JP2511156B2 - 液体容器を入れる壁取付具 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、米国特許第4,634,022号に開示された型式
の袋型液体容器用の取付具の改良に関する。

〔従来の技術〕

この型式の取付具は壁に取り付けるための起立板を有
したブラケットを具備し、ノズル穴を有した棚板が起立
板の下部から前方へ延出する。カバーは起立板および棚
板の前で開閉できるように形成されている。液体容器は
液体が内部に密封された可撓性袋を具備し、この可撓性
袋は、起立板の前に位置される主部と棚板の上に前方へ
折り曲げられた排出部とを有し、かつノズル穴を通して
下方に延出するノズルを有した排出弁を有する。カバー
は可撓性袋の前方に折り曲げられた排出部をおおう前方
延長部を有する。押ボタン用開口部はこのカバー前方延
長部内においてアクチュエータの上方に形成され、押ボ
タンは排出弁のアクチュエータに下向きの圧力を掛ける
ためにこの開口部の中に位置される。

〔発明が解決しようとする課題〕

本発明の目的は、前記型式の取付具の生産のために必
要な部品の製作および組立のコストを低減させること
と、必要な部品の数を低減させることと、要望があれ
ば、各部品がプラスチック射出成形による一体成形品と
して製作されることができるように部品を設計すること
とにある。

〔課題を解決するための手段および作用〕

簡潔に要約すれば、本発明の場合において、カバーの
前方延長部の中の押ボタン用開口部はこの開口部から下
方に延在する案内部を有し、この案内部の中で押ボタン
は排出弁の操作部の上で上下に移動しする。カバーは押
ボタンを上方に付勢する複数のばねを有する。これらの
部分のすべてはプラスチック射出成形による一体成形品
にすることができる。押ボタンは下部フックを有した複
数の垂下フィンガを有し、この下部フックは、案内部の
下端と係合して、前記ばねの付勢力に対して押ボタンを
保持する。これらの部分の各々を一体化してプラスチッ
ク射出成形による一体成形品として形成することができ
る。カバーもまた、プラスチック射出成形による一体成
形品にすることができる。ブラケットおよびカバーの縁
部は舌状片要素および嵌合溝要素として形成されるの
で、従ってカバーをブラケットに係合離脱可能に結合す
るためのいかなる他の要素も必要とせずに、カバーをブ
ラケットの上に滑り込ませたり滑りはずしたりすること
ができる。

この新しい取付具の特定の実施例は、添付図面を参照
しながら以下に開示される。

〔実施例〕

これらの図面はブラケットＡとカバーＢと押ボタンＣ
とを有する新しい取付具を示す。その外観は従来特許に
なっている取付具の外観にいくぶん似ているが、ただし
カバーＢはその取付具のくぼみ又は窓を有する。また、
押ボタンＣの前面はカバーＢによって囲まれる。

ブラケットＡは起立板１を備え、ノズル穴2aを有する
棚板２が起立板１の下部から前方へ延出する。

液体容器は分与排出されるための液体が入った可撓性
袋３を具備し、この可撓性袋３は、起立板１の前に起立
する起立主部3aと棚板２の上に前方水平方向へ折り曲げ
られた排出部3bとを有し、かつノズル穴2aを通して下方
に延出する排出弁ノズル４を有する。排出弁は下方への
圧力によって作動される起立操作部または弁アクチュエ
ータ５を有する。起立操作部５が下方へ押されるたび
に、可撓性袋３の中味の１回量が排出弁ノズル４を通し
て下方に排出される。通常、可撓性袋３は液体石鹸を密
封している。可撓性袋および排出弁は先行技術の方法で
作ることができる。

カバーＢは可撓性袋の起立主部3aをおおう起立部７
と、可撓性袋の前方に折り曲げられた排出部3bをおおう
前方延長部８とを有する。カバーＢのこの前方延長部８
は、弁アクチュエータ５の上方に開口部９を有する。

押ボタンＣおよび開口部９は矩形の断面をしている。
カバーＢは開口部９から垂れ下がる矩形の短管の形をし
た案内部10を有する。押ボタンＣは、この案内部10に摺
動可能に嵌合し、かつ案内部10の下端と係合する下部フ
ック12を有する複数の垂下フィンガ11を備える。垂下フ
ィンガ11は弾性的に外方に向けて付勢されており、下部
フック12は、押ボタンＣが案内部10の中へ下方に押し込
まれる時に垂下フィンガ11を内方に押し込む勾配面12a
を有する。押ボタンＣが案内部10の内部のしかるべき位
置に押し込まれた時、案内部10の下端において、垂下フ
ィンガ11は外方へ跳ね開き、案内部10の下端部の下に引
っ掛けられる。案内部10の下部には押ボタンＣを上方に
付勢する複数の板ばね13が備えられ、垂下フィンガ11の
引っ掛けられた下端部は、押ボタンＣの上面がカバーＢ
の前方延長部８の上面と面一になるように押ボタンＣを
保持する。

ブラケットＡおよびカバーＢには舌状片と嵌合溝の係
合による結合方法を形成する嵌合縁部14および15がそれ
ぞれ備えられるので、従ってカバーＢはブラケットＡの
上に滑り下ろされることができ、これらのブラケットＡ
とカバーＢとが組み合わされる。カバーＢは、上方への
離脱に対してカバーＢを保持するための係合離脱可能な
掛金16を有する。

ブラケットＡ、カバーＢおよび押ボタンＣはそれぞ
れ、プラスチック射出成形によって一体成形品として作
られることができる。この一体成形品はばね部材、すな
わち弾性を有する薄肉の適切なプラスチック部材を具備
する。

この新しい取付具を組み立てるためには、カバーＢを
ブラケットＡの上に滑り下ろし、舌状片と嵌合溝の係合
による結合方法を形成する嵌合縁部を互いに係合させ、
かつカバーＢの係合離脱可能な掛金16をブラケットＡの
前方に延出する棚板２の下に掛ける。押ボタンＣは案内
部10の内部に押し込まれ、複数の垂下フィンガ11の下部
フック12の勾配面12aは垂下フィンガ11を内方に押し込
む。垂下フィンガ11は通常、案内部10の壁面に対して付
勢される。垂下フィンガ11の下部フック12が案内部10の
下端部の下に引掛かるまで、押ボタンＣが下方に押し込
まれるのに従って、複数の板ばね13が押ボタンＣの底部
によってたわまされる。それから板ばね13は、垂下フィ
ンガ11の下部フック12によって定められる限界まで、押
ボタンＣを上方へ押す。この時に押ボタンＣの上面がカ
バーＢの前方延長部８の上面と面一になるように、カバ
ーＢと押ボタンＣの寸法および形状が定められている。

ブラケットＡの背壁は複数のフランジ17を有し、可撓
性袋３の起立主部3aが起立して保持されるように、起立
主部3aがフランジ17の背後にはさみ込まれることができ
る。この可撓性袋３の前方に折り曲げられた排出部3b
は、その排出弁ノズル４がブラケットＡの棚板２のノズ
ル穴2aを通して下方に延出するように位置される。この
ことはカバーＢがブラケットＡから取りはずされている
間に為され、その後カバーＢはブラケットＡの上に位置
決めされる。

本発明によれば、ブラケットの起立板が可撓性袋の起
立主部の前方に配置された少なくとも一つのフランジを
備え、可撓性袋の起立主部がフランジの背後に挟み込ま
れることにより起立主部が起立した姿勢に保持される。
従って、可撓性袋の起立主部を起立した姿勢に保持する
ために可撓性袋の頂端部にピン挿入用穴を設けたりする
必要がなく、可撓性袋には、可撓性袋を所定の姿勢およ
び位置に保持するための特別の手段を何ら設ける必要が
ない。斯くして、可撓性袋の製造コストを低減すること
ができると共に、壁取付具内への液体容器の取付作業性
を向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係わる分解断面側面図、 第２図は本新規取付具の外観を示す斜視図、 第３図は本発明に係わる、カバーを除去して示した部分
透視斜視図、 第４図は本発明に係わる分解斜視図、 第５図は本発明に係わる、使用待機状態における断面側
面図、 第６図は本発明に係わる、使用状態における断面側面
図、 第７図は本発明に係わる部分透視断面平面図、 第８図は本発明に係わる部分透視断面正面図である。 Ａ……ブラケット、Ｂ……カバー、Ｃ……押ボタン、１
……起立板、２……棚板、2a……ノズル穴、３……可撓
性袋、3a……起立主部、3b……排出部、４……排出弁ノ
ズル、５……起立操作部（弁アクチュエータ）、７……
起立部、８……前方延長部、９……開口部、10……案内
部、11……垂下フィンガ、12……下部フック、12a……
勾配面、13……板ばね、14,15……嵌合縁部、16……係
合離脱可能な掛金、17……フランジ。

Claims (5)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】液体容器を入れる壁取付具であって、起立
   板を有するブラケットを具備し、ノズル穴を有する棚板
   が起立板の下部から前方へ延出しており、更に、起立板
   および棚板の前方に着脱可能なカバーを具備し、液体容
   器は可撓性袋を備え、可撓性袋は、前方壁および後方壁
   を有し、かつ液体を内包し、また起立板の前に起立され
   た起立主部と棚板上に前方へ折り曲げられた排出部とを
   有し、かつ前記ノズル穴を通して下方に延出する排出ノ
   ズルを有する排出弁を有し、排出弁は下方への圧力によ
   って作動される起立操作部を有し、カバーは、可撓性袋
   の前方に折り曲げられた排出部を覆う前方延長部と、該
   前方延長部内において前記起立操作部の上方に形成され
   た開口部とを有し、更に、前記開口部内に前記起立操作
   部に下向きの圧力を掛けるための押ボタンを具備する、
   液体容器を入れる壁取付具において、前記カバーは、前
   記開口部から下方に延在する案内部を有し、該案内部内
   で押ボタンは前記起立操作部の上で上下に移動し、カバ
   ーは押ボタンを上方に付勢するばねを有し、押ボタンは
   下部フックを有する垂下フィンガを有し、該下部フック
   は、前記案内部の下端と係合しかつ前記ばねの付勢力に
   抗して押ボタンを保持し、前記起立板は更に、可撓性袋
   の起立主部の前方に配置された少なくとも一つのフラン
   ジを備え、該フランジが可撓性袋の起立主部を起立した
   姿勢に保持し、起立板および棚板とカバーとは、互いに
   嵌合する舌状部および嵌合溝を形成する嵌合縁部を有し
   て、カバーが、起立板および棚板上に滑り込まされるこ
   とができると共に起立板および棚板から横方向に離脱し
   ないように保持されることができるようにしたことを特
   徴とする、液体容器を入れる壁取付具。
2. 【請求項２】前記案内部は、押ボタンおよび前記垂下フ
   ィンガが摺動可能に嵌合される断面を有する短管によっ
   て形成され、垂下フィンガは弾性的に外方に向けて付勢
   されており、垂下フィンガの下部フックは、押ボタンが
   案内部内へ下方に押し込まれるときに垂下フィンガを内
   方に押し込む勾配面を有し、垂下フィンガの下部フック
   は、案内部の下端部に引っ掛けられて、前記ばねによる
   上方への付勢力に抗して押ボタンを保持する、請求項１
   に記載の液体容器を入れる壁取付具。
3. 【請求項３】押ボタンおよび案内部が矩形断面を有す
   る、請求項２に記載の液体容器を入れる壁取付具。
4. 【請求項４】ブラケットからの上方への離脱に対してカ
   バーを係合離脱可能に保持するための手段を有する、請
   求項３に記載の液体容器を入れる壁取付具。
5. 【請求項５】ブラケット、カバーおよび押ボタンがそれ
   ぞれ、プラスチック射出成形による一体成形品である、
   請求項４に記載の液体容器を入れる壁取付具。