JP2500655Y2 - 紫外線照射装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、露光とか紫外線乾燥等
の光化学反応用の光源として利用される紫外線照射装置
に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、露光とか紫外線乾燥等の光化学反
応の光源として利用される紫外線照射装置は、一面を開
放してランプハウスを構成する筐体内に、半楕円とか放
物面を有する反射鏡を、この反射鏡の照射口を筐体の開
放面に向けて取付け、この反射鏡の焦点軸に中心軸を一
致させて紫外線発生源である放電管を筐体に剛的に取付
けて構成されていた。

【０００３】従来の紫外線照射装置において、放電管を
筐体に対して剛的に取付けたのは、放電管の中心軸心と
反射鏡の焦点軸心との一致を強固にかつ不動に維持する
ためである。

【０００４】また、この紫外線照射装置に使用されてい
る放電管は、一般的には水銀とハロゲン添化物と希ガス
を封入して構成される高圧水銀灯であるが、この高圧水
銀灯は、充分な冷却を施すことができないので、充分な
量の紫外線を得ることができず、また充分に冷却できな
いので、発熱が多く、このため被照射ワーク材の材質が
限定されて、適用範囲が狭くなり、さらに電極部分の充
分な冷却を達成することができないので、電極に無理が
かかって短寿命となると言う不満があった。

【０００５】そこで、紫外線照射装置の光源として、充
分な量の紫外線を発生できる閃光放電管やパルス放電管
等のアーク放電管（以下、単にアーク放電管と記す）の
利用が検討されるようになっている。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら、アーク
放電管は、放電時の衝撃が大きく、かつ加熱によりアー
ク放電管自体に熱膨張変形が発生することから、このア
ーク放電管を紫外線照射装置の紫外線光源として筐体に
剛的に取付けたのでは、放電時の衝撃および熱膨張変形
により、アーク放電管自体が破損すると言う問題があっ
た。

【０００７】そこで、本考案は、上記した従来技術にお
ける問題点を解消すべく考案されたもので、放電時の衝
撃および熱膨張変形により破損が発生しないように、ア
ーク放電管を紫外線照射装置の筐体に取付けることを技
術的課題とし、もって充分な量の紫外線を照射できる紫
外線照射装置を得ることを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記技術的課題を解決す
るための本考案の手段は、一面を開放した筐体内に半筒
形状の反射鏡を、筐体の開放面側に照射口を向けて取付
けると共に、この反射鏡の焦点軸に中心軸を一致させて
アーク放電管を筐体に固定した紫外線照射装置であるこ
と、アーク放電管を、透明なジャケット管内に発光管を
挿入組付けして、この発光管の周囲に冷却液体通路を形
成した本体の両端に、発光管とジャケット管とを一定に
組付け保持すると共に、液冷ホースとの接続口を提供
し、さらに筐体への組付け固定部分を提供する接続管片
を設けた構成とすること、筐体に固定具を介して垂下状
に固定された弾性材製平板状の一対の支持具先端間に、
アーク放電管を接続管片で架設状に組付け固定するこ
と、にある。

【０００９】接続管片を導電材料製とすると共に、この
接続管片に対応する本体の発光管の電極を接続し、絶縁
材料製の固定具を介して筐体に固定された支持具を導電
材料製とし、この支持具に電力線を接続するのが良い。

【００１０】

【作用】アーク放電管に放電時に発生する衝撃は、封入
された不活性ガスと電子との衝突により発生するもの
で、その大部分はアーク放電管の中心軸心方向に沿って
作用する。

【００１１】このアーク放電管は、筐体に垂下状に固定
された弾性材製平板状の一対の支持具の垂下先端間に架
設状に組付けられているので、放電時にアーク放電管に
発生した衝撃は、この支持具の弾性により緩衝されて吸
収される。

【００１２】このため、アーク放電管は、放電時に衝撃
により中心軸心方向に沿って、多少細かく振動変位する
ことはあっても、アーク放電管に強い機械的衝撃が加わ
ることはなく、このため放電時の衝撃により破損するこ
とはない。

【００１３】また、放電動作により加熱状態となったア
ーク放電管に熱膨張変形が発生しても、この変形変位を
支持具の弾性変形により吸収するので、アーク放電管に
熱膨張変形による機械的な強い締付け力が加わることが
なく、このためアーク放電管が熱膨張変形により破損す
ることはない。

【００１４】なお、アーク放電管は、その本体の発光管
の周囲に冷却液体通路を形成しているので、液冷ホース
から接続管片を経て本体に供給される冷却液体により発
光管を充分に冷却することができ、これにより電極に無
理がかかることがなく、かつ発生する熱量を充分に少な
くすることができ、さらに常に高い放電電圧を維持して
安定した放電動作を得ることができる。

【００１５】

【実施例】以下、本考案の一実施例を、図面を参照しな
がら説明する。筐体１は、下面を開放してベース体10上
に固定されており、この筐体１内の中央に、照射口を下
方に向けて断面放物線状の鏡面を有する略半筒形状をし
た反射鏡２が、その前後に位置した下端縁（図２参照）
でネジ止めにより固定されている。

【００１６】また、筐体１の頂壁下面の左右両端部には
絶縁碍子である固定具６がネジ止めにより固定されてお
り、この両固定具６の下端に、短冊平板体をＬ字状に屈
曲させた導電弾性材製の支持具７が、その屈曲先端部を
垂下状にして固定具６と一体的にネジ止めにより固定さ
れており、左右方向に沿って対向した両支持具７の下端
部は、両支持具７の間に位置している反射鏡２の焦点軸
心の延長上に位置している。

【００１７】この両支持具７の下端部間には、透明なジ
ャケット管内に発光管を挿入組付けして、この発光管の
周囲に冷却液体通路を形成した本体４の両端に、発光管
とジャケット管とを一定に組付け保持する導電材製の接
続管片５を組付けて構成されたアーク放電管３が、その
中心軸心を反射鏡２の焦点軸心に一致させて、両接続管
片５により架設状に締付け固定されている。

【００１８】このアーク放電管３において、本体４を構
成する発光管の両電極は、それぞれが対向する接続管片
５に電気的に接続されており、このため両支持具７間に
架設状に組付けられた状態で、アーク放電管３の両電極
は、それぞれが対向する支持具７に電気的に接続された
状態となっており、それゆえ図示のように、両支持具７
にそれぞれ電力線８を接続することにより、アーク放電
管３に対する電気的接続を達成することができることに
なり、アーク放電管３に対する電力線８の接続作業およ
び接続構成が極めて簡単なものとなっている。

【００１９】両支持具７間に接続筒片５により架設状に
取付けられたアーク放電管３の両接続管片５の先端に
は、それぞれ液冷ホース９が接続されており、一方の液
冷ホース９から供給された冷却液体がアーク放電管３内
を通って、このアーク放電管３の発光管を冷却した後、
他方の液冷ホース９から回収されるようになっている。

【００２０】なお、図示実施例では、固定具６を電気絶
縁材製の碍子とし、支持具７を導電材製とし、アーク放
電管３の接続管片５を導電材製とし、さらにアーク放電
管３の発光管の電極を接続管片５に電気的に接続するこ
とにより、アーク放電管３と電力線８との接続構成を極
めて簡単なものとしているが、アーク放電管３の発光管
の両電極を、冷却液体および他の構成部分と電気的に絶
縁した状態で引き出して、直接電力線８と接続するよう
にしても良いことは言うまでもない。

【００２１】

【考案の効果】本考案は、上記した構成であるので、以
下に示す効果を奏する。アーク放電管は、垂下状に固定
された弾性材製の支持具の垂下端間に架設状に取付けら
れているので、放電動作によりアーク放電管に発生した
衝撃は、両支持具の弾性変形による緩衝作用により吸収
され、これによりアーク放電管に放電動作に伴う衝撃が
発生したとしても、この衝撃がアーク放電管に機械的な
衝撃として作用することがなく、もって放電動作に伴う
衝撃によりアーク放電管が破損すると言う不都合の発生
を皆無とすることができ、アーク放電管の安全で安定し
た動作を得ることができる。

【００２２】放電動作に伴う加熱によりアーク放電管に
熱膨張が発生しても、この熱膨張による変位を両支持具
の弾性変形が吸収するので、アーク放電管に強力な機械
的な締付け力または引っ張り力が作用することがなく、
もって必然的に発生する熱膨張変形によるアーク放電管
の破損を確実に防止することができ、アーク放電管の安
全で安定した使用を得ることができる。

【００２１】アーク放電管を液冷としているので、アー
ク放電管の発光管を充分に冷却することができ、これに
より発光管の電極の寿命を延ばすことがてきると共に、
高い放電電圧を維持できるので、長期間にわたって安定
した放電動作を得ることができると共に、安定して充分
な紫外線を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す、筐体および反射鏡を
縦断し、中央部を図示省略した正面図。

【図２】図１に示した実施例の側面図。

【符号の説明】

１ ； 筐体 ２ ； 反射鏡 ３ ； アーク放電管 ４ ； 本体 ５ ； 接続管片 ６ ； 固定具 ７ ； 支持具 ８ ； 電力線 ９ ； 液冷ホース １０； ベース体

Claims (2)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 一面を開放した筐体(1) 内に半筒形状の
   反射鏡(2)を、前記筐体(1) の開放面側に照射口を向け
   て取付けると共に、該反射鏡(2) の焦点軸に中心軸を一
   致させてアーク放電管(3) を前記筐体(1) に固定した紫
   外線照射装置であって、前記アーク放電管(3) を、透明
   なジャケット管内に発光管を挿入組付けして、該発光管
   の周囲に冷却液体通路を形成した本体(4) の両端に、前
   記発光管とジャケット管とを一定に組付け保持すると共
   に、液冷ホース(9) との接続口を提供し、さらに前記筐
   体(1) への組付け固定部分を提供する接続管片(5) を設
   けて構成し、前記筐体(1) に固定具(6) を介して垂下状
   に固定された弾性材製平板状の一対の支持具(7) 先端間
   に、前記アーク放電管(3) を前記接続管片(5) で架設状
   に組付け固定した紫外線照射装置。
2. 【請求項２】 接続管片(5) を導電材料製とすると共
   に、該接続管片(5) に対応する本体(4) の発光管の電極
   を接続し、絶縁材料製の固定具(6) を介して筐体(1) に
   固定された支持具(7) を導電材料製とし、該支持具(7)
   に電力線(8) を接続した請求項１に記載の紫外線照射装
   置。