JP2024525145A - がんなどの疾患の治療のための(r)-n-エチル-5-フルオロ-n-イソプロピル-2-((5-(2-(6-((2-メトキシエチル)(メチル)アミノ)-2-メチルヘキサン-3-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-1,2,4-トリアジン-6-イル)オキシ)ベンズアミドベシル酸塩 - Google Patents

がんなどの疾患の治療のための(r)-n-エチル-5-フルオロ-n-イソプロピル-2-((5-(2-(6-((2-メトキシエチル)(メチル)アミノ)-2-メチルヘキサン-3-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-1,2,4-トリアジン-6-イル)オキシ)ベンズアミドベシル酸塩

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本発明は、(R)-N-エチル-5-フルオロ-N-イソプロピル-2-((5-(2-(6-((2-メトキシエチル)(メチル)アミノ)-2-メチルヘキサン-3-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-1,2,4-トリアジン-6-イル)オキシ)ベンズアミドベシル酸塩及びその溶媒和物に関する。この化合物は、哺乳動物における治療及び/又は予防、そのような化合物を含む医薬組成物、並びに、疾患、例えば、限定するものではないが白血病、骨髄異形成症候群(MDS)、及び骨髄増殖性腫瘍(MPN)などのがん及び糖尿病を治療するのに有用なメニン/MLLタンパク質/タンパク質相互作用阻害剤としての使用に有用であり得る。

Description

本発明は、
(R)-N-エチル-5-フルオロ-N-イソプロピル-2-((5-(2-(6-((2-メトキシエチル)(メチル)アミノ)-2-メチルヘキサン-3-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-1,2,4-トリアジン-6-イル)オキシ)ベンズアミドベシル酸塩及びその溶媒和物に関する。
この化合物は、哺乳動物における治療及び/又は予防、そのような化合物を含む医薬組成物、並びに、疾患、例えば、限定するものではないが白血病、骨髄異形成症候群(MDS)、及び骨髄増殖性腫瘍(MPN)などのがん及び糖尿病を治療するのに有用なメニン/MLLタンパク質/タンパク質相互作用阻害剤としての使用に有用であり得る。
混合系統白血病遺伝子(MLL、MLL1、KMT2A)に影響を及ぼす染色体再配列は、全ての年齢群にわたって侵襲性急性白血病をもたらし、依然として大部分が不治の疾患であり、新規な治療アプローチの緊急の必要性が力説されている。MLLのこれらの染色体転座を有する急性白血病は、リンパ性、骨髄性又は二表現型疾患として表れ、成人における急性白血病の5~10%及び乳児における約70%を構成する(Marschalek,Br J Haematol 2011.152(2),141-54、Tomizawa et al.,Pediatr Blood Cancer 2007.49(2),127-32)。
MLLは、リジン4(H3K4)上のヒストンH3をメチル化するヒストンメチルトランスフェラーゼであり、多タンパク質複合体において機能する。Mll1の誘導性機能喪失型対立遺伝子の使用は、Mll1が造血幹細胞(HSC)の維持及びB細胞の発生において必須の役割を果たすが、そのヒストンメチルトランスフェラーゼ活性は造血には必要ないことを実証した(Mishra et al.,Cell Rep 2014.7(4),1239-47)。
MLLと60を超える異なるパートナーとの融合が今日までに報告されており、白血病の形成/進行に関連付けられている(Meyer et al.,Leukemia 2013.27,2165-2176)。興味深いことに、MLLのSET(Su(var)3-9、zesteのエンハンサー、及びtrithorax)ドメインは、キメラタンパク質中に保持されないが、融合パートナーによって置換される(Thiel et al.,Bioessays 2012.34,771-80)。融合パートナーによるDot1L及び/又はpTEFb複合体のようなクロマチン修飾酵素の動員は、最も顕著なものとしてHOXA遺伝子(例えば、HOXA9)及びHOX補因子MEIS1を含むMLL標的遺伝子の転写及び転写伸長の増強をもたらす。次に、これらの遺伝子の異常な発現は、造血分化をブロックし、増殖を増進する。
多発性内分泌腺腫症1型(MEN1)遺伝子によってコードされるメニンは、遍在的に発現され、主に核に局在する。これは、多数のタンパク質と相互作用することがわかっており、したがって、種々の細胞プロセスに関与する。メニンの最もよく理解されている機能は、MLL融合タンパク質の発がん性補因子としてのその役割である。メニンは、全ての融合タンパク質に保持されるMLLのN末端断片内の2つのモチーフ、MBM1(メニン結合モチーフ1)及びMBM2と相互作用する(Thiel et al.,Bioessays 2012.34,771-80)。メニン/MLL相互作用によって、水晶体上皮由来増殖因子(LEDGF)について新しい相互作用表面が形成される。MLLはLEDGFに直接結合するが、メニンは、MLLとLEDGFとの間の安定な相互作用、及びLEDGFのPWWPドメインを介したMLL複合体の遺伝子特異的クロマチン動員に必須である(Cermakova et al.,Cancer Res 2014.15,5139-51、Yokoyama & Cleary,Cancer Cell 2008.8,36-46)。更に、多くの遺伝学的研究は、メニンがMLL融合タンパク質による発がん性形質転換に厳密に必要とされることを示しており、メニン/MLL相互作用を魅力的な治療標的として示唆している。例えば、Men1の条件付き欠失は、MLL融合を異所的に発現する骨髄前駆細胞における白血球形成を防止する(Chen et al.,Proc Natl Acad Sci 2006.103,1018-23)。同様に、機能喪失型突然変異によるメニン/MLL融合相互作用の遺伝子破壊は、MLL融合タンパク質の発がん特性を無効にし、白血病の発生をインビボでブロックし、MLL形質転換白血病芽球の分化ブロックを解除する。これらの研究はまた、メニンが、MLL融合タンパク質によるHOX遺伝子発現の維持に必要であることを示した(Yokoyama et al.,Cell 2005.123,207-18)。更に、メニン/MLL相互作用の小分子阻害剤が開発されており、このタンパク質/タンパク質相互作用のドラッガビリティを示唆しており、AMLの前臨床モデルにおける有効性も実証されている(Borkin et al.,Cancer Cell 2015.27,589-602、Cierpicki and Grembecka,Future Med Chem 2014.6,447-462)。メニンが正常な造血中のMLL1の必須補因子ではないという観察結果(Li et al.,Blood 2013.122,2039-2046)と共に、これらのデータは、MLL再構成白血病及び活性HOX/MEIS1遺伝子シグネチャを有する他のがんの処置のための有望な新しい治療アプローチとして、メニン/MLL相互作用を妨げることの正当性を立証する。例えば、MLL遺伝子の5’領域内の内部タンデム重複(PTD)は、デノボ及び二次性AML並びに骨髄異形成症候群において主に見出される別の主要な異常を表す。MLL-PTDの分子機構及び生物学的機能は十分に理解されていないが、メニン/MLL相互作用に影響を及ぼす新しい治療標的化戦略もまた、MLL-PTD関連白血病の治療において有効であることが証明され得る。更に、去勢抵抗性前立腺がんは、メニン/MLL相互作用に依存することがわかっている(Malik et al.,Nat Med 2015.21,344-52)。
MLLタンパク質は、科学分野においてヒストン-リジンN-メチルトランスフェラーゼ2A(KMT2A)タンパク質としても知られている(UniProtアクセッション番号Q03164)。
いくつかの参考文献には、メニン-MLL相互作用を標的とする阻害剤が記載されている。国際公開第2011029054号、J Med Chem 2016,59,892-913には、チエノピリミジン及びベンゾジアゼピン誘導体の調製が記載されており、国際公開第2014164543号には、チエノピリミジン及びチエノピリジン誘導体が記載されており、Nature Chemical Biology March 2012,8,277-284及びRen,J.et al.Bioorg Med Chem Lett(2016),26(18),4472-4476には、チエノピリミジン誘導体が記載されており、J Med Chem 2014,57,1543-1556には、ヒドロキシ及びアミノメチルピペリジン誘導体が記載されており、Future Med Chem 2014,6,447-462には、小分子及びペプチド模倣化合物が概説されており、国際公開第2016195776号には、フロ[2,3-d]ピリミジン、9H-プリン、[1,3]オキサゾロ[5,4-d]ピリミジン、[1,3]オキサゾロ[4,5-d]ピリミジン、[1,3]チアゾロ[5,4-d]ピリミジン、チエノ[2,3-b]ピリジン及びチエノ[2,3-d]ピリミジン誘導体が記載されおり、国際公開第2016197027号には、5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン、5,6,7,8-テトラヒドロピリド[4,3-d]ピリミジン、ピリド[2,3-d]ピリミジン及びキノリン誘導体が記載されており、国際公開第2016040330号には、チエノピリミジン及びチエノピリジン化合物が記載されている。国際公開第2017192543号には、メニン阻害剤としてピペリジンが記載されている。国際公開第2017112768号、国際公開第2017207387号、国際公開第2017214367号、国際公開第2018053267号及び国際公開第2018024602号には、メニン-MLL相互作用の阻害剤が記載されている。国際公開第2017161002号及び国際公開第2017161028号には、メニン-MLLの阻害剤が記載されている。国際公開第2018050686号、国際公開第2018050684号及び国際公開第2018109088号には、メニン-MLL相互作用の阻害剤が記載されている。国際公開第2018226976号には、メニンとMLLタンパク質との相互作用を阻害するための方法及び組成物が記載されている。国際公開第2018175746号は、血液悪性腫瘍及びユーイング肉腫の治療方法を提供する。国際公開第2018106818号及び国際公開第2018106820号は、膵臓細胞の増殖を促進する方法を提供する。国際公開第2018153312号は、医薬品化学の分野に関するアザスピロ化合物を開示する。国際公開第2017132398号は、NPM1変異を示す白血病細胞を、MLLとメニンとの間の相互作用の薬理学的阻害剤と接触させることを含む方法を開示する。国際公開第2019060365号には、メニン-MLLの置換阻害剤が記載されている。国際公開第2020069027号には、メニンの阻害剤による血液学的悪性腫瘍の治療が記載されている。Krivtsov et al.,Cancer Cell 2019.No.6 Vol.36,660-673には、メニン-MLL阻害剤が記載されている。
本発明は、(R)-N-エチル-5-フルオロ-N-イソプロピル-2-((5-(2-(6-((2-メトキシエチル)(メチル)アミノ)-2-メチルヘキサン-3-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-1,2,4トリアジン-6-イル)オキシ)ベンズアミドベシル酸塩(ベンゼンスルホネート塩):
及びその溶媒和物である。
当業者は、「及びその溶媒和物」が、(R)-N-エチル-5-フルオロ-N-イソプロピル-2-((5-(2-(6-((2-メトキシエチル)(メチル)アミノ)-2-メチルヘキサン-3-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-1,2,4-トリアジン-6-イル)オキシ)ベンズアミドのベシル酸塩を指すことを理解するであろう。したがって、本発明は、(R-N-エチル-5-フルオロ-N-イソプロピル-2-((5-(2-(6-((2-メトキシエチル)(メチル)アミノ)-2-メチルヘキサン-3-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-1,2,4-トリアジン-6-イル)オキシ)ベンズアミドのベシル酸塩、及び(R-N-エチル-5-フルオロ-N-イソプロピル-2-((5-(2-(6-((2-メトキシエチル)(メチル)アミノ)-2-メチルヘキサン-3-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-1,2,4-トリアジン-6-イル)オキシ)ベンズアミドのベシル酸塩の溶媒和物も包含する。
特に、本発明は、(R)-N-エチル-5-フルオロ-N-イソプロピル-2-((5-(2-(6-((2-メトキシエチル)(メチル)アミノ)-2-メチルヘキサン-3-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-1,2,4トリアジン-6-イル)オキシ)ベンズアミドベシル酸塩又はその水和物に関する。
特に、本発明は、(R)-N-エチル-5-フルオロ-N-イソプロピル-2-((5-(2-(6-((2-メトキシエチル)(メチル)アミノ)-2-メチルヘキサン-3-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-1,2,4トリアジン-6-イル)オキシ)ベンズアミドビスベシル酸塩又はその溶媒和物に関する。
特に、本発明は、(R)-N-エチル-5-フルオロ-N-イソプロピル-2-((5-(2-(6-((2-メトキシエチル)(メチル)アミノ)-2-メチルヘキサン-3-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-1,2,4トリアジン-6-イル)オキシ)ベンズアミドビスベシル酸塩又はその水和物に関する。
特に、本発明は、(R)-N-エチル-5-フルオロ-N-イソプロピル-2-((5-(2-(6-((2-メトキシエチル)(メチル)アミノ)-2-メチルヘキサン-3-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-1,2,4トリアジン-6-イル)オキシ)ベンズアミドビスベシル酸塩0.5~2.0当量水和物に関する。
特に、本発明は、(R)-N-エチル-5-フルオロ-N-イソプロピル-2-((5-(2-(6-((2-メトキシエチル)(メチル)アミノ)-2-メチルヘキサン-3-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-1,2,4トリアジン-6-イル)オキシ)ベンズアミドビスベシル酸塩2.0当量水和物に関する。
より詳細には、本発明は、(R)-N-エチル-5-フルオロ-N-イソプロピル-2-((5-(2-(6-((2-メトキシエチル)(メチル)アミノ)-2-メチルヘキサン-3-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-1,2,4トリアジン-6-イル)オキシ)ベンズアミドビスベシル酸塩水和物の結晶形態Aに関する。
より詳細には、本発明は、(R)-N-エチル-5-フルオロ-N-イソプロピル-2-((5-(2-(6-((2-メトキシエチル)(メチル)アミノ)-2-メチルヘキサン-3-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-1,2,4トリアジン-6-イル)オキシ)ベンズアミドビスベシル酸塩0.5~2.0当量水和物の結晶形態Aに関する。
より詳細には、本発明は、(R)-N-エチル-5-フルオロ-N-イソプロピル-2-((5-(2-(6-((2-メトキシエチル)(メチル)アミノ)-2-メチルヘキサン-3-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-1,2,4トリアジン-6-イル)オキシ)ベンズアミドビスベシル酸塩2.0当量水和物の結晶形態Aに関する。
(R)-N-エチル-5-フルオロ-N-イソプロピル-2-((5-(2-(6-((2-メトキシエチル)(メチル)アミノ)-2-メチルヘキサン-3-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-1,2,4-トリアジン-6-イル)オキシ)ベンズアミドのベシル酸塩又はその溶媒和物は、その化学的/物理的安定性、その物理的特性、及び安定な結晶性固体として単離できるという事実に関して優れている。
本発明の一実施形態は、(R)-N-エチル-5-フルオロ-N-イソプロピル-2-((5-(2-(6-((2-メトキシエチル)(メチル)アミノ)-2-メチルヘキサン-3-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-1,2,4トリアジン-6-イル)オキシ)ベンズアミドビスベシル酸塩又はその溶媒和物を含む医薬組成物に関する。
本発明はまた、医薬的に許容される担体、医薬的に許容される賦形剤、及び/又は医薬的に許容される希釈剤並びに(R)-N-エチル-5-フルオロ-N-イソプロピル-2-((5-(2-(6-((2-メトキシエチル)(メチル)アミノ)-2-メチルヘキサン-3-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-1,2,4-トリアジン-6-イル)オキシ)ベンズアミドビスベシル酸塩又はその溶媒和物を含む医薬組成物、それらからなる医薬組成物、及び/又はそれらから本質的になる医薬組成物を提供する。
また、(R)-N-エチル-5-フルオロ-N-イソプロピル-2-((5-(2-(6-((2-メトキシエチル)(メチル)アミノ)-2-メチルヘキサン-3-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-1,2,4-トリアジン-6-イル)オキシ)ベンズアミドビスベシル酸塩又はその溶媒和物と、医薬的に許容される担体、医薬的に許容される賦形剤、及び/又は医薬的に許容される希釈剤を含む医薬組成物、それらからなる医薬組成物、及び/又はそれらから本質的になる医薬組成物の製造プロセスも提供される。
本発明は更に、疾患、例えば、限定するものではないが、白血病、骨髄異形成症候群(MDS)、及び骨髄増殖性腫瘍(MPN)などのがん及び糖尿病を、(R)-N-エチル-5-フルオロ-N-イソプロピル-2-((5-(2-(6-((2-メトキシエチル)(メチル)アミノ)-2-メチルヘキサン-3-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-1,2,4-トリアジン-6-イル)オキシ)ベンズアミドビスベシル酸塩及びその溶媒和物を使用して治療又は改善するための方法に関する。
本発明はまた、医薬品の調製における、(R)-N-エチル-5-フルオロ-N-イソプロピル-2-((5-(2-(6-((2-メトキシエチル)(メチル)アミノ)-2-メチルヘキサン-3-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-1,2,4-トリアジン-6-イル)オキシ)ベンズアミドビスベシル酸塩又はその溶媒和物の使用であって、医薬品が、疾患、例えば、限定するものではないが、白血病、骨髄異形成症候群(MDS)、及び骨髄増殖性腫瘍(MPN)などのがん及び糖尿病を治療するために調製される、使用に関する。
特に、本発明による化合物及びその医薬組成物は、白血病、特にヌクレオフォスミン(NPM1)変異型白血病、例えば、NPM1cの治療又は予防に有用であり得る。
一実施形態では、本発明による化合物は、改善された代謝安定性特性を有し得る。
一実施形態では、本発明による化合物は、延長されたインビボ半減期(T1/2)を有し得る。
一実施形態では、本発明による化合物は、改善された経口バイオアベイラビリティを有し得る。
一実施形態では、本発明による化合物は、腫瘍成長、例えば、MLL(KMT2A)遺伝子の再構成/変化及び/又はNPM1変異を有する腫瘍を減少させ得る。
一実施形態では、本発明による化合物は長期間にわたってインビボで改善されたPD特性、例えば、MEIS1などの標的遺伝子発現の阻害及び少なくとも16時間の期間にわたる分化マーカーの上方制御を有し得る。
一実施形態では、本発明による化合物は、改善された安全性プロファイル(例えば、低減されたhERG阻害、改善された心血管安全性)を有し得る。
一実施形態では、本発明による化合物は、Q.D.投薬(1日1回)に適切であり得る。
本発明はまた、限定するものではないが、白血病、骨髄異形成症候群(MDS)、及び骨髄増殖性腫瘍(MPN)などのがん及び糖尿病の治療又は予防において使用するための、追加の医薬品と組み合わせた本発明による化合物の使用に関する。
更に、本発明は、本発明による医薬組成物を調製するためのプロセスに関し、プロセスは、医薬的に許容される担体が、治療有効量の本発明による化合物と均質に混合されることを特徴とする。
本発明はまた、限定するものではないが、白血病、骨髄異形成症候群(MDS)、及び骨髄増殖性腫瘍(MPN)などのがん及び糖尿病の治療又は予防において同時に、又は別々に、又は逐次的に使用するための組み合わせ製剤として、本発明による化合物とび追加の医薬品を含む製品に関する。
更に、本発明は、温血動物における細胞増殖性疾患を治療又は予防する方法であって、有効量の本明細書に定義される本発明による化合物、又は本明細書に定義される医薬組成物も若しくは組み合わせを上記動物に投与することを含む、方法に関する。
他の実施形態では、本発明は、医薬品として使用するための、(R)-N-エチル-5-フルオロ-N-イソプロピル-2-((5-(2-(6-((2-メトキシエチル)(メチル)アミノ)-2-メチルヘキサン-3-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-1,2,4トリアジン-6-イル)オキシ)ベンズアミドベシル酸塩及びその溶媒和物に関する。
他の実施形態では、本発明は、医薬品として使用するための、(R)-N-エチル-5-フルオロ-N-イソプロピル-2-((5-(2-(6-((2-メトキシエチル)(メチル)アミノ)-2-メチルヘキサン-3-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-1,2,4トリアジン-6-イル)オキシ)ベンズアミドビスベシル酸塩及びその溶媒和物に関する。
他の実施形態では、本発明は、医薬品として使用するための、(R)-N-エチル-5-フルオロ-N-イソプロピル-2-((5-(2-(6-((2-メトキシエチル)(メチル)アミノ)-2-メチルヘキサン-3-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-1,2,4トリアジン-6-イル)オキシ)ベンズアミドベシル酸塩水和物の結晶形態Aに関する。
他の実施形態では、本発明は、医薬品として使用するための、(R)-N-エチル-5-フルオロ-N-イソプロピル-2-((5-(2-(6-((2-メトキシエチル)(メチル)アミノ)-2-メチルヘキサン-3-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-1,2,4トリアジン-6-イル)オキシ)ベンズアミドビスベシル酸塩水和物の結晶形態Aに関する。
本発明はまた、(R)-N-エチル-5-フルオロ-N-イソプロピル-2-((5-(2-(6-((2-メトキシエチル)(メチル)アミノ)-2-メチルヘキサン-3-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-1,2,4トリアジン-6-イル)オキシ)ベンズアミドビスベシル酸塩及びその溶媒和物の調整に関する。
本発明はまた、(R)-N-エチル-5-フルオロ-N-イソプロピル-2-((5-(2-(6-((2-メトキシエチル)(メチル)アミノ)-2-メチルヘキサン-3-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-1,2,4トリアジン-6-イル)オキシ)ベンズアミドビスベシル酸塩水和物の結晶形態Aの調整に関する。
発明の概要、並びに以下の発明を実施するための形態は、添付の図面と併せて読むことで、更に理解される。本発明を説明する目的で、図面には、本発明の例示的実施形態が示されている。しかしながら、本発明は、図面の特定の開示に限定されない。図面のうち:
(R)-N-エチル-5-フルオロ-N-イソプロピル-2-((5-(2-(6-((2-メトキシエチル)(メチル)アミノ)-2-メチルヘキサン-3-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-1,2,4-トリアジン-6-イル)オキシ)ベンズアミドビスベシル酸塩水和物の結晶形態AのX線粉末回折(XRPD)パターンである。 Molm-14皮下(sc)モデルにおける有効性実験。 播種性OCI-AML3モデルにおける有効性実験。 中間体234bの粉末X線回折(XRPD)パターンである。
本開示は、以下の用語集及び結論付ける実施例を含む、以下の説明を参照することによって、より完全に理解され得る。また、明確さのために本明細書では別々の態様の文脈で説明される、本開示の化合物、結晶形態A、組成物及び方法の特定の特徴は、単一の態様において組み合わせて提供され得ることも理解される。逆に、簡潔さのために単一の態様の文脈で説明される、本開示の化合物、結晶形態A、組成物及び方法の種々の特徴が、別々に又は任意の部分的組み合わせで提供される場合もある。
本明細書で示されている量的表現の一部は、「約」という用語により修飾されていない。「約」という用語が明示的に使用されているか否かに関わらず、本明細書において示されている量は全て、その実際に示されている値を指すことを意味し、そのような示された値の実験及び/又は測定条件による近似値を含む、当該技術分野における通常の技量に基づいて合理的に推測されると思われる、そのような示された値の近似値を指すことも意味することが理解される。
本明細書の説明及び特許請求の範囲を通して、「含む(comprise)」及び「含む(contain)」という用語並びにその変形、例えば「含む(comprising)」及び「含む(comprises)」は、「含むがこれに限定されない(including but not limited to)」を意味し、他の構成要素を排除することを意図しない(及び排除しない)。
本開示において、「結晶形態」及び「多形」という用語は同義である。結晶形態の特徴情報が本明細書に提供される。特定の形態の決定は、当業者が特定の形態の存在を確立するのに十分であると認識する特徴情報の任意の部分を使用して達成することができることを理解されたい。例えば、たった1つの特徴的なピークであっても、特定の形態が存在することを当業者が認識するのに十分であり得る。
「単離された形態」という用語は、別の化合物との任意の固体混合物、溶媒系又は生物学的環境から分離された形態で存在する化合物を指す。本発明の一実施形態では、結晶形態は単離形態で存在する。
「室温」(RT)という用語は、約15℃~約30℃、特に約20℃~約30℃の温度を指す。好ましくは、室温は約25℃の温度である。
結晶形態が、角度2θ(2シータ)として与えられる1つ以上のXRPDピークを使用して同定される場合、2θ値のそれぞれは、別段の記載がない限り、所与の値±0.2度2シータを意味すると理解される。
「播種」という用語は、結晶化又は再結晶化を開始するための溶液又は混合物への結晶性材料の添加を指す。
本明細書で使用される場合、「(本)発明の化合物」又は「(本)発明による化合物」という用語は、(R)-N-エチル-5-フルオロ-N-イソプロピル-2-((5-(2-(6-((2-メトキシエチル)(メチル)アミノ)-2-メチルヘキサン-3-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-1,2,4-トリアジン-6-イル)オキシ)ベンズアミドベシル酸塩及びその溶媒和物、又はその任意のサブグループを含むことを意味する。
(R)-N-エチル-5-フルオロ-N-イソプロピル-2-((5-(2-(6-((2-メトキシエチル)(メチル)アミノ)-2-メチルヘキサン-3-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-1,2,4-トリアジン-6-イル)オキシ)ベンズアミドベシル酸塩は溶媒和物として存在し得る。「溶媒和物」は、水(すなわち、水和物)又は一般的な有機溶媒との溶媒和物であり得る。
(R)-N-エチル-5-フルオロ-N-イソプロピル-2-((5-(2-(6-((2-メトキシエチル)(メチル)アミノ)-2-メチルヘキサン-3-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-1,2,4トリアジン-6-イル)オキシ)ベンズアミドベシル酸塩又はその溶媒和物は、実質的に純粋な形態で得ることができ、単離された化合物中の不純物のモルパーセントは、約5モルパーセント未満、好ましくは約2モルパーセント未満、より好ましくは約0.5モルパーセント未満、最も好ましくは約0.1モルパーセント未満である。本発明の一実施形態では、(R)-N-エチル-5-フルオロ-N-イソプロピル-2-((5-(2-(6-((2-メトキシエチル)(メチル)アミノ)-2-メチルヘキサン-3-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-1,2,4トリアジン-6-イル)オキシ)ベンズアミドベシル酸塩又はその溶媒和物が実質的に純粋な形態で存在する。
(R)-N-エチル-5-フルオロ-N-イソプロピル-2-((5-(2-(6-((2-メトキシエチル)(メチル)アミノ)-2-メチルヘキサン-3-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-1,2,4-トリアジン-6-イル)オキシ)ベンズアミドビスベシル酸塩水和物の結晶形態Aは、実質的に純粋な形態で得ることができ、単離された結晶形態中の不純物のモルパーセントは、約5モルパーセント未満、好ましくは約2モルパーセント未満、より好ましくは約0.5モルパーセント未満、最も好ましくは約0.1モルパーセント未満である。本発明の一実施形態では、(R)-N-エチル-5-フルオロ-N-イソプロピル-2-((5-(2-(6-((2-メトキシエチル)(メチル)アミノ)-2-メチルヘキサン-3-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-1,2,4トリアジン-6-イル)オキシ)ベンズアミドビスベシル酸塩水和物は、実質的に純粋な形態で存在する。
本明細書では、(R)-N-エチル-5-フルオロ-N-イソプロピル-2-((5-(2-(6-((2-メトキシエチル)(メチル)アミノ)-2-メチルヘキサン-3-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-1,2,4トリアジン-6-イル)オキシ)ベンズアミドの1つ以上の追加の形態(他の結晶形態、他の塩形態、又はそれらの溶媒和物など)との混合物としての(R)-N-エチル-5-フルオロ-N-イソプロピル-2-((5-(2-(6-((2-メトキシエチル)(メチル)アミノ)-2-メチルヘキサン-3-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-1,2,4トリアジン-6-イル)オキシ)ベンズアミドビスベシル酸塩水和物の結晶形態Aも提供される。少なくとも特定の重量パーセントは、(R)-N-エチル-5-フルオロ-N-イソプロピル-2-((5-(2-(6-((2-メトキシエチル)(メチル)アミノ)-2-メチルヘキサン-3-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-1,2,4トリアジン-6-イル)オキシ)ベンズアミドビスベシル酸塩水和物の結晶形態Aであり得る。特定の重量パーセントとしては、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%及び99.9%が挙げられる。
本明細書では、本明細書に記載の結晶形態を調製するプロセスであって、化合物Aを再結晶する工程を含み、再結晶が、
a)化合物A又はその水和物若しくは溶媒和物を、ベンゼンスルホン酸の存在下で、適切な溶媒の混合物に添加し、約20℃から溶媒還流温度の範囲の温度に調整する工程と、
b)結晶形態Aを播種する工程と、
c)本明細書に記載の結晶形態の沈殿物を得る工程とを含む、方法が提供される。
特に、前段落に記載したプロセスにおける適切な溶媒の混合物は、アセトン、水及びIPAcの混合物である。
特に、前段落に記載したプロセスにおける適切な溶媒の混合物は、イソプロパノール、水及びIPAcの混合物である。特に、本プロセスで使用される温度は約25℃である。
また
クエン酸塩の結晶形態も提供され、
ここで、結晶形態は、5.82、10.09及び18.42度の2シータ±0.2度の2シータにピークを含むX線粉末回折パターンを生成し、具体的には、X線粉末回折パターンは、5.82、8.52、9.20、10.09、11.43、13.61、14.94、15.89、17.03及び18.42度の2シータ±0.2度の2シータにピークを含む。
また、以下の中間体:
がその医薬的に許容される塩又は溶媒和物として提供される。
当業者は、「又はその溶媒和物」が、中間体の医薬的に許容される塩を指し、したがって医薬的に許容される塩の溶媒和物を包含することを理解するであろう。
また、以下の中間体:
が溶媒和物として提供される。
医薬的に許容される塩としては、酸付加塩及び塩基付加塩が挙げられる。そのような塩は、従来の手段によって、例えば、遊離酸形態又は遊離塩基形態を、適切な塩基又は酸の1つ以上の等価物と、任意選択的に溶媒中で、又は塩が不溶性である媒体中で反応させ、続いて標準的な技術を使用して(例えば、真空で、凍結乾燥法によって、又は濾過によって)、当該溶媒又は当該媒体を除去することによって形成され得る。塩はまた、例えば、好適なイオン交換樹脂を使用して、塩の形態の本開示の化合物の対イオンを別の対イオンと交換することによって調製されてもよい。
適切な酸は、例えば、ハロゲン化水素酸、例えば、塩酸若しくは臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などの酸などの無機酸、又は例えば、酢酸、プロパン酸、ヒドロキシ酢酸、乳酸、ピルビン酸、シュウ酸(すなわち、エタン二酸)、マロン酸、コハク酸(すなわち、ブタン二酸)、マレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、シクラム酸、サリチル酸、p-アミノサリチル酸、パモン酸などの酸などの有機酸を含む。逆に、上記塩形態は、適切な塩基で処理することによって、遊離塩形態に変換されることができる。
適切な塩基塩形態は、例えば、アンモニウム塩、アルカリ及びアルカリ土類金属塩、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム塩など、有機塩基、例えば、一級、二級及び三級脂肪族アミン及び芳香族アミン、例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、4つのブチルアミン異性体、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジエタノールアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジ-n-ブチルアミン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、キヌクリジン、ピリジン、キノリン、及びイソキノリンを有する塩、ベンズアチン、N-メチル-グルカミン、ヒドラバミン塩、及びアミノ酸、例えばアルギニン、リジンなどを有する塩を含む。逆に、塩基形態は、酸で処理することによって、遊離塩基形態に変換されることができる。
溶媒和物という用語は、溶媒付加形態を含む。そのような溶媒付加形態の例は、例えば、水和物、アルコラートなどである。
5-フルオロ-2-ヒドロキシ-安息香酸からN-エチル-5-フルオロ-2-ヒドロキシ-N-イソプロピルベンズアミド(中間体28)への一段階変換も提供される。
この反応は、THF、トルエン、アセトニトリル又は2-メチルテトラヒドロフランなどの適切な溶媒中、カップリング剤CDIの存在下で行われる。特に、溶媒はTHFである。反応は、典型的には、0℃~還流温度、好ましくは0℃~50℃、より好ましくは10℃~30℃、更により好ましくは15℃~25℃の温度範囲で行われる。
「医薬的に許容される」は、連邦政府若しくは州政府の規制当局又は米国以外の国の該当する当局により承認された、又は承認可能であること、あるいは動物における、より具体的にはヒトにおける使用について、米国薬局方又は他の一般的に認知されている薬局方に列挙されていることを意味する。
「対象」という用語は、治療、観察、又は試験の対象となっている動物、好ましくは哺乳動物、最も好ましくはヒトを指す。
用語「治療有効量」は、本明細書で使用するとき、研究者、獣医、医師、又は他の臨床医により求められている、治療されている疾患又は障害の症状の緩和若しくは逆転を含む、組織系、動物、又はヒト内で生体学的反応又は医薬反応を引き出す活性化合物又は医薬的薬剤の量を意味する。
「組成物」という用語は、特定の成分を特定の量で含む製品、及び特定の量の特定の成分の組み合わせから直接的又は間接的に得られる任意の製品を包含することを意図する。
本明細書で使用される場合、特に注記しない限り、「影響」又は「影響を受ける」という用語は(メニン/MLLタンパク質/タンパク質相互作用阻害剤の阻害によって影響を受ける疾患、症候群、状態、又は障害を指す場合)、上記疾患、症候群、状態、若しくは障害のうちの1つ以上の症状若しくは症状発現の頻度及び/若しくは重症度を減少させることを含み、並びに/又は上記疾患、症候群、状態、若しくは障害の1つ以上の症状若しくは症状発現の発症を予防することを含む。
本明細書で使用される「治療」及び「治療すること」という用語は、障害の進行の減速、中断、停止若しくは停止、又はその1つ以上の症状の改善があり得る全てのプロセスを指すことを意図しているが、必ずしも全ての症状の完全な排除を示すものではない。
実験パート
(R)-N-エチル-5-フルオロ-N-イソプロピル-2-((5-(2-(6-((2-メトキシエチル)(メチル)アミノ)-2-メチルヘキサン-3-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-1,2,4トリアジン-6-イル)オキシ)ベンズアミドビスベシル酸塩水和物の結晶形態Aの合成
当業者は、以下の実験プロトコルに明示的に言及されていない場合であっても、典型的にはカラムクロマトグラフィ精製後に、所望の画分を収集し、溶媒を蒸発させたことを理解するであろう。
立体化学が示されていない場合、これは、特に示されていないか、又は文脈から明らかでない限り、立体異性体の混合物であることを意味する。
立体中心が「RS」で示される場合、これは、別途記載のない限り、示された中心でラセミ混合物が得られたことを意味する。
当業者によって理解されるように、示されるプロトコルを使用して合成された化合物及び中間体は、溶媒和物、例えば、水和物として存在し得、かつ/又は残留溶媒若しくは微量不純物を含有し得る。塩の形態又は溶媒和物(例えば、水和物)で単離された化合物又は中間体は、整数化学量論、すなわち、単塩若しくは二塩、又は中間化学量論のものであり得る。中間体又は化合物が、HClの当量数を示さずに「HCl塩」として示される場合、これは、HClの当量数を確認しなかったことを意味する。中間体又は化合物が、HOの当量数を示さずに「水和物」として示される場合、これは、HOの当量数を確認しなかったことを意味する。
便宜上、(R)-N-エチル-5-フルオロ-N-イソプロピル-2-((5-(2-(6-((2-メトキシエチル)(メチル)アミノ)-2-メチルヘキサン-3-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-1,2,4トリアジン-6-イル)オキシ)ベンズアミド(遊離塩基)は、以下の実験パートにおいて「化合物A」として示される。
実施例1-(R)-N-エチル-5-フルオロ-N-イソプロピル-2-((5-(2-(6-((2-メトキシエチル)(メチル)アミノ)-2-メチルヘキサン-3-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-1,2,4トリアジン-6-イル)オキシ)ベンズアミド(化合物A)の合成-調製方法A
中間体1の調製
tert-ブチル(5-メチル-4-オキソヘキシル)カルバメート
-70℃に冷却したTHF(60mL)に、tert-ブチル2-オキソピロリジン-1-カルボキシラート(5.0g、27mmol)及びTMEDA(5.0mL、33mmol)を溶解した溶液に、イソプロピルマグネシウムブロミド溶液(19mL、55mmol、2-メチルテトラヒドロフラン中2.9M)をゆっくり添加し、得られた混合物をゆっくりと室温に加温し、12時間撹拌した。混合物を飽和NHCl水溶液(50mL)に注ぎ、EtOAc(50mL×3)で抽出した。合わせた有機層を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して粗生成物を得、これをFCC(PE/EtOAc=1:0~100:1)によって更に精製して、標題中間体(3.7g、収率60%)を黄色油として得た。
中間体13の調製
tert-ブチル6-(3,6-ジクロロ-1,2,4トリアジン-5-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシレート
0℃に冷却したDCM(100mL)に、3,5,6-トリクロロ-1,2,4-トリアジン(10.0g、54.2mmol)及びTEA(15.2mL、109mmol)を溶解した溶液に、tert-ブチル2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシレート(9.21g、43.4mmol)を添加し、混合物を室温に加温し、1時間撹拌した。混合物を水(20mL)で希釈し、DCM(30mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して粗生成物を得、これをシリカゲルFCC(PE/EtOAc=1:0~3:1)により精製して、標題中間体(12.0g、収率58%)を黄色固体として得た。
中間体27の調製
N-エチル-5-フルオロ-N-イソプロピル-2-メトキシベンズアミド
0℃に冷却した乾燥DCM(150mL)に、5-フルオロ-2-メトキシ安息香酸(8.00g、47.0mmol)及びN-エチルプロパン-2-アミン(8.19g、94.0mmol)を混合した混合物に、HATU(21.5g、56.5mmol)及びDIEA(9.10g、70.4mmol)を小分けにしてゆっくり添加した。得られた混合物をゆっくりと室温に温め、8時間撹拌した。有機層を水(20mL×3)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させた。濾過後、溶媒を減圧下で除去し、粗生成物をFCC(EtOAc/PE=0%~20%)により精製して、標題中間体(12.0g、収率96%)を白色固体として得た。
中間体28の調製
N-エチル-5-フルオロ-2-ヒドロキシ-N-イソプロピルベンズアミド
-78℃に冷却した乾燥DCM(100mL)に、N-エチル-5-フルオロ-N-イソプロピル-2-メトキシベンズアミド(中間体27)(12.0g、50.1mmol)を溶解した溶液に、BBr(14.4mL、152mmol)をゆっくり添加し、得られた混合物を室温にゆっくり加温し、8時間撹拌した。混合物を再び-78℃に冷却し、MeOH(5mL)を滴加して反応をクエンチした。得られた混合物をゆっくり室温に加温し、飽和NaHCO水溶液を添加することによってpH値を約8に調整した。水層をDCM(50mL×3)で抽出し、合わせた有機層を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して粗生成物を得て、これをFCC(EtOAc/PE=0%~20%)により精製して、標題中間体(9.0g、収率78%)を白色固体として得た。
中間体28の代替調製
THF(168L、12体積)に5-フルオロ-2-ヒドロキシ-安息香酸(14.0kg、89.68mol、1.0当量)を混合した混合物を15~25℃に調整し、1,1-カルボニルジイミダゾール(17.45kg、107.62mol、1.2当量)を1時間かけて添加した。添加後、混合物を15~25℃で18時間撹拌した。この時間を経た後、N-エチルプロパン-2-アミン(14.85kg、170.39mol、1.9当量)を混合物に15~25℃で2時間かけて添加した。得られた混合物を15~25℃で18~24時間にわたって更にエージングした。10%HSO水溶液(140kg、10体積)を用いてpHをpH4~5に調整し、層を分離した。温度を40℃未満に維持しながら有機相を42~56Lに濃縮し、次いで、n-ヘプタン(43kg、4.5体積)を混合物に15~25℃で3時間にわたって添加した。次いで、混合物を0~10℃に冷却し、更に6時間撹拌した。得られたスラリーを濾過し、ケーキをtert-ブチルメチルエーテル(MTBE):n-ヘプタン混合物(25kgのMTBE:n-ヘプタンの2:3体積/体積混合物、2.5体積)で洗浄した。ケーキ洗浄を更に2回繰り返し、得られた固体を真空中50℃で乾燥させて、中間体28(16.5kg、純度:99.1%、収率:80.4%)を得た。
中間体14の調製
tert-ブチル6-(3-クロロ-6-(2-(エチル(イソプロピル)カルバモイル)-4-フルオロフェノキシ)-1,2,4トリアジン-5-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシレート
THF(120mL)に、tert-ブチル6-(3,6-ジクロロ-1,2,4トリアジン-5-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシレート(中間体13)(12.0g、33.3mmol)、N-エチル-5-フルオロ-2-ヒドロキシ-N-イソプロピルベンズアミド(中間体28)(7.5g、33.3mmol)及びDBU(6.1g、40.1mmol)を混合した混合物を25℃で8時間撹拌した。混合物を水(30mL)で希釈し、DCM(30mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して粗生成物を得、これをFCC(PE/EtOAc=1:0~3:1)により精製して、標題中間体(14.0g、収率73%)を緑色固体として得た。
中間体2の調製
tert-ブチル6-(6-(2-(エチル(イソプロピル)カルバモイル)-4-フルオロフェノキシ)-1,2,4トリアジン-5-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシレート
中間体2の合成方法A
THF(500mL)に、tert-ブチル6-(3-クロロ-6-(2-(エチル(イソプロピル)カルバモイル)-4-フルオロフェノキシ)-1,2,4トリアジン-5-イル)-2、6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシレート(中間体14)(20g、36.4mmol)、NaBH(2.48g、65.7mmol)及びTMEDA(8.54g、73.5mmol)を混合した混合物に、Pd(dppf)Cl×DCM(1.70g、2.08mmol)をN雰囲気下で添加した。添加後、反応混合物を25℃で14時間撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液を濃縮し、残留物をシリカゲルFCC(EtOAc)により精製して、標題中間体(15g、純度93%、収率74%)を褐色固体として得た。
中間体2の合成方法B
MeOH(100mL)に、tert-ブチル6-(3-クロロ-6-(2-(エチル(イソプロピル)カルバモイル)-4-フルオロフェノキシ)-1,2,4トリアジン-5-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシレート(中間体14)(22.0g、40.1mmol)、TEA(15mL)を溶解した溶液に、Pd/C(湿潤、5.0g、10%)を添加した。得られた混合物をH雰囲気下(30psi)、25℃で8時間撹拌した。反応混合物をceliteパッドを通して濾過し、濾液を真空中で濃縮して、標題中間体(25.0g、粗製)を得、これを更に精製することなく次工程で直接使用した。
中間体3の調製
2-((5-(2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-1,2,4トリアジン-6-イル)オキシ)-N-エチル-5-フルオロ-N-イソプロピルベンズアミド
DCM(5mL)に、tert-ブチル6-(6-(2-(エチル(イソプロピル)カルバモイル)-4-フルオロフェノキシ)-1,2,4トリアジン-5-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシレート(中間体2)(300mg、0.583mmol)を溶解した溶液に、TFA(0.5mL、6.4mmol)を添加し、得られた混合物を室温で3時間撹拌した。次いで、10%NaOH(5mL)溶液を混合物にゆっくり添加してpH値を約12に調整し、得られた混合物をDCM(10mL×3)で抽出した。合わせた有機層を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して、標題中間体(220mg、収率90%)を白色固体として得た。
化合物61の調製
tert-ブチル(4-(6-(6-(2-(エチル(イソプロピル)カルバモイル)-4-フルオロフェノキシ)-1,2,4トリアジン-5-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-イル)-5-メチルヘキシル)カルバメート
MeOH(15mL)に、2-((5-(2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-1,2,4-トリアジン-6-イル)オキシ)-N-エチル-5-フルオロ-N-イソプロピルベンズアミド(中間体3)(1.0g、2.4mmol)、tert-ブチル(5-メチル-4-オキソヘキシル)カルバメート(中間体1)(830mg、3.62mmol)及びZnCl(660mg、4.84mmol)を混合した混合物を80℃で0.5時間撹拌した。次いで、NaBHCN(310mg、4.93mmol)を添加し、得られた混合物を80℃で6時間撹拌した。室温に冷却した後、混合物を減圧下で濃縮して粗生成物を得、これをWaters Xbridge Prep OBDを用いた分取HPLC(カラム:C18 150×40mm10um、溶離液:ACN/HO(0.05%アンモニア)45%~75%v/v)により更に精製して、標題化合物(700mg、収率46%)を無色油状物として得た。
化合物62及び63の調製
tert-ブチル(R)-(4-(6-(6-(2-(エチル(イソプロピル)カルバモイル)-4-フルオロフェノキシ)-1,2,4トリアジン-5-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-イル)-5-メチルヘキシル)カルバメート
tert-ブチル(S)-(4-(6-(6-(2-(エチル(イソプロピル)カルバモイル)-4-フルオロフェノキシ)-1,2,4トリアジン-5-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-イル)-5-メチルヘキシル)カルバメート
tert-ブチル(4-(6-(6-(2-(エチル(イソプロピル)カルバモイル)-4-フルオロフェノキシ)-1,2,4-トリアジン-5-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-イル)-5-メチルヘキシル)カルバマート(化合物61)(200mg、0.319mmol)を、DAICEL CHIRALPAK IG(カラム:250×30mm10um、定組成溶離:EtOH(0.1%の25%アンモニアを含有する):超臨界CO、40%:60%(v/v))を用いたSFCにより精製して、標題化合物(化合物62)(85mg、収率42%)及び(化合物63)(80mg、収率40%)をいずれも淡黄色油状物として得た。
化合物64
(R)-2-((5-(2-(6-アミノ-2-メチルヘキサン-3-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-1,2,4トリアジン-6-イル)オキシ)-N-エチル-5-フルオロ-N-イソプロピルベンズアミド
DCM(4mL)に、tert-ブチル(R)-(4-(6-(6-(2-(エチル(イソプロピル)カルバモイル)-4-フルオロフェノキシ)-1,2,4トリアジン-5-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-イル)-5-メチルヘキシル)カルバメート(化合物62)(550mg、0.876mmol)を溶解した溶液に、TFA(4mL)をゆっくり添加し、得られた混合物を25℃で1時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮して残渣を得た。残渣をDCM(40mL)で希釈し、pH値をNaOH水溶液(2M、16mL)を用いて約12に調整した。水層をDCMで抽出した(100mL×2)。合わせた有機層を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して、標題化合物(460mg、粗製)を黄色固体として得、これを更に精製することなく次工程で直接使用した。
化合物11
(R)-N-エチル-5-フルオロ-N-イソプロピル-2-((5-(2-(6-((2-メトキシエチル)アミノ)-2-メチルヘキサン-3-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-1,2,4トリアジン-6-イル)オキシ)ベンズアミド
DMF(1mL)に、(R)-2-((5-(2-(6-アミノ-2-メチルヘキサン-3-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-1,2,4トリアジン-6-イル)オキシ)-N-エチル-5-フルオロ-N-イソプロピルベンズアミド(化合物64)(120mg、粗製)、1-ブロモ-2-メトキシエタン(32mg、0.23mmol)、CsCO(222mg、0.681mmol)、NaI(102mg、0.680mmol)を混合した混合物を、マイクロ波照射によって80℃で1時間撹拌した。室温に冷却した後、混合物をHO(10mL)で希釈し、EtOAc(3×10mL)で抽出した。合わせた有機層をHO(10mL)で洗浄し、NaSOで脱水し、濾過し、減圧下に濃縮して粗生成物を得、それを更に、Phenomenex Gemini-NX(カラム:150×30mm5μm、溶離液:ACN/HO(10mM NHHCO)51%~71%(v/v))を用いたHPLCにより精製し、更に、DAICEL CHIRALCEL OD-H(カラム:250×30mm5um、溶出液:EtOH中の超臨界CO(0.1%v/vアンモニア)25/25、v/v)を用いたSFCにより精製して、標題化合物(5.13mg、純度96%)を黄色固体として得た。
LC-MS(ESI)(方法1):R=2.997分、m/z実測値586.3[M+H]
化合物A
(R)-N-エチル-5-フルオロ-N-イソプロピル-2-((5-(2-(6-((2-メトキシエチル)(メチル)アミノ)-2-メチルヘキサン-3-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-1,2,4トリアジン-6-イル)オキシ)ベンズアミド
無水MeOH(2mL)に、(R-N-エチル-5-フルオロ-N-イソプロピル-2-((5-(2-(6-((2-メトキシエチル)アミノ)-2-メチルヘキサン-3-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-1,2,4-トリアジン-6-イル)オキシ)ベンズアミド(化合物11)(40.0mg、0.068mmol)、ホルムアルデヒド(55.4mg、0.683mol、水中37%)及びAcOH(8.2mg、0.137mmol)を混合した混合物を、45℃で1時間撹拌した。次いで、NaBHCN(8.6mg、0.137mmol)を混合物に添加し、得られた混合物を45℃で更に1時間撹拌した。室温に冷却した後、反応混合物を飽和NaHCO水溶液(40mL)で希釈して、pH値を約8に調整し、更にDCM(20mL×3)で抽出した。合わせた有機層を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して粗生成物を得、これをBoston Prime(カラム:C18 150×30mm 5um、移動相A:HO(0.04%アンモニア+10mM NHHCO)、移動相B:ACN、流速:25mL/分、50%~80%(50%B~80%B)の勾配条件B/A)を用いた分取HPLCにより精製して、標題化合物(9.62mg、純度99.10%、収率23.3%)を黄色油状物として得た。
実施例2-(R)-N-エチル-5-フルオロ-N-イソプロピル-2-((5-(2-(6-((2-メトキシエチル)(メチル)アミノ)-2-メチルヘキサン-3-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-1,2,4トリアジン-6-イル)オキシ)ベンズアミド(化合物A)の合成-調製方法B
中間体7の調製
4-((tert-ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ)ブタン酸
MeOH(30mL)に、4-(メチルアミノ)ブタン酸塩酸塩(3.0g、19.5mmol)及びTEA(7.78mL、58.6mmol)を溶解した溶液に、BocO(4.69g、21.5mmol)を滴下した。混合物を室温で2時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し、残渣をEtOAc(100mL)で希釈し、冷却した0.1N HCl(70mL×2)、HO(50mL×2)及びブライン(50mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、標題中間体(1.80g、粗製)を無色油状物として得た。
中間体8の調製
tert-ブチル(4-(メトキシ(メチル)アミノ)-4-オキソブチル)(メチル)カルバメート
CHCl(30mL)に、4-((tert-ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ)ブタン酸(中間体7)(1.80g、粗製)を溶解した溶液に、N,O-ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(960mg、9.84mmol)、HOBt(1.24g、9.18mmol)及びNMM(2.80mL、25.1mmol)を添加した。次いで、EDCI(2.23g、11.6mmol)を添加し、反応混合物を室温で4時間撹拌した。反応混合物をDCM(100mL)で希釈し、1N HCl(30mL×3)、飽和NaHCO水溶液(30mL×3)及びブライン(30mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮して、標題中間体(1.70g、粗製)を無色油状物として得た。
中間体9の調製
tert-ブチルメチル(5-メチル-4-オキソヘキシル)カルバメート
雰囲気下、-70℃に冷却したTHF(5mL)に、tert-ブチル(4-(メトキシ(メチル)アミノ)-4-オキソブチル)(メチル)カルバメート(中間体8)(200mg、粗製)を溶解した溶液に、イソプロピルリチウム(ペンタン中3.2mL、2.24mmol、0.7M)を滴下した。得られた混合物を-70℃で2時間撹拌した。混合物を飽和NHCl水溶液(15mL)でクエンチし、EtOAc(30mL×2)で抽出した。合わせた有機層をブライン(30mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して粗生成物を得た。粗生成物をFCC(PE/EtOAc=10:1)により更に精製して、標題中間体(60mg)を無色油状物として得た。
化合物60の調製
tert-ブチル(4-(6-(6-(2-(エチル(イソプロピル)カルバモイル)-4-フルオロフェノキシ)-1,2,4トリアジン-5-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-イル)-5-メチルヘキシル)(メチル)カルバメート
MeOH(50mL)に、2-((5-(2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-1,2,4トリアジン-6-イル)オキシ)-N-エチル-5-フルオロ-N-イソプロピルベンズアミド(中間体3)(600mg、1.45mmol)及びtert-ブチルメチル(5-メチル-4-オキソヘキシル)カルバメート(中間体9)(330mg、1.37mmol)を溶解した溶液にZnCl(789mg、5.79mmol)を添加した。得られた混合物を80℃で2時間撹拌した。次いで、NaBHCN(729mg、11.6mmol)を添加し、反応混合物を80℃で一晩撹拌した。室温に冷却した後、混合物を減圧下で濃縮して粗残渣を得、これをDCM(50mL)で希釈し、飽和NHCl水溶液(50mL)でクエンチし、DCM(50mL×3)で抽出した。合わせた有機層を食塩水(50mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧下で濃縮して粗生成物を得、これをFCC(DCM/MeOH=10:1)により更に精製して、標題化合物(400mg、収率42%)が白色固体として得た。
化合物67
N-エチル-5-フルオロ-N-イソプロピル-2-((5-(2-(2-メチル-6-(メチルアミノ)ヘキサン-3-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-1,2,4トリアジン-6-イル)オキシ)ベンズアミドヒドロクロリド
DCM(10mL)に、tert-ブチル(4-(6-(6-(2-(エチル(イソプロピル)カルバモイル)-4-フルオロフェノキシ)-1,2,4トリアジン-5-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-イル)-5-メチルヘキシル)(メチル)カルバメート(化合物60)(1g、1.56mmol)を溶解した溶液に、ジオキサン中の4M HCl(5mL、20mmol)を添加し、得られた混合物を室温で1時間撹拌した。反応混合物を真空中で濃縮して、標題化合物(960mg、粗製、HCl塩)を得、これを更に精製することなく次工程で直接使用した。
化合物A
(R)-N-エチル-5-フルオロ-N-イソプロピル-2-((5-(2-(6-((2-メトキシエチル)(メチル)アミノ)-2-メチルヘキサン-3-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-1,2,4トリアジン-6-イル)オキシ)ベンズアミド
DMF(5mL)に、N-エチル-5-フルオロ-N-イソプロピル-2-((5-(2-(2-メチル-6-(メチルアミノ)ヘキサン-3-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-1,2,4トリアジン-6-イル)オキシ)ベンズアミドヒドロクロリド(化合物67)(480mg、粗製)、KCO(700mg、5.07mmol)及びNaI(400mg、2.67mmol)を混合した混合物に、1-ブロモ-2-メトキシエタン(230mg、1.65mmol)を添加した。得られた混合物を50℃で一晩撹拌した。室温に冷却した後、反応混合物をHO(30mL)でクエンチし、DCM(30mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(30mL×3)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して粗残渣を得た。残渣をFCC(DCM/MeOH=10:1)によって精製し、N-エチル-5-フルオロ-N-イソプロピル-2-((5-(2-(6-((2-メトキシエチル)(メチル)アミノ)-2-メチルヘキサン-3-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-1,2,4トリアジン-6-イル)オキシ)ベンズアミド(化合物68)(250mg、収率48%)を黄色油状物として得た。
N-エチル-5-フルオロ-N-イソプロピル-2-((5-(2-(6-((2-メトキシエチル)(メチル)アミノ)-2-メチルヘキサン-3-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-1,2,4トリアジン-6-イル)オキシ)ベンズアミド(化合物68)(方法Bによって得られたいくつかのバッチから合わせて960mg)を、最初に、DAICEL CHIRALPAK IG(カラム:250×30mm 10um、移動相:A:超臨界CO、B:EtOH(0.1%アンモニア)、A:B=40:60、60mL/分)を用いるSFCにより精製し、更に、Boston Prime(カラム:150×30mm 5um、移動相A:HO(10mM NHHCO)、移動相B:ACN、流量:25mL/分、勾配条件B/A 55%~85%)を用いる分取HPLCにより精製して、標題化合物(270mg)を無色油状物として得た。
H NMR(400MHz,メタノール-d):δ=8.40(s,1H),7.47-7.32(m,1H),7.30-7.10(m,2H),4.24-4.01(m,2H),3.89-3.60(m,3H),3.48(br s,3H),2.63-2.51(m,2H),2.43-2.32(m,2H),2.29-2.07(m,6H),1.86-1.72(m,1H),1.62-1.44(m,2H),1.39-1.02(m,10H),0.99-0.66(m,9H).いくつかのプロトンは溶媒ピークによって隠れており、記録されていない。
LCMS(ESI)(方法2):R=1.965分、m/z実測値600.3[M+H]
SFC(方法11):R=4.904分。
実施例3-(R)-N-エチル-5-フルオロ-N-イソプロピル-2-((5-(2-(6-((2-メトキシエチル)(メチル)アミノ)-2-メチルヘキサン-3-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-1,2,4トリアジン-6-イル)オキシ)ベンズアミド(化合物A)の合成-調製方法C
中間体227の調製
tert-ブチル(R)-(1-(2,2-ジメチル-4,6-ジオキソ-1,3-ジオキサン-5-イル)-3-メチルブタン-2-イル)カルバメート
-10~0℃で予備冷却したDCM(607kg)中のBoc-L-バリン(44.9kg)、2,2-ジメチル-1,3-ジオキサン-4,6-ジオン(32.9kg)及びDMAP(35.5kg)を、DCM(613kg)にDCC(55.5kg)を溶解した溶液に3時間にわたって添加し、-10~0℃で16時間エージンした。温度を10℃未満に維持しながら、10%クエン酸水溶液(449kg)を添加した。得られたスラリーを0から10℃で2時間エージングし、次いで濾過した。濾過ケーキをDCM(91kg)で洗浄した。濾液を分離し、有機層を10%クエン酸水溶液(450kgで2回)及び10%NaCl水溶液(449kg)で洗浄した。有機相(1200kg)に、温度を-10~0℃に維持しながら酢酸(75.0kg)を添加した。水素化ホウ素ナトリウム(18.0kg)を、温度を-10℃~0℃の範囲に維持しながら5時間にわたって小分けにして添加し、次いで、得られた混合物を-10℃~0℃で更に16時間エージングした。混合物を15~25℃に加温し、2時間エージングした。次いで、混合物を14%NaCl水溶液(450kg)で洗浄し、続いて14%NaCl水溶液(432kg)で2回目の洗浄を行い、最後に水で洗浄した(444kg)。有機相を減圧下で2~4体積まで濃縮した。イソ-プロパノール(143kg)を残渣に添加し、減圧下で4~5体積まで濃縮した。-10~0℃に冷却し、8時間エージングした後、得られたスラリーを濾過し、IPA(38kg)で洗浄し、乾燥させて、標題中間体(46.7kg、収率69%)を白色固体として得た。
中間体228の調製
tert-ブチル(R)-2-イソプロピル-5-オキソピロリジン-1-カルボキシレート
トルエン(333kg)中のtert-ブチル(R)-(1-(2,2-ジメチル-4,6-ジオキソ-1,3-ジオキサン-5-イル)-3-メチルブタン-2-イル)カルバメート(中間体227)(46.7kg)を加熱還流し、4時間エージングした。混合物を周囲温度に冷却し、濾過し、トルエン(20kg)で洗浄した。合わせた濾液を減圧下で濃縮乾固して、所望の化合物(31.05kg、収率96%)を油状物として得、これを更に精製することなく直接使用した。
中間体229の調製
tert-ブチル(5R)-2-ヒドロキシ-5-イソプロピルピロリジン-1-カルボキシレート
2-MeTHF(26.7kg)中のtert-ブチル(R)-2-イソプロピル-5-オキソピロリジン-1-カルボキシレート(中間体228)(30.9kg)を-5~5℃に冷却した。LiBHの2-MeTHF溶液(1M,45.2kg,54.4mol)を3時間にわたって添加し、混合物を4時間エージングした。5%NaHCOの冷水溶液(163kg)を-5~5℃で3時間にわたって添加し、更に2時間エージングした。混合物を周囲温度に加温し、更に2時間エージングした。水層を分離し、有機層を10%NaCl水溶液(170kg)及び水(155kg)で洗浄した。水洗浄中に、エマルジョンが形成され、分離させるために固体NaCl(3.1kg)を添加した。水層を除去した後、有機層を減圧下で濃縮乾固して、所望の化合物(28.5kg、収率91%)を油状物として得、これを更に精製することなく直接使用した。
中間体230の調製
tert-ブチル(R)-(6-((2-メトキシエチル)(メチル)アミノ)-2-メチルヘキサン-3-イル)カルバメート
DCM(344kg)中のtert-ブチル(5R)-2-ヒドロキシ-5-イソプロピルピロリジン-1-カルボキシレート(中間体229)(28.55kg)を15~25℃で2-メトキシ-N-メチルエタン-1-アミン(12.3kg、138.0mol)で処理し、得られた混合物を1時間エージングした。ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(40.12kg)を、温度を15~25℃の間に維持しながら5時間にわたって小分けにして添加し、得られた混合物を48時間エージングした。温度を15~25℃の間に維持しながら、8%NaOH水溶液(184kg)を2時間にわたって添加することによって反応混合物をクエンチし、混合物を更に2時間エージングした。水層を分離し、有機層を水(169kg)で洗浄した。次いで、有機層を減圧下で濃縮乾固して、標題中間体(33.26kg、収率88%)を油状物として得、これを更に精製することなく直接使用した。
中間体231の調製
(R)-N-(2-メトキシエチル)-N,5-ジメチルヘキサン-1,4-ジアミン、二塩酸塩
イソプロパノール(84.80kg)にHClを溶解した4モル溶液に、イソプロパノール(25.6kg)にtert-ブチル(R)-(6-((2-メトキシエチル)(メチル)アミノ)-2-メチルヘキサン-3-イル)カルバメート(中間体230)(32.38kg)を溶解した溶液を周囲温度で3時間にわたって添加し、混合物を周囲温度で更に19時間エージングした。次いで、メチルtert-ブチルエーテル(95.25kg)を1時間にわたって添加し、混合物を2.5時間エージングした。得られたスラリーを濾過し、MTBE(53kg)で洗浄した。濾過ケーキを乾燥させて、標題化合物(23.92kg、収率81%)を白色固体として得た。
中間体232の調製
エチル1-ベンジル-3-(クロロメチル)ピロリジン-3-カルボキシレート
-35~-25℃に冷却したTHF(6L)にDIPEA(952g、1.1当量)を溶解した溶液に、-25℃未満に温度を維持しながらn-BuLi(2.33kg、ヘキサン中2.5M、1.0当量)を添加した。得られた混合物を-35~-25℃で更に30分間エージングし、次いで-78~-60℃に冷却した。THF(2L)にエチル1-ベンジルピロリジン-3-カルボキシレート(2kg、1.0当量)を溶解した溶液を-78~-60℃で添加し、更に30分間撹拌した。次いで、クロロヨードメタン(1.81kg、1.2当量)を-78~-60℃で投入した。反応混合物を-60~-40℃で2時間エージングした。反応混合物を0~10℃の温度でクエン酸水溶液(6L HO中660g)に添加し、得られた混合物を20~30℃で更に20分間エージングした。層を分離した後、水層をEtOAc(6L)で抽出し、合わせた有機層をブライン(6L)で洗浄し、次いで50~60℃に加温した。シュウ酸(2.22kg)を50~60℃で投入した。得られた混合物を50~60℃で3時間撹拌し、次いで、20~30℃に冷却し、一晩エージングした。得られた固体を濾過し、ケーキを酢酸エチル(2L)で洗浄した。ウェットケーキをトルエン(4L)、HO(8L)及びKPO(1.5当量)に添加し、得られた混合物を20~30℃で20分間エージングした。層を分離した後、水層をトルエン(2L)で抽出した。有機層を合わせ、水(2L)で2回洗浄した。有機相を減圧下で濃縮して、4.2kgの所望の化合物をトルエン溶液として得た(アッセイにより46重量%、アッセイ収率80%)。
中間体233の調製
1-ベンジル-3-(クロロメチル)ピロリジン-3-カルバルデヒド
流動化学システムで反応を行った。すなわち、トルエン(26L)にエチル1-ベンジル-3-(クロロメチル)ピロリジン-3-カルボキシレート(中間体232)(4.4kg)を溶解した溶液を26.7mL/分で圧送し、-60℃に冷却した。冷却後、次いで、これをトルエンにDIBAL-H(28.1mol)を溶解した冷却溶液と-60℃(28L)で32.1mL/分のポンプ流量で混合した。混合物を-60℃でパーフルオロアルコキシ(PFA)コイル管反応器に通した(合計流量58.8mL/分、滞留時間5秒)。得られた混合物を冷却したMeOH(-60℃)と混合し、これを15.2mL/分の速度で圧送した。この混合溶液を別のPFAコイルチューブリアクタに-60℃で圧送した(合計流速74mL/分、滞留時間5秒)。得られた混合物を、20重量%のロッシェル塩水溶液(20V)が入ったレシーバーに回収した。層を分離し、有機相を水で2回洗浄した(2×44L)。有機相を、同様の方法で調製した別の3.0kgのバッチと合わせ、減圧下で濃縮して、20.8kgの所望の化合物のトルエン溶液を得(HPLCによるアッセイで25.5重量%、アッセイ収率85%が得られた)、これを更に精製することなく直接使用した。
H NMR(300MHz,Chloroform-d):δ 9.62(s,1H),7.39-7.20(m,5H),3.83-3.57(m,4H),2.96(d,J=10.2Hz,1H),2.80-2.55(m,3H),2.17(ddd,J=13.9,7.9,6.1Hz,1H),1.83(ddd,J=13.4,7.8,5.5Hz,1H)。
中間体234の調製
(R)-4-(6-ベンジル-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-イル)-N-(2-メトキシエチル)-N,5-ジメチルヘキサン-1-アミン
トルエン(30L)及び(R)-N-(2-メトキシエチル)-N,5-ジメチルヘキサン-1,4-ジアミン、二塩酸塩(中間体231)(3.47kg)で希釈した、トルエン(3.0kg、10重量%)に1-ベンジル-3-(クロロメチル)ピロリジン-3-カルバルデヒド(中間体233)を溶解した溶液に、トリエチルアミン(2.55kg、25.2mol)を20~30℃で添加した。得られた混合物を20~30℃で2時間エージングした。次いで、ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(9.0kg)を20~30℃で投入し、混合物を12時間エージングした。反応混合物を5~15℃に冷却し、温度を35℃未満に維持しながら25重量%NaOH水溶液(25L、約16.75当量)を添加した。得られた混合物を20~30℃で25分間エージングし、層を分離した。有機層を15重量%のNaCl水溶液(10L)で洗浄し、層を再度分離し、水(18L)を有機相に投入した。水相のpHを、4M HCl水溶液を用いて、内部温度を35℃未満に維持しながら、6~7に調整した。次いで、有機相を廃棄し、水相を分離し、KHPOでpH8~9に塩基性化した。
得られた混合物を50~55℃に加温し、3時間エージングした。次いで、反応混合物を周囲温度に冷却し、他の2つのバッチ(2.4kg+3.0kg)と合わせた。合わせた流れをメチルtert-ブチルエーテルで3回洗浄した(3×40L)。得られた水層に更なるメチルtert-ブチルエーテル(83L)を添加し、水相を8重量%のNaOH水溶液を用いて、15~35℃の温度を維持しながら、pH9~10に塩基性化した。水層を分離し、有機層を水で3回洗浄した(3×30L)。次いで、有機層を減圧下で約3体積まで濃縮し、次いで、メタノールで3回フラッシングし(3×30L)、濃縮乾固して、所望の中間体(12.4kg、単離収率90%)を淡黄色油状物として得、これを更に精製することなく直接使用した。
中間体234a(中間体234のクエン酸塩)の調製
EtOH(80mL)及び中間体234(20g)を丸底フラスコに添加した。次に、EtOHにクエン酸を溶解した0.5M溶液(100mL、1当量)を丸底フラスコ中の混合物に室温で添加した。その後、混合物を乾燥するまで蒸発させた(ロータリーエバポレーター、40℃)。アセトニトリル(200mL)を残渣に添加し、混合物を乾燥するまで蒸発させた(ロータリーエバポレーター、40℃)。アセトニトリル(100mL)を残渣に添加し、室温で磁気加熱プレートを用いて一晩撹拌した。最後に、中間体234aを濾別し、室温で乾燥させた。
中間体234(中間体234b)のクエン酸塩の結晶形態の調製
中間体234a(3.72g)を室温でアセトニトリル(20mL)に添加し、混合物を撹拌した。反応混合物が均一になるまで、混合物を60℃に加熱した(約10分)。次に、混合物を0.5℃/分の速度で50℃まで冷却した。次に、シードを添加し(19mgの中間体234a、0.5 w/w%)、混合物を撹拌しながら3時間30分間エージングした。次に、混合物を8時間かけて20℃まで指数2、3で非線形に冷却した。得られた混合物を一晩撹拌し、生成物を濾別し、乾燥させた(フード内で室温で一晩)。
単離後、中間体234b(2.75g;収率73.9%)を中間体234のクエン酸塩の結晶形態として得た。得られた中間体/クエン酸の比は3/2(NMR)である。
上記の非線形冷却は、以下の式に従って行われた。
規定の冷却期間中、30秒毎に新しい線形ランプが開始される。ランプは、以下の式に従って計算される。
set:各新規ランプの設定値
start value:冷却軌跡開始時の混合物温度の測定値
end value:冷却軌跡の終了規定値
action:冷却開始からの実時間
Duration:定義された冷却持続時間
n:指数
H NMR(400MHz,MeOH-d)δ ppm 0.91(3 H,d,J=6.88Hz)0.98(3 H,d,J=6.88Hz)1.46-1.57(2 H,m)1.67-1.87(2 H,m)1.94-2.03(1 H,m)2.20-2.29(2 H,m)2.62-2.69(2 H,m)2.72-2.77(4 H,m)2.77-2.82(2 H,m)2.90(2 H,t,J=7.32Hz)2.95-3.02(2 H,m)3.07-3.16(2 H,m)3.16-3.22(2 H,m)3.37(3 H,s)3.68-3.72(2 H,m)3.83-3.89(2 H,m)3.90-3.92(2 H,m)3.94-4.06(2 H,m)7.32-7.43(5 H,m)。
中間体224の調製
(R)-N-(2-メトキシエチル)-N,5-ジメチル-4-(2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-イル)ヘキサン-1-アミン
-5~5℃に冷却したEtOH(1.47kg)中の水酸化パラジウム炭素(1.2kg)に、メタンスルホン酸(MSA)(11kg)、(R)-4-(6-ベンジル-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-イル-N-(2-メトキシエチル)-N,5-ジメチルヘキサン-1-アミン(中間体234)(10kg)及びEtOH(250L)を添加した。混合物を35~45℃に加温し、水素雰囲気(0.27~0.40MPa)下で16~20時間撹拌した。混合物を珪藻土(20kg)で濾過し、パッドをEtOH(24L)で洗浄した。濾液を減圧下(40℃未満)で2~3体積まで濃縮し、次いで、2-MeTHF(73kg及び47kg)で2回フラッシングして、2~3体積の溶液を得た。2-MeTHF(65kg)で希釈した後、10%硫酸ナトリウム水溶液(30kg)を添加し、混合物を0~10℃に冷却し、続いて16%NaOH水溶液(50kg)を添加してpHを13~14に調整した。温度を15~25℃に調整し、30~60分間撹拌した。水層を分離し、2-MeTHF(47kg×2)で2回抽出した。合わせた有機層を減圧下(40℃未満)で3~4体積に濃縮し、2-MeTHF(950g)を添加した。減圧下(40℃未満)で3~4体積に濃縮した後、得られた溶液を2-MeTHF(30kg)で希釈し、4Aモレキュラーシーブ(25kg)に通して乾燥させ、2-MeTHF(30kg)で洗浄した。最終溶液を濃縮して、79%補正収率で90.1%のアッセイ純度を有する油状体として所望の化合物(6.7kg)が得られた。
中間体225の調製
(R)-4-(6-(3,6-ジクロロ-1,2,4トリアジン-5-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-イル)-N-(2-メトキシエチル)-N,5-ジメチルヘキサン-1-アミン
(R)-N-(2-メトキシエチル)-N,5-ジメチル-4-(2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-イル)ヘキサン-1-アミン(中間体224)(100g)に、2-MeTHF(430g)及びTEA(68g)を添加し、混合物を-50~-40℃に冷却した。2-MeTHF(172g)中の3,5,6-トリクロロ-1,2,4-トリアジン(62g)を添加し、混合物を1~3時間撹拌した。得られた混合物を-20~-10℃に加温し、7%NaHCO水溶液を添加し、混合物を20~30℃に加温し、30~60分間撹拌した。水層を除去し、有機層を10%NaSO(500g)で洗浄した。有機層を4Åモレキュラーシーブ(220g)に通して乾燥させ、2-MeTHF(180g)で洗浄した。標題中間体を、アッセイ収率90%で、2-14.8重量%のMeTHFの溶液として得た。
化合物393
(R)-2-((3-クロロ-5-(2-(6-((2-メトキシエチル)(メチル)アミノ)-2-メチルヘキサン-3-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-1,2,4トリアジン-6-イル)オキシ)-N-エチル-5-フルオロ-N-イソプロピル-ベンズアミド
化合物393の合成方法A
無水THF(15mL)に、N-エチル-5-フルオロ-2-ヒドロキシ-N-イソプロピルベンズアミド(中間体28)(1.10g、4.88mmol)、(R)-4-(6-(3,6-ジクロロ-1,2,4トリアジン-5-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-イル)-N-(2-メトキシエチル)-N,5-ジメチルヘキサン-1-アミン(中間体225)(1.70g、3.82mmol)及びDBU(750mg、4.93mmol)を混合した混合物を40℃で8時間撹拌した。室温に冷却した後、混合物を減圧下で濃縮し、得られた残渣をDCM(60mL)で希釈し、HO(20mL×3)で洗浄した。×有機層を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して粗生成物を得、これを精製FCC(MeOH/DCM=0%~10%)により精製して黄色油状物(1.40g)を得、これを更に、DAICEL CHIRALPAK AD(カラム:250×50mm、10μm×移動相:A:超臨界CO、B:EtOH(0.1%アンモニア)、70mL/分でA:B=50:50;カラム温度:38℃;ノズル圧力:100バール;ノズル温度:60℃;蒸発器温度:20℃;トリマー温度:25℃;波長:220nm)を用いるSFCにより分離して、標題化合物(1.0g)を得た。
化合物393の合成方法A
20~30℃の2-MeTHF(40g)に、(R)-4-(6-(3,6-ジクロロ-1,2,4トリアジン-5-イル)-2,6-ジアゾスピロ[3.4]オクタン-2-イル)-N-(2-メトキシエチル)-N,5-ジメチルヘキサン-1-アミン(中間体225)(2-14.8重量%のMeTHF溶液676g、中間体225について補正すると100g)及びN-エチル-5-フルオロ-2-ヒドロキシ-N-イソプロピルベンズアミド(中間体28)(50.6g)を溶解した2-MeTHF溶液に、テトラメチルグアニジン(31g)を添加し、混合物を40~48時間撹拌した。7%NaHCO水溶液(500g)を添加し、混合物を30~60分間撹拌した。水層を除去し、有機層を4%NaOH水溶液(2×500g)で2回洗浄し、10%NaSO水溶液(500g)で1回洗浄した。有機層を減圧下(40℃未満)で2.2~3.0体積まで濃縮し、2-MeTHF及び含水量の両方が1.0%未満になるまでMeOH(1×790g及び2×395g)で3回フラッシングして、60.1重量%のメタノール溶液として86%のアッセイ収率で所望の化合物を得た。
化合物A
(R)-N-エチル-5-フルオロ-N-イソプロピル-2-((5-(2-(6-((2-メトキシエチル)(メチル)アミノ)-2-メチルヘキサン-3-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-1,2,4トリアジン-6-イル)オキシ)ベンズアミド
(R)-2-((3-クロロ-5-(2-(6-((2-メトキシエチル)(メチル)アミノ)-2-メチルヘキサン-3-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-1,2,4トリアジン-6-イル)オキシ-N-エチル-5-フルオロ-N-イソプロピルベンズアミド(化合物393)(60.1重量%のMeOH溶液163.93g、化合物393について補正すると100g)、パラジウム炭素(10g)及びMeOH(316g)のメタノール溶液を、水素雰囲気(0.20から0.30MPa)下、20~30℃で18時間撹拌した。混合物を珪藻土(75g)で濾過し、ケーキをMeOH(158g)で洗浄した。濾液を減圧下(40℃未満)で約3体積に濃縮し、次いで、酢酸イソプロピル(IPAc、870g)でフラッシュして約3体積に濃縮した。次いで、混合物をIPAc(696g)で希釈し、20%NaCO水溶液を添加した(500g)。混合物を30~60分間撹拌した。水層を除去した。有機層を水(500g)で洗浄し、次いで、45℃未満の減圧下で約3体積に濃縮した。48.1重量%のIPAc溶液として、約90%のアッセイ収率で標題中間体を得た。
実施例4-(R)-N-エチル-5-フルオロ-N-イソプロピル-2-((5-(2-(6-((2-メトキシエチル)(メチル)アミノ)-2-メチルヘキサン-3-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-1,2,4トリアジン-6-イル)オキシ)ベンズアミドオキサレート(化合物A3)の合成
化合物A3
20mLのACN(20mL)に(R)-N-エチル-5-フルオロ-N-イソプロピル-2-((5-(2-(6-((2-メトキシエチル)(メチル)アミノ)-2-メチルヘキサン-3-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-1,2,4トリアジン-6-イル)オキシ)ベンズアミド(化合物A)(270mg、0.450mmol)を溶解した溶液に、シュウ酸(81.0mg、0.900mmol)を添加した。添加後、反応混合物を室温で1時間撹拌した。次いで、反応混合物を濃縮し、残渣をACN及び脱イオン水に再溶解し、凍結乾燥させて、標題化合物(350mg)を白色固体として得た。
H NMR(400MHz,Methanol-d):δ=8.48(s,1H),7.52-7.11(m,3H),4.54-3.64(m,12H),3.40-3.34(m,5H),3.23-3.13(m,2H),2.90(s,3H),2.54-2.27(m,2H),2.19-2.03(m,1H),1.97-1.77(m,2H),1.75-1.50(m,2H),1.35-0.65(m,17H)。
H NMR(400MHz,DMSO-d):δ=8.51(s,1H),7.51-7.29(m,3H),4.29-3.34(m,12H),3.23-2.84(m,7H),2.70(s,3H),2.35-2.09(m,2H),2.05-1.85(m,1H),1.81-1.58(m,2H),1.56-1.33(m,2H),1.18-0.60(m,17H)。
LCMS(ESI)(方法2):R=1.969分、m/z実測値600.4[M+H]
実施例5-化合物A1の合成
IPAc(360g)に化合物A(IPAc中48重量%溶液207.90g、活性化合物A100g)を溶解した溶液に、EtOH(63g)を20℃~25℃で添加した。次いで、溶液をEtOH(49.5g)中の濃HCl(32.9g)で約15分間にわたって処理した。混合物に結晶性化合物A1のシード(2g、2%シード負荷)を播種し、次いで、18時間エージングした。IPAc(870g)を20~25℃で4時間にわたってゆっくり添加し、スラリーを更に18時間撹拌した。約5℃に冷却した後、生成物を濾過し、IPAc(522g)で洗浄し、20~30℃で真空下で乾燥させて、弱結晶性化合物A1を白色固体として得た(収率91.0%、115.4g)。(注:反応に使用した少量のシード材料は、小規模の類似の反応プロトコルを介して得た)
再結晶:弱結晶性化合物A1(100g)、EtOH(166g)、精製水(21.5g)及びIPAc(178g)の溶液を20~30℃で0.5から2時間撹拌して、透明な溶液を得た。追加のIPAc(522g)を1~2時間にわたって滴下し、次いで、混合物に結晶性化合物A1のシード(2g、2%シード負荷)を播種した。次いで、混合物を18~20時間エージングし、IPAc(348g)を20~30℃で12時間にわたってゆっくり添加し、スラリーを更に55~60時間撹拌した。生成物を濾過し、IPAc(158g)で洗浄し、20~30℃で真空中で乾燥させて、化合物A1を白色固体(収率85%、正味85.0g)として得た。
HNMR(DMSO-d,400MHz):δ=11.60(1H,brs),10.8(1H,brs),8.52(1H,s),7.36(3H,m),3.97-4.20(7H,m),3.64-3.71(4H,m),3.47(7H,m),3.25(2H,m),3.05(3H,m),2.73(3H,s),2.10-2.45(1H,m),1.99(1H,m),1.78(2H,m),1.55(2H,m),0.83-1.12(12H,m),0.70(2H,m)。
LCMS(方法7):R=0.669分、m/z実測値600.5[M+H]
実施例6-(R)-N-エチル-5-フルオロ-N-イソプロピル-2-((5-(2-(6-((2-メトキシエチル)(メチル)アミノ)-2-メチルヘキサン-3-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-1,2,4トリアジン-6-イル)オキシ)ベンズアミドビスベシル酸塩水和物(化合物A4)の結晶形態Aの合成(水当量は求めず)
43.06gのベンゼンスルホン酸(遊離塩基化合物Aに対して2当量)をアセトン/水95/5v/v混合物840mLに添加し、溶解した。IPAcに化合物A(80gのAPIを含有する)を溶解した溶液192.8gを添加した。材料が溶解し、透明な溶液が得られた。更にIPAc80mLを添加し、温度を25℃に調整した。2%のシードを添加し、混合物を25℃で1時間撹拌した。次いで、28.8V(2312mL)のIPAcを8時間かけて添加した。その後、懸濁液を25℃で18時間撹拌した。懸濁液を濾過し、アセトン/水/IPAc 23.75/1.75/75 v/v/vの混合物320mLで洗浄した。122.91gの結晶形態Aビスーベシラート水和物(水当量は求めず)を得た。
当業者は、上記の反応で使用される少量の初期シード材料が、小規模の同様の反応プロトコルを介して、シードを添加することなく、自発的な核形成を待つことによって得られることを理解するであろう。
塩スクリーニング実験中に、ベシル酸塩の最初のシードも得た。これらの実験では、100mgの遊離塩基を2mLバイアルに量り入れ、次いで200μLの酢酸エチル又はアセトンを添加して遊離塩基を溶解した。1当量の対イオン(ベンゼンスルホン酸)を試料に添加し、試料を25℃で3日間撹拌した。得られた懸濁液を遠心分離し、初期シードを得た。
適切な量の結晶形態Aの(R)-N-エチル-5-フルオロ-N-イソプロピル-2-((5-(2-(6-((2-メトキシエチル)(メチル)アミノ)-2-メチルヘキサン-3-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-1,2,4トリアジン-6-イル)オキシ)ベンズアミドビスベシル酸塩水和物を重水素化DMSOに溶解し、1D H NMRスペクトルを記録した。
Bruker 5mm PA BBO 600S3 BB-H-D-05 Z-GRD高分解能プローブを備え、TOPSPIN 4.0ソフトウェアを実行するBruker AVANCE NEO-600MHz NMR分光計を使用して、重水素化DMSO中の試料上の300Kでの一次元プロトン実験を収集した。
H NMR(600MHz,DMSO-d)δ ppm 0.69(br s,2 H)0.82-0.98(m,9 H)1.07(br s,4 H)1.31-1.46(m,1 H)1.51(br d,J=2.91Hz,1 H)1.69(br d,J=3.45Hz,2 H)1.98(br s,1 H)2.06-2.45(m,2 H)2.77(br s,3 H)2.87-3.19(m,3 H)3.24(br s,1 H)3.31(s,6 H)3.64(br s,4 H)3.71-4.59(m,7 H)7.24-7.54(m,9 H)7.61(br d,J=7.27Hz,4 H)8.45-8.60(m,1 H)9.24(br s,1 H)9.44-9.82(m,1 H)。
実施例7-(R)-N-エチル-5-フルオロ-N-イソプロピル-2-((5-(2-(6-((2-メトキシエチル)(メチル)アミノ)-2-メチルヘキサン-3-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-1,2,4トリアジン-6-イル)オキシ)ベンズアミドビスベシル酸塩水和物(化合物A4)の結晶形態Aの代替合成(水当量は求めず)
95/5のイソプロパノール/水の混合物(24mL)をフラスコに投入し、40℃に加熱した。ベンゼンスルホン酸(4.31g、98%)を添加した。続いて、IPAc中の19.3gの化合物Aの溶液(8gの化合物Aを含有する)を添加した。更に、IPAcを16mLを添加した。2%のシードを添加し、混合物を40℃で1時間撹拌した。次いで、IPAc(115.2mL)を8時間かけて滴下した。次に、混合物を0℃に15時間にわたって冷却した。懸濁液を濾過し、ウェットケーキを(IPA/HO 95/5)/IPAc 1/6(32mL)で洗浄した。ウェットケーキを25℃で16時間乾燥させ、結晶形態Aビスーベシラート水和物11.44gを得た(水当量は求めず)。
実施例において、化合物A4は請求項1に包含される化合物である。実施例における他の化合物は例示目的のためのものである。いくつかの中間体(例えば、中間体234b)は、特許請求されている中間体である。
上記の実験パートで使用した分析方法
上記の化合物の分析情報は、以下に記載する分析方法を使用することによって生成された。
NMR法
いくつかのNMR実験は、Bruker Avance III 400分光計を使用して周囲温度(298.6K)で、内部重水素ロックを使用し、z勾配を有するBBO 400MHz S1 5mmプローブヘッドを装備し、プロトンについては400MHz、炭素については100MHzで動作して実施した。化学シフト(δ)は、パーツ・パー・ミリオン(ppm)で報告される。J値は、Hzで表される。
いくつかのNMR実験は、周囲温度(298.6K)でVarian400-MR分光計を使用し、内部重水素ロックを使用し、z勾配を有するVarian400 4NUC PFGプローブヘッドを装備し、プロトンについては400MHz、炭素については100MHzで動作して実施した。化学シフト(δ)は、パーツ・パー・ミリオン(ppm)で報告される。J値は、Hzで表される。
いくつかのNMR実験は、Varian400-VNMRS分光計を使用して周囲温度(298.6K)で、内部重水素ロックを使用し、z勾配を有するVarian400 ASW PFGプローブヘッドを装備し、プロトンについては400MHz、炭素については100MHzで動作して実施した。化学シフト(δ)は、パーツ・パー・ミリオン(ppm)で報告される。J値は、Hzで表される。
いくつかのNMR実験は、Bruker AVANCE III HD 300分光計を周囲温度(298.6K)で使用し、内部重水素ロックを使用し、z勾配を有するPA BBO 300S1 BBF-H-D-05 Z 5mmプローブヘッドを装備し、プロトンについては300MHz、炭素については75MHzで動作して実施した。化学シフト(d)は百万分率(ppm)で報告されている。J値は、Hzで表される。
LCMS(液体クロマトグラフィ/質量分析)
一般的な手順
高速液体クロマトグラフィ(HPLC)測定は、それぞれの方法で指定されたLCポンプ、ダイオードアレイ(diode-array、DAD)又はUV検出器及びカラムを使用して実行した。必要に応じて、追加の検出器を含めた(以下の表2を参照されたい)。
カラムからの流れは、大気圧イオン源で構成された質量分析計(Mass Spectrometer、MS)にもたらされた。化合物の公称モノアイソトピック分子量(MW)の同定を可能にするイオンを得るために、調整パラメータ(例えば、走査範囲、滞留時間など)を設定することは、当業者の知識の範囲内である。適切なソフトウェアでデータ収集を実行した。
化合物は、それらの実験的保持時間(R)及びイオンによって記載される。データの表において別様に指定されない場合、報告された分子イオンは、[M+H](プロトン化分子)及び/又は[M-H](脱プロトン化分子)に相当する。化合物が直接イオン化不可能であった場合、付加物の種類は、特定される(すなわち、[M+NH、[M+HCOO]、など)。複数の同位体パターン(Br、Cl)を有する分子については、報告された値は、最も低い同位体質量に関して得られたものである。全ての結果は、使用される方法と一般的に関連する実験的不確定性を伴って得られた。
以下、「SQD」はシングル四重極検出器を、「RT」は室温を、「BEH」は架橋エチルシロキサン/シリカハイブリッドを、「HSS」は高強度シリカを、「DAD」はダイオードアレイ検出器を意味する。
分析SFC
SFC法の一般的手順
二酸化炭素(CO)を送達するためのバイナリポンプ及び改質剤によって構成される分析超臨界流体クロマトグラフィ(SFC)システム、オートサンプラー、カラムオーブン、最大400バールに耐える高圧フローセルを備えたダイオードアレイ検出器を使用してSFC測定を実行した。分析SFCの詳細を以下の表3に示す。質量分析計(MS)と構成された場合、カラムからの流れは(MS)にもたらされた。化合物の公称モノアイソトピック分子量(MW)の同定を可能にするイオンを得るために、調整パラメータ(例えば、走査範囲、滞留時間など)を設定することは、当業者の知識の範囲内である。適切なソフトウェアでデータ収集を実行した。
結晶形態中間体234b
結晶形態の中間体234bは、X線粉末回折パターンによって特徴付けることができる。
PANalytical Aeris回折計でX線粉末回折(XRPD)分析を行った。この装置は、入射ビーム及び回折ビームにそれぞれiCore及びdCore可変光学系を使用するCu-KαX線管を備えている。化合物を、バックローディング技術を使用して16mmのサンプルホルダーの空洞にロードした。
以下の方法を用いて、試料をXRPDに供した:
管:Cu:K-α(λ=1.541874Å)
発生器:電圧:45kV電流:15mA
ジオメトリ:Bragg-Brentano
走査様式:連続走査
走査範囲:4~50度
ステップサイズ:0.0217度
カウント時間:58s
スピナー回転時間:1秒
入射ビーム経路(iCore)
発散スリット:1/4°
ソーラスリット:0.04rad
マスク1:9mm
回折ビーム経路(dCore)
散乱防止スリット:9mm
照射長:10mm
ソーラスリット:0.04rad
検出器:PIXcel3D-Medipix3 1x1
当業者は、回折パターン及びピーク位置が、典型的には、使用される回折計とは実質的に無関係であり、特定の較正方法を利用するかどうかを認識するであろう。典型的には、ピーク位置は、約±0.2°2シータ以下だけ異なり得る。特定の回折ピークのそれぞれの強度(及び相対強度)はまた、以下に限定されないが、粒子サイズ、配向、試料純度などを含めた様々な要因の関数に応じて、変動することがある。
X線粉末回折パターンは、5.82、10.09及び18.42度の2シータ±0.2度の2シータにピークを含む。
X線粉末回折パターンは、5.82、8.52、9.20、10.09、11.43、13.61、14.94、15.89、17.03及び18.42度の2シータ±0.2度の2シータにピークを含む。
中間体234bは、それらのピークから選択される4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ又はそれ以上のピークを有するX線粉末回折パターンによって更に特徴付けられ得る。
中間体234bは、実質的に図4に示すX線粉末回折パターンよって更に特徴付けられ得る。
結晶形態A
(R)-N-エチル-5-フルオロ-N-イソプロピル-2-((5-(2-(6-((2-メトキシエチル)(メチル)アミノ)-2-メチルヘキサン-3-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-1,2,4トリアジン-6-イル)オキシ)ベンズアミドビスベシル酸塩水和物の結晶形態Aは、X線粉末回折パターンによってキャラクタライズすることができる。
PANalytical Empyrean回折計でX線粉末回折(XRPD)分析を行った。この装置は、入射ビーム及び回折ビームにそれぞれiCore及びdCore可変光学系を使用するCu-KαX線管を備えている。化合物を、バックローディング技術を使用して16mmのサンプルホルダーの空洞にロードした。
以下の方法を用いて、試料をXRPDに供した:
管:Cu:K-α(λ=1.541874Å)
発生器:電圧:45kV電流:40mA
ジオメトリ:Bragg-Brentano
走査様式:連続走査
走査範囲:3~35度
工程サイズ:0.0131度
カウント時間:30s
スピナー回転時間:1秒
入射ビーム経路(iCore)
プログラム 発散スリット:自動
照射長:10mm
ソーラスリット:0.03rad
マスク1:14mm
マスク2:6mm
幅:7.7mm
回折ビーム経路(dCore)
散乱防止スリット:自動
照射長:10mm
ソーラスリット:0.04rad
検出器:PIXcel3D-Medipix3 1x1
当業者は、回折パターン及びピーク位置が、典型的には、使用される回折計とは実質的に無関係であり、特定の較正方法を利用するかどうかを認識するであろう。典型的には、ピーク位置は、約±0.2°2シータ以下だけ異なり得る。特定の回折ピークのそれぞれの強度(及び相対強度)はまた、以下に限定されないが、粒子サイズ、配向、試料純度などを含めた様々な要因の関数に応じて、変動することがある。
X線粉末回折パターンは、5.4、7.2、11.1、11.9及び21.7度の2シータ±0.2度の2シータにピークを含む。X線粉末回折パターンは、13.7、14.5、14.7、15.0、16.5、17.8、19.0、19.4、20.1度2シータ±0.2度2シータから選択される少なくとも1つのピークを更に含み得る。
形態Aは、更に、表4で特定されるピークから選択される4、5、6、7、8、9個又はそれ以上のピークを有するX線粉末回折パターンによってキャラクタライズし得る。
形態Aは、更に表4で特定されるピークを含むX線粉末回折パターンによってキャラクタライズし得、ピークの相対強度は、約2%超、好ましくは約5%超、より好ましくは約10%超、より好ましくは約15%超である。しかしながら、当業者は、ピークの相対強度が、異なる試料相互間で、また同じ試料の異なる測定値相互間で異なり得ることを理解するであろう。
形態Aは、更に、実質的に図1に示すX線粉末回折パターンによってキャラクタライズし得る。
表4は、(R)-N-エチル-5-フルオロ-N-イソプロピル-2-((5-(2-(6-((2-メトキシエチル)(メチル)アミノ)-2-メチルヘキサン-3-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-1,2,4トリアジン-6-イル)オキシ)ベンズアミドビスベシル酸塩水和物(図1)の結晶形態AのXRPDについてのピークリスト及び相対強度を示す。
薬理学
本発明の化合物は、メニンとMLLタンパク質及び発がん性MLL融合タンパク質との相互作用を遮断することが見出された。したがって、本発明による化合物及びかかる化合物を含む医薬組成物は、疾患、例えば、限定するものではないが、白血病、骨髄異形成症候群(MDS)、及び骨髄増殖性腫瘍(MPN)などのがん及び糖尿病の治療又は予防、特に治療に有用であり得る。
特に、本発明による化合物及びその医薬組成物は、がんの治療又は予防に有用であり得る。一実施形態によれば、本発明のメニン/MLL阻害剤による治療から恩恵を受け得るがんは、白血病、リンパ腫、骨髄腫又は固形腫瘍がん(例えば、前立腺がん、肺がん、乳がん、膵臓がん、結腸がん、肝臓がん、黒色腫及び神経膠芽腫など)を含む。いくつかの実施形態では、白血病には、急性白血病、慢性白血病、骨髄球性白血病、リンパ芽球性白血病、リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、T細胞前リンパ球性白血病(T-PLL)、大顆粒リンパ球性白血病、有毛細胞白血病(HCL)、MLL再構成白血病、MLL-PTD白血病、MLL増幅白血病、MLL陽性白血病、HOX/MEIS1遺伝子発現シグネチャを示す白血病などが含まれる。
特に、本発明による化合物及びその医薬組成物は、骨髄異形成症候群(MDS)又は骨髄増殖性腫瘍(MPN)の治療又は予防に有用であり得る。
特に、本発明による化合物及びその医薬組成物は、白血病、特にヌクレオフォスミン(NPM1)変異型白血病、例えば、NPM1cの治療又は予防に有用であり得る。
特に、本発明による化合物及びその医薬組成物は、AML、特にヌクレオフォスミン(NPM1)変異AML(すなわち、NPM1mutAML)、より詳細には、抽象NPM1変異AMLの治療又は予防に有用であり得る。
特に、本発明による化合物及びその医薬組成物は、MLL再構成白血病、特にMLL再構成AML又はALLの治療又は予防に有用であり得る。
特に、本発明による化合物及びその医薬組成物は、MLL遺伝子変化を伴う白血病、特にMLL遺伝子変化を伴うAML又はALLの治療又は予防に有用であり得る。
特に、本発明による化合物及びその医薬組成物は、Q.D.投薬(1日1回)に適切であり得る。
特に、本発明による化合物及びその医薬組成物は、NPM1遺伝子変異及び/又は混合系統白血病遺伝子(MLL、MLL1、KMT2A)変化、混合型白血病(MLL)、MLL関連白血病、MLL関連白血病、MLL陽性白血病、MLL誘発性白血病、再構成された混合型白血病、MLLに関連する白血病、MLL遺伝子の再構成/変化又は再構成/変化、急性白血病、慢性白血病、骨髄異形成症候群(MDS)、骨髄増殖性腫瘍(MPN)、インスリン抵抗性、糖尿病前症、糖尿病、又は糖尿病のリスク、高血糖、染色体11q23上の染色体再構成、1型糖尿病、2型糖尿病、を示す対象における血液がんの治療又は予防に有用であり得、それは膵臓細胞の増殖を促進し、ここで、膵臓細胞は、膵島細胞であるベータ細胞であり、ベータ細胞増殖は、ベータ細胞産生又はインスリン産生の増加によって証明され、それはメニン-MLL相互作用を阻害するためのものであって、MLL融合タンパク質標的遺伝子はヒトにおいてはHOX又はMEIS1である。
したがって、本発明は、医薬品として使用するための本発明の化合物に関する。
本発明はまた、医薬品の製造のための、本発明の化合物の使用に関する。
本発明はまた、ヒトを含む哺乳動物におけるメニンとMLLタンパク質及び発がん性MLL融合タンパク質との相互作用に関連する障害の治療、予防、改善、制御又はリスクの低減に使用するための、本発明による化合物又は本発明による医薬組成物に関し、その治療又は予防は、メニンとMLLタンパク質及び発がん性MLL融合タンパク質との相互作用をブロックすることによって影響を受けるか又は促進される。
また、本発明は、ヒトを含む哺乳動物におけるメニンとMLLタンパク質及び発がん性MLL融合タンパク質との相互作用に関連する障害の治療、予防、改善、制御又はリスク低減のための医薬品の製造のための、本発明による化合物の使用に関し、その治療又は予防は、メニンとMLLタンパク質及び発がん性MLL融合タンパク質との相互作用をブロックすることによって影響を受けるか又は促進される。
本発明はまた、前述の疾患のいずれか1つの治療又は予防に使用するための、本発明による化合物に関する。
本発明はまた、前述の疾患のいずれか1つを治療又は予防する際に使用するための、本発明による化合物に関する。
本発明はまた、前述の疾患状態のいずれか1つを治療又は予防するための医薬品の製造のための、本発明による化合物の使用に関する。
本発明の化合物は、前述の疾患のいずれか1つの治療又は予防のために、哺乳動物、好ましくはヒトに投与することができる。
本発明による化合物の有用性を考慮して、前述の疾患のいずれか1つに罹患しているヒトを含む温血動物を治療する方法が提供される。
上記方法は、治療有効量の本発明による化合物の、ヒトを含む温血動物への投与、すなわち全身投与又は局所投与を含む。
したがって、本発明はまた、治療有効量の本発明による化合物を、それを必要とする患者に投与することを含む、前述の疾患のいずれか1つを治療又は予防する方法に関する。
当業者は、治療有効量の本発明の化合物が治療活性を有するのに十分な量であり、この量がとりわけ、疾患の種類、治療製剤中の化合物の濃度、及び患者の状態によって変化することを理解するであろう。有効な治療1日量は、約0.005mg/kg~100mg/kgであり得る。治療効果を達成するために必要とされる、本明細書において有効成分とも呼ばれる本発明による化合物の量は、例えば、特定の化合物、投与経路、レシピエントの年齢及び状態、並びに治療される特定の障害又は疾患により、個々の場合に応じて異なり得る。治療方法はまた、1日当たり1~4回の摂取量のレジメンで有効成分を投与することを含み得る。これらの治療方法では、本発明による化合物は、好ましくは投与前に製剤化される。
本発明はまた、本明細書で言及される障害を予防又は治療するための組成物を提供する。上記組成物は、治療有効量の本発明による化合物、及び医薬的に許容される担体又は希釈剤を含む。
有効成分は単独で投与することも可能であるが、医薬組成物として与えることが好ましい。したがって、本発明は更に、医薬的に許容される担体又は希釈剤と共に、本発明による化合物を含む医薬組成物を提供する。担体又は希釈剤は、組成物の他の成分と適合性があり、かつそのレシピエントに有害ではないという意味で「許容される」ものでなければならない。
医薬組成物は、例えば、Gennaro et al.Remington’s Pharmaceutical Sciences(18th ed.,Mack Publishing Company,1990、特に、Part8:Pharmaceutical preparations and their Manufactureを参照されたい)に記載されているものなどの方法を使用して、薬学の分野で周知の任意の方法によって調製することができる。
本発明の化合物は、単独で、又は1つ以上の追加の治療剤と組み合わせて使用することができる。併用療法には、本発明による化合物及び1つ以上の追加の治療剤を含有する単一の薬剤投与製剤を投与すること、並びに本発明による化合物及び各追加の治療剤をそれ自身の別個の薬剤投与製剤で投与することを含む。
したがって、本発明の一実施形態は、第1の有効成分としての本発明による化合物と、更なる有効成分としての1つ以上の抗がん剤とを、がんに罹患している患者の治療において同時に、又は別々に、又は逐次的に使用するための組み合わせ調製物として含む製品に関する。
1つ以上の他の薬剤及び本発明による化合物は、同時に(例えば、別個に、又は単一の組成物で)、又はいずれかの順序で逐次的に投与することができる。後者の場合、2つ以上の化合物は、有利な又は相乗的な効果が達成されることを確実にするのに十分な期間内及び量及び方法で投与される。組み合わせの各成分のための、好ましい投与の方法及び順序並びにそれぞれの投与量及びレジームは、投与される特定の他の医薬品及び本発明の化合物、それらの投与経路、治療される特定の状態、特に腫瘍、並びに処置される特定の宿主に依存することが理解されるであろう。
薬理試験
以下に記載される薬理試験では、以下の化合物について説明する。化合物A:(R)-N-エチル-5-フルオロ-N-イソプロピル-2-((5-(2-(6-((2-メトキシエチル)(メチル)-アミノ)-2-メチルヘキサン-3-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-1,2,4トリアジン-6-イル)オキシ)-ベンズアミド、
化合物A1:(R)-N-エチル-5-フルオロ-N-イソプロピル-2-((5-(2-(6-((2-メトキシエチル)(メチル)-アミノ)-2-メチルヘキサン-3-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-1,2,4トリアジン-6-イル)オキシ)-ベンズアミド.2HCl.xHO(x=2~3)、
化合物A3:(R)-N-エチル-5-フルオロ-N-イソプロピル-2-((5-(2-(6-((2-メトキシエチル)(メチル)-アミノ)-2-メチルヘキサン-3-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-1,2,4トリアジン-6-イル)オキシ)-ベンズアミドオキサレート塩。
化合物A4:(R)-N-エチル-5-フルオロ-N-イソプロピル-2-((5-(2-(6-((2-メトキシエチル)(メチル)アミノ)-2-メチルヘキサン-3-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-1,2,4トリアジン-6-イル)オキシ)ベンズアミドビスベシル酸塩水和物の結晶形態A
これらの薬理試験からの結果は、(R)-N-エチル-5-フルオロ-N-イソプロピル-2-((5-(2-(6-((2-メトキシエチル)(メチル)-アミノ)-2-メチルヘキサン-3-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-1,2,4トリアジン-6-イル)オキシ)-ベンズアミドの生物学的活性を明確に示している。
1)メニン/MLL均一時間分解蛍光(HTRF)アッセイ
未処理の白色384ウェルマイクロタイタープレートに、DMSO中40nLの200X試験化合物及びアッセイ緩衝液(40mM Tris・HCl、pH7.5、50mM NaCl、1mM DTT(ジチオスレイトール)及び0.05%Pluronic F-127)中4μLの2Xテルビウムキレート標識メニン(調製については以下参照)を添加した。試験化合物及びテルビウムキレート標識メニンを周囲温度で30分間インキュベートした後、アッセイ緩衝液中の4μLの2X FITC-MBM 1ペプチド(FITC-β-アラニン-SARWRFPARPGT-NH)(「FITC」はフルオレセインイソチオシアネートを意味する)を添加し、マイクロタイタープレートを1000rpmで1分間遠心分離し、アッセイ混合物を周囲温度で15分間インキュベートした。アッセイ混合物中に存在するメニンFITC-MBM1複合体の相対量は、テルビウム/FITCドナー/アクセプター蛍光団ペアの均一時間分解蛍光(HTRF)を、EnVisionマイクロプレートリーダー(励起337nm/テルビウム蛍光490nm/FITC蛍光520nm)を周囲温度で使用して測定することにより求められる。蛍光共鳴エネルギー移動の程度(HTRF値)は、FITCとテルビウムフルオロフォアの蛍光発光強度の比(Fem520nm/Fem490nm)として表される。結合アッセイにおける試薬の最終濃度は、アッセイ緩衝液中200pMテルビウムキレート標識メニン、75nM FITC-MBM1ペプチド及び0.5%DMSOである。試験化合物の用量応答滴定は、11点、四倍段階希釈スキームを用いて行い、典型的には10μMから開始する。
化合物の有効性を、まず、式1に従って各化合物濃度における阻害%を計算することによって調べた。
阻害%=((HC-LC)-(HTRF化合物-LC))/(HC-LC))100(式1)
式中、LC及びHCは、メニンへの結合についてFITC-MBM1と競合する化合物の飽和濃度の存在下又は非存在下におけるアッセイのHTRF値であり、HTRF化合物は、試験化合物の存在下における測定されたHTRF値である。HC及びLC HTRF値は、1プレート当たり少なくとも10回の反復の平均を表す。各試験化合物について、阻害%値を試験化合物濃度の対数に対してプロットし、これらのデータを式2に当てはめることから得られたIC50値をプロットした。
阻害%=Bottom+(Top-Bottom)/(1+10^((logIC50-log[cmpd])h))(式2)
式中、Bottom及びTopはそれぞれ用量反応曲線の下側及び上側の漸近線であり、IC50はシグナルの50%阻害をもたらす化合物の濃度であり、hはヒル係数である。
メニンのテルビウムクリプテート標識の調製:メニン(a.a1-610-6xhisタグ、20mM Hepes(2-[4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジニル]エタンスルホン酸)中2.3mg/mL、80mM NaCl、5mM DTT(ジチオスレイトール)、pH7.5)をテルビウムクリプテートで以下のように標識した。200μgのメニンを1×Hepes緩衝液に緩衝液交換した。6.67μMのメニンを、8倍モル過剰のNHS(N-ヒドロキシスクシンイミド)-テルビウムクリプテートと室温で40分間インキュベートした。溶出緩衝液(0.1M Hepes、pH7+0.1%BSA(ウシ血清アルブミン))を用いてNAP5カラムで反応を実行することによって、標識タンパク質の半分を遊離標識から精製した。残りの半分を0.1Mリン酸緩衝生理食塩水(PBS)、pH7で溶出した。400μlの溶離液をそれぞれ回収し、等分し、-80℃で凍結した。テルビウム標識メニンタンパク質の最終濃度は、それぞれHepes緩衝液中で115μg/mL、PBS緩衝液中で85μg/mLであった。
メニンタンパク質配列(配列番号1):
MGLKAAQKTLFPLRSIDDVVRLFAAELGREEPDLVLLSLVLGFVEHFLAVNRVIPTNVPELTFQPSPAPDPPGGLTYFPVADLSIIAALYARFTAQIRGAVDLSLYPREGGVSSRELVKKVSDVIWNSLSRSYFKDRAHIQSLFSFITGTKLDSSGVAFAVVGACQALGLRDVHLALSEDHAWVVFGPNGEQTAEVTWHGKGNEDRRGQTVNAGVAERSWLYLKGSYMRCDRKMEVAFMVCAINPSIDLHTDSLELLQLQQKLLWLLYDLGHLERYPMALGNLADLEELEPTPGRPDPLTLYHKGIASAKTYYRDEHIYPYMYLAGYHCRNRNVREALQAWADTATVIQDYNYCREDEEIYKEFFEVANDVIPNLLKEAASLLEAGEERPGEQSQGTQSQGSALQDPECFAHLLRFYDGICKWEEGSPTPVLHVGWATFLVQSLGRFEGQVRQKVRIVSREAEAAEAEEPWGEEAREGRRRGPRRESKPEEPPPPKKPALDKGLGTGQGAVSGPPRKPPGTVAGTARGPEGGSTAQVPAPAASPPPEGPVLTFQSEKMKGMKELLVATKINSSAIKLQLTAQSQVQMKKQKVSTPSDYTLSFLKRQRKGLHHHHHH
2a)増殖アッセイ
メニン/MLLタンパク質/タンパク質相互作用阻害剤試験化合物の抗増殖効果を、ヒト白血病細胞株において評価した。細胞株MOLM-14は、MLL転座を有し、それぞれMLL融合タンパク質MLL-AF9及び第2の対立遺伝子由来の野生型タンパク質を発現する。NPM1c遺伝子変異を有するOCI-AML3細胞についても試験した。MLL再構成細胞株(例えば、MOLM-14)及びNPM1c変異細胞株は、幹細胞様のHOXA/MEIS1遺伝子発現シグネチャを示す。一般的な細胞毒性効果を示す化合物を排除するために、KO-52を2つのMLL(KMT2A)野生型対立遺伝子を含む対照細胞株として使用した。
MOLM-14細胞を、10%熱不活性化ウシ胎児血清(HyClone)、2mM L-グルタミン(Sigma Aldrich)及び50μg/mLゲンタマイシン(Gibco)を補充したRPMI-1640(Sigma Aldrich)で培養した。KO-52及びOCI-AML3細胞株を、20%熱不活性化ウシ胎児血清(HyClone)、2mM L-グルタミン(Sigma Aldrich)及び50μg/mLゲンタマイシン(Gibco)を補充したアルファ-MEM(Sigma Aldrich)で増殖させた。細胞を培養中に0.3~250万細胞/mLに維持し、継代数は20を超えなかった。
抗増殖効果を評価するために、200個のMOLM-14細胞、200個のOCI-AML3細胞又は300個のKO-52細胞を、96ウェル丸底超低接着プレート(Costar、カタログ番号7007)中の200μl培地/ウェルに播種した。細胞播種数は、実験全体を通して線形増殖を確実にするために増殖曲線に基づいて選択した。試験化合物を異なる濃度で添加し、DMSO含有量を0.3%に正規化した。細胞を37℃及び5%COで8日間インキュベートした。スフェロイド様増殖を、8日目に画像を取得する生細胞イメージング(IncuCyteZOOM、Essenbio、4倍の対物レンズ)によってリアルタイムで測定した。スフェロイドサイズの尺度としてのコンフルエンス(%)を、統合解析ツールを使用して決定した。
試験化合物の効果を経時的に求めるために、各ウェルにおけるスフェロイドサイズの尺度としてのコンフルエンスを計算した。参照化合物の最高用量のコンフルエンスをLCのベースライン(低対照)として使用し、DMSO処理細胞のコンフルエンスを0%細胞傷害性(高対照、HC)として使用した。
絶対IC50値を、コンフルエンスのパーセント変化として以下のように計算した。
LC=低対照:例えば、1μMの細胞傷害剤スタウロスポリンで処理した細胞、又は、例えば、高濃度の代替基準化合物で処理した細胞;
HC=高対照:平均コンフルエンス(%)(DMSO処理細胞);
効果%=100-(100(試料-LC)/(HC-LC));及び
GraphPad Prism(バージョン7.00)を使用してIC50を計算した。用量応答方程式を、可変勾配を用い、最大値を100%に固定し、最小値を0%に固定して、効果%対Log10化合物濃度のプロットに使用した。
2b)MEIS1 mRNA発現アッセイ
化合物処理時のMEIS1 mRNA発現を、Quantigene Singleplexアッセイ(Thermo Fisher Scientific)によって調べた。この技術は、目的の定義された標的配列にハイブリダイズするプローブを使用してmRNA標的の直接定量を可能にし、マルチモードプレートリーダーEnvision(PerkinElmer)を使用してシグナルを検出する。MOLM-14細胞株をこの実験に使用した。細胞を、増加する濃度の化合物の存在下、96ウェルプレートに3,750細胞/ウェルで播種した。化合物と48時間インキュベートした後、細胞を溶解緩衝液中で溶解し、55℃で45分間インキュベートした。細胞溶解物を、正常化対照としてのヒトMEIS1特異的捕捉プローブ又はヒトRPL28(リボソームタンパク質L28)特異的プローブ、並びにブロッキングプローブと混合した。次いで、細胞溶解物をカスタムアッセイハイブリダイゼーションプレート(Thermo Fisher Scientific)に移し、55℃で18~22時間インキュベートした。その後、プレートを洗浄して未結合物質を除去した後、前置増幅剤、増幅剤及び標識プローブを順次加えた。シグナル(=遺伝子カウント)をマルチモードプレートリーダーEnvisionで測定した。IC50を、適切なソフトウェアを使用した用量応答モデリングによって計算した。全ての非ハウスキーパ遺伝子について、応答は、バックグラウンド及び相対発現について補正されたカウントに等しい。各試料について、各試験遺伝子シグナル(バックグラウンドを差し引いたもの)を正規化遺伝子シグナル(RPL28:バックグラウンドを差し引いたもの)で割った。処理された試料の正規化された値をDMSO処理された試料の正規化された値で割ることによって、倍率変化を計算した。各標的遺伝子の倍率変化をIC50の計算に使用した。
結果を以下の表5にまとめる。
3)マウスPK(インビボT1/2及び経口バイオアベイラビリティ)
絶食させた雄性CD-1マウス(6~8週齢)にHP-β-CD20%(w:vol)溶液又はパイロジェンフリー水に製剤化された試験物質を、静脈内投与(0.5又は1.0mg/kgを2.5mL/kgで静脈内投与)又は経口投与(5mg/kgを10mL溶液/kgで経口投与)した後のインビボ薬物動態(PK)を評価した。
抗凝固剤としてEDTAを使用して、連続キャピラリーマイクロサンプリング(約0.03mL)によって所望の時点で背側中足静脈から血漿及び/又は全血試料を採取した。血漿及び血液試料中の化合物の濃度を、適格なLC-MS/MS法を用いて分析した。WinNonlin(Phoenix(商標)、バージョン6.1)又は同様のソフトウェアを使用して、主な薬物動態パラメータのインシリコ分析を行った。
4)ヒト/マウス肝臓ミクロソームにおける代謝安定性
実験手順
この実験の目的は、ヒト及びマウスの肝臓ミクロソームにおける試験化合物のインビトロ代謝安定性を測定し、代謝回転速度に関する定量的情報を提供すること(すなわち、試験の見かけの固有クリアランスを決定すること)である。
DMSO中10mMのストック濃度で試験項目を調製した。代謝ターンオーバーを調べるために、試験化合物又は陽性対照化合物用の2μLの10mM DMSO原液を198μLのアセトニトリルに添加することによって最終作業溶液を調製した(最終濃度100μM)。
インキュベーションを以下のように行った。最初に、肝臓ミクロソームを氷上で解凍し、100mM PBS(リン酸緩衝生理食塩水)中に肝臓ミクロソームを含有するpH7.4のマスター溶液を調製する。次に、肝臓ミクロソーム溶液をインキュベーションプレートに加え、10mM NADPH(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸)を加えた(MW:833.4g/mol、Roche Diagnostics GmbH、ドイツ。リン酸緩衝液(100mmol/L、pH7.4)に溶解)。混合物を10秒間混合し、インキュベーションプレートにおいて37℃で10分間予熱した。°試験化合物又は陽性対照化合物の100μM作業溶液5μLをインキュベーションプレートに添加して代謝反応を開始した(最終試験項目の濃度=1μM)。反応最終混合物には、pH7.4の100mM PBS中に1mM NADPH、0.5mg/mLミクロソームタンパク質及び1μM試験化合物又は陽性対照化合物を含有させる必要がある。インキュベーション混合物中の有機溶媒のパーセンテージは1%であり、DMSO≦0.02%である。
選択した時点でインキュベートした混合物50μLを、冷メタノール200μLを含有するクエンチプレートに移すことによって、反応をクエンチした。全ての時点のサンプリングを終えた後、クエンチプレートを4000rpmで40分間遠心分離してタンパク質を沈殿させた。合計90μLの上清を分析プレートに移し、LC/MS/MS分析のために超純HO水を各ウェルに添加した。全てのインキュベーション及び分析を2連で行った。
データ分析
全ての計算は、Microsoft Excelを使用して行った。勾配値kは、親薬物の残存パーセンテージ対インキュベーション時間曲線の自然対数の線形回帰によって求めた。結果を以下の表6にまとめる。
インビトロ半減期(インビトロt1/2)を勾配値から求めた。
インビトロt1/2=-(0.693/k)
インビトロt1/2(分)のインビトロ固有クリアランス(in vitro CLint、μL/分/mgタンパク質単位)への変換は、以下の式を使用して行った。
「NA」は分析しなかったことを意味する
5)MOLM-14又はOCI-AML3細胞の皮下(sc又はSC)異種移植片における薬力学(PD)活性のためのプロトコル
試験薬剤及び対照
化合物A3を20%ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン(HP-β-CD)に製剤化し、動物20gについて1用量当たり0.2mL(10mL/kg)の総体積に達するように調製した。用量は、毎日個々の体重によって調整した。化合物A3の作業用ストックを各実験用に週に1回調製し、室温で保存した。化合物A3を経口(PO)で毎日投与した。
アッセイ
化合物のインビボ薬力学(PD)活性を、MOLM-14細胞又はOCI-AML3細胞の皮下(SC)異種移植片において評価した。MOLM-14又はOCI-AML3腫瘍を有するヌードNMRIマウス(Crl:NMRI-Foxn1nu/-)を1日3回のビヒクル又は化合物で処置した。血漿試料を、2日目投与の23時間後、最終投与の0.5時間後及び最終投与の16時間後に採取し、腫瘍試料を最終投与の16時間後に採取した。複数のメニン-MLL標的遺伝子(例えば、MEIS1、MEF2C、FLT3)の発現に対する化合物の効果を調べるために、QuantiGene Plex技術(Thermo Fisher Scientific)を使用した。凍結腫瘍をホモジナイズし、溶解緩衝液中の個々の溶解マトリックスチューブに移し、55℃で30分間インキュベートした。細胞溶解物を標的特異的捕捉プローブ、Luminexビーズ及びブロッキングプローブと混合し、カスタムアッセイハイブリダイゼーションプレート(Thermo Fisher Scientific)に移し、54℃で18~22時間インキュベートした。その後、プレートを磁気分離プレートに移し、洗浄してビーズから未結合物質を除去し、引き続いて前置増幅剤、増幅剤及び標識プローブからなる連続ハイブリダイゼーション及びその後のストレプトアビジンフィコエリトリン結合を行った。ビーズからのシグナルをLuminex FlexMap三次元機器で測定した。全ての非ハウスキーパ遺伝子について、応答は、バックグラウンド及び相対発現について補正されたカウントに等しい。各試料について、各試験遺伝子シグナル(バックグラウンドを差し引いたもの)を正規化遺伝子シグナル(RPL19、RPL28、ATP6V1A、バックグラウンドを差し引いたもの)で割った。処理された試料の正規化された値をDMSO処理された試料の正規化された値で割ることによって、倍率変化を計算した。結果を以下の表7及び表8にまとめる。
表7a及び表8aは、新鮮な腫瘍試料を用いた最適化された条件での反復実験に基づく中央値を示す。
6)MOLM-14皮下モデルにおける有効性実験
試験薬剤及び対照
化合物A3を20%ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン(HP-β-CD)に製剤化し、動物20gについて1用量当たり0.2mL(10mL/kg)の総体積に達するように調製した。用量は、毎日個々の体重によって調整した。化合物A3の作業用ストックを各実験用に週に1回調製し、25℃で保存した。
動物
雌NMRIヌードマウス(MOLM-14 SC)を、およそ6週齢~8週齢であり、およそ25gの体重であるときに使用した。全ての動物は、実験的使用の前に最低7日間、あらゆる出荷関連ストレスに順応し、それから回復することができた。オートクレーブ処理した水及び照射食物を自由に与え、動物を12時間の明暗サイクルで維持した。ケージ、寝床、及び水筒を使用前にオートクレーブ処理し、毎週交換した。更なる詳細を以下の表9に示す。
腫瘍モデル及び細胞培養方法
ヒトAML細胞MOLM-14を、示された完全培養培地(RPMI 1640+10%HI-FBS+2mM L-グルタミン+50ug/mLゲンタマイシン)中、37℃、5%COで培養した。対数増殖の間に細胞を回収し、無血清培地中の冷(4℃)Roswell Park Memorial Institute(RPMI)1640に再懸濁した。
各マウスの右脇腹に、1ccシリンジ及び27ゲージ針を使用して0.2mLの総体積で、50%Matrigel中5×10個のMOLM-14細胞を投与した。
実験計画
化合物A3を経口(PO)で毎日投与した。
0日目は、腫瘍細胞移植及び実験開始の日である。
SC MOLM-14腫瘍を有するマウスを腫瘍移植後16日目に無作為化し、腫瘍体積(平均約130mm、n=10/群)に従って治療群に割り当てた。ビヒクル又は化合物A3(30及び100mg/kg)による治療を同日に開始し、21日間毎日経口投与した。PK(薬物動態)分析のために、最後の投与(n=4~5/群/時点)の1、2、4、8、及び23時間後に血漿を採取した。
動物のモニタリング
SC腫瘍体積を、実験全体を通して週に2~3回又はそれ以上の回数、各動物について測定した。
計算
腫瘍体積は、以下の式を使用して計算し、
腫瘍体積(mm)=(D×d/2);式中、「D」はノギス測定によって測定される腫瘍の大きい方の直径を表し、「d」は小さい方の直径を表す。腫瘍体積データを平均腫瘍体積±SEMとしてグラフ化した。
ΔTGI%を治療群と対照群の平均腫瘍負荷の差として定義し、ΔTGI%=([(TVTVc)(TVTVt0)]/(TVTVc))×100(式中、「TV」は所与の対照群の平均腫瘍負荷であり、「TVc」は所与の対照群の平均初期腫瘍負荷であり、「TV」は治療群の平均腫瘍負荷であり、「TVt0」は治療群の平均初期腫瘍負荷である)として計算した。TGI%を間の差として定義した。
治療群及び対照群の平均腫瘍体積を以下のように計算した。
TGI%=((TVTV)/TV)×100(式中、「TV」は対照群の平均腫瘍体積であり、「TV」は治療群の平均腫瘍体積である)。国立がん研究所の基準によって定義されるように、60%以上のTGIは生物学的に有意であるとみなされる。
対照群とは無関係のベースラインと比較して処置に関連した腫瘍体積の減少を反映するように定量化された腫瘍退縮(TR)%は、TR%=(1平均(TVi/TVt0i))×100として計算され、式中、「TVi」は治療群の個々の動物の腫瘍負荷であり、「TVt0i」は動物の初期腫瘍負荷である。
データ解析
腫瘍体積を、Prismソフトウェア(GraphPadバージョン7又は8)を使用してグラフ化した。ほとんどの実験の統計的有意性を、2/3以上のマウスが各群に残っていた実験最終日に、HPβCDビヒクル処置対照と比較して、化合物A3治療群について評価した。p≦0.05のとき、群間の差異は有意であるとみなした。
動物腫瘍体積の統計的有意性は、Rソフトウェアバージョン3.4.2(Janssenの内部開発Shinyアプリケーションバージョン4.0を使用)の線形混合効果(LME)分析を使用して計算し、処置及び時間を固定効果、動物をランダム効果とした。個々の縦方向応答軌跡が線形でない場合、対数変換を行った。
このモデルから得られた情報を使用して、対照群の腫瘍体積又は全ての治療群間の腫瘍体積の対治療比較を行った。結果を図2に示す。
7)Ca2+蛍光アッセイ(CTCMヒト)を使用したヒト多能性幹細胞由来心筋細胞(hSC-CM)の同期した拍動における試験化合物の心電生理学的効果
プロトコル
化合物を96ウェルプレートで試験した。
Cor.4U(登録商標)-心筋細胞又はiCell(登録商標)心筋細胞2につき、化合物を、0.1μM、0.2μM、0.5μM、1μM、2.5μM及び5μM(n=4/用量)で試験した。
あるいは、主にiCell(登録商標)心筋細胞2について、化合物を、0.1μM、0.3μM、1μM、3μM、10μM及び30μM(n=4/用量)で試験した。
陽性対照及び陰性対照
3nMのドフェチリド
100nMのイソプロテレノール
100~300nMのニモジピン
3μMのセチリジン。
ビヒクル対照:ジメチルスルホキシド(DMSO)。DMSO又はその溶媒中の化合物の溶液(0.1%DMSOの最終濃度、n=8)。
試験物質及び対照の調製
試験した化合物を、意図する濃度の1000倍でDMSOに溶解した。試験化合物並びに陽性対照及び陰性対照を最終濃度の1000倍で含有する化合物「マザープレート」を作製した。実験日に、これらのストック溶液を、10mM HEPES(Gibco)を補充したTyrode(Sigma)で、意図する濃度の2倍に(丸底化合物プレート中で)希釈した。試験溶液及びビヒクル対照中の最終DMSO濃度は0.1%であった。
細胞
hSC-CM(Cor.4U(登録商標)心筋細胞)は、CDI(Ncardia、ドイツ)から入手した。細胞を予めプレーティングし、単層を形成するのに適した密度でフィブロネクチン被覆96ウェルプレートに播種し、細胞供給元の説明書に従って、ステージインキュベーター(37℃、5%CO)内の培養物内に維持する。
iCell(登録商標)心筋細胞2と呼ばれる第二系統のhSC由来心筋細胞をFUJIFILM Cellular Dynamics(米国)から購入した。試験薬物を用いた実験は、hiPSC由来心筋細胞の生きた拍動する単層を有するように細胞をプレート上にプレーティングした5~7日後に行われる。96ウェルプレート中の拍動している単層を、通常、凍結したiCell(登録商標)心筋細胞2(≒500万細胞/バイアル)の2バイアルから採取し、これを3つの96ウェルプレート(おおよそ50K/ウェル)にプレーティングする。
実験開始前
実験開始の少なくとも1時間前に、正常細胞培地をカルシウム色素を含むTyrode溶液で置き換えた(下記参照)。
Cal 520色素(AAT Bioquest)を、10mM HEPESを補充した11mLのTyrodeに溶解し、37℃まで加温した後、細胞に添加した。
35μlの細胞培養培地を各ウェルから取り出し、35μlの予熱したCal 520色素溶液と交換し、細胞プレートを37℃/5%COで45分間インキュベートした。細胞を37℃で5分間インキュベートした。
実験
自発電気的活動を、Cal 520(商標)(AAT Bioquest)カルシウム蛍光色素シグナル伝達を使用して記録する。この色素は、ウェル全体にわたる総細胞内カルシウム活性を統合する。Cal520色素のボトル(50μg、MW:1103/mol)を、0.9mMのストック溶液として50μlのDMSOで溶解する。色素のストック溶液50μLを10mLのTryodes溶液に添加して、色素濃度を4.5μMにした。続いて、この色素溶液35μlを各ウェルに添加して、最終色素濃度を1.58μMにした。このCTCMヒトアッセイに関する現在の色素プロトコルが最近確立された(Ivan Kopljar et al,Journal of Pharmacological and toxicological methods 2018.91:80-86;Lu et al.,Tox Sci 2019.170(2):345-356)。
蛍光シグナル(Ca2+過渡現象の形態)を、機能的薬物スクリーニングシステム(FDSS/μCell、浜松、日本)を使用して測定し、その後、その記録を適切なソフトウェア、例えば、Notocordを使用してオフラインで分析した。
試験運転のために細胞プレートをFDSS/μCellにロードし、Ca2+過渡現象を4分間測定して、各ウェルの心筋細胞の同期拍動を確認した。96個全てのウェルを同時に測定した(サンプリング間隔:0.06秒、短い曝露時間:10ms、励起波長480nm、発光波長540nm、FDSS/μCellを37℃に加温)。全てが同期拍動を示した場合、96ウェルプレートを3回繰り返し測定した(ベースラインでの96ウェル全ての同期拍動を検証するために、予め設定された基準を満たさなかったウェルを実験から除外し、化合物で処置しなかった)。
T=0:対照期間(-5~-1分)+化合物添加、引き続いて3分間。
T=30:化合物添加後29~34分で測定
化合物添加工程中、各二重濃縮試験溶液100μlを各ウェルに同時にピペットで注入した。
データを、適切なソフトウェア、例えばNotocord-Hem(バージョン4.3)を使用してオフラインで分析した。
Ca2+過渡現象の形態の以下のパラメータを測定した。
拍動数(BR)
Ca2+過渡現象の振幅(Amp)、
-CTD90:90%でのCa2+過渡現象の持続時間(初期ベース値の90%に至るまでの時間)。
様々な「不整脈様」活動の存在も実験期間中に認められた。これらには以下が含まれる。
「早期後脱分極様」(EAD様)事象(「過渡現象の初期ピークに続く過渡現象波形の非常に小さいピーク」として定義される)、
「心室頻拍様」(VT様)事象(非常に速い拍動数として定義される)、又は
「心室細動様」(VF様)事象(「不規則性及び測定不能な過渡電位を有する小振幅高速レートCa2+波形」と定義される)
細胞の「拍動停止」(Ca2+過渡現象は観察されない)。
カルシウム過渡現象シグナルの化合物誘導変化をソフトウェアによって分析できなかった場合、これらのシグナルをBQL(品質分析レベル未満)として同定した。
データ解析
FDSS-μCellから測定されたデータをオフライン分析のためにコピーし、分析し、更なる分析のためにSPEC-II(本発明者らの運用管理システム)にアップロードした。化合物の投与前後の変数の値を収集し、エクセルブックに移した。
全ての値(実際の単位及びベースライン値からの変化率)を中央値(最小値及び最大値)として表す。化合物群で観察された(実際の単位での)対応するベースライン値に対する変化を、ウィルコクソン-マン-ホイットニー検定を用いて溶媒対照群の変化と比較した。多重度調整のためのボンフェローニ補正を用いた両側検定を行った。溶媒群と比較してそれぞれ10の治療群が存在するので、0.05/10(0.005)のアルファレベルは、溶媒群との統計学的に有意な差を反映すると考えられた。全ての統計分析は、適切なソフトウェア、例えば、Rソフトウェアバージョン3.5.2を使用して行った。
プレート中のhiPSC-CMの品質管理:
以下の基準を満たさない場合、プレートを不合格とした。
安定した規則的な拍動
500超の相対単位の振幅
25~80拍/分の間の拍動数
300~800msのCTD90
本実験では、プレート中のhiPSC-CMが上記基準を満たした。
不整脈の発生率又は拍動停止と組み合わせたこれらのパラメータを使用して、重み付けスコアリング法(Kopljar et al.,Stem Cell Reports 2018.11,1365-1377に基づく)を使用して潜在的危険レベルを計算した。このハザードスコアは、CTD90、拍動数及び振幅(ΔΔ%)並びに拍動停止及び早期後脱分極(EAD)の発生の変化に対する許容差間隔(TI)に基づいて重み付きポイントを加算することによって濃度毎に計算される。その結果、各濃度について、4つの異なる危険レベルのうちの1つが生成される。これは、化合物と30分間インキュベートした後に行う。危険レベルは以下のとおりである。
危険なし:ビヒクル内の影響レベル又は小さな意味のない変化。
低い危険性:意味のある影響であるが、心臓の負債のリスクはおそらく低い。
高い危険性:心臓の負担に対する比較的高いリスク。
非常に高い危険性:不整脈様事象(EAD)による非常に高いリスク。
「ハザードスコア」の結果は、(血漿タンパク質がウェルに添加されていないので)遊離薬物当量での潜在的な急性心臓薬物誘発効果を同定するものである。ハザード同定の評価は、CTCM_Scoring_version1と呼ばれるスコアリング参照ブック(Kopljar et al.,Stem Cell Reports 2018.11:1365-1377)を用いて実施し、表10の以下の表色系に従ってレベルを示す。
関連する表で異なる色で上に列挙したHiPSc-CMで測定したCa2+過渡現象アッセイに対するハザードスコア重症度による試験化合物のランク付け。
結果
iCell(登録商標)心筋細胞2を細胞株として使用
陽性対照及び陰性対照:陽性対照及び陰性対照は全て
このアッセイにおいて予想された薬理学的効果を有していた。結果を以下の表11及び表12にまとめる。
化合物A1の場合:30mpk(mg/kg)のマウス異種移植モデルにおける有効用量で、CTCMヒト濃度対遊離Cmaxは以下のように推定されるであろう。
マージンCTCMヒト10μM対遊離Cmax>16(マウス、ヒト)
マージンCTCMヒト30μM対遊離Cmax>45(マウス、ヒト)。
8)hERGトランスフェクト細胞株における膜カリウム電流IKrに対する効果
方法
hERGカリウムチャネルを安定に発現するCHO細胞を用いて実験を行った。細胞を、10%熱不活性化ウシ胎児血清、ハイグロマイシンB(100μg/mL)及びジェネティシン(100μg/mL)を補充したハムF12培地中、培養フラスコ中で37℃及び5%COで増殖させた。自動パッチクランプシステムで使用するために、QPatch(Sophion)細胞を回収して、単一細胞の細胞懸濁液を得た。
溶液:浴溶液は、145mM NaCl、4mM KCl、10mMグルコース、10mM HEPES((4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジンエタンスルホン酸)、2mM CaCl及び1mM MgCl(NaOHでpH7.4)を含有した。ピペット溶液は、120mM KCl、10mM EGTA(エチレングリコール-ビス(2-アミノエチルエーテル)-N,N,N’,N’-四酢酸)、10mM HEPES、5.374mM CaCl及び1.75mM MgCl(KOHでpH7.2)を含有した。
パッチクランプ実験を電位固定モードで行い、全細胞電流を、QPatchシステム(Sophion)を利用する自動パッチクランプアッセイで記録した。現在のシグナルを増幅し、デジタル化し、保存し、QPatchアッセイソフトウェアを用いて分析した。
保持電位は-80mVであった。hERG電流(K選択的外向き電流)を、+60mVへの2秒間の脱分極後の-40mVでの最大テール電流として測定した。パルスサイクリング速度は15秒であった。短いパルス(90ms)~-40mVが、テール電流振幅を計算するためのベースライン工程として機能した。ホールセル構成及び安定期間を確立した後、溶媒対照(0.3%DMSO)を5分間適用し、引き続いて試験物質を3×10-7M、3×10-6M、10-5M及び3×10-5Mの4つの漸増濃度で適用した。試験物質の各濃度を2回適用した。各濃度の結果は、5分後に3つの連続電圧パルスの平均電流として測定された。閉塞の程度を調べるために、残留電流をビヒクル前処理と比較した。
個々のデータ点に対する非線形最小二乗フィッティングによって、濃度/応答関係を計算した。最大半量阻害濃度(IC50)をフィッティングルーチンによって計算した。
各化合物を少なくとも5ウェルで同じプレート上で複製した。阻害率の結果を以下の表13にまとめる。
9)播種性OCI-AML3モデルにおける有効性実験
試験薬剤及び対照
化合物A3を20%ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン(HP-β-CD)に製剤化し、動物20gについて1用量当たり0.2mL(10mL/kg)の総体積に達するように調製した。用量は、毎日個々の体重によって調整した。化合物A3の作業用ストックを各実験用に週に1回調製し、25℃で保存した。
動物
雌のSCIDベージュマウス(CB17.Cg-PrkdcscidLystbg-J/Crl/-)は、およそ6~8週齢で、体重がおよそ25gのときに使用した。全ての動物は、実験的使用の前に最低7日間、任意の出荷関連ストレスに順応し、それから回復することができた。オートクレーブ処理した水及び照射食物を自由に与え、動物を12時間の明暗サイクルで維持した。ケージ、寝床、及び水筒を使用前にオートクレーブ処理し、毎週交換した。組織培養及び細胞注入試薬を以下の表14にまとめる。
腫瘍モデル及び細胞培養方法
ヒトAML細胞株OCI-AML3を、示されている完全培養培地(MEMアルファ+20%HI-FBS(熱不活性化ウシ胎児血清)+2mM L-グルタミン+50ug/mLゲンタマイシン)中、37℃、5%COで培養した。対数増殖中に細胞を回収し、血清非含有培地中の冷(4℃)MEM((最小必須培地)アルファに再懸濁した。
播種性OCI-AML3モデルについては、各マウスに26ゲージ針を使用して0.2mLの総体積でIV注射によって5×10細胞を投与した。
実験計画
化合物A3を経口(PO)で毎日投与した。
0日目は、腫瘍細胞移植及び実験開始の日である。
有効性試験では、IV OCI-AML3異種移植片腫瘍を有するマウスを、腫瘍細胞の生着の3日後に治療群に無作為に割り当てた。ビヒクル又は化合物A3による(30、50,100mg/kgでの)による治療を同じ日に開始し、28日間毎日投与した。
動物のモニタリング
化合物毒性又は腫瘍負荷(すなわち、後肢麻痺、嗜眠など)のいずれかに関連する臨床徴候について動物を毎日モニタリングした。
計算
生存評価のために、結果を腫瘍移植後の日数に対する生存率としてプロットした。陰性の臨床徴候及び/又は20%以上の体重減少を、死亡の代用エンドポイントとして使用した。カプラン・マイヤー生存分析を利用して生存期間中央値を求めた。生存期間の増加パーセント(ILS)を、((治療群の生存期間中央値-対照群の生存期間中央値)/対照群の生存期間中央値)×100として計算した。有害な臨床徴候(例えば、潰瘍化した腫瘍、体重減少など)のために代用エンドポイントに到達できなかった動物、又は治療とは無関係の死亡を、生存評価に関しては除外した。NCI基準によって定義されるように、25%以上のILSは生物学的に有意であるとみなされる。(Johnson JI et al.Br J Cancer。2001.84(10),1424-1431)。
データ解析
生存及び体重データを、Prism(バージョン7)を利用してグラフで表した。体重についての統計学的有意性を上記のように評価した。統計的有意性は、Rソフトウェアバージョン3.4.2のログランク(Mantel-Cox)検定を使用して、治療治療群対適切なビヒクル処置対照を比較するカプラン・マイヤー生存プロットについて評価した。p値が≦0.05である場合、群間の差を有意とみなした。
生存
カプラン・マイヤー生存曲線を図3に示す。確立されたOCI-AML3腫瘍を有するマウスに、20%HP-β-CD製剤中30、50,100mg/kgの化合物A3を毎日合計28日間経口投与した(n=9~10/群)。ビヒクル処置対照群の生存期間中央値38.5日に対して、化合物A3治療群では、30mg/kgで75.5日、50mg/kgで58.5日、及び100mg/kgで75日の生存期間中央値に達した。化合物A3の治療は、対照マウスの寿命と比較して、OCI-AML3腫瘍担持マウスの寿命を(30、50及び100mg/kg用量レベルで)96.1%、51.9%及び94.8%だけ統計学的に有意に増加させた(p≦0.001)。これは、25%以上のILSのNCI基準閾値による生物学的に有意なILSであった(Johnson JI et al.Br J Cancer。2001.84(10),1424-1431)。
安定性データ
(R)-N-エチル-5-フルオロ-N-イソプロピル-2-((5-(2-(6-((2-メトキシエチル)(メチル)アミノ)-2-メチルヘキサン-3-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-1,2,4トリアジン-6-イル)オキシ)ベンズアミドビスベシル酸塩水和物の結晶形態Aについて安定性実験を行った。ビスベシル酸塩水和物は、化学的及び物理的に安定であり、評価されたストレス条件下では、UHPLCによって分解が観察されず、XRDによって固体状態の変化が観察されないことが見出される。

Claims (20)

  1. (R)-N-エチル-5-フルオロ-N-イソプロピル-2-((5-(2-(6-((2-メトキシエチル)(メチル)アミノ)-2-メチルヘキサン-3-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-1,2,4-トリアジン-6-イル)オキシ)ベンズアミドベシル酸塩
    又はその溶媒和物。
  2. 前記溶媒和物が水和物である、請求項1に記載の化合物。
  3. 前記化合物が、(R)-N-エチル-5-フルオロ-N-イソプロピル-2-((5-(2-(6-((2-メトキシエチル)(メチル)アミノ)-2-メチルヘキサン-3-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-1,2,4-トリアジン-6-イル)オキシ)ベンズアミドビスベシル酸塩水和物の結晶形態Aであり、
    前記結晶形態が、5.4、7.2、11.1、11.9、及び21.7度の2シータ±0.2度の2シータにピークを含むX線粉末回折パターンを生成する、請求項1に記載の化合物。
  4. 前記X線粉末回折パターンが、13.7、14.5、14.7、15.0、16.5、17.8、19.0、19.4、及び20.1度の2シータ±0.2度の2シータから選択される少なくとも1つのピークを更に含み得る、請求項3に記載の結晶形態。
  5. 実質的に図1に示されるX線粉末回折パターンを更に特徴とする、請求項3又は請求項4に記載の結晶形態。
  6. 請求項1~5のいずれか一項に記載の化合物と、医薬的に許容される担体、医薬的に許容される賦形剤、及び医薬的に許容される希釈剤のうちの少なくとも1つと、を含む、医薬組成物。
  7. 医薬的に許容される担体を、治療有効量の請求項1~5のいずれか一項に記載の化合物と混合することを含む、請求項6に記載の医薬組成物を調製するプロセス。
  8. 医薬品として使用するための、請求項1~5のいずれか一項に記載の化合物、又は請求項6に記載の医薬組成物。
  9. がんの予防又は治療に使用するための、請求項1~5のいずれか一項に記載の化合物、又は請求項6に記載の医薬組成物。
  10. 白血病、骨髄異形成症候群(MDS)及び骨髄増殖性腫瘍(MPN)の予防又は治療に使用するための、請求項1~5のいずれか一項に記載の化合物、又は請求項6に記載の医薬組成物。
  11. 前記白血病が(NPM1)変異型白血病である、白血病の予防又は治療に使用するための請求項10に記載の化合物又は医薬組成物。
  12. がんが、白血病、リンパ腫、骨髄腫又は固形腫瘍がん、例えば、前立腺がん、肺がん、乳がん、膵臓がん、結腸がん、肝臓がん、黒色腫及び神経膠芽腫から選択される、請求項9に記載の使用のための化合物又は医薬組成物。
  13. 白血病の予防又は治療に使用するための請求項10に記載の化合物又は医薬組成物であって、前記白血病が、急性白血病、慢性白血病、骨髄球性白血病、骨髄性白血病、リンパ芽球性白血病、リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、T細胞前リンパ球性白血病(T-PLL)、大顆粒リンパ球性白血病、有毛細胞白血病(HCL)、MLL再構成白血病、MLL-PTD白血病、MLL増幅白血病、MLL陽性白血病、及びHOX/MEIS1遺伝子発現シグネチャを示す白血病から選択される、化合物又は医薬組成物。
  14. がんから選択される障害を治療又は予防する方法であって、治療有効量の請求項1~5のいずれか一項に記載の化合物又は請求項6に記載の医薬組成物を、治療又は予防を必要とする対象に投与することを含む、方法。
  15. 請求項3~5のいずれか一項に記載の結晶形態を調製するプロセスであって、化合物Aを再結晶する工程を含み、前記再結晶が、
    a)化合物A又はその水和物若しくは溶媒和物を、ベンゼンスルホン酸の存在下で、適切な溶媒の混合物に添加し、約20℃から溶媒還流温度の範囲の温度に調整する工程と、
    b)結晶形態Aを播種する工程と、
    c)請求項3~5のいずれか一項に記載の結晶形態の沈殿物を得る工程とを含む、プロセス。
  16. 前記適切な溶媒の混合物が、アセトン、水及びIPAcの混合物である、請求項15に記載のプロセス。
  17. 前記適切な溶媒の混合物が、イソプロパノール、水及びIPAcの混合物である、請求項15に記載のプロセス。
  18. 前記温度が約25℃である、請求項15、請求項16又は請求項17に記載のプロセス。
  19. クエン酸塩の結晶形態であって、
    5.82、10.09、及び18.42度の2シータ±0.2度の2シータにピークを含むX線粉末回折パターンを生成する、結晶形態。
  20. 適切な溶媒中、カップリング剤CDIの存在下で5-フルオロ-2-ヒドロキシ-安息香酸を反応させることによる一段階反応によってN-エチル-5-フルオロ-2-ヒドロキシ-N-イソプロピルベンズアミドを提供する方法
JP2023576415A 2021-06-17 2022-06-16 がんなどの疾患の治療のための(r)-n-エチル-5-フルオロ-n-イソプロピル-2-((5-(2-(6-((2-メトキシエチル)(メチル)アミノ)-2-メチルヘキサン-3-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-1,2,4-トリアジン-6-イル)オキシ)ベンズアミドベシル酸塩 JP2024525145A (ja)

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