JP2500331C - - Google Patents
Info
- Publication number
- JP2500331C JP2500331C JP2500331C JP 2500331 C JP2500331 C JP 2500331C JP 2500331 C JP2500331 C JP 2500331C
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- cantilever
- resistance
- displacement detector
- free end
- fixed end
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
- 238000006073 displacement reaction Methods 0.000 claims description 69
- 239000004065 semiconductor Substances 0.000 claims description 13
- 239000000463 material Substances 0.000 claims description 10
- 239000012535 impurity Substances 0.000 claims description 7
- 230000000694 effects Effects 0.000 claims description 6
- 230000035945 sensitivity Effects 0.000 description 18
- 238000000034 method Methods 0.000 description 16
- 230000008859 change Effects 0.000 description 15
- 238000001514 detection method Methods 0.000 description 12
- 230000001133 acceleration Effects 0.000 description 9
- 238000005259 measurement Methods 0.000 description 9
- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 8
- 230000005641 tunneling Effects 0.000 description 6
- 238000005516 engineering process Methods 0.000 description 5
- 230000003287 optical effect Effects 0.000 description 5
- 239000000523 sample Substances 0.000 description 5
- 238000007796 conventional method Methods 0.000 description 3
- 238000012986 modification Methods 0.000 description 3
- 230000004048 modification Effects 0.000 description 3
- 238000000926 separation method Methods 0.000 description 3
- 229910052710 silicon Inorganic materials 0.000 description 3
- 239000010703 silicon Substances 0.000 description 3
- 229910052785 arsenic Inorganic materials 0.000 description 2
- RQNWIZPPADIBDY-UHFFFAOYSA-N arsenic atom Chemical compound [As] RQNWIZPPADIBDY-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 2
- 238000006243 chemical reaction Methods 0.000 description 2
- 230000005484 gravity Effects 0.000 description 2
- 230000008569 process Effects 0.000 description 2
- 238000012545 processing Methods 0.000 description 2
- 238000011160 research Methods 0.000 description 2
- 239000000126 substance Substances 0.000 description 2
- 230000003321 amplification Effects 0.000 description 1
- 230000004888 barrier function Effects 0.000 description 1
- 230000006835 compression Effects 0.000 description 1
- 238000007906 compression Methods 0.000 description 1
- 238000013461 design Methods 0.000 description 1
- 238000011161 development Methods 0.000 description 1
- 230000008030 elimination Effects 0.000 description 1
- 238000003379 elimination reaction Methods 0.000 description 1
- 230000006872 improvement Effects 0.000 description 1
- 239000011810 insulating material Substances 0.000 description 1
- 239000012212 insulator Substances 0.000 description 1
- 210000004185 liver Anatomy 0.000 description 1
- 238000005461 lubrication Methods 0.000 description 1
- 230000007246 mechanism Effects 0.000 description 1
- 238000012544 monitoring process Methods 0.000 description 1
- 230000000877 morphologic effect Effects 0.000 description 1
- 238000003199 nucleic acid amplification method Methods 0.000 description 1
- 238000005498 polishing Methods 0.000 description 1
- 230000004044 response Effects 0.000 description 1
- 230000009466 transformation Effects 0.000 description 1
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、微小な変位を高感度、高精度に検出するための微小変位検出器に関
する。 【0002】 【従来の技術】 昨今、原子力間顕微鏡の登場により、カンチレバーの自由端における微小な変
位(例えば0.1nmオーダ)を高感度に検出する必要が生じてきた。このよう
な微小変位を検出するということは、もちろん、当該微小変位を生じせしめた原
子間力(一般には10-7〜10-9N以下のオーダ)を検出することにもなるが、
現在の所、このための具体的な方法としては、以下に述べるような二つの装置な
いし手法が提案されている。 【0003】 一つは、図9に示されるようなトンネル電子顕微鏡を組合せる方法である。ま
ず同図(A)に即し、装置的な構造から説明すると、一端が固定端33となり、他
端が自由端34となったカンチレバー31があり、当該カンチレバー31の自由 端の上面近傍には、ピエゾ素子41の先端に設けた探針42が臨んでいる。この
探針42とカンチレバー自由端34の上面との間の離間距離δを1nm程度以下
とし、それらの間に適当なるバイアス電圧Vを印加すると、真空障壁を介してト
ンネル電流itが流れるようになる。そこで、このトンネル電流量を一定にする
ように、ピエゾ素子41の両端に設けた一対の電極43,43間に印加するピエ
ゾ電圧Eを制御し、ピエゾ素子41を伸縮させる。 このような手法によると、図9(B)に示されるように、原子間力等によって自
由端34がΔyだけ変位した場合、トンネル電流itを一定にするべくピエゾ電
圧Eを制御することによって、結果としてピエゾ素子41の長さもΔyだけ変化
する。したがって逆に言えば、当該物理的ないしは寸法的な変位Δyを電気量の
変化に変換して検出することができ、事実、この手法による変位検出の最大感度
は、通常のトンネル電子顕微鏡の感度に準じ、0.01nm程度の良好な値が得
られる。 【0004】 微小変位を検出する従来例のもう一つの手法としては、図10に示されるよう
な、いわゆる「光てこ」を利用するものがある。これは、ある点の物理的な変位
量を光点の動きとして幾何的に増幅し、検出するもので、装置構成としては同図
(A)に示されるようになる。一端が固定端33、他端が自由端34となったカン
チレバー31を使用する点では先の従来例と同様であるが、別途に発光源、それ
も特に指向性の良いことが望ましいので、一般にはレーザ光源50とその受光部
51を必要とする。ここで、カンチレバー31に変位が生じていない場合にレー
ザ光源50からのレーザ光がカンチレバー自由端34の上面近傍を入射角θにて
照射したとすると、当該カンチレバー自由端近傍の被照射位置における表面の平
滑性が十分高く保たれているならば、当然のことながら、反射光は入射角と同じ
角度の出射角θ方向に出射して行くので、これを受光部51の基準位置にて捕ら
えるように測定系を初期設定する。 初期設定後、同図(B)に示されるように、カンチレバー31が固定端33を支
点にして微小変位Δyしたとすると、レーザ光源50からの照射光の入射角も先
のθからわずかに変化してψとなり、鏡面反射光には2(ψ−θ)の角度変化が 起き、これに伴って受光部51にはΔxの受光位置変化が生ずる。そして、実際
の変位Δyに対するこのΔxの変化量は、カンチレバー自由端近傍の反射位置と
受光部51の受光位置との間の距離(受光距離)Lが長い程、幾何的に増幅され
たものとなる。例えば、カンチレバー31の長さ1を1mmとし、最大感度とし
て0.1nmまでの微小変位Δyを検出することを考えると、レーザ光の反射角
度変化は1.1×10-5度と見積もれるので、受光距離Lが1mあれば受光位置
の変化Δxは10-2mm程度となり、既存の光点位置検出系でも十分に高い分解
能で検出が可能な範囲に入る。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】 上記のように、トンネル電子顕微鏡との組合せを利用した従来法でも、あるい
はまた光てこを利用した従来法でも、カンチレバー先端自由端の微小変位検出に
関する感度自体については満足な値が得られていると言って良い。しかし、実用
的な装置であるか否かにつき考えると、それぞれに下記のような欠点を有してい
る。 【0006】 トンネル電子顕微鏡を利用する手法では、トンネル電流が検出可能となる位置
まで、探針を近付ける必要があるが、そのための装置は複雑で高い精度の要求さ
れるものとなり、装置全体としても大型化する外、振動に対しても弱いものとな
る。振動の除去は、この種の微小変位検出にとってその原理上、必須かつ最も重
要な測定環境条件の一つとなる。 また、この手法では、測定の都度、トンネル電流が一定になるようにカンチレ
バーと探針間の離間距離を制御せねばならないので、作業能率の向上は望めず、
操作性も極めて悪い。 【0007】 これに対して光てこを利用した手法は、トンネル電子顕微鏡を利用する方法に
も増して、装置全体が極めて大型化することが最大の問題である。図10に即し
て説明した通り、この方法により微小変位を検出しようとすると、カンチレバー
と受光器との間の離間距離はかなり大きく採らねばならない。トンネル電子顕微 鏡を利用する方法に比し、感度こそ、一桁低い0.1nm程度で満足であったに
しても、そのために必要となるカンチレバーと受光器との間の離間距離ないし受
光距離Lは、実際上、既述のように1mにもなってしまう。微小変位の幾何的な
増幅量をさらに高め、検出分解能をさらに向上しようとすると、この方法の原理
からして当然のことながら、より一層、長い受光距離を要することになる。して
みるに、このように極めて大きな装置系の全体を除振することは、殆ど至難の技
である。 また、この光てこを利用する方法では、レーザ光の照射を受けるカンチレバー
表面での散乱ないし乱反射が無視し得ない。測定上満足な範囲にまで当該カンチ
レバー表面の鏡面化を果たすには、かなり進んではいる既存の研磨技術をしても
なお、極めて高い加工精度を要する。 【0008】 さらに、これらいずれの従来法も、共に装置系全体の除振が困難であることの
外、超高真空装置や極低温装置との複合的な利用も難しい欠点がある。超高真空
環境内で行われる微細加工(特に半導体プロセスにおいて)や極低温環境下での
各種の現象に基づく微小変位量の観測は、将来的に見ても益々もって様々な技術
分野から要求されてくるに違いないが、これに応え得ないということは大変な損
失である。 本発明は、上記のような実情に鑑み、新たなる原理に従い、上記従来例の持っ
ていた欠点を全て解消し得る、簡易かつ高精度な微小変位検出器を提供せんとす
るものである。 【0009】 【課題を解決するための手段】 本発明は、上記目的を達成するため、固定端と先端との間に長さを持ち、固定
端を支点として先端が微小変位できる真性またはほぼ真性半導体材料製のカンチ
レバーであって、当該先端がカンチレバーに力が印加された瞬間に実質的な固定
端となることなく、当該力の印加に伴い変位可能な動的自由端となっているカン
チレバーと、このカンチレバーに対する不純物のドーピングにより設けられ、カ
ンチレバーの一面上において固定端から自由端に向けて伸びるストリップ状パタ ン部分を有し、カンチレバーの微小変位に伴う応力に応じピエゾ抵抗効果によっ
て抵抗値の変化する抵抗線路とを有して成る微小変位検出器を提案する。本発明
で用いる真性またはほぼ真性に近い半導体は、周知のようにその比抵抗が極めて
高く、ほぼ絶縁体として取扱うことができる。 また、上記のように、そしてまた後述の本発明各実施例中からも明らかなよう
に、本発明で用いるカンチレバーの先端は、力の印加に伴い変位可能な動的自由
端となっていることが必要で、逆に言えば、一見すると自由端に見えても、力を
受けた瞬間には固定端と看做せるものであってはならない。 例えば、本発明の対象とする微小変位検出器ではなく、従前の加速度検出をの
み対象としたセンサ装置等では、カンチレバーの先端が機械的には何処にも固定
されておらず、一見すると自由端になっているようには見えても、そこには意図
的に重りが付され、力を受けた瞬間には慣性の法則に従い、当該先端が実質的に
固定端として作用する構造になっているものがある。しかし本発明では、このよ
うな構造を含まない。 さらに言うなら、そのような従前の構造は、少なくとも動的には片持ち梁では
なく、実質的に両持ち梁構造であるので、動的な観点から厳密に言うと、カンチ
レバーと言う語も正しくない。 【0010】 【実施例】 図1(A)には、本発明に従って構成された微小変位検出器の基本的な一実施例
の要部が示されている。まず、一端は適当なる支持部材9によって安定かつ堅固
に支持された固定端3となっているが、他端は変位できる自由端4となったカン
チレバー(片持ち梁)1があり、材質は実質的に絶縁体とみなせる真性またはほ
ぼ真性の半導体である。図示の場合、このカンチレバー1は長さが1、幅がb、
厚みがhの直方体棒状形状となっている。もっとも、厚みhは実際上、極めて薄
く作成されるので、長方形の板状といった方がむしろ適当である。しかるに、長
さ1と幅bとで規定されるこのカンチレバー1の表裏両主面の中、一面(例えば
図示されている面を表面とするなら当該表面)5上には、当該カンチレバー1を
構成する半導体材料に対する不純物の導入によって形成された抵抗線路2が設け られている。そして特に、図示実施例の場合には、当該抵抗線路2は、カンチレ
バー1の固定端側と自由端側との間に伸びる互いに平行な一対のストリップ状パ
タン部分21,21と、それら一対のストリップ状パタン部分の長さ方向両端部
の中、一端部相互(図示の場合はカンチレバー自由端側の端部相互)を電気的に
接続する折返し状パタン部分22とから成っている。これにより、抵抗線路2は
この場合、全体としてヘアピン形状をなしており、カンチレバー1の固定端側に
あって当該ヘアピンの開いた一対の端部相互の間、すなわち図示実施例において
はそれぞれに電極8,8が付されている端部間に所要の電気抵抗値を得ることが
できる。 そして、この抵抗線路2が、文字通り通常の意味で電気抵抗を有する限り、こ
れにはピエゾ抵抗効果が見込まれる。というよりも、後述の微小変位検出メカニ
ズムにより、検出可能な範囲内の抵抗値変化を起こし得る変化率を呈する材料な
いし物質により形成された線路2を本発明では抵抗線路2と呼び、これに対して
ピエゾ抵抗効果が認められないか、あっても抵抗線路2のそれに比し、無視可能
な範囲となる材料または物質の持つ電気的性質を絶縁性と呼ぶ。したがって、カ
ンチレバー1の材質である真性またはそれに近い半導体等も本発明の用途では絶
縁性物質と呼ぶことができる。 【0011】 カンチレバー1の一面上に対し、抵抗線路2を形成する具体的手法の如何につ
いては後述するが、図1(A)に示されているような構成の本発明微小変位検出器
では、同図(B)に横から見た状態が示されているように、それまで平らに伸びて
いたカンチレバー1の自由端4に対し、例えば下から上に向けて何らかの力Fが
加わると、カンチレバー1の表面5には圧縮応力が、裏面6には引っ張り応力が
働く。この応力は、この実施例でカンチレバー1の表面5上に形成されている抵
抗線路2の両端間の抵抗値を変化させる。 したがって、当該抵抗線路2の両端に設けた電極8,8を適当なる電気的信号
線路を介して適当なる測定系(図示せず)に導き、この微小な抵抗値変化を捕ら
えれば、印加された力Fによってカンチレバー1の自由端4に生じた微小な変位
Δyを電気量に変換して検出することができ、ひいては印加された力Fの大きさ を知ることができる。もちろん、変位Δyの方向ないしは力Fの方向も検知でき
る。上記と異なり、印加される力Fが上から下に向けてのものである場合には、
抵抗線路2に加わる応力も圧縮応力から引っ張り応力に変わるので、抵抗値の変
化の方向も変わるからである。 【0012】 こうした原理による本発明微小変位検出器の実用性を実証するため、具体的な
作成例につき検討してみる。 本発明ではカンチレバー1が真性またはほぼ真性の半導体製であるので、既存
の半導体加工プロセスを利用し、その表面上に所定のパタンに従っての不純物導
入を図ることで、図1(A)に示されるような平面形状の抵抗線路2を比較的簡単
に作り込むことができる。カンチレバー1の構造物半導体がシリコンであるなら
ば、抵抗線路2は砒素の導入により導電型がn型の半導体線路として形成するこ
とができる。実際、長さ1が200μm、幅bが20μm、厚さhが2μmの真
性シリコン製カンチレバー1の表面5に対し、砒素のドープ量を1019/cmと
して、それぞれの長さはカンチレバーの長さとほぼ同じ約200μmであるが、
各々の線幅が5μm、深さ1μmのストリップ状パタン部分21,21を有する
抵抗線路2(したがって、折返しパタン部分22の長さを無視すると抵抗線路2
としての全長はほぼ400μm)を形成したものでは、当該シリコンのヤング率
が11.26×1010N/m2(出典:AIP Handbook 3rd ed..McGRAW-HILL)であ
るので、カンチレバー自由端4が例えば0.18nm変位したとすると、抵抗線
路2の設けられているカンチレバー表面にて受ける横方向の圧縮歪みは−10-8
程度となる。一方、歪みに対する感度は[100]方向に−133(出典1:C.
S.Smith,Phys.Rev.94,(1954)42;出典2:「センサ基礎技術に関する調査研
究報告書1」,日本電子工業振興協会,1985年)と報告されているので、その時
の抵抗線路2の抵抗変化率は10-6程度となる。 したがって、定常状態下で計った抵抗線路2の抵抗値は、上記条件により作成
された場合、1KΩ程度となるので、上記の圧縮歪みを受けたことによる抵抗値
の変化分も1mΩ程度は得られ、これは既存の電気的測定系をして十分に検出し
得る範囲となる。換言すれば本発明の微小変位検出器は、サブナノメータのオー ダの微小変位に関し、十分なる検出能力を有することになる。なお、上記条件で
のカンチレバー1の共振周波数はほぼ36KHzと計算できる。 【0013】 また、微小変位の検出感度は、カンチレバー1の幾何的サイズ、材質の如何に
よって異なってくるが、一般的に言うと、許される限りカンチレバー1の長さを
長くし、幅を短く、厚さを薄くする程、感度は向上する。もちろん、抵抗線路2
を形成するために用いた不純物の如何によっても、ひいては当該抵抗線路2の導
電率の如何によっても感度を向上するか、ないしは調整することができる。 【0014】 もちろん、上記において微小な変位を検出できるという事実は、当該微小変位
を生起させた力Fの大きさを測定できることをも意味する。例えば上記の具体例
の場合、バネ定数は0.56N/mであるので、既述したように、微小変位Δy
が0.18nmと検出された場合には、このときに加わっている力Fの大きさは
10-10Nであることが分かる。したがって本発明の微小変位検出器は、この程
度のオーダの微小な力Fを検出する能力を持つことができる。 【0015】 なお、力Fを検出する部位ないし変位Δyの生ずる部位が、カンチレバー1の
自由端4ではなく、固定端3から自由端4に向かう長さ方向途中の部位に限定さ
れることが分かっている場合には、その点近傍で抵抗線路2を折り返しておくこ
とで当該力Fないし変位Δyを検出可能であるし、そのことにより感度を高める
こともできる。その場合でも、本発明の趣旨に従い、当該自由端は動的な意味で
も自由端でなければならず、意図的に固定端とするような重りが付されていては
ならない。 【0016】 本発明の微小変位検出器はまた、加速度の検出もなすことができる。例えば図
1に示される検出系に対し、地震等によって急激な加速度が掛かったとする。こ
こで、加速を生じさせる振動周波数が本測定系の共振周波数(上記で挙げた具体
例の場合には既述の通り36KHz)に比して十分に大きく、かつ、加速に対す
る抵抗力が速度に比例し、この比例係数自体が加速が掛かる周期に対して十分に 大きいとすると、この時には図2に示されるように、カンチレバー1の重心Gは
空間に静止する。そして、この重心Gを中心とし、カンチレバー1の自由端4の
側はΔy1だけ変位し、固定端3の側はΔy2だけ変位する。これらの両変位にと
もない、抵抗線路2の抵抗値は変化することになるが、自由端側の変位Δy1と
固定端側の変位Δy2との関係は予測可能であるから、実際に突然の加速αによ
り変位したΔy2も換算により検出可能である。さらに、重心Gの所で抵抗線路
2を折り返しておけば、先に述べた理屈により、自由端側の変位Δy1の影響を
受けることなく、加速に伴う変位Δy2のみ、ひいては当該加速度をのみ、検出
することができる。ただしここでも、図示のように、カンチレバーの先端は本発
明の趣旨に従い、動的自由端となっていなければならない。また、そうなってい
るからこそ、上記の条件下で図2に示すように、カンチレバー長さ途中の重心G
が静止するのである。 【0017】 以下では、上記した本発明微小変位検出器の基本的な一実施例に対する構造的
な改変例や抵抗線路パタン形状に関する改変例等々、種々の改変例につき説明す
る。図1に示される本発明実施例においては、カンチレバー1の表面5上に形成
される抵抗線路2はヘアピン状のものであったが、図3に示されるように、全体
としては蛇行形状のパタンとすることもできる。 すなわち、図3に示される実施例の場合、カンチレバー1の固定端3と自由端
4との間に伸びる互いに平行なストリップ状パタン部分21,・・・・・は全部で六本
あり、それらが順に、隣接するもの同志、交互に固定端側と自由端側とで折返し
状パタン部分22,・・・・・により電気的に接続されたものとなっている。このよう
にすると、当然のことながら、抵抗線路2の一対の両端電極8,8間における抵
抗値が高くなるのみならず、微小変位に伴う応力による抵抗値の変化分も大きく
なるので、感度の向上を生むことができる。この場合、蛇行の回数は任意設計的
に定めることができる。つまり、一般にnを3以上の数として、全部でn本の互
いに平行なストリップ状パタン部分21,・・・・・がある場合、これらを交互に対向
端部相互で連結しながら、全体として蛇行形状の抵抗線路2を形成する時、必要
な折返し状パタン部分の数はn−1個となるが、当該nの値に原理上の制約はな い。実際の製品として同一のカンチレバー一面上に作り込め得る範囲であれば良
い。 【0018】 当然、上記のnの値が大きくなる程、微小変位検出感度は向上することになる
が、上記を逆に考えると、感度上の問題が生じない場合には、本発明の微小変位
検出器として最も基本的な抵抗線路形状は、図1(A)に示されているヘアピン形
状よりもさらに単純になり、例えば単なる一本のストリップ状パタン部分21の
みからなる形状であって良いことも分かる。 この場合、図1(A)や図3においては、当該抵抗線路2の両端に設けられる電
極8,8は共にカンチレバー1の固定端側、特に支持部材9の表面上に形成され
ていたが、これに代えて、その中の一つは自由端側に形成されることになる。し
かし、そうであっても問題はない。カンチレバーの自由端側に設けられた電極に
対し、測定系への有線配線をすることも既存の微細配線技術をして簡単に行える
し、そうではなく、例えばこの電極に対して接触はしないが極めて近接する探針
状の電極を設け、トンネル電流の存在を介して当該抵抗線路への電気的接続を図
ることもできる。 したがってまた、一対の電極8,8が共にカンチレバー1の長さ方向の一端側
に揃う場合にあっても、既述の実施例のように、何もカンチレバー1の固定端3
の側にて揃えねばらない必要もなく、要すれば自由端4の側にて揃えるようにし
ても良い。例えば図1(A)に示されるヘアピン形状や、図3に示される蛇行形状
が図示の方向とは逆向きになっていても良いということである。さらに、上記を
総合的に考えれば、図3に示される蛇行形状を採るにしても、並設されているス
トリップ状パタン部分21,・・・・・の数nが奇数であるがため、一方の電極8は少
なくともカンチレバーの自由端側に形成しなければならないような場合にも、そ
れで差し支えないということである。第一、このような電極8,8自体、説明的
なものであり、実際に例えばドット状パタンとしてこれを形成して良いことはも
ちろんではあるが、いわゆる既存のプリント基板配線技術に見られるように、支
持部材9上に形成された連続線路パタン部分(図示せず)を介し、抵抗線路両端
の測定系への連絡が図られていても良い。 【0019】 なお、上記においてストリップ状パタン部分と述べた部分に関しても、それは
大略的に見ると長さ方向に伸びていれば良いという程度の意味であって、細幅で
まっすぐな線路パタンにのみ限定されるものではない。途中でうねっていたり、
あるいは太い部分と細い部分とが交互になっている等しても良い。特に変位部位
が予想できる場合にあって、その部位に関し適当なる基準抵抗値を設定すること
により、抵抗線路全長としての変位に対する抵抗値の変化度合いを所望の値に設
定したいようなときには、このような幾何的かつ部分的なパタン形状の変更も有
効である(同様の目的はまた、既述した不純物導入による場合、局所的なドープ
量の変化によっても満たすことができる)。当然、折返しパタン部分22に関し
ても同様で、任意適当なる線路パタン形状であって良い。 【0020】 さらに、カンチレバー1に対して設けられる抵抗線路2は複数個であっても良
い。例えば図4に示されるように、二本のヘアピン状抵抗線路2,2がカンチレ
バー1の表面5上に並設されている等しても良い。この場合にも、並設数は任意
であるし、個々の抵抗線路2,2の全体形状もそれぞれ任意であり、必ずしも同
じ形状である必要はない。蛇行回数が異なったり、少なくとも一つの抵抗線路2
は単なるストリップ状パタン部分だけで形成されていたりしても良い。そして、
それぞれに独立な抵抗線路は、電気的にも各々独立に使用されて良い外、外部の
配線により、用途ないしは目的に応じ、互いに直列接続されたり、並列接続され
て使用されても良い。直列接続は感度向上のため、並列接続は抵抗線路2の電流
容量増強のためと考えるのが一般的であるが、他の特殊な応用を妨げるものでは
ない。場合により、変位に重畳するノイズ成分の除去のため、各抵抗線路2の全
体パタンやその方向に工夫することにより、そのような直列接続ないし並列接続
が有効に作用することもある。 【0021】 一つのカンチレバー1に対し、複数個の抵抗線路を設けるにしても、図5(A)
にカンチレバー1の表面5側から見た斜視図を、また図5(B)に裏面6側から見
た斜視図をそれぞれ示すように、カンチレバー1の表裏面のそれぞれに互いに独 立な抵抗線路2,2を設けて、これらを独立に使用しても良い。図5は図1(A)
に示されていると同様のヘアピン状パタンを持つ抵抗線路をカンチレバー1の表
裏面に一つづつ形成した実施例であるが、既述の通り、カンチレバーの表面5の
側でも裏面6の側でも、それぞれに形成される抵抗線路2の数や各々の全体形状
は任意である。また、原則として、これら複数の抵抗線路は独立に使用されるこ
との外、すでに説明したように、目的に応じ、互いに直列ないしは並列接続して
用いられても良い。ただし、同一の二次元平面パタンであってカンチレバー表裏
面に振り分けて形成されている抵抗線路同志を接続すると、変位に対して抵抗値
の変化方向が逆方向になり、かつ絶対値においては同程度となって打ち消しあっ
てしまう場合もある。当然、こうなってしまうような使用は考えられない。 【0022】 カンチレバー1の二次元的、三次元的形状についても、原則として大きな制約
はない。例えば図6に示されるように、固定端側から自由端側に行く程、厚みが
薄くなった楔形状等であっても良いし、図示されていないが、先端に行く程幅の
狭くなった先細り形状等であって良い外、固定端と自由端という概念があれば、
殆ど任意の平面形状、断面形状を許容することができる(ただし、微小変位検出
感度に関しては、薄く細く、そして長い形状のもの程優れていること、既述の通
り)。また、図7に示されるように、カンチレバー1の平面的な外形輪郭こそ三
角形状ではあるが、中抜きの枠状になっているようなものでも良い。このような
場合には、実質的に固定端3が二ケ所になっていると見ることもできる。 【0023】 これから推して、固定端の数は何ケ所であっても良い。例えば面内で直交する
二点に固定端があり、ここからそれぞれ適当なる距離の点に自由端があるような
形状のカンチレバーを考えると、こうしたカンチレバーは面内の直交する二方向
に沿っての変位が可能となるので、抵抗線路2を少なくとも二つ用い、これらが
直交するように図れば、それぞれの抵抗値変化を監視することにより、そうした
面内二方向に関する微小変位の検出が可能となり、ひいては全方向に関する微小
変位の検出が可能となる。 もちろん、図8に示されるように、例えばカンチレバー1の裏面6にチップ状 の突起10等を設け、変位する物体に対してこの突起10を接触させ、当該変位
を測定し易いようにする等の工夫も自由である。 【0024】 構造上、形態上の観点からしてさらに言うなら、本発明で言うカンチレバーの
自由端4とは、意図的に安定かつ堅固に固定の図られている固定端3に対しての
比較において、あるいはまた重りが付されることで動的に固定端とされているも
のとの比較において、力の印加の瞬間に実質的な固定端となることなく、当該力
の印加に伴い意図的に変位が許容できるように構成されている端部を指す。した
がって、仮に自由端4が脆弱な部材により、何等かの固定部分に機械的に接続さ
れているような場合、つまり、ちょっと見には両持ち梁のような形状をしていて
も、実際には力の印加に伴い動的自由端としての変位が許容されるように仕組ま
れているものであれば、そのような構造体は実質的に本発明で言うカンチレバー
構成を満たしているものと看做す。これが上記で述べたように、二次元方向の変
位検出に展開される場合には、見た目にはいわゆるダイアフラム形状のカンチレ
バーとなることも考えられる。 【0025】 【発明の効果】 本発明の微小変位検出器は、カンチレバーと、これに形成された抵抗線路とだ
けで最も基本的な微小変位検出系が構成されており、これ以上削ることができな
い程に簡単な構成である点で、まずもって既述した従来例に比し、著しく優れて
いる。当然、装置構成も小型化でき、除振も容易になる。 そして、カンチレバーは真性半導体またはほぼ真性の半導体で作られ、抵抗線
路はこれに対する不純物のドーピングにより作られているので、得るべき検出器
に必要なそれぞれの特性に応じ、任意所望のパタンの抵抗線路を極めて高い寸法
精度で比較的簡単に作ることができる。 さらに、検出感度も満足なものが得られ、簡単な構成であるが故に結局は電気
量への変換精度も向上することができる。 また、原則として、超高真空環境下や、極低温環境下での使用も可能であるた
め、将来的に見ても広い応用分野が期待できる。
する。 【0002】 【従来の技術】 昨今、原子力間顕微鏡の登場により、カンチレバーの自由端における微小な変
位(例えば0.1nmオーダ)を高感度に検出する必要が生じてきた。このよう
な微小変位を検出するということは、もちろん、当該微小変位を生じせしめた原
子間力(一般には10-7〜10-9N以下のオーダ)を検出することにもなるが、
現在の所、このための具体的な方法としては、以下に述べるような二つの装置な
いし手法が提案されている。 【0003】 一つは、図9に示されるようなトンネル電子顕微鏡を組合せる方法である。ま
ず同図(A)に即し、装置的な構造から説明すると、一端が固定端33となり、他
端が自由端34となったカンチレバー31があり、当該カンチレバー31の自由 端の上面近傍には、ピエゾ素子41の先端に設けた探針42が臨んでいる。この
探針42とカンチレバー自由端34の上面との間の離間距離δを1nm程度以下
とし、それらの間に適当なるバイアス電圧Vを印加すると、真空障壁を介してト
ンネル電流itが流れるようになる。そこで、このトンネル電流量を一定にする
ように、ピエゾ素子41の両端に設けた一対の電極43,43間に印加するピエ
ゾ電圧Eを制御し、ピエゾ素子41を伸縮させる。 このような手法によると、図9(B)に示されるように、原子間力等によって自
由端34がΔyだけ変位した場合、トンネル電流itを一定にするべくピエゾ電
圧Eを制御することによって、結果としてピエゾ素子41の長さもΔyだけ変化
する。したがって逆に言えば、当該物理的ないしは寸法的な変位Δyを電気量の
変化に変換して検出することができ、事実、この手法による変位検出の最大感度
は、通常のトンネル電子顕微鏡の感度に準じ、0.01nm程度の良好な値が得
られる。 【0004】 微小変位を検出する従来例のもう一つの手法としては、図10に示されるよう
な、いわゆる「光てこ」を利用するものがある。これは、ある点の物理的な変位
量を光点の動きとして幾何的に増幅し、検出するもので、装置構成としては同図
(A)に示されるようになる。一端が固定端33、他端が自由端34となったカン
チレバー31を使用する点では先の従来例と同様であるが、別途に発光源、それ
も特に指向性の良いことが望ましいので、一般にはレーザ光源50とその受光部
51を必要とする。ここで、カンチレバー31に変位が生じていない場合にレー
ザ光源50からのレーザ光がカンチレバー自由端34の上面近傍を入射角θにて
照射したとすると、当該カンチレバー自由端近傍の被照射位置における表面の平
滑性が十分高く保たれているならば、当然のことながら、反射光は入射角と同じ
角度の出射角θ方向に出射して行くので、これを受光部51の基準位置にて捕ら
えるように測定系を初期設定する。 初期設定後、同図(B)に示されるように、カンチレバー31が固定端33を支
点にして微小変位Δyしたとすると、レーザ光源50からの照射光の入射角も先
のθからわずかに変化してψとなり、鏡面反射光には2(ψ−θ)の角度変化が 起き、これに伴って受光部51にはΔxの受光位置変化が生ずる。そして、実際
の変位Δyに対するこのΔxの変化量は、カンチレバー自由端近傍の反射位置と
受光部51の受光位置との間の距離(受光距離)Lが長い程、幾何的に増幅され
たものとなる。例えば、カンチレバー31の長さ1を1mmとし、最大感度とし
て0.1nmまでの微小変位Δyを検出することを考えると、レーザ光の反射角
度変化は1.1×10-5度と見積もれるので、受光距離Lが1mあれば受光位置
の変化Δxは10-2mm程度となり、既存の光点位置検出系でも十分に高い分解
能で検出が可能な範囲に入る。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】 上記のように、トンネル電子顕微鏡との組合せを利用した従来法でも、あるい
はまた光てこを利用した従来法でも、カンチレバー先端自由端の微小変位検出に
関する感度自体については満足な値が得られていると言って良い。しかし、実用
的な装置であるか否かにつき考えると、それぞれに下記のような欠点を有してい
る。 【0006】 トンネル電子顕微鏡を利用する手法では、トンネル電流が検出可能となる位置
まで、探針を近付ける必要があるが、そのための装置は複雑で高い精度の要求さ
れるものとなり、装置全体としても大型化する外、振動に対しても弱いものとな
る。振動の除去は、この種の微小変位検出にとってその原理上、必須かつ最も重
要な測定環境条件の一つとなる。 また、この手法では、測定の都度、トンネル電流が一定になるようにカンチレ
バーと探針間の離間距離を制御せねばならないので、作業能率の向上は望めず、
操作性も極めて悪い。 【0007】 これに対して光てこを利用した手法は、トンネル電子顕微鏡を利用する方法に
も増して、装置全体が極めて大型化することが最大の問題である。図10に即し
て説明した通り、この方法により微小変位を検出しようとすると、カンチレバー
と受光器との間の離間距離はかなり大きく採らねばならない。トンネル電子顕微 鏡を利用する方法に比し、感度こそ、一桁低い0.1nm程度で満足であったに
しても、そのために必要となるカンチレバーと受光器との間の離間距離ないし受
光距離Lは、実際上、既述のように1mにもなってしまう。微小変位の幾何的な
増幅量をさらに高め、検出分解能をさらに向上しようとすると、この方法の原理
からして当然のことながら、より一層、長い受光距離を要することになる。して
みるに、このように極めて大きな装置系の全体を除振することは、殆ど至難の技
である。 また、この光てこを利用する方法では、レーザ光の照射を受けるカンチレバー
表面での散乱ないし乱反射が無視し得ない。測定上満足な範囲にまで当該カンチ
レバー表面の鏡面化を果たすには、かなり進んではいる既存の研磨技術をしても
なお、極めて高い加工精度を要する。 【0008】 さらに、これらいずれの従来法も、共に装置系全体の除振が困難であることの
外、超高真空装置や極低温装置との複合的な利用も難しい欠点がある。超高真空
環境内で行われる微細加工(特に半導体プロセスにおいて)や極低温環境下での
各種の現象に基づく微小変位量の観測は、将来的に見ても益々もって様々な技術
分野から要求されてくるに違いないが、これに応え得ないということは大変な損
失である。 本発明は、上記のような実情に鑑み、新たなる原理に従い、上記従来例の持っ
ていた欠点を全て解消し得る、簡易かつ高精度な微小変位検出器を提供せんとす
るものである。 【0009】 【課題を解決するための手段】 本発明は、上記目的を達成するため、固定端と先端との間に長さを持ち、固定
端を支点として先端が微小変位できる真性またはほぼ真性半導体材料製のカンチ
レバーであって、当該先端がカンチレバーに力が印加された瞬間に実質的な固定
端となることなく、当該力の印加に伴い変位可能な動的自由端となっているカン
チレバーと、このカンチレバーに対する不純物のドーピングにより設けられ、カ
ンチレバーの一面上において固定端から自由端に向けて伸びるストリップ状パタ ン部分を有し、カンチレバーの微小変位に伴う応力に応じピエゾ抵抗効果によっ
て抵抗値の変化する抵抗線路とを有して成る微小変位検出器を提案する。本発明
で用いる真性またはほぼ真性に近い半導体は、周知のようにその比抵抗が極めて
高く、ほぼ絶縁体として取扱うことができる。 また、上記のように、そしてまた後述の本発明各実施例中からも明らかなよう
に、本発明で用いるカンチレバーの先端は、力の印加に伴い変位可能な動的自由
端となっていることが必要で、逆に言えば、一見すると自由端に見えても、力を
受けた瞬間には固定端と看做せるものであってはならない。 例えば、本発明の対象とする微小変位検出器ではなく、従前の加速度検出をの
み対象としたセンサ装置等では、カンチレバーの先端が機械的には何処にも固定
されておらず、一見すると自由端になっているようには見えても、そこには意図
的に重りが付され、力を受けた瞬間には慣性の法則に従い、当該先端が実質的に
固定端として作用する構造になっているものがある。しかし本発明では、このよ
うな構造を含まない。 さらに言うなら、そのような従前の構造は、少なくとも動的には片持ち梁では
なく、実質的に両持ち梁構造であるので、動的な観点から厳密に言うと、カンチ
レバーと言う語も正しくない。 【0010】 【実施例】 図1(A)には、本発明に従って構成された微小変位検出器の基本的な一実施例
の要部が示されている。まず、一端は適当なる支持部材9によって安定かつ堅固
に支持された固定端3となっているが、他端は変位できる自由端4となったカン
チレバー(片持ち梁)1があり、材質は実質的に絶縁体とみなせる真性またはほ
ぼ真性の半導体である。図示の場合、このカンチレバー1は長さが1、幅がb、
厚みがhの直方体棒状形状となっている。もっとも、厚みhは実際上、極めて薄
く作成されるので、長方形の板状といった方がむしろ適当である。しかるに、長
さ1と幅bとで規定されるこのカンチレバー1の表裏両主面の中、一面(例えば
図示されている面を表面とするなら当該表面)5上には、当該カンチレバー1を
構成する半導体材料に対する不純物の導入によって形成された抵抗線路2が設け られている。そして特に、図示実施例の場合には、当該抵抗線路2は、カンチレ
バー1の固定端側と自由端側との間に伸びる互いに平行な一対のストリップ状パ
タン部分21,21と、それら一対のストリップ状パタン部分の長さ方向両端部
の中、一端部相互(図示の場合はカンチレバー自由端側の端部相互)を電気的に
接続する折返し状パタン部分22とから成っている。これにより、抵抗線路2は
この場合、全体としてヘアピン形状をなしており、カンチレバー1の固定端側に
あって当該ヘアピンの開いた一対の端部相互の間、すなわち図示実施例において
はそれぞれに電極8,8が付されている端部間に所要の電気抵抗値を得ることが
できる。 そして、この抵抗線路2が、文字通り通常の意味で電気抵抗を有する限り、こ
れにはピエゾ抵抗効果が見込まれる。というよりも、後述の微小変位検出メカニ
ズムにより、検出可能な範囲内の抵抗値変化を起こし得る変化率を呈する材料な
いし物質により形成された線路2を本発明では抵抗線路2と呼び、これに対して
ピエゾ抵抗効果が認められないか、あっても抵抗線路2のそれに比し、無視可能
な範囲となる材料または物質の持つ電気的性質を絶縁性と呼ぶ。したがって、カ
ンチレバー1の材質である真性またはそれに近い半導体等も本発明の用途では絶
縁性物質と呼ぶことができる。 【0011】 カンチレバー1の一面上に対し、抵抗線路2を形成する具体的手法の如何につ
いては後述するが、図1(A)に示されているような構成の本発明微小変位検出器
では、同図(B)に横から見た状態が示されているように、それまで平らに伸びて
いたカンチレバー1の自由端4に対し、例えば下から上に向けて何らかの力Fが
加わると、カンチレバー1の表面5には圧縮応力が、裏面6には引っ張り応力が
働く。この応力は、この実施例でカンチレバー1の表面5上に形成されている抵
抗線路2の両端間の抵抗値を変化させる。 したがって、当該抵抗線路2の両端に設けた電極8,8を適当なる電気的信号
線路を介して適当なる測定系(図示せず)に導き、この微小な抵抗値変化を捕ら
えれば、印加された力Fによってカンチレバー1の自由端4に生じた微小な変位
Δyを電気量に変換して検出することができ、ひいては印加された力Fの大きさ を知ることができる。もちろん、変位Δyの方向ないしは力Fの方向も検知でき
る。上記と異なり、印加される力Fが上から下に向けてのものである場合には、
抵抗線路2に加わる応力も圧縮応力から引っ張り応力に変わるので、抵抗値の変
化の方向も変わるからである。 【0012】 こうした原理による本発明微小変位検出器の実用性を実証するため、具体的な
作成例につき検討してみる。 本発明ではカンチレバー1が真性またはほぼ真性の半導体製であるので、既存
の半導体加工プロセスを利用し、その表面上に所定のパタンに従っての不純物導
入を図ることで、図1(A)に示されるような平面形状の抵抗線路2を比較的簡単
に作り込むことができる。カンチレバー1の構造物半導体がシリコンであるなら
ば、抵抗線路2は砒素の導入により導電型がn型の半導体線路として形成するこ
とができる。実際、長さ1が200μm、幅bが20μm、厚さhが2μmの真
性シリコン製カンチレバー1の表面5に対し、砒素のドープ量を1019/cmと
して、それぞれの長さはカンチレバーの長さとほぼ同じ約200μmであるが、
各々の線幅が5μm、深さ1μmのストリップ状パタン部分21,21を有する
抵抗線路2(したがって、折返しパタン部分22の長さを無視すると抵抗線路2
としての全長はほぼ400μm)を形成したものでは、当該シリコンのヤング率
が11.26×1010N/m2(出典:AIP Handbook 3rd ed..McGRAW-HILL)であ
るので、カンチレバー自由端4が例えば0.18nm変位したとすると、抵抗線
路2の設けられているカンチレバー表面にて受ける横方向の圧縮歪みは−10-8
程度となる。一方、歪みに対する感度は[100]方向に−133(出典1:C.
S.Smith,Phys.Rev.94,(1954)42;出典2:「センサ基礎技術に関する調査研
究報告書1」,日本電子工業振興協会,1985年)と報告されているので、その時
の抵抗線路2の抵抗変化率は10-6程度となる。 したがって、定常状態下で計った抵抗線路2の抵抗値は、上記条件により作成
された場合、1KΩ程度となるので、上記の圧縮歪みを受けたことによる抵抗値
の変化分も1mΩ程度は得られ、これは既存の電気的測定系をして十分に検出し
得る範囲となる。換言すれば本発明の微小変位検出器は、サブナノメータのオー ダの微小変位に関し、十分なる検出能力を有することになる。なお、上記条件で
のカンチレバー1の共振周波数はほぼ36KHzと計算できる。 【0013】 また、微小変位の検出感度は、カンチレバー1の幾何的サイズ、材質の如何に
よって異なってくるが、一般的に言うと、許される限りカンチレバー1の長さを
長くし、幅を短く、厚さを薄くする程、感度は向上する。もちろん、抵抗線路2
を形成するために用いた不純物の如何によっても、ひいては当該抵抗線路2の導
電率の如何によっても感度を向上するか、ないしは調整することができる。 【0014】 もちろん、上記において微小な変位を検出できるという事実は、当該微小変位
を生起させた力Fの大きさを測定できることをも意味する。例えば上記の具体例
の場合、バネ定数は0.56N/mであるので、既述したように、微小変位Δy
が0.18nmと検出された場合には、このときに加わっている力Fの大きさは
10-10Nであることが分かる。したがって本発明の微小変位検出器は、この程
度のオーダの微小な力Fを検出する能力を持つことができる。 【0015】 なお、力Fを検出する部位ないし変位Δyの生ずる部位が、カンチレバー1の
自由端4ではなく、固定端3から自由端4に向かう長さ方向途中の部位に限定さ
れることが分かっている場合には、その点近傍で抵抗線路2を折り返しておくこ
とで当該力Fないし変位Δyを検出可能であるし、そのことにより感度を高める
こともできる。その場合でも、本発明の趣旨に従い、当該自由端は動的な意味で
も自由端でなければならず、意図的に固定端とするような重りが付されていては
ならない。 【0016】 本発明の微小変位検出器はまた、加速度の検出もなすことができる。例えば図
1に示される検出系に対し、地震等によって急激な加速度が掛かったとする。こ
こで、加速を生じさせる振動周波数が本測定系の共振周波数(上記で挙げた具体
例の場合には既述の通り36KHz)に比して十分に大きく、かつ、加速に対す
る抵抗力が速度に比例し、この比例係数自体が加速が掛かる周期に対して十分に 大きいとすると、この時には図2に示されるように、カンチレバー1の重心Gは
空間に静止する。そして、この重心Gを中心とし、カンチレバー1の自由端4の
側はΔy1だけ変位し、固定端3の側はΔy2だけ変位する。これらの両変位にと
もない、抵抗線路2の抵抗値は変化することになるが、自由端側の変位Δy1と
固定端側の変位Δy2との関係は予測可能であるから、実際に突然の加速αによ
り変位したΔy2も換算により検出可能である。さらに、重心Gの所で抵抗線路
2を折り返しておけば、先に述べた理屈により、自由端側の変位Δy1の影響を
受けることなく、加速に伴う変位Δy2のみ、ひいては当該加速度をのみ、検出
することができる。ただしここでも、図示のように、カンチレバーの先端は本発
明の趣旨に従い、動的自由端となっていなければならない。また、そうなってい
るからこそ、上記の条件下で図2に示すように、カンチレバー長さ途中の重心G
が静止するのである。 【0017】 以下では、上記した本発明微小変位検出器の基本的な一実施例に対する構造的
な改変例や抵抗線路パタン形状に関する改変例等々、種々の改変例につき説明す
る。図1に示される本発明実施例においては、カンチレバー1の表面5上に形成
される抵抗線路2はヘアピン状のものであったが、図3に示されるように、全体
としては蛇行形状のパタンとすることもできる。 すなわち、図3に示される実施例の場合、カンチレバー1の固定端3と自由端
4との間に伸びる互いに平行なストリップ状パタン部分21,・・・・・は全部で六本
あり、それらが順に、隣接するもの同志、交互に固定端側と自由端側とで折返し
状パタン部分22,・・・・・により電気的に接続されたものとなっている。このよう
にすると、当然のことながら、抵抗線路2の一対の両端電極8,8間における抵
抗値が高くなるのみならず、微小変位に伴う応力による抵抗値の変化分も大きく
なるので、感度の向上を生むことができる。この場合、蛇行の回数は任意設計的
に定めることができる。つまり、一般にnを3以上の数として、全部でn本の互
いに平行なストリップ状パタン部分21,・・・・・がある場合、これらを交互に対向
端部相互で連結しながら、全体として蛇行形状の抵抗線路2を形成する時、必要
な折返し状パタン部分の数はn−1個となるが、当該nの値に原理上の制約はな い。実際の製品として同一のカンチレバー一面上に作り込め得る範囲であれば良
い。 【0018】 当然、上記のnの値が大きくなる程、微小変位検出感度は向上することになる
が、上記を逆に考えると、感度上の問題が生じない場合には、本発明の微小変位
検出器として最も基本的な抵抗線路形状は、図1(A)に示されているヘアピン形
状よりもさらに単純になり、例えば単なる一本のストリップ状パタン部分21の
みからなる形状であって良いことも分かる。 この場合、図1(A)や図3においては、当該抵抗線路2の両端に設けられる電
極8,8は共にカンチレバー1の固定端側、特に支持部材9の表面上に形成され
ていたが、これに代えて、その中の一つは自由端側に形成されることになる。し
かし、そうであっても問題はない。カンチレバーの自由端側に設けられた電極に
対し、測定系への有線配線をすることも既存の微細配線技術をして簡単に行える
し、そうではなく、例えばこの電極に対して接触はしないが極めて近接する探針
状の電極を設け、トンネル電流の存在を介して当該抵抗線路への電気的接続を図
ることもできる。 したがってまた、一対の電極8,8が共にカンチレバー1の長さ方向の一端側
に揃う場合にあっても、既述の実施例のように、何もカンチレバー1の固定端3
の側にて揃えねばらない必要もなく、要すれば自由端4の側にて揃えるようにし
ても良い。例えば図1(A)に示されるヘアピン形状や、図3に示される蛇行形状
が図示の方向とは逆向きになっていても良いということである。さらに、上記を
総合的に考えれば、図3に示される蛇行形状を採るにしても、並設されているス
トリップ状パタン部分21,・・・・・の数nが奇数であるがため、一方の電極8は少
なくともカンチレバーの自由端側に形成しなければならないような場合にも、そ
れで差し支えないということである。第一、このような電極8,8自体、説明的
なものであり、実際に例えばドット状パタンとしてこれを形成して良いことはも
ちろんではあるが、いわゆる既存のプリント基板配線技術に見られるように、支
持部材9上に形成された連続線路パタン部分(図示せず)を介し、抵抗線路両端
の測定系への連絡が図られていても良い。 【0019】 なお、上記においてストリップ状パタン部分と述べた部分に関しても、それは
大略的に見ると長さ方向に伸びていれば良いという程度の意味であって、細幅で
まっすぐな線路パタンにのみ限定されるものではない。途中でうねっていたり、
あるいは太い部分と細い部分とが交互になっている等しても良い。特に変位部位
が予想できる場合にあって、その部位に関し適当なる基準抵抗値を設定すること
により、抵抗線路全長としての変位に対する抵抗値の変化度合いを所望の値に設
定したいようなときには、このような幾何的かつ部分的なパタン形状の変更も有
効である(同様の目的はまた、既述した不純物導入による場合、局所的なドープ
量の変化によっても満たすことができる)。当然、折返しパタン部分22に関し
ても同様で、任意適当なる線路パタン形状であって良い。 【0020】 さらに、カンチレバー1に対して設けられる抵抗線路2は複数個であっても良
い。例えば図4に示されるように、二本のヘアピン状抵抗線路2,2がカンチレ
バー1の表面5上に並設されている等しても良い。この場合にも、並設数は任意
であるし、個々の抵抗線路2,2の全体形状もそれぞれ任意であり、必ずしも同
じ形状である必要はない。蛇行回数が異なったり、少なくとも一つの抵抗線路2
は単なるストリップ状パタン部分だけで形成されていたりしても良い。そして、
それぞれに独立な抵抗線路は、電気的にも各々独立に使用されて良い外、外部の
配線により、用途ないしは目的に応じ、互いに直列接続されたり、並列接続され
て使用されても良い。直列接続は感度向上のため、並列接続は抵抗線路2の電流
容量増強のためと考えるのが一般的であるが、他の特殊な応用を妨げるものでは
ない。場合により、変位に重畳するノイズ成分の除去のため、各抵抗線路2の全
体パタンやその方向に工夫することにより、そのような直列接続ないし並列接続
が有効に作用することもある。 【0021】 一つのカンチレバー1に対し、複数個の抵抗線路を設けるにしても、図5(A)
にカンチレバー1の表面5側から見た斜視図を、また図5(B)に裏面6側から見
た斜視図をそれぞれ示すように、カンチレバー1の表裏面のそれぞれに互いに独 立な抵抗線路2,2を設けて、これらを独立に使用しても良い。図5は図1(A)
に示されていると同様のヘアピン状パタンを持つ抵抗線路をカンチレバー1の表
裏面に一つづつ形成した実施例であるが、既述の通り、カンチレバーの表面5の
側でも裏面6の側でも、それぞれに形成される抵抗線路2の数や各々の全体形状
は任意である。また、原則として、これら複数の抵抗線路は独立に使用されるこ
との外、すでに説明したように、目的に応じ、互いに直列ないしは並列接続して
用いられても良い。ただし、同一の二次元平面パタンであってカンチレバー表裏
面に振り分けて形成されている抵抗線路同志を接続すると、変位に対して抵抗値
の変化方向が逆方向になり、かつ絶対値においては同程度となって打ち消しあっ
てしまう場合もある。当然、こうなってしまうような使用は考えられない。 【0022】 カンチレバー1の二次元的、三次元的形状についても、原則として大きな制約
はない。例えば図6に示されるように、固定端側から自由端側に行く程、厚みが
薄くなった楔形状等であっても良いし、図示されていないが、先端に行く程幅の
狭くなった先細り形状等であって良い外、固定端と自由端という概念があれば、
殆ど任意の平面形状、断面形状を許容することができる(ただし、微小変位検出
感度に関しては、薄く細く、そして長い形状のもの程優れていること、既述の通
り)。また、図7に示されるように、カンチレバー1の平面的な外形輪郭こそ三
角形状ではあるが、中抜きの枠状になっているようなものでも良い。このような
場合には、実質的に固定端3が二ケ所になっていると見ることもできる。 【0023】 これから推して、固定端の数は何ケ所であっても良い。例えば面内で直交する
二点に固定端があり、ここからそれぞれ適当なる距離の点に自由端があるような
形状のカンチレバーを考えると、こうしたカンチレバーは面内の直交する二方向
に沿っての変位が可能となるので、抵抗線路2を少なくとも二つ用い、これらが
直交するように図れば、それぞれの抵抗値変化を監視することにより、そうした
面内二方向に関する微小変位の検出が可能となり、ひいては全方向に関する微小
変位の検出が可能となる。 もちろん、図8に示されるように、例えばカンチレバー1の裏面6にチップ状 の突起10等を設け、変位する物体に対してこの突起10を接触させ、当該変位
を測定し易いようにする等の工夫も自由である。 【0024】 構造上、形態上の観点からしてさらに言うなら、本発明で言うカンチレバーの
自由端4とは、意図的に安定かつ堅固に固定の図られている固定端3に対しての
比較において、あるいはまた重りが付されることで動的に固定端とされているも
のとの比較において、力の印加の瞬間に実質的な固定端となることなく、当該力
の印加に伴い意図的に変位が許容できるように構成されている端部を指す。した
がって、仮に自由端4が脆弱な部材により、何等かの固定部分に機械的に接続さ
れているような場合、つまり、ちょっと見には両持ち梁のような形状をしていて
も、実際には力の印加に伴い動的自由端としての変位が許容されるように仕組ま
れているものであれば、そのような構造体は実質的に本発明で言うカンチレバー
構成を満たしているものと看做す。これが上記で述べたように、二次元方向の変
位検出に展開される場合には、見た目にはいわゆるダイアフラム形状のカンチレ
バーとなることも考えられる。 【0025】 【発明の効果】 本発明の微小変位検出器は、カンチレバーと、これに形成された抵抗線路とだ
けで最も基本的な微小変位検出系が構成されており、これ以上削ることができな
い程に簡単な構成である点で、まずもって既述した従来例に比し、著しく優れて
いる。当然、装置構成も小型化でき、除振も容易になる。 そして、カンチレバーは真性半導体またはほぼ真性の半導体で作られ、抵抗線
路はこれに対する不純物のドーピングにより作られているので、得るべき検出器
に必要なそれぞれの特性に応じ、任意所望のパタンの抵抗線路を極めて高い寸法
精度で比較的簡単に作ることができる。 さらに、検出感度も満足なものが得られ、簡単な構成であるが故に結局は電気
量への変換精度も向上することができる。 また、原則として、超高真空環境下や、極低温環境下での使用も可能であるた
め、将来的に見ても広い応用分野が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明によって作成される微小変位検出器の基本的実施例の構造及び動作の説
明図である。 【図2】 加速度の印加時における本発明微小変位検出器の作用の説明図である。 【図3】 抵抗線路を蛇行形状に形成した本発明実施例の概略構成図である。 【図4】 抵抗線路を複数個形成した本発明実施例の概略構成図である。 【図5】 カンチレバーの表裏面にそれぞれ抵抗線路を形成した本発明実施例の概略構成
図である。 【図6】 カンチレバーの形状を楔形にした本発明実施例の概略構成図である。 【図7】 カンチレバーを三角形の枠状にした本発明実施例の概略構成図である。 【図8】 カンチレバーに突起状のチップを設けた本発明実施例の概略構成図である。 【図9】 トンネル電子顕微鏡を利用して微小変位を検出する従来例の構成及び作用の説
明図である。 【図10】 「光てこ」を利用して微小変位を検出する従来例の構成及び作用の説明図であ
る。 【符号の説明】 1 カンチレバー 2 抵抗線路または絶縁材料線路 3 固定端 4 自由端 5 カンチレバー表面 6 カンチレバー裏面 8 電極 9 支持部材
明図である。 【図2】 加速度の印加時における本発明微小変位検出器の作用の説明図である。 【図3】 抵抗線路を蛇行形状に形成した本発明実施例の概略構成図である。 【図4】 抵抗線路を複数個形成した本発明実施例の概略構成図である。 【図5】 カンチレバーの表裏面にそれぞれ抵抗線路を形成した本発明実施例の概略構成
図である。 【図6】 カンチレバーの形状を楔形にした本発明実施例の概略構成図である。 【図7】 カンチレバーを三角形の枠状にした本発明実施例の概略構成図である。 【図8】 カンチレバーに突起状のチップを設けた本発明実施例の概略構成図である。 【図9】 トンネル電子顕微鏡を利用して微小変位を検出する従来例の構成及び作用の説
明図である。 【図10】 「光てこ」を利用して微小変位を検出する従来例の構成及び作用の説明図であ
る。 【符号の説明】 1 カンチレバー 2 抵抗線路または絶縁材料線路 3 固定端 4 自由端 5 カンチレバー表面 6 カンチレバー裏面 8 電極 9 支持部材
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】 固定端と先端との間に長さを持ち、該固定端を支点として該先
端が微小変位できる真性またはほぼ真性半導体材料製のカンチレバーであって、
該先端が、該カンチレバーに力が印加された瞬間に実質的な固定端となることな
く、該力の印加に伴い変位可能な動的自由端となっているカンチレバーと; 該カンチレバーに対する不純物のドーピングにより設けられ、該カンチレバー
の一面上において上記固定端から上記自由端に向けて伸びるストリップ状パタン
部分を有し、該カンチレバーの微小変位に伴う応力に応じピエゾ抵抗効果によっ
て抵抗値の変化する抵抗線路と; を有して成る微小変位検出器。 【請求項2】 請求項1記載の微小変位検出器であって; 上記抵抗線路は、上記カンチレバーの一面上において、上記固定端から上記自
由端に向けて伸びる互いに平行な二本のストリップ状パタン部分と、該二本のス
トリップ状パタン部分の長さ方向両端の中、いずれか一方の端部相互を電気的に
接続する折返し状パタン部分とを有すること; を特徴とする微小変位検出器。 【請求項3】 請求項1記載の微小変位検出器であって; 上記抵抗線路は、上記カンチレバーの一面上において、上記固定端から上記自
由端に向けて伸びる互いに平行な三本以上n本のストリップ状パタン部分と、該
n本のストリップ状パタン部分をその並設方向に沿って順に、かつ長さ方向の一
端部側と他端部側とで交互に電気的に接続する全部でn−1個の折返し状パタン
部分とを有すること; を特徴とする微小変位検出器。 【請求項4】 請求項1,2または3記載の微小変位検出器であって; 上記抵抗線路は複数個設けられていること; を特徴とする微小変位検出器。 【請求項5】 請求項4記載の微小変位検出器であって; 上記複数個の抵抗線路は、それら全てが上記カンチレバーの上記一面上にのみ
設けられるのに代えて、該複数個の抵抗線路の中、少なくとも幾つかの抵抗線路
は該カンチレバーの上記一面に対向する他面上に設けられていること; を有して成る微小変位検出器。 【請求項6】 請求項4または5記載の微小変位検出器であって; 上記複数個の抵抗線路の中、少なくとも幾つかは、互いに電気的に直列接続さ
れていること; を特徴とする微小変位検出器。 【請求項7】 請求項4または5記載の微小変位検出器であって; 上記複数個の抵抗線路の中、少なくとも幾つかは、互いに電気的に並列接続さ
れていること; を特徴とする微小変位検出器。
Family
ID=
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| Chui et al. | Independent detection of vertical and lateral forces with a sidewall-implanted dual-axis piezoresistive cantilever | |
| US5959200A (en) | Micromachined cantilever structure providing for independent multidimensional force sensing using high aspect ratio beams | |
| US6183097B1 (en) | Motion amplification based sensors | |
| US5444244A (en) | Piezoresistive cantilever with integral tip for scanning probe microscope | |
| JP2940643B2 (ja) | 振れセンサを組み込んだカンチレバー | |
| JP2516292B2 (ja) | 原子間力顕微鏡 | |
| KR100418881B1 (ko) | Afm 용 고감도 압전저항 캔틸레버 | |
| US7182876B2 (en) | Cantilever microstructure and fabrication method thereof | |
| JP4200147B2 (ja) | 微細構造体、カンチレバー、走査型プローブ顕微鏡及び微細構造体の変形量測定方法 | |
| US6516669B2 (en) | Vibration-type contact detection sensor | |
| JP2937399B2 (ja) | 界磁に基づく運動検出器 | |
| JP5164743B2 (ja) | カンチレバー、カンチレバーシステム及びプローブ顕微鏡並びに吸着質量センサ | |
| Takami et al. | Construction of independently driven double-tip scanning tunneling microscope | |
| US9021897B2 (en) | Versatile, flexible, and robust MEMS/NEMS sensor for decoupled measuring of three-dimensional forces in air or liquids | |
| JP2500331C (ja) | ||
| JP4150013B2 (ja) | トンネル効果素子 | |
| JP2500331B2 (ja) | 微小変位検出器 | |
| JP4498368B2 (ja) | 微小接触式プローバー | |
| US7278297B2 (en) | Oscillating probe with a virtual probe tip | |
| Xue et al. | Assembled comb-drive XYZ-microstage with large displacements for low temperature measurement systems | |
| JP5523497B2 (ja) | 片持梁を備えたマイクロマシン構成部材及び一体化された電気的な機能エレメント | |
| CN116754797A (zh) | 原子力显微镜及其探针组件 | |
| JP4070891B2 (ja) | 加振形接触センサ | |
| JP2005300490A (ja) | メカニカル検出素子および検出器 | |
| JP2007292618A (ja) | 変形量測定装置およびその製造方法 |