JP2024529624A - センサパッチの位置決め - Google Patents

Abstract

ベルトを用いてユーザ上に位置決められるように構成されるセンサパッチであって、前記センサパッチは、ユーザの皮膚に接触するように構成される電極を持つ第１の面、及び前記第１の面に対向する第２の面であって、前記電極が位置決められる前記第１の面の部分と対向して配される湾曲した突出部を持つ第２の面を有する。ユーザの皮膚に対するセンサパッチの動きを最小限に抑えるために、本発明は、本発明は、ユーザの皮膚に垂直なベルトの押圧力を維持しつつ、皮膚に対して横方向の平面におけるベルトの動きからセンサパッチを切り離すことを目的とする。センサパッチ及びベルトを有するシステムも提供される。

Description

本発明は、センサパッチに関し、より具体的には、ユーザ上のセンサパッチの位置決めに関する。

US20140062508A1号明細書は、関心対象からの電気信号を受信するための乾燥電極構成要素、及びこの電気信号を処理するための信号処理構成要素を含む電界センサ装置、並びに前記信号処理構成要素が取り囲まれる又は埋め込まれるケーシングを含む、非抵抗接触センサ組立体を開示する。

WO2017108215A1は、少なくとも１つの生理学的センサ及びデジタルプロセッサを有する健康モニタパッチを開示している。このパッチは、被験者の皮膚に接着されるように構成される。

US20110279963A1は、動物への長期接着のための電子装置を開示している。この装置は、電子構成要素を備えるハウジングを含む。

電極を持つウェアラブル装置を使用して、ユーザのバイタルサインを決定することができる。それらの使用の１つは、例えば、胎児及び母親の心拍、並びに妊娠女性の子宮活動をモニタリングすることのような、妊娠モニタリングを含む。そのような装置には、皮膚との接触及び信号伝達を強化するために、電極とユーザの皮膚との間にゲルを配置すること必要とする湿式電極を通例は使用する。湿式電極は、多くの場合、接着機能が前記ゲルと組み合わされた接着剤を用いて皮膚に取り付けられる。

湿式電極を取り付ける前に、ユーザの皮膚の準備が必要である。これは、良好な接触を保証し、動き及び静電アーチファクトを最小限に抑えるために、サンドペーパーを使った皮膚剥削を必要とする。ゲルを必要とするので、湿式電極は、１回限りの使用であり、これら湿式電極は、測定後に廃棄される。

比較的最近、乾式電極を使用するウェアラブル装置が取り入れられている。乾燥電極は、再使用することができ、洗浄することができ、より長い寿命を持ち、原則として皮膚の準備を必要としない。しかしながら、湿式電極の場合も同様に、測定は、動きアーチファクトに敏感である。

再使用可能な電極の別の種類は、半乾燥電極である。この電極は、電極構造体の内部にあるリザーバ内に貯蔵される少量の電解質溶液のみを必要とし、このリザーバ内に残された電解質溶液に応じて、限られた回数だけ再使用することができる。それらのセットアップは、乾式電極のセットアップと同様に、迅速で便利である。

現在、ユーザ上に再使用可能な電極を位置決めることにかなりの注目が集まっている。解決される必要がある１つの大きな課題は、ユーザの皮膚に対する電極の変位によって引き起こされる動きアーチファクトの低減である。

とりわけ、本発明の目的は、ユーザの皮膚に対するセンサパッチの動きを最小限に抑えることを可能にして、従って、動きアーチファクトの低減に至る特徴を有するセンサパッチを提供することである。

本発明は、独立請求項によって定義される。有利な実施形態は、従属請求項に定義される。

本発明の第１の態様は、ベルトによってユーザ上に位置決められるように構成されるセンサパッチを提供し、このセンサパッチは、
ユーザの皮膚と接触するように構成される電極を持つ第１の面、及び
この第１の面に対向する第２の面であり、電極が位置決められる第１の面の部分とは反対側に配される湾曲した突出部を持つ、第２の面
を有する。

このセンサパッチの利点は、主に電極が位置決められた部分において、ベルトがセンサパッチに垂直力を作用させることによって、電極とユーザの皮膚との接触を確実にすること、及び電極とユーザの皮膚との間の摩擦が最適化されることである。このセンサパッチの別の利点は、湾曲した突出部が、この湾曲した突出部、故にセンサパッチ上をベルトが摺動することを可能にする一方、前記垂直力によって生じる摩擦力が、皮膚に対するセンサパッチの最小限の以上の動きをさせることなく、電極が所定の位置に留まることを確実にすることである。センサパッチが第１の面に複数の電極を持つ場合、好ましくは、第２の面は、各々の電極の反対側に突出部を持つ。

センサパッチは、例えば、心臓の電気的活動、脳の電気的活動又は妊娠モニタリング、例えば、胎児心拍数、母体心拍数、母体子宮収縮、母体呼吸数のようなユーザの生理学的パラメタをモニタリングするために使用される。

電極は、任意の電極、好ましくは再利用可能な電極、例えば乾式（ドライ）電極又は半乾式（セミドライ）電極でもよい。乾式又は半乾式電極を使用することは、例えば、再利用可能性、皮膚消毒の必要性がない及びより長い寿命のような湿式電極の使用を上回る利点を提供する。乾式電極のさらなる利点は、半乾式電極と比較して再利用可能性が高く、洗浄可能なことである。

通常、湿式を使用しているが、他の種類の電極（例えば、半乾式、乾式）を使用するセンサパッチも、接着剤を用いて皮膚に取り付けられる。本発明によれば、センサパッチは、ベルトを用いてユーザに位置決められるように構成される。その１つの利点は、センサパッチが洗浄可能であることである。対照的に、たとえ接着剤がフィルムによって保護されても、水又は他の洗浄剤が接着剤に損傷を与えるので、接着剤を使用するセンサパッチが洗浄可能とすることは非常に困難である。また、ベルトを用いてユーザ上に位置決められるように構成されるセンサパッチは、より強固である、及び接着剤は、フィルムによって保護されても、例えば、環境条件、経年劣化等によって損傷するので、接着剤を用いてユーザ上に位置決められるように構成されるパッチよりも長い寿命を持つ。さらに、ベルトを使用する解決法は、再利用可能性を可能にし、動作中であっても、パッチを皮膚上に再位置決める及び摺動させる自由があり、それを行う回数に制限はない。接着剤を使用して位置決められるように設計されるセンサパッチに対するそのような再位置決め又は摺動は、不可能である又は限られる。

ユーザ上のセンサパッチの位置は、関心のある測定値に依存してもよく、例えば、妊娠モニタリングのために、好ましくは、センサパッチはユーザの腹部上に配されるべきである。センサパッチをユーザ上に位置決めるために、センサパッチを完全に又は部分的に覆うベルトが、ユーザの身体又は身体部分の周りに固定される、例えば、ベルトは、センサパッチが腹部に配されるとき、ユーザの腰部の周りに固定され、又はセンサパッチが胸部に配されるとき、ユーザの胴部の周りに固定される。

ユーザの皮膚に対するセンサパッチの動きを減らすために、本発明は、ユーザの皮膚に垂直なベルトの押圧力を維持しつつ、ユーザの皮膚に対して横方向の平面におけるベルトの動きからセンサパッチを切り離すことを目的とする。このようなベルトの動きは、ユーザが動いているとき、又は姿勢を変えているときに引き起こされる可能性がある。この目的を達成するために、センサパッチは、以下に詳述する特徴を持つことができる。

そのような特徴は、センサパッチがベルトから分離されるように設計されることであり、故に、ユーザの生理学的パラメタを測定するために使用される電極は、例えば、フック、ボタン又は他の任意の固定システムを用いて、ベルトに組み込まれたり又は固定されたりすることはない。

センサパッチの第１の面は、ユーザの皮膚に接触するように構成され、１つ以上の電極を有する。センサパッチの第２の面における湾曲した突出部は、ベルトとの接触領域であるという目的を果たす。この湾曲した突出部を介して、ベルトはセンサパッチをユーザの皮膚に押し付け、電極と皮膚との接触を確実にする。さらに、この突出部の表面が湾曲しているので、ベルトは、センサパッチをユーザの皮膚に押し付けつつ、センサパッチ上を摺動することができる。従って、ユーザが動いているとき、ベルトは、センサパッチ上を摺動することができる一方、センサパッチ、故に電極は、接触したままであり、ユーザの皮膚に対して動くことがない。結果として、動きアーチファクトが低減する。

センサパッチがベルトから分離されていることのさらなる利点は、センサパッチが、例えば、濡れた布で又はアルコールで容易にきれいにされることである。

センサパッチは、第２の面に複数の湾曲した突出部を有してもよい。その効果は、複数の湾曲した突出部がベルトとの複数の接触領域として機能し、センサパッチとユーザの皮膚との接触をさらに改善することである。

センサパッチは、第１の面に複数の電極を持ち、第２の面は、これら電極とは反対側に夫々配される対応する複数の湾曲した突出部を持つことができる。その効果は、ベルトがセンサパッチ上を摺動し、湾曲した突出部を介して電極をユーザの皮膚に押し付けることができることである。結果として、ユーザの皮膚に対する電極の接触が改善される一方、ユーザの皮膚に対する電極の動きが低減される。

センサパッチは、第１の面に第１の摩擦要素を有してもよい。この第１の摩擦要素の利点は、センサパッチとユーザの皮膚との間に付加的な摩擦を生じさせることである。

センサパッチは、第１の面上に電極の隣に配される第１の摩擦要素を有してもよい。この第１の摩擦要素の利点は、センサパッチと、電極と接触している皮膚の領域との間に付加的な摩擦を生じさせることであり、これが皮膚に対する電極の動きを妨げる。

センサパッチは、１つ以上の側方延長部を有してもよい。側方延長部が皮膚と接触したままであることを確実にするために、この側方延長部の第２の面は、湾曲した突出部を持ち、側方延長部を皮膚に向かって押す。

側方延長部は、第１の面に第２の摩擦要素を有してもよく、この第２の摩擦要素は、側方延長部と皮膚との間に付加的な摩擦を生じさせる。この第２の摩擦要素からの付加的な摩擦は、ベルトが側方延長部の湾曲した突出部の上を摺動するとき、側方延長部の動き、ねじれ又は丸まりを妨げる。センサパッチ又はセンサパッチの一部、例えば側方延長部の一部が可撓性材料で作られる場合、側方延長部のねじれ又は丸まりが関連を持つ。

第１及び第２の摩擦要素は、皮膚に対するセンサパッチの摺動又は動きを防止する滑り止め材料、例えばプラスチック、ゴム又は織物から作られてもよい。これらの材料を使用する利点は、これら材料は、ロバストであり、洗浄可能であり、再利用可能であること、及び長い寿命を持ち、従って、これらの材料がセンサパッチのロバスト性及び再利用可能性に寄与することである。これらの利点を理由に、第１及び／又は第２の摩擦要素の代わりに接着剤材料を使用することは好ましくない。

センサパッチは、可撓性でもよく、これは、ユーザの皮膚の曲率により良好に追従する、例えば、腹部の形状に追従することができるという利点を提供する。センサパッチ又はセンサパッチの一部は、弾性的又は塑性的に変形されてもよい。

前記湾曲した突出部は、低摩擦材料、すなわち皮膚に対するセンサパッチの最小限の動き以上をさせることなく、ベルトがセンサパッチ上を摺動することができるような摩擦特性を有する低摩擦材料から作られてもよい。この利点は、ベルトとセンサパッチとの間の摩擦が十分に低いので、ベルトがセンサパッチ上を摺動するとき、センサパッチがユーザに対して動かないことを確実にすることである。従って、湾曲した突出部のこれら摩擦特性は、ベルトがセンサパッチ上を摺動するのを容易にする。

湾曲した突出部は、互いに分離してもよく、第１の面に分離可能で又は分離不可能で取り付けられてもよく、ここで、第１の面は、部分的に又は単独で可撓性材料から作られる。この構成の利点は、センサパッチが身体の輪郭により良好に追従することができ、従って、電極とユーザの皮膚との接触を改善することができることである。

センサパッチは、加速度計及び／又は光学式の動きセンサのような１つ以上の動きセンサを有してもよい。光学式の動きセンサの利点は、光学式の動きセンサが、皮膚に対するセンサパッチの動き及び／又は速度を直接検出できることである。従って、その信号は、動きアーチファクトに悩まされる測定を改善するための入力を提供することができる。

本発明の第２の態様において、被験者をモニタリングするためのシステムが提供され、このシステムは、ベルト及びセンサパッチを有し、このセンサパッチは、本発明の第１の態様で説明した特徴の１つを持ち、ここで、前記センサパッチは、ベルトから分離している。本発明の第１の態様で説明した利点は、本発明の第２の態様によっても達成可能であることを理解されたい。

本発明のこれら及び他の態様は、以下に記載される実施形態から明らかになり、それらを参照して説明される。

本発明をより良く理解するため、及び本発明がどのように実施されるかをより明確に示すために、単なる例として、添付の図面が参照される。
図１は、既知のセンサパッチを示す。 図２は、本発明によるセンサパッチの一例を示す。 図３ａは、ベルトによってセンサパッチに加えられる力を示す、本発明による装置の例を示す。 図３ｂは、ベルトによってセンサパッチに加えられる力を示す、本発明による装置の例を示す。 図４ａは、本発明によるセンサパッチの別の例を示す。 図４ｂは、本発明によるセンサパッチの別の例を示す。 図５は、本発明によるセンサパッチの別の例を示す。 図６は、本発明によるセンサパッチの別の例を示す。 図７は、本発明によるセンサパッチの別の例を示す。 図８は、本発明によるセンサパッチの別の例を示す。 図８ａは、本発明によるセンサパッチの別の例を示す。 図９は、本発明によるセンサパッチ及びベルトを有するシステムの一例を示す。 図１０は、本発明によるセンサパッチ及びベルトを有するシステムの別の例を示す。

本発明は、図面を参照して説明される。詳細な説明及び特定の実施例は、装置及び方法の例示的な実施形態を示すが、例示のみを目的とするものであり、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。本発明の装置及び方法のこれら及び他の特徴、態様並びに利点は、以下の説明、添付の特許請求の範囲及び添付の図面からよりよく理解されるであろう。図は、単に概略的なものであり、縮尺通りに描かれていない。同じ又は類似の部分を示すために、図面全体にわたって同じ参照番号が使用されることも理解されたい。

本発明は、電極を使用して、ユーザの生理学的パラメタを監視するためのセンサパッチを提供する。このセンサパッチは、ベルトを用いてユーザに位置決められるように構成される。既知の解決策は、電極をベルトに固定することであり、図１は、そのような既知の配置を実施する方法の一例を示す。

図１は、１つ以上の電極１５がベルト４００に一体化されている又はベルト４００に引っ掛けられている、既知のセンサパッチ１０００を示す。電極１５は、ユーザの皮膚３０と接触するように構成されるセンサパッチ１０００の第１の面１０に配される。このような構成の欠点は、図１に矢印で示されるように、ベルト４００が動く又は回転する場合、ベルト４００に固定される電極１５も皮膚３０に対して動く又は回転することである。そのような動きは、望ましくない動きアーチファクトをもたらす。さらに、電極１５がベルト４００に固定されるこのような構成において、電極がユーザの身体上の適切な位置に配されることを確実にするために、身体とのベルト４００の良好なフィットが必要とされる。従って、異なるユーザにフィットするために、複数のベルト形状又はサイズが必要とされ、例えば、様々な妊婦の腹部形状に応じて、妊娠モニタリングのために異なるベルトが必要とされる。

図２は、本発明によるセンサパッチ１００の一例を示す。センサパッチ１００は、第１の面１０及び第２の面２０を有する。第１の面１０は、ユーザの皮膚に面する。電極１５は、第１の面１０に配され、この電極１５は、ユーザの皮膚３０に接触するように構成される。電極１５は、再利用可能な電極でもよい。センサパッチ１００又はセンサパッチ１００の一部は可撓性でもよい。センサパッチ１００は、任意の適切な材料、例えば、ポリマー又は金属から作られてもよく、皮膚３０の表面への共形の適用を可能にするために十分な可撓性を持ってもよい。

第２の面２０は、第１の面１０に対向している。センサパッチ１００は、別個のベルト（図２には図示せず）を利用して、ユーザの皮膚３０上に位置決められる。このベルトは、図３ａに示されるように、ユーザの皮膚３０に垂直な必要な力Ｆ_ｐｅｒを与える。この力Ｆ_ｐｅｒは、ユーザの皮膚３０と電極１５との良好な接触を確保し、センサパッチ１００とユーザの皮膚３０との間に摩擦を生み出し、この摩擦が皮膚３０に対するセンサパッチ１００の移動を妨げる。

前記ベルトは、図３ａに示されるように、ユーザの皮膚３０の面に平行な横方向の力Ｆ_ｌａｔをセンサパッチ１００に加えてもよい。この力は、ベルトがユーザの身体又は身体の一部に固定される、故にユーザの動きに適応するという事実により、ユーザが動く又は姿勢を変えるときに現れる。力Ｆ_ｌａｔは、皮膚に対してセンサパッチを移動させる傾向がある。Ｆ_ｌａｔを減らすために、ユーザの皮膚３０に対してセンサパッチが移動しない点まで、ベルトが第２の面２０上を滑る必要があり、ベルトは、皮膚３０に平行な面においてセンサパッチ１００に及ぼす力をセンサパッチ１００から効果的に切り離す。

この理由から、第２の面２０は、湾曲した突出部２１を持ち、この湾曲した突出部２１は、電極１５が位置決められる第１の面１０における部分とは反対側に配される。湾曲した突出部２１は、図２においてセンサパッチ１００の一体化した部分として概略的に示されているが、それにもかかわらず、図８に例示的に示されるように、前記湾曲した突出部は、センサパッチ１００から分離可能とすることもできることを理解されたい。前記湾曲した突出部は、ベルトと接触しているように構成されるセンサパッチ１００の部分を有する。第２の面２０上の前記湾曲した突出部２１が電極１５の上部に配されると、ベルトから湾曲した突出部２１に加えられるユーザの皮膚３０に垂直な力Ｆ_ｐｅｒは、電極１５まで及ぶ。

湾曲した突出部２１-２５は、好ましくは平滑であり、好ましくは一様で規則的な表面を持ち、好ましくは知覚可能な鋭い端部がない。平滑な表面は、ベルトと湾曲した突出部２１-２５との間の摩擦を減らし、故に、センサパッチ１００に対するベルトの移動を容易にする。

図３ｂに示される非限定的な実施例において、前記湾曲した突出部の重心を通過する、ユーザの皮膚に垂直な前記湾曲した突出部２１の軸は、電極１５の重心を通過する、ユーザの皮膚に垂直な前記電極１５の軸と実質的に一致する。このような構成の場合、ユーザの皮膚３０に垂直な力Ｆ_ｐｅｒは、電極１５の重心に作用する。結果として、電極１５の半径に沿って一様な圧力分布が達成され、電極１５の質量中心（重心）の周りの任意のトルクが最小化され、従って、電極１５とユーザの皮膚との接触が改善される。

図２に戻ると、センサパッチ１００は、第１の面１０に配される第１の摩擦要素１６を有し、この第１の摩擦要素１６は、センサパッチ１００とユーザの皮膚３０との間の摩擦を増大させる。第１の摩擦要素１６は、電極１５の隣に配されてもよい。第１の摩擦要素１６は、皮膚３０に対する、センサパッチ１００の摺動又は移動を防止する滑り止め材料、例えばプラスチック、ゴム又は織物から作られる。図２に示される例において、第１の摩擦要素１６は、電極１５を囲んでいるが、他の例において、第１の摩擦要素１６は電極１５を囲んでいなくてもよい。

センサパッチ１００の湾曲した突出部２１-２５は、部分的に又は完全に低摩擦材料から作られる、すなわち、皮膚３０に対するセンサパッチ１００の最小限の動き以上を引き起こすことなく、ベルトがセンサパッチ１００の上を摺動することを可能にする摩擦特性を持つ材料から作られてもよい。そのような低摩擦材料の例は、ＰＴＦＥ、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルファイド、ナイロン、ポリオキシメチレン又はポリエステルである。所望する摩擦特性の例は、０．５未満、好ましくは０．３未満、より好ましくは０．１未満の静摩擦係数を持つ材料である。所望する摩擦特性を持つ材料の上記の例は、実際の状況において、低摩擦材料と考えられる。湾曲した突出部２１-２５により、ベルトはセンサパッチ１００の上を摺動することができるが、そのような低摩擦材料を使用することで、ベルトがセンサパッチ１００の上を摺動することを容易にすることができる。センサパッチは、湾曲した突出部２１-２５において、又は湾曲した突出部２１-２５の一部においてのみ、そのような材料を有するのに対し、センサパッチ１００の残りの部分は、異なる材料から作られてもよいことを理解されたい。

センサパッチ１００の湾曲した突出部２１-２５は、硬質プラスチックで部分的に又は完全に作られてもよい。硬質プラスチックの例は、ＨＤＰＥ、ＵＨＭＷ、ＰＶＣ又はＰＰである。好ましくは、湾曲した突出部２１-２５の静摩擦係数は、０．５未満、好ましくは０．３未満、より好ましくは０．１未満である。

センサパッチ１００は、電極１５から受信される信号を処理するためのプロセッサ、生データ又は処理されたデータを記憶するためのメモリモジュール、有線ベース又は無線ベースの通信技術を介してデータを送信又は受信するための通信モジュール、及びセンサパッチ１００のこれらモジュールに電力を供給するための電力モジュールも有することができる。センサパッチは、ユーザの生理学的パラメタを監視するために、センサパッチ１００の動作を支援する他のモジュールを有することができることも理解されたい。

さらなる実施形態において、センサパッチ１００は、側方延長部を有することができる。図４ａは、２つの側方延長部２ａ及び２ｂを持つセンサパッチ１００の上面図を示し、図４ｂはその断面を示す。図５は、６つの側方延長部を持つセンサパッチの別の実施形態の上面図を示す。図４ａ、４ｂ及び５は、側方延長部を持つセンサパッチ１００の２つの例を単に示しているだけであり、これらは非限定的な実施例であり、より多くの形状及びレイアウトを使用することができる。

図４ｂに示される例において、電極１８ａは、側方延長部２ａの第１の面１０に配され、任意の摩擦要素１２ａによって囲まれる、及び電極１８ｂは、側方延長部２ｂの第１の面１０に配され、任意の摩擦要素１２ｂによって囲まれる。他の例において、摩擦要素１２ａ、１２ｂは、対応する電極１８ａ、１８ｂを（完全に）囲まなくてもよいし、又は電極１８は、摩擦要素１２を持たずに第１の面１０に配されてもよい。

電極１５、１８ａ並びに１８ｂは、使用目的及び測定に応じて、全て同じ種類でもよく、又は全てが異なっていてもよいし、好ましくは医療用電極でもよい。電極は、塩化銀電極でもよい。

図４ｂの断面は、第２の面２０が湾曲した突出部２１、２２及び２３を有することを示す。湾曲した突出部２１は、ベルトがセンサパッチ１００の中央部と接触する領域に対応し、湾曲した突出部２２は、ベルトが側方延長部２ａと接触する領域に対応し、湾曲した突出部２３は、ベルトが側方延長部２ｂと接触する領域に対応する。

摩擦要素１２ａ、１２ｂは、同じ又は異なる形状を持つことができ、ユーザ３０の皮膚に対するセンサパッチ１００の摺動又は移動を防止する、第１の摩擦要素１６と同じ又は異なる材料、例えば、プラスチック、ゴム又は織物から作られてもよい。センサパッチ１００の側方延長部における摩擦要素は、皮膚に対する側方延長部の相対的な移動、及び場合によってはセンサパッチ１００全体の移動又は回転を防止し、従って、ベルトがセンサパッチ上を摺動することができる（例えば、患者の動きによって引き起こされる）一方、センサパッチは所定の位置に留まる。

センサパッチ１００は、２つ以上の材料から作られてもよいことを理解されたい。例えば、ベルトと接触するように構成される湾曲した突出部２１、２２、２３をつなぐセンサパッチの材料は、例えば可撓性積層体のような可撓性材料又はエラストマ材料から作られてもよい。図６は、湾曲した突出部２１、２２及び２３が材料６ａ、例えば低摩擦材料から作られ、湾曲した突出部をつなぐセンサパッチ１００の材料が材料６ｂ、例えば可撓性材料から作られる例を示す。

図７は、別の例を示し、この例は、ベルトと接触するように構成される湾曲した突出部２１、２２及び２３の一部が、材料７ａ、例えば低摩擦材料から作られ、センサパッチ１００の残りの部分が、材料７ｂ、例えば可撓性積層体、エラストマ材料のような可撓性材料から作られてもよく、この部分は、可撓性基板内に配線又は他の電子構成要素を組み込んだ可撓性電子回路とすることもできる。

図８は、湾曲した突出部２１、２２、２３、２４及び２５がセンサパッチ１００から分離可能である一例を示す。

図８に示される別の例において、第１の面１０に配される摩擦要素１２ｃは、電極の隣に配されていない。その目的は、皮膚に対する第１の面１０の移動を妨げることである。

図８に示されるさらに別の例において、湾曲した突出部２４及び２５が配される第２の面２０の部分の反対側に電極が位置決められていない。湾曲した突出部２４及び２５の目的は、センサパッチ１００がベルトと接触する領域を増大させることであり、それによって、センサパッチ１００とユーザの皮膚との接触をさらに改善し、センサパッチ１００の移動、ねじれ又は丸まりをさらに防ぐ。

図８ａは、湾曲した突出部２１、２２、２３、２４及び２５が互いに直接つながれていない、すなわち、突出部が互いに分離している例を示す。従って、湾曲した突出部２１、２２、２３、２４及び２５は、第２の面２０を有するセグメントである。前記湾曲した突出部は、第１の面１０に分離可能で又は分離不可能で取り付けられ、これら突出部は、硬質プラスチック又は他の任意の硬質材料、例えば金属から作られてもよい。好ましくは、湾曲した突出部の静摩擦係数は、０．５未満、好ましくは０．３未満、より好ましくは０．１未満である。第１の面１０は、部分的に又は単独で可撓性材料、例えば可撓性積層体又はエラストマ材料から作られる、及び／又は第１の面１０は、可撓性基板内に配線又は他の電子構成要素を組み込んだ可撓性電子回路とすることもできる。

湾曲した突出部が第２の面２０のセグメントであり、可撓性面１０に取り付けられる結果、第１の面１０の可撓性支持部(backing)は、第２の面２０のセグメント、すなわち突出部の間のヒンジとして動作する。この構成の利点は、センサパッチ１００が身体の輪郭により良好に追従することができることであり、従って、電極１５、１８ａ、１８ｂ、１８ｃとユーザの皮膚との接触を改善する。

図８ａに示される別の例において、センサパッチ１００は、例えば、加速度計、ジャイロスコープ、磁力計又は（コンピュータのマウスに使用されるもののような）光学式運動センサのような運動センサ１９を有する。センサパッチ１００は、ユーザの皮膚に対するセンサパッチ１００の動きを最小限にするように設計されているが、それにもかかわらず、そのような動きは依然として生じ得る。この理由のために、モーションセンサを用いてユーザの皮膚に対するセンサパッチの動きを検出することで、動きアーチファクトに悩まされる測定を改善するための入力を提供することができる。

加速度計、ジャイロスコープ及び磁力計は、一般に、センサパッチが皮膚に対して動かない場合であっても、動き、すなわち、ユーザの動きを検出し、従って、適切なアルゴリズムを使用して動きセンサ信号を処理することによって、動きアーチファクトの検出及び／又は予測は間接的に達成される。他方、光学式の動きセンサは、皮膚に対するセンサパッチの動き及び／又は速度をこのセンサが直接検出することができるという利点を持つ。一例において、加速度計、ジャイロスコープ又は磁力計のみが使用される。別の例において、光学式の動きセンサのみが使用されてもよい。さらに別の例において、光学式の動きセンサは、加速度計、ジャイロスコープ又は磁力計と共に使用されてもよく、加速度計、ジャイロスコープ又は磁力計の測定値に追加の入力を提供することで、動きアーチファクトの予測及び／又は検出をさらに改善する。

図８ａに示される例において、１つだけの動きセンサ１９が示される。とは言っても、２つ以上の動きセンサが使用されてもよいし、好ましくは電極の近くに配される。

一実施形態において、センサパッチは、磁気共鳴環境で使用しても安全である。このセンサパッチは、例えば、米国食品医薬品局の条件付きＭＲＩ対応機器の推奨事項を満たすことができる：磁気共鳴（ＭＲ）環境における安全性のための医療機器の試験とラベリング、２０２１年５月２０日。

本発明の第２の態様において、システム２００は、ベルト４０と、本明細書で既に説明したセンサパッチとを有する。図９及び図１０は、そのような例を示し、これら図において、ベルト４０は、第２の面２０の湾曲した突出部２１においてセンサパッチ１００に接触する。

ベルトは、身体の形状及びサイズに関係なく、身体との良好なフィット性を確実にする伸縮性の織物から作られてもよく、例えば、様々な妊婦の腹部の形状又はサイズとは無関係に、１つのベルトサイズが妊娠モニタリングに使用されてもよい。さらに、ユーザの身体又はユーザの関心のある身体部分の周りに固定されるのに適したサイズ又は伸縮性を備える任意のベルトを使用して、センサパッチをユーザ上に位置決めることができる。ベルトは、例えば洗濯機で洗濯可能でもよく、そのため、再使用される前にきれいにすることができる。

要約すると、本発明は、ベルトを用いてユーザ上に位置決められるように構成されるセンサパッチ１００を提供し、センサパッチは、ユーザの皮膚３０に接触するように構成される電極１５を持つ第１の面１０及び前記第１の面に対向する第２の面２０を有し、前記第２の面は、電極１５が位置決められる、前記第１の面１０上の部分とは反対側に配される湾曲した突出部２１を持つ。ユーザの皮膚に対するセンサパッチの動きを最小限に抑えるために、本発明は、ユーザの皮膚に垂直なベルトの押圧力を維持しつつ、皮膚に対して横方向の平面におけるベルトの動きからセンサパッチを切り離すことを目的とする。センサパッチ及びベルトを有するシステム２００も提供される。

上述した実施形態は、本発明を限定するのではなく例示するものであり、当業者は、添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、多くの代替の実施形態を設計することができることに留意されたい。請求項において、括弧の間に置かれる如何なる参照記号もその請求項を限定すると解釈されるべきではない。“有する”という言葉は、請求項に列挙された以外の要素又はステップの存在を排除しない。要素が複数あることを述べていなくても、その要素が複数あることを排除しない。本発明は、幾つかの別個の要素を有するハードウェアを用いて、及び／又は適切にプログラムされたプロセッサを用いて実施されてもよい。幾つかの手段を列挙する装置の請求項において、これらの手段の幾つかは、ハードウェアの同じアイテムによって具現化されてもよい。有利には、相互に異なる従属請求項に記載される手段を組み合わせて使用することができる。

Claims (12)

1. ベルトを用いてユーザ上に位置決められるように構成されるセンサパッチであって、前記センサパッチは、
   前記ユーザの皮膚と接触するように構成される電極を持つ第１の面、及び
   前記第１の面に対向する第２の面であり、前記電極が位置決められる前記第１の面の部分とは反対側に配される湾曲した突出部を持つ、第２の面
   を有し、前記センサパッチは、前記ベルトが
   前記湾曲した突出部上を摺動する、及び
   主に前記電極が位置決められる前記部分において前記センサパッチに垂直力を作用させ、前記電極と前記ユーザの皮膚との間に摩擦力を生成する
   ことを可能にするように構成される、センサパッチ。
2. 前記第２の面は、複数の湾曲した突出部を持つ、請求項１に記載のセンサパッチ。
3. 前記第１の面は、複数の電極を持ち、前記第２の面は、前記電極とは反対側に夫々配される対応する複数の湾曲した突出部を持つ、請求項１に記載のセンサパッチ。
4. 前記センサパッチは、前記第１の面に第１の摩擦要素を有する、請求項１乃至３の何れか一項に記載のセンサパッチ。
5. 前記第１の面の第１の摩擦要素は、前記電極に隣接して配される、請求項４に記載のセンサパッチ。
6. 前記センサパッチは、さらなる電極を具備する側方延長部を持ち、前記側方延長部の第２の面は、前記さらなる電極とは反対側に、湾曲した突出部を持つ、請求項１乃至５の何れか一項に記載のセンサパッチ。
7. 前記側方延長部は、前記第１の面に第２の摩擦要素を有する、請求項６に記載のセンサパッチ。
8. 前記センサパッチは、可撓性である、請求項１乃至７の何れか一項に記載のセンサパッチ。
9. 前記湾曲した突出部は、低摩擦材料を有する、請求項１乃至８の何れか一項に記載のセンサパッチ。
10. 前記第２の面は、互いに分離し、前記第１の面に分離可能又は分離不可能に取り付けられる複数の湾曲した突出部を持ち、
    前記第１の面は、部分的に又は単独で可撓性材料から作られる、請求項１乃至９の何れか一項に記載のセンサパッチ。
11. 前記センサパッチは、動きセンサ、好ましくは光学式の動きセンサを有する、請求項１乃至１０の何れか一項に記載のセンサパッチ。
12. ベルト、及び
    請求項１乃至１１の何れか一項に記載のセンサパッチ
    を有するシステムであり、前記センサパッチは、前記ベルトから分離している、システム。

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