JP2512514B2 - 硬貨放出機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔概 要〕 複数種類の硬貨を該種類毎に設けられたホッパに保持
して必要に応じて放出するホッパ形の硬貨放出機に関
し、 目的の種類を硬貨を保持するホッパ以外のホッパに硬
貨を誤投入することを防止することを目的とし、 複数種類の硬貨を該種類毎に設けられたホッパに保持
して必要に応じて放出するホッパ形の硬貨放出機におい
て、該ホッパはそれぞれ、外部から硬貨を補充するため
の、他からの制御により開閉する補充口と、各ホッパに
おいて保持する硬貨が所定の量未満になったことを検出
する残少検出部と、該補充口が全て閉じていることを検
出する全閉検出部と、前記所定の量未満となったホッパ
が複数存在するとき所定の優先順位に基づいて１つのホ
ッパを決定する優先順位決定部と、前記補充口が全て閉
じているときのみ前記優先順位決定部にて決定されたホ
ッパの補充口を開口するように制御する開口制御部とを
有してなるように構成する。

〔産業上の利用分野〕

本発明は硬貨放出機に関し、特に、複数種類の硬貨を
該種類毎に設けられたホッパに保持して必要に応じて放
出するホッパ形の硬貨放出機に関する。

自動販売機や両替機等において複数種類の硬貨を各種
類毎に設けられたホッパに保持して必要に応じて放出す
るホッパ形の硬貨放出機が用いられている。このような
硬貨放出機においては、各ホッパに対応する種類の硬貨
を補充する際に誤って他のホッパに硬貨を投入してしま
うことがある。そのため、硬貨補充の際の誤投入を防止
する技術が要望されていた。

〔従来の技術、および発明が解決しようとする課題〕

第５図は硬貨放出機において各種類の硬貨を保持し放
出する部分の概略構成を示すものである。第５図におい
て、61,62,63,および64はそれぞれ500円硬貨、100円硬
貨、50円硬貨、および10円硬貨を保持し、他からの制御
に応じて放出するホッパ、そして、71,72,73および74は
それぞれ該ホッパの各々に対応する硬貨を補充する補充
口である。

このような複数の硬貨を扱うホッパ形の硬貨放出機に
おいては、オペレータが硬貨を補充する際に誤って他の
種類のホッパに硬貨を投入することがある。このような
場合、ホッパには硬貨識別機能が無いため、誤投入され
た硬貨がそのまま放出されてしまうという問題があっ
た。

本発明は上記の問題点に鑑み、なされたもので、目的
の種類の硬貨を保持するホッパ以外のホッパに硬貨を誤
投入することを防止する硬貨放出機を提供することを目
的とするものである。

〔課題を解決するための手段〕

第１図は本発明の原理構成図である。本発明による硬
貨放出機は、前述の第５図に示したような取り扱う硬貨
の種類毎に設けられ、それぞれ所定の種類の硬貨を保持
して必要に応じて放出するホッパ61,62,63,64を有し、
該ホッパ61,62,63,64がそれぞれ、外部から硬貨を補充
するための、他からの制御により開閉する補充口71,72,
73,74を有してなる構成に加えて、第１図に示されるよ
うな、残少検出部１、全閉検出部２、優先順位決定部
３、および開口制御部４を有してなる。

残少検出部１は、各ホッパにおいて保持する硬貨が所
定の量未満になったことを検出するもの、全閉検出部２
は、上記補充口71,72,73,74が全て閉じていることを検
出するもの、優先順位決定部３は、上記所定の量未満と
なったホッパが複数存在するとき所定の優先順位に基づ
いて１つのホッパを決定するもの、そして、開口制御部
４は、前記補充口71,72,73,74が全て閉じているときの
み前記優先順位決定部３にて決定されたホッパの補充口
を開口するように制御するものである。

〔作 用〕

何れかのホッパにおいて保持する硬貨が所定の量未満
になると、残少検出部１は硬貨の補充を必要とするホッ
パとして、これを検出するが、優先順位決定部３はこの
ような補充を必要とするホッパが複数あるときには、所
定の優先順位に基づいてこれらのうち１つを選択する。
他方の、全閉検出部２は補充口の全てが閉じていること
を検出し、これにより、開口制御部４においては、全て
の補充口が閉じているときのみ前記優先順位決定部３に
て決定された１つのホッパの補充口を開くように制御す
る。したがって、補充を必要とするホッパのうち常に１
つのホッパの補充口のみが開き、同時に複数のホッパの
補充口が開くことはないので、目的のホッパに硬貨を補
充する際に誤って他のホッパに誤投入することはなくな
る。

〔実施例〕

第２図は本発明の実施例の構成を示すものであって、
前述の第１図の構成および第５図の構成に対応するもの
である。第２図において、10₁,10₂,10₃,10₄はそれぞれ
各ホッパ（例えば、第５図の61,62,63,および64）毎に
設けられた発光部と該発光部からの光を受光する受光部
との対、そして、11は硬貨残少検出回路であって、これ
らは、第１図の残少検出部１を実現する構成である。上
記発光部および受光部の対10₁,10₂,10₃,10₄はそれぞ
れ、例えば、フォト・トランジスタおよびフォト・ダイ
オードからなり、各ホッパにおいて、前述の所定の量に
対応するレベルに光路が位置するように設けられるもの
で、ホッパ内の硬貨が減少すると、該ホッパに設けられ
ていた受光部は対を形成する発光部からの光を受光す
る。この受光部の出力は硬貨減少検出回路11にて論理回
路のレベルの電気信号に変換される。すなわち、硬貨減
少検出回路11は各ホッパに対応する出力を有し、保持す
る硬貨が所定の量未満になったホッパに対応する出力を
有効にするものである。

第２図において、20₁,20₂,20₃,20₄はそれぞれ各ホッ
パの補充口の開閉に応じて開閉するマイクロスイッチ、
21は補充口開閉検出回路、22₁,22₂,22₃,22₄はインバー
タ、そして、23はAND回路である。これらの構成は第１
図の全閉検出部２を実現するものである。補充口開閉検
出回路21はマイクロスイッチ20₁,20₂,20₃,20₄各々の開
閉に応じた論理回路レベルの電気信号を出力するもの
で、やはり各ホッパに対応する出力を有し、補充口が閉
じているホッパに対応する出力を有効にするものであ
る。該補充口開閉検出回路21の各ホッパに対応する出力
は、それぞれ、インバータ22₁,22₂,22₃,22₄を介してAND
回路23に印加される。こうして、AND回路23の出力は、
全てのホッパの補充口が閉じているときにのみ有効にな
る。

第２図のプライオリティ決定回路30は第１図の優先順
位決定部３に対応するもので、具体的な構成例を第３図
に示す。第３図において、R1、R2、R3、R4は第２図にも
示されるように、前記硬貨減少検出回路11の各ホッパに
対応する出力、そして、P1、P2、P3、P4は第２図にも示
されるとおり、上記プライオリティ決定回路30の出力で
ある。第３図の構成においては、優先順位はR1、R2、R
3、R4の順に定められており、有効な入力信号Ri（ｉ＝
１〜４）のうち、該優先順位が最も上位のものに対応す
る１つの出力信号Pi（ｉ＝１〜４）のみが有効となる。

第２図のNAND回路40₁,40₂,40₃,40₄の各々において２
つの入力端子の一方には前記NAND回路23の出力が印加さ
れ、該各々のNAND回路23の他方の入力端子には、それぞ
れ、前記プライオリティ決定回路30の前記各ホッパに対
応する出力が印加される。

第２図の41₁,41₂,41₃,41₄は単安定マルチ・バイブレ
ータ回路で、それぞれには、前記NAND回路40₁,40₂,40₃,
40₄の出力が印加され、該NAND回路40₁,40₂,40₃,40₄それ
ぞれの出力の立ち下がりに応じて立ち上がる一定の幅の
パルスを出力するものである。

第２図において、50は補充口ロック解除回路、そし
て、51₁,51₂,51₃,51₄はそれぞれ補充口ロック解除用ソ
レノイドである。前述の第５図に示された補充口71,72,
73,および74は通常、それぞれ、磁力によってロックさ
れており、上記補充口ロック解除用ソレノイド51₁,51₂,
51₃,51₄を駆動することにより、それぞれ対応する補充
口のロックが解除され、該補充口は開となる。補充口ロ
ック解除回路50もまた各ホッパに対応する入力と出力と
を有し、該入力端子の各々には前記単安定マルチ・バイ
ブレータ回路41₁,41₂,41₃,41₄の出力が印加され、該補
充ロック解除回路50の出力はそれぞれ上記補充口ロック
解除用ソレノイド51₁,51₂,51₃,51₄に印加される。該補
充口ロック解除回路50の各入力が有効である間、対応す
る出力は接続する補充口ロック解除用ソレノイドに駆動
電流を供給し、これにより、対応する補充口のロックは
解除され、硬貨の投入が可能となる。

第４図は、入力の構成のタイミングを示すものであ
る。第４図において、R1、R2、R3、R4は、前述のよう
に、第２図の硬貨残少検出回路11の出力、P1、P2、P3、
P4も第２図のプライオリティ決定回路30の出力である。
そして、A1、A2、A3、A4は第２図の補充口開閉検出回路
21の出力、Ａは第２図のAND回路23の出力、さらに、Q
1、Q2、Q3、Q4はそれぞれ第２図の単安定マルチ・バイ
ブレータ回路41₁,41₂,41₃,41₄の出力である。

第４図において、時刻t₁にて第５図のホッパ61内の硬
貨が前記所定のの量未満になると、硬貨残少検出回路11
の出力のうち、R1が立ち上がる。プライオリティ決定回
路30においては入力信号R1の優先順位が最も高いので、
直ちに入力信号R1に対応する出力P1か立ち上がる。この
ときホッパの補充口は全て閉じているので、NAND回路40
₁の出力は有効となって、これに応じて単安定マルチ・
バイブレータ回路41₁は所定の幅のパルスを出力する。
これにより、補充口ロック解除回路50より補充口ロック
解除用ソレノイド51₁に駆動電流が供給され、第５図の
ホッパ61の補充口71のロックが解除され、該補充口71が
開となる。これにより、補充口開閉検出回路21の出力信
号A1が無効（“H"レベル）となり、AND回路23の出力も
無効（“L"レベル）となる。

次に時刻t₂において、第５図のホッパ62内の硬貨が前
記所定の量未満になり、硬貨残少検出回路11の出力のう
ち、R2も立ち上がる。しかし、このときプライオリティ
決定回路30においては、より優先順位が高い入力信号R1
が有効であるので、入力信号R2に対応する出力P2は立ち
上がらない。

時刻t₃において、前記ホッパ61への硬貨の補充が進ん
で該ホッパ61内の硬貨のレベルが前記所定の量に対応す
るレベルに達すると硬貨残少検出回路11の出力R1は立ち
下がり、これに応じてプライオリティ決定回路30の出力
P1は立ち下がり、P2は立ち上がる。しかし、このとき
は、未だ、上記ホッパ61への硬貨が補充が終了していな
いため、ホッパ61の補充口71は開いており、補充口開閉
検出回路21の出力A1が依然無効であることによりAND回
路23の出力も無効であってNAND回路40₂の出力は有効に
はならない。

時刻t₄にて上記ホッパ61への硬貨の補充が終了して該
ホッパ61の補充口71を閉じると、補充口開閉検出回路21
の出力A1が立ち下がり、これにより、AND回路23の出力
Ａは有効となり、プライオリティ決定回路30の出力P2お
よび上記の信号Ａが印加されるNAND回路40₂の出力は有
効になり、これに応じて単安定マルチ・バイブレータ回
路41₂より所定の幅のパルスが出力される。これによ
り、補充口ロック解除回路50より補充口ロック解除用ソ
レノイド51₂に駆動電流が供給され、第５図のホッパ62
の補充口72とロックが解除され、該補充口72が開とな
る。これにより、補充口開閉検出回路21の出力信号A2が
無効（“H"レベル）となり、AND回路23の出力も無効
（“L"レベル）となる。

そして、時刻t₅にて前記ホッパ62への硬貨の補充が進
んで該ホッパ62内の硬貨のレベルが前記所定の量に対応
するレベルに達すると硬貨残少検出回路11の出力R2は立
ち下がり、これに応じてプライオリティ決定回路30の出
力P2も立ち下がる。そして、時刻t₆にて上記ホッパ62へ
の硬貨の補充が終了して該ホッパ62の補充口72を閉じる
と、補充口開閉検出回路21の出力A2が立ち下がり、これ
により、AND回路23の出力Ａも有効に戻る。

以上述べたように、第２図の構成によれば、硬貨の残
量が少なくなったホッパの補充口は所定のの優先順位に
したがって１つずつ順に開となるので目的の種類の硬貨
を保持するホッパ以外のホッパに硬貨を誤投入すること
を防止することができる。

〔発明の効果〕

本発明の硬貨放出機によれば、目的の種類の硬貨を保
持するホッパ以外のホッパに硬貨を誤投入することを防
止することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の原理構成図、 第２図は本発明の実施例の構成図、 第３図はプライオリティ決定回路の構成例を示す図、 第４図は第２図の構成のタイミング図、そして第５図は
硬貨放出機の概略構成図である。 〔符号の説明〕 １……残少検出部、２……全閉検出部、３……優先順位
決定部、４……開口制御部、10₁,10₂,10₃,10₄……発光
部および受光部の対、11……硬貨残少検出回路、20₁,20
₂,20₃,20₄……マイクロスイッチ、21……補充口開閉検
出回路、22₁,22₂,22₃,22₄……インバータ、23……AND回
路、30……プライオリティ決定回路、40₁,40₂,40₃,40₄
……NAND回路、41₁,41₂,41₃,41₄……単安定マルチ・バ
イブレータ回路、50……補充口ロック解除回路、51₁,51
₂,51₃,51₄……補充口ロック解除用ソレノイド、61,62,6
3,64……ホッパ、71,72,73,74……補充口。

Claims (4)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】複数種類の硬貨を該種類毎に設けられたホ
   ッパ（61,62,63,64）に保持して必要に応じて放出する
   ホッパ形の硬貨放出機において、 該ホッパ（61,62,63,64）はそれぞれ、外部から硬貨を
   補充するための、他からの制御により開閉する補充口
   （71,72,73,74）と、各ホッパ（61,62,63,64）において
   保持する硬貨が所定の量未満になったことを検出する残
   少検出部（１）と、該補充口（71,72,73,74）が全て閉
   じていることを検出する全閉検出部（２）と、前記所定
   の量未満となったホッパが複数存在するとき所定の優先
   順位に基づいて１つのホッパを決定する優先順位決定部
   （３）と、前記補充口（71,72,73,74）が全て閉じてい
   るときのみ前記優先順位決定部（３）にて決定されたホ
   ッパの補充口を開口するように制御する開口制御部
   （４）とを有してなることを特徴とする硬貨放出機。
2. 【請求項２】前記残少検出部（１）は、前記ホッパ（6
   1,62,63,64）の各々において前記所定の量に対応するレ
   ベルに設けられた発光部、該発光部の光を受光する受光
   部（10₁,10₂,10₃,10₄）、および各受光部の出力を所定
   の電気信号に変換する硬貨残少検出回路（11）とを有す
   る請求項１記載の硬貨放出機。
3. 【請求項３】前記全閉検出部（２）は、前記補充口（7
   1,72,73,74）の各々の開閉に応じて開閉するマイクロス
   イッチ（20₁,20₂,20₃,20₄）と各マイクロスイッチの開
   閉に応じた電気信号を出力する補充口開閉検出回路（2
   1）、および全ての補充口が閉じているとき出力を有効
   とするゲート回路（23）とを有する請求項１または２記
   載の硬貨放出機。
4. 【請求項４】前記補充口（71,72,73,74）は、前記開口
   制御部（４）の出力に応じて駆動されるソレノイド（20
   ₁,20₂,20₃,20₄）によって開口される請求項１〜３の何
   れかに記載の硬貨放出機。