JP2026508317A - 多価抗スパイクタンパク質結合分子およびその使用 - Google Patents
多価抗スパイクタンパク質結合分子およびその使用Info
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Abstract
本開示は、多価抗スパイクタンパク質結合分子を提供する。本開示は、更に、多価抗スパイクタンパク質結合分子を生成する方法、多価抗スパイクタンパク質結合分子から構成される薬学的組成物、ならびにSARS-CoVおよびSARS-CoV-2感染に関連する状態、例えば、COVID-19を治療するための多価抗スパイクタンパク質結合分子の使用方法に関する。
Description
1.関連出願の相互参照
本出願は、米国仮出願第63/487,424号(2023年2月28日に出願)の優先権の利益を主張し、その内容は、その参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
本出願は、米国仮出願第63/487,424号(2023年2月28日に出願)の優先権の利益を主張し、その内容は、その参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
2.配列表
本出願は、XML形式で電子的に提出されている配列表を含有し、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。上述のXML配列表は、2024年2月27日に作成され、名称がRGN-029WO_SL.xmlであり、サイズが641,288バイトである。
本出願は、XML形式で電子的に提出されている配列表を含有し、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。上述のXML配列表は、2024年2月27日に作成され、名称がRGN-029WO_SL.xmlであり、サイズが641,288バイトである。
3.背景技術
重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)は、Betacoronavirus属のエンベロープ型のポジティブセンス一本鎖RNAウイルスであり、SARS-CoV、中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV)、ヒトコロナウイルス(HCoV)-OC43、およびHCoV-HKU1も含む(Jackson et al.,2022,Nat Rev Mol Cell Biol.23(1):3-20)。SARS-CoV-2は、COVID-19を引き起こし、COVID-19は、2019年後半に最初に特性決定され、2020年初頭に世界的なパンデミックへと拡大した、潜在的に生命を脅かす疾患である。
重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)は、Betacoronavirus属のエンベロープ型のポジティブセンス一本鎖RNAウイルスであり、SARS-CoV、中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV)、ヒトコロナウイルス(HCoV)-OC43、およびHCoV-HKU1も含む(Jackson et al.,2022,Nat Rev Mol Cell Biol.23(1):3-20)。SARS-CoV-2は、COVID-19を引き起こし、COVID-19は、2019年後半に最初に特性決定され、2020年初頭に世界的なパンデミックへと拡大した、潜在的に生命を脅かす疾患である。
SARS-CoV-2は、SARS-CoVと約80%の同一性を共有し、両ウイルスは、細胞侵入のためのアンジオテンシン変換酵素2(ACE2)との相互作用に依存し、ACE2は、多くの細胞型の細胞外表面に発現する酵素である。
現在、重度の疾患の発現を予防するために、SARS-CoV-2に対するいくつかのワクチンを使用している。しかしながら、ワクチン接種率は、集団によって異なっており、ワクチン接種率の高い地域であっても、SARS-CoV-2に対して免疫付与された個人において、COVID-19を引き起こすブレイクスルー感染が観察されている。一部の個人は、COVID-19であると複数回診断されているため、以前のSARS-CoV-2感染も、将来の感染に対する完全な免疫を与えていないようである。更に、一部の個人におけるSARS-CoV-2感染は、感染のクリアランスから数週間~数ヶ月にわたるCOVID-19の1つ以上の症状の持続に関連する長期間の疾患を引き起こす。これらの観察結果は、COVID-19が引き起こす深刻な集団の健康上の脅威および効果的な治療を用いてSARS-CoV-2感染と戦う必要性を強調するものである。
Paxlovid(経口抗ウイルス薬であるニルマトレルビルおよびリトナビルの組み合わせである)などの小分子治療は、入院を防ぐことができるが、これらは、ウイルスが再出現する「Paxlovidリバウンド」効果に関連している(Callaway,Nature(News),11 August 2022)。一方で、モノクローナル抗体などの生物学的治療は、ウイルス増殖を直接的に鈍らせることができ、強固かつ長く続く治療効果をもたらす。しかしながら、新たなSARS-CoV-2バリアントの急速な出現に起因して、患者から単離された抗体は、典型的には、株特異的であり、特定のSARS-CoV-2バリアントに対してそれらを無効にする。したがって、SARS-CoV-2に対して有効である中和治療を開発する必要性が依然として残っている。
4.概要
本開示は、コロナウイルスと宿主細胞との間の相互作用を阻害するのに適した、コロナウイルススパイクタンパク質に結合する多価抗原結合分子(一般的には本明細書で「多価抗スパイクタンパク質結合分子」と呼ばれる)に関する。本開示の多価抗スパイクタンパク質結合分子は、典型的には、1個以上の多量体化部分(例えば、5個または6個の多量体化部分)によって作動可能に連結された複数のスパイクタンパク質抗原結合ドメイン(ABD)(例えば、10個または12個のスパイクタンパク質ABD)を含む。本開示の多価抗スパイクタンパク質結合分子は、付番された実施形態1~102に記載されている。
本開示は、コロナウイルスと宿主細胞との間の相互作用を阻害するのに適した、コロナウイルススパイクタンパク質に結合する多価抗原結合分子(一般的には本明細書で「多価抗スパイクタンパク質結合分子」と呼ばれる)に関する。本開示の多価抗スパイクタンパク質結合分子は、典型的には、1個以上の多量体化部分(例えば、5個または6個の多量体化部分)によって作動可能に連結された複数のスパイクタンパク質抗原結合ドメイン(ABD)(例えば、10個または12個のスパイクタンパク質ABD)を含む。本開示の多価抗スパイクタンパク質結合分子は、付番された実施形態1~102に記載されている。
本開示の多価抗スパイクタンパク質結合分子は、典型的には十価または十二価であり、ABDを、例えば、FabまたはscFvの形態で含む。いくつかの実施形態において、10個または12個のABDは、スパイクタンパク質ABDである。本開示の多価抗スパイクタンパク質結合分子は、単一特異性(例えば、全てのABDが、スパイクタンパク質の同じ領域に結合し、任意選択で、全てが同じ配列を有する)または多重特異性(例えば、ABDのうちの少なくとも2個が、スパイクタンパク質の異なる領域またはバリアントに結合し、配列が異なっているか、またはスパイクタンパク質および別の標的に結合する)であることが可能である。本開示の多価抗スパイクタンパク質結合分子への組み込みに好適なスパイクタンパク質ABDおよびスパイクタンパク質ABDフォーマットは、セクション6.2および6.3、ならびに付番された実施形態4~27、36、および37に記載されている。
本開示の多価抗スパイクタンパク質結合分子は、1個以上の多量体化部分を含む。典型的には、本開示の多価抗スパイクタンパク質結合分子は、各々がFc二量体を含むか、またはそれらからなる、5個または6個の多量体化部分(例えば、5個または6個の二量体IgM Fcドメイン)を含む。特定の態様において、多価抗スパイクタンパク質結合分子は、IgM Fcドメインを接続するJ鎖を更に含み、これを包含することで、典型的には、10個のABDを含む分子を提供する(IgM Fcドメインを接続するJ鎖を含まない分子における12個のABDとは対照的に)。いくつかの実施形態において、J鎖は、Fcドメイン(二量体化IgGドメイン、非二量体化Fcドメイン、またはFc 1.5ドメインであることが可能である)、例えば、IgG Fcドメインに作動可能に連結されている。本開示の多価抗スパイクタンパク質結合分子への組み込みに好適な多量体化部分は、セクション6.4ならびに付番された実施形態35、および38~66に記載されている。
本開示の多価抗スパイク結合タンパク質結合分子の2個以上の構成要素は、リンカー、例えば、ペプチドリンカーによって互いに接続することができる。例として、限定されないが、リンカーを使用して、スパイクタンパク質ABDを多量体化部分に接続することができる。本開示の多価抗スパイク結合タンパク質結合分子への組み込みに好適なリンカーは、セクション6.5に記載されている。
本開示は、本開示の多価抗スパイクタンパク質結合分子をコードする核酸、本開示の多価抗スパイクタンパク質結合分子を発現するように操作された宿主細胞、および本開示の多価抗スパイクタンパク質結合分子の生成のための組換え方法を更に提供する。そのような核酸、宿主細胞、および生成方法は、セクション6.6および付番された実施形態103~105に記載されている。
本開示は、本開示の多価抗スパイクタンパク質結合分子を含む薬学的組成物、ならびに治療上の適応症および使用方法を更に提供する。薬学的組成物は、セクション6.7および付番された実施形態106に記載されている。多価抗スパイクタンパク質結合分子の使用方法は、セクション6.8および付番された実施形態107~119に記載されている。
本開示の多価抗スパイクタンパク質結合分子の態様の他の特徴および利点は、添付の図面と併せて、以下のより詳細な説明から明らかになるであろう。
5.図面の簡単な説明
本開示の例示的なIgM交互フォーマット(「AF」)抗体の五量体構築物および六量体構築物の構造を示す。ここで、 (1)は、Fab部分を表し、 (2)は、IgM-FcのCμ2ドメインを表し、 (3)は、IgM-FcのCμ3ドメインを表し、 (4)は、IgM-FcのCμ4ドメインを表し、 (5)は、IgMのJ鎖領域を表し、 (6)は、二量体化IgG Fcドメインに作動可能に連結されたJ鎖を表し、 (7)は、Fc1.5ドメインに作動可能に連結されたJ鎖を表し、 (8)は、非二量体化Fcドメインに作動可能に連結されたJ鎖を表す。
本開示の例示的なIgM交互フォーマット(「AF」)抗体の五量体構築物および六量体構築物の構造を示す。ここで、 (1)は、Fab部分を表し、 (2)は、IgM-FcのCμ2ドメインを表し、 (3)は、IgM-FcのCμ3ドメインを表し、 (4)は、IgM-FcのCμ4ドメインを表し、 (5)は、IgMのJ鎖領域を表し、 (6)は、二量体化IgG Fcドメインに作動可能に連結されたJ鎖を表し、 (7)は、Fc1.5ドメインに作動可能に連結されたJ鎖を表し、 (8)は、非二量体化Fcドメインに作動可能に連結されたJ鎖を表す。
本開示の例示的なIgM交互フォーマット(「AF」)抗体の五量体構築物および六量体構築物の構造を示す。ここで、 (1)は、Fab部分を表し、 (2)は、IgM-FcのCμ2ドメインを表し、 (3)は、IgM-FcのCμ3ドメインを表し、 (4)は、IgM-FcのCμ4ドメインを表し、 (5)は、IgMのJ鎖領域を表し、 (6)は、二量体化IgG Fcドメインに作動可能に連結されたJ鎖を表し、 (7)は、Fc1.5ドメインに作動可能に連結されたJ鎖を表し、 (8)は、非二量体化Fcドメインに作動可能に連結されたJ鎖を表す。
本開示の例示的なIgM交互フォーマット(「AF」)抗体の五量体構築物および六量体構築物の構造を示す。ここで、 (1)は、Fab部分を表し、 (2)は、IgM-FcのCμ2ドメインを表し、 (3)は、IgM-FcのCμ3ドメインを表し、 (4)は、IgM-FcのCμ4ドメインを表し、 (5)は、IgMのJ鎖領域を表し、 (6)は、二量体化IgG Fcドメインに作動可能に連結されたJ鎖を表し、 (7)は、Fc1.5ドメインに作動可能に連結されたJ鎖を表し、 (8)は、非二量体化Fcドメインに作動可能に連結されたJ鎖を表す。
本開示の例示的なIgM交互フォーマット(「AF」)抗体の五量体構築物および六量体構築物の構造を示す。ここで、 (1)は、Fab部分を表し、 (2)は、IgM-FcのCμ2ドメインを表し、 (3)は、IgM-FcのCμ3ドメインを表し、 (4)は、IgM-FcのCμ4ドメインを表し、 (5)は、IgMのJ鎖領域を表し、 (6)は、二量体化IgG Fcドメインに作動可能に連結されたJ鎖を表し、 (7)は、Fc1.5ドメインに作動可能に連結されたJ鎖を表し、 (8)は、非二量体化Fcドメインに作動可能に連結されたJ鎖を表す。
アフィニティー精製前(左のゲル)またはアフィニティー精製後(右のゲル)の、別個の抗SARS-CoV-2 S-タンパク質Fab部分を有する6個の例示的なIgM構築物の2つの代表的な還元SDS-PAGEゲルを示す。
別個の抗SARS-CoV-2 S-タンパク質Fab部分を有する6個の例示的なIgM構築物のサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)プロファイルを示す。図3Aは、IgM構築物10933-IgMのSECプロファイルを示す。図3Bは、IgM構築物14256-IgMのSECプロファイルを示す。図3Cは、IgM構築物10987-IgMのSECプロファイルを示す。図3Dは、IgM構築物14315-IgMのSECプロファイルを示す。図3Eは、IgM構築物10985-IgMのSECプロファイルを示す。図3Fは、IgM構築物10989-IgMのSECプロファイルを示す。
別個の抗SARS-CoV-2 S-タンパク質Fab部分を有する6個の例示的なIgM構築物のサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)プロファイルを示す。図3Aは、IgM構築物10933-IgMのSECプロファイルを示す。図3Bは、IgM構築物14256-IgMのSECプロファイルを示す。図3Cは、IgM構築物10987-IgMのSECプロファイルを示す。図3Dは、IgM構築物14315-IgMのSECプロファイルを示す。図3Eは、IgM構築物10985-IgMのSECプロファイルを示す。図3Fは、IgM構築物10989-IgMのSECプロファイルを示す。
別個の抗SARS-CoV-2 S-タンパク質Fab部分を有する6個の例示的なIgM構築物のサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)プロファイルを示す。図3Aは、IgM構築物10933-IgMのSECプロファイルを示す。図3Bは、IgM構築物14256-IgMのSECプロファイルを示す。図3Cは、IgM構築物10987-IgMのSECプロファイルを示す。図3Dは、IgM構築物14315-IgMのSECプロファイルを示す。図3Eは、IgM構築物10985-IgMのSECプロファイルを示す。図3Fは、IgM構築物10989-IgMのSECプロファイルを示す。
別個の抗SARS-CoV-2 S-タンパク質Fab部分を有する6個の例示的なIgM構築物のサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)プロファイルを示す。図3Aは、IgM構築物10933-IgMのSECプロファイルを示す。図3Bは、IgM構築物14256-IgMのSECプロファイルを示す。図3Cは、IgM構築物10987-IgMのSECプロファイルを示す。図3Dは、IgM構築物14315-IgMのSECプロファイルを示す。図3Eは、IgM構築物10985-IgMのSECプロファイルを示す。図3Fは、IgM構築物10989-IgMのSECプロファイルを示す。
別個の抗SARS-CoV-2 S-タンパク質Fab部分を有する6個の例示的なIgM構築物のサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)プロファイルを示す。図3Aは、IgM構築物10933-IgMのSECプロファイルを示す。図3Bは、IgM構築物14256-IgMのSECプロファイルを示す。図3Cは、IgM構築物10987-IgMのSECプロファイルを示す。図3Dは、IgM構築物14315-IgMのSECプロファイルを示す。図3Eは、IgM構築物10985-IgMのSECプロファイルを示す。図3Fは、IgM構築物10989-IgMのSECプロファイルを示す。
別個の抗SARS-CoV-2 S-タンパク質Fab部分を有する6個の例示的なIgM構築物のサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)プロファイルを示す。図3Aは、IgM構築物10933-IgMのSECプロファイルを示す。図3Bは、IgM構築物14256-IgMのSECプロファイルを示す。図3Cは、IgM構築物10987-IgMのSECプロファイルを示す。図3Dは、IgM構築物14315-IgMのSECプロファイルを示す。図3Eは、IgM構築物10985-IgMのSECプロファイルを示す。図3Fは、IgM構築物10989-IgMのSECプロファイルを示す。
異なるRBDを標的とする例示的なIgMによるSARS-CoV-2シュードウイルスD614GおよびBA.1およびBA.2バリアントの中和の程度を示す。図4Aは、シュードウイルスD614Gの中和の程度を示す。図4Bおよび4Cは、それぞれ、BA.1およびBA.2バリアントの中和の程度を示す。全ての評価において、REGEN-COV(REGN10987/REGN10933)を対照として含めた。
異なるRBDを標的とする例示的なIgMによるSARS-CoV-2シュードウイルスD614GおよびBA.1およびBA.2バリアントの中和の程度を示す。図4Aは、シュードウイルスD614Gの中和の程度を示す。図4Bおよび4Cは、それぞれ、BA.1およびBA.2バリアントの中和の程度を示す。全ての評価において、REGEN-COV(REGN10987/REGN10933)を対照として含めた。
異なるRBDを標的とする例示的なIgMによるSARS-CoV-2シュードウイルスD614GおよびBA.1およびBA.2バリアントの中和の程度を示す。図4Aは、シュードウイルスD614Gの中和の程度を示す。図4Bおよび4Cは、それぞれ、BA.1およびBA.2バリアントの中和の程度を示す。全ての評価において、REGEN-COV(REGN10987/REGN10933)を対照として含めた。
SARS-CoV-2シュードウイルスD614Gおよび2個のオミクロンバリアントに対する10933-IgMの中和効力を示す。比較のために、REGN10933親IgGおよびREGEN-COV(REGN10987/REGN10933)も含めた。図5Aは、D614Gの中和の程度を示す。図5Bは、BA.1バリアントの中和の程度を示し、図5Cは、BA.2バリアントの中和の程度を示す。
SARS-CoV-2シュードウイルスD614Gおよび2個のオミクロンバリアントに対する10933-IgMの中和効力を示す。比較のために、REGN10933親IgGおよびREGEN-COV(REGN10987/REGN10933)も含めた。図5Aは、D614Gの中和の程度を示す。図5Bは、BA.1バリアントの中和の程度を示し、図5Cは、BA.2バリアントの中和の程度を示す。
SARS-CoV-2シュードウイルスD614Gおよび2個のオミクロンバリアントに対する10933-IgMの中和効力を示す。比較のために、REGN10933親IgGおよびREGEN-COV(REGN10987/REGN10933)も含めた。図5Aは、D614Gの中和の程度を示す。図5Bは、BA.1バリアントの中和の程度を示し、図5Cは、BA.2バリアントの中和の程度を示す。
SARS-CoV-2シュードウイルスD614Gおよび2個のオミクロンバリアントに対する10989-IgMの中和効力を示す。比較のために、REGN10989親IgGおよびREGEN-COV(REGN10987/REGN10933)も含めた。図6Aは、D614Gの中和の程度を示す。図6Bは、BA.1バリアントの中和の程度を示し、図6Cは、BA.2バリアントの中和の程度を示す。示し、図5Cは、BA.2バリアントの中和の程度を示す。
SARS-CoV-2シュードウイルスD614Gおよび2個のオミクロンバリアントに対する10989-IgMの中和効力を示す。比較のために、REGN10989親IgGおよびREGEN-COV(REGN10987/REGN10933)も含めた。図6Aは、D614Gの中和の程度を示す。図6Bは、BA.1バリアントの中和の程度を示し、図6Cは、BA.2バリアントの中和の程度を示す。示し、図5Cは、BA.2バリアントの中和の程度を示す。
SARS-CoV-2シュードウイルスD614Gおよび2個のオミクロンバリアントに対する10989-IgMの中和効力を示す。比較のために、REGN10989親IgGおよびREGEN-COV(REGN10987/REGN10933)も含めた。図6Aは、D614Gの中和の程度を示す。図6Bは、BA.1バリアントの中和の程度を示し、図6Cは、BA.2バリアントの中和の程度を示す。
SARS-CoV-2シュードウイルスD614Gおよび2個のオミクロンバリアントに対する10987-IgMの中和効力を示す。比較のために、REGN10987親IgGおよびREGEN-COV(REGN10987/REGN10933)も含めた。図7Aは、D614Gの中和の程度を示す。図7Bは、BA.1バリアントの中和の程度を示し、図7Cは、BA.2バリアントの中和の程度を示す。
SARS-CoV-2シュードウイルスD614Gおよび2個のオミクロンバリアントに対する10987-IgMの中和効力を示す。比較のために、REGN10987親IgGおよびREGEN-COV(REGN10987/REGN10933)も含めた。図7Aは、D614Gの中和の程度を示す。図7Bは、BA.1バリアントの中和の程度を示し、図7Cは、BA.2バリアントの中和の程度を示す。
SARS-CoV-2シュードウイルスD614Gおよび2個のオミクロンバリアントに対する10987-IgMの中和効力を示す。比較のために、REGN10987親IgGおよびREGEN-COV(REGN10987/REGN10933)も含めた。図7Aは、D614Gの中和の程度を示す。図7Bは、BA.1バリアントの中和の程度を示し、図7Cは、BA.2バリアントの中和の程度を示す。
SARS-CoV-2シュードウイルスD614Gおよび2個のオミクロンバリアントに対する10985-IgMの中和効力を示す。比較のために、REGN10985親IgGおよびREGEN-COV(REGN10987/REGN10933)も含めた。図8Aは、D614Gの中和の程度を示す。図8Bは、BA.1バリアントの中和の程度を示し、図8Cは、BA.2バリアントの中和の程度を示す。
SARS-CoV-2シュードウイルスD614Gおよび2個のオミクロンバリアントに対する10985-IgMの中和効力を示す。比較のために、REGN10985親IgGおよびREGEN-COV(REGN10987/REGN10933)も含めた。図8Aは、D614Gの中和の程度を示す。図8Bは、BA.1バリアントの中和の程度を示し、図8Cは、BA.2バリアントの中和の程度を示す。
SARS-CoV-2シュードウイルスD614Gおよび2個のオミクロンバリアントに対する10985-IgMの中和効力を示す。比較のために、REGN10985親IgGおよびREGEN-COV(REGN10987/REGN10933)も含めた。図8Aは、D614Gの中和の程度を示す。図8Bは、BA.1バリアントの中和の程度を示し、図8Cは、BA.2バリアントの中和の程度を示す。
SARS-CoV-2シュードウイルスD614Gおよび2個のオミクロンバリアントに対する14315-IgMの中和効力を示す。比較のために、REGN14315親IgGおよびREGEN-COV(REGN10987/REGN10933)も含めた。図9Aは、D614Gの中和の程度を示す。図9Bは、BA.1バリアントの中和の程度を示し、図9Cは、BA.2バリアントの中和の程度を示す。
SARS-CoV-2シュードウイルスD614Gおよび2個のオミクロンバリアントに対する14315-IgMの中和効力を示す。比較のために、REGN14315親IgGおよびREGEN-COV(REGN10987/REGN10933)も含めた。図9Aは、D614Gの中和の程度を示す。図9Bは、BA.1バリアントの中和の程度を示し、図9Cは、BA.2バリアントの中和の程度を示す。
SARS-CoV-2シュードウイルスD614Gおよび2個のオミクロンバリアントに対する14315-IgMの中和効力を示す。比較のために、REGN14315親IgGおよびREGEN-COV(REGN10987/REGN10933)も含めた。図9Aは、D614Gの中和の程度を示す。図9Bは、BA.1バリアントの中和の程度を示し、図9Cは、BA.2バリアントの中和の程度を示す。
SARS-CoV-2シュードウイルスD614Gおよび4個のオミクロンバリアントに対する14287-IgMの中和効力を示す。比較のために、REGN14287親IgGおよびREGEN-COV(REGN10987/REGN10933)も含めた。図10Aは、D614Gの中和の程度を示す。図10Bは、BA.1バリアントの中和の程度を示す。図10Cは、BA.2バリアントの中和の程度を示す。図10Dは、BA.2.75バリアントの中和の程度を示す。図10Eは、BA.4/BA.5バリアントの中和の程度を示す。
SARS-CoV-2シュードウイルスD614Gおよび4個のオミクロンバリアントに対する14287-IgMの中和効力を示す。比較のために、REGN14287親IgGおよびREGEN-COV(REGN10987/REGN10933)も含めた。図10Aは、D614Gの中和の程度を示す。図10Bは、BA.1バリアントの中和の程度を示す。図10Cは、BA.2バリアントの中和の程度を示す。図10Dは、BA.2.75バリアントの中和の程度を示す。図10Eは、BA.4/BA.5バリアントの中和の程度を示す。
SARS-CoV-2シュードウイルスD614Gおよび4個のオミクロンバリアントに対する14287-IgMの中和効力を示す。比較のために、REGN14287親IgGおよびREGEN-COV(REGN10987/REGN10933)も含めた。図10Aは、D614Gの中和の程度を示す。図10Bは、BA.1バリアントの中和の程度を示す。図10Cは、BA.2バリアントの中和の程度を示す。図10Dは、BA.2.75バリアントの中和の程度を示す。図10Eは、BA.4/BA.5バリアントの中和の程度を示す。
SARS-CoV-2シュードウイルスD614Gおよび4個のオミクロンバリアントに対する14287-IgMの中和効力を示す。比較のために、REGN14287親IgGおよびREGEN-COV(REGN10987/REGN10933)も含めた。図10Aは、D614Gの中和の程度を示す。図10Bは、BA.1バリアントの中和の程度を示す。図10Cは、BA.2バリアントの中和の程度を示す。図10Dは、BA.2.75バリアントの中和の程度を示す。図10Eは、BA.4/BA.5バリアントの中和の程度を示す。
SARS-CoV-2シュードウイルスD614Gおよび4個のオミクロンバリアントに対する14287-IgMの中和効力を示す。比較のために、REGN14287親IgGおよびREGEN-COV(REGN10987/REGN10933)も含めた。図10Aは、D614Gの中和の程度を示す。図10Bは、BA.1バリアントの中和の程度を示す。図10Cは、BA.2バリアントの中和の程度を示す。図10Dは、BA.2.75バリアントの中和の程度を示す。図10Eは、BA.4/BA.5バリアントの中和の程度を示す。
現在流行しているオミクロンバリアントBQ.1に対する14315-IgMおよび14287-IgMの中和効力を示す。図11Aは、14315-IgM、14287-IgM、10933-IgM、および10985-IgMによるBQ.1の中和を示す。REGEN-COVを対照として含めた。図11Bは、14315-IgMとREGN14315 IgGとの間のBQ.1中和比較を示す。図11Cは、14287-IgMとREGN14287 IgGとの間のBQ.1中和比較を示す。
現在流行しているオミクロンバリアントBQ.1に対する14315-IgMおよび14287-IgMの中和効力を示す。図11Aは、14315-IgM、14287-IgM、10933-IgM、および10985-IgMによるBQ.1の中和を示す。REGEN-COVを対照として含めた。図11Bは、14315-IgMとREGN14315 IgGとの間のBQ.1中和比較を示す。図11Cは、14287-IgMとREGN14287 IgGとの間のBQ.1中和比較を示す。
現在流行しているオミクロンバリアントBQ.1に対する14315-IgMおよび14287-IgMの中和効力を示す。図11Aは、14315-IgM、14287-IgM、10933-IgM、および10985-IgMによるBQ.1の中和を示す。REGEN-COVを対照として含めた。図11Bは、14315-IgMとREGN14315 IgGとの間のBQ.1中和比較を示す。図11Cは、14287-IgMとREGN14287 IgGとの間のBQ.1中和比較を示す。
IgG Fc連結J鎖を含む多価抗スパイクタンパク質結合分子のプロテインA結合およびサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)を示す。図12Aは、プロテインAインキュベーション後の3個の例示的なIgM構築物の代表的なSDS-PAGEゲルを示す。図12Bは、図12Aに示されるのと同じ3個の例示的なIgM構築物のSECプロファイルを示す。
IgG Fc連結J鎖を含む多価抗スパイクタンパク質結合分子のプロテインA結合およびサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)を示す。図12Aは、プロテインAインキュベーション後の3個の例示的なIgM構築物の代表的なSDS-PAGEゲルを示す。図12Bは、図12Aに示されるのと同じ3個の例示的なIgM構築物のSECプロファイルを示す。
SARS-CoV-2シュードウイルスD614GおよびXBB1.5バリアントに対するIgG Fc連結J鎖を含む14287-IgMの中和効力を示す。比較のために、REGN14287親IgG、14287-IgM、およびREGEN-COV(REGN10987/REGN10933)も含めた。図13Aは、D614Gの中和の程度を示す。図13Bは、XBB1.5バリアントの中和の程度を示す。
SARS-CoV-2シュードウイルスD614GおよびXBB1.5バリアントに対するIgG Fc連結J鎖を含む14287-IgMの中和効力を示す。比較のために、REGN14287親IgG、14287-IgM、およびREGEN-COV(REGN10987/REGN10933)も含めた。図13Aは、D614Gの中和の程度を示す。図13Bは、XBB1.5バリアントの中和の程度を示す。
6.詳細な説明
6.1.定義
本明細書で使用される場合、以下の用語は、以下の意味を有することを意図している。
6.1.定義
本明細書で使用される場合、以下の用語は、以下の意味を有することを意図している。
約、およそ:「約」、「およそ」などの用語は、明細書全体を通して数値の前に使用され、(例えば、端数、測定精度および/または精度の変動、タイミングなどを考慮するために)数値が必ずしも正確ではないことを示す。Xがある数値である場合の「約X」または「およそX」の開示は、「X」の開示でもあることを理解されたい。したがって、例えば、ある配列が別の配列に対して「約X%の配列同一性」を有する実施形態の開示は、その配列が他の配列に対して「X%の配列同一性」を有する実施形態の開示でもある。
および、または:別段に示されない限り、接続詞「または」は、選択肢における特徴の選択(Aの選択がBから相互に排他的である場合の、AまたはB)と、結合した特徴の選択(AおよびBの両方が選択される場合の、AまたはB)の両方を包含する、ブール論理演算子としてのその正しい意味で使用されることが意図される。本文のいくつかの箇所では、「および/または」という用語は同じ目的で使用され、「または」が相互に排他的な選択肢を参照して使用されることを意味すると解釈されるべきではない。
抗体:本明細書で使用される「抗体」という用語は、抗原に非共有結合的に、可逆的に、および特異的に結合することができる免疫グロブリンファミリーのポリペプチド(またはポリペプチドのセット)を指す。例えば、IgG型の天然に存在する「抗体」は、ジスルフィド結合によって相互接続された少なくとも2つの重(H)鎖および2つの軽(L)鎖を含む四量体である。各重鎖は、重鎖可変領域(本明細書でVHと略される)および重鎖定常領域を含む。重鎖定常領域は、CH1、CH2、およびCH3の3つのドメインを含む。各軽鎖は、軽鎖可変領域(本明細書でVLと略される)および軽鎖定常領域を含む。軽鎖定常領域は、1つのドメインから構成される(本明細書でCLと略される)。VH領域およびVL領域は、より保存された領域(フレームワーク領域(FR)と呼ばれる)が点在する、相補性決定領域(CDR)と呼ばれる超可変性の領域に更に細分することができる。各VHおよびVLは、3つのCDRおよび4つのFRで構成されており、アミノ末端からカルボキシ末端に以下の順序で配置されている。FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4。重鎖および軽鎖の可変領域は、抗原と相互作用する結合ドメインを含む。抗体の定常領域は、免疫系の様々な細胞(例えば、エフェクター細胞)および古典的補体系の第1の構成要素(Clq)を含む、宿主組織または因子に対する免疫グロブリンの結合を媒介してもよい。「抗体」という用語は、モノクローナル抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体、ラクダ化抗体、キメラ抗体、二重特異性または多重特異性抗体、および抗イディオタイプ(抗id)抗体を含むが、これらに限定されない。抗体は、任意のアイソタイプ/クラス(例えば、IgG、IgE、IgM、IgD、IgA、およびIgY)、またはサブクラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1、およびIgA2)のものであることが可能である。軽鎖および重鎖の両方は、構造的および機能的な相同性の領域に分けられる。「定常」および「可変」という用語が、機能的に使用される。この点で、軽(VL)鎖部分および重(VH)鎖部分の両方の可変ドメインが、抗原認識および特異性を決定することが理解されるであろう。逆に、軽鎖の定常ドメイン(CL)および重鎖の定常ドメイン(CH1、CH2、またはCH3)は、分泌、胎盤通過移動、Fc受容体結合、補体結合などの重要な生物学的特性を付与する。慣例により、定常領域ドメインの番号付けは、抗体の抗原結合ドメインまたはアミノ末端からより遠くなる方に増加していく。N末端は可変領域であり、C末端は定常領域であり、CH3ドメインおよびCLドメインは、それぞれ天然抗体の重鎖および軽鎖のカルボキシ末端を表す。便宜上、および別段文脈が指示しない限り、抗体への言及はまた、抗体断片、ならびに天然に存在しない抗原結合ドメインおよび/または非天然構成を有する抗原結合ドメインを含む操作された抗体も指す。
抗原結合分子またはABM:本明細書で使用される「抗原結合分子」または「ABM」という用語は、2個の半抗体を含む分子(例えば、複数のポリペプチド鎖のアセンブリ)を指す。典型的には、各半抗体は、少なくとも1つの抗原結合ドメインを含む。いくつかの実施形態において、抗原は、コロナウイルススパイクタンパク質であり、したがって、本開示のABMは、一般に、「抗スパイクタンパク質結合分子」と称される。本開示のABMは、単一特異性または多重特異性(例えば、二重特異性)であることが可能である。単一特異性結合分子における抗原結合ドメインは全て、同じエピトープに結合するが、多重特異性結合分子は、同じまたは異なる分子(例えば、異なるスパイクタンパク質バリアント)であることが可能である、異なるエピトープに結合する少なくとも2つの抗原結合部位を有する。
抗原結合ドメイン:本明細書で使用される「抗原結合ドメイン」または「ABD」という用語は、抗原に非共有結合的に、可逆的に、および特異的に結合する能力を有する抗体または抗体断片の一部分を指す。ABDを含むことができる抗体断片の例としては、限定されないが、一本鎖Fv(scFv)、Fab断片、VLドメイン、VHドメイン、CLドメインおよびCH1ドメインからなる一価断片、F(ab)2断片、ヒンジ領域でジスルフィド架橋によって連結された2つのFab断片を含む二価断片、VHドメインおよびCH1ドメインからなるFd断片、抗体の単一アームのVLドメインおよびVHドメインからなるFv断片、VHドメインからなるdAb断片(Ward et al.,1989,Nature 341:544-546)、ならびに単離された相補性決定領域(CDR)が挙げられる。したがって、「抗体断片」という用語は、抗体のタンパク質分解断片(例えば、Fab断片およびF(ab)2断片)、ならびに抗体の1つ以上の部分(例えば、scFv)を含む操作されたタンパク質の両方を包含する。抗体断片はまた、単一ドメイン抗体、マキシボディ、ミニボディ、イントラボディ、ダイアボディ、トリアボディ、テトラボディ、v-NAR、およびビス-scFvに組み込むことができる(例えば、Hollinger and Hudson,2005,Nature Biotechnology 23:1126-1136を参照されたい)。
会合した:多価抗スパイクタンパク質結合分子の文脈における「会合した」という用語は、2つ以上のポリペプチド鎖間の機能的関係を指す。特に、「会合した」という用語は、2つ以上のポリペプチドが、機能的な多価抗スパイクタンパク質結合分子を生成するように、例えば、分子相互作用を通して非共有結合的に、または1つ以上のジスルフィド架橋もしくは化学的架橋を通して共有結合的に、互いに会合していることを意味する。本開示の多価抗スパイクタンパク質結合分子に存在し得る会合の例には、Fc領域を形成するためのFcドメイン間の会合(例えば、セクション6.4.1に記載されているようなもの)が含まれる(がこれらに限定されない)。
二重特異性:本明細書で使用される「二重特異性」という用語は、2個以上の異なるABDを含む抗原結合分子を指す。例えば、二重特異性分子中のABDは、同じ標的抗原の2つの異なる部分(または、ウイルスタンパク質の場合、同じ標的抗原の異なるバリアント)に結合することができるか、または各ABDは、異なる標的抗原に結合することができる。
二価:本明細書で使用される「二価」という用語は、同じポリペプチド鎖中にあるか、または異なるポリペプチド鎖上にあるかにかかわらず、2つの抗原結合ドメインを含む結合分子を指す。
相補性決定領域:「相補性決定領域」または「CDR」という用語は、本明細書で使用される場合、抗原特異性および結合親和性を付与する抗体可変領域内のアミノ酸の配列を指す。例えば、概して、各重鎖可変領域には3つのCDR(CDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3)があり、各軽鎖可変領域には3つのCDR(CDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3)がある。所与のCDRの正確なアミノ酸配列境界は、Kabat et al.,1991,“Sequences of Proteins of Immunological Interest,”5th Ed.Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda,MD(「Kabat」番号付けスキーム)、Al-Lazikani et al.,1997,JMB 273:927-948(「Chothia」番号付けスキーム)、およびImMunoGenTics(IMGT)番号付け(Lefranc,1999,The Immunologist 7:132-136;Lefranc et al.,2003,Dev.Comp.Immunol.27:55-77(「IMGT」番号付けスキーム)によって記載されるものを含む、いくつかの周知のスキームのうちのいずれかを使用して決定することができる。例えば、古典的なフォーマットについて、Kabatの下で、重鎖可変ドメイン(VH)中のCDRアミノ酸残基は、31~35(CDR-H1)、50~65(CDR-H2)、および95~102(CDR-H3)に番号付けされ、軽鎖可変ドメイン(VL)中のCDRアミノ酸残基は、24~34(CDR-L1)、50~56(CDR-L2)、および89~97(CDR-L3)に番号付けされる。Chothia下では、VH中のCDRアミノ酸は、26~32(CDR-H1)、52~56(CDR-H2)、および95~102(CDR-H3)に番号付けされ、VL中のアミノ酸残基は、26~32(CDR-L1)、50~52(CDR-L2)、および91~96(CDR-L3)に番号付けされる。KabatおよびChothiaの両方のCDR定義を組み合わせることにより、CDRは、ヒトVH中のアミノ酸残基26~35(CDR-H1)、50~65(CDR-H2)、および95~102(CDR-H3)、ならびにヒトVL中のアミノ酸残基24~34(CDR-L1)、50~56(CDR-L2)、および89~97(CDR-L3)からなる。IMGT下で、VH中のCDRアミノ酸残基は、およそ26~35(CDR-H1)、51~57(CDR-H2)、および93~102(CDR-H3)に番号付けされ、VL中のCDRアミノ酸残基は、およそ27~32(CDR-L1)、50~52(CDR-L2)、および89~97(CDR-L3)に番号付けされる(「Kabat」による番号付け)。IMGT下では、抗体のCDR領域は、プログラムIMGT/DomainGap Alignを使用して決定することができる。
COVID-19:「COVID-19」という用語は、「新型コロナウイルス感染症(Coronavirus disease 2019)」の略であり、SARS-CoV-2感染によって引き起こされる感染症を指す。COVID-19を有する患者は、軽度から重度までの範囲の幅広い症状を経験する可能性がある。症状には、発熱、悪寒、咳、息切れ、呼吸困難、疲労、筋肉痛、体の痛み、頭痛、嗅覚喪失、味覚喪失、喉の痛み、うっ血、鼻水、吐き気、および下痢が含まれる可能性があるが、これらに限定されない。
十価:10個のABDを含む抗原結合分子に関して、本明細書で使用される「十価」という用語。本開示の十価抗スパイクタンパク質結合分子は、単一特異性または多重特異性、例えば、二重特異性であることが可能である。いくつかの実施形態において、十価抗スパイクタンパク質結合分子は、10個のスパイクタンパク質ABDを含む抗スパイクタンパク質結合分子を指す。10個のスパイクタンパク質ABDは、同じ(すなわち、抗原結合分子は単一特異性である)、または異なることができる(すなわち、抗原結合分子は多重特異性であり、スパイクタンパク質の異なる領域および/またはバリアントに結合する)。いくつかの実施形態において、十価抗スパイクタンパク質結合分子は、5個のIgM Fc二量体の五量体アセンブリであり、各IgM Fcが、そのN末端にスパイクタンパク質ABDを含み、J鎖を介して接続されている。他の実施形態において、十価抗スパイクタンパク質結合分子は、複数のスパイクタンパク質ABDと、別の標的分子に結合する複数のABDと、を含む抗スパイクタンパク質を指す(すなわち、抗原結合分子は多重特異性である)。例えば、いくつかの実施形態において、十価抗スパイクタンパク質結合分子は、二重特異性であり、5個の抗スパイクタンパク質ABDと、別の標的に結合する5個のABDと、を含む。
十二価:12個のABDを含む抗原結合分子に関して、本明細書で使用される「十二価」という用語。本開示の十二価抗スパイクタンパク質結合分子は、単一特異性または多重特異性、例えば、二重特異性であることが可能である。いくつかの実施形態において、十二価抗スパイクタンパク質結合分子は、12個のスパイクタンパク質ABDを含む抗スパイクタンパク質結合分子を指す。12個のスパイクタンパク質ABDは、同じ(すなわち、抗原結合分子は単一特異性である)、または異なることができる(すなわち、抗原結合分子は多重特異性であり、スパイクタンパク質の異なる領域および/またはバリアントに結合する)。いくつかの実施形態において、十二価スパイクタンパク質結合分子は、6個のIgM Fc二量体の六量体アセンブリであり、各IgM Fcが、そのN末端にスパイクタンパク質ABDを含み、J鎖接続を有しない。他の実施形態において、十二価抗スパイクタンパク質結合分子は、複数のスパイクタンパク質ABDと、別の標的分子に結合する複数のABDと、を含む抗スパイクタンパク質を指す(すなわち、抗原結合分子は多重特異性である)。例えば、いくつかの実施形態において、十二価抗スパイクタンパク質結合分子は、二重特異性であり、6個の抗スパイクタンパク質ABDと、別の標的に結合する6個のABDと、を含む。
EC50:「EC50」という用語は、指定された曝露時間後にベースラインと最大値との間の中間の応答を誘導する、分子(例えば多価抗スパイクタンパク質結合分子)の半数効果濃度(half maximal effective concentration)を指す。EC50は本質的に、その最大効果の50%が観察される多価抗スパイクタンパク質結合分子の濃度を表す。特定の実施形態において、EC50値は、セクション8.1.2に記載のアッセイにおいて最大半量のウイルスまたはシュードウイルス中和を与える多価抗スパイクタンパク質結合分子の濃度に等しい。
エピトープ:エピトープ、または抗原決定基は、抗体またはその断片、例えば抗原結合ドメインによって認識される抗原の一部分である。エピトープは、線状または立体構造的であることが可能である。
Fab:「Fab」という用語は、一対のポリペプチド鎖を指し、第1のポリペプチド鎖は、第1の定常ドメイン(本明細書においてC1と称される)に(典型的には、N末端に)作動可能に連結された抗体の可変重(VH)ドメインを含み、第2のポリペプチド鎖は、第1の定常ドメインと対合することができる第2の定常ドメイン(本明細書ではC2と呼ばれる)に(典型的にはN末端に)作動可能に連結された抗体N末端の可変軽(VL)ドメインを含む。天然抗体において、VHは、重鎖の第1の定常ドメイン(CH1)のN末端にあり、VLは、軽鎖の定常ドメイン(CL)のN末端にある。本開示のFabは、天然配向に従って配置することができるか、または正しいVHおよびVLの対合を促進するドメイン置換もしくはスワップを含むことができる。例えば、ヘテロ二量体分子において修飾された正しいFab-鎖対合を促進するために、FabにおけるCH1およびCLドメイン対をCH3ドメイン対に置き換えることが可能である。CH1をVLに付着させ、CLをVHに付着させるように、CH1およびCLを逆にすることも可能であり、これは一般にCrossmabとして既知の構成である。「Fab」という用語は、一本鎖Fabを包含する。
FcドメインおよびFc領域:「Fcドメイン」という用語は、別の重鎖の対応する部分と対合する重鎖の一部分を指す。いくつかの実施形態において、Fcドメインは、CH2ドメイン、続いてCH3ドメインを含み、CH2ドメインのN末端にヒンジ領域を有するか、または有しない。「Fc領域」という用語は、2つの重鎖Fcドメインの会合によって形成される領域を指す。Fc領域内の2つのFcドメインは、互いに同じであってもよく、または異なってもよい。天然抗体において、Fcドメインは、典型的には、同一であるが、一方または両方のFcドメインは、例えば、ノブ・イン・ホール相互作用を介して、ヘテロ二量体化を可能にするように修飾され得る。
Fv:「Fv」という用語は、完全な標的認識および結合部位を含む免疫グロブリンから誘導可能な最小抗体断片を指す。この領域は、密接な非共有性会合での1つの重鎖可変ドメインおよび1つの軽鎖可変ドメインの二量体(VH-VL二量体)からなる。この構成では、各可変ドメインの3つのCDRが相互作用して、VH-VL二量体の表面上の標的結合部位を画定する。多くの場合、6つのCDRは、抗体に標的結合特異性を付与する。しかしながら、いくつかの例において、単一の可変ドメイン(または標的に対して特異的な3つのCDRのみを含むFvの半分)であっても、標的を認識し、それに結合する能力を有することができる。本明細書におけるVH-VL二量体への言及は、任意の特定の構成を伝達することを意図するものではない。単一のポリペプチド鎖(例えば、scFv)上に存在する場合、VHおよび、VLのN末端またはC末端である。
宿主細胞:本明細書で使用される「宿主細胞」という用語は、本開示の核酸が導入された細胞を指す。「宿主細胞」および「組換え宿主細胞」という用語は、本明細書で互換的に使用される。かかる用語が、特定の対象細胞、およびかかる細胞の子孫または潜在的な子孫も指すことが理解される。変異または環境影響のいずれかに起因して特定の修飾が後の世代で生じ得るため、かかる子孫は実際には親細胞と同一ではない場合があるが、依然として本明細書で使用される本用語の範囲内に含まれる。典型的な宿主細胞は、哺乳動物宿主細胞などの、真核生物宿主細胞である。例示的な真核生物宿主細胞には、酵母および哺乳動物細胞、例えば、マウス、ラット、サル、またはヒト細胞株などの脊椎動物細胞、例えば、HKB11細胞、PER.C6細胞、HEK細胞、またはCHO細胞が含まれる。
免疫グロブリン:「免疫グロブリン」(Ig)という用語は、2対のポリペプチド鎖(1対の軽(L)鎖および1対の重(H)鎖)からなり、4個全てがジスルフィド結合によって内部接続されていてもよい、構造的に関連する糖タンパク質のクラスを指す。免疫グロブリンの構造はよく特徴付けられている。例えば、Fundamental Immunology Ch.7(Paul,W.,ed.,2nd ed.Raven Press,N.Y.(1989))を参照されたい。各重鎖は、典型的には、重鎖可変領域(本明細書ではVHまたはVHと略す)および重鎖定常領域(CHまたはCH)を含む。重鎖定常領域は、典型的には、CH1、CH2、およびCH3の3つのドメインを含む。CH1ドメインおよびCH2ドメインは、ヒンジによって連結される。Fc部分は、少なくともCH2ドメインおよびCH3ドメインを含む。
典型的には、免疫グロブリンのアミノ酸残基の番号付けは、IMGT,Sequences of Proteins of Immunological Interest,5th Ed.Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda,MD.(1991)に従うか、またはKabatのEU番号付けシステム(「EU番号付け」もしくは「EUインデックス」としても知られる)によって、例えば、Kabat et al.Sequences of Proteins of Immunological interest.5th ed.US Department of Health and Human Services,NIH publication No.91-3242(1991)におけるように従う。
リンカー:本明細書で使用される「リンカー」という用語は、2つの部分の間の接続ペプチドを指す。例えば、リンカーは、スパイクタンパク質ABDをFcドメインに接続することができる。
多重特異性:本明細書で使用される「多重特異性」という用語は、2個以上のABDを含む抗原結合分子を指す。例えば、多重特異性分子中のABDは、同じ標的抗原の2つ以上の異なる部分(または、ウイルスタンパク質の場合、スパイクタンパク質などの同じ標的抗原の異なるバリアント)に結合することができるか、または各ABDは、異なる標的抗原に結合することができる。
多価:本明細書で使用される「多価」という用語は、1つ、2つ、またはそれより多くのポリペプチド鎖上に2個以上のABDを含む抗原結合分子を指す。
中和、遮断:「中和」または「遮断」スパイクタンパク質ABDは、スパイクタンパク質への結合がスパイクタンパク質の活性を任意の検出可能な程度まで阻害し、例えば、スパイクタンパク質がACE2などの受容体に結合する能力、TMPRSS2などのプロテアーゼによって切断される能力、または宿主細胞へのウイルス侵入もしくは宿主細胞におけるウイルス再生を媒介する能力を阻害する、ABDを指す。
中和、遮断:「中和」または「遮断」スパイクタンパク質ABDは、スパイクタンパク質への結合がスパイクタンパク質の活性を任意の検出可能な程度まで阻害し、例えば、スパイクタンパク質がACE2などの受容体に結合する能力、TMPRSS2などのプロテアーゼによって切断される能力、または宿主細胞へのウイルス侵入もしくは宿主細胞におけるウイルス再生を媒介する能力を阻害する、ABDを指す。
作動可能に連結された:「作動可能に連結された」という用語は、2つ以上のペプチドもしくはポリペプチドドメインまたは核酸(例えば、DNA)セグメント間の機能的関係を指す。融合タンパク質または他のポリペプチドの文脈において、「作動可能に連結された」という用語は、機能的ポリペプチドを生成するために2つ以上のアミノ酸セグメントが連結されていることを意味する。例えば、本開示の多価抗スパイクタンパク質結合分子の文脈において、別個の構成要素(例えば、スパイクタンパク質ABDおよびFcドメイン、J鎖およびIgG Fcドメインなど)は、直接的に、またはペプチドリンカー配列を介して作動可能に連結することができる。本開示の多価抗スパイクタンパク質結合分子などの融合タンパク質をコードする核酸の文脈において、「作動可能に連結された」とは、2つの核酸が、その2つの核酸によってコードされるアミノ酸配列がインフレームのままであるように接続されていることを意味する。
ポリペプチド、ペプチド、およびタンパク質:「ポリペプチド」、「ペプチド」、および「タンパク質」という用語は、アミノ酸残基のポリマーを指すために本明細書で互換的に使用される。
認識する:本明細書で使用される「認識する」という用語は、そのエピトープを見つけ、そのエピトープと相互作用する(例えば、結合する)抗体または抗体断片(例えば、スパイクタンパク質ABD)を指す。
一本鎖FabまたはscFab:本明細書で使用される「一本鎖Fab」または「scFab」という用語は、抗体のVH、CH1、VLおよびCLドメインを含むポリペプチド鎖を指し、これらのドメインは、単一のポリペプチド鎖中に存在する。
一本鎖FvまたはscFv:本明細書で使用される「一本鎖Fv」または「scFv」という用語は、抗体のVHドメインおよびVLドメインを含むABDを指し、これらのドメインは、単一のポリペプチド鎖中に存在する。好ましくは、Fvポリペプチドは、VHドメインとVLドメインとの間に、scFvが抗原結合のために所望の構造を形成することを可能にするポリペプチドリンカーを更に含む。scFvの概説については、Pluckthun in The Pharmacology of Monoclonal Antibodies,vol.113,Rosenburg and Moore eds.(1994),Springer-Verlag,New York,pp.269-315を参照されたい。VHおよびVL、ならびに典型的にはリンカーによって分離される、N末端からC末端の順序のVH-VLまたはVL-VHで配置される。
対象:「対象」という用語は、ヒトおよび非ヒト動物が含まれる。非ヒト動物には、全ての脊椎動物、例えば、哺乳動物および非哺乳動物、例えば、非ヒト霊長類、ヒツジ、イヌ、ウシ、ニワトリ、両生類、および爬虫類が含まれる。記載されている場合を除き、「患者」または「対象」という用語は、本明細書では互換的に使用される。
治療する、治療、治療すること:本明細書で使用される場合、「治療する」、「治療」、および「治療すること」という用語は、本開示の1つ以上の多価抗スパイクタンパク質結合分子の投与から生じる疾患もしくは状態の進行、重症度、および/もしくは期間の減少もしくは改善、ならびに/または疾患もしくは状態の1つ以上の症状(好ましくは、1つ以上の識別可能な症状)の軽減を指す。
いくつかの実施形態において、疾患または状態は、コロナウイルス感染、例えば、SARS-CoVまたはSARS-CoV-2によって引き起こされる(例えば、COVID-19)。いくつかの実施形態において、疾患または状態は、SARS-CoVまたはSARS-CoV-2感染、または同様の感染に関連する任意の他の疾患である。これらの疾患および状態に言及しつつ、「治療する」、「治療」、および「治療すること」という用語は、本開示の1つ以上の多価抗スパイクタンパク質結合分子の投与から生じる疾患の進行、重症度、および/もしくは期間の減少もしくは改善、または疾患の1つ以上の症状(好ましくは、1つ以上の識別可能な症状)の軽減を指す。特定の実施形態において、「治療する」、「治療」、および「治療すること」という用語は、血中酸素飽和レベルなどのCOVID-19の少なくとも1つの測定可能な(必ずしも患者によって識別可能でなくてもよい)物理的パラメータの軽減を指す。他の実施形態において、「治療する」、「治療」、および「治療すること」という用語は、物理的に(例えば、識別可能な症状の安定化による)、生理学的に(例えば、物理的パラメータの安定化などによる)のいずれか、またはその両方のCOVID-19の進行の阻害を指す。他の実施形態において、「治療する」、「治療」および「治療すること」という用語は、感染の減少または排除を指す。
6.2.スパイクタンパク質抗原結合ドメイン
本開示は、複数のスパイクタンパク質抗原結合ドメイン(ABD)を含む本開示の多価抗スパイクタンパク質結合分子に関する。
本開示は、複数のスパイクタンパク質抗原結合ドメイン(ABD)を含む本開示の多価抗スパイクタンパク質結合分子に関する。
いくつかの実施形態において、本開示の多価抗スパイクタンパク質結合分子は、10個または12個のスパイクタンパク質ABDを含む。
いくつかの実施形態において、本開示の多価抗スパイクタンパク質結合分子は、単一特異性であり、例えば、スパイクタンパク質上の同じエピトープに結合する。これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、抗スパイクタンパク質ABDは、同一である。
いくつかの実施形態において、本開示の多価抗スパイクタンパク質結合分子は、単一特異性であり、例えば、スパイクタンパク質上の同じエピトープに結合する。これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、抗スパイクタンパク質ABDは、同一である。
他の実施形態において、本開示の多価抗スパイクタンパク質結合分子は、多重特異性であり、例えば、異なるエピトープに結合する。いくつかの実施形態において、多重特異性抗スパイクタンパク質結合分子は、同じスパイクタンパク質上の異なるエピトープに結合する。他の実施形態において、多重特異性抗スパイクタンパク質結合分子は、異なるスパイクタンパク質バリアント上の異なるエピトープに結合する。異なるエピトープは、スパイクタンパク質における、または全く異なる領域における同じ領域の配列バリアントに対応することができる。
更なる実施形態において、本開示の多価抗スパイクタンパク質結合分子中の複数または全てのABDは、スパイクタンパク質の受容体結合ドメイン(RBD)に結合し、かつ/またはスパイクタンパク質を遮断もしくは中和することができ、例えば、スパイクタンパク質が、TMPRSS2などのプロテアーゼによって切断されるACE2などの受容体に結合する能力、または宿主細胞へのウイルス侵入もしくは宿主細胞におけるウイルス再生を媒介する能力を阻害する。
好適なスパイクタンパク質ABDフォーマットは、セクション6.3に記載されている。スパイクタンパク質ABDは、例えば、抗体または抗体の抗原結合部分、例えば、セクション6.3.1に記載されるようなFabまたはセクション6.3.2に記載されるようなscFvであることが可能である。
いくつかの実施形態において、スパイクタンパク質ABDは、スパイクタンパク質への結合について、例示的な抗体もしくは以下の表1に示された配列を有する抗体と競合する、および/または例示的な抗体もしくは表1に示された抗体配列を有する抗体の結合部分を含む。いくつかの態様において、スパイクタンパク質ABDは、スパイクタンパク質への結合について表1に示される抗体と競合する。更なる態様において、スパイクタンパク質ABDは、表1に示される抗体のCDR配列を有するCDRを含む。いくつかの実施形態において、スパイクタンパク質ABDは、表1に記載される抗体の6個全てのCDR配列を含む。他の実施形態において、スパイクタンパク質ABDは、ユニバーサル軽鎖の少なくとも重鎖CDR配列(CDR-H1、CDR-H2、CDR-H3と、軽鎖CDR配列と、を含む。更なる態様において、スパイクタンパク質ABDは、表1に示される抗体のVHのアミノ酸配列を含むVHを含む。いくつかの実施形態において、スパイクタンパク質ABDは、表1に示される抗体のVLのアミノ酸配列を含むVLを更に含む。他の実施形態において、スパイクタンパク質ABDは、ユニバーサル軽鎖VL配列を更に含む。
いくつかの実施形態において、スパイクタンパク質ABDは、アミノ酸配列を含むか、または以下の表2に示されるヌクレオチド配列によってコードされる。特定の態様において、スパイクタンパク質ABDは、以下の表2に示される抗体の重鎖CDRおよび軽鎖CDRの両方を含む。他の実施形態において、スパイクタンパク質ABDは、ユニバーサル軽鎖の少なくとも重鎖CDR配列と、軽鎖CDR配列と、を含む。更なる態様において、スパイクタンパク質ABDは、表2に示される抗体のVHのアミノ酸配列を有するVHと、表2に示されるのと同じ抗体のVLのアミノ酸配列を有するVLと、を含む。他の態様において、スパイクタンパク質ABDは、表2に示される抗体のVHのアミノ酸配列を有するVHと、ユニバーサル軽鎖VL配列と、を含む。
更なる実施形態において、スパイクタンパク質ABDは、以下の表3に示されるアミノ酸配列を含む。特定の態様において、スパイクタンパク質ABDは、以下の表3に示される抗体の重鎖CDRおよび軽鎖CDRの両方を含む。他の実施形態において、スパイクタンパク質ABDは、ユニバーサル軽鎖の少なくとも重鎖CDR配列と、軽鎖CDR配列と、を含む。更なる態様において、スパイクタンパク質ABDは、表3に示される抗体のVHのアミノ酸配列を有するVHと、表3に示されるのと同じ抗体のVLのアミノ酸配列を有するVLと、を含む。他の態様において、スパイクタンパク質ABDは、表3に示される抗体のVHのアミノ酸配列を有するVHと、ユニバーサル軽鎖VL配列と、を含む。表3の初期配列識別子は、WO2021/045836A1の配列表に関連しており、配列識別子は参照により本明細書に組み込まれるが、括弧内に提示される配列識別子は、本開示のものである。
いくつかの実施形態において、スパイクタンパク質ABDは、以下の表4に示されるアミノ酸配列を含む。いくつかの態様において、スパイクタンパク質ABDは、以下の表4に示される抗体の重鎖CDRおよび軽鎖CDRの両方を含む。特定の態様において、スパイクタンパク質ABDは、表4に示される抗体のVHのアミノ酸配列を有するVHと、表4に示されるのと同じ抗体のVLのアミノ酸配列を有するVLと、を含む。他の態様において、スパイクタンパク質ABDは、表4に示される抗体のVHのアミノ酸配列を有するVHと、ユニバーサル軽鎖VL配列と、を含む。表4の初期配列識別子は、WO2023/287875A1の配列表に関連しており、配列識別子は参照により本明細書に組み込まれるが、括弧内に提示される配列識別子は、本開示のものである。
いくつかの実施形態において、多価抗スパイクタンパク質結合分子のスパイクタンパク質ABDは、表4に示される抗体「mAb14287」の重鎖CDRおよび軽鎖CDRを含む。したがって、いくつかの実施形態において、スパイクタンパク質ABDは、それぞれ配列番号579、580、および581のアミノ酸配列を有するCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含むVHと、それぞれ配列番号398、372、および583のアミノ酸配列を有するCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含むVLと、を含む。いくつかの実施形態において、スパイクタンパク質ABDは、配列番号578のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有するVHと、配列番号582のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有するVLと、を含む。いくつかの実施形態において、スパイクタンパク質ABDは、配列番号578のアミノ酸配列を含むVHと、配列番号582のアミノ酸配列を含むVLと、を含む。
いくつかの実施形態において、多価抗スパイクタンパク質結合分子のスパイクタンパク質ABDは、表4に示される抗体「mAb15160」の重鎖CDRおよび軽鎖CDRを含む。したがって、いくつかの実施形態において、スパイクタンパク質ABDは、それぞれ配列番号507、508、および509のアミノ酸配列を有するCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含むVHと、それぞれ配列番号511、407、および512のアミノ酸配列を有するCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含むVLと、を含む。いくつかの実施形態において、スパイクタンパク質ABDは、配列番号506のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有するVHと、配列番号510のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有するVLと、を含む。いくつかの実施形態において、スパイクタンパク質ABDは、配列番号506のアミノ酸配列を含むVHと、配列番号510のアミノ酸配列を含むVLと、を含む。
いくつかの実施形態において、多価抗スパイクタンパク質結合分子のスパイクタンパク質ABDは、表4に示される抗体「mAb14315」の重鎖CDRおよび軽鎖CDRを含む。したがって、いくつかの実施形態において、スパイクタンパク質ABDは、それぞれ配列番号450、451、および452のアミノ酸配列を有するCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含むVHと、それぞれ配列番号454、415、および455のアミノ酸配列を有するCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含むVLと、を含む。いくつかの実施形態において、スパイクタンパク質ABDは、配列番号449のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有するVHと、配列番号453のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有するVLと、を含む。いくつかの実施形態において、スパイクタンパク質ABDは、配列番号449のアミノ酸配列を含むVHと、配列番号453のアミノ酸配列を含むVLと、を含む。
6.3.スパイクタンパク質抗原結合ドメインフォーマット
特定の態様において、本開示の多価抗スパイクタンパク質結合分子は、抗原決定基への特異的結合を保持する抗スパイクタンパク質抗体のABDを含む。一実施形態において、スパイクタンパク質ABDは、免疫グロブリンの天然に存在する(例えば、プロテアーゼ切断による)または操作された断片である。抗体断片としては、限定されないが、VH(またはVH)断片、VL(またはVL)断片、Fab断片、F(ab’)2断片、scFv断片、Fv断片、ミニボディ、ダイアボディ、トリアボディ、およびテトラボディが挙げられる。
特定の態様において、本開示の多価抗スパイクタンパク質結合分子は、抗原決定基への特異的結合を保持する抗スパイクタンパク質抗体のABDを含む。一実施形態において、スパイクタンパク質ABDは、免疫グロブリンの天然に存在する(例えば、プロテアーゼ切断による)または操作された断片である。抗体断片としては、限定されないが、VH(またはVH)断片、VL(またはVL)断片、Fab断片、F(ab’)2断片、scFv断片、Fv断片、ミニボディ、ダイアボディ、トリアボディ、およびテトラボディが挙げられる。
いくつかの実施形態において、スパイクタンパク質ABDは、FabまたはscFvの形態である。
6.3.1.Fab
Fabドメインは、伝統的には、パパインなどの酵素を使用した免疫グロブリン分子のタンパク質分解切断によって生成された。Fabドメインは、任意の好適な種からの定常ドメイン配列および可変領域配列を含むことができ、したがって、マウス、キメラ、ヒト、またはヒト化されたものであることが可能である。
6.3.1.Fab
Fabドメインは、伝統的には、パパインなどの酵素を使用した免疫グロブリン分子のタンパク質分解切断によって生成された。Fabドメインは、任意の好適な種からの定常ドメイン配列および可変領域配列を含むことができ、したがって、マウス、キメラ、ヒト、またはヒト化されたものであることが可能である。
Fabドメインは、典型的には、VHドメインに付着したCH1ドメインを含み、これは、VLドメインに付着したCLドメインと対合する。野生型免疫グロブリンにおいて、VHドメインは、VLドメインと対合してFv領域を構成し、CH1ドメインは、CLドメインと対合して結合部位を更に安定化する。2つの定常ドメイン間のジスルフィド結合は、Fabドメインを更に安定化することができる。
ホモ二量体ではない本開示の抗スパイクタンパク質結合抗体について、特に、抗スパイクタンパク質抗体の軽鎖が、一般的またはユニバーサル軽鎖ではない場合、Fabヘテロ二量体化戦略を使用して、同じ抗原結合ドメインに属するFabドメインの正しい会合を可能にし、異なる抗原結合ドメインに属するFabドメインの異常な対合を最小限に抑えることが有利である。例えば、以下の表5に示されるFabヘテロ二量体化戦略を使用することができる:
したがって、特定の実施形態において、Fabの2個のポリペプチド間の正しい会合は、例えば、WO2009/080251に記載されるように、FabのVLドメインおよびVHドメインを互いに交換するか、またはCH1ドメインおよびCLドメインを互いに交換することによって促進される。
正しいFab対合はまた、FabのCH1ドメインに1つ以上のアミノ酸修飾およびCLドメインに1つ以上のアミノ酸修飾を導入することによって、ならびに/またはVHドメインに1つ以上のアミノ酸修飾およびVLドメインに1つ以上のアミノ酸修飾を導入することによって、促進することができる。修飾されるアミノ酸は、典型的には、Fab構成要素が、他のFabの構成要素よりもむしろ互いと優先的に対合するようにVH:VL界面およびCH1:CL界面の一部である。
一実施形態において、1つ以上のアミノ酸修飾は、残基のKabat番号付けによって示されるように、可変(VH、VL)および定常(CH1、CL)ドメインの保存されたフレームワーク残基に限定される。Almagro,2008,Frontiers In Bioscience 13:1619-1633は、Kabat、Chothia、およびIMGT番号付けスキームに基づくフレームワーク残基の定義を提供する。
一実施形態において、VHおよびCH1ならびに/またはVLおよびCLドメインにおいて導入される修飾は、互いに相補的である。重鎖および軽鎖界面における相補性は、立体的接触および疎水性接触、静電/電荷相互作用、または様々な相互作用の組み合わせに基づいて達成することができる。タンパク質表面間の相補性は、ロックおよびキー適合(lock and key fit)、ノブ・イントゥ・ホール(knob into hole)、突起および空洞(protrusion and cavity)、ドナーおよびアクセプターなどの観点から、文献において広く記載されており、これらは全て、2つの相互作用する表面間の構造的一致および化学的一致の性質を示唆している。
一実施形態において、1つ以上の導入された修飾は、Fab構成要素の界面にわたって新しい水素結合を導入する。一実施形態において、1つ以上の導入された修飾は、Fab構成要素の界面にわたって新しい塩架橋を導入する。例示的な置換は、WO2014/150973およびWO2014/082179に記載されており、その内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
いくつかの実施形態において、Fabドメインは、CH1ドメインに192E置換と、CLドメインに114Aおよび137K置換と、を含み、これにより、CH1ドメインとCLドメインとの間に塩架橋が導入される(例えば、Golay et al.,2016,J Immunol 196:3199-211を参照されたい)。
いくつかの実施形態において、Fabドメインは、CH1ドメインに143Qおよび188V置換と、CLドメインに113Tおよび176V置換と、を含み、これは、CH1ドメインとCLドメインとの間の疎水性接触領域および極性接触領域を交換するのに役立つ(例えば、Golay et al.,2016,J Immunol 196:3199-211を参照されたい)。
いくつかの実施形態において、Fabドメインは、Fabドメインの正しいアセンブリを促進する直交性Fab界面を導入するための、VH、CH1、VL、CLドメインの一部または全部における修飾を含むことができる(Lewis et al.,2014,Nature Biotechnology 32:191-198)。ある実施形態において、39K、62E修飾がVHドメインに導入され、H172A、F174G修飾がCH1ドメインに導入され、1 R、38D、(36F)修飾がVLドメインに導入され、L135Y、S176W修飾がCLドメインに導入される。別の実施形態において、39Y修飾がVHドメインに導入され、38R修飾がVLドメインに導入される。
Fabドメインはまた、天然のCH1:CLジスルフィド結合を、操作されたジスルフィド結合で置き換えるように修飾することができ、それによって、Fab構成要素の対合の効率を増加させる。例えば、操作されたジスルフィド結合は、CH1ドメインに126Cを導入し、CLドメインに121Cを導入することによって導入することができる(例えば、Mazor et al.,2015,MABD 7:377-89を参照されたい)。
Fabドメインは、CH1ドメインおよびCLドメインを、正しいアセンブリを促進する代替ドメインで置き換えることによっても修飾することができる。例えば、Wu et al.,2015,MABD 7:364-76では、CH1ドメインをT細胞受容体の定常ドメインで置換し、CLドメインをT細胞受容体のbドメインで置換し、これらのドメイン置換を、VLドメインに38D修飾を導入し、VHドメインに39K修飾を導入することによって、VLドメインとVHドメインとの間の追加の電荷-電荷相互作用と対合することについて説明している。
6.3.2.scFv
一本鎖Fvまたは「scFv」抗体断片は、単一のポリペプチド鎖内の抗体のVHドメインおよびVLドメインを含み、これらは一本鎖ポリペプチドとして発現することができ、それらの由来となる無傷の抗体の特異性を保持する。一般に、scFvポリペプチドは、VHドメインとVLドメインとの間に、scFvが標的結合のために所望の構造を形成することを可能にするポリペプチドリンカーを更に含む。scFvのVH鎖およびVL鎖を接続するのに好適なリンカーの例は、セクション6.5で特定されるリンカーである。
一本鎖Fvまたは「scFv」抗体断片は、単一のポリペプチド鎖内の抗体のVHドメインおよびVLドメインを含み、これらは一本鎖ポリペプチドとして発現することができ、それらの由来となる無傷の抗体の特異性を保持する。一般に、scFvポリペプチドは、VHドメインとVLドメインとの間に、scFvが標的結合のために所望の構造を形成することを可能にするポリペプチドリンカーを更に含む。scFvのVH鎖およびVL鎖を接続するのに好適なリンカーの例は、セクション6.5で特定されるリンカーである。
本明細書で使用される場合、指定されない限り、scFvは、例えば、ポリペプチドのN末端およびC末端に関して、いずれかの順序でVL可変領域およびVH可変領域を有していてもよく、scFvは、VL-リンカー-VHを含んでいてもよく、またはVH-リンカー-VLを含んでいてもよい。
scFvは、マウス、ヒト、またはヒト化されたVH配列およびVL配列などの任意の好適な種からのVH配列およびVL配列を含むことができる。
scFvをコードする核酸を作成するために、VHおよびVLをコードするDNA断片を、リンカーをコードする別の断片、例えば、セクション6.5に記載のリンカー(典型的には、アミノ酸配列(Gly4~Ser)3などのアミノ酸グリシンおよびセリンを含む配列の反復)のうちのいずれかをコードする断片に作動可能に連結し、その結果、VH配列およびVL配列を、可撓性リンカーによって結合されたVL領域およびVH領域を有する連続した一本鎖タンパク質として発現させることができる(例えば、Bird et al.,1988,Science 242:423-426;Huston et al.,1988,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:5879-5883;McCafferty et al.,1990,Nature 348:552-554を参照されたい)。
scFvをコードする核酸を作成するために、VHおよびVLをコードするDNA断片を、リンカーをコードする別の断片、例えば、セクション6.5に記載のリンカー(典型的には、アミノ酸配列(Gly4~Ser)3などのアミノ酸グリシンおよびセリンを含む配列の反復)のうちのいずれかをコードする断片に作動可能に連結し、その結果、VH配列およびVL配列を、可撓性リンカーによって結合されたVL領域およびVH領域を有する連続した一本鎖タンパク質として発現させることができる(例えば、Bird et al.,1988,Science 242:423-426;Huston et al.,1988,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:5879-5883;McCafferty et al.,1990,Nature 348:552-554を参照されたい)。
6.4.多量体化部分
いくつかの実施形態において、本開示の多価抗スパイクタンパク質結合分子は、1個以上の多量体化部分、例えば、Fcドメインであるか、またはそれを含む1個以上の多量体化部分を含む。特定の実施形態において、本開示の多価抗スパイクタンパク質結合分子は、単一の多量体化部分(例えば、単一のFcドメイン)を含み、かつ/または本開示の多価抗スパイクタンパク質結合分子は、2個以上の多量体化部分(例えば、会合してFc領域を形成することができる2個以上のFcドメイン)を含む。いくつかの実施形態において、ACE融合タンパク質は、例えば、セクション6.4.1に記載されるように、5個または6個のIgM由来の二量体Fc領域の五量体または六量体である。
いくつかの実施形態において、本開示の多価抗スパイクタンパク質結合分子は、1個以上の多量体化部分、例えば、Fcドメインであるか、またはそれを含む1個以上の多量体化部分を含む。特定の実施形態において、本開示の多価抗スパイクタンパク質結合分子は、単一の多量体化部分(例えば、単一のFcドメイン)を含み、かつ/または本開示の多価抗スパイクタンパク質結合分子は、2個以上の多量体化部分(例えば、会合してFc領域を形成することができる2個以上のFcドメイン)を含む。いくつかの実施形態において、ACE融合タンパク質は、例えば、セクション6.4.1に記載されるように、5個または6個のIgM由来の二量体Fc領域の五量体または六量体である。
6.4.1.Fcドメイン
本開示の多価抗スパイクタンパク質結合分子は、ACE2部分に作動可能に連結された任意の適切な種に由来する、Fcドメイン、または会合してFc領域を形成する一対のFcドメインを含むことができる。一実施形態において、Fcドメインは、ヒトFcドメインに由来する。好ましい実施形態において、ACE2部分は、IgM Fcドメインに融合される。
本開示の多価抗スパイクタンパク質結合分子は、ACE2部分に作動可能に連結された任意の適切な種に由来する、Fcドメイン、または会合してFc領域を形成する一対のFcドメインを含むことができる。一実施形態において、Fcドメインは、ヒトFcドメインに由来する。好ましい実施形態において、ACE2部分は、IgM Fcドメインに融合される。
多価抗スパイクタンパク質結合分子に組み込まれることができるFcドメインは、IgA(サブクラスIgA1およびIgA2を含む)、IgD、IgE、IgG(サブクラスIgG1、IgG2、IgG3、およびIgG4を含む)、およびIgMを含む、任意の好適なクラスの抗体に由来することができる。一実施形態において、Fcドメインは、IgMに由来する。
天然抗体において、IgA、IgD、およびIgGの重鎖Fcドメインは、2つの重鎖定常ドメイン(Cμ2およびCμ3)で構成されており、IgEおよびIgMのドメインは、3つの重鎖定常ドメイン(Cμ2、Cμ3およびCμ4)で構成されている。これらは二量体化して、Fc領域を作成する。
本開示の多価抗スパイクタンパク質結合分子において、Fc領域、および/またはその中のFcドメインは、1つ以上の異なるクラスの抗体、例えば、1つ、2つ、または3つの異なるクラスに由来する重鎖定常ドメインを含むことができる。
6.4.2.IgM Fcドメイン
いくつかの実施形態において、本開示の多価抗スパイクタンパク質結合分子は、IgMに由来するFcドメインを含む。IgMは、共通のH2L2抗体単位を形成する重鎖(H)軽鎖(L)アセンブリの共有結合性多量体としてヒトに天然に存在する。重鎖および軽鎖に加えて、IgMは、接続(J)鎖として知られる第3の鎖も有する(Keyt et al.,2020,Antibodies.9(4):53)。IgMは、J鎖が組み込まれている場合には五量体として存在し、J鎖を欠く場合には六量体として存在する。
いくつかの実施形態において、本開示の多価抗スパイクタンパク質結合分子は、IgMに由来するFcドメインを含む。IgMは、共通のH2L2抗体単位を形成する重鎖(H)軽鎖(L)アセンブリの共有結合性多量体としてヒトに天然に存在する。重鎖および軽鎖に加えて、IgMは、接続(J)鎖として知られる第3の鎖も有する(Keyt et al.,2020,Antibodies.9(4):53)。IgMは、J鎖が組み込まれている場合には五量体として存在し、J鎖を欠く場合には六量体として存在する。
本開示の多価抗スパイクタンパク質結合分子のためのIgM Fc領域の生成において使用するための重鎖定常ドメインは、上述の天然に存在する定常ドメインのバリアントを含んでいてもよい。一例において、本開示のFc領域は、野生型定常ドメインとは配列が異なる少なくとも1つの定常ドメインを含む。バリアント定常ドメインは、それらの対応物である野生型定常ドメインよりも長くても、または短くてもよいことが理解されるであろう。
IgMの重鎖は、尾部として既知であるC末端定常ドメインへの18アミノ酸の延長部分を有する。尾部は、ポリマー内の重鎖間にジスルフィド結合を形成するシステイン残基を含み、重合において重要な役割を果たしていると考えられる。尾部はまた、グリコシル化部位を含む。特定の実施形態において、本開示の多価抗スパイクタンパク質結合分子は、尾部を含む。
IgMアセンブリは、典型的には、重(H)鎖と軽(L)鎖とをH-L配置に会合させて開始し、次いで、このH-L配置が、二量体化してH2L2サブユニットを形成する。このサブユニット内アセンブリの重要な部位は、Cys337であり、これは2つのCμ2ドメイン間にジスルフィド結合を形成し、H2L2を安定化させる。次に、これらのサブユニットをジスルフィド架橋によって一緒に合わせ、多量体を形成する。この多量体化に関与する残基は、Cμ4の尾ドメイン上のCys575であり、これがジスルフィド結合を形成し、非共有性Cμ4相互作用を可能にする。別の重要な残基は、Cμ3上のCys414であり、これは、Cμ2のCys337残基間のジスルフィド結合に直列に、隣接するH2L2サブユニットの2個のCμ3ドメインを更に接続する。J鎖の存在下で、IgMアセンブリは、Cys337ジスルフィド結合が、Cys414ジスルフィド結合およびCys575ジスルフィド結合の両方と直列である五量体をもたらす(Pasalic et al.,2017,Proc.Nat’l Acad.Sci USA 114(41)E8575-E8584、Keyt et al.,2020,Antibodies.9(4):53、Casali,1998.Encyclopedia of Immunology(2nd Ed),p1212-1217)。IgMアセンブリがJ鎖を含むためには、J鎖ポリペプチドを、H2L2サブユニットドメインをコードするポリペプチドと共発現させる必要がある。
特定の実施形態において、本開示によって提供される多量体化部分は、二量体IgM重鎖定常領域またはその多量体化断片を含む五量体または六量体結合分子である。
全長ヒトIgM重鎖定常ドメインの例示的な配列を以下に再現する。
全長ヒトIgM重鎖定常ドメインの例示的な配列を以下に再現する。
理論に拘束されることを望まないが、二量体IgM Fc領域の五量体構造または六量体構造への組み立ては、少なくともCμ4、および/または尾部(TP)ドメインを伴うと考えられる(Braathen,R.,et al.,2002.J.Biol.Chem.277:42755-42762)。したがって、IgM Fcドメインに基づく多量体化部分は、典型的には、少なくともCμ4および/またはTPドメイン配列を含む。
IgM重鎖定常ドメインは、更に、Cμ3ドメインもしくはその断片、Cμ2ドメインもしくはその断片、および/または他のIgMもしくは他の免疫グロブリン重鎖ドメインを含むことができる。
ヒトIgM重鎖定常ドメインの例示的な配列は、以下の表6に再現される。
いくつかの実施形態において、Fcドメインは、IgMのCμ4ドメインのアミノ酸配列、またはそれに対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも93%、少なくとも95%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、Fcドメインは、配列番号4のアミノ酸配列に対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも93%、少なくとも95%、少なくとも98%の配列同一性、少なくとも99%の配列同一性、または100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態において、Fcドメインは、IgMのCμ4および尾部ドメインのアミノ酸配列、またはそれに対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも93%、少なくとも95%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、Fcドメインは、配列番号5のアミノ酸配列に対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも93%、少なくとも95%、少なくとも98%の配列同一性、少なくとも99%の配列同一性、または100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態において、Fcドメインは、IgMのCμ3およびCμ4ドメインのアミノ酸配列、またはそれに対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも93%、少なくとも95%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、Fcドメインは、配列番号6のアミノ酸配列に対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも93%、少なくとも95%、少なくとも98%の配列同一性、少なくとも99%の配列同一性、または100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態において、Fcドメインは、IgMのCμ3およびCμ4および尾部ドメインのアミノ酸配列、またはそれに対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも93%、少なくとも95%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、Fcドメインは、配列番号7のアミノ酸配列に対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも93%、少なくとも95%、少なくとも98%の配列同一性、少なくとも99%の配列同一性、または100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
更なる実施形態において、Fcドメインは、IgMのCμ2、Cμ3およびCμ4ドメインのアミノ酸配列、またはそれに対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも93%、少なくとも95%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、Fcドメインは、配列番号8のアミノ酸配列に対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも93%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%の配列同一性、または100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
なお更なる実施形態において、Fcドメインは、IgMのCμ2、Cμ3、Cμ4および尾部ドメインのアミノ酸配列、またはそれに対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも93%、少なくとも95%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、Fcドメインは、配列番号9のアミノ酸配列に対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも93%、少なくとも95%、少なくとも98%の配列同一性、少なくとも99%の配列同一性、または100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
6.4.3.J鎖
J鎖は、小さな137残基ポリペプチドであり、Cμ4尾部とジスルフィド結合を形成することによってIgMと会合している。五量体IgMへのJ鎖の組み込みは、第1および第5の単量体単位を架橋することによって環構造を閉じ、それによって第6のIgMモノマーの添加を排除する。
J鎖は、小さな137残基ポリペプチドであり、Cμ4尾部とジスルフィド結合を形成することによってIgMと会合している。五量体IgMへのJ鎖の組み込みは、第1および第5の単量体単位を架橋することによって環構造を閉じ、それによって第6のIgMモノマーの添加を排除する。
ヒト成熟野生型J鎖の例示的なアミノ酸配列を以下に再現する。
いくつかの実施形態において、操作されたJ鎖は、IgM五量体に組み込まれる。操作されたヒト成熟J鎖の例示的なアミノ配列を以下に再現する。
本開示の多価抗スパイクタンパク質結合分子(例えば、五量体多価抗スパイクタンパク質結合分子)は、CH4尾部に会合するJ鎖ポリペプチドを更に含んでいてもよい。様々な実施形態において、J鎖ポリペプチドは、天然に存在する成熟J鎖ポリペプチドもしくは操作されたJ鎖ポリペプチドのアミノ酸配列、またはそれに対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも93%、少なくとも95%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸を含む。いくつかの実施形態において、J鎖ポリペプチドは、配列番号1または配列番号2のアミノ酸配列に対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも93%、少なくとも95%、または少なくとも98%の配列同一性、少なくとも99%の配列同一性、または100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
6.4.3.1.IgG Fc連結J鎖
いくつかの実施形態において、本開示の多価抗スパイクタンパク質結合分子は、任意選択でポリペプチドリンカーを介して、IgG Fcドメインに作動可能に連結されたJ鎖ポリペプチドを含む。J鎖およびIgG Fcドメインを接続するのに好適なリンカーの例は、セクション6.5で特定されるリンカーである。いくつかの実施形態において、IgG Fcドメインは、J鎖ポリペプチドのN末端に接続されている。いくつかの実施形態において、IgG Fcドメインは、J鎖ポリペプチドのC末端に接続されている。そのような多価抗スパイクタンパク質結合分子の例は、図1C~1Eに示されている。
いくつかの実施形態において、本開示の多価抗スパイクタンパク質結合分子は、任意選択でポリペプチドリンカーを介して、IgG Fcドメインに作動可能に連結されたJ鎖ポリペプチドを含む。J鎖およびIgG Fcドメインを接続するのに好適なリンカーの例は、セクション6.5で特定されるリンカーである。いくつかの実施形態において、IgG Fcドメインは、J鎖ポリペプチドのN末端に接続されている。いくつかの実施形態において、IgG Fcドメインは、J鎖ポリペプチドのC末端に接続されている。そのような多価抗スパイクタンパク質結合分子の例は、図1C~1Eに示されている。
一実施形態において、IgG Fcドメインは、IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4に由来する。一実施形態において、Fc IgGドメインは、IgG1に由来する。一実施形態において、Fcドメインは、IgG4に由来する。
IgG1、IgG2、IgG3、およびIgG4からのIgG Fcドメインの例示的な配列は、以下の表Y-1に提供される。
いくつかの実施形態において、IgG Fcドメインは、配列番号10に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態において、IgG Fcドメインは、配列番号11に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態において、IgG Fcドメインは、配列番号12に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態において、IgG Fcドメインは、配列番号13に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態において、IgG Fcドメインは、非二量体化(または「単量体」)Fcドメインであり、これは、野生型Fcドメインと比較して自己会合する能力が減少しているか、または例えば、Helm et al.,1996,J.Biol.Chem.271:7494-7500またはYing et al.,2012,J Biol Chem.287(23):19399-19408に記載されるように、完全に自己会合する能力を欠く、Fcドメインを指す。非二量体化Fcドメインの一例は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許公開第2019/0367611号に記載されるように、CH3におけるT366および/またはY407(Kabat EUインデックスによる番号付け)に対応する位置にアミノ酸置換を含む。非二量体化Fcドメインに含まれてもよい特定のアミノ酸置換には、例えば、L351S、T366R、L368H、P395K、L242C、K334C、L351S、P343C、A431C、L351Y、T366Y、L368A、P395R、F405R、Y407M、K409A、F405E、Y407K、L351K、T366S、P395V、Y407A、およびK409Y(Kabat EUインデックスによる番号付け)が含まれる。本開示の非二量体化Fcドメインは、上述の置換のうちの任意の1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10、またはそれより多くを含んでいてもよい。
非二量体化Fcドメインの例示的な配列を以下の表Y-2に提供する。太字の残基は、野生型ヒトIgG配列に対するアミノ酸置換の位置を示す。
いくつかの実施形態において、非二量体化Fcドメインは、配列番号14に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、非二量体化Fcドメインは、配列番号15に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、非二量体化Fcドメインは、配列番号16に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、非二量体化Fcドメインは、配列番号17に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、非二量体化Fcドメインは、配列番号18に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、非二量体化Fcドメインは、配列番号19に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態において、IgG Fcドメインは、CH2ドメインおよびCH3ドメインに加えて、リンカー(例えば、セクション6.5に記載されるリンカー)を介して第1のCH3ドメインに接続された追加のCH3ドメインを更に含む。そのような構成を含むFcドメイン(CH2-CH3-リンカー-CH3)は、便宜上、本明細書では「Fc1.5ドメイン」または単に「Fc1.5」と呼ばれることがある。Fc1.5ドメインの第1のCH3ドメインと第2のCH3ドメインとの間のリンカーは、好ましくは、第1のCH3ドメインと第2のCH3ドメインとの二量体化を可能にするように、十分な長さおよび可撓性を有する。したがって、いくつかの実施形態において、Fc1.5ドメインは、第1のCH3ドメインと第2のCH3ドメインを接続する、少なくとも5個、少なくとも10個、少なくとも15個、または少なくとも20個のアミノ酸長のリンカーを含む。
Fc1.5ドメインの例示的な配列を以下の表Y-3に提供する。
いくつかの実施形態において、Fc1.5ドメインは、配列番号20に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、Fc1.5ドメインは、配列番号21に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、Fc1.5ドメインは、配列番号22に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、Fc1.5ドメインは、配列番号23に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、Fc1.5ドメインは、配列番号24に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、Fc1.5ドメインは、配列番号25に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、Fc1.5ドメインは、配列番号26に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、Fc1.5ドメインは、配列番号27に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
IgG Fcドメインに連結されたJ鎖の例示的な配列を以下の表Y-4に提供する。
いくつかの実施形態において、IgG Fc連結J鎖は、配列番号28に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、Fc1.5ドメインは、配列番号29に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、Fc1.5ドメインは、配列番号30に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、Fc1.5ドメインは、配列番号31に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、Fc1.5ドメインは、配列番号32に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
6.4.3.1.1.エフェクター機能が変化したIgG Fcドメイン
いくつかの実施形態において、本開示のIgG Fc連結J鎖のIgG Fcドメインは、Fc受容体への結合および/またはエフェクター機能を変化させる(例えば、減らす)1つ以上のアミノ酸置換を含む。
いくつかの実施形態において、本開示のIgG Fc連結J鎖のIgG Fcドメインは、Fc受容体への結合および/またはエフェクター機能を変化させる(例えば、減らす)1つ以上のアミノ酸置換を含む。
特定の実施形態において、Fc受容体は、Fcγ受容体である。一実施形態において、Fc受容体は、ヒトFc受容体である。一実施形態において、Fc受容体は、活性化Fc受容体である。特定の実施形態において、Fc受容体は、活性化ヒトFcγ受容体、より具体的には、ヒトFcγRIIIa、FcγRIまたはFcγRIIa、最も具体的には、ヒトFcγRIIIaである。一実施形態において、エフェクター機能は、補体依存性細胞傷害(CDC)、抗体依存性細胞媒介性細胞傷害(ADCC)、抗体依存性細胞食作用(ADCP)、およびサイトカイン分泌の群から選択される1つ以上である。特定の実施形態において、エフェクター機能は、ADCCである。
一実施形態において、Fcドメイン(例えば、IgG Fc連結J鎖のFcドメイン)は、E233、L234、L235、N297、P331、およびP329(Kabat EUインデックスによる番号付け)の群から選択される位置にアミノ酸置換を含む。より特定の実施形態において、Fcドメインは、L234、L235およびP329(Kabat EUインデックスによる番号付け)の群から選択される位置にアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態において、Fcドメインは、アミノ酸置換L234AおよびL235A(Kabat EUインデックスによる番号付け)を含む。かかる一実施形態において、Fcドメインまたは領域は、Igd Fcドメインまたは領域、特に、ヒトIgd Fcドメインまたは領域である。一実施形態において、FcドメインまたはFc領域は、位置P329にアミノ酸置換を含む。より特定の実施形態において、アミノ酸置換は、P329AまたはP329G、特にP329G(Kabat EUインデックスによる番号付け)である。一実施形態において、FcドメインまたはFc領域は、位置P329にアミノ酸置換、ならびにE233、L234、L235、N297およびP331(Kabat EUインデックスによる番号付け)から選択される位置に更なるアミノ酸置換を含む。より特定の実施形態において、更なるアミノ酸置換は、E233P、L234A、L235A、L235E、N297A、N297DまたはP331Sである。特定の実施形態において、FcドメインまたはFc領域は、位置P329、L234、およびL235にアミノ酸置換を含む(Kabat EUインデックスによる番号付け)。より特定の実施形態において、Fcドメインは、アミノ酸変異L234A、L235AおよびP329G(「P329G LALA」、「PGLALA」または「LALAPG」)を含む。
典型的には、同じ1つ以上のアミノ酸置換が、Fc領域の2つのFcドメインの各々に存在する。したがって、特定の実施形態において、Fc領域の各Fcドメインは、アミノ酸置換L234A、L235A、およびP329G(Kabat EUインデックス番号付け)を含み、すなわち、Fc領域の第1のFcドメインおよび第2のFcドメインの各々において、位置234のロイシン残基がアラニン残基で置き換えられ(L234A)、位置235のロイシン残基がアラニン残基で置き換えられ(L235A)、位置329のプロリン残基がグリシン残基で置き換えられる(P329G)(Kabat EUインデックスによる番号付け)。
一実施形態において、Fcドメインは、IgG1 Fcドメイン、特にヒトIgG1 Fcドメインである。いくつかの実施形態において、IgG1 Fcドメインは、エフェクター機能を減らすためのD265A、N297A変異(EU番号付け)を含むバリアントIgG1である。
別の実施形態において、Fcドメインは、Fc受容体への結合が減少したIgG4 Fcドメインである。Fc受容体への結合が減少した例示的なIgG4 Fcドメインは、以下の表Hから選択されるアミノ酸配列を含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、Fcドメインは、以下に示される配列の太字部分のみを含む。
特定の実施形態において、減少したエフェクター機能を有するIgG4は、WO2014/121087の配列番号31のアミノ酸配列の太字部分を含み、本明細書ではIgG4またはhIgG4と呼ばれることもある。
6.4.3.1.2.ヒンジドメイン
本開示のIgG Fc連結J鎖は、そのN末端にヒンジドメインを含むFcドメインを含むことができる。ヒンジ領域は、天然のヒンジ領域または修飾されたヒンジ領域であることが可能である。ヒンジ領域は、典型的には、Fc領域のN末端に見出される。「ヒンジドメイン」という用語は、別段文脈が指示しない限り、単一または単量体のポリペプチド鎖の文脈において、単量体ヒンジドメインである天然に存在するヒンジ配列または天然に存在しないヒンジ配列を指し、二量体ポリペプチドの文脈では(例えば、2つのFcドメインの会合によってFc領域)、別個のポリペプチド鎖上に2つの会合されたヒンジ配列を含むことができる。時として、2つの会合されたヒンジ配列は、「ヒンジ領域」と称される。IgG Fc連結J鎖の特定の実施形態において、ヒンジ領域の追加の反復がポリペプチド配列に組み込まれてもよい。
本開示のIgG Fc連結J鎖は、そのN末端にヒンジドメインを含むFcドメインを含むことができる。ヒンジ領域は、天然のヒンジ領域または修飾されたヒンジ領域であることが可能である。ヒンジ領域は、典型的には、Fc領域のN末端に見出される。「ヒンジドメイン」という用語は、別段文脈が指示しない限り、単一または単量体のポリペプチド鎖の文脈において、単量体ヒンジドメインである天然に存在するヒンジ配列または天然に存在しないヒンジ配列を指し、二量体ポリペプチドの文脈では(例えば、2つのFcドメインの会合によってFc領域)、別個のポリペプチド鎖上に2つの会合されたヒンジ配列を含むことができる。時として、2つの会合されたヒンジ配列は、「ヒンジ領域」と称される。IgG Fc連結J鎖の特定の実施形態において、ヒンジ領域の追加の反復がポリペプチド配列に組み込まれてもよい。
天然のヒンジ領域は、通常、天然に存在する抗体におけるFabドメインとFcドメインとの間に見出されるヒンジ領域である。修飾されたヒンジ領域は、天然のヒンジ領域とは長さおよび/または組成が異なる任意のヒンジである。かかるヒンジは、ヒト、マウス、ラット、ウサギ、サメ、ブタ、ハムスター、ラクダ、ラマ、またはヤギのヒンジ領域などの他の種からのヒンジ領域を含むことができる。他の修飾されたヒンジ領域は、重鎖FcドメインまたはFc領域のものとは異なるクラスまたはサブクラスの抗体に由来する完全なヒンジ領域を含んでいてもよい。あるいは、修飾されたヒンジ領域は、天然ヒンジの一部または繰り返しユニットを含んでいてもよく、繰り返しの各ユニットは、天然ヒンジ領域に由来する。更なる代替において、天然ヒンジ領域は、1つ以上のシステインもしくは他の残基を、セリンもしくはアラニンなどの中性残基に変換することによって、または好適に配置された残基をシステイン残基に変換することによって、変更されてもよい。かかる手段によって、ヒンジ領域内のシステイン残基の数を増加または減少させてもよい。他の修飾されたヒンジ領域は、完全に合成であってもよく、長さ、システイン組成、および可撓性などの所望の特性を有するように設計されてもよい。
いくつかの修飾されたヒンジ領域は、例えば、米国特許第5,677,425号、WO99/15549、WO2005/003170、WO2005/003169、WO2005/003170、WO98/25971、およびWO2005/003171に既に記載されており、これらは参照により本明細書に組み込まれる。
一実施形態において、IgG Fc連結J鎖は、一方または両方のFcドメインがそのN末端に無傷のヒンジドメインを有するFc領域を含む。
様々な実施形態において、ヒンジ領域内の位置233~236は、G、G、G、空きであってもよく、G、G、空き、空きであってもよく、G、空き、空き、空きであってもよく、または全てが空きであってもよく、位置は、EU番号付けによって番号付けされている。
様々な実施形態において、ヒンジ領域内の位置233~236は、G、G、G、空きであってもよく、G、G、空き、空きであってもよく、G、空き、空き、空きであってもよく、または全てが空きであってもよく、位置は、EU番号付けによって番号付けされている。
いくつかの実施形態において、IgG Fc連結J鎖は、同じアイソタイプ(例えば、ヒトIgG1またはヒトIgG4)の野生型ヒンジ領域と比較して、Fcγ受容体に対する結合親和性が減少した、修飾されたヒンジ領域を含む。
一実施形態において、IgG Fc連結J鎖は、各FcドメインがそのN末端に無傷のヒンジドメインを有するFc領域を含み、各Fcドメインおよびヒンジドメインは、IgG4に由来し、各ヒンジドメインは、修飾された配列CPPCを含む。ヒトIgG4のコアヒンジ領域は、配列CPPCを含むIgG1と比較して、配列CPSCを含む。IgG4配列中に存在するセリン残基は、この領域における可撓性の増加をもたらし、したがって、ある割合の分子は、IgG分子内の他の重鎖に架橋して鎖間ジスルフィドを形成するのではなく、同じタンパク質鎖内にジスルフィド結合(鎖内ジスルフィド)を形成する。(Angel et al.,1993,Mol Immunol 30(1):105-108)。セリン残基をプロリンに変更して、IgG1と同じコア配列を得ることで、IgG4ヒンジ領域内に鎖間ジスルフィドの完全な形成が可能になり、したがって、精製生成物中の不均一性が減る。この変化したアイソタイプは、IgG4Pと呼ばれる。
6.4.3.1.2.1.キメラヒンジ配列
ヒンジドメインは、キメラヒンジドメインであることが可能である。「キメラ」ヒンジドメインは、第1の型のIgG(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4)からの第1の領域、および第2の異なる型のIgG(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4)からの第2の領域を含むヒンジドメインを説明する。
ヒンジドメインは、キメラヒンジドメインであることが可能である。「キメラ」ヒンジドメインは、第1の型のIgG(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4)からの第1の領域、および第2の異なる型のIgG(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4)からの第2の領域を含むヒンジドメインを説明する。
例えば、キメラヒンジは、ヒトIgG1、ヒトIgG2、またはヒトIgG4ヒンジ領域に由来する「下部ヒンジ」配列と組み合わせられたヒトIgG1、ヒトIgG2、またはヒトIgG4ヒンジ領域に由来する「上部ヒンジ」配列を含んでいてもよい。
特定の実施形態において、キメラヒンジ領域は、アミノ酸配列EPKSCDKTHTCPPCPAPPVA(WO2014/121087の配列番号8として以前に開示されており、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)またはESKYGPPCPPCPAPPVA(WO2014/121087の配列番号9として以前に開示されている)を含む。このようなキメラヒンジ配列は、IgG4 CH2領域に好適に連結することができる(例えば、IgG4 Fcドメイン、例えば、ヒトFcドメインまたはマウスFcドメインに組み込むことによって、例えば、セクション6.4.3.1.1に記載されるように、エフェクター機能を減少させるためにCH2および/またはCH3ドメインで更に修飾することができる)。
6.5.リンカー
特定の態様において、本開示は、2つ以上の構成要素がペプチドリンカーによって互いに接続されている多価抗スパイクタンパク質結合分子を提供する。例として、限定されないが、リンカーを使用して、スパイクタンパク質ABDを多量体化部分に接続することができる。
特定の態様において、本開示は、2つ以上の構成要素がペプチドリンカーによって互いに接続されている多価抗スパイクタンパク質結合分子を提供する。例として、限定されないが、リンカーを使用して、スパイクタンパク質ABDを多量体化部分に接続することができる。
ペプチドリンカーは、2アミノ酸~60アミノ酸以上の範囲とすることができ、特定の態様において、ペプチドリンカーは、3アミノ酸~50アミノ酸、4~30アミノ酸、5~25アミノ酸、10~25アミノ酸、10アミノ酸~60アミノ酸、12アミノ酸~20アミノ酸、20アミノ酸~50アミノ酸、または25アミノ酸~35アミノ酸長の範囲とすることができる。
特定の態様において、ペプチドリンカーは、少なくとも5アミノ酸長、少なくとも6アミノ酸長、または少なくとも7アミノ酸長であり、任意選択で、最大30アミノ酸長、最大40アミノ酸長、最大50アミノ酸長、または最大60アミノ酸長である。
前述のいくつかの実施形態において、リンカーは、5アミノ酸~50アミノ酸長の範囲、例えば、5~50、5~45、5~40、5~35、5~30、5~25、または5~20アミノ酸長の範囲である。前述の他の実施形態において、リンカーは、6アミノ酸~50アミノ酸長の範囲、例えば、6~50、6~45、6~40、6~35、6~30、6~25、または6~20アミノ酸長の範囲である。前述の更に他の実施形態において、リンカーは、7アミノ酸~50アミノ酸長の範囲、例えば、7~50、7~45、7~40、7~35、7~30、7~25、または7~20アミノ酸長の範囲である。
いくつかの実施形態において、リンカーは、G4Sリンカーである。いくつかの実施形態において、リンカーは、2個の連続するG4S配列、3個の連続するG4S配列、4個の連続するG4S配列、5個の連続するG4S配列、または6個の連続するG4S配列を含む。
6.6.核酸および宿主細胞
別の態様において、本開示は、本開示の多価抗スパイクタンパク質結合分子をコードする核酸を提供する。いくつかの実施形態において、多価抗スパイクタンパク質結合分子は、単一の核酸によってコードされる。他の実施形態において、多価抗スパイクタンパク質結合分子は、複数(例えば、2、3、4個、またはそれより多く)の核酸によってコードすることができる。
別の態様において、本開示は、本開示の多価抗スパイクタンパク質結合分子をコードする核酸を提供する。いくつかの実施形態において、多価抗スパイクタンパク質結合分子は、単一の核酸によってコードされる。他の実施形態において、多価抗スパイクタンパク質結合分子は、複数(例えば、2、3、4個、またはそれより多く)の核酸によってコードすることができる。
単一の核酸は、単一のポリペプチド鎖を含む多価抗スパイクタンパク質結合分子、2個以上のポリペプチド鎖を含む多価抗スパイクタンパク質結合分子、または2個より多いポリペプチド鎖を含む多価抗スパイクタンパク質結合分子の一部をコードすることができる(例えば、単一の核酸は、3個、4個、もしくはそれより多いポリペプチド鎖を含む多価抗スパイクタンパク質結合分子の2個のポリペプチド鎖、または4個以上のポリペプチド鎖を含む多価抗スパイクタンパク質結合分子の3個のポリペプチド鎖をコードすることができる)。発現を別々に制御するために、2個以上のポリペプチド鎖をコードするオープンリーディングフレームは、別々の転写調節エレメント(例えば、プロモーターおよび/またはエンハンサー)の制御下におくことができる。2個以上のポリペプチドをコードするオープンリーディングフレームは、同じ転写調節エレメントによって制御され、内部リボソーム進入部位(IRES)配列によって分離され、別々のポリペプチドへの翻訳を可能にすることもできる。
いくつかの実施形態において、2個以上のポリペプチド鎖を含む多価抗スパイクタンパク質結合分子は、2個以上の核酸によってコードされる。多価抗スパイクタンパク質結合分子をコードする核酸の数は、多価抗スパイクタンパク質結合分子中のポリペプチド鎖の数以下であることが可能である(例えば、2個以上のポリペプチド鎖が単一の核酸によってコードされる場合)。
本開示の核酸は、DNAまたはRNA(例えば、mRNA)であることが可能である。
別の態様において、本開示は、本開示の核酸を含む宿主細胞およびベクターを提供する。核酸は、本明細書において以下により詳細に記載されるように、単一のベクター中に存在してもよく、または同じ宿主細胞もしくは別個の宿主細胞中に存在する別個のベクター中に存在してもよい。
別の態様において、本開示は、本開示の核酸を含む宿主細胞およびベクターを提供する。核酸は、本明細書において以下により詳細に記載されるように、単一のベクター中に存在してもよく、または同じ宿主細胞もしくは別個の宿主細胞中に存在する別個のベクター中に存在してもよい。
6.6.1.ベクター
本開示は、本明細書に記載される多価抗スパイクタンパク質結合分子またはその構成要素(例えば、多価抗スパイクタンパク質結合分子のポリペプチド鎖のうちの1個または2個)をコードするヌクレオチド配列を含むベクターを提供する。ベクターは、ウイルス、プラスミド、コスミド、ラムダファージ、または酵母人工染色体(YAC)を含むが、これらに限定されない。
本開示は、本明細書に記載される多価抗スパイクタンパク質結合分子またはその構成要素(例えば、多価抗スパイクタンパク質結合分子のポリペプチド鎖のうちの1個または2個)をコードするヌクレオチド配列を含むベクターを提供する。ベクターは、ウイルス、プラスミド、コスミド、ラムダファージ、または酵母人工染色体(YAC)を含むが、これらに限定されない。
多数のベクター系を用いることができる。例えば、ベクターの1つのクラスは、例えば、ウシパピローマウイルス、ポリオーマウイルス、アデノウイルス、ワクシニアウイルス、バキュロウイルス、レトロウイルス(ラウス肉腫ウイルス、MMTVもしくはMOMLV)、またはSV40ウイルスなどの動物ウイルスに由来するDNAエレメントを利用する。別のクラスのベクターは、セムリキ森林ウイルス、東部ウマ脳炎ウイルス、およびフラビウイルスなどのRNAウイルスに由来するRNAエレメントを利用する。
追加的に、DNAを染色体に安定的に組み込んだ細胞は、トランスフェクトされた宿主細胞の選択を可能にする1つ以上のマーカーを導入することによって選択することができる。マーカーは、例えば、栄養要求性宿主に対するプロトトロピー(prototropy)、殺生物剤耐性(例えば、抗生物質)、または銅などの重金属に対する耐性などを提供してもよい。選択可能なマーカー遺伝子は、発現されるDNA配列に直接連結されるか、または共形質転換によって同じ細胞内に導入されるかのいずれかであることが可能である。mRNAの最適な合成のために、追加のエレメントも必要とされる場合がある。これらのエレメントは、スプライスシグナル、ならびに転写プロモーター、エンハンサー、および終結シグナルを含んでいてもよい。
発現ベクターまたはDNA配列を含有する構築物が発現のために調製されると、発現ベクターを適切な宿主細胞にトランスフェクトするか、または導入することができる。これを達成するために、例えば、プロトプラスト融合、リン酸カルシウム沈殿、エレクトロポレーション、レトロウイルス形質導入、ウイルストランスフェクション、遺伝子銃、脂質ベースのトランスフェクション、または他の従来の技術などの様々な技術が用いられてもよい。得られたトランスフェクトされた細胞を培養し、発現されたポリペプチドを回収するための方法および条件は、当業者に既知であり、本明細書に基づいて、用いられる特異的発現ベクターおよび哺乳動物宿主細胞に応じて変更または最適化されてもよい。
6.6.2.細胞
本開示はまた、本開示の核酸を含む宿主細胞を提供する。
一実施形態において、宿主細胞は、本明細書に記載される1つ以上の核酸を含むように遺伝子操作される。
本開示はまた、本開示の核酸を含む宿主細胞を提供する。
一実施形態において、宿主細胞は、本明細書に記載される1つ以上の核酸を含むように遺伝子操作される。
一実施形態において、宿主細胞は、発現カセットを使用することによって遺伝子操作される。「発現カセット」という語句は、かかる配列と適合性の宿主における遺伝子の発現に影響を与えることができるヌクレオチド配列を指す。かかるカセットには、プロモーターと、イントロンを有するかまたは有しないオープンリーディングフレームと、終結シグナルと、が含まれてもよい。発現にもたらすのに必要な、または役立つ追加の因子、例えば、誘導性プロモーターも使用されてもよい。
本開示はまた、本明細書に記載のベクターを含む宿主細胞を提供する。
細胞は、限定されないが、真核細胞、細菌細胞、昆虫細胞、またはヒト細胞であることが可能である。好適な真核細胞としては、Vero細胞、HeLa細胞、COS細胞、CHO細胞、HEK293細胞、BHK細胞、およびMDCKII細胞が挙げられるが、これらに限定されない。好適な昆虫細胞としては、限定されないが、Sf9細胞が挙げられる。
細胞は、限定されないが、真核細胞、細菌細胞、昆虫細胞、またはヒト細胞であることが可能である。好適な真核細胞としては、Vero細胞、HeLa細胞、COS細胞、CHO細胞、HEK293細胞、BHK細胞、およびMDCKII細胞が挙げられるが、これらに限定されない。好適な昆虫細胞としては、限定されないが、Sf9細胞が挙げられる。
6.7.薬学的組成物
本開示の多価抗スパイクタンパク質結合分子は、多価抗スパイクタンパク質結合分子と、1つ以上の担体、賦形剤および/または希釈剤とを含む組成物の形態であってもよい。組成物は、獣医学的使用またはヒトにおける薬学的使用などの特定の使用のために製剤化されてもよい。組成物の形態(例えば、乾燥粉末、液体製剤など)と、使用される賦形剤、希釈剤および/または担体は、多価抗スパイクタンパク質結合分子の意図される用途に、治療用途の場合は投与様式に依存するであろう。
本開示の多価抗スパイクタンパク質結合分子は、多価抗スパイクタンパク質結合分子と、1つ以上の担体、賦形剤および/または希釈剤とを含む組成物の形態であってもよい。組成物は、獣医学的使用またはヒトにおける薬学的使用などの特定の使用のために製剤化されてもよい。組成物の形態(例えば、乾燥粉末、液体製剤など)と、使用される賦形剤、希釈剤および/または担体は、多価抗スパイクタンパク質結合分子の意図される用途に、治療用途の場合は投与様式に依存するであろう。
治療用途の場合、組成物は、薬学的に許容される担体を含む滅菌の薬学的組成物の一部として供給されてもよい。この組成物は、(患者に投与する所望の方法に応じて)任意の好適な形態であることが可能である。薬学的組成物は、経口、経皮、皮下、鼻腔内、静脈内、筋肉内、腫瘍内、髄腔内、局部、または局所などの様々な経路によって患者に投与することができる。いずれかの所与の場合における投与のための最も好適な経路は、特定の抗体、対象、疾患の性質および重症度、ならびに対象の身体状態に依存するであろう。典型的には、薬学的組成物は、静脈内または皮下に投与されるであろう。
薬学的組成物は、簡便には、用量当たり所定量の本開示の多価抗スパイクタンパク質結合分子を含有する単位剤形で提示することができる。単位用量に含まれる多価抗スパイクタンパク質結合分子の量は、治療される疾患だけではなく、当該技術分野において周知である他の因子にも依存するであろう。そのような単位投薬量は、単回投与に適した量の多価抗スパイクタンパク質結合分子を含有する凍結乾燥された乾燥粉末の形態、または液体の形態であってもよい。乾燥粉末単位剤形は、シリンジ、好適な量の希釈剤、および/または投与に有用な他の構成要素とともにキットに包装されてもよい。液体形態の単位投薬量は、簡便には、単回投与に適した量の多価抗スパイクタンパク質結合分子を予め充填したシリンジの形態で供給されてもよい。
薬学的組成物はまた、複数回の投与に好適な量の多価抗スパイクタンパク質結合分子を含有するバルク形態で供給されてもよい。
薬学的組成物は、所望の純度を有する多価抗スパイクタンパク質結合分子を、当該技術分野で典型的に使用される任意選択の薬学的に許容される担体、賦形剤、または安定剤(これらの全てを本明細書では「担体」と称する)、すなわち、緩衝剤、安定化剤、保存剤、等張化剤、非イオン性洗剤、抗酸化剤、および他の様々な添加剤と混合することによって、凍結乾燥された製剤または水溶液として保存するために調製されてもよい。Remington’s Pharmaceutical Sciences,16th edition(Osol,ed.1980)を参照されたい。かかる添加剤は、用いられる投薬量および濃度でレシピエントに対して非毒性であるべきである。
薬学的組成物は、所望の純度を有する多価抗スパイクタンパク質結合分子を、当該技術分野で典型的に使用される任意選択の薬学的に許容される担体、賦形剤、または安定剤(これらの全てを本明細書では「担体」と称する)、すなわち、緩衝剤、安定化剤、保存剤、等張化剤、非イオン性洗剤、抗酸化剤、および他の様々な添加剤と混合することによって、凍結乾燥された製剤または水溶液として保存するために調製されてもよい。Remington’s Pharmaceutical Sciences,16th edition(Osol,ed.1980)を参照されたい。かかる添加剤は、用いられる投薬量および濃度でレシピエントに対して非毒性であるべきである。
緩衝剤は、生理学的条件に近い範囲でpHを維持するのに役立つ。それらは、多種多様な濃度で存在してもよいが、典型的には、約2mM~約50mMの範囲の濃度で存在するであろう。本開示で使用するための好適な緩衝剤としては、有機酸および無機酸の両方ならびにその塩、例えば、クエン酸緩衝液(例えば、クエン酸一ナトリウム-クエン酸二ナトリウム混合物、クエン酸-クエン酸三ナトリウム混合物、クエン酸-クエン酸一ナトリウム混合物など)、コハク酸緩衝液(例えば、コハク酸-コハク酸一ナトリウム混合物、コハク酸-水酸化ナトリウム混合物、コハク酸-コハク酸二ナトリウム混合物など)、酒石酸緩衝液(例えば、酒石酸-酒石酸ナトリウム混合物、酒石酸-酒石酸カリウム混合物、酒石酸-水酸化ナトリウム混合物など)、フマル酸緩衝液(例えば、フマル酸-フマル酸一ナトリウム混合物、フマル酸二ナトリウム混合物、フマル酸一ナトリウム-フマル酸二ナトリウム混合物など)、グルコン酸緩衝液(例えば、グルコン酸-グリコン酸ナトリウム(sodium glyconate)混合物、グルコン酸-水酸化ナトリウム混合物、グルコン酸-グリコン酸カリウム(potassium glyconate)混合物など)、シュウ酸緩衝液(例えば、シュウ酸-シュウ酸ナトリウム混合物、シュウ酸-水酸化ナトリウム混合物、シュウ酸-シュウ酸カリウム混合物など)、乳酸緩衝液(例えば、乳酸-乳酸ナトリウム混合物、乳酸-水酸化ナトリウム混合物、乳酸-乳酸カリウム混合物など)、および酢酸緩衝液(例えば、酢酸-酢酸ナトリウム混合物、酢酸-水酸化ナトリウム混合物など)が挙げられる。追加的に、リン酸緩衝液、ヒスチジン緩衝液、およびトリメチルアミン塩(例えば、Tris)を使用することができる。
保存剤は、微生物の成長を遅延させるために添加されてもよく、約0.2%~1%(w/v)の範囲の量で添加することができる。本開示で使用するのに好適な保存剤としては、フェノール、ベンジルアルコール、メタ-クレゾール、メチルパラベン、プロピルパラベン、オクタデシルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、ベンザルコニウムハライド(benzalconium halide)(例えば、塩化物、臭化物、およびヨウ化物)、塩化ヘキサメトニウム、およびアルキルパラベン(例えば、メチルまたはプロピルパラベン)、カテコール、レゾルシノール、シクロヘキサノール、および3-ペンタノールが挙げられる。時に「安定剤」として知られている等張化剤は、本開示の液体組成物の等張性を確保するために添加されることができ、多価糖アルコール、例えば、三価以上の糖アルコール(例えば、グリセリン、エリスリトール、アラビトール、キシリトール、ソルビトール、およびマンニトールなど)を含む。安定剤とは、機能において、増量剤から添加剤までの範囲であることが可能である幅広いカテゴリーの賦形剤を指し、治療薬を可溶化するか、変性もしくは容器壁への付着を防ぐのに役立つ。典型的な安定剤は、多価糖アルコール(上で列挙した)、アミノ酸(例えば、アルギニン、リジン、グリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アラニン、オルニチン、L-ロイシン、2-フェニルアラニン、グルタミン酸、スレオニンなど)、有機糖または糖アルコール(例えば、ラクトース、トレハロース、スタキオース、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、リビトール、ミオイニシトール(myoinisitol)、ガラクチトール、グリセロールなど、イノシトールなどのシクリトールを含む)、ポリエチレングリコール、アミノ酸ポリマー、含硫還元剤(例えば、尿素、グルタチオン、チオクト酸、チオグリコール酸ナトリウム、チオグリセロール、a-モノチオグリセロール、およびチオ硫酸ナトリウムなど)、低分子量ポリペプチド(例えば、10残基以下のペプチド)、タンパク質(例えば、ヒト血清アルブミン、ウシ血清アルブミン、ゼラチン、または免疫グロブリンなど)、親水性ポリマー(例えば、ポリビニルピロリドンなど)、単糖類(例えば、キシロース、マンノース、フルクトース、グルコースなど)、二糖類(例えば、ラクトース、マルトース、スクロースおよびトレハロースなど)、および三糖類(例えば、ラフィノースなど)、および多糖類(例えば、デキストランなど)であることが可能である。安定剤は、多価抗スパイクタンパク質結合分子の重量当たり0.5~10重量%の範囲の量で存在してもよい。
非イオン性界面活性剤または洗剤(「湿潤剤」としても既知)を添加して、糖タンパク質の可溶化を助けるとともに、撹拌誘導性凝集から糖タンパク質を保護してもよく、これにより、タンパク質の変性を引き起こすことなく、製剤を負荷のかかる剪断面に曝露することも可能になる。好適な非イオン性界面活性剤としては、ポリソルベート(20、80など)、ポリオキサマー(184、188など)、およびプルロニックポリオールが挙げられる。非イオン性界面活性剤は、約0.05mg/mL~約1.0mg/mL(例えば、約0.07mg/mL~約0.2mg/mL)の範囲で存在してもよい。
追加の種々の賦形剤としては、増量剤(例えば、デンプン)、キレート剤(例えば、EDTA)、抗酸化剤(例えば、アスコルビン酸、メチオニン、ビタミンE)、および共溶媒が挙げられる。
本開示の多価抗スパイクタンパク質結合分子は、多価抗スパイクタンパク質結合分子を含み、例えば、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤または担体を含有する、薬学的組成物として配合することができる。本開示の多価抗スパイクタンパク質結合分子を含む薬学的組成物または滅菌組成物を調製するために、多価抗スパイクタンパク質結合分子調製物を、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤または担体と組み合わせることができる。
例えば、多価抗スパイクタンパク質結合分子の製剤は、多価抗スパイクタンパク質結合分子を、例えば、凍結乾燥された粉末、スラリー、水溶液、ローション、または懸濁液の形態での生理学的に許容される担体、賦形剤、または安定剤と混合することによって調製することができる(例えば、Hardman et al.,2001,Goodman and Gilman’s The Pharmacological Basis of Therapeutics,McGraw-Hill,New York,N.Y.;Gennaro,2000,Remington:The Science and Practice of Pharmacy,Lippincott,Williams,and Wilkins,New York,N.Y.、Avis,et al.(eds.),1993,Pharmaceutical Dosage Forms:General Medications,Marcel Dekker,NY;Lieberman,et al.(eds.),1990,Pharmaceutical Dosage Forms:Tablets,Marcel Dekker,NY;Lieberman,et al.(eds.),1990,Pharmaceutical Dosage Forms:Disperse Systems,Marcel Dekker,NY;Weiner and Kotkoskie,2000,Excipient Toxicity and Safety,Marcel Dekker,Inc.,New York,N.Y.を参照されたい)。
6.8.治療適応症および治療方法
本開示は、本開示の多価抗スパイクタンパク質結合分子を使用および適用するための方法を提供する。
本開示は、本開示の多価抗スパイクタンパク質結合分子を使用および適用するための方法を提供する。
特定の態様において、本開示は、コロナウイルスのRBDと細胞ACE2との間の相互作用が関与する疾患または状態を予防または治療する方法を提供する。いくつかの実施形態において、疾患または状態は、スパイクタンパク質の中和によって予防または治療される。様々な実施形態において、スパイクタンパク質の中和は、(a)ACE2などの受容体に結合するスパイクタンパク質の能力を阻害すること、(b)TMPRSS2などのプロテアーゼによるスパイクタンパク質の切断を阻害すること、(c)スパイクタンパク質が(i)宿主細胞へのウイルス侵入または(ii)宿主細胞におけるウイルス再生を媒介することを阻害すること、または(d)(a)、(b)、(c)(i)、および(c)(ii)のうちの2つ、3つ、もしくは4つ全ての任意の組み合わせを含む。
したがって、いくつかの実施形態において、本開示の多価抗スパイクタンパク質結合分子および薬学的組成物を使用して、コロナウイルスのRBDと細胞ACE2との間の相互作用を阻害することができる。いくつかの実施形態において、本開示は、SARS-CoVのRBD間の相互作用を阻害する方法を提供する。他の実施形態において、本開示は、SARS-CoV-2のRBD間の相互作用を阻害する方法を提供する。したがって、いくつかの実施形態において、本開示は、コロナウイルスのRBDと細胞ACE2との間の相互作用を阻害する方法であって、それを必要とする対象に、本明細書に記載される多価抗スパイクタンパク質結合分子薬学的組成物を投与することを含む、方法を提供する。
いくつかの実施形態において、本開示は、コロナウイルスに曝露したが、感染症と診断されていない対象に、本明細書に記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子薬学的組成物を投与する方法を提供する。他の実施形態において、対象は、コロナウイルスに対して陽性であるが、無症候性である。更に他の実施形態において、対象は、コロナウイルスに対して陽性であり、前症候性である。更なる実施形態において、対象は、コロナウイルスに対して陽性であり、症候性である。他の実施形態において、対象は、COVID-19または他のコロナウイルス媒介性疾患または病態を発症している。
いくつかの実施形態において、本開示は、コロナウイルス感染の重症度を減らす方法であって、それを必要とする対象に、本明細書に記載される多価抗スパイクタンパク質結合分子薬学的組成物を投与することを含む、方法を提供する。
いくつかの他の実施形態において、本開示は、コロナウイルスのウイルス負荷を減らす方法であって、それを必要とする対象に、本明細書に記載される多価抗スパイクタンパク質結合分子薬学的組成物を投与することを含む、方法を提供する。
更なる実施形態において、本開示は、コロナウイルス感染を有する対象において疾患進行を予防する方法であって、それを必要とする対象に、本明細書に記載される多価抗スパイクタンパク質結合分子薬学的組成物を投与することを含む、方法を提供する。
いくつかの実施形態において、本開示は、コロナウイルス感染の持続期間を減らす方法であって、それを必要とする対象に、本明細書に記載される多価抗スパイクタンパク質結合分子薬学的組成物を投与することを含む、方法を提供する。
他の実施形態において、本開示は、コロナウイルス感染を有する対象において重度の疾患または死のリスクを減らす方法であって、それを必要とする対象に、本明細書に記載される多価抗スパイクタンパク質結合分子薬学的組成物を投与することを含む、方法を提供する。
7.付番された実施形態
様々な具体的な実施形態を説明し、記載してきたが、本開示(複数可)の趣旨および範囲から逸脱することなく様々な変更を行うことができることが理解されるであろう。本開示は、以下に記載されている付番された実施形態によって例示される。別段の定めのない限り、上記の詳細な説明に記載される概念、態様および/または実施形態のうちのいずれかの特徴は、以下の付番された実施形態のうちのいずれかに準用して適用可能である。
以下の付番された実施形態において、多量体化部分は、好ましくは、哺乳動物多量体化部分(例えば、ヒトFcドメイン)に由来し、抗原結合ドメインは、好ましくは、ヒトまたはヒト化抗体に由来し、対象は、好ましくは、哺乳動物(例えば、ヒト)である。
様々な具体的な実施形態を説明し、記載してきたが、本開示(複数可)の趣旨および範囲から逸脱することなく様々な変更を行うことができることが理解されるであろう。本開示は、以下に記載されている付番された実施形態によって例示される。別段の定めのない限り、上記の詳細な説明に記載される概念、態様および/または実施形態のうちのいずれかの特徴は、以下の付番された実施形態のうちのいずれかに準用して適用可能である。
以下の付番された実施形態において、多量体化部分は、好ましくは、哺乳動物多量体化部分(例えば、ヒトFcドメイン)に由来し、抗原結合ドメインは、好ましくは、ヒトまたはヒト化抗体に由来し、対象は、好ましくは、哺乳動物(例えば、ヒト)である。
1.1個以上の多量体化部分によって作動可能に連結された少なくとも5個の抗スパイクタンパク質抗原結合ドメイン(ABD)を含む、多価抗スパイクタンパク質結合分子。
2.少なくとも10個の抗スパイクタンパク質ABDを含む、実施形態1に記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
2.少なくとも10個の抗スパイクタンパク質ABDを含む、実施形態1に記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
3.十価または十二価である、実施形態1または実施形態2に記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
4.抗原結合ドメイン(ABD)が、ヒトまたはヒト化されている、実施形態1~3のいずれか1つに記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
4.抗原結合ドメイン(ABD)が、ヒトまたはヒト化されている、実施形態1~3のいずれか1つに記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
5.抗原結合ドメイン(ABD)が、Fabである、実施形態1~4のいずれか1つに記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
6.1個以上の(または全ての)ABDが、表1~3のうちのいずれか1つに示されるCDR配列を含む、実施形態1~5のいずれか1つに記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
6.1個以上の(または全ての)ABDが、表1~3のうちのいずれか1つに示されるCDR配列を含む、実施形態1~5のいずれか1つに記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
7.1個以上の(または全ての)ABDが、表1~4のうちのいずれか1つに示されるCDR配列を含む、実施形態1~5のいずれか1つに記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
8.1個以上の(または全ての)ABDが、表1に示される抗体のCDR-H1、CDR-H2、CDR-H3、CDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3配列を含む、実施形態1~5のいずれか1つに記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
9.1個以上の(または全ての)ABDが、表2に示される抗体のCDR-H1、CDR-H2、CDR-H3、CDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3配列を含む、実施形態1~5のいずれか1つに記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
10.1個以上の(または全ての)ABDが、表3に示される抗体のCDR-H1、CDR-H2、CDR-H3、CDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3配列を含む、実施形態1~5のいずれか1つに記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
11.1個以上の(または全ての)ABDが、表4に示される抗体のCDR-H1、CDR-H2、CDR-H3、CDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3配列を含む、実施形態1~5のいずれか1つに記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
12.1個以上の(または全ての)ABDが、
(a)それぞれ配列番号579、580、および581のアミノ酸配列を有するCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含むVHと、
(b)それぞれ配列番号398、372、および583のアミノ酸配列を有するCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含むVLと、を含む、実施形態1~5のいずれか1つに記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
(a)それぞれ配列番号579、580、および581のアミノ酸配列を有するCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含むVHと、
(b)それぞれ配列番号398、372、および583のアミノ酸配列を有するCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含むVLと、を含む、実施形態1~5のいずれか1つに記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
13.1個以上の(または全ての)ABDが、
(a)それぞれ配列番号507、508、および509のアミノ酸配列を有するCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含むVHと、
(b)それぞれ配列番号511、407、および512のアミノ酸配列を有するCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含むVLと、を含む、実施形態1~5のいずれか1つに記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
(a)それぞれ配列番号507、508、および509のアミノ酸配列を有するCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含むVHと、
(b)それぞれ配列番号511、407、および512のアミノ酸配列を有するCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含むVLと、を含む、実施形態1~5のいずれか1つに記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
14.1個以上の(または全ての)ABDが、
(a)それぞれ配列番号450、451、および452のアミノ酸配列を有するCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含むVHと、
(b)それぞれ配列番号454、415、および455のアミノ酸配列を有するCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含むVLと、を含む、実施形態1~5のいずれか1つに記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
(a)それぞれ配列番号450、451、および452のアミノ酸配列を有するCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含むVHと、
(b)それぞれ配列番号454、415、および455のアミノ酸配列を有するCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含むVLと、を含む、実施形態1~5のいずれか1つに記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
15.1個以上の(または全ての)ABDが、表1~3のうちのいずれか1つに示されるVH配列およびVL配列を含む、実施形態1~5のいずれか1つに記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
16.1個以上の(または全ての)ABDが、表1~4のうちのいずれか1つに示されるVH配列およびVL配列を含む、実施形態1~5のいずれか1つに記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
17.1個以上の(または全ての)ABDが、表1に示される抗体のVH配列およびVL配列を含む、実施形態1~5のいずれか1つに記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
18.1個以上の(または全ての)ABDが、表2に示される抗体のVH配列およびVL配列を含む、実施形態1~5のいずれか1つに記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
19.1個以上の(または全ての)ABDが、表3に示される抗体のVH配列およびVL配列を含む、実施形態1~5のいずれか1つに記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
20.1個以上の(または全ての)ABDが、表4に示される抗体のVH配列およびVL配列を含む、実施形態1~5のいずれか1つに記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
21.1個以上の(または全ての)ABDが、(a)配列番号578のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有するVHと、(b)配列番号582のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有するVLと、を含む、実施形態1~5のいずれか1つに記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
22.1個以上の(または全ての)ABDが、(a)配列番号578のアミノ酸配列を含むVHと、(b)配列番号582のアミノ酸配列を含むVLと、を含む、実施形態1~5のいずれか1つに記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
23.1個以上の(または全ての)ABDが、(a)配列番号506のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有するVHと、(b)配列番号510のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有するVLと、を含む、実施形態1~5のいずれか1つに記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
24.1個以上の(または全ての)ABDが、(a)配列番号506のアミノ酸配列を含むVHと、(b)配列番号510のアミノ酸配列を含むVLと、を含む、実施形態1~5のいずれか1つに記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
25.1個以上の(または全ての)ABDが、(a)配列番号449のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有するVHと、(b)配列番号453のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有するVLと、を含む、実施形態1~5のいずれか1つに記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
26.1個以上の(または全ての)ABDが、(a)配列番号449のアミノ酸配列を含むVHと、(b)配列番号453のアミノ酸配列を含むVLと、を含む、実施形態1~5のいずれか1つに記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
27.1個以上の(または全ての)ABDが、中和する、実施形態1~26のいずれか1つに記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
28.SARS-CoV-2バリアントBA.1を中和することができる、実施形態1~26のいずれか1つに記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
28.SARS-CoV-2バリアントBA.1を中和することができる、実施形態1~26のいずれか1つに記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
29.SARS-CoV-2バリアントBA.2を中和することができる、実施形態1~28のいずれか1つに記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
30.単一特異性である、実施形態1~29のいずれか1つに記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
30.単一特異性である、実施形態1~29のいずれか1つに記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
31.抗原結合ドメイン(ABD)が、全て同じである、実施形態1~30のいずれか1つに記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
32.多重特異性である、実施形態1~29のいずれか1つに記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
32.多重特異性である、実施形態1~29のいずれか1つに記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
33.二重特異性である、実施形態32に記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
34.2つの型のABDを含む、実施形態32または実施形態33に記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
34.2つの型のABDを含む、実施形態32または実施形態33に記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
35.1個以上の多量体化部分が、Fcドメインを含む、実施形態1~34のいずれか1つに記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
36.両方の型のABDがスパイクタンパク質に結合する、実施形態34に記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
36.両方の型のABDがスパイクタンパク質に結合する、実施形態34に記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
37.一方の型のABDが、スパイクタンパク質に結合し、他方の型のABDが、異なる標的に結合する、実施形態34に記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
38.Fcドメインが、IgM Fcドメインである、実施形態35に記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
38.Fcドメインが、IgM Fcドメインである、実施形態35に記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
39.Fcドメインが、Cμ3ドメインおよびCμ4ドメインを含む、実施形態38に記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
40.Fcドメインが、Cμ2ドメインを含む、実施形態38または実施形態39に記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
40.Fcドメインが、Cμ2ドメインを含む、実施形態38または実施形態39に記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
41.五量体である、実施形態38~40のいずれか1つに記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
42.5個の二量体の五量体であり、各二量体が、2個のポリペプチドを含み、各ポリペプチドが、抗スパイクタンパク質ABDおよびIgM Fcドメインを含む、実施形態41に記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
42.5個の二量体の五量体であり、各二量体が、2個のポリペプチドを含み、各ポリペプチドが、抗スパイクタンパク質ABDおよびIgM Fcドメインを含む、実施形態41に記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
43.ホモ五量体である、実施形態41または実施形態42に記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
44.一部または全てのCμ3および/またはCμ4ドメインが、ジスルフィド連結されている、実施形態41~43のいずれか1つに記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
44.一部または全てのCμ3および/またはCμ4ドメインが、ジスルフィド連結されている、実施形態41~43のいずれか1つに記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
45.J鎖を含む、実施形態41~44のいずれか1つに記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
46.J鎖が、IgG Fcドメインに作動可能に連結されている、実施形態45に記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
46.J鎖が、IgG Fcドメインに作動可能に連結されている、実施形態45に記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
47.IgG Fcドメインが、J鎖のN末端である、実施形態46に記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
48.IgG Fcドメインが、J鎖のC末端である、実施形態46に記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
48.IgG Fcドメインが、J鎖のC末端である、実施形態46に記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
49.IgG FcドメインおよびJ鎖が、リンカーを介して接続されている、実施形態46~48のいずれか1つに記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
50.リンカーが、アミノ酸配列G4Sであるか、またはそれを含む、実施形態49に記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
50.リンカーが、アミノ酸配列G4Sであるか、またはそれを含む、実施形態49に記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
51.IgG Fcドメインが、IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4 Fcドメインである、実施形態46~50のいずれか1つに記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
52.IgG Fcドメインが、IgG1ドメインである、実施形態46~50のいずれか1つに記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
53.IgG Fcドメインが、IgG4ドメインである、実施形態46~50のいずれか1つに記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
53.IgG Fcドメインが、IgG4ドメインである、実施形態46~50のいずれか1つに記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
54.Fcドメインが、そのN末端にヒンジを含む、実施形態33または実施形態53に記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
55.ヒンジが、キメラヒンジである、実施形態54に記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
55.ヒンジが、キメラヒンジである、実施形態54に記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
56.IgG Fcドメインが、非二量体化Fcドメインである、実施形態46~55のいずれか1つに記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
57.非二量体化Fcドメインが、配列番号14~19のうちのいずれか1つのアミノ酸配列を含む、実施形態56に記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
57.非二量体化Fcドメインが、配列番号14~19のうちのいずれか1つのアミノ酸配列を含む、実施形態56に記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
58.IgG Fcドメインが、Fc 1.5ドメインである、実施形態46~51のいずれか1つに記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
59.Fc 1.5ドメインが、配列番号20~27のうちのいずれか1つのアミノ酸配列を含む、実施形態58に記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
59.Fc 1.5ドメインが、配列番号20~27のうちのいずれか1つのアミノ酸配列を含む、実施形態58に記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
60.IgG Fcドメインに作動可能に連結されたJ鎖が、配列番号28~32のうちのいずれか1つのアミノ酸配列を含む、実施形態46~59のいずれか1つに記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
61.任意選択で、実施形態1~60のいずれか1つに記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子であり、図1Aに示される構成を有する、多価抗スパイクタンパク質結合分子。
62.六量体である、実施形態38~40のいずれか1つに記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
63.6個の二量体の六量体であり、各二量体が、2個のポリペプチドを含み、各ポリペプチドが、抗スパイクタンパク質ABDおよびIgM Fcドメインを含む、実施形態62に記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
63.6個の二量体の六量体であり、各二量体が、2個のポリペプチドを含み、各ポリペプチドが、抗スパイクタンパク質ABDおよびIgM Fcドメインを含む、実施形態62に記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
64.ホモ六量体である、実施形態62または実施形態63に記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
65.一部または全てのCμ3および/またはCμ4ドメインが、ジスルフィド連結されている、実施形態62~64のいずれか1つに記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
65.一部または全てのCμ3および/またはCμ4ドメインが、ジスルフィド連結されている、実施形態62~64のいずれか1つに記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
66.J鎖を欠く、実施形態62~65のいずれか1つに記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
67.任意選択で、実施形態1~40および62~66のいずれか1つに記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子であり、図1Bに示される構成を有する、多価抗スパイクタンパク質結合分子。
67.任意選択で、実施形態1~40および62~66のいずれか1つに記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子であり、図1Bに示される構成を有する、多価抗スパイクタンパク質結合分子。
68.任意選択で、実施形態1~61のいずれか1つに記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子であり、図1Cに示される構成を有する、多価抗スパイクタンパク質結合分子。
69.任意選択で、実施形態1~61のいずれか1つに記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子であり、図1Dに示される構成を有する、多価抗スパイクタンパク質結合分子。
70.任意選択で、実施形態1~61のいずれか1つに記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子であり、図1Eに示される構成を有する、多価抗スパイクタンパク質結合分子。
71.1個以上の多量体化部分によって作動可能に連結されたスパイクタンパク質を結合するための少なくとも5個の手段を含む、多価抗スパイクタンパク質結合分子。
72.スパイクタンパク質を結合するための少なくとも10個の手段を含む、実施形態71に記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
72.スパイクタンパク質を結合するための少なくとも10個の手段を含む、実施形態71に記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
73.スパイクタンパク質を結合するための手段のための十価または十二価である、実施形態71または72に記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
74.少なくとも5個のFabを含み、各々がスパイクタンパク質を結合するための手段を含む、実施形態71~73のいずれか1つに記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
74.少なくとも5個のFabを含み、各々がスパイクタンパク質を結合するための手段を含む、実施形態71~73のいずれか1つに記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
75.単一特異性である、実施形態71~74のいずれか1つに記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
76.スパイクタンパク質を結合するための少なくとも5個の手段が、同じである、実施形態75に記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
76.スパイクタンパク質を結合するための少なくとも5個の手段が、同じである、実施形態75に記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
77.多重特異性である、実施形態71~73のいずれか1つに記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
78.二重特異性である、実施形態77に記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
78.二重特異性である、実施形態77に記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
79.1個以上の多量体化部分が、Fcドメインを含む、実施形態71~78のいずれか1つに記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
80.Fcドメインが、IgM Fcドメインである、実施形態79に記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
80.Fcドメインが、IgM Fcドメインである、実施形態79に記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
81.Fcドメインが、Cμ3ドメインおよびCμ4ドメインを含む、実施形態80に記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
82.Fcドメインが、Cμ2ドメインを含む、実施形態80または実施形態81に記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
82.Fcドメインが、Cμ2ドメインを含む、実施形態80または実施形態81に記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
83.五量体である、実施形態80~82のいずれか1つに記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
84.5個の二量体の五量体であり、各二量体が、2個のポリペプチドを含み、各ポリペプチドが、スパイクタンパク質を結合するための手段およびIgM Fcドメインを含む、実施形態83に記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
84.5個の二量体の五量体であり、各二量体が、2個のポリペプチドを含み、各ポリペプチドが、スパイクタンパク質を結合するための手段およびIgM Fcドメインを含む、実施形態83に記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
85.ホモ五量体である、実施形態83または実施形態84に記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
86.一部または全てのCμ3および/またはCμ4ドメインが、ジスルフィド連結されている、実施形態83~85のいずれか1つに記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
86.一部または全てのCμ3および/またはCμ4ドメインが、ジスルフィド連結されている、実施形態83~85のいずれか1つに記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
87.J鎖を含む、実施形態83~86のいずれか1つに記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
88.J鎖が、IgG Fcドメインに作動可能に連結されている、実施形態87に記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
88.J鎖が、IgG Fcドメインに作動可能に連結されている、実施形態87に記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
89.IgG Fcドメインが、J鎖のN末端である、実施形態87に記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
90.IgG Fcドメインが、J鎖のC末端である、実施形態87に記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
90.IgG Fcドメインが、J鎖のC末端である、実施形態87に記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
91.IgG FcドメインおよびJ鎖が、リンカーを介して接続されている、実施形態87~90のいずれか1つに記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
92.リンカーが、アミノ酸配列G4Sであるか、またはそれを含む、実施形態91に記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
92.リンカーが、アミノ酸配列G4Sであるか、またはそれを含む、実施形態91に記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
93.IgG Fcドメインが、IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4 Fcドメインである、実施形態88~92のいずれか1つに記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
94.IgG Fcドメインが、IgG1ドメインである、実施形態88~93のいずれか1つに記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
95.IgG Fcドメインが、IgG4ドメインである、実施形態88~94のいずれか1つに記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
95.IgG Fcドメインが、IgG4ドメインである、実施形態88~94のいずれか1つに記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
96.Fcドメインが、そのN末端にヒンジを含む、実施形態33または実施形態95に記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
97.ヒンジが、キメラヒンジである、実施形態96に記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
97.ヒンジが、キメラヒンジである、実施形態96に記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
98.IgG Fcドメインが、非二量体化Fcドメインである、実施形態88~97のいずれか1つに記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
99.非二量体化Fcドメインが、配列番号14~19のうちのいずれか1つのアミノ酸配列を含む、実施形態98に記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
99.非二量体化Fcドメインが、配列番号14~19のうちのいずれか1つのアミノ酸配列を含む、実施形態98に記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
100.IgG Fcドメインが、Fc 1.5ドメインである、実施形態88~97のいずれか1つに記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
101.Fc 1.5ドメインが、配列番号20~27のうちのいずれか1つのアミノ酸配列を含む、実施形態100に記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
101.Fc 1.5ドメインが、配列番号20~27のうちのいずれか1つのアミノ酸配列を含む、実施形態100に記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
102.IgG Fcドメインに作動可能に連結されたJ鎖が、配列番号28~32のうちのいずれか1つのアミノ酸配列を含む、実施形態88~101のいずれか1つに記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
103.実施形態1~102のいずれか1つに記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子をコードする、核酸または複数の核酸。
104.実施形態1~102のいずれか1つに記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子または実施形態103に記載の核酸(複数可)を発現するように操作された、宿主細胞。
104.実施形態1~102のいずれか1つに記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子または実施形態103に記載の核酸(複数可)を発現するように操作された、宿主細胞。
105.実施形態1~102のいずれか1つに記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子を生成する方法であって、実施形態104に記載の宿主細胞を培養することと、それによって発現された多価抗スパイクタンパク質結合分子を回収することと、を含む、方法。
106.実施形態1~102のいずれか1つに記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子と、賦形剤と、を含む、薬学的組成物。
107.コロナウイルス疾患を治療する方法であって、それを必要とする対象に、実施形態1~102のいずれか1つに記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子または実施形態106に記載の薬学的組成物を投与することを含む、方法。
107.コロナウイルス疾患を治療する方法であって、それを必要とする対象に、実施形態1~102のいずれか1つに記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子または実施形態106に記載の薬学的組成物を投与することを含む、方法。
108.コロナウイルスのRBDと細胞ACE2との間の相互作用を阻害する方法であって、それを必要とする対象に、実施形態1~102のいずれか1つに記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子または実施形態106に記載の薬学的組成物を投与することを含む、方法。
109.インビボでコロナウイルススパイクタンパク質を中和する方法であって、それを必要とする対象に、実施形態1~102のいずれか1つに記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子または実施形態106に記載の薬学的組成物を投与することを含む、方法。
110.インビボでコロナウイルススパイクタンパク質のプロテアーゼ媒介性切断(例えば、TMPRSS2媒介性切断)を阻害する方法であって、それを必要とする対象に、実施形態1~102のいずれか1つに記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子または実施形態106に記載の薬学的組成物を投与することを含む、方法。
111.対象において宿主細胞へのコロナウイルスのウイルス侵入を阻害する方法であって、それを必要とする対象に、実施形態1~102のいずれか1つに記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子または実施形態106に記載の薬学的組成物を投与することを含む、方法。
112.対象において宿主細胞中のコロナウイルススパイクタンパク質の再生産を阻害する方法であって、それを必要とする対象に、実施形態1~102のいずれか1つに記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子または実施形態106に記載の薬学的組成物を投与することを含む、方法。
113.コロナウイルス感染の重症度を減らす方法であって、それを必要とする対象に、実施形態1~102のいずれか1つに記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子または実施形態106に記載の薬学的組成物を投与することを含む、方法。
114.コロナウイルスのウイルス負荷を減らす方法であって、それを必要とする対象に、実施形態1~102のいずれか1つに記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子または実施形態106に記載の薬学的組成物を投与することを含む、方法。
115.コロナウイルス感染を有する対象において疾患進行を予防する方法であって、それを必要とする対象に、実施形態1~102のいずれか1つに記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子または実施形態106に記載の薬学的組成物を投与することを含む、方法。
116.コロナウイルス感染の持続期間を減らす方法であって、それを必要とする対象に、実施形態1~102のいずれか1つに記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子または実施形態106に記載の薬学的組成物を投与することを含む、方法。
117.コロナウイルス感染を有する対象において重度の疾患または死のリスクを減らす方法であって、それを必要とする対象に、実施形態1~102のいずれか1つに記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子または実施形態106に記載の薬学的組成物を投与することを含む、方法。
118.コロナウイルスが、SARS-CoVである、実施形態107~117のいずれか1つに記載の方法。
119.コロナウイルスが、SARS-CoV-2である、実施形態107~117のいずれか1つに記載の方法。
119.コロナウイルスが、SARS-CoV-2である、実施形態107~117のいずれか1つに記載の方法。
8.実施例
8.1.材料および方法
8.1.1.抗SARS-CoV-2 IgM構築物の構築および生成
IgM重鎖構築物は、5’から3’末端に、mROR1シグナル配列、重鎖可変領域、およびIgM重鎖の定常領域(Uniprot ID:P01871)といった構成要素を有するDNA断片として設計した。全てのIgM抗体を、製造業者のプロトコルに従って、一過性トランスフェクションによって、FreeStyle(商標)293-F細胞(ThermoFisher)中で発現させ、それによって、250mLの細胞を、3個の鎖(H、L、J)を有する各IgM抗体構築物について、1:1:1の比率でトランスフェクトした。
8.1.材料および方法
8.1.1.抗SARS-CoV-2 IgM構築物の構築および生成
IgM重鎖構築物は、5’から3’末端に、mROR1シグナル配列、重鎖可変領域、およびIgM重鎖の定常領域(Uniprot ID:P01871)といった構成要素を有するDNA断片として設計した。全てのIgM抗体を、製造業者のプロトコルに従って、一過性トランスフェクションによって、FreeStyle(商標)293-F細胞(ThermoFisher)中で発現させ、それによって、250mLの細胞を、3個の鎖(H、L、J)を有する各IgM抗体構築物について、1:1:1の比率でトランスフェクトした。
POROS CaptureSelect IgM Affinity Matrix(ThermoFisher)を使用して、上清から抗体を精製した。まず、カラムを5カラム体積(CV)のPBSで平衡化した。次に、融合タンパク質を含有する滅菌濾過上清を、約2.0mL/分の流速で予め平衡化されたカラムに充填した。任意の非特異的に結合した物質を、5CVについて2.0mL/分の流速で、50mMのTris-HCl、500mMのNaCl、pH7.5を使用してカラムから洗い流した。親和性結合した融合タンパク質を、Pierce(商標)IgG Elution Buffer(pH2.8、Thermo Fisher)を使用してカラムから溶出させた。溶出後、タンパク質を1/10(v/v)の1M Tris-HCl、pH8.0を使用して中和した。溶出画分材料を更に仕上げして、目的の種の純度をSECによって増加させた。したがって、Superose 6 10/300GLカラム(Cytiva)を、1×DPBS、pH7.1泳動用緩衝液中、0.75mL/分の流速で使用した。目的の画分をプールし、濃縮した。各画分プールをUV-Visによって分析して、タンパク質濃度を決定した。各画分プールをSE-UPLCによって更に分析して、目的の種の相対純度を決定した。各画分プールから単離されたタンパク質を、SDS-PAGEを使用して変性条件下で分析した。更に、試料を、1ウェルあたり2μgの試料を充填した4~20%のTris-Glycineゲル上で、200Vの一定値で1時間実行した。
8.1.2.SARS-CoV-2シュードウイルス/バリアント中和アッセイ
Vero細胞を、ピルビン酸ナトリウムを含み、グルタミンを含まないDMEM高グルコース培地中で培養し、10%熱不活化FBSおよびペニシリン/ストレプトマイシン/L-グルタミンを補充し(完全DMEM)、96ウェル黒色/透明底細胞培養プレート中に20,000細胞/ウェルで播種した。アッセイ当日に、抗体を2倍のアッセイ濃度に希釈し、3倍に連続希釈して、合計11の濃度(例えば、IgG対照について40nM~677.4fMを得た。IgM分子について、使用された濃度は、表7の実験では13.3nM~225.8fM、表8および9の実験では1.3nM~22.5fMであった)。全ての希釈は、ピルビン酸ナトリウム、0.2%IgGフリーBSA、およびゲンタマイシンを追加した、ピルビン酸ナトリウムを含まない/グルタミンを含むDMEM高グルコース培地からなる感染培地を使用して実施した。
Vero細胞を、ピルビン酸ナトリウムを含み、グルタミンを含まないDMEM高グルコース培地中で培養し、10%熱不活化FBSおよびペニシリン/ストレプトマイシン/L-グルタミンを補充し(完全DMEM)、96ウェル黒色/透明底細胞培養プレート中に20,000細胞/ウェルで播種した。アッセイ当日に、抗体を2倍のアッセイ濃度に希釈し、3倍に連続希釈して、合計11の濃度(例えば、IgG対照について40nM~677.4fMを得た。IgM分子について、使用された濃度は、表7の実験では13.3nM~225.8fM、表8および9の実験では1.3nM~22.5fMであった)。全ての希釈は、ピルビン酸ナトリウム、0.2%IgGフリーBSA、およびゲンタマイシンを追加した、ピルビン酸ナトリウムを含まない/グルタミンを含むDMEM高グルコース培地からなる感染培地を使用して実施した。
本明細書で使用されるpVSV-Luc-SARS-CoV-2-Sシュードウイルスは、非複製VSV-DGであり、その天然糖タンパク質の代わりに二重GFP/ホタルルシフェラーゼレポーターを発現し、SARS-CoV-2スパイクを伴って偽型化した。SARS-CoV-2シュードウイルスまたはバリアントを、感染培地中で1:4で希釈し、次いで、IgG対照について1:8の最終シュードウイルス/バリアント希釈および20nM~338.7fMの最終試験物品濃度で、表7においてIgM分子について6.7nM~112.9fMの濃度、表8および9においてIgM分子について2.0nM~33.8fMの濃度で、抗体希釈液と1:1で組み合わせた。組み合わせた抗体およびシュードウイルス/バリアントを、室温で30分間インキュベートした。次に、培養培地を細胞から除去し、組み合わせた抗体および100uL/ウェルのシュードウイルス/バリアントをウェルに2個組で添加し、次いで、37℃、5%CO2で24時間インキュベートした。感染後24時間で、培地をウェルから除去し、細胞を、100μL/ウェルのGlo-Lysis緩衝液(Promega)を使用して溶解した。Spectramax i3Xプレートリーダーで発光を読み取る直前に、100uLの調製されたBright-Glo基質(Promega)を溶解物に添加した。結果をMicrosoft Excelにエクスポートし、中和%を、以下の方程式で計算した。中和%=((1-(ウェル値-培地対照)/(ウイルス対照-培地対照))×100。次いで、中和%をGraphPad Prismにプロットし、応答に対する非線形回帰:log(阻害剤)-可変傾き(4パラメータ)を使用して分析して、IC50値を計算する。
8.2.実施例1:抗SARS-CoV-2 IgM構築物の生成
SARS-COV-2 Sタンパク質に対する異なるFab部分を用いて、合計7個の抗SARS-CoV-2 IgM(REGN10933、10985、10987、10989、14256、14315、14287;それぞれ、表3および4に示されるような、mAb10985、mAb10987、mAb10989、mAb14256、mAb14315、およびmAb14287からのVHドメインおよびVLドメインを含む)を生成し、セクション8.1.1に記載のように精製した。アフィニティー精製は、予想される生成物サイズに対応する非還元SDS-PAGEゲル上のより厚いバンドに関連付けられた(図2)。更に、6個の抗SARS-CoV2 IgM構築物のSEC精製プロファイルは、様々なレベルの高分子量種を有する別個の主ピークを示した(図3)。
SARS-COV-2 Sタンパク質に対する異なるFab部分を用いて、合計7個の抗SARS-CoV-2 IgM(REGN10933、10985、10987、10989、14256、14315、14287;それぞれ、表3および4に示されるような、mAb10985、mAb10987、mAb10989、mAb14256、mAb14315、およびmAb14287からのVHドメインおよびVLドメインを含む)を生成し、セクション8.1.1に記載のように精製した。アフィニティー精製は、予想される生成物サイズに対応する非還元SDS-PAGEゲル上のより厚いバンドに関連付けられた(図2)。更に、6個の抗SARS-CoV2 IgM構築物のSEC精製プロファイルは、様々なレベルの高分子量種を有する別個の主ピークを示した(図3)。
8.3.実施例2:RBDを標的とする抗SARS-CoV-2 IgMの中和活性
一連のウイルス中和アッセイを、REGEN-COV(REGN10987/REGN10933)と比較して、実施例1で特性決定された6個全ての抗SARS-CoV-2 IgMのSARS-CoV2シュードウイルスD614GおよびオミクロンバリアントBA.1およびBA.2に対するパーセント中和活性率を比較するために、セクション8.1.2に記載されるように実施した。
一連のウイルス中和アッセイを、REGEN-COV(REGN10987/REGN10933)と比較して、実施例1で特性決定された6個全ての抗SARS-CoV-2 IgMのSARS-CoV2シュードウイルスD614GおよびオミクロンバリアントBA.1およびBA.2に対するパーセント中和活性率を比較するために、セクション8.1.2に記載されるように実施した。
全ての抗SARS-CoV2 IgM分子は、異なる効力を有するにもかかわらず、シュードウイルスD614Gバリアントに対する中和活性を有していた(図4Aおよび表7)。それにもかかわらず、全てのIgM分子は、REGEN-COVよりも高いシュードウイルス中和効力と関連付けられた。
REGEN-COVは、BA.1に対して完全に中和活性を失い、BA.2に対して弱い中和のみを保持していた(図4Bおよび4C、ならびに表7)。しかしながら、BA.1およびBA.2バリアントに対する個々の抗SARS-CoV-2 IgMの中和活性は様々である。例えば、REGN10933ベースのIgMは、D614G、BA.1、およびBA.2バリアントにおいて、親IgGおよびREGEN-COVよりも増強された中和を示した。しかしながら、10933 IgMは、BA.1およびBA.2に対する完全な効力(REGEN-COVによるD614Gに対するIC50として定義される)の回復に失敗した(図5A、5B、および5C)。10989-IgMは、D614Gにおいて親IgGおよびREGEN-COVよりも増強された中和を示した。10989-IgMは、BA.1およびBA.2に対する活性を完全に失った(図6A、6B、および6C)。10987-IgMは、D614GおよびBA.2バリアントに対する親IgGおよびREGEN-COVよりも良好な中和を有していた。しかしながら、BA.1に対する活性はなかった(図7A、7B、および7C)。10985-IgMは、D614GおよびBA.1バリアントにおいて、親IgGおよびREGEN-COVよりも上昇した中和を示したが、中和活性は、BA.2に対して完全に消失した(図8A、8B、および8C)。
14315-IgMは、REGEN-COVの完全な効力(D614Gに対する)よりも優れたIC50を有する両方のバリアントに対する高い中和効力に関連付けられた唯一のRBDベースのIgMであった(図9A、9Bおよび9C、ならびに表7)。
8.4.実施例3:非RBDを標的とする抗SARS-CoV-2 IgMの中和活性
実施例1で生成された7個の抗SARS-CoV-2 IgMのうちの1つである14287-IgMは、スパイクタンパク質上の非RBDエピトープに結合する親抗体に由来していた。これは、それぞれセクション8.1.1.およびセクション8.1.2.に記載されるように、ウイルス中和アッセイで生成され、試験された。シュードウイルスに基づく中和アッセイについては、REGEN-COVとともに、REGN14287を、同じFab部分を有する親IgG対照として含めた。
実施例1で生成された7個の抗SARS-CoV-2 IgMのうちの1つである14287-IgMは、スパイクタンパク質上の非RBDエピトープに結合する親抗体に由来していた。これは、それぞれセクション8.1.1.およびセクション8.1.2.に記載されるように、ウイルス中和アッセイで生成され、試験された。シュードウイルスに基づく中和アッセイについては、REGEN-COVとともに、REGN14287を、同じFab部分を有する親IgG対照として含めた。
14287-IgMは、D614GならびにオミクロンBA.1、BA.2、BA.2.75、およびBA.4/BA.5にわたって所望の広範かつ強力な中和活性を示し、IC50値は、3.2~9.6E-12Mであり、D614Gに対してREGEN-COVより2~5倍強力であった。また、親REGN14287 IgGよりも10倍の効力増強を示す(図10A~10E、および表8)。
8.5.実施例4:現在流行しているオミクロンバリアントBQ.1に対する14315-IgMおよび14287-IgMの中和活性
所望の幅および効力を有するリードIgMが、現在流行しているバリアントを中和することができるかどうかを調べるために、セクション8.1.2に記載の中和アッセイを使用して、オミクロンBQ.1バリアントを有する14315-IgMおよび14287-IgMの有効性を試験した。加えて、10933-IgM、10985-IgM、14287-IgG(REGN14287)、14315-IgG(REGN14315)、およびREGEN-COVを対照として含めた。2個の広範なIgM中和剤である14315-IgMおよび14287-IgMは、シュードウイルスオミクロンBQ.1バリアントに対する強力な阻害を示し、IC50は、それぞれ1.2E-11および3.3E-12Mであるが、10933-IgMまたは10985-IgMは、そうではなかった。親REGN14315およびREGN14287 IgGは、それぞれ4.0E-10Mおよび2.4E-11Mの効力値でBQ.1バリアントを中和したが、D614Gに対するREGEN-COVの効力値よりも34分の1および2分の1弱かった(図11Bおよび11C)。対応する14315-IgMは、活性をREGEN-COVの完全な効力まで高め、14287-IgMは、REGEN-COVよりも3~4倍高い活性を示した(図11A、11B、および11C)。加えて、両方のIgMは、BQ.1に対する対応する親IgGよりも3~12倍強力であった(図11B、11Cおよび表9)。
所望の幅および効力を有するリードIgMが、現在流行しているバリアントを中和することができるかどうかを調べるために、セクション8.1.2に記載の中和アッセイを使用して、オミクロンBQ.1バリアントを有する14315-IgMおよび14287-IgMの有効性を試験した。加えて、10933-IgM、10985-IgM、14287-IgG(REGN14287)、14315-IgG(REGN14315)、およびREGEN-COVを対照として含めた。2個の広範なIgM中和剤である14315-IgMおよび14287-IgMは、シュードウイルスオミクロンBQ.1バリアントに対する強力な阻害を示し、IC50は、それぞれ1.2E-11および3.3E-12Mであるが、10933-IgMまたは10985-IgMは、そうではなかった。親REGN14315およびREGN14287 IgGは、それぞれ4.0E-10Mおよび2.4E-11Mの効力値でBQ.1バリアントを中和したが、D614Gに対するREGEN-COVの効力値よりも34分の1および2分の1弱かった(図11Bおよび11C)。対応する14315-IgMは、活性をREGEN-COVの完全な効力まで高め、14287-IgMは、REGEN-COVよりも3~4倍高い活性を示した(図11A、11B、および11C)。加えて、両方のIgMは、BQ.1に対する対応する親IgGよりも3~12倍強力であった(図11B、11Cおよび表9)。
これらの知見は、IgMのフォーマットにおけるSARS-CoV2スパイクタンパク質上の多価および標的化エピトープの組み合わせが、対応するFab部分を有する親IgGよりも高い効力およびより広範な保護を達成する上で重要な役割を果たすことを示す。中和能力を弱体化したか、または失ったIgGについての価数の増加のみでは、特定のバリアントに対する活性の増強を保証するものではない。活性の増加が観察された場合であっても、それが所望の効力まで完全に回復しない場合がある(例えば、D614Gに対するREGEN-CoVのIC50)。
8.6.実施例5:IgG Fc連結J鎖を含む14287-IgMのSARS-CoV-2ウイルス中和活性
14287-IgMを出発点として使用して、IgG Fc連結J鎖を含む3個の抗SARS-CoV-2 IgMを生成し、セクション8.1.1に記載されるように精製した。構築物14287-IgM J-Fcは、二量体化IgG Fcドメインに作動可能に連結されたJ鎖を含み、構築物14287-IgM J-Fc1.5は、Fc1.5ドメインに作動可能に連結されたJ鎖を含み、構築物14287-IgM J-mFcは、非二量体化Fcドメインに作動可能に連結されたJ鎖を含んでいた。精製された構築物は、プロテインAに結合することができた(図12A)。3個の構築物全てのSEC精製プロファイルは、個別の主ピークを示した(図12B)。
14287-IgMを出発点として使用して、IgG Fc連結J鎖を含む3個の抗SARS-CoV-2 IgMを生成し、セクション8.1.1に記載されるように精製した。構築物14287-IgM J-Fcは、二量体化IgG Fcドメインに作動可能に連結されたJ鎖を含み、構築物14287-IgM J-Fc1.5は、Fc1.5ドメインに作動可能に連結されたJ鎖を含み、構築物14287-IgM J-mFcは、非二量体化Fcドメインに作動可能に連結されたJ鎖を含んでいた。精製された構築物は、プロテインAに結合することができた(図12A)。3個の構築物全てのSEC精製プロファイルは、個別の主ピークを示した(図12B)。
IgG Fc連結J鎖、14287-IgM J-Fc、14287-IgM J-mFc、および14287-IgM J-Fc1.5を含むIgM構築物を、セクション8.1.2に記載されるように、ウイルス中和アッセイで評価した。比較のために、REGN14287-IgG、14287-IgM、およびREGEN-COV(REGN10987/REGN10933)も含めた。結果は、IgG Fc連結J鎖を含む3個全てのIgM構築物が、SARS-CoV-2シュードウイルス(図13Aおよび表10)ならびにXBB1.5バリアント(図13Bおよび表10)に対して様々な程度の効力を示したことを示した。
9.参考文献の引用
本出願で引用される全ての刊行物、特許、特許出願、および他の文書は、各個々の刊行物、特許、特許出願、または他の文書が全ての目的のために参照によって組み込まれることが個別に示された場合と同程度に、全ての目的のために参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。本明細書に組み込まれる参照のうちの1つ以上の教示と本開示との間に矛盾がある場合には、本明細書の教示が意図される。
本出願で引用される全ての刊行物、特許、特許出願、および他の文書は、各個々の刊行物、特許、特許出願、または他の文書が全ての目的のために参照によって組み込まれることが個別に示された場合と同程度に、全ての目的のために参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。本明細書に組み込まれる参照のうちの1つ以上の教示と本開示との間に矛盾がある場合には、本明細書の教示が意図される。
Claims (50)
- 1個以上の多量体化部分によって作動可能に連結された少なくとも5個の抗スパイクタンパク質抗原結合ドメイン(ABD)を含む、多価抗スパイクタンパク質結合分子。
- 少なくとも10個の抗スパイクタンパク質ABDを含む、請求項1に記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
- 十価または十二価である、請求項1または2に記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
- 前記抗原結合ドメイン(ABD)が、ヒトまたはヒト化されている、請求項1~3のいずれか一項に記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
- 前記抗原結合ドメイン(ABD)が、Fabである、請求項1~4のいずれか一項に記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
- 1個以上(または全て)のABDが、中和する、請求項1~5のいずれか一項に記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
- 単一特異性である、請求項1~6のいずれか一項に記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
- 前記抗原結合ドメイン(ABD)が、全て同じである、請求項1~7のいずれか一項に記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
- 多重特異性である、請求項1~6のいずれか一項に記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
- 二重特異性である、請求項9に記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
- 2つの型のABDを含む、請求項9または10に記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
- 前記1個以上の多量体化部分が、Fcドメインを含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
- 両方の型のABDがスパイクタンパク質に結合する、請求項11に記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
- 一方の型のABDが、スパイクタンパク質に結合し、他方の型のABDが、異なる標的に結合する、請求項11に記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
- 前記Fcドメインが、IgM Fcドメインである、請求項12に記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
- 前記Fcドメインが、Cμ3ドメインおよびCμ4ドメインを含む、請求項15に記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
- 前記Fcドメインが、Cμ2ドメインを含む、請求項15または16に記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
- 五量体である、請求項15~17のいずれか一項に記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
- 5個の二量体の五量体であり、各二量体が、2個のポリペプチドを含み、各ポリペプチドが、抗スパイクタンパク質ABDおよびIgM Fcドメインを含む、請求項18に記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
- ホモ五量体である、請求項18または19に記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
- 一部または全てのCμ3および/またはCμ4ドメインが、ジスルフィド連結されている、請求項18~20のいずれか一項に記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
- J鎖を含む、請求項18~21のいずれか一項に記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
- 前記J鎖が、IgG Fcドメインに作動可能に連結されている、請求項22に記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
- 前記IgG Fcドメインおよび前記J鎖が、リンカーを介して接続されている、請求項23に記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
- 前記IgG Fcドメインが、非二量体化Fcドメインである、請求項23または24に記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
- 前記IgG Fcドメインが、Fc 1.5ドメインである、請求項23または24に記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
- 六量体である、請求項15~17のいずれか一項に記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
- 6個の二量体の六量体であり、各二量体が、2個のポリペプチドを含み、各ポリペプチドが、抗スパイクタンパク質ABDおよびIgM Fcドメインを含む、請求項27に記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
- ホモ六量体である、請求項27または28に記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
- 一部または全てのCμ3および/またはCμ4ドメインが、ジスルフィド連結されている、請求項27~29のいずれか一項に記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
- J鎖を欠く、請求項27~30のいずれか一項に記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
- 1個以上の(または全ての)ABDが、表4に示される抗体のCDR-H1、CDR-H2、CDR-H3、CDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3配列を含む、請求項1~31のいずれか一項に記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
- 1個以上の(または全ての)ABDが、表4に示される抗体のVH配列およびVL配列を含む、請求項1~31のいずれか一項に記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。
- 1個以上の(または全ての)ABDが、
(a)それぞれ配列番号579、580、および581のアミノ酸配列を有するCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含むVHと、
(b)それぞれ配列番号398、372、および583のアミノ酸配列を有するCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含むVLと、を含む、請求項1~31のいずれか一項に記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子。 - 請求項1~34のいずれか一項に記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子をコードする、核酸または複数の核酸。
- 請求項1~34のいずれか一項に記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子または請求項35に記載の核酸(複数可)を発現するように操作された、宿主細胞。
- 請求項1~34のいずれか一項に記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子を生成する方法であって、請求項36に記載の宿主細胞を培養することと、それによって発現された前記多価抗スパイクタンパク質結合分子を回収することと、を含む、方法。
- 請求項1~34のいずれか一項に記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子と、賦形剤と、を含む、薬学的組成物。
- コロナウイルス疾患を治療する方法であって、それを必要とする対象に、請求項1~34のいずれか一項に記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子または請求項38に記載の薬学的組成物を投与することを含む、方法。
- コロナウイルスのRBDと細胞ACE2との間の相互作用を阻害する方法であって、それを必要とする対象に、請求項1~34のいずれか一項に記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子または請求項38に記載の薬学的組成物を投与することを含む、方法。
- インビボでコロナウイルススパイクタンパク質を中和する方法であって、それを必要とする対象に、請求項1~34のいずれか一項に記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子または請求項38に記載の薬学的組成物を投与することを含む、方法。
- インビボでコロナウイルススパイクタンパク質のプロテアーゼ媒介性切断(例えば、TMPRSS2媒介性切断)を阻害する方法であって、それを必要とする対象に、請求項1~34のいずれか一項に記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子または請求項38に記載の薬学的組成物を投与することを含む、方法。
- 対象において宿主細胞へのコロナウイルスのウイルス侵入を阻害する方法であって、それを必要とする対象に、請求項1~34のいずれか一項に記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子または請求項38に記載の薬学的組成物を投与することを含む、方法。
- 対象において宿主細胞中のコロナウイルススパイクタンパク質の再生産を阻害する方法であって、それを必要とする対象に、請求項1~34のいずれか一項に記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子または請求項38に記載の薬学的組成物を投与することを含む、方法。
- コロナウイルス感染の重症度を減らす方法であって、それを必要とする対象に、請求項1~34のいずれか一項に記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子または請求項38に記載の薬学的組成物を投与することを含む、方法。
- コロナウイルスのウイルス負荷を減らす方法であって、それを必要とする対象に、請求項1~34のいずれか一項に記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子または請求項38に記載の薬学的組成物を投与することを含む、方法。
- コロナウイルス感染を有する対象において疾患進行を予防する方法であって、それを必要とする対象に、請求項1~34のいずれか一項に記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子または請求項38に記載の薬学的組成物を投与することを含む、方法。
- コロナウイルス感染の持続期間を減らす方法であって、それを必要とする対象に、請求項1~34のいずれか一項に記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子または請求項38に記載の薬学的組成物を投与することを含む、方法。
- コロナウイルス感染を有する対象において重度の疾患または死のリスクを減らす方法であって、それを必要とする対象に、請求項1~34のいずれか一項に記載の多価抗スパイクタンパク質結合分子または請求項38に記載の薬学的組成物を投与することを含む、方法。
- 前記コロナウイルスが、SARS-CoV-2である、請求項39~49のいずれか一項に記載の方法。
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