのは、施
工の都度木材を大量に消費するため、木材資源の枯渇に
直接つながってしまうことである。地球規模の環境保護
が取り沙汰されている今日、このような木材の大量消費
を伴うことは好ましくない。の金属板型枠によれば、
排水性に難があり、そのまま仕上材とする打込型枠にも
適さない。またコンクリートの質を改良する効果も得ら
れない。のプラスチック型枠についても、やはり排水
性に難があり、一部の例外を除きそのまま仕上材とする
打込型枠には適さない。またコンクリートの質を改良す
る効果も得られない。の布張型枠については、当然の
ことながらそれ単独で使用することはできず、上記のベ
ニヤ型枠、金属板型枠、プラスチック型枠を併用する必
要があり、シートの敷設や併用する型枠の開孔に伴って
作業量が増大してしまう。また一定の転用を繰り返した
後は、透水性が低下してしまい、トータル的にみれば排
水性についても満足できるものではなかった。また表面
の仕上がり感にも難があった。
の型枠を使用した場合、次のような問題があった。の
ベニヤ型枠では、吸水性は多少あるものの、コンクリー
トの質改良効果は殆どない。またそのまま仕上材とする
打込型枠にも適さない。しかもとりわけ問題なのは、施
工の都度木材を大量に消費するため、木材資源の枯渇に
直接つながってしまうことである。地球規模の環境保護
が取り沙汰されている今日、このような木材の大量消費
を伴うことは好ましくない。の金属板型枠によれば、
排水性に難があり、そのまま仕上材とする打込型枠にも
適さない。またコンクリートの質を改良する効果も得ら
れない。のプラスチック型枠についても、やはり排水
性に難があり、一部の例外を除きそのまま仕上材とする
打込型枠には適さない。またコンクリートの質を改良す
る効果も得られない。の布張型枠については、当然の
ことながらそれ単独で使用することはできず、上記のベ
ニヤ型枠、金属板型枠、プラスチック型枠を併用する必
要があり、シートの敷設や併用する型枠の開孔に伴って
作業量が増大してしまう。また一定の転用を繰り返した
後は、透水性が低下してしまい、トータル的にみれば排
水性についても満足できるものではなかった。また表面
の仕上がり感にも難があった。
【0005】本発明は叙上の従来型枠にみられる各問題
点に鑑みてなされたものであり、吸水効果に伴う排水性
が良好で、かつ打込型枠としてそのまま使用できる新し
い型枠を提供して、上記問題を解決することを目的とす
る。
点に鑑みてなされたものであり、吸水効果に伴う排水性
が良好で、かつ打込型枠としてそのまま使用できる新し
い型枠を提供して、上記問題を解決することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明では鉱物繊維を外径約1〜10mmの毛玉状粒
に成形した岩綿を40〜70重量部と、ポルトランドセ
メントを35〜55重量部と、ドロマイトプラスターを
15〜30重量部とを混合させた組成物を加水硬化させ
て、型枠に成形したことを特徴とする、高吸水性打込型
枠を提供する。また上記高吸水性打込型枠の内部に、例
えばカーボンファイバ、グラスファイバ、スチールファ
イバなどの型枠補強材を設けてもよい。またさらに、プ
ラスターボードを始めとして、適宜の透過性を有する
布、合成繊維若しくは紙などで構成される補強体を、型
枠の外側面に設けてもよい。
め、本発明では鉱物繊維を外径約1〜10mmの毛玉状粒
に成形した岩綿を40〜70重量部と、ポルトランドセ
メントを35〜55重量部と、ドロマイトプラスターを
15〜30重量部とを混合させた組成物を加水硬化させ
て、型枠に成形したことを特徴とする、高吸水性打込型
枠を提供する。また上記高吸水性打込型枠の内部に、例
えばカーボンファイバ、グラスファイバ、スチールファ
イバなどの型枠補強材を設けてもよい。またさらに、プ
ラスターボードを始めとして、適宜の透過性を有する
布、合成繊維若しくは紙などで構成される補強体を、型
枠の外側面に設けてもよい。
【0007】
【作用】鉱物繊維を毛玉状粒に成形した岩綿は、細い連
続した隙間を有しており、この隙間が毛細管現象を呈
し、これによって吸取紙のような吸水性、保水性、放水
性が保有される。しかもポルトランドセメント、ドロマ
イトプラスターと混合した場合、岩綿は外径が約1〜1
0mmの毛玉状粒に成形されているから、これらの材料と
混合しやすい性状であり、またそのようにして出来上が
る組成物中には、上記吸水性等を有する岩綿が分散し、
かつ適当に接合している。
続した隙間を有しており、この隙間が毛細管現象を呈
し、これによって吸取紙のような吸水性、保水性、放水
性が保有される。しかもポルトランドセメント、ドロマ
イトプラスターと混合した場合、岩綿は外径が約1〜1
0mmの毛玉状粒に成形されているから、これらの材料と
混合しやすい性状であり、またそのようにして出来上が
る組成物中には、上記吸水性等を有する岩綿が分散し、
かつ適当に接合している。
【0008】従って、そのようにして出来上がった組成
物を加水硬化させて成形された型枠は、例えばコンクリ
ート打込用型枠として使用した場合、コンクリート中の
水分が上記岩綿の隙間に入り込み吸収される。それゆえ
高い吸水性を具有し、コンクリートの質を改善できる。
即ち打ち込まれたコンクリートはその水分が少ない程強
度は高く、乾燥収縮量が減り、またコンクリートの劣化
は遅くなるが、本発明による型枠によれば、上記の作用
によって高い吸水性が得られているから、コンクリート
の質を大きく改善でき、しかも強度の発現性も早いので
ある。
物を加水硬化させて成形された型枠は、例えばコンクリ
ート打込用型枠として使用した場合、コンクリート中の
水分が上記岩綿の隙間に入り込み吸収される。それゆえ
高い吸水性を具有し、コンクリートの質を改善できる。
即ち打ち込まれたコンクリートはその水分が少ない程強
度は高く、乾燥収縮量が減り、またコンクリートの劣化
は遅くなるが、本発明による型枠によれば、上記の作用
によって高い吸水性が得られているから、コンクリート
の質を大きく改善でき、しかも強度の発現性も早いので
ある。
【0009】また型枠自体は上記岩綿による吸水性、保
水性、放水性を具有しているので、打ち込まれたコンク
リート躯体が乾燥した後、脱型せずにそのまま残して仕
上げ材とした場合、調湿機能を有する仕上げ材となる。
しかも材質は全て無機質であるから、耐腐食性、耐火性
を有し、さらに断熱性、吸音性にすぐれた仕上げ材とな
っている。しかも保水効果があるので、コンクリートの
硬化途上の水分補給能力にもすぐれている。
水性、放水性を具有しているので、打ち込まれたコンク
リート躯体が乾燥した後、脱型せずにそのまま残して仕
上げ材とした場合、調湿機能を有する仕上げ材となる。
しかも材質は全て無機質であるから、耐腐食性、耐火性
を有し、さらに断熱性、吸音性にすぐれた仕上げ材とな
っている。しかも保水効果があるので、コンクリートの
硬化途上の水分補給能力にもすぐれている。
【0010】なお岩綿の外径は、上記範囲よりも大きい
と、空隙が大きすぎて水分の吸放出機能が低下し、逆に
上記範囲よりも小さいと、吸水機能、保水機能そのもの
が不十分となる。従って、仕上げ材としての上記調湿機
能を鑑みれば、岩綿の外径は約1〜10mm程度が望まし
いが、その中でもとりわけ外径が3〜5mm程度のものが
バランスがよく、実用に適している。
と、空隙が大きすぎて水分の吸放出機能が低下し、逆に
上記範囲よりも小さいと、吸水機能、保水機能そのもの
が不十分となる。従って、仕上げ材としての上記調湿機
能を鑑みれば、岩綿の外径は約1〜10mm程度が望まし
いが、その中でもとりわけ外径が3〜5mm程度のものが
バランスがよく、実用に適している。
【0011】そして加水硬化時に、例えばカーボンファ
イバ、グラスファイバ、スチールファイバなどの型枠補
強材を内部に混入させて、型枠の内部にこれら型枠補強
材を設けた場合には、厚さ等を適宜調節して、使用する
場所に応じた強度を有する型枠を構成することができ
る。かかる場合、カーボンファイバ、グラスファイバや
スチールファイバで型枠補強材を構成すれば、型枠全体
を軽量化でき、しかも耐久性の高い型枠とすることがで
きる。なお型枠補強材の構成、形態としては、任意のも
のを選択することができ、繊維状の他例えば金網形状の
ものとしてもよい。特にカーボンファイバやグラスファ
イバを用いた場合には、切断加工などの加工性にすぐれ
ている。
イバ、グラスファイバ、スチールファイバなどの型枠補
強材を内部に混入させて、型枠の内部にこれら型枠補強
材を設けた場合には、厚さ等を適宜調節して、使用する
場所に応じた強度を有する型枠を構成することができ
る。かかる場合、カーボンファイバ、グラスファイバや
スチールファイバで型枠補強材を構成すれば、型枠全体
を軽量化でき、しかも耐久性の高い型枠とすることがで
きる。なお型枠補強材の構成、形態としては、任意のも
のを選択することができ、繊維状の他例えば金網形状の
ものとしてもよい。特にカーボンファイバやグラスファ
イバを用いた場合には、切断加工などの加工性にすぐれ
ている。
【0012】またさらに、適宜の透過性を有する布、合
成繊維若しくは紙などで構成される補強体を、型枠の外
側面に設ければ、吸水性、加工性を損ねることなく型枠
の強度をさらに向上させることができる。かかる場合補
強体を外側面に設けるには、例えばピンポイントで接着
剤による張り付けに拠ってもよい。
成繊維若しくは紙などで構成される補強体を、型枠の外
側面に設ければ、吸水性、加工性を損ねることなく型枠
の強度をさらに向上させることができる。かかる場合補
強体を外側面に設けるには、例えばピンポイントで接着
剤による張り付けに拠ってもよい。
【0013】
【実施例】以下、この発明の実施例を図に基づき説明す
れば、本実施例における組成物の構成比(重量比)は下
記の如くである。 岩綿 44.75% ホルトランドセメント 41.50% ドロマイトプラスター 13.50% さらに施工性、保水性を高めるためメチルセルロース、
例えば商品名「メトローズ」を0.25%(重量比)加
えた。そして以上の構成からなる組成物に接着補強材と
して商品名「バンドーボンド(スチレン・ブタジエン・
ラテックス)」を加え、さらに水を加えて硬化させて、
後述の実験1、2、3の各供試体とした。なお上記「バ
ンドーボンド」と水の配合比は、前者が上記組成物に対
して12%、水が組成物+「バンドーボンド」に対して
75%(いずれも重量比)である。
れば、本実施例における組成物の構成比(重量比)は下
記の如くである。 岩綿 44.75% ホルトランドセメント 41.50% ドロマイトプラスター 13.50% さらに施工性、保水性を高めるためメチルセルロース、
例えば商品名「メトローズ」を0.25%(重量比)加
えた。そして以上の構成からなる組成物に接着補強材と
して商品名「バンドーボンド(スチレン・ブタジエン・
ラテックス)」を加え、さらに水を加えて硬化させて、
後述の実験1、2、3の各供試体とした。なお上記「バ
ンドーボンド」と水の配合比は、前者が上記組成物に対
して12%、水が組成物+「バンドーボンド」に対して
75%(いずれも重量比)である。
【0014】(実験1:硬化性、吸水量)図1に示した
ように、上記構成、製法による供試型枠1(450×4
50×30[mm])を一側面に、従来の透水性の少ない
合板型枠2(450×450×12[mm])を他側面に
使用し、これらを型枠とみたてて、壁状コンクリート3
(450×450×180[mm])を製作し、その効果
の実現性、有効性を確認することにした。
ように、上記構成、製法による供試型枠1(450×4
50×30[mm])を一側面に、従来の透水性の少ない
合板型枠2(450×450×12[mm])を他側面に
使用し、これらを型枠とみたてて、壁状コンクリート3
(450×450×180[mm])を製作し、その効果
の実現性、有効性を確認することにした。
【0015】壁状コンクリート3を構築するために打ち
込んだコンクリートは、スランプが18cm、空気量4%
を目標とする、Fc=240kgf/cm2の普通AEコンク
リートを用いた。またこの普通AEコンクリートの調合
比は、図2の表に示した通りである。そして打込2時間
で脱型して、各々の側面の硬化程度を目視にて確認し
た。また供試型枠1の吸水量も測定した。
込んだコンクリートは、スランプが18cm、空気量4%
を目標とする、Fc=240kgf/cm2の普通AEコンク
リートを用いた。またこの普通AEコンクリートの調合
比は、図2の表に示した通りである。そして打込2時間
で脱型して、各々の側面の硬化程度を目視にて確認し
た。また供試型枠1の吸水量も測定した。
【0016】(実験1の結果) ・打込2時間後に脱型した際、合板型枠2付近のコンク
リートは依然として液状であるのに対し、供試型枠1付
近のコンクリートはほぼ自立できる程、硬化が進んでい
た。 ・打込2時間経過後の吸水量は、1410gであった。
コンクリート打込時にはおいては、壁状コンクリート3
(0.03645m3)には6230gの水量が存在し
ていたので、結局この水量が4820gに減少したこと
になる。これを壁状コンクリート3全体の水セメント比
の変化として考えると、概算では55%から43%に低
下したことになり、製作されたコンクリートの壁状コン
クリート3は、高品位になったことが推定できる。 ・なお、コンクリート打込みに伴う、供試型枠1のたわ
みや、供試型枠1外部へのセメント成分の漏出はみられ
なかった。
リートは依然として液状であるのに対し、供試型枠1付
近のコンクリートはほぼ自立できる程、硬化が進んでい
た。 ・打込2時間経過後の吸水量は、1410gであった。
コンクリート打込時にはおいては、壁状コンクリート3
(0.03645m3)には6230gの水量が存在し
ていたので、結局この水量が4820gに減少したこと
になる。これを壁状コンクリート3全体の水セメント比
の変化として考えると、概算では55%から43%に低
下したことになり、製作されたコンクリートの壁状コン
クリート3は、高品位になったことが推定できる。 ・なお、コンクリート打込みに伴う、供試型枠1のたわ
みや、供試型枠1外部へのセメント成分の漏出はみられ
なかった。
【0017】(実験2:コンクリートの表面強度)図3
に示したように、既述の構成、製法による供試型枠1
1、12(450×450×30[mm])を両側面にし
て形成される壁状コンクリート13(450×450×
180[mm])と、図4に示したように、従来の合板型
枠14、15(450×450×12[mm])を両側面
にして形成される壁状コンクリート16(450×45
0×180[mm])との、コンクリート表面の強度を、
材令2日、材令7日、材令14日の場合について、夫々
シュミツトハンマーによって測定する。なお壁状コンク
リート13、16の躯体形成のために打ち込まれたコン
クリートは、夫々実験1で使用したコンクリートと同一
のものを使用した。
に示したように、既述の構成、製法による供試型枠1
1、12(450×450×30[mm])を両側面にし
て形成される壁状コンクリート13(450×450×
180[mm])と、図4に示したように、従来の合板型
枠14、15(450×450×12[mm])を両側面
にして形成される壁状コンクリート16(450×45
0×180[mm])との、コンクリート表面の強度を、
材令2日、材令7日、材令14日の場合について、夫々
シュミツトハンマーによって測定する。なお壁状コンク
リート13、16の躯体形成のために打ち込まれたコン
クリートは、夫々実験1で使用したコンクリートと同一
のものを使用した。
【0018】(実験2の結果)実験の結果は、夫々図5
の表に示した通りである。この表からわかるように、実
施例にかかる供試型枠11、12によって構築された壁
状コンクリート13の方が、従来の合板型枠14、15
によって構築された壁状コンクリート16よりも、強度
が向上していることが確認できる。また特に初期材令に
おいて、その傾向が顕著であった。
の表に示した通りである。この表からわかるように、実
施例にかかる供試型枠11、12によって構築された壁
状コンクリート13の方が、従来の合板型枠14、15
によって構築された壁状コンクリート16よりも、強度
が向上していることが確認できる。また特に初期材令に
おいて、その傾向が顕著であった。
【0019】(実験3:打込まれたコンクリートの脱水
量、圧縮強度、吸水率、細孔量の測定)図6に示したよ
うに、円筒形の鋼製型枠21の底面に、実験1で使用し
た供試型枠1と同一材料構成に係る円板状の供試体22
を配置し、この鋼製型枠21内に、図7の表に示した調
合比のコンクリートを打ち込んで、円柱試験体23(1
00φ×150[mm])を構築し、そのときのコンクリ
ートの脱水量、圧縮強度、吸水率、細孔量を夫々測定し
た。また供試体22は、吸水能力が異なった2種類のも
のについても考察するため、厚さが10mmと20mmの2
種類のものを用意した。各項目の具体的な測定方法は次
の通りである。
量、圧縮強度、吸水率、細孔量の測定)図6に示したよ
うに、円筒形の鋼製型枠21の底面に、実験1で使用し
た供試型枠1と同一材料構成に係る円板状の供試体22
を配置し、この鋼製型枠21内に、図7の表に示した調
合比のコンクリートを打ち込んで、円柱試験体23(1
00φ×150[mm])を構築し、そのときのコンクリ
ートの脱水量、圧縮強度、吸水率、細孔量を夫々測定し
た。また供試体22は、吸水能力が異なった2種類のも
のについても考察するため、厚さが10mmと20mmの2
種類のものを用意した。各項目の具体的な測定方法は次
の通りである。
【0020】(1)脱水量 コンクリート打込前と、打込2時間後の供試体22の
質量変化を調べる。 コンクリート打込2時間後に110゜Cで7日間乾燥
させた円柱試験体23と、供試体22を使用せずに構築
させた標準試料(100φ×150[mm])との質量差
を調べる。 また上記、の測定値の平均を仮推定値とする。
質量変化を調べる。 コンクリート打込2時間後に110゜Cで7日間乾燥
させた円柱試験体23と、供試体22を使用せずに構築
させた標準試料(100φ×150[mm])との質量差
を調べる。 また上記、の測定値の平均を仮推定値とする。
【0021】(2)圧縮強度 材令7日と材令28日において、円柱試験体23(10
0φ×150[mm])の圧縮強度(F)を測定し、次式
で補正し、供試体22に代えて従来の合板型枠によって
構築した同一サイズの試験体と比較した。 F’=0.96×F
0φ×150[mm])の圧縮強度(F)を測定し、次式
で補正し、供試体22に代えて従来の合板型枠によって
構築した同一サイズの試験体と比較した。 F’=0.96×F
【0022】(3)吸水率 図8に示したように、材令28日後に円柱試験体23を
A、B、C、D、E、Fの各位置で輪切りし、水中に浸
せきして、その吸水率を求めた。
A、B、C、D、E、Fの各位置で輪切りし、水中に浸
せきして、その吸水率を求めた。
【0023】(4)細孔量 厚さ20mmの供試体22によって構築した円柱試験体2
3を、図9に示したようにA、B、C、D、E、Fの各
位置で輪切りし、各位置でのモルタル部分中の細孔量
(r=75〜75,000A)を、水銀圧入法により測
定した。
3を、図9に示したようにA、B、C、D、E、Fの各
位置で輪切りし、各位置でのモルタル部分中の細孔量
(r=75〜75,000A)を、水銀圧入法により測
定した。
【0024】(実験3の結果) (1)脱水量 図10の表に示したような結果が得られ、厚さ10mmの
供試体22では約39g、厚さ20mmの供試体22では
約51gの脱水量が測定された。従来の吸水シートを使
用した脱水型枠では、同一条件で約9〜15gであった
から、著しい脱水量の増加が確認できる。
供試体22では約39g、厚さ20mmの供試体22では
約51gの脱水量が測定された。従来の吸水シートを使
用した脱水型枠では、同一条件で約9〜15gであった
から、著しい脱水量の増加が確認できる。
【0025】(2)圧縮強度 図11のグラフに示した結果が得られ、従来の合板型枠
によって構築した試験体よりも25〜30%程度も強度
が増加していることが確認できた。
によって構築した試験体よりも25〜30%程度も強度
が増加していることが確認できた。
【0026】(3)吸水率 図12のグラフに示した結果が得られた。これによれば
高吸水型枠による脱水量の増加にともなって、吸水率が
低下していることがわかるが、供試体22側(底部)と
反対側の位置においても、吸水率が低下しており、吸水
の影響が吸水面付近だけではなく、広範囲に及んでいる
ことが推測される。
高吸水型枠による脱水量の増加にともなって、吸水率が
低下していることがわかるが、供試体22側(底部)と
反対側の位置においても、吸水率が低下しており、吸水
の影響が吸水面付近だけではなく、広範囲に及んでいる
ことが推測される。
【0027】(4)細孔量 図13のグラフに示した結果が得られた。上記吸水率の
結果と同様、脱水作用に伴い、セメントベース中の細孔
量の減少がみられ、また従来の合板型枠によって構築し
た試験体よりも全ての位置に渡って細孔量が大幅に少な
いことも確認できた。
結果と同様、脱水作用に伴い、セメントベース中の細孔
量の減少がみられ、また従来の合板型枠によって構築し
た試験体よりも全ての位置に渡って細孔量が大幅に少な
いことも確認できた。
【0028】以上の各実験からもわかるように、実施例
で使用した供試体を型枠としてみた場合、高い吸水性が
得られ、その結果、完成した躯体は強度が向上して、構
造的にも細孔量の少ない密なコンクリート躯体となって
いる。また必要材令期間も短縮され、躯体強度も大幅に
向上している。
で使用した供試体を型枠としてみた場合、高い吸水性が
得られ、その結果、完成した躯体は強度が向上して、構
造的にも細孔量の少ない密なコンクリート躯体となって
いる。また必要材令期間も短縮され、躯体強度も大幅に
向上している。
【0029】なお、実際にコンクリート打込型枠として
使用する場合は、厚さ又は内部に混入する型枠補強材に
よって、コンクリート側圧に耐え得るように強度を増し
て本発明にかかる型枠のみを使用してもよく、また従来
型枠の内側に本発明にかかる型枠を張り付けて、吸水性
のみを本発明にかかる型枠に負担させるように使用して
もよい。後者の場合には、強度を考慮せず高い吸水性を
任意に追求できる。
使用する場合は、厚さ又は内部に混入する型枠補強材に
よって、コンクリート側圧に耐え得るように強度を増し
て本発明にかかる型枠のみを使用してもよく、また従来
型枠の内側に本発明にかかる型枠を張り付けて、吸水性
のみを本発明にかかる型枠に負担させるように使用して
もよい。後者の場合には、強度を考慮せず高い吸水性を
任意に追求できる。
【0030】また型枠の外側面にプラスターボードやそ
の他の透過性を有する補強体を設ければ、吸水性や加工
性を損ねることなく、枠補強材とは別個に型枠の強度の
向上が図れるものである。
の他の透過性を有する補強体を設ければ、吸水性や加工
性を損ねることなく、枠補強材とは別個に型枠の強度の
向上が図れるものである。
【0031】
【発明の効果】一般に水分の多い流動性の高いコンクリ
ートを使用すると、型枠への充填性が良好であるがコン
クリートの各種性状は低下する。この点本発明によれ
ば、極めて高い吸水性を有しているので、打ち込まれた
コンクリート中の水分を吸収して、これを外部へと放出
させることから、コンクリートの質を大きく改善でき、
しかも強度の発現性も早く、また完成した躯体自体の強
度も向上し、そのときの乾燥収縮量も少ないものであ
る。もちろん施工の際には、木材を必要としない。
ートを使用すると、型枠への充填性が良好であるがコン
クリートの各種性状は低下する。この点本発明によれ
ば、極めて高い吸水性を有しているので、打ち込まれた
コンクリート中の水分を吸収して、これを外部へと放出
させることから、コンクリートの質を大きく改善でき、
しかも強度の発現性も早く、また完成した躯体自体の強
度も向上し、そのときの乾燥収縮量も少ないものであ
る。もちろん施工の際には、木材を必要としない。
【0032】また型枠自体は吸水性、保水性、放水性を
具有しているので、打ち込まれたコンクリート躯体が乾
燥した後、脱型せずに型枠自体をそのまま残して仕上げ
材とした場合、調湿機能を有する仕上げ材となる。しか
も当該仕上材は、耐腐食性、耐火性を有し、さらに断熱
性、防音性にすぐれた仕上げ材となっている。
具有しているので、打ち込まれたコンクリート躯体が乾
燥した後、脱型せずに型枠自体をそのまま残して仕上げ
材とした場合、調湿機能を有する仕上げ材となる。しか
も当該仕上材は、耐腐食性、耐火性を有し、さらに断熱
性、防音性にすぐれた仕上げ材となっている。
【0033】型枠補強材を内部に混入すれば、使用する
場所に応じた強度を有する型枠を構成することができ
る。かかる場合、カーボンファイバ、グラスファイバ、
スチールファイバで型枠補強材を構成すれば、型枠全体
を軽量化でき、しかも耐久性の高い型枠とすることがで
きる。
場所に応じた強度を有する型枠を構成することができ
る。かかる場合、カーボンファイバ、グラスファイバ、
スチールファイバで型枠補強材を構成すれば、型枠全体
を軽量化でき、しかも耐久性の高い型枠とすることがで
きる。
【0034】また型枠の外側面にプラスターボードやそ
の他の透過性を有する補強体を設ければ、吸水性や加工
性などを損ねることなく、枠補強材とは別個に型枠の強
度の向上が図れ、実用性が向上する。
の他の透過性を有する補強体を設ければ、吸水性や加工
性などを損ねることなく、枠補強材とは別個に型枠の強
度の向上が図れ、実用性が向上する。
【図1】実験1の試験体を示す説明図である。
【図2】実験1で使用したコンクリートの調合比を示す
表である。
表である。
【図3】実験2の試験体を示す説明図である。
【図4】実験2の試験体と比較するための合板型枠によ
る壁状コンクリートの説明図である。
る壁状コンクリートの説明図である。
【図5】実験2の結果を示す表である。
【図6】実験3の試験体を示す説明図である。
【図7】実験3で使用したコンクリートの調合比を示す
表である。
表である。
【図8】実験3における吸水率の測定試料の採取位置を
示す説明図である。
示す説明図である。
【図9】実験3における細孔量の測定試料の採取位置を
示す説明図である。
示す説明図である。
【図10】実験3における脱水量の測定結果を示す表で
ある。
ある。
【図11】実験3における圧縮強度試験の結果を示すグ
ラフである。
ラフである。
【図12】実験3における吸水率試験の結果を示すグラ
フである。
フである。
【図13】実験3における細孔量試験の結果を示すグラ
フである。
フである。
1 供試型枠 2 合板型枠 3 壁状コンクリート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 E04C 2/04 E04G 9/10 101B E04G 9/10 101 E04C 2/46 G (72)発明者 石神 忍 千葉県船橋市前原西2−11−5 松田第 3ビル502号室 (72)発明者 池永 博威 東京都練馬区桜台2−54−2 (72)発明者 長内 軍士 千葉県船橋市前原東6−34−12
Claims (7)
- 【請求項1】 鉱物繊維を外径約1〜10mmの毛玉状粒
に成形した岩綿を40〜70重量部と、ポルトランドセ
メントを35〜55重量部と、ドロマイトプラスターを
15〜30重量部とを混合させた組成物を加水硬化させ
て、型枠に成形したことを特徴とする、高吸水性打込型
枠。 - 【請求項2】 型枠補強材を内部に混入したことを特徴
とする、請求項1の高吸水性打込型枠。 - 【請求項3】 型枠補強材はカーボンファイバによって
構成されたものであることを特徴とする、請求項2の高
吸水性打込型枠。 - 【請求項4】 型枠補強材はグラスファイバによって構
成されたものであることを特徴とする、請求項2の高吸
水性打込型枠。 - 【請求項5】 型枠補強材はスチールファイバによって
構成されたものであることを特徴とする、請求項2の高
吸水性打込型枠。 - 【請求項6】 透過性を有する補強体を型枠の外側面に
設けたことを特徴とする、請求項1、2、3、4又は5
の高吸水性打込型枠。 - 【請求項7】 補強体はプラスターボードであることを
特徴とする、請求項6の高吸水性打込型枠。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5140139A JP2514897B2 (ja) | 1993-05-19 | 1993-05-19 | 高吸水性打込型枠 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5140139A JP2514897B2 (ja) | 1993-05-19 | 1993-05-19 | 高吸水性打込型枠 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06330626A JPH06330626A (ja) | 1994-11-29 |
JP2514897B2 true JP2514897B2 (ja) | 1996-07-10 |
Family
ID=15261790
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5140139A Expired - Fee Related JP2514897B2 (ja) | 1993-05-19 | 1993-05-19 | 高吸水性打込型枠 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2514897B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106836567A (zh) * | 2017-01-24 | 2017-06-13 | 北京振利节能环保科技股份有限公司 | 一种带肋岩棉现浇混凝土保温墙体及其施工方法 |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE19653287C2 (de) * | 1996-12-07 | 2001-02-08 | Hiendl Heribert | Schalungs-Hilfsmaterial |
-
1993
- 1993-05-19 JP JP5140139A patent/JP2514897B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106836567A (zh) * | 2017-01-24 | 2017-06-13 | 北京振利节能环保科技股份有限公司 | 一种带肋岩棉现浇混凝土保温墙体及其施工方法 |
CN106836567B (zh) * | 2017-01-24 | 2019-09-13 | 北京振利节能环保科技股份有限公司 | 一种带肋岩棉现浇混凝土保温墙体及其施工方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06330626A (ja) | 1994-11-29 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Silva et al. | Influence of natural hydraulic lime content on the properties of aerial lime-based mortars | |
Kang et al. | Importance of drying to control internal curing effects on field casting ultra-high performance concrete | |
Pavía et al. | Flexural bond strength of natural hydraulic lime mortar and clay brick | |
Nolan et al. | Effects of three durability enhancing products on some physical properties of near surface concrete | |
US9249053B2 (en) | Composite wall panel with low thermal conductivity and sufficient strength for structural use | |
Gonen et al. | The influence of mineral admixtures on the short and long-term performance of concrete | |
Forster et al. | Deterioration of natural hydraulic lime mortars, I: Effects of chemically accelerated leaching on physical and mechanical properties of uncarbonated materials | |
Singh et al. | Reviewing the carbonation resistance of concrete | |
US20180354849A1 (en) | High-performance concrete comprising aerogel pellets | |
Pavía et al. | A comparative study of the durability and behaviour of fat lime and feebly-hydraulic lime mortars | |
Herki | Absorption characteristics of lightweight concrete containing densified polystyrene | |
Pavia et al. | Portland cement-lime mortars for conservation | |
Aragon et al. | Physical and mechanical characterization of a commercial rendering mortar using destructive and non-destructive techniques | |
Dehkordi et al. | Application of pre-fabricated geopolymer permanent formworks (PGPFs): a novel approach to provide durability and mechanical strength of reinforced concrete | |
JP2514897B2 (ja) | 高吸水性打込型枠 | |
Sideris et al. | Durability of concretes prepared with crystalline admixtures | |
CN112521084A (zh) | 一种高界面粘结性能的再生混凝土及其制备方法 | |
Derogar | Effect of zeolite on dewatering, mechanical properties and durability of cement mortar | |
JPH0781994A (ja) | モルタル組成物およびモルタル施工法ならびに遮音壁の施工法 | |
Rahman | Investigation of concrete properties with brick chips as internal curing medium | |
Khan et al. | An Experimental Study on Floating Concrete Using Light Weight Materials | |
Zhou | Development of bond strength in hydraulic lime mortared brickwork | |
Hooton et al. | Evaluation of modifications to the ASTM C672 deicer salt scaling test for concrete containing slag cement | |
Soares et al. | The Influence of Traditional Substrates on the Behaviour of Lime Mortars | |
JP2002193650A (ja) | 建設泥土を用いた調湿材料 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 19960123 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110430 Year of fee payment: 15 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |