JP2025123789A - 二液硬化型組成物セット、硬化物及び電子機器 - Google Patents
二液硬化型組成物セット、硬化物及び電子機器Info
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Abstract
【課題】クラックを生じさせず、高温及び低温に繰り返し晒されたとしても高い熱伝導性を維持できる、二液硬化型組成物セット等を提供すること。
【解決手段】ビニル変性オルガノポリシロキサンAを含む第一剤と、ヒドロシリル変性オルガノポリシロキサンBを含む第二剤と、を備え、前記第一剤及び前記第二剤の少なくとも一方が、エチレン性二重結合を有する反応遅延剤Cを含み、前記第一剤及び前記第二剤の少なくとも一方が、付加反応触媒Dを含み、前記第一剤及び前記第二剤を等体積で混合した硬化物に対して、150℃に30分維持し-40℃に30分維持するサイクルを1000回繰り返した際の、前記サイクル前のアスカーC硬度C0に対する前記サイクル後のアスカーC硬度C1000の比C1000/C0が、2.0未満である、二液硬化型組成物セット。
【選択図】なし
【解決手段】ビニル変性オルガノポリシロキサンAを含む第一剤と、ヒドロシリル変性オルガノポリシロキサンBを含む第二剤と、を備え、前記第一剤及び前記第二剤の少なくとも一方が、エチレン性二重結合を有する反応遅延剤Cを含み、前記第一剤及び前記第二剤の少なくとも一方が、付加反応触媒Dを含み、前記第一剤及び前記第二剤を等体積で混合した硬化物に対して、150℃に30分維持し-40℃に30分維持するサイクルを1000回繰り返した際の、前記サイクル前のアスカーC硬度C0に対する前記サイクル後のアスカーC硬度C1000の比C1000/C0が、2.0未満である、二液硬化型組成物セット。
【選択図】なし
Description
本発明は、二液硬化型組成物セット、硬化物及び電子機器に関する。
パソコンのCPU(中央処理装置)等の発熱性電子部品の小型化、高出力化に伴い、それらの電子部品から発生する単位面積当たりの熱量は非常に大きくなってきている。それらの熱量は、アイロンの約20倍の熱量にも達する。この発熱性の電子部品を長期にわたり故障しないようにするためには、発熱する電子部品の冷却が必要とされる。冷却には、金属製のヒートシンクや筐体が使用されるが、発熱性電子部品とヒートシンク等とをそのまま接触させた場合、その界面において、微視的には空気が存在し、熱伝導の障害となることがある。したがって、効率よく熱を伝えるために、発熱性電子部品とヒートシンク等は、その間に熱伝導性材料を介して配置されることがある。
熱伝導性材料としては、熱硬化性樹脂に熱伝導性充填材を充填し、シート状に成形した熱伝導性パッドや熱伝導性シート、流動性のある樹脂に熱伝導性充填材を充填し塗布や薄膜化が可能な熱伝導性グリース、発熱性電子部品の作動温度で軟化又は流動化する相変化型熱伝導性材料などがある。
熱伝導性グリースとしては、例えばシリコーンに熱伝導性粉末を添加したものが使用されている。このような放熱グリースは、用いるシリコーンの種類に応じて、主に一液タイプと二液タイプに分類される。また、二液タイプはさらに縮合反応型と付加反応型に分けられる。二液タイプのシリコーンを含む熱伝導性グリースは、組成の異なる二種の組成物を含む二液硬化型組成物セットとして使用される(例えば、特許文献1参照)。
二液硬化型組成物セットは、例えば、第一剤と第二剤を混合した後、所定の部分に塗布等して使用される。以下、第一剤と第二剤を混合したものを、単に「混合物」ともいう。混合物は、混合時から硬化反応が進行する。例えば、第一剤と第二剤との反応が、ビニル変性オルガノポリシロキサンとヒドロシリル変性オルガノポリシロキサンの付加反応であれば、混合時から付加反応が進行し、理想的には、反応基質がすべて反応したところで、混合物の硬度や動的粘弾性などの物理特性は一定の値となる。ビニル変性オルガノポリシロキサンとヒドロシリル変性オルガノポリシロキサンの付加反応が完了した状態のことを「硬化物」という。
このとき、混合物中に未反応成分が生じると不要な副反応が進行したり、揮発やオイルブリードの原因となったりするため、通常、二液硬化型組成物セットの第一剤と第二剤とは、ビニル変性オルガノポリシロキサンのビニル基数とヒドロシリル変性オルガノポリシロキサンのヒドロシリル基数が一致するように設計される。具体的には、用法として第一剤と第二剤を等量混合して使用することが規定される二液硬化型組成物セットは、用法に従って第一剤と第二剤を等量混合した場合に、ビニル変性オルガノポリシロキサンのビニル基数とヒドロシリル変性オルガノポリシロキサンのヒドロシリル基数が一致するように設計される。
なお、特に断りがない限り、本実施形態において「混合物」とは、ビニル変性オルガノポリシロキサンのビニル基数とヒドロシリル変性オルガノポリシロキサンのヒドロシリル基数が一致するように混合されたものを意味するものとする。なお、第一剤がビニル変性オルガノポリシロキサンとヒドロシリル変性オルガノポリシロキサンとを含み、第二剤がビニル変性オルガノポリシロキサンを含むような場合においても、混合物は、混合の結果として、ビニル変性オルガノポリシロキサンのビニル基数とヒドロシリル変性オルガノポリシロキサンのヒドロシリル基数が一致するように混合されていればよい。
さて、上記のようにして得られる混合物は、上記発熱性電子部品等に接触させて用いられるため、高温と低温のサイクル(以下、単に「ヒートサイクル」ともいう)に晒される。長時間ヒートサイクルに晒されると、混合物にクラック等が生じ、クラック部分で熱抵抗値が上昇する場合がある。そのため、ヒートサイクルを経てもクラックの生じにくい二液硬化型組成物セットの開発が求められる。
しかしながら、本発明者がさらに検討を進めたところ、外観上はクラック等が生じていないにも関わらず、ヒートサイクルによって熱抵抗値が低下するという新たな現象が生じることが分かってきた。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、クラックを生じさせず、高温及び低温に繰り返し晒されたとしても高い熱伝導性を維持できる、二液硬化型組成物セット、及び当該二液硬化型組成物セットから得られる硬化物、並びに当該硬化物を備える電子機器を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、所定の成分を含む第一剤及び第二剤を備え、第一剤及び第二剤の当量混合物の硬化物をヒートサイクルに晒した際の硬度変化が所定の範囲内にある二液硬化型組成物セットが、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
[1]
ビニル変性オルガノポリシロキサンAを含む第一剤と、
ヒドロシリル変性オルガノポリシロキサンBを含む第二剤と、を備え、
前記第一剤及び前記第二剤の少なくとも一方が、エチレン性二重結合を有する反応遅延剤Cを含み、
前記第一剤及び前記第二剤の少なくとも一方が、付加反応触媒Dを含み、
前記第一剤及び前記第二剤を等体積で混合した硬化物に対して、150℃に30分維持し-40℃に30分維持するサイクルを1000回繰り返した際の、前記サイクル前のアスカーC硬度C0に対する前記サイクル後のアスカーC硬度C1000の比C1000/C0が、2.0未満である、
二液硬化型組成物セット。
[2]
前記アスカーC硬度C1000が、20~85である、
[1]に記載の二液硬化型組成物セット。
[3]
前記アスカーC硬度C0が、20~60である、
[1]又は[2]に記載の二液硬化型組成物セット。
[4]
前記第一剤及び前記第二剤に含まれる、前記ヒドロシリル変性オルガノポリシロキサンBの総重量を100重量部とした際の前記反応遅延剤Cの総重量が、0.01~10重量部である、
[1]~[3]のいずれか1つに記載の二液硬化型組成物セット。
[5]
前記第一剤及び前記第二剤に含まれる、前記ビニル変性オルガノポリシロキサンAの総重量を100重量部とした際の前記ヒドロシリル変性オルガノポリシロキサンBの総重量が、50~200重量部である、
[1]~[4]のいずれか1つに記載の二液硬化型組成物セット。
[6]
前記第一剤及び前記第二剤の少なくとも一方が、アセチレン性三重結合を有する反応遅延剤C”を含む場合、
前記第一剤及び前記第二剤に含まれる前記反応遅延剤C”の不飽和結合数の総量が、前記第一剤及び前記第二剤に含まれる前記反応遅延剤C及び前記反応遅延剤C”の不飽和結合数の総量に対して、0%超70%以下である、
[1]~[5]のいずれか1つに記載の二液硬化型組成物セット。
[7]
前記第一剤及び前記第二剤が、アセチレン性三重結合を有する反応遅延剤C”を含まない、
[1]~[6]のいずれか1つに記載の二液硬化型組成物セット。
[8]
前記第一剤及び/又は前記第二剤が、熱伝導性フィラーEを含む、
[1]~[7]のいずれか1つに記載の二液硬化型組成物セット。
[9]
前記第一剤及び前記第二剤を等体積で混合した硬化物の熱抵抗値が、1.0mm厚で3.0cm2・℃/W以下である、
[1]~[8]のいずれか1つに記載の二液硬化型組成物セット。
[10]
熱伝導性放熱材料として使用される、
[1]~[9]のいずれか1つに記載の二液硬化型組成物セット。
[11]
[1]~[9]のいずれか1つに記載の二液硬化型組成物セットにおける、第一剤と第二剤との混合物から得られる、
硬化物。
[12]
熱伝導性放熱材料として使用される、
[11]に記載の硬化物。
[13]
電子部品と、[12]に記載の硬化物と、ヒートシンクと、を備え、
前記電子部品及び前記ヒートシンクが、前記硬化物を介して接触している、
電子機器。
[1]
ビニル変性オルガノポリシロキサンAを含む第一剤と、
ヒドロシリル変性オルガノポリシロキサンBを含む第二剤と、を備え、
前記第一剤及び前記第二剤の少なくとも一方が、エチレン性二重結合を有する反応遅延剤Cを含み、
前記第一剤及び前記第二剤の少なくとも一方が、付加反応触媒Dを含み、
前記第一剤及び前記第二剤を等体積で混合した硬化物に対して、150℃に30分維持し-40℃に30分維持するサイクルを1000回繰り返した際の、前記サイクル前のアスカーC硬度C0に対する前記サイクル後のアスカーC硬度C1000の比C1000/C0が、2.0未満である、
二液硬化型組成物セット。
[2]
前記アスカーC硬度C1000が、20~85である、
[1]に記載の二液硬化型組成物セット。
[3]
前記アスカーC硬度C0が、20~60である、
[1]又は[2]に記載の二液硬化型組成物セット。
[4]
前記第一剤及び前記第二剤に含まれる、前記ヒドロシリル変性オルガノポリシロキサンBの総重量を100重量部とした際の前記反応遅延剤Cの総重量が、0.01~10重量部である、
[1]~[3]のいずれか1つに記載の二液硬化型組成物セット。
[5]
前記第一剤及び前記第二剤に含まれる、前記ビニル変性オルガノポリシロキサンAの総重量を100重量部とした際の前記ヒドロシリル変性オルガノポリシロキサンBの総重量が、50~200重量部である、
[1]~[4]のいずれか1つに記載の二液硬化型組成物セット。
[6]
前記第一剤及び前記第二剤の少なくとも一方が、アセチレン性三重結合を有する反応遅延剤C”を含む場合、
前記第一剤及び前記第二剤に含まれる前記反応遅延剤C”の不飽和結合数の総量が、前記第一剤及び前記第二剤に含まれる前記反応遅延剤C及び前記反応遅延剤C”の不飽和結合数の総量に対して、0%超70%以下である、
[1]~[5]のいずれか1つに記載の二液硬化型組成物セット。
[7]
前記第一剤及び前記第二剤が、アセチレン性三重結合を有する反応遅延剤C”を含まない、
[1]~[6]のいずれか1つに記載の二液硬化型組成物セット。
[8]
前記第一剤及び/又は前記第二剤が、熱伝導性フィラーEを含む、
[1]~[7]のいずれか1つに記載の二液硬化型組成物セット。
[9]
前記第一剤及び前記第二剤を等体積で混合した硬化物の熱抵抗値が、1.0mm厚で3.0cm2・℃/W以下である、
[1]~[8]のいずれか1つに記載の二液硬化型組成物セット。
[10]
熱伝導性放熱材料として使用される、
[1]~[9]のいずれか1つに記載の二液硬化型組成物セット。
[11]
[1]~[9]のいずれか1つに記載の二液硬化型組成物セットにおける、第一剤と第二剤との混合物から得られる、
硬化物。
[12]
熱伝導性放熱材料として使用される、
[11]に記載の硬化物。
[13]
電子部品と、[12]に記載の硬化物と、ヒートシンクと、を備え、
前記電子部品及び前記ヒートシンクが、前記硬化物を介して接触している、
電子機器。
本発明によれば、クラックを生じさせず、高温及び低温に繰り返し晒されたとしても高い熱伝導性を維持できる、二液硬化型組成物セット、及び当該二液硬化型組成物セットから得られる硬化物、並びに当該硬化物を備える電子機器を提供することができる。
以下、本発明の実施形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
1.二液硬化型組成物セット
本実施形態の二液硬化型組成物セットは、ビニル変性オルガノポリシロキサンAを含む第一剤と、ヒドロシリル変性オルガノポリシロキサンBを含む第二剤と、を備え、第一剤及び第二剤の少なくとも一方が、エチレン性二重結合を有する反応遅延剤Cを含み、第一剤及び第二剤の少なくとも一方が、付加反応触媒Dを含み、第一剤及び第二剤を等体積で混合した硬化物に対して、150℃に30分維持し-40℃に30分維持するサイクルを1000回繰り返した際の、サイクル前のアスカーC硬度C0に対するサイクル後のアスカーC硬度C1000の比C1000/C0が、2.0未満である。
本実施形態の二液硬化型組成物セットは、ビニル変性オルガノポリシロキサンAを含む第一剤と、ヒドロシリル変性オルガノポリシロキサンBを含む第二剤と、を備え、第一剤及び第二剤の少なくとも一方が、エチレン性二重結合を有する反応遅延剤Cを含み、第一剤及び第二剤の少なくとも一方が、付加反応触媒Dを含み、第一剤及び第二剤を等体積で混合した硬化物に対して、150℃に30分維持し-40℃に30分維持するサイクルを1000回繰り返した際の、サイクル前のアスカーC硬度C0に対するサイクル後のアスカーC硬度C1000の比C1000/C0が、2.0未満である。
本発明者は、種々の二液硬化型組成物セットの第一剤と第二剤とを混合した混合物(硬化物)について、ヒートサイクルを適用した後の熱抵抗値を測定した。その結果、ヒートサイクル後において外観上はクラックなどが生じておらず同様に見えるにもかかわらず、熱伝導性が低下する硬化物と、高い熱伝導性を維持できる硬化物が存在することを見出した。
これについて、本発明者がさらに検討したところ、熱伝導性が低下する混合物においては、ビニル変性オルガノポリシロキサンとヒドロシリル変性オルガノポリシロキサンによる通常の付加反応(主反応)がおよそ完了した後においても、予期せぬ副反応が生じ、相当の長時間にわたって硬化物の硬度が変化することが分かった。この硬化物の硬度の変化が、硬化物と発熱部品との密着性を徐々に低下させ、その結果、硬化物と発熱部品との界面における熱伝導性を経時的に低下させているものと考えられる。
そこで、本実施形態の二液硬化型組成物セットは、ヒートサイクルによる硬化物の硬度の変化が少ないことをヒートサイクル前のアスカーC硬度C0に対するヒートサイクル後のアスカーC硬度C1000の比C1000/C0により規定する。
なお、本実施形態においては、一般に二液硬化型組成物セットの信頼性を評価するためのヒートサイクル試験として用いられる、150℃に30分維持し-40℃に30分維持するサイクルを1000回繰り返した際の硬度変化について規定する。
以上のように、本実施形態においては上記比C1000/C0によって、予期せぬ副反応が抑制されるという特性を規定する。このように、長時間ヒートサイクルに晒した場合の硬度の上昇を一定以下とすることにより、二液硬化型組成物セットの硬化物の予期しない物性の変化を抑制し、硬化物の密着性が低下することを抑制できる。その結果、高温及び低温に繰り返し晒されたとしても高い熱伝導性を維持できる二液硬化型組成物セットとすることができる。以下、高温及び低温に繰り返し晒されたとしても高い熱伝導性を維持できる特性を、二液硬化型組成物セットの「信頼性」という。
以下、第一剤及び第二剤の組成及び混合物性について詳述する。
なお、本実施形態の二液硬化型組成物セットの第一剤と第二剤に含まれる、ビニル変性オルガノポリシロキサンのビニル基数とヒドロシリル変性オルガノポリシロキサンのヒドロシリル基数は、およそ一致することが好ましい。より具体的には、ビニル変性オルガノポリシロキサンAのビニル基数を100としたときに、ヒドロシリル変性オルガノポリシロキサンBのヒドロシリル基数は、好ましくは、90~110であり、95~105である。ビニル変性オルガノポリシロキサンのビニル基数は、ビニル変性オルガノポリシロキサンのビニル基当量と使用量の積で求めることができ、ヒドロシリル変性オルガノポリシロキサンBのヒドロシリル基数はヒドロシリル変性オルガノポリシロキサンのヒドロシリル基当量と使用量の積で求めることができる。
1.1.第一剤及び第二剤の混合物性
上記のとおり、第一剤及び第二剤を混合することにより、混合物の硬化が開始する。本実施形態では、この混合物の硬度変化、及び副反応を制御するすることにより、ヒートサイクルに晒した際の予期しない物性の変化を抑制し、高温及び低温に繰り返し晒されたとしても高い熱伝導性を維持できる。
上記のとおり、第一剤及び第二剤を混合することにより、混合物の硬化が開始する。本実施形態では、この混合物の硬度変化、及び副反応を制御するすることにより、ヒートサイクルに晒した際の予期しない物性の変化を抑制し、高温及び低温に繰り返し晒されたとしても高い熱伝導性を維持できる。
1.1.1.アスカーC硬度
本実施形態では、予期せぬ副反応が抑制されるという特性を、上記比C1000/C0によって表現する。具体的には、第一剤及び第二剤を等体積で混合した硬化物に対して、150℃に30分維持し-40℃に30分維持するサイクルを1000回繰り返した際の、サイクル前のアスカーC硬度C0に対するサイクル後のアスカーC硬度C1000の比C1000/C0が、2.0未満である。
本実施形態では、予期せぬ副反応が抑制されるという特性を、上記比C1000/C0によって表現する。具体的には、第一剤及び第二剤を等体積で混合した硬化物に対して、150℃に30分維持し-40℃に30分維持するサイクルを1000回繰り返した際の、サイクル前のアスカーC硬度C0に対するサイクル後のアスカーC硬度C1000の比C1000/C0が、2.0未満である。
上述のとおり、上記比C1000/C0を2.0未満とすることにより、ヒートサイクルによる熱伝導性の低下要因である、副反応による硬化物の硬度上昇を確実に抑制できる。
したがって、上記比C1000/C0は、好ましくは、1.9以下であり、1.8以下であり、1.7以下であり、1.6以下である。上記比C1000/C0の下限値は特に限定されず、比C1000/C0は、例えば、0.5以上、0.6以上、0.7以上、0.8以上、0.9以上、1.0以上、1.1以上、又は1.2以上であってよい。
なお、第一剤及び第二剤の混合物の硬化物のアスカーC硬度は、第一剤及び第二剤を等体積で混合した混合物を平滑な銅面を有する測定冶具に塗布し、1日経過して硬化した状態の混合物(硬化物)について測定すればよい。
より具体的には、第一剤及び第二剤を等体積で混合した混合物を平滑な銅面を有する測定冶具に塗布し、1日経過して硬化した状態の混合物(硬化物)において、アスカーC硬度C0を測定する。そして、当該硬化物に対して150℃に30分維持し-40℃に30分維持するサイクルを1000回繰り返した後にアスカーC硬度C1000を測定する。なお、-40℃から150℃、150℃から-40℃の昇降温は5分以内とする。
アスカーC硬度は、25℃でアスカーCタイプのスプリング式硬度計で測定することができ、より具体的には実施例に記載の方法により測定することができる。
上記のアスカーC硬度C0の値は特に限定されないが、好ましくは、20~60であり、30~58であり、35~57であり、37~55であり、40~53であり、又は43~52である。
上記のアスカーC硬度C1000の値は特に限定されないが、好ましくは、20~85であり、35~90であり、40~88であり、45~86であり、50~85であり、55~83であり、60~80であり、又は65~78である。
アスカーC硬度C1000とアスカーC硬度C0との差(C1000-C0)は特に限定されないが、好ましくは、0~45であり、3~40であり、5~38であり、10~35であり、又は15~30Paである。
アスカーC硬度C0及びアスカーC硬度C1000の値、並びにこれらの差がそれぞれ上記の範囲にあることにより、第一剤及び第二剤を混合したときの硬度変化を好適な範囲とすることができ、二液硬化型組成物セットの信頼性をより向上することができる傾向にある。
アスカーC硬度C0及びアスカーC硬度C1000の値、並びにこれらの差及び比を上記の範囲内とするためには、例えば第一剤及び第二剤の各成分の種類及び含有量を調整すればよい。例えば、後述する好ましい反応遅延剤Cを用いたり、第一剤及び第二剤に含まれる反応遅延剤C”の含有量を制御したり、ヒドロシリル変性オルガノポリシロキサンBの総重量に対する反応遅延剤Cの総重量、及び/又は付加反応触媒Dの総重量、並びにビニル変性オルガノポリシロキサンAの総重量に対するヒドロシリル変性オルガノポリシロキサンBの総重量等を調整したりすることにより、上記比C1000/C0を2.0未満とすることができる。
1.1.2.熱抵抗値
本実施形態の二液硬化型組成物セットは、熱伝導性グリース等の熱伝導性放熱材料として好適に使用される。したがって、二液硬化型組成物セットの第一剤及び第二剤を混合した場合に、熱抵抗値が低いことが好ましい。具体的には、例えば、第一剤及び第二剤を等体積で混合した硬化物の熱抵抗値は、1.0mm厚で3.0cm2・℃/W以下であることが好ましい。当該1.0mm厚での熱抵抗値は、好ましくは、2.8cm2・℃/W以下、2.5cm2・℃/W以下、2.1cm2・℃/W以下、2.0cm2・℃/W以下、1.8cm2・℃/W以下である。当該1.0mm厚での熱抵抗値の下限値は特に限定されず、例えば、0.1cm2・℃/W以上、0.2cm2・℃/W以上、0.5cm2・℃/W以上、又は1.0cm2・℃/W以上であってよい。
本実施形態の二液硬化型組成物セットは、熱伝導性グリース等の熱伝導性放熱材料として好適に使用される。したがって、二液硬化型組成物セットの第一剤及び第二剤を混合した場合に、熱抵抗値が低いことが好ましい。具体的には、例えば、第一剤及び第二剤を等体積で混合した硬化物の熱抵抗値は、1.0mm厚で3.0cm2・℃/W以下であることが好ましい。当該1.0mm厚での熱抵抗値は、好ましくは、2.8cm2・℃/W以下、2.5cm2・℃/W以下、2.1cm2・℃/W以下、2.0cm2・℃/W以下、1.8cm2・℃/W以下である。当該1.0mm厚での熱抵抗値の下限値は特に限定されず、例えば、0.1cm2・℃/W以上、0.2cm2・℃/W以上、0.5cm2・℃/W以上、又は1.0cm2・℃/W以上であってよい。
第一剤及び第二剤の混合物の硬化物の1.0mm厚の熱抵抗値は、第一剤及び第二剤を等体積で混合した混合物を平滑な銅面を有する測定冶具に塗布し、1日以上経過して硬化した状態の混合物(硬化物)について測定すればよく、より具体的には実施例に記載の方法により測定すればよい。なお、本実施形態においては、第一剤及び第二剤を等体積で混合した混合物に含まれる、ビニル変性オルガノポリシロキサンのビニル基数とヒドロシリル変性オルガノポリシロキサンのヒドロシリル基数がおよそ一致することが好ましい。
第一剤及び第二剤の熱抵抗値及び熱伝導率を上記の範囲内とするためには、例えば第一剤及び第二剤に含まれる熱伝導性フィラーの粒径及び含有量を調整したり、熱伝導性の高いフィラーを用いたりすればよい。
1.2.第一剤及び第二剤の成分
本実施形態の二液硬化型組成物セットは、第一剤がビニル変性オルガノポリシロキサンAを含み、第二剤がヒドロシリル変性オルガノポリシロキサンBを含み、第一剤及び第二剤の少なくとも一方が、エチレン性二重結合を有する反応遅延剤Cを含み、第一剤及び第二剤の少なくとも一方が、付加反応触媒Dを含む。
本実施形態の二液硬化型組成物セットは、第一剤がビニル変性オルガノポリシロキサンAを含み、第二剤がヒドロシリル変性オルガノポリシロキサンBを含み、第一剤及び第二剤の少なくとも一方が、エチレン性二重結合を有する反応遅延剤Cを含み、第一剤及び第二剤の少なくとも一方が、付加反応触媒Dを含む。
本実施形態の二液硬化型組成物セットは、第一剤及び第二剤を混合することにより硬化が開始する。具体的には、ビニル変性オルガノポリシロキサンAとヒドロシリル変性オルガノポリシロキサンBは、付加反応触媒Dの共存下において付加反応をし、反応遅延剤Cは当該付加反応の反応速度を制御する。
第一剤及び第二剤の少なくとも一方は、さらに熱伝導性フィラーEを含むことが好ましく、さらに別の成分を含んでいてもよい。以下、上記第一剤及び第二剤が含み得る成分について説明する。
1.2.1.ビニル変性オルガノポリシロキサンA
ビニル変性オルガノポリシロキサンA(以下、単に「オルガノポリシロキサンA」ともいう。)は、少なくとも1つのビニル基を有するオルガノポリシロキサンである。オルガノポリシロキサンAは、側鎖及び/又は末端にビニル基を有していてよい。このようなオルガノポリシロキサンは、以下の式(a-1)で表される構造単位又は式(a-2)で表される末端構造を有する。オルガノポリシロキサンAは、例えば、式(a-1)で表される構造単位及び式(a-2)で表される末端構造の少なくとも一方と、式(a-3)で表される構造単位とを有していてもよい。
ビニル変性オルガノポリシロキサンA(以下、単に「オルガノポリシロキサンA」ともいう。)は、少なくとも1つのビニル基を有するオルガノポリシロキサンである。オルガノポリシロキサンAは、側鎖及び/又は末端にビニル基を有していてよい。このようなオルガノポリシロキサンは、以下の式(a-1)で表される構造単位又は式(a-2)で表される末端構造を有する。オルガノポリシロキサンAは、例えば、式(a-1)で表される構造単位及び式(a-2)で表される末端構造の少なくとも一方と、式(a-3)で表される構造単位とを有していてもよい。
ここで、式(a-1)、(a-2)及び(a-3)中、Rは置換基を有していてよい任意の1価の炭化水素基である。そのような1価の炭化水素基としては、特に限定されないが、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、2-フェニルエチル基、2-フェニルプロピル基等のアラルキル基;並びにこれらの基において置換基を有する基等が挙げられる。上記の1価の炭化水素基が有する置換基としては、例えばハロゲン原子、特にフッ素原子又は塩素原子が挙げられる。
オルガノポリシロキサンAは、一種単独で、又は二種以上を組み合わせて用いてよい。オルガノポリシロキサンAのビニル基数は、好ましくは一分子あたり平均して2.0個以上である。すなわち、オルガノポリシロキサンAが一種類の場合は、当該オルガノポリシロキサンが、一分子あたり2個以上のビニル基を有することが好ましい。オルガノポリシロキサンAが二種類以上の場合は、各オルガノポリシロキサンのビニル基の数の相加平均が2.0個以上であると好ましい。一分子あたりのビニル基の数が2.0個以上であることにより、架橋密度を調整することができ、第一剤及び第二剤を混合したときの硬度変化をより好適な範囲とすることができる傾向にある。オルガノポリシロキサンAのビニル基数の上限は特に限定されず、ビニル基数は、例えば一分子あたり平均して4.0個以下、3.0個以下又は2.5個以下であってよい。オルガノポリシロキサンAの一分子あたりの平均ビニル基数は2.0個であってよい。
オルガノポリシロキサンAの一分子あたりの平均ビニル基数は、NMRにより測定すればよい。具体的には、例えばJEOL社製、ECP-300NMRを使用し、重溶媒としての重クロロホルムに、オルガノポリシロキサンAを溶解して測定すればよい。このようにして得られる測定結果をオルガノポリシロキサンAの平均分子量で除することにより一分子あたりの平均ビニル基数を算出できる。
オルガノポリシロキサンAは、両末端にビニル基を有するオルガノポリシロキサンを少なくとも含むことが好ましい。そのようなオルガノポリシロキサンを用いることにより、架橋密度を調整することができ、第一剤及び第二剤を混合したときの硬度変化をより好適な範囲とすることができる傾向にある。
オルガノポリシロキサンAの25℃での粘度は、好ましくは、30~500mPa・sであり、40~400mPa・sであり、50~300mPa・sであり、60~200mPa・sであり、70~150mPa・sである。オルガノポリシロキサンAの粘度が500mPa・s以下であると、架橋密度が向上するほか、第一剤の取扱性がより向上する傾向にある。オルガノポリシロキサンAの粘度が30mPa・s以上であると、第一剤及び第二剤の硬化物における引張強度等の機械強度がより向上する傾向にある。
なお、特に言及する場合を除き、数値範囲について30~500mPa・s等と記載した場合には、その範囲は両端値を含み、30mPa・s以上500mPa・s以下を意味するものとする。以下同様である。
本明細書中、オルガノポリシロキサンの25℃での粘度は、BROOKFIELD社製のデジタル粘度計「DV-1」を用いて測定することができる。RVスピンドルセットを用いて、ローターNo.1を使用し、当該ローターが入り、かつ基準線までオルガノポリシロキサンを入れることができる容器を用いて、ローターをオルガノポリシロキサンに浸し、25℃、回転数10rpmで粘度を測定する。
ビニル変性オルガノポリシロキサンAの重量平均分子量は、好ましくは、1000~100000であり、1500~75000であり、2500~50000であってもよい。重量平均分子量は、GPC(ゲルパーミネーションクロマトグラフィ)により求めることができる。また、ビニル変性オルガノポリシロキサンAの二重結合基当量は、好ましくは、0.1~1.0mol/kgであり、0.15~0.8mol/kgであり、0.2~0.6mol/kgであってもよい。二重結合基当量は、NMR測定により求めることができる。ビニル変性オルガノポリシロキサンAの重量平均分子量又は二重結合基当量が上記範囲にあることにより、混合物の引張強度等の機械強度がより向上し、硬化物のクラックがより抑制される傾向にある。
1.2.2.ヒドロシリル変性オルガノポリシロキサンB
ヒドロシリル変性オルガノポリシロキサンB(以下、「単にオルガノポリシロキサンB」ともいう。)は、少なくとも2つのヒドロシリル基を有するオルガノポリシロキサンである。オルガノポリシロキサンBは、側鎖及び/又は末端にヒドロシリル基を有していてよい。このようなオルガノポリシロキサンは、以下の式(b-1)で表される構造単位又は式(b-2)で表される末端構造を有する。オルガノポリシロキサンBは、例えば、式(b-1)で表される構造単位及び式(b-2)で表される末端構造の少なくとも一方と、式(b-3)で表される構造単位とを有していてもよい。
ヒドロシリル変性オルガノポリシロキサンB(以下、「単にオルガノポリシロキサンB」ともいう。)は、少なくとも2つのヒドロシリル基を有するオルガノポリシロキサンである。オルガノポリシロキサンBは、側鎖及び/又は末端にヒドロシリル基を有していてよい。このようなオルガノポリシロキサンは、以下の式(b-1)で表される構造単位又は式(b-2)で表される末端構造を有する。オルガノポリシロキサンBは、例えば、式(b-1)で表される構造単位及び式(b-2)で表される末端構造の少なくとも一方と、式(b-3)で表される構造単位とを有していてもよい。
ここで、式(b-1)、(b-2)及び(b-3)中、Rは置換基を有していてよい任意の1価の炭化水素基である。すなわち、オルガノポリシロキサンBにおいて、シロキサン骨格の側鎖には、置換基を有していてよい任意の1価の炭化水素基が結合している。そのような1価の炭化水素基としては、ビニル変性オルガノポリシロキサンAが有していてよい1価の炭化水素基と同じものが挙げられる。
オルガノポリシロキサンBは、一種単独で、又は二種以上を組み合わせて用いてよい。例えば、オルガノポリシロキサンBは、両末端にヒドロシリル基を有するヒドロシリル変性オルガノポリシロキサンBxを少なくとも含むと好ましく、上記ヒドロシリル変性オルガノポリシロキサンBxと、側鎖にヒドロシリル基を有するヒドロシリル変性オルガノポリシロキサンByとを含むとより好ましい。
オルガノポリシロキサンBxは、オルガノポリシロキサン骨格の両末端にヒドロシリル基を少なくとも2個有する。オルガノポリシロキサンBxは、更に側鎖にヒドロシリル基を有していてもよい。オルガノポリシロキサンBxは、両末端のみにヒドロシリル基を有するオルガノポリシロキサンであってよい。
オルガノポリシロキサンByは、オルガノポリシロキサン骨格の側鎖に少なくとも2つの水素原子を有し、当該水素原子とケイ素原子によりヒドロシリル基が構成される。オルガノポリシロキサンByは、更にオルガノポリシロキサン骨格の両末端にヒドロシリル基を有していてもよい。オルガノポリシロキサンByのヒドロシリル基数は、好ましくは一分子あたり平均して2.0個超であり、より好ましくは一分子あたり平均して2.5個以上であり、更に好ましくは一分子あたり平均して3.0個以上である。なお、オルガノポリシロキサンByのヒドロシリル基の上限は特に限定されず、ヒドロシリル基は、例えば一分子あたり平均して8.0個以下、6.0個以下又は5.0個以下であってよい。
オルガノポリシロキサンBのヒドロシリル基数は、好ましくは一分子あたり平均して2.0個以上である。すなわち、オルガノポリシロキサンBが一種類の場合は、当該オルガノポリシロキサンが、一分子あたり2個以上のヒドロシリル基を有することが好ましい。オルガノポリシロキサンBが二種類以上の場合は、各オルガノポリシロキサンのヒドロシリル基の数の相加平均が2.0個以上であると好ましい。
オルガノポリシロキサンBの一分子あたりの平均ヒドロシリル基数は、NMRにより測定すればよい。具体的には、例えばJEOL社製、ECP-300NMRを使用し、重溶媒としての重クロロホルムに、オルガノポリシロキサンBを溶解して測定すればよい。このようにして得られる測定結果をオルガノポリシロキサンBの平均分子量で除することにより一分子あたりの平均ヒドロシリル基数を算出できる。
オルガノポリシロキサンBxの25℃での粘度は、好ましくは5~200mPa・sであり、30~150mPa・sであり、50~110mPa・sである。オルガノポリシロキサンBxの粘度が100mPa・s以下であると、第一剤及び第二剤の粘度がより低下する傾向にある。オルガノポリシロキサンBxの粘度が5mPa・s以上であると、硬化物における引張強度等の機械強度がより向上する傾向にある。
オルガノポリシロキサンByの25℃での粘度は、好ましくは1~150mPa・s、20~125mPa・s、40~100mPa・sである。オルガノポリシロキサンByの粘度が100mPa・s以下であると、第一剤及び第二剤の粘度がより低下する傾向にある。オルガノポリシロキサンByの粘度が1mPa・s以上であると、硬化物における引張強度等の機械強度がより向上する傾向にある。
また、オルガノポリシロキサンAの25℃での粘度とオルガノポリシロキサンBの25℃での粘度との差は、好ましくは、20~50mPa・sであり、25~45mPa・sであり、30~40mPa・sである。粘度差が上記範囲内であることにより、第一剤及び第二剤の混合物の均一性がより向上し、結果として、ヒートサイクル時のクラックの発生がより抑制され、高温及び低温に繰り返し晒されたとしても高い熱伝導性を維持できる傾向にある。
1.2.3.反応遅延剤C
反応遅延剤Cは、ビニル変性オルガノポリシロキサンA及びヒドロシリル変性オルガノポリシロキサンBの付加反応を抑制し、第一剤及び第二剤を混合した際の硬化速度を制御するための成分である。
反応遅延剤Cは、ビニル変性オルガノポリシロキサンA及びヒドロシリル変性オルガノポリシロキサンBの付加反応を抑制し、第一剤及び第二剤を混合した際の硬化速度を制御するための成分である。
上記のとおり、二液硬化型組成物セットは、第一剤と第二剤を混合した後、所定の部分に塗布等して使用される。そのため、第一剤と第二剤を混合したときに開始する反応が早すぎると、第一剤と第二剤が均一に混合する前に部分的に反応が進行し、得られる混合物の物性が部分的に異なり、不均一となる可能性がある。また、第一剤と第二剤が均一に混合していたとしても、ミクロな観点では、反応が早いことで混合物内において架橋密度にムラが生じる可能性もある。さらに、第一剤と第二剤を混合したときに開始する反応が早すぎると、第一剤と第二剤を混合してから所定の部分に塗布するまでの時間が短くなるため、取り扱い性にも劣る。
以上のような観点から、本実施形態の二液硬化型組成物セットは、第一剤と第二剤の少なくとも一方において反応遅延剤Cを含む。これにより、混合物の物性が全体として均一になったり、架橋密度の差が少なくなったりして、ヒートサイクル時のクラックの発生がより抑制される。また、第一剤と第二剤を混合してから所定の部分に塗布するまでの時間を確保できるため、取り扱い性も向上する。
反応遅延剤Cは、エチレン性二重結合(以下、単に「二重結合」という)を有する。反応遅延剤Cは、一種単独で用いても、二種以上を併用してもよい。
反応遅延剤Cの付加反応の遅延機構は、特に限定されないが、例えば、第1段階として、オルガノポリシロキサンAのビニル基の代わりに、反応遅延剤Cの不飽和結合が、付加反応触媒Dに配位する。そして、第2段階として、反応遅延剤Cが配位した付加反応触媒Dに対して、オルガノポリシロキサンBが配位する。第3段階として、付加反応触媒Dにより、オルガノポリシロキサンBのヒドロシリル基と反応遅延剤Cの不飽和結合とが付加反応して、付加反応触媒Dから脱離する。これによって、反応遅延剤Cはビニル変性オルガノポリシロキサンA及びヒドロシリル変性オルガノポリシロキサンBの付加反応を遅延させる。
反応遅延剤Cの分子量は、好ましくは20~800g/molであり、50~700g/molであり、70~600g/molであり、100~500g/molであってもよい。また、反応遅延剤Cの二重結合基当量は、好ましくは1.0~20mol/kgであり、3.0~18mol/kgであり、5.0~16mol/kgであり、7.0~14mol/kgであってもよい。反応遅延剤Cの分子量又は二重結合基当量が上記範囲にあることにより、反応遅延性能が向上し、混合物の物性が全体として均一になったり、架橋密度の差が少なくなったり、ヒートサイクル時のクラックの発生がより抑制されたりするほか、取り扱い性も向上する傾向にある。
反応遅延剤Cは、二重結合を有していれば特に限定されない。反応遅延剤Cの1分子あたりの二重結合の数は、好ましくは、1以上8以下、1以上6以下、又は1以上5以下である。二重結合としては、特に限定されないが、例えば、ビニル基、アリル基、又はブテニル基のようなアルケニル基二重結合が挙げられる。反応遅延剤Cは、アルケニル基を有するオルガノポリシロキサンであることが好ましく、アルケニル基を有する環状オルガノポリシロキサンであることがより好ましい。
反応遅延剤Cがオルガノポリシロキサンである場合、反応遅延剤Cに含まれるケイ素原子の数は、好ましくは、2以上30以下、3以上20以下、3以上15以下、3以上8以下、又は3以上6以下である。また、反応遅延剤Cに含まれる炭素原子の数は、好ましくは、6以上60以下、8以上40以下、9以上30以下、10以上20以下、又は11以上16以下である。
反応遅延剤Cは、以下の式(1)の構造を有することが好ましい。ただし、式(1)中、R1及びR2は、各々独立して、炭素数1~4のアルキル基又は炭素数2~5のアルケニル基であり、好ましくは炭素数1~3のアルキル基(メチル基、エチル基、若しくはプロピル基)又は炭素数2~4のアルケニル基(ビニル基、アリル基、若しくはブテニル基)である。また、式(1)中、pは3~30の整数であり、好ましくは3~20、3~15、3~8、又は3~6である。ただし、式(1)中、複数のR1及びR2のうちの少なくとも1つは、炭素数2~5のアルケニル基であり、好ましくは炭素数2~4のアルケニル基であり、より好ましくはビニル基である。式(1)中、炭素数2~5のアルケニル基であるR1及びR2の数(合計)は、好ましくは1~pである。式(1)中、R1が各々独立して、炭素数1~4のアルキル基であり、R2が各々独立して、炭素数2~5のアルケニル基であってよい。
このような反応遅延剤Cとしては、特に限定されないが、例えば、1,3-ジビニル-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン等の非環状シロキサン;2,4,6,8-テトラメチル-2,4,6,8-テトラビニルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7-テトラメチル-1,3,5,7-テトラヘキセニルシクロテトラシロキサン等の環状シロキサンが挙げられる。このなかでも、環状シロキサンが好ましく、2,4,6,8-テトラメチル-2,4,6,8-テトラビニルシクロテトラシロキサンが好ましい。
このような反応遅延剤Cを使用することにより、反応遅延性能が向上し、混合物の物性が全体として均一になったり、架橋密度の差が少なくなったりし、ヒートサイクル時のクラックの発生がより抑制されるほか、取り扱い性も向上する傾向にある。
本実施形態の二液硬化型組成物セットは、反応遅延剤成分として、二重結合を有する反応遅延剤C以外の成分を含んでいてもよいが、アセチレン性三重結合(以下、単に「三重結合」という)を有する反応遅延剤C”を含まないことが好ましい。
なお、本実施形態において、一分子中に二重結合と三重結合とを有する化合物は、反応遅延剤C”に含まれるものとして定義する。具体的には、3-メチル-3-ペンテン-1-イン、3,5-ジメチル-3-ヘキセン-1-インなどのエンイン化合物は、本実施形態においては反応遅延剤C”に含まれる。
反応遅延剤C”は、上述した反応遅延剤Cの付加反応の遅延機構と同様に、オルガノポリシロキサンAのビニル基の代わりに、反応遅延剤C”の不飽和結合が、付加反応触媒Dに配位することで付加反応を遅延すると考えられる。しかしながら、反応遅延剤C”を使用した場合には、上述の第3段階において、再度第1段階における付加反応触媒Dへの配位が可能である二重結合を有する化合物が脱離する。反応遅延剤C”のように、1つの不飽和結合で2回の付加反応を生じ得る化合物は重合反応等を生じさせることができるため、反応遅延剤成分として反応遅延剤C”が含まれる場合、不必要な副反応を進行させる要因の一つになると推定される。そのため、反応遅延剤Cは、反応遅延剤C”を含まないことが好ましい。
反応遅延剤C”は、三重結合を有していれば特に限定されない。三重結合の数は、例えば、1以上4以下、1以上3以下、又は1以上2以下であってよい。三重結合としては、特に限定されないが、例えば、アセチレン基、プロピニル基、又はブチニル基のようなアルキニル基三重結合が挙げられる。反応遅延剤C”は、アルキニル基を有する炭化水素化合物であってよく、アルキニル基を有する環状炭化水素化合物であってよい。
反応遅延剤C”が炭化水素化合物である場合、反応遅延剤C”に含まれる炭素原子の数は、例えば、3以上30以下、4以上20以下、5以上17以下、又は6以上15以下であってよい。当該炭化水素化合物は、炭素及び水素以外の原子を含んでいてよく、例えば、酸素原子、窒素原子等のヘテロ原子を含んでいてよい。当該炭化水素化合物は、例えば、ヒドロキシ基、アルコキシ基のようなヘテロ原子を含む置換基を有していてよい。
反応遅延剤C”は、炭素数2~5のアルキニル基を有するシクロアルカンであってよく、炭素数2~4のアルキニル基(アセチレン基、プロピニル基、又はブチニル基)を有するシクロアルカンであってよい。かかるシクロアルカンは、好ましくは3以上8以下、又は4以上7以下の炭素原子からなる炭化水素環構造を有する。また、かかるシクロアルカンは、ヒドロキシ基、及び/又はアルコキシ基を有していてよく、ヒドロキシ基を有していてよい。
このような反応遅延剤C”としては、特に限定されないが、例えば、1-エチニル-1-シクロヘキサノール、3-メチル-1-ブチン-3-オール、2-メチル-3-ブチン-2-オール、3,5-ジメチル-1-ヘキシン-3-オール、2-フェニル-3-ブチン-2-オール、ビス(1,1-ジメチルプロピニロキシ)ジメチルシラン、メチルトリス(3-メチル-1-ブチン-3-オキシ)シラン等が挙げられる。
本実施形態の二液硬化型組成物セットは、反応遅延剤C”を含まないか、三重結合を有する反応遅延剤C”を含む場合、第一剤及び第二剤に含まれる反応遅延剤C”の不飽和結合数の総量が、第一剤及び第二剤に含まれる反応遅延剤C及び反応遅延剤C”の不飽和結合数の総量に対して、0%超70%以下であることが好ましい。反応遅延剤C”の存在割合を上記範囲に限定することで、反応遅延剤C”に由来する上述の重合反応等の発生を抑制できる。
より具体的には、二液硬化型組成物セットは、好ましくは、1-エチニル-1-シクロヘキサノールを含まず、炭素数2~5のアルキニル基を有するシクロアルカンを含まず、反応遅延剤C”を含まなくてよい。
本実施形態の二液硬化型組成物セットが反応遅延剤C”を含む場合、第一剤及び第二剤に含まれる反応遅延剤C及び反応遅延剤C”の不飽和結合数の総量に対する、第一剤及び第二剤に含まれる反応遅延剤C”の不飽和結合数の総量の割合は、好ましくは70%以下、65%以下、60%以下、50%以下、40%以下、又は30%以下である。当該割合の下限は特に限定されず、当該割合は、0%超、1%以上、5%以上、又は10%以上であってよい。
なお、第一剤及び第二剤に含まれる反応遅延剤C及び反応遅延剤C”の不飽和結合数の総量とは、第一剤及び第二剤のいずれかのみに反応遅延剤C及び/又は反応遅延剤C”が含まれる場合は、当該反応遅延剤C及び/又は反応遅延剤C”の不飽和結合数であり、第一剤が反応遅延剤C1及び/又は反応遅延剤C1”を含み、第二剤が反応遅延剤C2及び/又は反応遅延剤C2”を含む場合は、反応遅延剤C1及び/又は反応遅延剤C1”の不飽和結合数と反応遅延剤C2及び/又は反応遅延剤C2”の不飽和結合数との総和である。不飽和結合数とは、二重結合と三重結合との和である。
また、反応遅延剤C”の不飽和結合数の総量とは、第一剤及び第二剤のいずれかのみに反応遅延剤C”が含まれる場合は、当該反応遅延剤C”の不飽和結合数であり、第一剤が反応遅延剤C1”を含み、第二剤が反応遅延剤C2”を含む場合は、反応遅延剤C1”の不飽和結合数と反応遅延剤C2”の不飽和結合数との総和である。反応遅延剤C”が三重結合に加えて、二重結合を含む場合、反応遅延剤C”の不飽和結合数は、三重結合の数と二重結合との総和である。
同様に、二液硬化型組成物セットが1-エチニル-1-シクロヘキサノール、又は炭素数2~5のアルキニル基を有するシクロアルカンを含む場合、第一剤及び第二剤に含まれる反応遅延剤C及び反応遅延剤C”の不飽和結合数の総量に対する、第一剤及び第二剤に含まれる当該化合物の総量の割合は、好ましくは70%以下、65%以下、60%以下、50%以下、40%以下、又は30%以下である。当該割合の下限は特に限定されず、当該割合は、0%超、1%以上、5%以上、又は10%以上であってよい。
第一剤及び第二剤に含まれる反応遅延剤C及び反応遅延剤C”の不飽和結合数の総量に対する、第一剤及び第二剤に含まれる反応遅延剤Cの不飽和結合数の総量の割合は、好ましくは30%以上、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、75%以上、80以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、又は99%以上である。当該割合の上限は特に限定されず、当該割合は、100%以下、99%以下、95%以下、90%以下、85%以下、80%以下、又は70%以下であってよい。
反応遅延剤Cの不飽和結合数、及び反応遅延剤C”の不飽和結合数等は、NMR測定、IR測定、LC-MS測定等により測定することができる。
1.2.4.付加反応触媒D
付加反応触媒Dは、ビニル変性オルガノポリシロキサンAとヒドロシリル変性オルガノポリシロキサンBとの付加反応を触媒するものであれば特に限定されない。付加反応触媒Dとしては、例えば、白金化合物触媒、ロジウム化合物触媒、パラジウム化合物触媒等が挙げられる。このなかでも、白金化合物触媒が好ましい。このような付加反応触媒Dを用いることにより、第一剤及び第二剤の混合物の硬化物の硬度変化を好適な範囲とすることができ、二液硬化型組成物セットの信頼性をより向上することができる傾向にある。
付加反応触媒Dは、ビニル変性オルガノポリシロキサンAとヒドロシリル変性オルガノポリシロキサンBとの付加反応を触媒するものであれば特に限定されない。付加反応触媒Dとしては、例えば、白金化合物触媒、ロジウム化合物触媒、パラジウム化合物触媒等が挙げられる。このなかでも、白金化合物触媒が好ましい。このような付加反応触媒Dを用いることにより、第一剤及び第二剤の混合物の硬化物の硬度変化を好適な範囲とすることができ、二液硬化型組成物セットの信頼性をより向上することができる傾向にある。
白金化合物触媒としては、特に制限されないが、例えば、単体の白金、白金化合物、白金担持無機粉末が挙げられる。白金化合物としては、特に制限されないが、例えば、塩化白金酸、白金-オレフィン錯体、白金-アルコール錯体、白金配位化合物等が挙げられる。また、白金担持無機粉末としては、特に制限されないが、例えば、白金担持のアルミナ粉末、白金担持のシリカ粉末、白金担持のカーボン粉末が挙げられる。
付加反応触媒Dは、一種単独で用いても、二種以上を併用してもよい。また、付加反応触媒Dは、第一剤及び第二剤を調製する際に、単独で配合してもよいし、他の成分、例えばビニル変性オルガノポリシロキサンAやそれ以外のオルガノポリシロキサンと予め混合した状態で配合してもよい。
1.2.5.熱伝導性フィラーE
熱伝導性フィラーEは、熱伝導性を有するフィラーである。熱伝導性フィラーEの熱伝導率は、特に限定されないが、例えば、10W/m・K以上である。このような熱伝導性フィラーEとしては、特に制限されないが、例えば、酸化アルミニウム(以下、「アルミナ」ともいう。)、窒化アルミニウム、シリカ(特に結晶性シリカ)、窒化ホウ素、窒化ケイ素、酸化ケイ素、酸化亜鉛、水酸化アルミニウム、金属アルミニウム、酸化マグネシウム、ダイヤモンド、カーボン、インジウム、ガリウム、銅、銀、鉄、ニッケル、金、錫、金属ケイ素等が挙げられる。
熱伝導性フィラーEは、熱伝導性を有するフィラーである。熱伝導性フィラーEの熱伝導率は、特に限定されないが、例えば、10W/m・K以上である。このような熱伝導性フィラーEとしては、特に制限されないが、例えば、酸化アルミニウム(以下、「アルミナ」ともいう。)、窒化アルミニウム、シリカ(特に結晶性シリカ)、窒化ホウ素、窒化ケイ素、酸化ケイ素、酸化亜鉛、水酸化アルミニウム、金属アルミニウム、酸化マグネシウム、ダイヤモンド、カーボン、インジウム、ガリウム、銅、銀、鉄、ニッケル、金、錫、金属ケイ素等が挙げられる。
熱伝導性フィラーEは、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、窒化ケイ素、酸化ケイ素、酸化マグネシウム、金属アルミニウム、及び酸化亜鉛からなる群より選ばれる一種以上を含むことが好ましく、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、窒化アルミニウム、及び金属アルミニウムからなる群より選ばれる一種以上を含むことがより好ましく、酸化アルミニウムを含むことが更に好ましい。上記熱伝導性フィラーは、熱伝導性が高く、絶縁性が高く、かつ安価であるためである。熱伝導性フィラーEは、一種単独で用いても、二種以上を併用してもよい。
熱伝導性フィラーEの平均粒径は、好ましくは0.05~120μmであり、より好ましくは0.1~70μmである。熱伝導性フィラーEの平均粒径が上記範囲内であることにより、第一剤及び第二剤の流動性や熱伝導性フィラーEの分散性、充填性がより向上する傾向にある。
また、熱伝導性フィラーEは、平均粒径の異なるフィラーを混合して用いてもよい。熱伝導性フィラーEとして、平均粒径が30~100μmである熱伝導性フィラー(E-1)、平均粒径が1.5~25μmである熱伝導性フィラー(E-2)、及び平均粒径が0.05~1.0μmである熱伝導性フィラー(E-3)の二種以上を組み合わせて用いることが好ましく、少なくとも熱伝導性フィラー(E-1)及び熱伝導性フィラー(E-2)を用いることがより好ましく、熱伝導性フィラー(E-1)、熱伝導性フィラー(E-2)、及び熱伝導性フィラー(E-3)の全てを用いることが更に好ましい。
なお、熱伝導性フィラーの平均粒径は、例えば島津製作所製「レーザー回折式粒度分布測定装置SALD-20」(商品名)を用いて測定することができる。評価サンプルは、例えばガラスビーカーに50mlの純水と測定する熱伝導性フィラー粉末5gとを添加して、スパチュラを用いて撹拌し、その後超音波洗浄機で10分間、分散処理を行うことで調製する。その後分散処理を行った熱伝導性フィラー粉末の溶液を、スポイトを用いて、装置のサンプラ部に一滴ずつ添加して、吸光度が安定したところで測定を行えばよい。レーザー回折式粒度分布測定装置では、センサで検出した粒子による回折/散乱孔の光強度分布のデータから粒度分布を計算する。平均粒径は、測定される粒子径の値に相対粒子量(差分%)を乗じ、相対粒子量の合計(100%)で割って求められる。なお、平均粒径は粒子の平均直径であり、累積重量平均値D50(メジアン径)として求めることができる。なお、D50は、出現率が最も大きい粒子径になる。
この場合、熱伝導性フィラー(E-1)の含有量は、熱伝導性フィラーEの総量に対して、好ましくは30~70重量%又は40~60重量%である。
熱伝導性フィラー(E-2)の含有量は、熱伝導性フィラーEの総量に対して、好ましくは10~50重量%又は20~40重量%である。
熱伝導性フィラー(E-3)の含有量は、熱伝導性フィラーEの総量に対して、好ましくは5~30重量%又は10~20重量%である。
上記のような熱伝導性フィラーEを用いることにより、第一剤及び第二剤の流動性や熱伝導性フィラーEの分散性、充填性がより向上する傾向にある。
熱伝導性フィラー(E-2)の含有量は、熱伝導性フィラーEの総量に対して、好ましくは10~50重量%又は20~40重量%である。
熱伝導性フィラー(E-3)の含有量は、熱伝導性フィラーEの総量に対して、好ましくは5~30重量%又は10~20重量%である。
上記のような熱伝導性フィラーEを用いることにより、第一剤及び第二剤の流動性や熱伝導性フィラーEの分散性、充填性がより向上する傾向にある。
1.2.6.その他の成分
第一剤及び第二剤は、上記成分に加え、必要に応じて、界面活性剤、着色剤、シランカップリング剤、粘度調整剤等の添加剤をそれぞれ含有してもよい。
第一剤及び第二剤は、上記成分に加え、必要に応じて、界面活性剤、着色剤、シランカップリング剤、粘度調整剤等の添加剤をそれぞれ含有してもよい。
界面活性剤は、熱伝導性フィラーEのビニル変性オルガノポリシロキサンA及び/又はヒドロシリル変性オルガノポリシロキサンBに対する濡れ性を向上させる成分であってよい。熱伝導性フィラーの濡れ性を一層高める観点から、界面活性剤は、好ましくはアニオン性基、カチオン性基、及びシロキサン骨格を有する基の少なくとも2種を有する共重合体である。
アニオン性基としては、特に制限されないが、例えば、カルボキシ基、リン酸基、フェノール性ヒドロキシ基、スルホン酸基が挙げられる。アニオン性基は、この中でも、カルボキシ基、リン酸基、及びフェノール性ヒドロキシ基からなる群より選ばれる一種以上であることが好ましく、カルボキシ基であることが好ましい。
カチオン性基としては、特に制限されないが、例えば、第一級アミノ基、第二級アミノ基、第三級アミノ基、及び第四級アンモニウムカチオン基が挙げられる。アニオン性基は、この中でも、第三級アミノ基であることが好ましい。
シロキサン骨格を有する基としては、特に制限されないが、例えば、オルガノポリシロキサン骨格からなる基が挙げられる。シロキサン骨格を有する基は、この中でも、ポリジメチルシロキサン骨格からなる基であることが好ましい。
界面活性剤の重量平均分子量は、例えば20000~150000、30000~120000、又は40000~100000である。界面活性剤の重量平均分子量が上記の範囲内にあることにより、熱伝導性フィラーEの分散性がより向上し、また第一剤及び第二剤の粘度がより低下する傾向にある。重量平均分子量は、GPC(ゲルパーミネーションクロマトグラフィ)により求めることができる。
界面活性剤は、例えば、カルボキシ基を有する(メタ)アクリル系単量体単位αと、第三級アミノ基を有する(メタ)アクリル系単量体単位βと、シロキサン骨格を有する(メタ)アクリル系単量体単位γとを有する共重合体である。このような共重合体を用いると、熱伝導性フィラーEの分散性をより高めることができるうえ、第一剤及び第二剤の粘度をより低くすることができる傾向にある。なお、「単量体」とは、重合前の重合性不飽和結合を有するモノマーをいい、「単量体単位」とは、重合後に共重合体の一部を構成する繰り返し単位であって、所定の単量体に由来する単位をいう。また、(メタ)アクリルには、アクリル及びメタクリルが含まれ、(メタ)アクリル系単量体には、(メタ)アクリレート及び(メタ)アクリルアミドが含まれる。
シランカップリング剤としては、例えば、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン等のエポキシ系シランカップリング剤、3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-メタクリロキシトリメトキシシラン等の(メタ)アクリル酸変性シランカップリング剤、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン等のアミノ系シランカップリング剤等が挙げられる。
粘度調整剤としては、例えば、ビニル変性オルガノポリシロキサンA及びヒドロシリル変性オルガノポリシロキサンB以外のポリシロキサン、合成ゴムラテックス、ウレタン樹脂、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルアルコール、酸化ポリエチレン、ジベンジリデンソルビトール等が挙げられる。
1.3.第一剤及び第二剤の組成
第一剤及び第二剤の組成について、第一剤がビニル変性オルガノポリシロキサンA1を含み、第二剤がヒドロシリル変性オルガノポリシロキサンB2を含み、ビニル変性オルガノポリシロキサンA、ヒドロシリル変性オルガノポリシロキサンB、及び付加反応触媒Dの全てが一つの剤に含まれない限りは、第一剤及び第二剤の組成は任意に調整することができる。
第一剤及び第二剤の組成について、第一剤がビニル変性オルガノポリシロキサンA1を含み、第二剤がヒドロシリル変性オルガノポリシロキサンB2を含み、ビニル変性オルガノポリシロキサンA、ヒドロシリル変性オルガノポリシロキサンB、及び付加反応触媒Dの全てが一つの剤に含まれない限りは、第一剤及び第二剤の組成は任意に調整することができる。
本明細書中、第一剤に含まれるビニル変性オルガノポリシロキサンをビニル変性オルガノポリシロキサンA1といい、第二剤に含まれるビニル変性オルガノポリシロキサンをビニル変性オルガノポリシロキサンA2といい、それらを総称してビニル変性オルガノポリシロキサンAという。また、ビニル変性オルガノポリシロキサンが第一剤に含まれるか、第二剤に含まれるかについて特に区別しない場合もビニル変性オルガノポリシロキサンAという。したがって、単に「ビニル変性オルガノポリシロキサンA」というときは、第一剤に含まれるビニル変性オルガノポリシロキサンA1と、第二剤に含まれるビニル変性オルガノポリシロキサンA2の両方について特に区別せず説明することを意味する。
その他、ヒドロシリル変性オルガノポリシロキサンB、反応遅延剤C、付加反応触媒D、及び熱伝導性フィラーEについても、同様に、第一剤又は第二剤に含まれることを明示する場合にそれぞれ「1」又は「2」を記載し、それらを総称する場合、又はそれらの成分が第一剤に含まれるか、第二剤に含まれるかについて区別しない場合は、「1」及び「2」を記載しないものとする。
例えば、第一剤は、ビニル変性オルガノポリシロキサンA1、ヒドロシリル変性オルガノポリシロキサンB1、及び付加反応触媒D1の全てが一つの剤に含まれないことを条件に、その他の成分をさらに含んでいてもよい。具体的には、第一剤は、上記条件のもと、ヒドロシリル変性オルガノポリシロキサンB1、反応遅延剤C1、及び付加反応触媒D1の少なくともいずれかを含んでもよい。
同様に、第二剤は、ビニル変性オルガノポリシロキサンA2、ヒドロシリル変性オルガノポリシロキサンB2、及び付加反応触媒D2の全てが一つの剤に含まれないことを条件に、その他の成分をさらに含んでいてもよい。具体的には、第二剤は、上記条件のもと、ビニル変性オルガノポリシロキサンA2、反応遅延剤C2、及び付加反応触媒D2の少なくともいずれかを含んでもよい。
第一剤及び第二剤は、それぞれビニル変性オルガノポリシロキサンA及びヒドロシリル変性オルガノポリシロキサンBを含むが、第一剤及び第二剤は、ビニル変性オルガノポリシロキサンA及びヒドロシリル変性オルガノポリシロキサンBの両方を含んでいてもよい。すなわち、第一剤は、ビニル変性オルガノポリシロキサンA1及びヒドロシリル変性オルガノポリシロキサンB1を含んでいてよく、第二剤は、ビニル変性オルガノポリシロキサンA2及びヒドロシリル変性オルガノポリシロキサンB2を含んでいてよい。
また、反応遅延剤C及び付加反応触媒Dは、少なくとも、第一剤及び第二剤のいずれかに含まれる必要がある。そのため、第一剤が反応遅延剤C1及び付加反応触媒D1の少なくとも一方を含まない場合には、第二剤は、反応遅延剤C及び付加反応触媒Dのうち第一剤に含まれないいずれかの成分を含む。より具体的には、第一剤が反応遅延剤C1を含まない場合、第二剤は反応遅延剤C2を含む。第一剤が付加反応触媒D1を含まない場合、第二剤は付加反応触媒D2を含む。同様に、第二剤が反応遅延剤C及び付加反応触媒Dの少なくとも一方を含まない場合には、第一剤は、反応遅延剤C及び付加反応触媒Dのうち第二剤に含まれない成分を含む。
反応遅延剤C及び付加反応触媒Dは、第一剤及び第二剤のいずれかに含まれていればよいが、1つの剤に、ヒドロシリル変性オルガノポリシロキサンB、反応遅延剤C、及び付加反応触媒Dの全てが含まれていないことが好ましい。この場合、反応遅延剤Cの副反応が生じることを確実に抑制でき、二液硬化型組成物セットの信頼性をより高めることができる。
また、反応遅延剤C及び付加反応触媒Dは、第一剤及び/又は第二剤において、共存した状態で含まれてもよい。これにより、第一剤と第二剤とを混合する前の状態において、反応遅延剤Cの不飽和結合が付加反応触媒Dに配位した状態とすることができる。そのため、混合時に反応遅延剤Cの不飽和結合が付加反応触媒Dに配位した状態となる場合と比較して、反応遅延剤Cの効果をより効率的に発揮させることができる。
ビニル変性オルガノポリシロキサンA及びヒドロシリル変性オルガノポリシロキサンBは、反応遅延剤C及び付加反応触媒Dの存在下、付加反応を生じる。そのため、第一剤及び第二剤に含まれるビニル変性オルガノポリシロキサンAのビニル基数と、第一剤及び第二剤に含まれるヒドロシリル変性オルガノポリシロキサンBのヒドロシリル基数と、第一剤及び第二剤に含まれる反応遅延剤Cの種類及び含有量と、第一剤及び第二剤に含まれる付加反応触媒Dの種類及び含有量とを適宜調整することにより、第一剤及び第二剤の混合物の硬化物の硬度変化を制御することができる。
例えば、第一剤及び第二剤の混合物の硬化物の硬度変化をより好適な範囲とする観点から、第一剤及び第二剤に含まれる、ヒドロシリル変性オルガノポリシロキサンBの総重量を100重量部とした際の反応遅延剤Cの総重量は、好ましくは、0.01~10重量部、又は0.10~8.0重量部である。
同様の観点から、第一剤及び第二剤に含まれる、ビニル変性オルガノポリシロキサンAの総重量を100重量部とした際のヒドロシリル変性オルガノポリシロキサンBの総重量は、好ましくは、50~200重量部、又は70~150重量部である。
同様の観点から、第一剤及び第二剤に含まれる、ヒドロシリル変性オルガノポリシロキサンBの総重量を100重量部とした際の付加反応触媒Dの総重量は、好ましくは0.1~30重量部であり、より好ましくは0.5~20重量部であり、更に好ましくは1.0~10重量部である。
また、熱伝導性をより向上させ、引張強度等の機械特性をより向上させる観点から、第一剤及び第二剤に含まれる、ビニル変性オルガノポリシロキサンA及びヒドロシリル変性オルガノポリシロキサンBの総重量を100重量部とした際の熱伝導性フィラーEの総重量は、好ましくは、400~3000重量部、600~2800重量部、又は700~2600重量部である。
なお、第一剤及び第二剤に含まれるビニル変性オルガノポリシロキサンAの総重量とは、第二剤がビニル変性オルガノポリシロキサンA2を含まない場合は、第一剤に含まれるビニル変性オルガノポリシロキサンA1の重量であり、第二剤がビニル変性オルガノポリシロキサンA2を含む場合は、第一剤に含まれるビニル変性オルガノポリシロキサンA1の重量と第二剤に含まれるビニル変性オルガノポリシロキサンA2の重量との和である。
第一剤及び第二剤に含まれるヒドロシリル変性オルガノポリシロキサンBの総重量とは、第一剤がヒドロシリル変性オルガノポリシロキサンB1を含まない場合は、第二剤に含まれるヒドロシリル変性オルガノポリシロキサンB2の重量であり、第一剤がヒドロシリル変性オルガノポリシロキサンB1を含む場合は、第一剤に含まれるヒドロシリル変性オルガノポリシロキサンB1の重量と第二剤に含まれるヒドロシリル変性オルガノポリシロキサンB2の重量との和である。
第一剤及び第二剤に含まれる反応遅延剤Cの総重量とは、第一剤及び第二剤のいずれかのみに反応遅延剤Cが含まれる場合は、当該反応遅延剤Cの重量であり、第一剤が反応遅延剤C1を含み、第二剤が反応遅延剤C2を含む場合は、反応遅延剤C1の重量と反応遅延剤C2の重量の和である。
第一剤及び第二剤に含まれる付加反応触媒Dの総重量とは、第一剤及び第二剤のいずれかのみに付加反応触媒Dが含まれる場合は、当該付加反応触媒Dの重量であり、第一剤が付加反応触媒D1を含み、第二剤が付加反応触媒D2を含む場合は、付加反応触媒D1の重量と付加反応触媒D2の重量の和である。
第一剤及び第二剤に含まれる熱伝導性フィラーEの総重量とは、第一剤及び第二剤のいずれかのみに熱伝導性フィラーEが含まれる場合は、当該熱伝導性フィラーEの重量であり、第一剤が熱伝導性フィラーE1を含み、第二剤が熱伝導性フィラーE2を含む場合は、熱伝導性フィラーE1の重量と熱伝導性フィラーE2の重量の和である。
各成分の含有量が上記範囲内にあることにより、第一剤及び第二剤の混合物の硬化物の硬度変化を好適な範囲とすることができ、二液硬化型組成物セットの信頼性をより向上することができる傾向にある。また、混合物及び硬化物の熱伝導性をより高めることができると共に、クラックがより生じにくい硬化物とすることができる。
1.3.1.ビニル変性オルガノポリシロキサンA
オルガノポリシロキサンA1の含有量は、第一剤の熱伝導性フィラーE1以外の成分の合計に対して、好ましくは60~99.5重量%、又は70~99.0重量%である。オルガノポリシロキサンA1の含有量は、第一剤の熱伝導性フィラーE1以外の成分の合計に対して、75重量%以上、80重量%以上、又は85重量%以上であってよい。ビニル変性オルガノポリシロキサンA1の含有量が上記の範囲内にあることにより、第一剤及び第二剤の混合物の硬化物の硬度変化、及び硬化物の引張強度等の機械特性をより好適な範囲とすることができる傾向にある。
オルガノポリシロキサンA1の含有量は、第一剤の熱伝導性フィラーE1以外の成分の合計に対して、好ましくは60~99.5重量%、又は70~99.0重量%である。オルガノポリシロキサンA1の含有量は、第一剤の熱伝導性フィラーE1以外の成分の合計に対して、75重量%以上、80重量%以上、又は85重量%以上であってよい。ビニル変性オルガノポリシロキサンA1の含有量が上記の範囲内にあることにより、第一剤及び第二剤の混合物の硬化物の硬度変化、及び硬化物の引張強度等の機械特性をより好適な範囲とすることができる傾向にある。
第一剤がヒドロシリル変性オルガノポリシロキサンB1を含む場合、第一剤のビニル変性オルガノポリシロキサンA1の含有量は、ビニル変性オルガノポリシロキサンA1及びヒドロシリル変性オルガノポリシロキサンB1の合計100重量部に対して、40重量部以上、50重量部以上、60重量部以上、70重量部以上、80重量部以上、85重量部以上、又は90重量部以上であってよく、99重量部以下、98重量部以下、95重量部以下、90重量部以下、80重量部以下、70重量部以下、60重量部以下、又は50重量部以下であってよい。
第二剤は、ビニル変性オルガノポリシロキサンA2を含んでいてもよい。第一剤に含まれるビニル変性オルガノポリシロキサンA1と第二剤に含まれるビニル変性オルガノポリシロキサンA2とは同一であってもよく、異なっていてもよい。
第二剤において、ビニル変性オルガノポリシロキサンA2の含有量は、ビニル変性オルガノポリシロキサンA2及びヒドロシリル変性オルガノポリシロキサンB2の合計100重量部に対して、0重量部以上、5重量部以上、10重量部以上、20重量部以上、30重量部以上、40重量部以上、50重量部以上、又は60重量部以上であってよく、98重量部以下、95重量部以下、90重量部以下、80重量部以下、70重量部以下、60重量部以下、50重量部以下、40重量部以下、30重量部以下、又は20重量部以下であってよい。
1.3.2.ヒドロシリル変性オルガノポリシロキサンB
オルガノポリシロキサンB2の含有量の合計は、第二剤の熱伝導性フィラーE2以外の成分の合計に対して、好ましくは60~99.5重量%、又は70~99.0重量%である。オルガノポリシロキサンB2の含有量は、第二剤の熱伝導性フィラーE2以外の成分の合計に対して、75重量%以上、80重量%以上、又は85重量%以上であってよい。ヒドロシリル変性オルガノポリシロキサンB2が上記の範囲内にあることにより、第一剤及び第二剤の混合物の硬化物の硬度変化、及び硬化物の引張強度等の機械特性をより好適な範囲とすることができる傾向にある。
オルガノポリシロキサンB2の含有量の合計は、第二剤の熱伝導性フィラーE2以外の成分の合計に対して、好ましくは60~99.5重量%、又は70~99.0重量%である。オルガノポリシロキサンB2の含有量は、第二剤の熱伝導性フィラーE2以外の成分の合計に対して、75重量%以上、80重量%以上、又は85重量%以上であってよい。ヒドロシリル変性オルガノポリシロキサンB2が上記の範囲内にあることにより、第一剤及び第二剤の混合物の硬化物の硬度変化、及び硬化物の引張強度等の機械特性をより好適な範囲とすることができる傾向にある。
第二剤がビニル変性オルガノポリシロキサンA2を含む場合、第二剤のヒドロシリル変性オルガノポリシロキサンB2の含有量は、ビニル変性オルガノポリシロキサンA2及びヒドロシリル変性オルガノポリシロキサンB2の合計100重量部に対して、40重量部以上、50重量部以上、60重量部以上、70重量部以上、80重量部以上、85重量部以上、又は90重量部以上であってよく、99重量部以下、98重量部以下、95重量部以下、90重量部以下、80重量部以下、70重量部以下、60重量部以下、又は50重量部以下であってよい。
第一剤は、ヒドロシリル変性オルガノポリシロキサンB1を含んでいてもよい。第一剤に含まれるヒドロシリル変性オルガノポリシロキサンB1と第二剤に含まれるヒドロシリル変性オルガノポリシロキサンB2とは同一であってもよく、異なっていてもよい。
第一剤において、ヒドロシリル変性オルガノポリシロキサンB1の含有量は、ビニル変性オルガノポリシロキサンA1及びヒドロシリル変性オルガノポリシロキサンB1の合計100重量部に対して、0重量部以上、5重量部以上、10重量部以上、20重量部以上、30重量部以上、又は40重量部以上であってよく、90重量部以下、80重量部以下、70重量部以下、60重量部以下、50重量部以下、40重量部以下、30重量部以下、20重量部以下、10重量部以下、5重量部以下、又は1重量部以下であってよい。
1.3.3.反応遅延剤C
第一剤に含まれ得る反応遅延剤C1と第二剤に含まれ得る反応遅延剤C2とは同一であってもよく、異なっていてもよい。
第一剤に含まれ得る反応遅延剤C1と第二剤に含まれ得る反応遅延剤C2とは同一であってもよく、異なっていてもよい。
反応遅延剤C1の含有量は、ビニル変性オルガノポリシロキサンA1の含有量100重量部に対して、好ましくは0~30重量部、0.03~20重量部、0.05~15重量部、又は0.10~10重量部である。
反応遅延剤C2の含有量は、ヒドロシリル変性オルガノポリシロキサンB2の含有量100重量部に対して、好ましくは0~30重量部、0.03~20重量部、0.05~15重量部、又は0.10~10重量部である。
反応遅延剤C1及びC2の含有量は、第一剤及び第二剤に含まれる、ヒドロシリル変性オルガノポリシロキサンBの総重量を100重量部とした際の反応遅延剤Cの総重量が上記した範囲となるように調整されることが好ましい。
反応遅延剤C1及びC2の含有量が上記範囲内にあることにより、第一剤及び第二剤の混合物の硬化物の硬度変化を好適な範囲とすることができ、二液硬化型組成物セットの信頼性をより向上することができる傾向にある。
1.3.4.付加反応触媒D
第一剤に含まれ得る付加反応触媒D1と第二剤に含まれ得る付加反応触媒D2とは同一であってもよく、異なっていてもよい。
第一剤に含まれ得る付加反応触媒D1と第二剤に含まれ得る付加反応触媒D2とは同一であってもよく、異なっていてもよい。
第一剤が付加反応触媒D1を含む場合、付加反応触媒D1の含有量は、ビニル変性オルガノポリシロキサンA1の含有量100重量部に対して、好ましくは0.1~30重量部であり、より好ましくは0.5~20重量部であり、更に好ましくは1~10重量部である。
第二剤が付加反応触媒D2を含む場合、付加反応触媒D2の含有量は、ヒドロシリル変性オルガノポリシロキサンB2の含有量100重量部に対して、好ましくは0.1~30重量部であり、より好ましくは0.5~20重量部であり、更に好ましくは1~10重量部である。
付加反応触媒D1及びD2の含有量は、第一剤及び第二剤に含まれる、ヒドロシリル変性オルガノポリシロキサンBの総重量を100重量部とした際の付加反応触媒Dの総重量が上記した範囲となるように調整されることが好ましい。
付加反応触媒D1及びD2の含有量が上記範囲内にあることにより、第一剤及び第二剤の混合物の硬化物の硬度変化を好適な範囲とすることができ、二液硬化型組成物セットの信頼性をより向上することができる傾向にある。
1.3.5.熱伝導性フィラーE
第一剤に含まれる熱伝導性フィラーE1と第二剤に含まれる熱伝導性フィラーE2とは同一であってもよく、異なっていてもよい。
第一剤に含まれる熱伝導性フィラーE1と第二剤に含まれる熱伝導性フィラーE2とは同一であってもよく、異なっていてもよい。
熱伝導性フィラーE1の含有量は、ビニル変性オルガノポリシロキサンA1の含有量100重量部に対して、好ましくは400~3000重量部であり、より好ましくは600~2800重量部であり、更に好ましくは700~2600重量部である。
熱伝導性フィラーE2の含有量は、ヒドロシリル変性オルガノポリシロキサンB2の合計100重量部に対して、好ましくは400~3000重量部であり、より好ましくは600~2800重量部であり、更に好ましくは700~2600重量部である。
熱伝導性フィラーE1及びE2の含有量が上記範囲内にあることにより、得られる硬化物の熱伝導率がより向上し、かつ第一剤及び第二剤の粘度がより低下する傾向にある。
1.3.6.その他の成分
第一剤に含まれる添加剤と第二剤に含まれる添加剤とは同一であってもよく、異なっていてもよい。
第一剤に含まれる添加剤と第二剤に含まれる添加剤とは同一であってもよく、異なっていてもよい。
第一剤が界面活性剤を含む場合、界面活性剤の含有量は、ビニル変性オルガノポリシロキサンA1の含有量100重量部に対して、例えば0.1~28重量部、0.2~25重量部、0.5~20重量部、又は1.0~15重量部である。界面活性剤の含有量が上記の範囲内にあることにより、熱伝導性フィラーE1の分散性がより向上し、また第一剤の粘度がより低下する傾向にある。
第一剤が着色剤を含む場合、着色剤の含有量は、第一剤の総量100重量部に対して、例えば0.001~0.2重量部である。
第二剤が界面活性剤を含む場合、界面活性剤の含有量は、ヒドロシリル変性オルガノポリシロキサンB2の含有量100重量部に対して、例えば0.1~28重量部、0.2~25重量部、0.5~20重量部、又は1.0~15重量部である。界面活性剤の含有量が上記の範囲内にあることにより、熱伝導性フィラーE2の分散性がより向上し、また第二剤の粘度がより低下する傾向にある。
第二剤が着色剤を含む場合、着色剤の含有量は、第二剤の総量100重量部に対して、例えば0.001~0.2重量部である。
1.4.用途
本実施形態の二液硬化型組成物セットは、熱伝導性グリース等の熱伝導性放熱材料として好適に使用することができる。
本実施形態の二液硬化型組成物セットは、熱伝導性グリース等の熱伝導性放熱材料として好適に使用することができる。
2.硬化物
本実施形態の硬化物は、上述した二液硬化型組成物セットにおける第一剤及び第二剤を混合することにより得られる。より具体的には、硬化物(架橋硬化物)は、当該第一剤及び第二剤を混合して得られる混合物において、ビニル変性オルガノポリシロキサンAのビニル基と、ヒドロシリル変性オルガノポリシロキサンBのヒドロシリル基との付加反応が進行することにより、上記硬化物が得られる。
本実施形態の硬化物は、上述した二液硬化型組成物セットにおける第一剤及び第二剤を混合することにより得られる。より具体的には、硬化物(架橋硬化物)は、当該第一剤及び第二剤を混合して得られる混合物において、ビニル変性オルガノポリシロキサンAのビニル基と、ヒドロシリル変性オルガノポリシロキサンBのヒドロシリル基との付加反応が進行することにより、上記硬化物が得られる。
第一剤及び第二剤を混合した後、硬化前に所望の形に成形することにより、所望の形を有する硬化物を得ることができる。また、本実施形態の硬化物は熱伝導性フィラーを含むため熱伝導性放熱材料として好適に用いることができる。
第一剤及び第二剤の混合には、例えば、ロールミル、ニーダー、バンバリーミキサー、ラインミキサー等の混合機が用いられる。より具体的には、例えば、万能混合撹拌機、ハイブリッドミキサー、トリミックス(井上製作所製)、スタティックミキサーを用いて混練する方法等が挙げられる。成形方法はドクターブレード法が好ましいが、樹脂の粘度によって押出法、プレス法、カレンダーロール法等を用いてもよい。付加反応の進行における反応条件は、特に限定されないが、通常、室温(例えば25℃)~150℃、0.1~24時間で行われる。
第一剤及び第二剤の混合割合は、用いる第一剤及び第二剤の種類、及び使用目的に応じて適宜設定できるが、例えば、体積比で第一剤:第二剤=1.5:1.0~1.0:1.5であってよく、1.0:1.0であってよい。
3.電子機器
本実施形態の電子機器は、電子部品と、硬化物と、ヒートシンクと、を備え、電子部品及びヒートシンクが、硬化物を介して接触しているものである。
本実施形態の電子機器は、電子部品と、硬化物と、ヒートシンクと、を備え、電子部品及びヒートシンクが、硬化物を介して接触しているものである。
ここで、電子部品としては、特に制限されないが、例えば、モーター、電池パック、車載電源システムに搭載される回路基板、パワートランジスタ、マイクロプロセッサ等の発熱する電子部品等が挙げられる。また、ヒートシンクとしては、特に制限されないが、例えば、筐体、特に金属筐体等が挙げられる。
以下、実施例により本発明を更に詳述するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
1.第一剤の調製
以下に示すA1成分及びC1~E1成分を、表1に記載の配合比(重量部)に基づき混合し、第一剤I-1~I~4を作製した。各成分の混合はハイブリッドミキサーARE-310(シンキー株式会社製、商品名)を用いて行った。
以下に示すA1成分及びC1~E1成分を、表1に記載の配合比(重量部)に基づき混合し、第一剤I-1~I~4を作製した。各成分の混合はハイブリッドミキサーARE-310(シンキー株式会社製、商品名)を用いて行った。
〔A1:ビニル変性オルガノポリシロキサン〕
RH-Vi100E(Runhe Chemical Industry社製、商品名)、ビニル変性オルガノポリシロキサン、25℃における粘度:105mPa・s、一分子あたりの平均ビニル基数:2個、直鎖状構造、ビニル基結合位置:両末端、二重結合基当量:0.39mol/kg、重量平均分子量:11000
RH-Vi100E(Runhe Chemical Industry社製、商品名)、ビニル変性オルガノポリシロキサン、25℃における粘度:105mPa・s、一分子あたりの平均ビニル基数:2個、直鎖状構造、ビニル基結合位置:両末端、二重結合基当量:0.39mol/kg、重量平均分子量:11000
〔C1:反応遅延剤〕
C1:2,4,6,8-テトラメチル-2,4,6,8-テトラビニルシクロテトラシロキサン(分子量:344.6、二重結合基当量:11.6mol/kg)
C1”:PA90(エルケム社製、商品名)、1-エチニル-1-シクロヘキサノール(分子量:124.2、三重結合基当量:8.1mol/kg)とポリオルガノシロキサンとフィラーとの混合物(1-エチニル-1-シクロヘキサノールの濃度10質量%、三重結合基当量:0.81mol/kg)
C1:2,4,6,8-テトラメチル-2,4,6,8-テトラビニルシクロテトラシロキサン(分子量:344.6、二重結合基当量:11.6mol/kg)
C1”:PA90(エルケム社製、商品名)、1-エチニル-1-シクロヘキサノール(分子量:124.2、三重結合基当量:8.1mol/kg)とポリオルガノシロキサンとフィラーとの混合物(1-エチニル-1-シクロヘキサノールの濃度10質量%、三重結合基当量:0.81mol/kg)
〔D1:付加反応触媒〕
D1:白金錯体ポリメチルビニルシロキサン溶液(ブルースターシリコーン社製、商品名:シリコリース キャタリスト 12070)
D1:白金錯体ポリメチルビニルシロキサン溶液(ブルースターシリコーン社製、商品名:シリコリース キャタリスト 12070)
〔E1:熱伝導性フィラー〕
E1-1:DAW45S(デンカ社製、商品名)、球状アルミナ、平均粒径:45μm、熱伝導率35W/m・K
E1-2:DAW05(デンカ社製、商品名)、球状アルミナ、平均粒径:5μm、熱伝導率35W/m・K
E1-3:ASFP40(デンカ社製、商品名)、超微粉アルミナ、平均粒径:0.4μm、熱伝導率35W/m・K
E1-1:DAW45S(デンカ社製、商品名)、球状アルミナ、平均粒径:45μm、熱伝導率35W/m・K
E1-2:DAW05(デンカ社製、商品名)、球状アルミナ、平均粒径:5μm、熱伝導率35W/m・K
E1-3:ASFP40(デンカ社製、商品名)、超微粉アルミナ、平均粒径:0.4μm、熱伝導率35W/m・K
2.第二剤の調製
以下に示すA2成分~E2成分を、表2に記載の配合比(重量部)に基づき混合し、第二剤II-1~II~8を作製した。各成分の混合はハイブリッドミキサーARE-310(シンキー株式会社製、商品名)を用いて行った。
以下に示すA2成分~E2成分を、表2に記載の配合比(重量部)に基づき混合し、第二剤II-1~II~8を作製した。各成分の混合はハイブリッドミキサーARE-310(シンキー株式会社製、商品名)を用いて行った。
〔A2:ビニル変性オルガノポリシロキサン〕
RH-Vi100E(Runhe Chemical Industry社製、商品名)、ビニル変性オルガノポリシロキサン、25℃における粘度:105mPa・s、一分子あたりの平均ビニル基数:2個、直鎖状構造、ビニル基結合位置:両末端
RH-Vi100E(Runhe Chemical Industry社製、商品名)、ビニル変性オルガノポリシロキサン、25℃における粘度:105mPa・s、一分子あたりの平均ビニル基数:2個、直鎖状構造、ビニル基結合位置:両末端
〔B2:ヒドロシリル変性オルガノポリシロキサン〕
B2-1:RH-DH04(Runhe Chemical Industry社製、商品名)、ヒドロシリル変性オルガノポリシロキサン、25℃における粘度70mPa・s、一分子あたりの平均ヒドロシリル基数:2個、直鎖状構造、ヒドロシリル基結合位置:両末端
B2-2:RH-H33(Runhe Chemical Industry社製、商品名)、ヒドロシリル変性オルガノポリシロキサン、25℃における粘度:60mPa・s、一分子あたりの平均ヒドロシリル基数:3個以上、直鎖状構造、ヒドロシリル基結合位置:側鎖
B2-1:RH-DH04(Runhe Chemical Industry社製、商品名)、ヒドロシリル変性オルガノポリシロキサン、25℃における粘度70mPa・s、一分子あたりの平均ヒドロシリル基数:2個、直鎖状構造、ヒドロシリル基結合位置:両末端
B2-2:RH-H33(Runhe Chemical Industry社製、商品名)、ヒドロシリル変性オルガノポリシロキサン、25℃における粘度:60mPa・s、一分子あたりの平均ヒドロシリル基数:3個以上、直鎖状構造、ヒドロシリル基結合位置:側鎖
〔C2:反応遅延剤〕
C2:2,4,6,8-テトラメチル-2,4,6,8-テトラビニルシクロテトラシロキサン
C2”:PA90(エルケム社製、商品名)、1-エチニル-1-シクロヘキサノールとポリオルガノシロキサンとフィラーとの混合物
C2:2,4,6,8-テトラメチル-2,4,6,8-テトラビニルシクロテトラシロキサン
C2”:PA90(エルケム社製、商品名)、1-エチニル-1-シクロヘキサノールとポリオルガノシロキサンとフィラーとの混合物
〔D2:付加反応触媒〕
D2:白金錯体ポリメチルビニルシロキサン溶液(ブルースターシリコーン社製、商品名:シリコリース キャタリスト 12070)
D2:白金錯体ポリメチルビニルシロキサン溶液(ブルースターシリコーン社製、商品名:シリコリース キャタリスト 12070)
〔E2:熱伝導性フィラー〕
E2-1:DAW45S(デンカ社製、商品名)、球状アルミナ、平均粒径:45μm、熱伝導率35W/m・K
E2-2:DAW05(デンカ社製、商品名)、球状アルミナ、平均粒径:5μm、熱伝導率35W/m・K
E2-3:ASFP40(デンカ社製、商品名)、超微粉アルミナ、平均粒径:0.4μm、熱伝導率35W/m・K
E2-1:DAW45S(デンカ社製、商品名)、球状アルミナ、平均粒径:45μm、熱伝導率35W/m・K
E2-2:DAW05(デンカ社製、商品名)、球状アルミナ、平均粒径:5μm、熱伝導率35W/m・K
E2-3:ASFP40(デンカ社製、商品名)、超微粉アルミナ、平均粒径:0.4μm、熱伝導率35W/m・K
3.評価
(熱抵抗値の測定)
第一剤及び第二剤を表3に示す組合せにて1:1の体積比で混合して得られた混合物を、幅2cm、奥行き4cmの平滑な銅面を有する測定冶具上に、銅面を十分満たす量を塗布した。その後、同じサイズの銅面を有する冶具で挟み込み、はみ出した混合物(熱伝導性グリース)をかき取って、混合物が幅2cm、奥行き4cm、厚さ1mmとなるよう調整してネジ締めした。これを1日放置した後、冶具の上面にヒーターを差し込み、上面と下面に熱電対を差し込んで熱抵抗値の初期値を測定した。
(熱抵抗値の測定)
第一剤及び第二剤を表3に示す組合せにて1:1の体積比で混合して得られた混合物を、幅2cm、奥行き4cmの平滑な銅面を有する測定冶具上に、銅面を十分満たす量を塗布した。その後、同じサイズの銅面を有する冶具で挟み込み、はみ出した混合物(熱伝導性グリース)をかき取って、混合物が幅2cm、奥行き4cm、厚さ1mmとなるよう調整してネジ締めした。これを1日放置した後、冶具の上面にヒーターを差し込み、上面と下面に熱電対を差し込んで熱抵抗値の初期値を測定した。
硬化物を形成した測定冶具に対して-40℃から150℃の冷熱衝撃試験を実施した後、再度熱抵抗値を測定した。-40℃及び150℃における保持時間は30分とし、-40℃から150℃、150℃から-40℃の昇降温は5分以内とし、1000サイクル実施した。初期値の測定と同様にヒーター及び熱電対を差し込み、冷熱衝撃試験後の熱抵抗値を測定した。結果を表3に示す。なお、いずれのサンプルにおいても、硬化物において、外見的なクラックは確認されなかった。
(アスカーC硬度の測定)
50ml(1:1)カートリッジに、上記にて調製した第一剤及び第二剤を表3に示す組合せで入れて蓋をした。そして、カートリッジをディスペンサーガン(商品名「MixPac DMA50」)に取り付け、カートリッジの吐出口に第一剤及び第二剤を混合するミキサー(長さ9.5cm、羽根12枚)を取り付けて1:1の体積比で混合しながら吐出した。吐出して得られた混合物を厚さ1mmのシート状に成型後、25℃で24時間硬化させて硬化物を得た。この硬化物を打ち抜き刃で2cm角に打ち抜き、12枚重ねた際のアスカーC硬度(アスカーC硬度1)をアスカーC硬度計にて測定した。上記の冷熱衝撃試験を実施した後の硬化物についても、同様にしてアスカーC硬度を測定した。なお、アスカーC硬度は、25℃で高分子計器株式会社製「アスカーゴム硬度計C型」により測定した。
50ml(1:1)カートリッジに、上記にて調製した第一剤及び第二剤を表3に示す組合せで入れて蓋をした。そして、カートリッジをディスペンサーガン(商品名「MixPac DMA50」)に取り付け、カートリッジの吐出口に第一剤及び第二剤を混合するミキサー(長さ9.5cm、羽根12枚)を取り付けて1:1の体積比で混合しながら吐出した。吐出して得られた混合物を厚さ1mmのシート状に成型後、25℃で24時間硬化させて硬化物を得た。この硬化物を打ち抜き刃で2cm角に打ち抜き、12枚重ねた際のアスカーC硬度(アスカーC硬度1)をアスカーC硬度計にて測定した。上記の冷熱衝撃試験を実施した後の硬化物についても、同様にしてアスカーC硬度を測定した。なお、アスカーC硬度は、25℃で高分子計器株式会社製「アスカーゴム硬度計C型」により測定した。
本実施形態の二液硬化型組成物セットは、第一剤及び第二剤を混合して硬化させることで熱伝導性の硬化物、特には、発熱体とヒートシンクとを熱的に結合させるための材料として産業上の利用可能性を有する。
Claims (13)
- ビニル変性オルガノポリシロキサンAを含む第一剤と、
ヒドロシリル変性オルガノポリシロキサンBを含む第二剤と、を備え、
前記第一剤及び前記第二剤の少なくとも一方が、エチレン性二重結合を有する反応遅延剤Cを含み、
前記第一剤及び前記第二剤の少なくとも一方が、付加反応触媒Dを含み、
前記第一剤及び前記第二剤を等体積で混合した硬化物に対して、150℃に30分維持し-40℃に30分維持するサイクルを1000回繰り返した際の、前記サイクル前のアスカーC硬度C0に対する前記サイクル後のアスカーC硬度C1000の比C1000/C0が、2.0未満である、
二液硬化型組成物セット。 - 前記アスカーC硬度C1000が、20~85である、
請求項1に記載の二液硬化型組成物セット。 - 前記アスカーC硬度C0が、20~60である、
請求項1に記載の二液硬化型組成物セット。 - 前記第一剤及び前記第二剤に含まれる、前記ヒドロシリル変性オルガノポリシロキサンBの総重量を100重量部とした際の前記反応遅延剤Cの総重量が、0.01~10重量部である、
請求項1に記載の二液硬化型組成物セット。 - 前記第一剤及び前記第二剤に含まれる、前記ビニル変性オルガノポリシロキサンAの総重量を100重量部とした際の前記ヒドロシリル変性オルガノポリシロキサンBの総重量が、50~200重量部である、
請求項1に記載の二液硬化型組成物セット。 - 前記第一剤及び前記第二剤の少なくとも一方が、アセチレン性三重結合を有する反応遅延剤C”を含む場合、
前記第一剤及び前記第二剤に含まれる前記反応遅延剤C”の不飽和結合数の総量が、前記第一剤及び前記第二剤に含まれる前記反応遅延剤C及び前記反応遅延剤C”の不飽和結合数の総量に対して、0%超70%以下である、
請求項1に記載の二液硬化型組成物セット。 - 前記第一剤及び前記第二剤が、アセチレン性三重結合を有する反応遅延剤C”を含まない、
請求項1に記載の二液硬化型組成物セット。 - 前記第一剤及び/又は前記第二剤が、熱伝導性フィラーEを含む、
請求項1に記載の二液硬化型組成物セット。 - 前記第一剤及び前記第二剤を等体積で混合した硬化物の熱抵抗値が、1.0mm厚で3.0cm2・℃/W以下である、
請求項1に記載の二液硬化型組成物セット。 - 熱伝導性放熱材料として使用される、
請求項1~9のいずれか1項に記載の二液硬化型組成物セット。 - 請求項1~9のいずれか1項に記載の二液硬化型組成物セットにおける、第一剤と第二剤との混合物から得られる、
硬化物。 - 熱伝導性放熱材料として使用される、
請求項11に記載の硬化物。 - 電子部品と、請求項12に記載の硬化物と、ヒートシンクと、を備え、
前記電子部品及び前記ヒートシンクが、前記硬化物を介して接触している、
電子機器。
Priority Applications (1)
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|---|---|---|---|
| JP2024019466A JP2025123789A (ja) | 2024-02-13 | 2024-02-13 | 二液硬化型組成物セット、硬化物及び電子機器 |
Applications Claiming Priority (1)
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| JP2024019466A JP2025123789A (ja) | 2024-02-13 | 2024-02-13 | 二液硬化型組成物セット、硬化物及び電子機器 |
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| JP2024019466A Pending JP2025123789A (ja) | 2024-02-13 | 2024-02-13 | 二液硬化型組成物セット、硬化物及び電子機器 |
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-
2024
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