JP2512211Y2

JP2512211Y2 - 気体分配ノズルを有する中空糸型モジュ―ル

Info

Publication number: JP2512211Y2
Application number: JP1990093182U
Authority: JP
Inventors: 高幸横山; 敏明菊地
Original assignee: 旭化成工業株式会社
Priority date: 1990-09-06
Filing date: 1990-09-06
Publication date: 1996-09-25
Anticipated expiration: 2005-09-06
Also published as: JPH0453434U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）本考案は、原子力発電所や火力発電所等で使われる、
長尺の中空糸型モジュールに関する。

（従来の技術）中空糸型モジュールは、単位容積当りの膜面積が多く
とれるために、大量の水処理に適しており、原子力発電
所や火力発電所の復水の濾過に使われるようになってき
た。特に、原子力発電所では放射能の被曝を出来るだけ
少なくするために、長尺のモジュールが使用されてお
り、特開昭60−206405にみられるような濾液配管を設け
て中空糸内の流動抵抗を少なくすることが行なわれてい
る。また、補捉された金属酸化物は、特開昭60−19002
にみられるように、モジュールの下部より気体を導入し
て、中空糸膜を振動させて、金属酸化物を剥離させる方
法が行なわれている。しかし、両端開口のモジュールで
は下端に濾液集水室があるために、下部よりの気体の導
入は非常にむずかしく、外筒のあるモジュールでは、実
開昭63−111901のように濾液集水管のまわりに、スカー
ト状凹部を設けて予め気体導入用の穴を設けた仕切板
を、糸束を固定する環状部材に埋め込んでスカート状凹
部と連通させる方法が記載されているが、この方法では
外筒の穴と仕切板の穴を接着剤で固定シールする場合、
穴を塞閉せずにシールするのがむずかしいだけでなく、
薄い仕切板に斜めの穴をあけるのが難しいという問題点
があった。一方、外筒のないモジュールの空気導入は一
層難しく、実開平２−20925には、斜めに延びる気泡収
集用の側管を濾過配管に固定したモジュールが記載され
ているが、導入した空気の利用効率が低いだけでなく、
予め気泡収集用の側管を取付けておいてから、糸束を挿
入してモジュールを組み立てる必要があり、モジュール
の組み立てが非常に難しいという問題点があった。

（考案が解決しようとする課題）本考案の目的は、空気の導入が簡単にでき、安定な濾
過を行うことのできる中空糸型モジュールを提供するこ
とにある。

（課題を解決するための手段）即ち、本考案の中空糸型モジュールは、多数の中空糸
膜をほぼ直線状に配列し、その両端を開口状態で環状部
材で固定し、かつ該環状部材の下端には濾液を収集する
濾液集水室が付設され、該濾液集水室の濾液を、上端の
開放端に合流させるための濾液配管が配設され、該濾液
集水室の下部に気体を受けるための凹部と、該濾液集水
室の外周に気体導入用の複数個の穴と、該気体導入用の
穴の先端部に、導入された気体を中空糸束の中央部に導
入する複数個のノズルを設けた中空糸型モジュールであ
って、下部の環状部材（４）の外周に下部固定部材
（６）がネジで嵌合されており、該下部固定部材（６）
には濾液集水室（７）と気体導入用凹部（８）があり、
濾液集水室（７）の外周には気体導入用凹部（８）に連
通した気体導入穴（９）があり、かつ下部固定部材
（６）の上部側壁には気体導入穴（９）と交差する横穴
（10）があり、横穴（10）には、空気導入穴（９）に位
置する部分に切欠きがあり下部固定部材の側壁側に位置
する部分が盲で反対側が開口したノズル（11）が埋め込
まれていることを特徴とする気体分配ノズルを有する中
空糸型モジュールである。

（作用）本考案の中空糸型モジュールでは、濾液集水室の下部
に配設した凹部に集めた気体が、該凹部から複数個の気
体導入用の穴及び複数個のノズルを通って直接中空糸束
中央部に導入されるので、スクラビングの効率が良好で
長期にわたって安定に濾過作業を継続できる。また、気
体導入用の穴及びこれに連通したノズルは、凹部から比
較的簡単な経路によって、直接モジュール内中央部に連
通しているので、構造も簡単でしかも気体の分配が均一
に行われる。

（実施例）以下、本考案の中空糸型モジュールを図面に基づいて
具体的に説明する。

第１図は、本考案の中空糸型モジュールの１態様例を
示す模式断面図である。

中空糸膜１と濾液配管２は両端が開口状態で環状部材
３、４に固定されている。上端の環状部材３にはモジュ
ールを懸垂して使用するための固定部材５が連結されて
いる。下部の環状部材４の外周には、下部固定部材６が
あり、該下部固定部材６には濾液集水室７と気体導入用
凹部８がある。濾液集水室７の外周には気体導入用凹部
８に連通した気体導入穴９があり、かつ下部固定部材６
の上部側壁には気体導入穴９と交差する横穴10がある。
横穴10には、空気導入穴９に位置する部分に切欠きがあ
り下部固定部材の側壁側に位置する部分が盲で反対側が
開口したノズル11が埋め込まれている（第２図）。空気
導入穴９と横穴10との間は、ノズル11を気体導入穴が合
うように挿入した後、接着剤等でシールすると下部固定
部材の側壁に気体がもれることもないし、ノズル11が脱
落する恐れもない。気体導入用の穴は２〜８ケ所位設け
ると気体を均一に中空糸束内に導入することができる。

下部固定部材６は下部環状部材４とネジで嵌合されて
おり、下部固定部材の横穴10はノズル11が挿入できるよ
うに、下部の環状部材４の上端より上側に位置してお
り、下部固定部材６をネジ込んだ後に、ノズル11を挿入
し、接着剤でシールするとよい。下部固定部材６の環状
部材４の上側に位置している部分を、第３図のように複
数個の切欠部12をもつた形状にすると、スクラビングに
よって振り落とされた金属酸化物の排出性がより良好と
なる。

（考案の効果）本考案の中空糸型モジュールによれば、スクラビング
用の気体を中空糸束の内部に均一に導入することができ
るので、金属酸化物等の汚れの剥離性がよく、長期間安
定に使用することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の１実施態様を示す模式断面図であり、
第２図は下部固定部材の空気導入部の拡大図、第３図は
上部に切欠きを持った下部固定部材の説明図である。１……中空糸膜２……濾液配管３……上部環状部材４……下部環状部材５……固定部材６……下部固定部材７……濾液集水室８……気体導入用凹部９……気体導入用穴 10……横穴 11……ノズル 12……切欠

Claims

(57)【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】多数の中空糸膜をほぼ直線状に配列し、そ
の両端を開口状態で環状部材で固定し、かつ該環状部材
の下端には濾液を収集する濾液集水室が付設され、該濾
液集水室の濾液を、上端の開放端に合流させるための濾
液配管が配設され、該濾液集水室の下部に気体を受ける
ための凹部と、該濾液集水室の外周に気体導入用の複数
個の穴と、該気体導入用の穴の先端部に、導入された気
体を中空糸束の中央部に導入する複数個のノズルを設け
た中空糸型モジュールであって、下部の環状部材（４）
の外周に下部固定部材（６）がネジで嵌合されており、
該下部固定部材（６）には濾液集水室（７）と気体導入
用凹部（８）があり、濾液集水室（７）の外周には気体
導入用凹部（８）に連通した気体導入穴（９）があり、
かつ下部固定部材（６）の上部側壁には気体導入穴
（９）と交差する横穴（10）があり、横穴（10）には、
空気導入穴（９）に位置する部分に切欠きがあり下部固
定部材の側壁側に位置する部分が盲で反対側が開口した
ノズル（11）が埋め込まれていることを特徴とする気体
分配ノズルを有する中空糸型モジュール。