JP2506253B2 - 横方向に調節可能なとりべを有するとりべ運搬装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、一般的に大重量型車両に関し、より詳し
くは、鉄剛製造産業において使用される種類の大重量と
りべやスラグポットの積載や運搬のための運搬用トレー
ラに関するものである。

従来の技術 米国特許第4729710号には、鋳造工場、製鋼所、そし
て、他の金属やスラグの発生する工場において使用され
る種類の、積載された時に200から400トン程度の重量の
ある大型のとりべやスラグポットを積載し、運搬しよう
とする大型の運搬装置が開示されている。この特許に開
示されている運搬装置は、概括的に言えば、積荷を支持
する車輪が装着された一対の大重量型トレーラ用アーム
を有するトレーラを有し、このトレーラ用アームには、
とりべやスラグポットを取り巻き、とりべのトラニオン
（支持用突起）に係合するために、クレードルアームか
ら懸架された横方向に間隔を置いた大型のフックを介し
てそれを支持するためのトレーラ用アームに揺動的に装
着されたほぼＵ字型のクレードルが装着されている。こ
の特許に開示されている運搬装置は、横方向に移動可能
なクレードルを有し、米国特許第3330429号、第3825135
号、第4063658号および第4122961号に開示されている型
の運搬装置に優る利益を提供するものである。すなわ
ち、横方向に移動できないクレードルは、とりべに潜在
的な損傷をもたらす不必要な衝突や振動を避けるため
に、とりべの積載に際して、大重量型トレーラの操縦に
非常な正確さが求められるものである。

米国特許第4729710号には、横方向に移動可能な運搬
装置が開示されており、実質的に垂直な枢着部によって
固定前脚部に枢動的に接続された後部延長部を含む、一
対の後方に突出する、関節接続されたクレードル側部部
材を有している。枢着された側部部材の延長部の枢動に
よってクレードルの側部部材を横方向に移動するため
に、移動用の油圧シリンダーが設けられている。荷の詰
まっているとりべの極端な大重量によって、枢着された
クレードル側部部材は、荷の詰まったとりべを支持する
際に通常でない大量の応力を受け、これがこのような運
搬装置の操作に際して機能的な障害をつくり出すもので
ある。さらに、これらの横方向への移動装置は複雑で、
したがって、最初の組立とその使用に際してサービスと
管理費が高くつくものである。

発明が解決しようとする課題と課題を解決するための手
段 この発明の基本的な目的は、積載のためにとりべに対
する適切な整列を可能とするため、およびとりべを据え
付けようとする時に、トレーラに対してとりべの位置を
横方向に調節するための、トレーラに対して横方向に動
かすことのできる、とりべのトラニオンに係合するよう
に適用される支持クレードルを有する、スラグポット、
熔融金属用とりべなどのための大重量型運搬装置を提供
することである。また、この発明の他の目的は、枢動的
に関節接続されるかまたは横方向に移動可能な、クレー
ドルの部分的な側部部材を有するものに対して、全体剛
性のクレードル構造体が横方向に移動可能なような重い
とりべを支持するクレードルを提供することである。か
くして、この発明によれば、従来のクレードルに比し
て、とりべの持上げや運搬の際に、クレードルへの有利
な力の配分が得られるものである。

さらに、この発明の他の目的は、運搬の際にそのトラ
ニオン支持部の周りのとりべの前後への揺動を制限する
ための安定装置を提供することである。

この発明によれば、トラクターと、クレードルを取巻
くために、フレームに枢動的に装着され、そのトラニオ
ンによってクレードルに係合し、持ち上げるために適用
される、Ｕ字型のフレームと後方に開口しているクレー
ドルを有するトレーラとを有する運搬装置を提供するこ
とである。持上げ用油圧シリンダーは、トレーラのフレ
ームに対してクレードルを垂直方向に枢動させるため
に、トレーラの各側に設けられる。全体のクレードル構
造体は、油圧作動体がクレードルをトレーラの中心線に
対して横方向に移動することができる、装着用装置によ
ってトレーラのフレームに接続される。（トレーラの両
側における）持上げ用油圧シリンダーの端部は、トレー
ラの側部部材とその横方向への制限された傾動を許容す
る、ボール接続部を有するクレードルアームにも枢動的
に接続されている。好適な具体例において、運搬装置
は、また、運搬の際にとりべが前後に揺動するのを制限
するために、トレーラのフレームに取り付けられた安定
装置を有している。

この発明の、このようなまたは他の特徴や利益は、添
付図面を参照してなされる、好適なこの発明の具体例の
以下の説明を理解することによって直ちに明らかになる
であろう。

図面の簡単な説明 図１は、とりべと運搬位置に持ち上げられたクレード
ル持上げアームとを実線で示し、クレードルアームの先
端と下降位置にあるとりべのトラニオンを点線で示す、
この発明のとりべ運搬装置の側面図である。

図２は、図１の運搬装置の平面図である。

図３は、クレードルの枢動的装着装置の部分拡大平面
図である。

図４は、図１の運搬装置の後部正面図である。

この発明はある好適な具体例および手順とともに説明
され、開示されるけれども、これらの特別の具体例にこ
の発明を限定しようとすることではない。むしろ、この
発明の精神と範囲に入るような全ての代替具体例や変更
例をカバーしようとするものである。

実施例 図について、図１には、とりべ11などの持上げおよび
運搬のための大重量運搬装置10が示されている。例示さ
れた運搬装置10は、２輪トラクター15のような適当な原
動機に接続された、前方に突出するグーズネック状部材
14を有するトレーラを有している。トレーラ13とトラク
ター15とは非常に良好な操縦性を付与するために垂直軸
16の周りに回動できる。グーズネック状部材14はトラク
ターホイール17の上方に充分な間隔を提供しているの
で、トラクターはトレーラに対して実質的に直角に回転
することができ、この運搬装置は実質的にその全長の長
さ内で回転することができる。

とりべ11（スラグポットまたは他の容器）は、典型的
にカップ形であり、持上げおよび荷降ろし用に側方への
突出物であるトラニオン20が形成されている。典型的に
は、とりべ11は、１個またはそれ以上の強化用円周フラ
ンジ21およびトラニオン領域に強化用プレート22を有し
ている。

トレーラ13は、グーズネック部材14と一体または他の
方法で固定的に接続されている太い筒状クロスビーム31
と、このクロスビーム31にしっかりと結合された、後方
に突出する一対の側部部材32を有するほぼＵ字型の主フ
レーム30を含んでいる。図示の具体例において、側部部
材32は、頑丈なボックス状構造体に形成され、そのクロ
スビーム31に対する接続部において、３角形の拡張プレ
ート33が補強されている。さらに、クロスビーム31の両
端と側部部材32の前部分はトレーラの中心線から外方へ
先細に傾斜している。側部部材32の後端34は、複数のト
レーラホイール35を支承するための車軸手段を支持する
ために、より狭い幅に形成されている。好適な具体例と
しては、２重ホイール35が各側部部材32の後端34に設け
られる。各ホイール35は大重量型からなり、各ホイール
35は100トンまたはそれ以上の荷重支持能力を有するの
がよいことが理解されるだろう。

とりべ11を持上げ、運搬するために、３方側でとりべ
を取巻くように寸法づけられた、剛体のほぼＵ字型のク
レードル40が設けられている。クレードル40は、前部の
太い筒状のクロスフレーム41と、このクロスフレーム41
に強固に結合され、３角形プレート43で補強された、後
方に突出する一対のほぼボックス状のクレードルアーム
42とを有している。好適には、クレードルアーム42の後
部分44は、このクレードルアーム42が後部ホイール35と
接触するのを防止するために内側に傾斜して先細とされ
ている。クレードルアームの内部プレート45は上方、か
つ、先細にされた後部分44を越えて後方に延び、各プレ
ートは、とりべ11を持上げ、支持するためにとりべのト
ラニオン20と係合するように適用されたプレートの後部
の受入れ用切欠46を持っている。

クレードル40は装着用装置50を介してトレーラのクロ
スビーム31に枢動的に接続されている。クレードル40を
上方へ回動し、とりべ11を持上げるために、一対の大重
量持上げ用シリンダー60が設けられている。好適な具体
例において、各シリンダー60の上端60aは、クロスピン
とボール接続部を介してクレードルアーム42の一つの先
細にされた後部44の底部に強固に固定された一対の接着
用耳部61に枢動的に接続されている。各シリンダー60の
下端またはピストンロッド端は、筒状の装着用フレーム
64を介してトレーラの側部部材の一つに強固に取付けら
れた装着用ブラケット63に、ボール接続部62を介して、
枢動的に接続されている。油圧シリンダー60が伸長され
る時、クレードル40はとりべ11を持上げるために上方に
回動され、そして、油圧シリンダー60が後退する時、と
りべは下降されることが理解されるだろう。図１の点線
は、とりべのトラニオン20と受入れ用切欠46を有するク
レードルアームの内部プレート45の後端を、下降位置に
おいて示している。

この発明によれば、トレーラ13の長さ方向の中心線65
に対して、クレードル40を横方向に移動するための手段
が設けられている。この目的のために、クレードルのク
ロスフレーム41は、横方向に移動する装着用装置50を介
して、トレーラのクロスビーム31に枢動的に接続されて
いる。図３に拡大して示されるように、ほぼピラミッド
形の装着用フレーム51はクレードルのクロスフレーム41
の各端部に強固に固定されている。各装着用フレーム51
は、シリンダー53がクレードルのクロスフレーム41に平
行に整列されるように、移動用油圧作動体のシリンダー
53に強固に取付けられている、長さ方向に延びる接続用
プレート52で終わっている。図示の具体例において、各
シリンダー53は、クレードル40が上方に回動される時、
ピストンロッド56に対するシリンダーの同軸回転の際
に、シリンダー53の軸方向の移動を許容するように、ト
レーラのクロスビームの頂部に強固に取付けられる装着
用プレート55に含まれるブッシュ54に装着される。各移
動用油圧作動体のピストンロッド56は、トレーラのクロ
スビーム31に強固に取付けられている二股に別れた装着
用ブラケット57に固着されている。

クレードル40を横方向に移動するために、シリンダー
53は、各シリンダーの軸方向の運動をもたらし、トレー
ラの中心線65に対するクレードル40の横方向の移動と対
応する、固定のピストンロッド56に対して伸長と後退を
交互にする。この横方向の移動は装着用プレート55間に
接続用プレート52の動きが制限されることによって制限
される。横方向の移動の際に、持上げ用シリンダー60の
上端と下端におけるボール接続部がシリンダーの傾動を
許容し、クレードル40の横方向の移動を許容する。

クレードル40の横方向への移動によって、クレードル
アーム42の内部プレート45の受入れ用切欠46は、トレー
ラ13がとりべ11の周りの位置に戻される時に、トラニオ
ンに対する適切な整列状態に容易に持って来られること
ができる。したがって、トラクター15およびトレーラ13
の操縦性が危機的でなくなり、そして、とりべの衝突、
振動そして損傷の機会も減少させられる。同様に、とり
べが据え付けられた時、とりべは、移動用作動体に適切
に動力を供給することによって、相手方のとりべ用スタ
ンドや他の指定された支持体に対して横方向には正確に
配置されることができる。この発明の横方向移動用装置
は、トラクター15やトレーラ13の上手な運転技術や操縦
の繰り返しがなくても、とりべを正確にその場所におく
ことを実質的により容易にしている。

大重量型とりべの荷の望ましくない重量移動が生じ、
その結果もたらされるトラクターとトレーラの結合のサ
ージング運動の発生の際に、運搬の間におけるとりべの
揺動を防止することが好ましい。したがって、例示の具
体例においては、運搬の際に、とりべの下部に接触し
て、とりべの前後の揺動を制限するように、トレーラの
クロスビーム31に強固に固定したとりべ安定足部70が設
けられる。

上述したところから、この発明は、正確な据え付けの
ために、支持スタンドや同様のものの上にとりべ11を積
載し、あるいは整列させるための、とりべのトラニオン
20に対してクレードルの受入れ用切欠46を整列させるよ
うに横方向に容易に移動できる、剛体のとりべ支持クレ
ードルを有する新しい大重量型とりべ運搬装置を提供す
ることが理解されるであろう。また、この運搬装置に
は、運搬の際に、とりべの揺動を制限するためのクレー
ドル安定脚部70が含まれる。

フロントページの続き (72)発明者 レイバーディア、ウィリアム・エル アメリカ合衆国、イリノイ州 61517、 ブリムフィールド、グレイス・ストリー ト 400

Claims (5)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】自己推進トラクター（15）と、 軸方向の中心線（65）および前部フレーム部分（31）を
   持つほぼＵ字型フレーム（30）と、一対の後方に突出す
   るトレーラ側部部材（32）と、そして、前方に突出し、
   トラクター（15）に枢動的に接続された一体のグーズネ
   ック状部材（14）とを有するホイールのついたトレーラ
   （13）と、 前記クレードル（40）と前記トレーラフレーム（30）と
   を接続するために、トレーラフレームの前部分に近接
   し、実質的に水平な軸を有する第１枢動手段に、前部ク
   ロスフレームによって接続される後方に突出するクレー
   ドルアーム（42）を有する、ほぼ後方に開口する剛体の
   クレードルであって、とりべを取巻き、とりべを持上げ
   るためにトラニオンと係合するように適用されるクレー
   ドルと、 前記実質的に水平な軸の周りに前記クレードルを回動的
   に揺動し、後方に突出するトレーラの側部部材（32）に
   対してクレードルを持上げおよび下降させるために、ク
   レードルの後方に延びるアーム（42）に第２枢動手段
   （62）によって相互結合するとともに、トレーラフレー
   ムの側部部材に相互結合した持上げ用流体圧作動体（6
   0）とを有する、横側にトラニオンを有する重量型とり
   べやスラグポットを持上げ、運搬するための運搬装置に
   おいて、 前記実質的に水平な軸に沿い、トレーラの中心線（65）
   に対して横方向にクレードルを移動するために、前記第
   １枢動手段（50）に対して実質的に整列状態に配置され
   た移動用作動体手段（53,56）とからなることを特徴と
   する運搬装置。
2. 【請求項２】前記移動用作動体手段（53,56）が、クレ
   ードル（40）の前部クロスフレーム（41）に対して平行
   に装着されたピストン（56）とシリンダー（53）からな
   る流体圧作動体を有し、その流体圧作動体のピストンか
   またはシリンダーの一方が前記クレードル（40）の前部
   クロスフレーム（41）に取付けられ、前記ピストンかま
   たはシリンダーの他方がトレーラ（13）の前部フレーム
   部分（31）に接続されているところの請求項１記載の運
   搬装置。
3. 【請求項３】前記移動用流体圧作動体（53,56）は、装
   着手段（50）によってトレーラ（13）の前部フレーム部
   分（31）に取付けられ、その装着手段（50）は、前記作
   動体のピストン（50）が前部フレーム部分（31）に強固
   に固定され、その作動体のシリンダー（53）が、ピスト
   ン（56）がそれに対して伸長されたり、後退した時に、
   そのシリンダー（53）の制限された軸方向の滑動を許容
   し、かつ、前記クレードル（40）が前記実質的に水平な
   軸の周りに回動される時に、シリンダー（53）の軸の回
   転をも許容するために、前部フレーム部分（31）のブッ
   シュ（54）に装着されているところの請求項２記載の運
   搬装置。
4. 【請求項４】前記持上げ用流体圧作動体（60）がピスト
   ンとシリンダーからなり、そして、第２枢動手段が、こ
   の持上げ用流体圧作動体の制限された横方向への傾動を
   可能とするために、前記ピストンとシリンダーの端部に
   おいてボール接続部（62）を有するところの請求項１記
   載の運搬装置。
5. 【請求項５】運搬の際、そのトラニオン（20）の周りで
   とりべが前後に揺動するのを制限するために、とりべ
   （11）に対して係合可能な当接手段（70）を有する請求
   項１記載の運搬装置。