JP2513687Y2 - 取手付きの箱 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は、例えばジュースやコーラ等のPETボトル
詰めの飲料あるいは壜詰め飲料の複数個詰め輸送箱に関
し、特に内部に取手を兼ねる仕切体を設けた輸送箱に関
するものである。

［従来の技術］ 従来、例えば壜詰め商品等を輸送、保管する場合に
は、前記商品を収納した仕切り入りの小箱を複数個まと
めてこれをダンボールなどの外箱に詰め、輸送あるいは
保管の単位包装体としていた。また販売店の店頭などに
おいては、前記商品を収納した箱を複数個積重ねて陳列
することが行なわれていた。このため輸送、保管時の積
載効率のため、あるいは店頭で安定良く積み重ねるため
に角型のダンボール箱が通常使用されている。

また、小売店等で前記商品を販売する際には、客から
キャリーバッグを要求されることがあり、そのため店側
ではキャリーバッグを別個に用意してそのバッグに商品
を収納した小箱を詰めて販売していた。しかし収納する
商品が壜詰め飲料の如き重量のあるものではバッグ自体
を丈夫な材料で構成しなければならず高価になる。そし
て小箱とキャリーバッグの二重包装にもなるので、包装
材料および包装作業に無駄が多い。

［考案の目的］ 本考案は上記従来型の問題点を解決して、キャリーバ
ッグを不要とするものである。すなわち、商品を収納す
る小箱を天面を開口する角筒容器とし、その天面に連接
した蓋フラップに取手を一体に組込んで、輸送保管時に
は天面がフラットな積載効率のよい構造とし、販売の際
には蓋フラップの組替えにより前記取手を天面上部に突
出させてキャリーとして取扱うことができるようにした
ものである。また前記の取手部分はこれを４重構造と
し、また蓋は二重構造として強度を高くすると共に、取
手自体に仕切り機能を兼備させ、これにより収納した壜
詰め品などを効果的に緩衝保護すると同時に収納する商
品が壜詰め飲料の如き重量のあるものでもその重量によ
り取手部分が破損したり蓋が開いたりすることがないよ
うに工夫したものである。

［問題点を解決するための手段］ 上記の目的を達成するため、本考案は、角筒状なす箱
体の対向する一対の側壁の上辺に、該側壁間のほぼ中間
部で当接すると共に、それぞれの中央部に縦方向の差込
孔を有した蓋フラップを連設し、これらの各蓋フラップ
の延長上に前記側壁間の中央部内方に垂直に折り曲げら
れる取手兼仕切板を連設し、且つ該仕切板において、蓋
フラップ寄りに、前記側壁上辺と平行な折目線を形成す
ると共に、この折目線を対称軸とする対称位置に手孔を
設ける一方、箱体の対向する他方の側壁の上辺に、該側
壁間のほぼ中間部で当接すると共に、それぞれの中央部
に設けた縦方向の切目を介して分離可能に形成する左右
一対の重合フラップを連設し、これら一対の重合フラッ
プの間に、前記手孔の根元部に係合するロック爪が形成
され、これらの各重合フラップの延長上には前記差込孔
に差し込んで、前記側壁間の中央部内方に垂直に折り曲
げられる一対の係止フラップを連設したことを特徴とす
る取手付きの箱を提案するものである。

以下本考案の構成を図面を参照して説明する。

［実施例］ 第１図および第２図は、内部に４本の壜詰め商品を収
納した本考案の一実施例を示す斜視図であって、第１図
は商品を店まで輸送したり店頭で保管する場合の斜視
図、第２図は取手を天面上部に突出させてキャリーとし
て取扱う場合の斜視図である。また第３図は第１図の箱
の展開図である。

第３図において、符号１〜４は一方向に連接した矩形
状をした４枚の側壁、５は前記側壁１の一端部に付設し
た接合片である。組立時にはこの４側壁を接合片を介し
て連繋して角筒状の箱体が形成される。

前記箱体の対向する一対の側壁２、４の上辺に、該側
壁間のほぼ中間部で当接すると共に、それぞれの中央部
に縦方向の差込孔を有した蓋フラップ６、７を連設す
る。そして、これらの各蓋フラップ６、７の延長上に前
記側壁間の中央部内方に垂直に折り曲げられる取手兼仕
切板10、11を連設し、且つ該仕切板において、蓋フラッ
プ寄りに、前記側壁上辺と平行な折目線12、13を形成す
ると共に、この折目線を対称軸とする対称位置に手孔1
4、14、15、15を設ける。

一方、箱体の対向する他方の側壁１、３の上辺に、該
側壁間のほぼ中間部で当接すると共に、それぞれの中央
部に設けた縦方向の切目16、17を介して分離可能に形成
する左右一対の重合フラップ18、18、19、19を連設す
る。そして、これらの各重合フラップ18、19の延長上に
は前記差込孔８、９に差し込んで、前記側壁間の中央部
内方に垂直に折り曲げられる一対の係止フラップ20、2
0、21、21を連設する。

なお第４図は重合フラップ18、19の切目16、17部分の
拡大部分図であり、連続していない切込み線により切目
16、17を構成し、組立て時に前記手孔14、14および15、
15の根元に係合しうるロック爪16a、17aを形成させるこ
とを可とする。

ところで図中符号22〜25で示すものは、前記箱体の対
応する各側壁下辺に付設したワンタッチロック底であ
る。

上記のように構成した本考案の箱は、常法通り、接合
片を介して４側壁を角筒状に連繋した後、前記ロック底
22〜25を組み立てて底面を閉塞する。必要に応じて底内
面には底パットを敷設する。

一方、箱内部に第１図のように、ジュースやコーラ等
のPETボトル詰めの飲料あるいは壜詰め飲料を複数個詰
めする。しかる後、蓋フラップ６、７の上辺に連接した
取手兼仕切板10、11を箱の中央部で合掌するように重ね
合わせ、収納物の間に挿入するように内側に折り曲げ
る。このようにして箱の天面を相対向する蓋フラップ
６、７により閉塞する。そしてこの蓋フラップ６、７の
上に、他方の一対の側壁１、３の上辺に連接した一対の
重合フラップ18、18、19、19を折り重ね、中央部の差込
孔８、９に係止フラップ20、20、21、21を差込んで固定
すると、第１図のように箱の内部に仕切板10、11と係止
フラップ20、21が井桁に組み込まれると共に天面が平ら
な荷姿の輸送箱が得られる。この状態で前述の通り、外
箱に詰めて、輸送あるいは保管の単位包装体とする。

また販売店の店頭などにおいては、前記商品を収納し
た箱を複数個積重ねて陳列に供せられるのである。

ところで、小売店等で前記商品を販売するに当たり、
前記取手を天面上部に突出させてキャリーとして取扱う
場合には、第5A図〜第5C図のように蓋フラップの組替え
により、折目線12、13を介して手孔14、14と15、15が夫
々重なり合うように、各取手兼仕切板10、11を二重に折
り曲げて中央部で合掌するように組み立てる。こうして
取手部分を４重構造としたうえで、中央部に縦方向の切
目16、17を有して、この切目を介して分離できる一対の
重合フラップ18、18、19、19をその切目から切り離し、
それぞれ蓋フラップ上に折り重ねる。そして手孔14、14
および15、15の根元にロック爪16a、17aを係合させる
と、第5C図及び第２図のように。商品を販売する際には
取手が天面上部に突出するキャリーが得られるのであ
る。

［考案の効果］ 上記の通り、本考案は商品を収納する小箱を天面を開
口する角筒容器とし、その天面に連接した蓋フラップに
取手を一体に組込んで、輸送保管時には天面がフラット
な積載効率のよい構造とし、販売の際には蓋フラップの
組替えにより前記取手を天面上部に突出させてキャリー
として取扱うことができるものである。

特に本考案によると、キャリーとして使用する際、取
手部分はこれを４重構造とし、また蓋は二重構造として
強度を高くすると共に、取手自体に仕切り機能を兼備さ
せ、これにより収納した壜詰め品などを効果的に緩衝保
護すると同時に箱内に収納する商品が壜詰め飲料の如き
重量のあるものでもその重量により取手部分が破損した
り蓋が開いたりすることがない。また本考案によると、
取手ならびに仕切体は箱本体に対して一体のワンピース
構造にできるので包装材料および包装作業の無駄を少な
くでき、安価な製品を提供することができる利点があ
る。

【図面の簡単な説明】

図面は、内部に４本の壜詰め商品を収納した本考案の一
実施例を示す斜視図であって、第１図は商品を店まで輸
送したり、店頭で保管する場合の斜視図、第２図は取手
を天面上部に突出させてキャリーとして取扱う場合の斜
視図、第３図は本考案箱の展開図、第４図は重合フラッ
プの切目部分の拡大部分図、第5A図〜第5C図は取手を天
面上部に突出させてキャリーとして取扱う場合の組立説
明図である。 １〜4:側壁、5:接合片、６、7:蓋フラップ、８、9:差込
孔、10、11:取手兼仕切板、12、13:折曲線、14、15:手
孔、16、17:切目、18、19:重合フラップ、20、21:係止
フラップ、22〜25:ワンタッチロック底

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】角筒状なす箱体の対向する一対の側壁
   （２）（４）の上辺に、該側壁（２）（４）間のほぼ中
   間部で当接すると共に、それぞれの中央部に縦方向の差
   込孔（８）（９）を有した蓋フラップ（６）（７）を連
   設し、これらの各蓋フラップの延長上に前記側壁間の中
   央部内方に垂直に折り曲げられる取手兼仕切板（10）
   （11）を連設し、且つ該仕切板において、蓋フラップ
   （５）（６）寄りに、前記側壁上辺と平行な折目線（1
   2）（13）を形成すると共に、この折目線を対称軸とす
   る対称位置に手孔（14）（15）を設ける一方、箱体の対
   向する他方の側壁（１）（３）の上辺に、該側壁（１）
   （３）間のほぼ中間部で当接すると共に、それぞれの中
   央部に設けた縦方向の切目（16）（17）を介して分離可
   能に形成する左右一対の重合フラップ（18）（18）、
   （19）（19）を連設し、これら一対の重合フラップ（1
   8）（18）、（19）（19）の間に、前記手孔の根元部に
   係合するロック爪（16a）（16a）、（17a）（17a）が形
   成され、これらの各重合フラップの延長上には前記差込
   孔（８）（９）に差し込んで、前記側壁間の中央部内方
   に垂直に折り曲げられる一対の係止フラップ（20）（2
   0）（21）（21）を連設したことを特徴とする取手付き
   の箱。