JP2505374B2 - 濾過材の製造方法 - Google Patents
濾過材の製造方法Info
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- JP2505374B2 JP2505374B2 JP6047611A JP4761194A JP2505374B2 JP 2505374 B2 JP2505374 B2 JP 2505374B2 JP 6047611 A JP6047611 A JP 6047611A JP 4761194 A JP4761194 A JP 4761194A JP 2505374 B2 JP2505374 B2 JP 2505374B2
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- entangled
- synthetic fiber
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- bobbin
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水,溶剤,油などの液
体中や空気などの気体中の不純物粒子除去用のカートリ
ッジフィルターなどとして用いる濾過材の製造方法に関
するものである。
体中や空気などの気体中の不純物粒子除去用のカートリ
ッジフィルターなどとして用いる濾過材の製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】一般にカートリッジフィルターは、上記
のように水,溶剤,油などの液体や、空気などの気体中
の不純物粒子を濾過する濾過材として用いられ、その使
用態様および構造はおよそ次のとおりである。
のように水,溶剤,油などの液体や、空気などの気体中
の不純物粒子を濾過する濾過材として用いられ、その使
用態様および構造はおよそ次のとおりである。
【0003】すなわち、金属製,プラスチック製などの
フィルターハウジングに濾過材としてカートリッジフィ
ルターを装着する。ハウジングは、ヘッド部とサンプル
部からなり、カートリッジフィルターの上端部と下端部
とを完全にシールできる構造で、液体または気体はカー
トリッジフィルターの外壁面から内側へ通過して濾過さ
れ、使用寿命に応じてこのカートリッジフィルターを交
換するのである。このカートリッジフィルターは、金属
製,プラスチック製などのほぼ直径30mmの有孔ボビ
ン(孔あき中空円筒)に紡績糸などを巻きつけたもの
で、外径はほぼ65mmで、長さは10,20あるいは
30インチのものが規格品として使用されている。
フィルターハウジングに濾過材としてカートリッジフィ
ルターを装着する。ハウジングは、ヘッド部とサンプル
部からなり、カートリッジフィルターの上端部と下端部
とを完全にシールできる構造で、液体または気体はカー
トリッジフィルターの外壁面から内側へ通過して濾過さ
れ、使用寿命に応じてこのカートリッジフィルターを交
換するのである。このカートリッジフィルターは、金属
製,プラスチック製などのほぼ直径30mmの有孔ボビ
ン(孔あき中空円筒)に紡績糸などを巻きつけたもの
で、外径はほぼ65mmで、長さは10,20あるいは
30インチのものが規格品として使用されている。
【0004】従来、カートリッジフィルターの巻糸とし
ては、ポリプロピレン,ナイロン,綿,レーヨン,アセ
テートなどの短繊維の紡績糸(全繊度:3000〜80
00デニール、撚数:100〜150T/M)が使用さ
れており、濾過する対象物の粒度に応じて巻密度あるい
は巻パターンを種々変更して対処している。
ては、ポリプロピレン,ナイロン,綿,レーヨン,アセ
テートなどの短繊維の紡績糸(全繊度:3000〜80
00デニール、撚数:100〜150T/M)が使用さ
れており、濾過する対象物の粒度に応じて巻密度あるい
は巻パターンを種々変更して対処している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
カートリッジフィルターでは、除去すべき粒子径の濾過
物を効率よく濾過することが困難で、定められた粒子径
の濾過物を濾過しようとすると、目詰まりが早く起こり
持続性が劣り、さらに短繊維の撚糸構造により、使用中
に単繊維状毛羽の切断,脱落が生じやすく、それにより
濾過系の逆汚染を起こしがちである。
カートリッジフィルターでは、除去すべき粒子径の濾過
物を効率よく濾過することが困難で、定められた粒子径
の濾過物を濾過しようとすると、目詰まりが早く起こり
持続性が劣り、さらに短繊維の撚糸構造により、使用中
に単繊維状毛羽の切断,脱落が生じやすく、それにより
濾過系の逆汚染を起こしがちである。
【0006】一方、上記のような問題を解決する目的
で、長繊維のマルチフィラメントを用いたカートリッジ
フィルターが市販され、また合成樹脂重合体マルチフィ
ラメントに捲縮加工を施し、巻糸として用いたカートリ
ッジフィルターが開示されている(特開昭58−243
18号公報)。このようなカートリッジフィルターは、
長繊維マルチフィラメントを用いていることにより、た
しかに使用中に単繊維状毛羽の切断,脱落が起こらず、
濾過系の逆汚染が発生することはなく、また従来の紡績
糸を巻糸としたカートリッジフィルターに比べ、目詰ま
りなどが早く起こらず、若干持続性が延びる利点があ
る。しかし、長繊維マルチフィラメントに捲縮加工(た
とえば仮撚加工)を施しただけの巻糸を用いて、巻密度
の調整だけで除去すべき粒子径の濾過物を効率よく、完
全に濾過することは難しい。これは、除去すべき粒子径
の濾過物が、捲縮加工して巻き取ったカートリッジフィ
ルターの糸の空隙を通過する際に、マルチフィラメント
間で除去されるという機構から、使用開始当初は良い
が、長時間の使用とともに、目詰まり、あるいは除去効
率の低下が著しくなり、使用不可能になるからである。
で、長繊維のマルチフィラメントを用いたカートリッジ
フィルターが市販され、また合成樹脂重合体マルチフィ
ラメントに捲縮加工を施し、巻糸として用いたカートリ
ッジフィルターが開示されている(特開昭58−243
18号公報)。このようなカートリッジフィルターは、
長繊維マルチフィラメントを用いていることにより、た
しかに使用中に単繊維状毛羽の切断,脱落が起こらず、
濾過系の逆汚染が発生することはなく、また従来の紡績
糸を巻糸としたカートリッジフィルターに比べ、目詰ま
りなどが早く起こらず、若干持続性が延びる利点があ
る。しかし、長繊維マルチフィラメントに捲縮加工(た
とえば仮撚加工)を施しただけの巻糸を用いて、巻密度
の調整だけで除去すべき粒子径の濾過物を効率よく、完
全に濾過することは難しい。これは、除去すべき粒子径
の濾過物が、捲縮加工して巻き取ったカートリッジフィ
ルターの糸の空隙を通過する際に、マルチフィラメント
間で除去されるという機構から、使用開始当初は良い
が、長時間の使用とともに、目詰まり、あるいは除去効
率の低下が著しくなり、使用不可能になるからである。
【0007】たとえば従来の紡績糸を巻きつけたカート
リッジフィルターおよび捲縮加工を施した長繊維マルチ
フィラメントを巻きつけたカートリッジフィルターを用
い、工場用水に酸化鉄を50mg/リットルの濃度で分
散させた水を濾過した後、これらのカートリッジフィル
ターを外層部から内層部へ解舒して観察したところ、紡
績糸を巻きつけたカートリッジフィルターは紡績糸の毛
羽部分に酸化鉄や黄褐色の水垢が付着して濾過が進行し
ており、一方捲縮加工を施した長繊維マルチフィラメン
トを巻きつけたカートリッジフィルターは、長繊維マル
チフィラメントの糸経の約1/3程度が黄褐色に着色し
て濾過が進行していた。しかし黄褐色の着色が認められ
ない紡績糸の撚部分およびマルチフィラメントの糸内
部、すなわち繊維と繊維が重なり合っている部分では、
全く濾過は行なわれていない。
リッジフィルターおよび捲縮加工を施した長繊維マルチ
フィラメントを巻きつけたカートリッジフィルターを用
い、工場用水に酸化鉄を50mg/リットルの濃度で分
散させた水を濾過した後、これらのカートリッジフィル
ターを外層部から内層部へ解舒して観察したところ、紡
績糸を巻きつけたカートリッジフィルターは紡績糸の毛
羽部分に酸化鉄や黄褐色の水垢が付着して濾過が進行し
ており、一方捲縮加工を施した長繊維マルチフィラメン
トを巻きつけたカートリッジフィルターは、長繊維マル
チフィラメントの糸経の約1/3程度が黄褐色に着色し
て濾過が進行していた。しかし黄褐色の着色が認められ
ない紡績糸の撚部分およびマルチフィラメントの糸内
部、すなわち繊維と繊維が重なり合っている部分では、
全く濾過は行なわれていない。
【0008】本発明は、上記の問題を解決するもので、
微粒子径の濾過物を効率よく、しかも長時間にわたって
捕捉可能な濾過材を提供することを目的とするものであ
る。
微粒子径の濾過物を効率よく、しかも長時間にわたって
捕捉可能な濾過材を提供することを目的とするものであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明の濾過材の製造方法は、熱可塑性合成繊維マル
チフィラメントからなるループ形成糸のみを供給して流
体撹乱処理することにより、表面に多数のループを有す
る交絡糸を形成し、この交絡糸を有孔ボビンに巻きつけ
ることを要旨とするものである。また本発明の濾過材の
製造方法は、熱可塑性合成繊維マルチフィラメントの仮
撚加工糸を芯糸とし、捲縮を有しない熱可塑性合成繊維
マルチフィラメントを飾糸とし流体撹乱処理することに
より表面に多数のループを形成した交絡糸を有孔ボビン
に巻きつけることを要旨とするものである。さらに本発
明の濾過材の製造方法は、熱可塑性合成繊維マルチフィ
ラメントの芯糸をオーバーフィード率+3%〜+30%
で、熱可塑性合成繊維マルチフィラメントの飾糸をオー
バーフィード率+10%〜+300%でそれぞれ流体撹
乱処理することにより表面に多数のループを形成した交
絡糸を有孔ボビンに巻きつけることを要旨とするもので
ある。
に本発明の濾過材の製造方法は、熱可塑性合成繊維マル
チフィラメントからなるループ形成糸のみを供給して流
体撹乱処理することにより、表面に多数のループを有す
る交絡糸を形成し、この交絡糸を有孔ボビンに巻きつけ
ることを要旨とするものである。また本発明の濾過材の
製造方法は、熱可塑性合成繊維マルチフィラメントの仮
撚加工糸を芯糸とし、捲縮を有しない熱可塑性合成繊維
マルチフィラメントを飾糸とし流体撹乱処理することに
より表面に多数のループを形成した交絡糸を有孔ボビン
に巻きつけることを要旨とするものである。さらに本発
明の濾過材の製造方法は、熱可塑性合成繊維マルチフィ
ラメントの芯糸をオーバーフィード率+3%〜+30%
で、熱可塑性合成繊維マルチフィラメントの飾糸をオー
バーフィード率+10%〜+300%でそれぞれ流体撹
乱処理することにより表面に多数のループを形成した交
絡糸を有孔ボビンに巻きつけることを要旨とするもので
ある。
【0010】
【作用】本発明により得られた濾過材は、表面に多数の
ループを有する熱可塑性合成繊維マルチフィラメントの
交絡糸を用いているので、多数のループで微粒子を効率
よく捕捉し、かつ使用中に繊維状毛羽の切断脱落が起こ
らず、濾過系の逆汚染などが発生せず、しかも撚を形成
していないので目詰まりなども起こりにくく、長時間使
用できる。特に、表面に多数のループを有する熱可塑性
合成繊維マルチフィラメントの交絡糸として、芯糸が仮
撚加工糸からなり、表面のループ形成糸が捲縮を有しな
い飾糸からなるものを用いた場合、前記芯糸が仮撚加工
糸の捲縮により崇高で、濾過抵抗も低く、しかも濾過効
率がすぐれている。
ループを有する熱可塑性合成繊維マルチフィラメントの
交絡糸を用いているので、多数のループで微粒子を効率
よく捕捉し、かつ使用中に繊維状毛羽の切断脱落が起こ
らず、濾過系の逆汚染などが発生せず、しかも撚を形成
していないので目詰まりなども起こりにくく、長時間使
用できる。特に、表面に多数のループを有する熱可塑性
合成繊維マルチフィラメントの交絡糸として、芯糸が仮
撚加工糸からなり、表面のループ形成糸が捲縮を有しな
い飾糸からなるものを用いた場合、前記芯糸が仮撚加工
糸の捲縮により崇高で、濾過抵抗も低く、しかも濾過効
率がすぐれている。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1は本発明の一実施例の濾過材の一部切欠き平
面図、図2は同濾過材に用いた交絡糸の概略平面図であ
る。図1および図2において、濾過材1は、周面に多数
の孔を有する有孔ボビン2と、この有孔ボビン2に熱可
塑性合成繊維マルチフィラメントの交絡糸3を巻きつけ
た巻糸層4とで形成している。この交絡糸3は、熱可塑
性合成繊維マルチフィラメントを用いた芯糸3Aと表面
のループ形成糸3Bとからなっている。
する。図1は本発明の一実施例の濾過材の一部切欠き平
面図、図2は同濾過材に用いた交絡糸の概略平面図であ
る。図1および図2において、濾過材1は、周面に多数
の孔を有する有孔ボビン2と、この有孔ボビン2に熱可
塑性合成繊維マルチフィラメントの交絡糸3を巻きつけ
た巻糸層4とで形成している。この交絡糸3は、熱可塑
性合成繊維マルチフィラメントを用いた芯糸3Aと表面
のループ形成糸3Bとからなっている。
【0012】前記交絡糸3は、図3に示す装置により製
造することができる。熱可塑性合成繊維マルチフィラメ
ントからなる芯糸3Aと表面のループ形成糸3Bとを、
それぞれフィードローラ5Aと5Bから空気噴射ノズル
6に、デリベリーローラ7との間でのオーバーフィード
率が芯糸3Aよりループ形成糸3Bの方が大きい条件で
導入して流体撹乱処理により交絡させ、巻取ローラ8に
より巻き取る。熱可塑性合成繊維マルチフィラメントと
しては、ポリアミド系,ポリエステル系,ポリアクリル
系およびポリオレフィン系などの熱可塑性合成繊維マル
チフィラメントを用いる。空気噴射ノズル6による流体
撹乱処理において、芯糸3Aとループ形成糸3Bとのフ
ィードローラ5A,5Bとデリベリーローラ7との間の
オーバーフィード率は、芯糸3Aで+3%〜+30%で
あり、ループ形成糸3Bで+10%〜+300%であ
る。芯糸3Aのオーバーフィード率が+3%未満の場
合、空気噴射の作用をほとんど受けず、マルチフィラメ
ントの開繊が不十分であるのでループ形成糸3Bとの交
絡が十分行なわれにくく、オーバーフィード率が+30
%を越える場合、空気噴射によるマルチフィラメントの
開繊は起こるものの、開繊が大きすぎて交絡時に糸揺れ
などが起こって安定した交絡糸を得ることが難しい。ま
たループ形成糸3Bのオーバーフィード率が+10%未
満の場合、形成するループが小さく、濾過材として用い
たとき、目詰まりが起こりやすく、使用寿命が短かくな
る傾向があり、オーバーフィード率が+300%を越え
る場合、形成するループが大きすぎ、濾過材として用い
たとき微粒子の除去が難しくなる。とするものである。
ところで、前記芯糸3Aとしては熱可塑性合成繊維マル
チフィラメントの仮撚加工糸を選択し、またループ形成
糸3Bとしては捲縮を有しない熱可塑性合成繊維マルチ
フィラメントを選択することができる。また、ループ形
成糸3Bのみを供給して流体撹乱処理を行なうこともで
きる。
造することができる。熱可塑性合成繊維マルチフィラメ
ントからなる芯糸3Aと表面のループ形成糸3Bとを、
それぞれフィードローラ5Aと5Bから空気噴射ノズル
6に、デリベリーローラ7との間でのオーバーフィード
率が芯糸3Aよりループ形成糸3Bの方が大きい条件で
導入して流体撹乱処理により交絡させ、巻取ローラ8に
より巻き取る。熱可塑性合成繊維マルチフィラメントと
しては、ポリアミド系,ポリエステル系,ポリアクリル
系およびポリオレフィン系などの熱可塑性合成繊維マル
チフィラメントを用いる。空気噴射ノズル6による流体
撹乱処理において、芯糸3Aとループ形成糸3Bとのフ
ィードローラ5A,5Bとデリベリーローラ7との間の
オーバーフィード率は、芯糸3Aで+3%〜+30%で
あり、ループ形成糸3Bで+10%〜+300%であ
る。芯糸3Aのオーバーフィード率が+3%未満の場
合、空気噴射の作用をほとんど受けず、マルチフィラメ
ントの開繊が不十分であるのでループ形成糸3Bとの交
絡が十分行なわれにくく、オーバーフィード率が+30
%を越える場合、空気噴射によるマルチフィラメントの
開繊は起こるものの、開繊が大きすぎて交絡時に糸揺れ
などが起こって安定した交絡糸を得ることが難しい。ま
たループ形成糸3Bのオーバーフィード率が+10%未
満の場合、形成するループが小さく、濾過材として用い
たとき、目詰まりが起こりやすく、使用寿命が短かくな
る傾向があり、オーバーフィード率が+300%を越え
る場合、形成するループが大きすぎ、濾過材として用い
たとき微粒子の除去が難しくなる。とするものである。
ところで、前記芯糸3Aとしては熱可塑性合成繊維マル
チフィラメントの仮撚加工糸を選択し、またループ形成
糸3Bとしては捲縮を有しない熱可塑性合成繊維マルチ
フィラメントを選択することができる。また、ループ形
成糸3Bのみを供給して流体撹乱処理を行なうこともで
きる。
【0013】前記交絡糸3の有孔ボビン2への巻きつけ
は、たとえばセンタードライブ方式などによりトラバー
ス機構を備えた巻取機で積層巻きなどの形態で巻取れば
よい。
は、たとえばセンタードライブ方式などによりトラバー
ス機構を備えた巻取機で積層巻きなどの形態で巻取れば
よい。
【0014】上記の濾過材1は、表面に多数のループを
有する熱可塑性合成繊維マルチフィラメントの交絡糸3
を有孔ボビン2に巻きつけたものであるので、交絡糸3
の表面のループにより被濾過液中の微粒子を効率よく捕
捉でき、使用中に繊維状毛羽の切断,脱落が起こらず、
濾過系の逆汚染などが発生せず、しかも撚を形成してい
ないので目詰まりも起こりにくく、長時間にわたって使
用できた。特に芯糸3Aとして捲縮を有する仮撚加工糸
を用い、ループ形成糸3Bとして無捲縮のレギュラー糸
からなる飾糸を用いた交絡糸3は、芯糸3Aが捲縮によ
り嵩高で、濾過抵抗も低く、微粒子の捕捉性能もすぐ
れ、濾過効率が非常に良好であった。
有する熱可塑性合成繊維マルチフィラメントの交絡糸3
を有孔ボビン2に巻きつけたものであるので、交絡糸3
の表面のループにより被濾過液中の微粒子を効率よく捕
捉でき、使用中に繊維状毛羽の切断,脱落が起こらず、
濾過系の逆汚染などが発生せず、しかも撚を形成してい
ないので目詰まりも起こりにくく、長時間にわたって使
用できた。特に芯糸3Aとして捲縮を有する仮撚加工糸
を用い、ループ形成糸3Bとして無捲縮のレギュラー糸
からなる飾糸を用いた交絡糸3は、芯糸3Aが捲縮によ
り嵩高で、濾過抵抗も低く、微粒子の捕捉性能もすぐ
れ、濾過効率が非常に良好であった。
【0015】以下具体的な実施例および比較例について
説明する。 実施例1 ポリエチレンテレフタレート高配向未延伸マルチフィラ
メント糸(複屈折50×10-3,比重1.38)230
デニール/48フィラメントを供給速度65m/mi
n,引取速度100m/min(速度比1:1.5
4),仮撚温度225℃で仮撚加工して、150デニー
ル/48フィラメントの仮撚加工糸を得た。この仮撚加
工糸2本を引揃えて芯糸3Aとし、一方無捲縮のポリエ
チレンテレフタレート延伸マルチフィラメント糸150
デニール/48フィラメントを4本引揃えてループ形成
糸3Bとし、図3に示す装置において、空気噴射ノズル
6としてエアーノズルヘマジェット341タイプ(ヘバ
ーライン社製)を用い、芯糸3Aのオーバーフィード率
を+10%、ループ形成糸3Bのオーバーフィード率を
+150%で、空気圧7kg/cm2 ,加工速度100
m/minで交絡させ、交絡糸3を得た。この交絡糸3
を用いて、センタードライブ方式の巻取機により直径3
0mmの有孔ボビン2に巻径65mm,長さ10インチ
で、1ミクロン用,5ミクロン用,10ミクロン用とし
て巻密度を3種類変えて巻きつけて、濾過材3本を作製
した。
説明する。 実施例1 ポリエチレンテレフタレート高配向未延伸マルチフィラ
メント糸(複屈折50×10-3,比重1.38)230
デニール/48フィラメントを供給速度65m/mi
n,引取速度100m/min(速度比1:1.5
4),仮撚温度225℃で仮撚加工して、150デニー
ル/48フィラメントの仮撚加工糸を得た。この仮撚加
工糸2本を引揃えて芯糸3Aとし、一方無捲縮のポリエ
チレンテレフタレート延伸マルチフィラメント糸150
デニール/48フィラメントを4本引揃えてループ形成
糸3Bとし、図3に示す装置において、空気噴射ノズル
6としてエアーノズルヘマジェット341タイプ(ヘバ
ーライン社製)を用い、芯糸3Aのオーバーフィード率
を+10%、ループ形成糸3Bのオーバーフィード率を
+150%で、空気圧7kg/cm2 ,加工速度100
m/minで交絡させ、交絡糸3を得た。この交絡糸3
を用いて、センタードライブ方式の巻取機により直径3
0mmの有孔ボビン2に巻径65mm,長さ10インチ
で、1ミクロン用,5ミクロン用,10ミクロン用とし
て巻密度を3種類変えて巻きつけて、濾過材3本を作製
した。
【0016】比較例1 上記実施例1の交絡糸3に代えて、ポリエチレンテレフ
タレートマルチフィラメント150デニール/48フィ
ラメントの仮撚加工糸の6本引揃え糸を、実施例1と同
様の方法および条件で有孔ボビンに巻きつけて濾過材3
本を作製した。
タレートマルチフィラメント150デニール/48フィ
ラメントの仮撚加工糸の6本引揃え糸を、実施例1と同
様の方法および条件で有孔ボビンに巻きつけて濾過材3
本を作製した。
【0017】比較例2 上記実施例1の交絡糸3に代えて、ポリエチレンテレフ
タレート短繊維2デニール,76mmと3デニール,7
6mmとを1:1の比で混合し、常法により紡績した2
番手の紡績糸を、実施例1と同様の方法および条件で有
孔ボビンに巻きつけて濾過材3本を作製した。
タレート短繊維2デニール,76mmと3デニール,7
6mmとを1:1の比で混合し、常法により紡績した2
番手の紡績糸を、実施例1と同様の方法および条件で有
孔ボビンに巻きつけて濾過材3本を作製した。
【0018】上記の実施例1および比較例1,2で作製
した濾過材の、巻密度、通水圧損および濾過性能の評価
結果を表1に示した。 (i )巻密度;有孔ボビンに巻きつけた巻糸の真の体積
を、巻糸層の見掛けの体積で除して算出した。
した濾過材の、巻密度、通水圧損および濾過性能の評価
結果を表1に示した。 (i )巻密度;有孔ボビンに巻きつけた巻糸の真の体積
を、巻糸層の見掛けの体積で除して算出した。
【0019】
【数1】
【0020】(ii)通水圧損;濾過材を濾過機に取り付
け、水30リットル/minの流量を得るに必要な圧力
(kg/cm2 )を求めた。 (iii )除去率および通水ライフ;原水として、1ミク
ロン用性能試験に飲料用水道水1リットルに市販カオリ
ン:平均粒子径1.06μmを200mgの割合で分散
させたものを用い、5ミクロン用性能試験に同飲料用水
道水に市販カオリン:平均粒子径4.96μmを200
mg/リットルの割合で分散させたものを用い、10ミ
クロン用性能試験に同飲料用水道水に市販カオリン:平
均粒子径11.1μmを200mg/リットルの割合で
分散させたものを用いた。この原水を8リットル/mi
nの流量で各濾過材に通水し、初期圧力が1.5kg/
cm 2 に達した時点のカオリン除去率(%)および通水
ライフ(通水時間)を求めた。 表1に示す結果から明
らかなように、本実施例1で製造した濾過材は交絡糸3
の全繊度が各比較例の巻糸より太いにもかかわらず、表
面に多数のループを有するとともに芯糸2が捲縮を有す
る仮撚加工糸であることから巻密度が小さく、通水圧損
が低く、濾過性能が非常にすぐれていた。各比較例の濾
過材は特に通水ライフが短く、通水圧損も大きかった。
け、水30リットル/minの流量を得るに必要な圧力
(kg/cm2 )を求めた。 (iii )除去率および通水ライフ;原水として、1ミク
ロン用性能試験に飲料用水道水1リットルに市販カオリ
ン:平均粒子径1.06μmを200mgの割合で分散
させたものを用い、5ミクロン用性能試験に同飲料用水
道水に市販カオリン:平均粒子径4.96μmを200
mg/リットルの割合で分散させたものを用い、10ミ
クロン用性能試験に同飲料用水道水に市販カオリン:平
均粒子径11.1μmを200mg/リットルの割合で
分散させたものを用いた。この原水を8リットル/mi
nの流量で各濾過材に通水し、初期圧力が1.5kg/
cm 2 に達した時点のカオリン除去率(%)および通水
ライフ(通水時間)を求めた。 表1に示す結果から明
らかなように、本実施例1で製造した濾過材は交絡糸3
の全繊度が各比較例の巻糸より太いにもかかわらず、表
面に多数のループを有するとともに芯糸2が捲縮を有す
る仮撚加工糸であることから巻密度が小さく、通水圧損
が低く、濾過性能が非常にすぐれていた。各比較例の濾
過材は特に通水ライフが短く、通水圧損も大きかった。
【0021】
【表1】
【0022】
【発明の効果】以上のように本発明により得られた濾過
材は、熱可塑性合成繊維マルチフィラメントからなる表
面に多数のループを有する交絡糸を有孔ボビンに巻きつ
けて形成したものであり、少ない糸量でも交絡糸の表面
の多数のループにより微粒子を効率よく捕捉し、使用中
に繊維状毛羽が切断,脱落して濾過系の逆汚染を起こす
ようなことが発生せず、目詰まりも起こりにくく、濾過
抵抗も小さく長時間にわたって使用できるなどの格別の
効果を奏し、カートリッジ用濾過材として極めて有用で
ある。
材は、熱可塑性合成繊維マルチフィラメントからなる表
面に多数のループを有する交絡糸を有孔ボビンに巻きつ
けて形成したものであり、少ない糸量でも交絡糸の表面
の多数のループにより微粒子を効率よく捕捉し、使用中
に繊維状毛羽が切断,脱落して濾過系の逆汚染を起こす
ようなことが発生せず、目詰まりも起こりにくく、濾過
抵抗も小さく長時間にわたって使用できるなどの格別の
効果を奏し、カートリッジ用濾過材として極めて有用で
ある。
【図1】本発明の一実施例の濾過材の一部切欠き平面図
【図2】同濾過材に用いた交絡糸の概略平面図
【図3】同濾過材に用いた交絡糸を製造するための装置
の説明図
の説明図
1 濾過材 2 有孔ボビン 3 交絡糸 3A 芯糸 3B ループ形成糸
Claims (3)
- 【請求項1】 熱可塑性合成繊維マルチフィラメントか
らなるループ形成糸のみを供給して流体撹乱処理するこ
とにより、表面に多数のループを有する交絡糸を形成
し、この交絡糸を有孔ボビンに巻きつけることを特徴と
する濾過材の製造方法。 - 【請求項2】 熱可塑性合成繊維マルチフィラメントの
仮撚加工糸を芯糸とし、捲縮を有しない熱可塑性合成繊
維マルチフィラメントを飾糸とし流体撹乱処理すること
により表面に多数のループを形成した交絡糸を有孔ボビ
ンに巻きつけることを特徴とする濾過材の製造方法。 - 【請求項3】 熱可塑性合成繊維マルチフィラメントの
芯糸をオーバーフィード率+3%〜+30%で、熱可塑
性合成繊維マルチフィラメントの飾糸をオーバーフィー
ド率+10%〜+300%でそれぞれ流体撹乱処理する
ことにより表面に多数のループを形成した交絡糸を有孔
ボビンに巻きつけることを特徴とする濾過材の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6047611A JP2505374B2 (ja) | 1994-03-18 | 1994-03-18 | 濾過材の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6047611A JP2505374B2 (ja) | 1994-03-18 | 1994-03-18 | 濾過材の製造方法 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16919589A Division JPH0685846B2 (ja) | 1989-06-30 | 1989-06-30 | 濾過材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06292809A JPH06292809A (ja) | 1994-10-21 |
JP2505374B2 true JP2505374B2 (ja) | 1996-06-05 |
Family
ID=12780034
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6047611A Expired - Lifetime JP2505374B2 (ja) | 1994-03-18 | 1994-03-18 | 濾過材の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2505374B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7981232B2 (en) * | 2005-08-01 | 2011-07-19 | Jan Ingolf Kristiansen | Method for manufacturing a filtration device |
JP6607712B2 (ja) * | 2015-06-24 | 2019-11-20 | オルガノ株式会社 | 空気浄化装置 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0719540Y2 (ja) * | 1988-10-13 | 1995-05-10 | 三菱レイヨン株式会社 | 濾過筒 |
-
1994
- 1994-03-18 JP JP6047611A patent/JP2505374B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06292809A (ja) | 1994-10-21 |
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