JP2024523441A - ロボット手術及び/又は顕微鏡手術用の外科用切断器具、回転ジョイント及び方法 - Google Patents

ロボット手術及び/又は顕微鏡手術用の外科用切断器具、回転ジョイント及び方法 Download PDF

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Abstract

関節式エンドエフェクタを備える外科用器具が提供される。関節式エンドエフェクタは、支持構造体と、第1の近位取り付け根元部及び第1の遠位自由端を備える本体を有する第1先端と、第2の近位取り付け根元部及び第2の遠位自由端を備える本体を有する第2先端とを備え、第1の近位取り付け根元部と第2の近位取り付け根元部とは軸方向において互いに隣接し、全体的に支持構造体に介設され、支持構造体と第1先端と第2先端とは、共通回転軸で相互に関節結合され、第1先端と第2先端との間の相対的開/閉自由度を規定し、第1先端の本体は、切縁を有し、軸方向に弾性的に曲がり可能なブレードを備え、第2先端が、対向ブレードを備え、対向ブレードが、切縁に当接してブレードを軸方向に弾性的に曲げるように適合され、第1の近位取り付け根元部が支持構造体と直接に密接し、第2の近位取り付け根元部が支持構造体と直接に密接している。

Description

本発明は、切断動作を行うことができる外科用器具に関する。
本発明に係る外科用器具は、特に遠隔操作のロボット顕微手術に適しているが、遠隔操作のロボット顕微手術における用途のみを意図されたものではない。
本発明は更に、外科用器具のカットジョイントの回転ジョイントに関する。
本発明は更に、少なくとも1つの外科用器具を備えるロボット手術システムに関する。
更に、本発明は、製造方法、並びに製造固定具、並びに半完成品製造に関する。
この製造方法は、外科用器具用の1つ以上のブレードを製造するのに特に適している。
本発明は更に、切断動作を実行するための方法に関する。
ロボット手術装置は、一般に当技術分野で知られており、典型的には、中央ロボットタワー(又はカート)と、中央ロボットタワーから延びる1つ以上のロボットアームとを備える。各アームは、患者に対して外科的処置を実行するために、遠位に取り付け可能な外科用器具を動かせるための電動位置決めシステム(又はマニピュレータ)を備える。患者は、一般に、手術室に配置された手術台に横たわり、手術室内には、ロボット装置の非無菌部品による細菌汚染を回避するように無菌性が確保される。
従来の、すなわちロボットを使用しない手術において、針ドライバ/縫合糸カッター型器具が一般に知られており、このような器具は通常、操作リングの反対側の端部に、外科用針用の把持面及び縫合糸をカットするためのブレードを有する2つの自由端によって形成された針ドライバ/縫合糸カッターを備える。場合によっては、ブレードは、グリッパの本体に形成された座部又は凹部内に形成され、当該グリッパは、針用の把持面にアクセスするための開口に対して異なる別個のアクセス開口を介してアクセス可能である。
外科用ハサミも当技術分野で知られており、これは、操作リングの反対側の端部に、自由端における2つの対向ブレードを備える。操作リングにはばねを設けることができる。典型的には、そのような従来の外科用ハサミで切断動作を実行するのに有用な自由端の開放角度は、25°未満でなければならない。
更に、ロボット手術の分野では、対向する把持面と、細長いシャフトの遠位端に配置されたそれぞれのブレードとを有する、腹腔鏡検査用の針ドライバ/縫合糸カッター型エンドエフェクタ(end-effector)が提案されている。典型的には、ブレードは、針用のそれぞれの把持面と共成形され、把持面の近位に、すなわち、把持面と把持面の回動ヒンジ(pivot hinge)との間に配置された、把持面に対するカンチレバ突起が形成される。したがって、単一の成形部品は、通常、ヒンジの一部を形成するための根元部と、自由端と、把持面と、針ドライバ/縫合糸カッター型エンドエフェクタの反対側の対面するもう一方のブレードに向かって、把持面に対して閉じる方向に延びるブレードとを備える。
例えば、米国特許出願公開第2008/0119870号明細書に示されているように、エンドエフェクタの各自由端にブレードが設けられている、ロボット手術用のハサミ型エンドエフェクタも提案されている。
針ドライバ/縫合糸カッター型のロボット手術のための外科用器具及びハサミ型外科用器具の両方において、複数の「ベルビルワッシャ(Belleville washer)」型弾性ワッシャは、カットを行うことを目的としたブレード間の機械的干渉状態を閉じるときにエンドエフェクタを形成する2つの部品の根元部間の予荷重を確保する。したがって、エンドエフェクタが閉じると、対向するブレードは干渉に入り、それぞれの根元部の間で横方向のスライドが生じ、前記弾性ベルビルワッシャによってヒンジに及ぼされる弾性影響作用が打ち消される。
また、米国特許出願公開第2019/0105032号明細書は、針ドライバ/縫合糸カッター型エンドエフェクタが示されており、当該針ドライバ/縫合糸カッター型エンドエフェクタにおいて、ブレードはそれぞれ、弾性カンチレバタブを一体に備え、2つの前記弾性カンチレバタブは、互いに向かってピンに平行な方向に延在し、それにより、弾性予荷重は、2つのカンチレバ梁タブ間の接触によって与えられる。これにより、ヒンジ上にベルビル型弾性ワッシャを組み立てることが回避され、したがって、2つのブレード間のヒンジに軸方向の空間が残され、相互に接触するカンチレバ梁状の弾性タブによって及ぼされる弾性反力の変動に対するそのスライドに適応することができる。
別の既知の例は、米国特許出願公開第2020-0107894号明細書によって与えられており、この米国特許出願は、ブレードが把持リンクの長手方向ポケットに収容されてポケットに対して独立して回転可能であり、それにより、必要に応じてブレードを引き抜くことができる、針ドライバ/縫合糸カッターの解決策を示している。
また、外科用ハサミの一例が米国特許出願公開第2016/0175060号明細書によって示されており、交換可能な先端、すなわち、動作状態にあるときに分離可能な遠位カットジョイントを有する先端の解決策が開示されている。更に、このような既知の解決策は、両方とも同じ横方向に湾曲した弾性切断ブレードを使用して、その形状及び弾性特性によって与えられるブレード間の予荷重を得る。
ロボット手術用の外科用器具ハサミの更なる既知の例は、米国特許出願公開第2019/0282291号明細書に開示されている。
複数の「ベルビルワッシャ」型ワッシャに加えて又は代えて、ブレード間の切断干渉を調整するために、通常は関節ピン自体を形成する調整ねじをヒンジに設けることができる。調整ねじが複数の「ベルビルワッシャ」型弾性ワッシャと組み合わせて設けられる場合、調整ねじは、ばねの弾性作用に対抗して、弾性予荷重の調整の終了を可能にする。
典型的には、前述のタイプに起因する既知の外科用ハサミは、切断干渉の相互接触を確実にするために両方とも同じ方向に軸方向に湾曲した2つのブレードを有し、これらのブレードは、例えば、25°を超えない小さい開放角度の場合のみ満足に切断することができるように調整され、すなわち、ブレードは、軸方向に(すなわち、ヒンジ軸の方向において)湾曲がより強調される遠位自由端の近く又は遠位自由端でのみ十分に切断されるが、そのそれぞれの近位部分では、これらのブレードは、軸方向に離間しており、したがって正確な切断を実行するのには適していない(切断される組織は分離することなくブレード間で曲げる)。逆に、ブレードが、その近位部分において、すなわち、例えば、15°を超える大きい開放角度において、機械的な切断干渉接触になるように調整されている場合、ブレードは、完全に閉鎖するには適さない、これは、ブレードの遠位曲率が実際に閉鎖ストローク端を生成し、小さな開放角度での切断能力を妨げるためである。ブレードの締め付け力を強く増加させると、ブレードは閉じることができるが、必然的に近位部分で再び軸方向に離間し、近位領域での切断能力を失う。これらの理由のために、機械的干渉状態が自由端の近くのみで達成されるように、既知の外科用ハサミのブレードの調整ねじを締め付けることが通常選択される。それは、ブレードがより見やすく、より小さい開放角度を必要とし、したがってより小さい設置面積を有するためである。
外科用器具、特にロボット手術用の外科用器具の端部又はエンドエフェクタの小型化は、手術を受ける患者にとって侵襲性を最小限に抑え、並びに、組織のミリメートル及びサブミリメートルの切開能力が得られるという有利なシナリオを開くことが可能にするため、特に望ましい。
前述の種類の既知の解決策は、部品の製造のための不可能なプロセス、並びに組み立てられたエンドエフェクタを得るための部品の複雑な組み立て戦略を課すため、さらなる小型化には適していない。例えば、ベルビル型弾性ワッシャの弾性反力に対抗しながらヒンジにマイクロ部品を組み立てる必要性、並びに動作時にかなり高い応力に耐えるのに十分に頑強でなければならず、同時に摩擦を最小限に抑えるように幾何学的に成形されなければならないマイクロリッジ及びマイクロアンダーカットを共成形することによる製造の客観的な極端な困難性が考えられる。実際、よく知られているように、マイクロスケールでは、摩擦などの表面力が体積力よりも支配的である。
更に、作動ケーブル又はテンドンによって作動される切断エンドエフェクタを有する外科用器具では、作動テンドンを損傷することなく正確な切断作用を行うなどの高い閉鎖力を確保するために、典型的には、減速機、すなわち、比較的大きな直径のプーリを作製することが必要であるが、これは、エンドエフェクタの遠位端に特に近い部品の小型化を制限する。さもなければ、エンドエフェクタのコンパクトなサイズを維持するために、作動テンドンの長手方向の曲げ性を犠牲にして作動テンドンの引張強度を増加させることが必要であり、したがっていずれの場合にも、比較的大きな直径の遠位プーリを装着することになり、又は、テンドンの直径を大きくすることによってテンドンを補強しようとする試みがなされ得るが、当業者には明らかなように、これらの選択は両方とも小型化を著しく妨げる障害となる。
更に、スケールが減少するにつれて、支点、すなわち、ヒンジのレベルでの小さな機械加工の不確実性が、それぞれのカンチレバ自由端に近く、したがってハサミ型器具の場合には切断ブレードに、又は針ドライバ/縫合糸カッターなどの工具の場合には把持面に非常に不正確さを課すため、外科用器具のエンドエフェクタ把持終端などの回転ジョイントを組み立てるときに、形成されるように意図された要素を正確にサイズ設定することはますます複雑になる。
したがって、同様に、作動テンドンを損傷することなく正確な切断動作を行うなど、高い閉鎖力を伝達する試みにおいて、ブレードに関連するリンク機構(それ自体は当技術分野で知られている解決策である)を設けることも障害となるであろう。たとえ、動作条件下で堅牢であることが証明されるような小さなスケールで部品を作るという唯一の客観的な困難や、自由端の共通回転軸に近い領域の設置面積のため、並びに組み立ての困難性のためにも、小型化への取り組みが必要である。
ヒンジに対して遠位に配置されるエンドエフェクタは、切断ブレードのみであるか切断ブレード及び把持面であるかにかかわらず、典型的には、非常に正確な作業を実行するように設計され、同時に切断ブレードは正確且つきれいな切断動作を確保する必要がある。
同じ出願人の米国特許第10864051号明細書、国際公開第2017-064301号、国際公開第2019-220407号、国際公開第2019-220408号、国際公開第2019-220409号及び米国特許出願公開第2021-059776号明細書は、1つ以上のマスターインタフェースによって制御される1つ以上の外科用器具を有する遠隔操作のロボット手術システムを開示している。更に、同じ出願人の米国特許第10582975号明細書、欧州特許第3586780号明細書、国際公開第2017-064303号、国際公開第2018-189721号、国際公開第2018-189729号、米国特許出願公開第2020-0170727号明細書及び米国特許出願公開第2020-0170726号明細書は、ロボット手術及び顕微手術に適した外科用器具の様々な実施形態を開示している。これらのタイプの外科用器具は、一般に、ロボットマニピュレータによって駆動されるように適合されるインタフェースを有する近位インタフェース部と、シャフトと、シャフトの遠位端にある関節カフ(cuff)とを備える。関節カフは、複数のテンドン(又は作動ケーブル)によって動かされる複数のリンクで構成される。2つの先端リンクは、自由端及びそれらの間の開/閉自由度を有し、吻合又は他の外科的治療を行うための遠隔操作のロボット手術用の針保持器グリッパ型エンドエフェクタを形成する針及び縫合糸を操作するように適合させることができる。
更に、同じ出願人の国際公開第2017-064305号、欧州特許第3362218号明細書及び欧州特許第3597340号明細書は、「WEDM」、「ワイヤカット」、「電気浸食」、「スパーク加工」、又は「スパーク浸食(spark-eroding)」という用語でも知られる、ワイヤ電気浸食(wire electro-erosion)を含む外科用器具を製造するための方法論を開示している。
例えば、同じ出願人の国際公開第2017-064306号は、関節式エンドエフェクタリンクの開/閉自由度を作動させるためのテンドンがエンドエフェクタリンクの凸状線織摺動面上を摺動し、同時に、凹部を有するガイド溝又はチャネル内でテンドンをルーティングすることを回避する外科用器具を示している。それにより、テンドンとリンクとの間の摺動接触部分の断面が最小化され、したがって、摺動摩擦が低減され、ピッチ及びヨーの回転ジョイントなどのエンドエフェクタジョイントによって与えられる高い器用さを確保しながら、関節式エンドエフェクタの小型化を促進することができる。
更に、同じ出願人の国際公開第2018-189722号は、関節式エンドエフェクタの開/閉自由度を作動させるためのテンドンが、前に論じられたものと同様に、エンドエフェクタリンクの凸状線織摺動面上での摺動に加えて、前記凸状線織摺動面上に巻き付けられ、特に高い巻回角の基礎となる弧状経路を示す外科用器具を開示している。実際、テンドンの低い摺動摩擦のために、テンドンは、比較的長く、弧状の長手方向断面にわたって、リンクの凸状線織面と接触したままであり得る。
更に、同じ出願人の米国特許出願公開第2021-0106393号明細書は、絡み合ったポリマー繊維からなるテンドンの幾つかの実施形態を開示している。ポリマーテンドンの使用は、金属テンドンの使用に対して摺動摩擦を低減することを可能にし、同時にテンドンの適切な寸法設定は、関節式エンドエフェクタにおける曲がりくねった長手方向の経路の移動を可能にする。
したがって、極端な小型化に適し、同時に堅牢で信頼性があり、正確で再現可能な切断動作を行うことができる外科用器具の解決策を提供する必要性が強く感じられている。
更に、組み立て及び構築が簡単であり、動作条件下で信頼性が高く、正確で堅牢な遠隔操作のロボット顕微手術用の外科用器具ソリューションを提案する必要性が感じられる。この器具は、例えば、外科用器具本体のメイン長手方向延伸に関して、切断動作の所望の制御された空間方向を可能にするように適合されており、これによって、手術の観察が容易にすることができる。
グリップ及び/又はハサミを備えた関節式先端マイクロ器具を組み立てることを可能にし、関節式エンドエフェクタの器用さを低下させることなく、最小数の構成要素で構成され、負担をかけずに簡単かつコスト的に手頃な方法で組み立てることができる解決策を提案する必要があると感じられている。
グリップ及び/又はハサミを備えた関節式先端マイクロ器具の形成のために、微小機械部品、特に鋭利な微小機械部品を高い幾何学的精度及び再現性で製造することを可能にする解決策を提案する必要性が感じられる。
更に、医療外科分野では、小型外科用切断器具を作製するための1つ以上の小型化されたブレードを作製することができる製造プロセス解決策を提供する必要性が感じられる。特に、使い捨ての外科用器具のための経済的に持続可能な方法で1つ以上の小型化されたブレードを製造することができるような、堅牢で反復可能かつ直列可能な製造プロセスを提供する必要性が感じられる。
本発明の目的は、背景技術に関して述べた欠点を取り除くことである。
この目的及び他の目的は、請求項1に記載の外科用器具、並びに請求項15に記載のロボット手術システム、並びに請求項16に記載の回転ジョイントによって達成される。
幾つかの有利な実施形態は、従属請求項の主題である。
本発明の一態様によれば、関節式エンドエフェクタを備える外科用器具が提供される。
関節式エンドエフェクタ(又は関節式エンドデバイス)は、外科用器具のシャフト又はロッドの遠位端に装着することができる。関節式エンドエフェクタは、好ましくは、作動テンドンによって作動される。
関節式エンドエフェクタは、支持構造体と、第1の近位取り付け根元部及び第1の遠位端を備える細長い本体を有する第1先端と、第2の近位取り付け根元部及び第2の遠位端を備える細長い本体を有する第2先端とを備える。先端の遠位端は、好ましくは自由端であるが、例えば、ヒンジ及び/又はレールなどの拘束を、先端の一方又は両方の遠位端に設けることができる。
支持構造体と、第1の近位取り付け根元部と、第2の近位取り付け根元部とは相互に関節結合され、第1の自由端と第2の自由端との間の開/閉自由度を規定する。
第1先端は、第1の自由端と一体に回転する切縁を有するブレードを備える。ブレードは、軸方向に弾性的に曲がり可能である。
第2先端は、第2の自由端と一体に回転する対向ブレードを備える。
対向ブレードは、前記ブレードを軸方向に弾性的に曲げることによって前記切縁に当接するように適合される。これによって、第1先端の前記切縁と第2先端の前記対向ブレードとは、切断動作を行うように機械的干渉接触状態に達する。
支持構造体と、第1の近位取り付け根元部と、第2の近位取り付け根元部とは、カットジョイントの回転ジョイントを形成する。前記遠位回転ジョイントは、結合部に弾性要素が設けられず、回転ジョイントに対して遠位側に、すなわち、ブレードに弾性が設けられる、軸方向の剛性的回転ジョイントとすることができる。
好ましくは、必ずしもそうとは限らないが、前記支持構造体は2つの突起を備える。支持構造体は、一体で作られる支持リンクに含まれることができる。
第1先端及び第2先端は、リンクを形成する単一の部品によって構成することができ、又は、第1先端及び第2先端は、幾つかのリンク、例えば2つのリンクを組み立てることによって形成することができる。一実施形態によれば、第1先端は、互いに一体に回転するブレードリンク及びブレードホルダリンクによって形成される。一実施形態によれば、第2先端は、第2先端リンク又はリアクションリンクを形成する単一の部品で構成される。
一実施形態によれば、第1先端の第1の根元部は、支持構造体、例えば支持構造体の第1突起と直接に密接し、第2先端の第2の根元部は、支持構造体、例えば支持構造体の第2突起と直接に密接する。
支持構造体は、好ましくは剛性構造であり、例えば、突起間に弾性予荷重要素が設けられない。
一実施形態によれば、第1先端の第1の根元部と第2先端の第2の根元部とは、軸方向において互いに隣り合っている。
第1先端の第1の根元部及び第2先端の第2の根元部は、全体的に支持構造体内に介設する(interposed)ことができ、例えば、支持構造体の突起の間に介設することができる。
一実施形態によれば、支持構造体と、第1先端と、第2先端とは、共通回転軸で互いに関節結合され、共通回転軸と一致する又は平行な軸方向を規定する。
一実施形態によれば、第1先端の第1の根元部と第2先端の第2の根元部とは、前記共通回転軸の周りで支持構造体に対して関節結合されて、支持構造体と前記第1先端及び前記第2先端によって形成されたアセンブリとの間の方向自由度を規定する。
一実施形態によれば、第1先端の第1の根元部及び第2先端の第2の根元部は、前記共通回転軸の周りで互いに関節結合され、第1先端と第2先端との間の相対的開/閉自由度を規定する。
一実施形態によれば、切断作用を実行するのに必要な軸方向弾性がブレードによって与えられ、根元部が軸方向に支持構造体に詰め込まれ、これにより、ブレードの弾性的曲げに対して反作用し、根元部間に軸方向変位が生じることを防止する。
一実施形態によれば、第1先端の前記第1の根元部は、軸方向に面する第1の外部接触面を備え、支持構造体の前記第1突起は、軸方向に面する第1の内部接触対向面を備え、第2先端の前記第2の根元部は、軸方向に面する第2の外部接触面を備え、支持構造体の前記第2突起は、軸方向に面する第2の内部接触対向面を備える。第1の根元部の前記第1の外部接触面と、第1突起の前記第1の内部接触対向面と、第2の根元部の前記第2の外部接触面と、第2突起の前記第2の内部接触対向面とは全て、互いに平行であり得る。
第2先端の対向ブレードは、第1先端を曲げるように軸方向に突出することができる。好ましくは、前記対向ブレードは、軸方向内向きに面する凹面を有する湾曲突出面である。
第2先端の対向ブレードの本体は、軸方向に、好ましくは、軸方向外向きに弾性的に曲がることができる。それにより、切断作用を実行するのに必要な軸方向弾性は、例えば、先端の開放角度に応じて、共同で(jointly)又は別々に、ブレード及び対向ブレードによって与えられる。一実施形態によれば、第2先端の本体が近位カンチレバーアームを備え、当該近位カンチレバーアームは、外軸方向に弾性的に変形可能であり、近位自由端と、前記近位カンチレバーアームに含まれる対向ブレードの近位部分とを有する。
提案された解決策により、外科用器具は、60°までの開/閉自由度の開放角度にわたって切断動作を実行することができる。
ブレードの鋭利化は、ワイヤ電気浸食(WEDM)によって行うことができる。したがって、ワイヤ電気浸食加工によってブレードの切縁を鋭利にカットすることができる。
第1先端及び第2先端の少なくとも一方は、切断動作中にブレード及び/又は対向ブレードの弾性変形を受け入れるための軸方向凹部を形成する軸方向変形座部を備えることができる。
好ましくは、第1先端の前記第1の根元部は第1貫通孔を備え、第2先端の前記第2の根元部は第2貫通孔を備え、これらの貫通孔は全て、円形の貫通孔であり、前記共通回転軸と同軸である。前記孔は、1つの関節ピンを受け入れることができる。
第1先端の本体は、2つの別個の部品又はリンクによって形成することができ、これらの部品は、前記切縁を有する前記ブレード及びブレードリンク根元部を一体に備える本体を有するブレードリンクと、ブレードホルダリンク根元部を有するブレードホルダリンクとを備える。そのような場合、ブレードリンク根元部とブレードホルダリンク根元部とは、互いに隣り合って直接に密接し、共同で第1先端の前記第1の根元部を形成する。そのような場合、第1先端の前記ブレードリンクと前記ブレードホルダリンクとの間には回転抗力係合が設けられ、当該回転抗力係合は、第1先端の第1の根元部に対して遠位側に配置することができ、好ましくは、ブレードの長手方向延伸に沿って配置される。前記ブレードリンクには閉鎖ストローク端が設けられ、当該閉鎖ストローク端は、第1先端の第1の根元部に対して遠位側に配置される。そのような場合、ブレードリンク根元部は、前記ブレードホルダリンク根元部と第2先端の第2の根元部との間に軸方向に介設され(axially interposed)、それらと直接に密接することができる。
一実施形態によれば、第1先端の第1の根元部は、前記共通回転軸の周りに前記ブレードと一体に回転し、第1先端の少なくとも1つの作動テンドンのための第1の終端座部を備え、第2先端の第2の根元部は、前記共通回転軸の周りに前記対向ブレードと一体に回転し、第2先端の少なくとも1つの作動テンドンのための少なくとも第2の終端座部を備える。
近位回転軸の周りに関節結合された前記支持リンクは、前記近位回転軸の周りの前記支持リンクの少なくとも1つの作動テンドンのための少なくとも第3の終端座部を一体に備えることができる。
支持構造体は、平行な母線を有する支持リンクの1つ以上の凸状線織面を一体に備える本体と、2つの突起を備えることができる遠位接続部とを含む本体を有することができる。
一実施形態によれば、関節式エンドエフェクタは、平行な母線を有する接続リンクの1つ以上の凸状線織面を一体に備える本体を有するロッドの遠位端に接続された接続リンクと、支持リンクの近位接続部に接続され、共通の近位回転軸線を中心に相対的に回転できるように、接続リンク及び支持リンクのための近位回転ジョイントを規定する第1の遠位接続部とを備える。
関節式エンドエフェクタは、平行な母線を有する1つ以上の凸状線織面によって形成されたプーリを一体に備える本体を有する近位取り付け根元部を有する支持リンクに関節結合された第1先端、例えば、ブレードホルダリンクを備えることができる。
前記根元部をブレードと一体に回転させるように、前記近位取り付け根元部と一体的な抗力部(drag portion)を設けることができ、ブレードは別個の部品で作られる。実際に、関節式エンドエフェクタは、第1先端の前記ブレードホルダリンクと一体に回転するブレードリンクを備えることができ、ブレードリンクは、切縁と、取り付け根元部の前記抗力部と係合する抗力対向部とを一体に備える本体を有する。
関節式エンドエフェクタは、例えば、支持リンクと、ブレードリンク及びブレードホルダリンクによって形成されたアセンブリとに関節結合されたリアクションリンクを備える第2先端を備えることができ、平行な母線を有する1つ以上の凸状線織面によって形成されたプーリを有する取り付け根元部を一体に備える本体を有する。
一実施形態によれば、第1の取り付け根元部及び第2の取り付け根元部は、支持構造体の遠位接続部と共に、カットジョイント用の共通の遠位回転軸を規定する遠位回転ジョイントを規定する。
一実施形態によれば、第1の拮抗テンドン対は、第1の取り付け根元部、例えばブレードホルダリンク根元部に接続されて、前記共通の遠位回転軸の周りで切縁を移動させ、第2の拮抗テンドン対は、第2の根元部に接続されて、前記共通の遠位回転軸の周りで対向ブレードを動かせる。
一実施形態によれば、第1の取り付け根元部、例えばブレードホルダリンク根元部は、前記第1の拮抗テンドン対を受け入れる少なくとも第1の終端座部を一体に備え、第2の取り付け根元部は、前記第2の拮抗テンドン対を受け入れる少なくとも第2の終端座部を一体に備える。
リンクの平行な母線を有する前記1つ以上の凸状線織面は、前記共通の近位回転軸と平行であり得る。
好ましくは、支持リンクの平行な母線を有する前記1つ以上の凸状線織面の少なくとも1つは、前記共通の近位回転軸線と平行である。
好ましくは、第1の根元部の平行な母線を有するブレードホルダ根元部の前記1つ以上の凸状線織面及び第2の根元部の平行な母線を有する前記1つ以上の凸状線織面は、共通の遠位回転軸と平行である。
第1の拮抗テンドン対及び第2の拮抗テンドン対は、設けられている場合には接続リンクの前記1つ以上の凸状線織面上及び支持リンクの前記1つ以上の凸状線織面上を長手方向に摺動するように適合されるとともに、ブレードホルダリンク根元部のそれぞれの凸状線織面、すなわち第1の根元部又はリアクションリンク、すなわち、第2の根元部上を摺動することなく巻き付き/巻き戻して、ブレードリンク及び対向ブレードをそれぞれ開/閉動作させるように適合される。
共通の遠位回転軸に平行な方向の第1の距離は、第1の根元部の第1の終端座部と、支持構造体、例えば、支持リンクの前記1つ以上の凸状線織面の表面との間で識別することができ、これは任意のカット状態において一定である。
共通の遠位回転軸と平行な方向の第2の距離は、第2の根元部の第2の終端座部と、支持構造体、例えば、支持リンクの前記1つ以上の凸状線織面の表面との間で識別することができ、これは任意のカット状態において一定である。
一実施形態によれば、第1のカンチレバドラッグレッグ(cantilevered drag leg)は、第1のレッグの自由端を形成する第1の根元部から延在し、前記第1の終端座部を軸方向で画定し(delimiting)、第2のカンチレバドラッグレッグは、第2のレッグの自由端を形成する第2の根元部から延在し、前記第2の終端座部を軸方向で画定し、前記第1及び第2のカンチレバレッグはそれぞれ、それぞれのテンドン終端のための抗力当接部(draging abutments)として作用するそれぞれの終端座部に対してアンダーカットとして配置された当接部及び抗力壁(drag wall)をそれぞれ含む。そのような場合、第1のカンチレバレッグと支持構造体、例えば、支持リンクの前記1つ以上の凸状線織面の表面との間の軸方向の第1の距離が識別され、当該第1の距離は、任意の切断状態に対して一定であり、第2のカンチレバレッグと支持構造体、例えば、支持リンクの前記1つ以上の凸状線織面の表面との間の共通の遠位回転軸に平行な方向の第2の距離が識別され、当該第1の距離は、任意の切断状態に対して一定であることが可能である。
第1の距離と第2の距離とは互いに等しくすることができる。
第1の距離及び/又は第2の距離は0であり得る。
第1の取り付け根元部は、軸方向外向きに面する第1の表面を備えることができ、第2の根元部は、軸方向外向きに面する第2の表面を備えることができ、軸方向の更なる距離は、任意のカット条件に関して一定であって、前記第1の表面と前記第2の表面との間で識別することができる。
一実施形態によれば、動作状態にあるときに、各テンドンと、テンドンが摺動するリンクの全ての線織面との間で交換される全体的な摺動摩擦力は、同じテンドンによって伝達される引張力よりもはるかに小さく、閉鎖時に開/閉自由度が移動されて切断動作を行うときにブレードの弾性的曲げ変形を達成する。換言すれば、テンドンの摺動摩擦力は、ブレードと対向ブレードとの間の機械的干渉接触摩擦力よりもはるかに小さくすることができる。この目的のために、テンドンはポリマー材料で作ることができ、リンクは金属材料で作ることができ、リンクの平行な母線を有する凸状線織面は滑らかであり、リンク上のテンドンの長手方向の摺動摩擦を低減することができる。例えば、リンクの線織面は、ワイヤ電気浸食によって得られる。
好ましくは、接続リンク、支持リンク、第1の根元部のプーリ、及び第2の根元部のプーリの全ての凸状線織面は、長手方向チャネルを有さない。したがって、作動テンドンは凹状チャネル内で摺動しない。
支持リンクを接続リンクに対して前記共通の近位回転軸を中心に動かせるために、第3の拮抗テンドン対を設けることができ、支持リンクは、前記第3の拮抗テンドン対のテンドン終端を受け入れる少なくとも第3の終端座部を備える。好ましくは、拮抗テンドンの前記第3対の支持リンクの作動テンドンは、支持リンクの前記1つ以上の凸状線織面上を長手方向に摺動することなく巻き付き/巻き戻し、したがって、凸状線織面は、拮抗テンドンの第3対の作動テンドンのためのプーリ面として作用する。
本発明の一態様によれば、外科用器具のカット方法は、支持構造体と、第1先端と、第2先端とを備えるロッド又はシャフトの遠位端に関節式エンドエフェクタを設けるステップを含む。
方法は、支持構造体の平行な母線を有する1つ以上の凸状線織面上の少なくとも一対の拮抗テンドンの作動テンドンを長手方向に摺動させて、ブレードリンクの切縁を所望の向きに方向付け、遠位回転ジョイントの少なくとも一対の拮抗作動テンドンの作動テンドンを、支持構造体の平行な母線を有する1つ以上の凸状線織面上で長手方向に摺動させて、切縁を前記対向ブレードと接触させるステップを含む。
方法は、切縁及び対向ブレードの少なくとも一方を弾性的に曲げて、それらを機械的干渉接触させ、切断動作を行うことを更に含む。
支持リンクと、第1先端と、第2先端との作動テンドンの全てが摺動する近位回転軸に平行な凸状線織面を有する接続リンクを設けることができる。接続リンク及び支持リンクの平行な母線を有する凸状線織面上で遠位回転ジョイントの少なくとも一対の拮抗作動テンドンの拮抗テンドンを長手方向に摺動させるステップは、遠位回転ジョイントの少なくとも1つの作動テンドンを、それが摺動する凸状線織面上に、60°~300°、好ましくは120°を超える巻回角で巻きつけるステップを含むことができる。
本発明の一態様によれば、カットジョイントの回転ジョイントは、支持構造体の遠位接続部と、切縁を有し、軸方向において弾性的に曲がり可能な本体を有するブレードと一体に回転する取り付け根元部と、対向ブレードと一体に回転する取り付け根元部とを備え、ブレードリンクの切縁は、機械的干渉接触状態で開/閉自由度の移動中に前記対向ブレードに当接して切断動作を行うように適合される。
ブレード及び対向ブレードは、好ましくは、開/閉自由度に応じて相対的に移動可能なそれぞれの遠位自由端と一体に回転する。好ましくは、自由端は、回転ジョイントの回転軸の周りで支持構造体に対して全体的に方向付け可能である。
ブレードは、好ましくは、切断動作に軸方向の弾性を付与するように軸方向に弾性的に曲がり可能であるが、前記回転ジョイントは軸方向に剛性であり、すなわち、根元部間、並びに根元部と支持構造体との間の相対移動が回避される。
カットジョイントは、好ましくは、ブレードと一体に回転する第1の自由端と、対向ブレードと一体に回転する第2の自由端とを含む関節式エンドエフェクタの遠位ジョイントである。
提案された解決策によって、関節式エンドエフェクタの非常に向上した小型化が可能になる。例えば、プーリが非常に小さな半径を有するリンクを有する1つの部品の線織面によって置き換えられて、プーリなしで手首を再現することができる。したがって、既知の金属テンドンは、小型化されたポリマーテンドンに置き換えることができる。ポリマーテンドンは、低摩擦のために、その動きを規定するそのような線織面上で摺動することができる。
簡素化された開/閉及びカット機構を有する最小サイズの外科用切断器具を作製することが可能であり、調整ダボ(dowel)及び/又はベルビルスプリングトレイン(Belleville spring train)は、その干渉によって変形及び切断動作を行う閉鎖部を含む弾性ブレード(また、好ましくは湾曲した対向ブレード)に置き換えられる。
これらの構成要素(キー付きプーリ又はリンクに回転可能に接続されたプーリ、又は遠位ジョイントピン上のベルビル型ばね、ブレード調整ねじ、金属作動テンドン)は、比較的かさばっていて、寸法の減少につれて組み立てるのが困難である。これら小型化の障害を表す許容できないクリアランスのリスクとなる構成要素は、実質的に排除される。
一実施形態によれば、第1先端及び/又は第2先端の取り付け根元部は、長手方向チャネルのないプーリを形成するそれぞれのテンドンのための凸状線織巻回面を有し、好ましくは、平坦で弾性のブレードである更なる構成要素の連動を可能にするように適合された幾何学的抗力要素を備え、そのような幾何学的要素は、開/閉動作において、対向ブレードに対してブレードを一体的に案内するようなものである。
少なくともブレードは、ワイヤ電気浸食によって作製することができる。
本発明の一態様によれば、ワイヤ電気浸食によって1つ以上のブレードを製造するための方法は、(i)カットワイヤを有するワイヤ電気浸食機械を用意し、ワイヤ電気浸食機械に取り付けられた固定具を用意するステップと、(ii)少なくとも1つの被加工部品を固定具に取り付けるステップと、(iii)カットワイヤを用いて少なくとも1つの被加工部品に鋭利化貫通カットを行うことによって、少なくとも1つの被加工部品の鋭利にされるべき少なくとも1つの縁部を鋭利化するステップとを含む。鋭利化ステップ(shapening step)は、ブレードの前記切縁を得るために鋭利化プロセスを実行する。
本発明の一態様によれば、ワイヤ電気浸食によって1つ以上のブレードを製造するための方法は、(i)カットワイヤを有するワイヤ電気浸食機械を用意し、ワイヤ電気浸食機械に取り付けられた固定具を用意するステップであって、固定具が、その少なくとも一部がカットワイヤの長手方向延伸を横切る回転軸の周りで回転することができるように取り付けられる、固定具を用意するステップと、(ii)少なくとも1つの被加工部品を固定具に取り付けるステップと、(iii)カットワイヤを用いて少なくとも1つの被加工部品に対して鋭利化貫通カットを行うことによって、前記少なくとも1つの被加工部品の鋭利にされるべき少なくとも1つの縁部を鋭利化するステップと、(iv)少なくとも1つの被加工部品に、前記カットワイヤを用いて成形貫通カットを行うことによって、少なくとも1つの被加工部品を成形するステップとを含む。
鋭利化ステップと成形ステップとの間に、固定具の少なくとも一部分をその回転軸の周りに90°以外の鋭利化回転角だけ回転させる更なるステップが行われる。
そのような方法により、1つ以上のブレードを作製することが可能である。一実施形態では、そのような方法により、1つ以上のブレードリンクを作製することが可能である。
このような鋭利化回転角は、被加工部品に作られた切縁の断面に形成される角度と同一であり得る。
このような方法により、固定具上の少なくとも1つの被加工部品の交換が回避される。
方法は、同じ被加工部品上に複数のブレードを作製することができ、この場合、鋭利化及び成形ステップは、前記複数のブレードの全てについて同じである。鋭利化ステップは、鋭利にされるべき複数の縁部の鋭利化を決定する開始点及び終点を有する1つのカット軌道(又は1つのカット経路)によって実行することができる。成形ステップは、複数の機械加工されるべき部品の成形を決定する開始点及び終点を有する1つのカット軌道(又は1つのカット経路)によって実行することができる。
被加工部品は、板、ストリップ、ベルトなどの板状本体を備えることができ、鋭利化及び成形ステップはそれぞれ、被加工部品の板状本体の厚さを貫通する貫通カットを形成することを含む。板状本体の厚さは、1ミリメートル未満、例えば0.05から0.5ミリメートルの間とすることができる。板状本体は、曲げによって弾性変形可能な弾性体、例えばブレード用鋼であってもよい。
成形ステップは、ブレードリンク30の厚さを貫通する貫通孔を画定するように意図された少なくとも1つの孔縁部を形成することを含むことができ、例えば、前記貫通孔は、心出し孔であってもよく、孔縁部は、カットワイヤのパスによる部品の本体上にカットチャネルを規定する開放プロファイルを有することができる。
取り付けステップは、複数の被加工部品を固定具に組み立てることを含むことができ、鋭利化及び成形ステップは、前記複数の各被加工部品を個別に鋭利化及び成形することによって実行される。
固定具は、機械加工される個々の部品が、前記鋭利化回転角度だけ互いに位置合わせされていない少なくとも2つのカット面上でカットワイヤによって個別に機械加工され得るように作製され得る。言い換えれば、機械加工される被加工部品は、実質的に真っ直ぐに延びる切縁が、提供された各カット面上で一度に機械加工される被加工部品の最大で1つと交差するように、固定具に取り付けることができる。
固定具は、回転軸の周りの1つ以上の回転構成でワイヤ電気浸食によって個別に機械加工可能な複数の平面要素(ストリップ)を固定することを含むことができる。
成形ステップの後に、被加工部品に第2の成形貫通カットを実行することによって、被加工部品を再成形するステップを第2の異なるカット面に含めることができ、成形ステップと再成形ステップとの間で、固定具は90°に実質的に等しくなり得る回転を完了する。鋭利化ステップは、成形ステップと再成形ステップとの間に行うことができる。再成形ステップは、被加工部品のサブグループに対して実行することができる。
電気浸食機械のゼロ化及び較正戦略を含めることができ、これは、固定具及び/又は被加工部品上の既知の基準をカットワイヤと接触させることによって原点を識別することを含む。一実施態様によれば、方法は、カット経路の原点又は基準を識別し、例えばカットワイヤで原点又は基準に達するまで接近する更なるステップを含む。原点は、鋭利にされるべき被加工部品の縁部などの被加工部品に含まれることができる。
原点又は基準は鋭利化ステップ及び成形ステップの両方、並びに再成形ステップのための単一の原点とすることができ、ワイヤ電気浸食機械の制御システムは、前記単一の原点又は基準を記憶し、それを前記鋭利化回転角の固定具の運動学的回転に幾何学的に(例えば、三角法)関連付けて、次のカット経路を処理することができる。鋭利化カット及び成形カットは両方とも、原点又は基準に対して幾何学的関係にある同じ点から開始することができる。識別ステップの後で、鋭利化及び/又は成形ステップの前に、鋭角であり得る所定の角度だけ回転軸を中心とした固定具の回転を実行することが可能である。
鋭利化貫通カットは、同じ鋭利化カット経路に沿うカットワイヤの繰り返し複数パスで実行することができ、前記鋭利化貫通カットを実行するためのカットワイヤの前記繰り返し複数パスの回数は、成形貫通カットを実行するために行われたパスの回数よりも多い。
実行される切縁34の鋭利化は、「背面傾斜なし(no back bevel)」又は「チゼルエッジ(chisel edge)」タイプの鋭利化とすることができる。
成形ステップは、ブレードを分離せず、各ブレードの材料の少なくとも1つのブリッジを無傷のままにすることを含むことができる。
本発明の一態様によれば、成形され、接続ブリッジによって互いに接続された複数のブレード、例えばブレードリンクを一体に有する板状本体、例えば,シート状本体を含む半製品が提供される。
固定具は、被加工部品を受け入れるための複数の座部を備えることができる。
前記ブレード(例えば、ブレードリンク上に作製される場合)も含む関節式エンドエフェクタの複数のリンクは、ワイヤ電気浸食によって作製することができる。
本発明の一態様によれば、ワイヤ電気浸食によって関節式外科用切断器具を製造するための方法は、(i)カットワイヤと、カットワイヤの長手方向延伸を横断する回転軸を中心にカットワイヤに対して回転可能な固定具とを備えるワイヤ電気浸食機械を用意するステップと、(ii)固定具上に機械加工されるべき複数の被加工部品を組み立てるステップと、(iii)前記複数のうちの少なくとも1つの被加工部品の鋭利にされるべき少なくとも1つの縁部を、カットワイヤを用いて少なくとも1つの被加工部品に鋭利化貫通カットを行うことによって鋭利化するステップと、(iv)一度に前記複数の被加工部品の被加工部品の少なくとも一部だけでなく全部を第1のカット面上で成形するステップと、(v)前記複数の被加工部品のうちの少なくとも一部の被加工部品だけでなく全ての被加工部品に対して一度に連続してカットワイヤによる成形貫通カットを行うことによって、前記複数の被加工部品のうちの少なくとも一部だけでなく全ての被加工部品を第2のカット面上で再成形するステップとを含む。
第1のカット面における鋭利化ステップと成形ステップとの間には、90°とは異なる鋭利化回転角度だけ固定具を回転させるステップが行われる。換言すれば、第1のカット面上の鋭利化ステップ及び成形ステップでは、固定具は90°以外の鋭利化角の回転を完了する。
第1のカット面での成形ステップと第2のカット面での再成形ステップとの間は、好ましくは90°に略等しい回転角度だけ固定具をその回転軸の周りに回転させるステップを含む。
前記複数の被加工部品の少なくとも1つは、材料の小さなシリンダであってもよい。
前記複数の被加工部品の少なくとも1つは、板状本体、例えばストリップ又はリボン又はプレートであってもよい。
治具上の前記複数の被加工部品の被加工部品の配置は、好ましくは、各カットステップ(すなわち、鋭利化、成形及び再成形)においてカットワイヤが多くとも1つの被加工部品と交差するという条件を満たさなければならない。
方法は、成形部品を分離するステップを含むことができる。
方法は、別個の部品を一緒に組み立てるステップを含むことができ、部品の少なくとも1つは切縁を有する。
本発明の一態様によれば、機械への固定部と、少なくとも1つの被加工部品を受け入れるためのハウジングとを有する電気浸食機械用の固定具(又は治具)が提供され、ハウジングは固定部に対して回転可能である。回転を行うためのモータを設けることができる。
固定具は、複数の被加工部品を受け入れることができ、機械は、少なくとも1つのカットプロファイルが成形用である少なくとも2つのカット面で前記複数の被加工部品を個別に処理することができる。
固定具は、切縁が少なくとも2つのカット面で一度に1つの被加工部品と交差するように、それぞれのハウジング座部に被加工部品を配置するように構成される。固定具は、2つのカット面が互いに直交する少なくとも3つのカット面でカットワイヤが一度に1つの被加工部品と交差するように、それぞれのハウジング座部に被加工部品を配置するように構成することができる。
本発明の一態様によれば、少なくとも1つの外科用器具を備えるロボット手術システムが提供される。
ロボット手術システムは、マスタ-スレーブ遠隔手術システムとすることができる。
ロボット手術システムは、自動システムであり得る。
本発明の更なる特徴及び利点は、添付の図面(本開示における「1つの」実施形態及び「1つの」動作モードへの言及は、必ずしも同じ実施形態又は動作モードを指すものではなく、少なくとも1つとして理解されるべきであり、更に、簡潔にし、図面の総数を減らす目的で、所定の図面を使用して複数の実施形態及び複数の動作モードの特徴を示すことができ、図面の全ての要素が所定の実施形態/動作モードに必要であるとは限らないことに留意されたい)を参照して、非限定的であり、例示として与えられる好ましい実施形態の以下の説明から明らかになる。
一実施形態に係るロボット手術システムの不等角投影図 一実施形態に係る外科用器具の不等角投影図 作動テンドンを概略的に示す、一実施形態に係る2つの動作構成の一方における外科用器具のエンドエフェクタを概略的に示す図 作動テンドンを概略的に示す、一実施形態に係る2つの動作構成の他方における外科用器具のエンドエフェクタを概略的に示す図 作動テンドンを概略的に示す、一実施形態に係るシャフトの遠位端にエンドエフェクタを備える外科用器具の一部の不等角投影図 作動テンドンを概略的に示す、一実施形態に係る外科用器具のエンドエフェクタの不等角投影図 一実施形態に係る外科用器具のエンドエフェクタの一部の不等角投影図 分解図で部品を示す、図6のエンドエフェクタの部分の不等角投影図 作動テンドンを概略的に示す、一実施形態に係るシャフトの遠位端にエンドエフェクタを備える外科用器具の不等角投影図 エンドエフェクタを示している、図8Aの作動テンドンを概略的に示す図 作動テンドンを概略的に示す、一実施形態に係るエンドエフェクタを備える外科用器具の不等角投影図 一実施形態に係る外科用器具のエンドエフェクタの一部を分解図で示す平面図 組み立てられた部品を示す、切断構成の図10のエンドエフェクタの一部の平面図 図11に示す切断構成のエンドエフェクタの一部の不等角投影図 図10のエンドエフェクタの一部のブレードリンクの垂直立面図 一実施形態に係る図10のエンドエフェクタのブレードホルダリンクの一部の垂直立面図 一実施形態に係る、様々な機械的切断干渉構成のブレード及び対向ブレードによって想定される形態を概略的に示す平面図 矢印Aで示す視点による図11のエンドエフェクタの垂直立面図 矢印Bで示す視点による図11のエンドエフェクタの垂直立面図 図11のエンドエフェクタの一部を分解図で示す不等角投影図 縫合糸の想定し得る切断シーケンスにおける図11のエンドエフェクタの一部を示す図 縫合糸の想定し得る切断シーケンスにおける図11のエンドエフェクタの一部を示す図 縫合糸の想定し得る切断シーケンスにおける図11のエンドエフェクタの一部を示す図 一実施形態に係る外科用器具のエンドエフェクタの一部を分解図で示す平面図 一実施形態に係る外科用器具のエンドエフェクタの一部を分解図で示す平面図 組み立てられた構成を示す、切断構成の図19のエンドエフェクタを示す図 組み立てられた構成を示す、図19のエンドエフェクタの一部の不等角投影図 図19のエンドエフェクタの対向ブレードリンクの垂直立面図 図19のエンドエフェクタの対向ブレードホルダリンクの一部の垂直立面図 図19のエンドエフェクタの一部を分解図で示す不等角投影図 組み立てられた構成を示す、図24のエンドエフェクタの一部の垂直立面図 5ユーロセントコインの表面上に配置されたブレードリンク及び対向ブレードリンクを示す電子顕微鏡写真画像 一実施形態に係る外科用器具のエンドエフェクタの一部の垂直立面図 一実施形態に係る外科用器具のエンドエフェクタの一部の切断構成の平面図 一実施形態に係る外科用器具のエンドエフェクタの第1先端の一部の垂直立面図 矢印Bで示す視点による図29Aのブレードリンクの詳細の拡大図 図29Aに示す第1先端の一部の詳細の不等角投影図 一実施形態に係るブレードリンクの垂直立面図 一実施形態に係る対向ブレードリンクの垂直立面図 組み立てられた構成を示す、図30Aのブレードリンク及び図30Bの対向ブレードリンクを備える外科用器具のエンドエフェクタの一部の垂直立面図 作動テンドンを概略的に示す、一実施形態に係るシャフトの遠位端で関節結合されたエンドエフェクタを備える外科用器具の一部の不等角投影図 作動テンドンを概略的に示す、一実施形態に係る外科用器具のエンドエフェクタの不等角投影図 図31のエンドエフェクタの一部の不等角投影図 異なる視点による図33のエンドエフェクタの一部を分解図で示す不等角投影図 異なる視点による図33のエンドエフェクタの一部を分解図で示す不等角投影図 一実施形態に係る外科用器具のエンドエフェクタの一部を分解図で示す平面図 一実施形態に係る、様々な機械的切断干渉構成の図35のエンドエフェクタのブレード及び対向ブレードによって想定される形態を概略的に示す平面図 作動テンドンを概略的に示す、開/閉自由度が部分的に閉じて、部分的に開いている構成の図31のエンドエフェクタの一部の平面図 開/閉自由度が閉じた構成の図37のエンドエフェクタの一部の平面図 一実施形態に係る、開/閉自由度が部分的に閉じて、部分的に開いている構成の外科用器具のエンドエフェクタの一部の不等角投影図 矢印Bで示す視点による図39Aのエンドエフェクタを示す図 異なる視点による図39Aのエンドエフェクタの一部の不等角投影図 矢印Dで示す視点による図39Cのエンドエフェクタを示す図 開/閉自由度が閉じた構成の図39Aのエンドエフェクタの一部の垂直立面図 矢印Bで示す視点による図40Aのエンドエフェクタを示す図 異なる視点による図40Aのエンドエフェクタの一部の垂直立面図 矢印Dで示す視点による図40Cのエンドエフェクタを示す図 一実施形態に係る第2先端の平面図 一実施形態に係るブレードホルダリンクの平面図 一実施形態に係る第1先端を示す図 図32のエンドエフェクタの一部の不等角投影図 図44のエンドエフェクタの一部を分解図で示す不等角投影図 一実施形態に係る外科用器具のエンドエフェクタを分解図で示す平面図 図46のエンドエフェクタの第2先端の異なる視点による不等角投影図 図46のエンドエフェクタの第2先端の異なる視点による不等角投影図 一実施形態に係る開放構成のエンドエフェクタの一部の垂直立面図 矢印Bで示す視点による図48Aのエンドエフェクタの一部を示す図 機械的切断干渉形態における図48Bのエンドエフェクタのブレード及び第2先端によって想定される形状を平面図で概略的に示す図 図48Aのエンドエフェクタの部分の不等角投影図 部分的に閉じた構成及び部分的に開いた構成における図48Aのエンドエフェクタの部分の垂直立面図 矢印Bで示す視点による図49Aのエンドエフェクタの部分を示す図 機械的切断干渉構成の図49Bのエンドエフェクタのブレード及び第2先端によって想定される形態を概略的に示す平面図 図49Aのエンドエフェクタの一部の不等角投影図 部分的に閉じた構成の図48Aのエンドエフェクタの一部の垂直立面図 矢印Bで示す視点による図50Aのエンドエフェクタの一部を示す図 機械的切断干渉構成の図50Bのエンドエフェクタのブレード及び第2先端によって想定される形態を概略的に示す平面図 図49Aのエンドエフェクタの一部の詳細を示す不等角投影図 一実施形態に係る外科用器具のエンドエフェクタを分解図で示す平面図 作動テンドンを概略的に示す、一実施形態に係るシャフトの遠位端にエンドエフェクタを備える外科用器具の不等角投影図 エンドエフェクタを示している、図8Aの作動テンドンを概略的に示す図 作動テンドンを概略的に示す、一実施形態に係るエンドエフェクタを備える外科用器具の不等角投影図 一実施形態に係るシャフトの遠位端における針ドライバ/ハサミグリッパ型外科用器具のエンドエフェクタを示す電子顕微鏡写真画像 一実施形態に係るシャフトの遠位端におけるハサミタイプの外科用器具のエンドエフェクタを示す電子顕微鏡写真画像 一実施形態に係るブレードリンクを示す電子顕微鏡写真画像 一部の実施形態に係る回転ジョイントの平面図 一部の実施形態に係る回転ジョイントの平面図 開/閉自由度の2つの開放構成の一方を示す、一実施形態に係る回転ジョイントの平面図 開/閉自由度の2つの開放構成の他方を示す、一実施形態に係る回転ジョイントの平面図 所定の動作モードに係る、製造方法の幾つかの想定し得るステップを概略的に示すブロック図 所定の動作モードに係る、製造方法の幾つかの想定し得るステップを概略的に示すブロック図 所定の動作モードに係る、製造方法の幾つかの想定し得るステップを概略的に示すブロック図 所定の動作モードに係る、製造方法の幾つかの想定し得るステップを概略的に示すブロック図 想定し得る動作モードに係る、被加工部品を組み立てるワイヤ電気浸食機械を概略的に示す図 想定し得る動作モードに係る、ワイヤ電気浸食機械の一部の上面図 一実施形態に係る固定具の垂直立面図 図60Bの固定具のハウジングを示す図 想定し得る動作モードに係る、鋭利化ステップの不等角投影図 想定し得る動作モードに係る、鋭利化ステップの終了時に被加工部品を組み立てる治具の垂直立面図 想定し得る動作モードに係る、鋭利化ステップを概略的に示す被加工部品の断面図 一実施形態に係る、鋭利化ステップの終了時の被加工部品の断面図 想定し得る動作モードに係る、鋭利化ステップにおける被加工部品を概略的に示す断面図 一実施形態に係る、鋭利化ステップの終了時の被加工部品の断面図 想定し得る動作モードに係る、回転ステップの不等角投影図 想定し得る動作モードに係る、回転ステップの垂直高さを示す図 想定し得る動作モードに係る、成形ステップの不等角投影図 図63Aの丸で囲まれた部分の詳細を示す拡大図 想定し得る動作モードに係る、鋭利化及び成形を受けた被加工部品の断面図 想定し得る動作モードに係る、湾曲するステップを概略的に示す図 想定し得る動作モードに係る、鋭利化カット経路及び成形カット経路の平面図 幾つかの想定し得る動作モードに係る、成形カット経路を示す図 幾つかの想定し得る動作モードに係る、成形カット経路を示す図 幾つかの想定し得る動作モードに係る、成形カット経路を示す図 一実施形態に係る、複数の成形ブレードを備える半製品を示す図 幾つかの想定し得る動作モードに係る、成形カット経路を示す図 幾つかの想定し得る動作モードに係る、成形カット経路を示す図 幾つかの想定し得る動作モードに係る、成形カット経路を示す図 一実施形態に係る、複数の成形ブレードを備える半製品を示す図 一実施形態に係る、収集バスケットを示す写真画像 想定し得る動作モードに係る、一連の鋭利化、回転、及び成形ステップを示す図 想定し得る動作モードに係る、一連の鋭利化、回転、及び成形ステップを示す図 想定し得る動作モードに係る、一連の鋭利化、回転、及び成形ステップを示す図 幾つかの想定し得る動作モードに係る、一連の鋭利化、回転、及び成形ステップを示す図 幾つかの想定し得る動作モードに係る、一連の鋭利化、回転、及び成形ステップを示す図 幾つかの想定し得る動作モードに係る、一連の鋭利化、回転、及び成形ステップを示す図 幾つかの想定し得る動作モードに係る方法の幾つかの想定し得るステップ、並びに固定具の幾つかの実施形態を示す図 幾つかの想定し得る動作モードに係る方法の幾つかの想定し得るステップ、並びに固定具の幾つかの実施形態を示す図 幾つかの想定し得る動作モードに係る方法の幾つかの想定し得るステップ、並びに固定具の幾つかの実施形態を示す図 幾つかの想定し得る動作モードに係る、一連の鋭利化、回転、及び成形ステップを示す図 幾つかの想定し得る動作モードに係る、一連の鋭利化、回転、及び成形ステップを示す図 幾つかの想定し得る動作モードに係る、一連の鋭利化、回転、及び成形ステップを示す図 図74Cの矢印Dで示す視点による概略図 複数の被加工部品を組み立てる実施形態に係る固定具の不等角投影図 想定し得る動作モードに係る、方法の想定し得るステップを概略的に示す垂直立面図 幾つかの想定し得る動作モードに係る、方法の幾つかの想定し得るステップを概略的に示す垂直立面図 幾つかの想定し得る動作モードに係る、方法の幾つかの想定し得るステップを概略的に示す垂直立面図 幾つかの想定し得る動作モードに係る、方法の幾つかの想定し得るステップを概略的に示す垂直立面図
本明細書を通して「実施形態」への言及は、実施形態に関連して説明される所定の特徴、構造、又は機能が本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを示すことを意味する。したがって、本明細書の様々な部分における「一実施形態では」の記載は、必ずしも全てが同じ実施形態を指すとは限らない。更に、異なる図面に示されているような所定の特徴、構造、又は機能は、特に明記しない限り、1つ以上の実施形態において任意の適切な方法で組み合わせることができる。同様に、本明細書全体を通して「動作モード」への言及は、動作モードに関連して説明される所定の特徴、構造、又は機能が本発明の少なくとも1つの動作モードに含まれることを示すことを意味する。したがって、本明細書の様々な部分における「動作モードにある」という表現は、必ずしも全てが同じ動作モードを指すとは限らない。更に、異なる図面に示されているような所定の特徴、構造、又は機能は、1つ以上の動作モードで任意の適切な方法で組み合わせることができる。
一般的な実施形態によれば、切断動作を実行するように適合された外科用器具1が提供される。前記外科用器具1は、ロボット手術に特に適しているが、一意には意図されておらず、例えば、図1に示すように、ロボット手術システム101の電動アクチュエータを含むロボットマニピュレータ103に接続可能であり得る。例えば、前記外科用器具1は、機械的及び手動的な制御装置、並びに作動デバイスに関連付けることができる。
前記外科用器具1を備えるロボット手術システム101は、ロボット顕微手術操作に特に適しているが、一意的に意図されているわけではない。ロボット手術システム101は、ロボット腹腔鏡手術を対象とすることができる。
前記外科用器具1は、関節式エンドエフェクタ9、言い換えれば、関節式エンドデバイス9を備える。一実施形態によれば、前記外科用器具1は、シャフト7又はロッド(rod)7と、シャフト7の遠位端8にある前記関節式エンドエフェクタ9とを備える。必ずしも前記シャフト7が剛性シャフトであるとは限らない、例えば、曲がり可能なシャフト及び/又は関節シャフトであってもよいが、好ましい実施形態によれば、前記シャフト7は剛性シャフトである。例えば、図2に示すように、外科用器具1の近位インタフェース部104又はバックエンド104をシャフト7の近位端102に設けて、ロボット手術システム101のロボットマニピュレータ103とのインタフェースを形成することができる。滅菌バリアは、ロボットマニピュレータと外科用器具の近位インタフェース部104との間に介設することができる。例えば、前記近位インタフェース部104は、ロボットマニピュレータ103によって付与された駆動動作を受け、それらを関節式エンドエフェクタ9に伝達するためのインタフェース伝達要素のセットを備えることができる。一実施形態によれば、外科用器具1は、ロボット手術システム101のロボットマニピュレータ103に着脱可能に関連付けられる。
シャフト7の遠位端8における関節式エンドエフェクタ9は、1つ又は複数の回転ジョイントで互いに関節結合された複数のリンクを備えることができる。これらの回転ジョイントは、シャフト7内で近位インタフェース部104から関節式エンドエフェクタ9まで延びる複数対の拮抗作動テンドンによって可動である。複数対の拮抗作動テンドンは、関節式エンドエフェクタ9のリンクの少なくとも一部に設けられた終端座部で終端することができる。複数対の拮抗作動テンドン対のうちの1つ又は複数の拮抗テンドン対の一対の作動テンドンは、器具の近位インタフェース部104から器具の関節式エンドエフェクタのリンクまでの往復経路を形成する単一のテンドンで構成することができる。
好ましくは、「リンク」という用語は、単一部品で作られた本体、すなわち、モノブロック本体(monobloc body)を指す。
関節式エンドエフェクタ9を構成する全てのリンクが、必ずしも関節結合であるとは限らない、すなわち、互いに対して、及び/又はシャフト7の遠位端8に対して可動であるとは限らない。
例えば、前記エンドエフェクタ9は、当分野で広く採用されている専門用語によれば、「ロールピッチヨー(roll-pitch-yaw)」タイプの関節カフ(articulated cuff)であり得る。例えば、前記エンドエフェクタ9は、「ヘビ(snake)」タイプの関節式エンドエフェクタ9であり得る、すなわち、多数の同一平面及び/又は非平面回転ジョイントを備えることができる。
外科用器具1の前記関節式エンドエフェクタ9は、支持構造体を含む。支持構造体は、支持フォーク(support fork)を形成する第1突起3及び第2突起4を含む突起3、4を備えることができる。好ましくは、支持フォークは単一部品で作られ、すなわち、前記2つの突起3、4は一体に形成される。好ましい実施形態によれば、前記関節式エンドエフェクタ9は、前記2つの突起3、4を備える前記支持フォークを備える支持リンク2を備える。
例えば、図4及び例えば図31に示される実施形態によれば、前記突起3、4を含む支持フォークを備える支持リンク2は、シャフト7に対して別個の部品であり、支持リンク2と、更なる接続リンク90のシャフト7の遠位端8との間に介設されることによって、シャフト7に関節接続される。更なる接続リンク90は、固定装置94によってシャフト7の遠位端にしっかりと固定され、共通の近位回転軸P-P、又はピッチ軸P-Pの周りでシャフト7に対して支持リンク2に関節接続された2つの突起91、92を備える。(「ピッチ」という用語は、ここでは任意に使用されており、共通回転軸P-Pの任意の方向を示すことができる)。したがって、そのような場合、突起3及び4は、シャフト7の遠位端8に対して関節結合される。
例えば、図8A及び図8B、並びに図52A及び図52Bに示す実施形態によれば、例えば、前記突起3、4を有する支持フォークを備える支持リンク2は、シャフト7に対して別個の部品であり、固定デバイス94(一対のピンとして示される例では)によってシャフト7にしっかりと固定される、すなわち関節結合されない。したがって、そのような場合、突起3及び4は、シャフト7の遠位端8と一体である。
例えば、図9及び図53に示す実施形態によれば、前記突起3、4を備える支持構造体又はフォークは、シャフト7の遠位端8と一体に形成される。したがって、そのような場合、突起3及び4は、シャフト7の遠位端8に対して一体であり、関節式エンドエフェクタ9は、2つの突起3、4を有するシャフト7の遠位端8を更に備え、すなわち、本開示の目的のために、この実施形態では、2つの突起3、4を備えるシャフト7の遠位端8は、関節式エンドエフェクタ9に属するものとして理解される。
外科用器具1の前記関節式エンドエフェクタ9は、第1の近位取り付け根元部11及び第1の遠位自由端12を含む第1先端本体10又は第1先端10を含む。必ずしも第1先端10の本体が一体に形成されるとは限らないが、一実施形態によれば、第1先端10の本体は一体に形成され、それによって第1先端リンクを形成する。
外科用器具1の前記関節式エンドエフェクタ9は、第2の近位取り付け根元部21及び第2の遠位自由端22を含む第2先端本体20又は第2先端20を更に含む。第2先端20の本体は必ずしも一体に形成されるとは限らないが、一実施形態によれば、第2先端20の本体は一体に形成され、それによって第2先端リンクを形成する。
必ずしも第1の及び第2先端10、20の遠位端12及び21が自由端であるとは限らない、例えば、変形例によれば、前記遠位端12、22の少なくとも一方は、例えば、パンタグラフ機構(pantograph mechanism)のヒンジ及び/又はレールによって案内又は拘束される。好ましい実施形態によれば、第1及び第2先端10、20の遠位端12及び21は、外科用器具の遠位終端自由端である。
好ましくは、前記第1の及び第2先端10及び20はそれぞれ細長い本体を有し、前記第1の及び第2先端10及び20の細長い本体は、少なくとも1つの切断動作を実行するように適合される関節式エンドエフェクタ9の終端把持デバイスを形成するように適合される共通回転軸Y-Yを中心に回転するように、それぞれの近位部分又は根元部11、21において互いに拘束されている。したがって、根元部11、21は、共通回転軸Y-Yの回転ジョイントを形成するように適合され、好ましくは、根元部のレベル、すなわち、関節ピン5の近く又は関節ピン5で弾性変形を受け入れるための座部を形成することを避けるように、弾性要素を有さない。
前記支持構造体では、第1先端10及び第2先端20は、共通回転軸Y-Yで互いに関節結合され、共通回転軸Y-Yと一致する又は平行な軸方向を規定する。
好ましくは、提示を明確にするために、共通回転軸Y-Yの方向と一致又は平行な軸方向が定義される。好ましくは、提示を明確にするために、第1先端10に関して、軸方向に沿って第2先端20に面する内軸方向も規定され、同様に、第2先端20に関して、前記内軸方向は反対に、すなわち、第1先端10に面する。
近位方向及び遠位方向(又は意識(senses))は、図2の矢印によって示されるように、用語の共通の意味に従って参照するものとして理解される。
好ましくは、提示を明確にするために、「径方向」という用語は、共通回転軸Y-Yに実質的に直交し、それに入射する方向を指す。好ましくは、提示を明確にするために、それは、全体的には、外科用器具1の長手方向延伸と実質的に一致し得るだけでなく、第1先端10の細長い本体の長手方向延伸、及び/又は、第2先端20の細長い本体の長手方向延伸と局所的に実質的に一致する長手方向をも意味する。
第1先端10の前記第1の根元部11及び第2先端20の前記第2の根元部21は、軸方向に互いに隣接している。
第1先端10の前記第1の根元部11及び第2先端20の前記第2の根元部21は、全体的に支持構造体の前記突起3、4の間に介設される。言い換えれば、第1先端10の前記第1の根元部11及び第2先端20の前記第2の根元部21によって形成されたアセンブリは、支持構造体の前記突起3、4の間に介設される。
第1の先端10の第1の根元部11と第2の先端20の第2の根元部21とは、前記共通回転軸Y-Yの周りで支持構造体の突起3、4に対して関節結合され、支持構造体と、前記第1の先端部10及び前記第2の先端部20によって形成されるアセンブリとの間の方向自由度Yを規定する。したがって、共通回転軸Y-Y(又はその直線延伸)は、前記2つの突起3、4、並びに前記第1及び第2の根元部11、12と交差し、関節ピン5によって規定することができる。支持構造体は、好ましくは剛性であり、すなわち、例えば、剛性支持フォークであり、突起3、4の相対位置はしっかりと決定される。
更に、第1先端10の第1の根元部11及び第2先端20の第2の根元部21は、前記共通回転軸Y-Y周りで互いに関節結合され、切断動作を行うための第1先端10と第2先端20との間の相対的開/閉自由度G(又はカット自由度G、又は広く採用されている専門用語による把持自由度Gであるが、この自由度の起動は必ずしも把持動作をもたらすとは限らない)を規定する。これにより、第1の自由端12及び第2の自由端22は、開/閉方向、すなわち、相対的な接近/離間方向において相対的に移動可能である。
好適には、前記第1先端10は、第1の自由端12と一体に回転する切縁34を備え、前記第2先端20は、第2の自由端22と回転一体の対向ブレード24を備える。対向ブレード24は、好ましくは、軸方向内向きに面する対向ブレード表面24を備える。
第1先端10の本体のブレード14は軸方向に弾性的に曲げることができ、第2先端20の前記対向ブレード24は、前記第1先端10の本体を軸方向に弾性的に曲げることによって前記切縁34に当接するように適合されている。ブレード14は、好ましくは、前記切縁34を一体に備える第1先端10の本体の一部であり、すなわち、切縁34は、第1先端10の本体のブレード14に含まれる。
これにより、第1先端10の前記切縁34及び第2先端20の前記対向ブレード24は、機械的干渉接触状態に達して切断動作を行う。
切断作用をもたらす切縁34と対向ブレード24との間の機械的干渉接触は、同時に、第1先端10の本体のブレード14を曲げ変形させる。切断動作中の第1先端10の本体のブレード14の曲げ変形は、好ましくは軸方向に向けられ、すなわち、共通回転軸Y-Yに実質的に平行に向けられる。
第1先端10及び第2先端20が実質的に閉じた構成にあるときのブレード14の変形構成は、最大限に曲げられ、いずれの場合も、第1先端10及び第2先端20が部分的に閉じた部分的に開いた構成にあるときのブレード14の構成よりも大きく曲がる。必ずしもそうである必要はないが、好ましくは、開放角度が最大限に開いており、ブレード14が自由であるとき、切縁34は真っ直ぐであり、ブレード14は実質的に平坦な構成を有する。
切縁34と対向ブレード24との間の少なくとも1つの接触点POCは、好ましくは、開/閉自由度Gの開放角度の関数として位置及び/又はサイズが変化し、好ましくは、開放角度が減少するにつれて遠位方向に移動する傾向があり、それによってブレード14の本体の弾性変形により曲げが強まる。
「接触点POC」は、好ましくは、切縁34と対向ブレード24との間の接触領域の最遠位部分を意味するが、接触領域は、実施形態の幾つかの構成において類似であり得る。
弾性的に変形可能な曲げ切縁34は、鋭利であり得る、すなわち、ブレード14の本体の厚さと比較して局所的に減少した厚さ及び/又はその断面における鋭利な形状を有するように、鋭利化に晒されることができる。例えば、ブレード14の断面は、切縁34において、ブレードリンクの面が30°-60°の範囲内の角度を形成する尖った形状を有する。好ましくは、第1先端10の切縁34は、対向ブレード24に軸方向に対向して配置された第1先端10のブレード14の軸方向に対向するブレード表面35と同一平面になるように鋭利にされる。言い換えれば、第1先端10の本体のブレード14は、軸方向内向きに面するブレード表面35を備え、前記切縁34は、ブレード表面35の縁部を形成する。
切断動作中、ブレード14のブレード表面35は、その少なくとも一部において対向ブレード24と接触することができ、実質的に開/閉方向Gに向けられた摩擦力を交換する。
好ましい実施形態によれば、第2先端20の前記対向ブレード24は、第1先端10を曲げるために軸方向に突出する。そのような突出した対向ブレード24を含むことにより、第1先端10の切縁34に当接し、第1先端10の本体を曲げることが可能になる。
一実施形態によれば、対向ブレード24の突出部は、第2先端20の本体の長手方向延伸に沿って遠位方向に強調されている。
一実施形態によれば、前記対向ブレード24は、軸方向内向きに面する凹面を有する湾曲突出面を備える。
一実施形態によれば、第2先端20の対向ブレード24は、第1先端10のブレード14の回転接近フットプリントに向かって突出し、対向ブレード24が切縁34と機械的に干渉接触しているときにブレード14を弾性的に曲げる。言い換えると、対向ブレード24は、軸方向内側に突出する。一実施形態によれば、対向ブレード24の前記突出部は、遠位方向に向かって、すなわち、第2先端20の長手方向延伸に沿って共通回転軸Y-Yから離れるように増加し、好ましくは、前記突出部は、第1先端10のブレード14の遠位端32の近く又は遠位端32で最大である。
好ましくは、「回転接近フットプリント」という用語は、把持自由度Gの閉鎖の相対回転運動中に要素の本体によって占められる空間のボリュームを示すことを意味する。
実施形態によれば、ブレード14は平面部分であるが、ブレード14、したがって第1先端10のブレード表面35は必ずしも平面部分であるとは限らず、すなわち、平面上にあってもよく、湾曲又はアーチ部分であってもよい。
一実施形態によれば、ブレード14の本体は、二次元の主延伸部、すなわち、好ましくは平坦又はアーチ状の横たわる表面(lying surface)上に位置し、好ましくは平坦またはアーチ状の横たわる表面上の延伸部に対して実質的に減少した厚さを有する。
一実施形態によれば、ブレード14の切縁34は、好ましくは平坦又はアーチ状の横たわっている表面において実質的に真っ直ぐであり、ブレード14の横たわっている表面に凹面を回避する。
好ましくは、ブレード14の厚さは、第1先端10の第1の根元部11及び第2先端20の第2の根元部21の厚さよりも大幅に小さく、動作状態にあるときに、切縁34の長手方向延伸に対して横方向に、特にブレード14の厚さ方向に、ブレード14が弾性的に曲がり可能であるように選択される。特に、ブレード14は、第2先端20の本体よりも曲がり可能であることが好ましく、対向ブレード24の本体よりも湾曲可能であることが好ましい。ブレード14の曲げ、したがって切縁34の曲げは、その厚さの方向、すなわちブレード14の平坦であるかアーチ状であるかにかかわらず、横たわっている表面に直交する方向に理解される。例えば、ブレード14は、横たわっている平面から出る/横たわっている平面に入る方向に面する凹面を有するアーチ状、すなわち凹状の形状を有し、そのような場合、ブレード14の本体の横たわっている表面は、ブレード表面35と同様にアーチ状表面である。
必ずしもブレード14、したがって、必ずしも切縁34が横たわる面において弾性変形可能であるとは限らない、すなわち、その厚さと直交する方向に曲げ性が必ずしも含まれるとは限らない。
ブレード表面35のレベルでのブレード14の本体の厚さ(この評価では、前述のように鋭利であることが好ましい切縁34の厚さを除外する)と、第1先端10の第1の根元部11の厚さ及び/又は第2先端20の第2の根元部21の厚さとの比は、1/5~1/20とすることができる。絶対値において、ブレード14の厚さは、0.1mmから0.5mmの間とすることができ、一実施形態によれば、0.2mmに実質的に等しい。
前述したように、ブレード14は、第1先端10と一体に回転する。これにより、切縁34は、第1の自由端12と一体に回転し、弾性的に曲げることができ、切縁34は、動作状態にあるときに、回転において一体である第1先端10に対して弾性的に変形することができる。切縁34の弾性変形は、好ましくは、第1先端10の細長い本体の長手方向延伸に対して横方向、すなわち、第1先端10の第1の近位取り付け根元部11と第1の遠位自由端12とを結合する方向に対して横方向、言い換えれば、ブレード14の厚さ方向に生じる。
一実施形態によれば、ブレード14は、非変形形態にあるとき、すなわち、規定可能な横たわる平面上にあるとき、実質的に平坦である。ブレード14の弾性的曲げは、ブレード14を前記非変形平面構成に戻す傾向がある。したがって、軸方向内側に面するブレード表面35は、第1先端10の第1の根元部11の軸方向に面する内部接触面83と平行であり、好ましくは、例えば、継ぎ目なく位置合わせすることもできる。好ましくは、切縁34は、非変形状態にあるときは真っ直ぐであり、すなわち、第1先端10の第1の根元部11の軸方向に面する内部接触面83に平行な、好ましくは直線状の延伸部として実質的に直線状に延びる。言い換えれば、一実施形態によれば、切縁34は、ブレード14の規定可能な横たわる平面に平行に延在する。
ブレード14の切縁34は、例えば、シャフト7が真っ直ぐで剛性のシャフトであり、切縁34が対向ブレード24の突出部と接触していない場合に、少なくとも1つの動作構成でシャフト7又はロッド7の長手方向延伸X-Xと位置合わせすることができる。
好ましくは、提示を明確にするために、第1先端10の第1の裏側D1及び第2先端20の第2の裏側D2は、相対的開/閉自由度Gを参照して規定され、前記第1の裏側D1及び第2の裏側D2は、互いに対向し、第1先端10の第1のカット側P1であって、前記切縁34が第1先端10の第1のカット側P1に属し、第1のカット側P1とは反対で回転において実質的に対向する第2先端20の第2のカット側P2が規定されるが、好ましくは、それらは主に互いに隣接し、開/閉自由度Gが閉鎖構成にあるか又は少なくとも部分的に閉鎖されて切断動作を行うときに少なくとも前記切縁34及び前記対向ブレード24において接触することができる。
一実施形態によれば、前記対向ブレード24は、第2先端20の本体の長手方向延伸に対して横方向、好ましくは直交する方向に傾斜するように作製することができ、また、共通回転軸Y-Yに対して横方向、好ましくは直交する方向に傾斜するように作製することができる。すなわち、換言すれば、前記対向ブレード24は、裏側D2と第2先端20の把持側とを結ぶ方向に傾斜して作製することができ、好ましくは、裏側D2に向かってより突出する。なお、対向ブレード24は、突出していても必ずしも傾斜しているとは限らない。
一実施形態によれば、前記対向ブレード24は曲面である。これにより、対向ブレード24は、そのアーチ形状によって突出する。対向ブレード24の凹面は、好ましくは、軸方向及び内側に面しており、すなわち、共通回転軸Y-Yに平行な方向に面しており、ブレード14の回転フットプリントに面している。
対向ブレード24は、実質的に対向ブレード24の長手方向延伸全体に沿って切断動作を行うように切縁34及びブレード14を適切に曲げるためのウェッジ(wedge)として作用することができる。
前述したように、第1先端10は、一体に形成されて第1先端リンクを形成することができ、或いは第1先端10は、別個の部品から、すなわち,互いに一体に回転する別個のリンクから形成することができる。
好ましい実施形態によれば、第1先端10は、互いに一体に回転するブレードリンク30及びブレードホルダリンク50を備える2つのリンクによって形成され、ブレードリンク30は一部品に形成され、ブレードホルダリンク50は一部品に形成される。一体に回転する2つのリンク30、50のみによって形成された第1先端10を設けることは、組み立てられる部品の数を小さく保つことを依然として可能にし、同時に、個々のリンク30、50の機械的特性並びに製造パラメータを調整することを可能にする。したがって、第1先端10のブレードリンク本体30は、前記切縁34及びブレードリンク根元部31を有する前記ブレード14を一体に備え、第1先端10のブレードホルダリンク本体50は、ブレードホルダリンク根元部51を一体に備え、ブレードリンク根元部31及びブレードホルダリンク根元部51は、互いに隣接して直接に密接し、共同で第1先端10の前記第1の根元部11を形成する。したがって、この場合、共通回転軸Y-Yを中心としたヨー方向Yの自由度は、支持構造体と、第1先端10及び第2先端20のブレードリンク30及びブレードホルダリンク50によって形成されるアセンブリとの間であり、共通回転軸Y-Yの周りで開閉Gを行う相対的自由度は、第2先端20と、前記ブレードリンク30及び前記ブレードホルダリンク50によって形成されるアセンブリとの間で切断動作を行う。
根元部のこのようなパック配置により、好ましくは、より薄いブレードリンク30の根元部31の関節ピン5に対する衝突が回避され、これにより、開/閉自由度Gの各開放角度において対向ブレード24に対する切縁34の位置決めの十分な確実性が提供され、したがって、極めて高いカット精度が得られる。
好ましい実施形態によれば、ブレードリンク30の根元部31は、ブレードホルダリンク50の根元部51と第2先端20の第2の根元部21との間に介設される。或いは、一実施形態によれば、ブレードホルダリンク根元部51は、第1先端10のブレードリンク根元部31と第2先端20の第2の根元部21との間に介設される、すなわち、ブレードリンク根元部31は、支持構造体の第1突起3と第1先端1のブレードホルダリンク50の根元部51との間に介設される。これにより、ブレード14は、ブレードホルダリンク50の本体と第2先端20の本体との間にも介設される。
根元部は、好ましくは、共通回転軸Y-Yを中心とするシリンダ形状を有する。ブレードリンク30の根元部31の厚さが、ブレードホルダリンク50の根元部51及び第2の根元部21よりも実質的に薄い場合、ブレードリンク30の根元部31は、円盤型のシリンダ形状を有し、各根元部のシリンダ形状のシリンダ底部が、それぞれの軸方向に面する接触面によって形成される。したがって、根元部は、共通回転軸Y-Y上の軸線に実質的に積み重ねられ、好ましくは、それぞれが関節ピン5を受け入れる貫通孔を備える。各根元部は、好ましくは、共通回転軸Y-Yの回転ジョイントを規定するように設計された(例えば、関節ピン5を受け入れるように適合された)剛体であり、ブレードリンク30の根元部31は弾性根元部であり、好ましくは平坦にされ、突起間、例えば、ブレードホルダリンク50の根元部51と第2先端20の第2の根元部21との間のパック(pack)に介設され、関節ピン5の領域で軸方向の弾性予荷重作用を及ぼすのを防止する。ブレードリンク30の弾性作用は、ブレード14のみに位置することが好ましい。
このような根元部が互いに隣接することによって、前記共通回転軸Y-Yを規定する回転ジョイントの近位寸法をコンパクトに保つことができ、根元部間並びに根元部と突起との間に軸方向予荷重を及ぼす弾性要素を設けることを回避することができる。
好ましくは、ブレードリンク30の本体はまた、長手方向に細長く、第1先端10の第1の自由端12と必ずしも一致するとは限らないブレードリンク端部を備える。
ブレードリンク30の材料は、ブレードホルダリンク50の材料とは異なる材料であってもよい。例えば、対向ブレードリンク40及び支持リンク2は、存在する場合、鋼などの単一の金属材料で作ることができる。
一実施形態によれば、第1先端10の前記ブレードリンク30は、適切には実質的に平坦な弾性シート又はストリップを成形することによって、すなわち、カットすることによって作られる。例えば、弾性シート又はストリップは、ばね鋼で作られ、ワイヤ電気浸食(WEDM)及び/又は光エッチング及び/又はレーザカット及び/又は化学エッチングによって成形することができる。好ましくは、弾性シート又はストリップは、その一方の縁部で鋭利にされて、ブレードリンク30の切縁34を形成する。
鋭利化は、ワイヤ電気浸食(WEDM)及び/又は研削、例えば、石又はダイヤモンド研削によって行うことができる。一実施形態によれば、最初に、弾性シート又はストリップは、切縁がシート又はストリップの横たわっている平面に対して実質的に直交する方向に流れるステップにおいてワイヤ電気浸食(WEDM)によって成形され、次いで、成形されたシート又はストリップの1つ以上の縁部は、切縁が成形シート又はストリップの横たわっている平面に対して直交しない方向に流れるステップにおいてワイヤ電気浸食(WEDM)によって鋭利にされる。
一実施形態によれば、ブレードリンク30の本体は、二次元の主延伸部、すなわち、好ましくは平坦又はアーチ状の横たわる表面上に位置し、前記好ましくは平坦又はアーチ状の横たわる表面上の延伸部に対して実質的に減少した厚さを有する。ブレードリンク30の厚さは、前述のように鋭利にするために厚さを薄くすることができる切縁34を除いて、一定であることが好ましい。
一実施形態によれば、ブレードリンク30の切縁34は、好ましくは平坦又はアーチ状のライング面において実質的に直線状であり、横たわる表面上にブレードリンク30の本体の凹面を設けることを回避する。
好ましくは、ブレードリンク30の厚さは、ブレードホルダリンク50の根元部51の厚さよりも大幅に小さく、動作状態にあるときに、ブレード14が、ブレードリンク30の長手方向延伸に対して横方向に、すなわち、その厚さ方向に弾性的に曲がり可能であるように選択される。特に、ブレードリンク30は、対向ブレード24よりも曲がり可能であってもよい。想定し得る実施形態によれば、ブレードリンク30の本体は、出発弾性ストリップ又はシートの横たわる表面から出る/そこに入る方向に面する凹面を有するアーチ状、すなわち凹状の形状を有することを強いられるが、ブレードリンク30の本体のそのような横たわる表面は、適切に加工されてブレードリンク30を形成する出発金属ストリップ又はシートの横たわる表面に実質的に対応することができ、この場合、ブレードリンク本体の横たわる表面はアーチ状表面になる。
ブレードリンク30の材料は、ブレードホルダリンク50の材料とは異なる材料であってもよい。例えば、ブレードリンク30は、ばね鋼で作ることができる。例えば、ブレードリンク30は、ばね鋼で作ることができる。
ブレードホルダリンク50の根元部51の厚さ及び/又は第2先端20の第2の根元部21の厚さに対するブレードリンク30の根元部31の厚さの比は、1/5~1/20とすることができる。絶対値において、ブレードリンク30の根元部31の厚さは、0.1mmから0.5mmの間とすることができ、一実施形態によれば、0.2mmに実質的に等しい。
前記支持構造体が突起3、4(例えば、支持リンク2又はシャフトの遠位端8によって形成された支持構造体)を有する場合、第1先端10及び第2先端20のブレードリンク30及びブレードホルダリンク50は、互いに別個の部品で作られ、前記ブレードリンク30は、ブレードホルダリンク50と一体に回転し、弾性的に曲がり可能である切縁34及びブレード14は、動作状態にあるときに、ブレードホルダリンク50に対して弾性的曲げることができる。
一実施形態によれば、ブレードリンク30及びブレードホルダリンク50は、ブレードリンク30及びブレードホルダリンク50を一体に回転させるために、それぞれの抗力係合部37、57を更に備える。抗力係合部は、ブレードリンク30とブレードホルダリンク50との係合によって得ることができる。
ブレードリンク30とブレードホルダリンク50との間の抗力係合部は、共通回転軸Y-Yに対して遠位に配置することができる。そのような場合、ブレードリンク30の抗力係合部37(又は抗力部37)は、より有利な機械的伝達を達成するためにブレードリンク30の抗力部37をブレードリンク根元部31に配置することができるとしても、正確な抗力を確保するために、ブレードリンク根元部31から遠くに配置されることが好ましい。好ましい実施形態によれば、ブレードリンク30とブレードホルダリンク50との間の抗力係合部は、第1先端10の第1の根元部11に対して遠位に配置される。
第1の先端10が1つの部品であって、すなわち、第1の先端リンクであり、第2の先端20が1つの部品であって、すなわち、第2の先端リンクである実施形態によれば、関節式エンドエフェクタ9は、支持構造体(支持リンク2又はシャフト7の遠位端8によって形成される)と、第1の先端10と、第2の先端20とを含む3つの別個の部品によって形成される。これら3つの部品は、共通回転軸Y-Yで互いに関節結合されており、すなわち、共通回転軸Y-Y又は共通のヨー回転軸Y-Yに対して回転するように拘束されている(「ヨー」という用語はここでは任意に使用され、共通回転軸Y-Yの任意の向きを示すことができる。好ましい実施形態によれば、既に述べた共通の近位ピッチ回転軸P-Pに対して非平行であり、好ましくは、直交する共通のヨー回転軸Y-Yを示すことを意味する)。言い換えれば、この実施形態によれば、関節式エンドエフェクタ9は、前記共通軸Y-Y内で相互に関節結合され、作動テンドンによって適切に移動可能な正確に前記3つの部品と、前記共通軸Y-Yを規定する関節ピン5である更なる部品とによって構成される(合計4つの部品であって、作動テンドンはカウントから除外される)。
第1先端10が形成され、すなわち、前記ブレードリンク30及び前記ブレードホルダリンク50からなり、第2先端20が1つの部品であり、すなわち、第2先端リンクである実施形態によれば、関節式エンドエフェクタ9は、支持構造体(支持リンク2又はシャフト7の遠位端8によって形成される)と、回転において互いに一体化された第1先端10のブレードリンク30及びブレードホルダリンク50と、共通回転軸Y-Yにおいて互いに関節結合された第2先端20とを含む4つの別個の部品によって形成される。すなわち、一実施形態によれば、関節式エンドエフェクタ9は、正確には、前記共通軸Y-Yで互いに関節結合され、作動テンドンによって適切に移動可能な前記4つの部品と、前記共通軸Y-Yを規定する関節ピン5である更なる部品とによって構成される(合計5つの部品であって、作動テンドンはカウントから除外される)。
第1先端10が1つの部品であって、すなわち、第1先端リンクであり、第2先端20が1つの部品であって、すなわち、第2先端リンクである実施形態によれば、関節式エンドエフェクタ9は、4つのリンク、すなわち、支持リンク2、第1先端10及び第2先端20が、前記関節ピン5によって共通の遠位回転軸Y-Yで互いに関節結合され、シャフト7へのリンク90が、更なる近位関節ピン93によって共通の近位回転軸P-Pで支持リンク2に近位に関節結合される。換言すれば、この実施形態によれば、関節式エンドエフェクタ9は、まさに前記4つのリンク2、10、20、90と、前記共通の遠位回転軸Y-Yを規定する関節ピン5及び前記共通の近位回転軸P-Pを規定する近位関節ピン93である2つの更なる部品によって構成される(合計6つの部品であって、作動テンドンはカウントから除外される)。この実施形態により、前記共通の遠位ヨー回転軸Y-Y及び前記共通の近位ピッチ回転軸P-Pが互いに非平行であり、好ましくは直交している場合、関節式ピッチヨーグリップカフタイプの関節式エンドエフェクタ9、すなわち、ピッチヨーカット(pitch-yaw-cut)(P、Y、G)が許容される。この実施形態により、接続リンク90がシャフト7の遠位端8(図示せず)と一体に形成される場合、関節式エンドエフェクタ9は、シャフト7の遠位端8、支持リンク2、第1先端10、すなわち第1先端リンク、第2先端20、すなわち第2先端リンク、及び前記2つの関節ピン5、93である前記6つの部品によって依然として形成される。
第1先端10が形成される、すなわち、前記ブレードリンク30と前記ブレードホルダリンク50とからなり、第2先端20が1つの部品である、すなわち、第2先端リンクである実施形態によれば、関節式エンドエフェクタ9は、5つのリンク、すなわち、支持リンク2、ブレードリンク30、ブレードホルダリンク50及び第2先端20が、前記関節ピン5によって共通の遠位回転軸Y-Yで一緒に関節結合されるリンクと、更なる近位関節ピン93によって共通の近位回転軸P-Pで支持リンク2に近位に関節結合されるシャフト7へのリンク90と、によって形成される。換言すれば、この実施形態によれば、関節式エンドエフェクタ9は、正確には前記5つのリンク2、20、30、50、90と、前記共通の遠位回転軸Y-Yを規定する関節ピン5及び前記共通の近位回転軸P-Pを規定する近位関節ピン93である2つの更なる部品によって構成される(合計7つの部品であって、作動テンドンはカウントから除外される)。前記共通の遠位ヨー回転軸Y-Y及び前記共通の近位ピッチ回転軸P-Pが互いに非平行であり、好ましくは直交している場合、関節式ピッチヨーグリップカフタイプの関節式エンドエフェクタ9、すなわちピッチヨーカット(P、Y、G)が可能である。接続リンク90がシャフト7の遠位端8(図示せず)と一体に形成される場合、関節式エンドエフェクタ9は、前記7つの部品、すなわち、シャフト7の遠位端8、支持リンク2、第1先端10のブレードリンク30及びブレードホルダリンク50、第2先端20、すなわち、第2先端リンク、及び前記2つの関節ピン5、93によって依然として形成される。
部品の数を最小限に抑えることにより、外科用器具1の関節式エンドエフェクタ9の組み立てが大幅に単純化され、究極な小型化に適したものになることが当業者に理解されたい。特に、軸方向(関節ピン5に取り付けられたベルビル型弾性ワッシャ(Belleville-type elastic washers)など)、すなわち、支持構造体の突起3、4間の共通回転軸Y-Yの方向に弾性予荷重要素を設けることを回避することにより、部品の組み立てを簡素化することが可能である。したがって、関節式エンドエフェクタ9の究極な小型化、ひいてはシャフト7の断面の究極な小型化が促進され、一方で、動作条件で生じる可能性のある応力に対する十分な強度及び耐性を確保する。
シャフト7と一体であり、好ましくはバックエンド104とも一体であるロールRの自由度、例えば、外科用器具1の全体をシャフト7の長手方向延伸軸X-Xの周りで回転させることができるロールRの自由度を提供することができる。
好ましい実施形態によれば、第1先端10の第1の根元部11は、支持構造体の第1突起3と直接に密接し、第2先端10の第2の根元部21は、支持構造体の第2突起4と直接に密接する。これにより、前記第1の根元部11及び前記第2の根元部12によって形成されたアセンブリは、突起3、4の間に介設され、突起3、4と直接に密接する。したがって、支持構造体の突起と先端の根元部との間にベルビル型ばねワッシャを設けることが回避される。このような構成は、支持構造体の先端及び突起の根元部の軸方向フットプリントを最小限に抑えることを可能にし、組み立てを簡素化することができる。これは、そのようなベルビル型ばねワッシャによって与えられる回転軸Y-Yに対する弾性反力を打ち消すことによって部品を組み立てる必要性を回避したためである。
好ましい実施形態によれば、第1先端10の前記第1の根元部11は、軸方向に面する第1の外部接触面81を備え、前記第1突起3は、軸方向に面する第1の内部接触対向面87を備え、第2先端20の前記第2の根元部21は、軸方向に面する第2の外部接触面82を備え、前記第2突起4は、軸方向に面する第2の内部接触対向面88を備える。好ましくは、第1の根元部11の前記第1の外部接触面81、第1突起3の前記第1の内部接触対向面87、第2の根元部21の前記第2の外部接触面82、及び第2突起4の前記第2の内部接触対向面88は、全て互いに平行であり、好ましくは、それらのそれぞれは、共通回転軸Y-Yに実質的に直交する平面内に延在する。
一実施形態によれば、第1先端10の第1の根元部11及び第2先端20の第2の根元部21は、直接に密接している。したがって、第1先端10の第1の根元部11は、軸方向に面する第1の内部接触面83を更に備え、第2先端20の第2の根元部21は、軸方向に面する第2の内部接触面84を備え、第1先端10の前記第1の内部接触面83は、第2先端20の前記第2の内部接触面84と直接に密接している。したがって、支持構造体の突起間の根元部のパッケージ配置を得ることが可能である。根元部のこのようなパック配置により、切断動作中に第1先端の本体の弾性曲げに対して軸方向の反力が提供される。
一実施形態によれば、第1先端10の前記第1の内部接触面83は、第2先端20の前記第2の内部接触面84と平行である。好ましくは、全ての前記接触面は互いに平行であり、更により好ましくはそれぞれが共通回転軸Y-Yに直交する平面内に延在し、すなわち、言い換えれば、第1先端10の前記第1の外部接触面81及び前記第1の内部接触面83、第2先端20の前記第2の外部接触面82及び前記第2の内部接触面84、第1突起3の前記第1の内部接触対向面87及び第2突起4の前記第2の内部接触対向面88は、好ましくは全て互いに平行であり、更により好ましくはそれぞれが共通回転軸Y-Yに直交する平面内に延在する。
第1先端10の第1の根元部11が、ブレードリンク30の根元部31とブレードホルダリンク50の根元部51との間で直接に密接して形成される場合、第1先端10の第1の根元部11の前記第1の外部接触面81及び前記反対側の第1の内部接触面83は、関節式エンドエフェクタ9の異なるリンクに含まれる、すなわち、前記第1の外部接触面81と前記第1の内部接触面83とのうちの一方がブレードリンク根元部31に含まれ、他方がブレードホルダリンク根元部51に含まれる。ブレードリンク根元部31がブレードホルダリンク根元部51と第2先端20の第2の根元部21との間に介設される好ましい実施形態によれば、前記第1の外部接触面81はブレードホルダリンク51の根元部に含まれ、前記反対側の第1の内部接触面83はブレードリンク根元部31に含まれる。更に、第1先端10の第1の根元部11が、ブレードリンク根元部31とブレードホルダリンク根元部51との間で直接的かつ密接して形成される場合、それらの間で直接に密接する2つの更なる対向する接触面85、86が設けられ、第1の更なる接触面85がブレードリンク根元部31に含まれ、第2の更なる接触面86がブレードホルダリンク根元部51に含まれる。好ましくは、ブレードリンク根元部31及びブレードホルダリンク根元部51のそれぞれの直接に密接する前記2つの更なる対向する接触面85、86は、両方とも、第1先端10の第1の根元部11及び第2先端20の第2の根元部21の他の接触面と平行である。
ワイヤ電気浸食プロセスによる部品の製造は、増大された公差を得ることを可能にするが、共通回転軸Y-Yの方向において、根元部及び/又は突起の前記接触面の少なくとも幾つかの間に、10分の1ミリメートル程度の最小限の局所的マイクロクリアランスを提供することができ、直接的な密接を確保することができる。同時に、開閉自由度G及び/又はヨーY自由度の作動中に、共通回転軸Y-Yを中心とした相対回転を可能にすることができる。関節ピン5は、根元部及び/又は突起の少なくとも1つと干渉し、すなわち、根元部及び/又は突起の少なくとも1つと一体に回転することができる。
特に、2つの突起3、4を有する支持構造体において、第1先端10の第1の根元部11及び第2先端20の第2の根元部21は、少なくとも3つの別個の部品で作られるが、軸方向、すなわち、それぞれの接触面間の共通回転軸Y-Yの方向には、最小限のマイクロクリアランスが必然的に含まれる。したがって、「直接に密接」という表現はまた、支持構造体の突起の対向接触面及び根元部の接触面の少なくとも一部、あるいはすべての間に、いずれの場合でも最小限のマイクロクリアランスが設けられる実施形態を示すことを意図している。
2つの突起3、4を有する支持構造体と、第1の根元部11と、第2の根元部21とが、上記で説明したように共通回転軸Y-Yの方向に最小限のマイクロクリアランスが設けられた少なくとも3つの別個の部品で作られているという事実によって、開/閉自由度Gは、切断動作を行うために、開方向及び閉方向の両方において正確かつ制御された方法で回転操作することができる。
第1先端10が2つのリンク30、50によって形成される場合、切断動作中に、特に開/閉自由度Gの比較的高い開放角度(例えば、25°よりも大きい角度)では、ブレードリンク30の切縁34と対向ブレード24との間の機械的干渉接触は、したがって、関節ピン5に沿ってブレードリンク根元部31の100分の1ミリメートル程度の最小微小変位を生成することができる。例えば、一実施形態によれば、ブレードリンク根元部31の厚さは約0.2mmであり、動作状態に、共通回転軸Y-Yの方向において、ブレードの接触面と根元部との間に局所的に分布する全体的なマイクロクリアランスは全体的に約0.02mmであり、動作状態に、共通回転軸Y-Yの方向において、第1先端10のブレードリンク根元部31と第2先端20の第2の根元部21との間の局所的なマイクロクリアランスは約0.01mmであり、すなわち、ブレードリンク根元部31の厚さの1/20に実質的に等しい。
好ましい実施形態によれば、第1先端10の前記第1の根元部11は第1貫通孔16を備え、第2先端20の前記第2の根元部21は第2貫通孔26を備え、前記第1貫通孔16及び前記第2貫通孔26は、前記共通回転軸Y-Yとは軸方向に整列している。一実施形態によれば、関節ピン5は、前記第1貫通孔16及び第2貫通孔26の内側に収容される。
一実施形態によれば、第1の根元部11の前記第1貫通孔16及び第2の根元部21の前記第2貫通孔26は全て、前記共通回転軸Y-Yと同軸の円形の貫通孔であり、支持構造体の第1突起3から支持構造体の第2突起4まで共通回転軸Y-Yの方向に延在する単一の関節ピン5を受け入れる。一実施形態によれば、第1の根元部11の前記第1貫通孔16及び第2の根元部21の前記第2貫通孔26は全て、実質的に同じ直径を有し、それぞれの孔縁部の周方向延伸の全体にわたって直接に密接して前記関節ピン5を受け入れる。これにより、切縁34による切断作用に対して反力を与えることができる。特に、切断動作中に、開/閉自由度Gの開放角度が徐々に減少し、したがって、切縁34(好ましくは前述のようにブレード表面35も)と対向ブレード24との間の機械的干渉接触をもたらし、したがって、開放方向の直接摩擦力が、対向ブレード24の対向ブレード表面と接触しているブレード14に軸方向に面する切縁34(及び好ましくはブレード表面35にも)に発生し、これは、根元部11、21の孔縁部と関節ピン5との間の相互接触の部分で交換される切断動作の摩擦に対する反力によってバランスが保たれる。切断作用の摩擦反力は、好ましくは、共通回転軸Y-Yに対して実質的に径方向に沿って向けられる。切断作用の摩擦反力は、好ましくは、第1の根元部11及び/又は第2の根元部21の孔縁部の厚さの円弧面に影響を与える。
第1先端10の第1の根元部11が、互いに直接に密接しているブレードリンク30の根元部31とブレードホルダリンク50の根元部51とによって形成されている場合、前述の実施形態のいずれかによれば、前記ブレードリンク根元部31及びブレードホルダリンク根元部51のそれぞれには、第1貫通孔16が設けられる。この場合、ブレードホルダリンク50の根元部51の第1貫通孔16とブレードリンク30の根元部31の第1貫通孔16とを同軸の円形孔とすることができ、同径とすることができる。そのような場合、第1先端10のブレードリンク30の根元部31の貫通孔16の孔縁部36は、切断作用によって生じる摩擦力に対して前記反力を与えるように関節ピン5と直接に密接する円弧面38を備えることができる。
根元部の貫通孔の少なくとも一部だけでなく全部もがワイヤ電気浸食(WEDM)によって作られる場合、ワイヤ電気浸食によって貫通孔を作るために使用されるカットワイヤの連続カット経路の効果として、径方向カットチャネル19、29、39が、孔縁部とそれぞれの根元部の外縁部との間のそれぞれの根元部に設けられる。好ましくは、それぞれの根元部上の径方向カットチャネルの配置は、動作状態にあるときの静的又は動的挙動に基づいて研究される。特に、好ましい実施形態によれば、ブレードリンク30の根元部31のカットチャネル39は、第2先端20の第2の根元部21のカットチャネル29に対して径方向にオフセットされて、開/閉動作中にカットチャネル29、39の縁部が互いに噛み合うのを防止する。
一実施形態によれば、前記2つの突起3、4のそれぞれの突起の貫通孔は、前記共通回転軸Y-Yと同軸の円形の貫通孔である。支持構造体の突起3、4がワイヤ電気浸食によって作られる場合、それぞれの突起の孔縁部と外縁部との間の少なくとも1つの径方向チャネルを突起に設けることができる。
近位及び/又は遠位回転の前記共通軸、すなわち、ピッチP-P及び/又はヨー軸Y-Yの周りで関節式エンドエフェクタ9を移動させて関節式エンドエフェクタ9の自由度を作動させるために、好ましくは、外科用器具1は、以下に説明するように、バックエンドからシャフト7を通って関節式エンドエフェクタ9まで延在し、関節式エンドエフェクタ9で終端する複数対の拮抗作動テンドンを備える。
好ましい実施形態によれば、第1先端10は、第1の拮抗テンドン対71、72を受け入れる第1の終端座部15を備え、第2先端20は、第2の拮抗テンドン対73、74を受け入れる第2の終端座部25を備える。当業者であれば分かるように、この好ましい実施形態では、拮抗作動テンドンの前記第1対及び第2対のそれぞれは、開放作動テンドン71、73及び閉鎖作動テンドン72、74を備える。終端座部15、25をそれぞれの根元部11、12に近接させるか又は根元部11、12に設けることによって、全体的な寸法を小さく保つことが可能であり、したがって小型化が促進される。更に、好ましい実施形態によれば、各終端座部15、25は、拮抗テンドンのそれぞれの対の両方の拮抗テンドンの終端座部として機能し、各根元部11、12で実行される処理の数を最小限に保つのに役立ち、小型化を促進する。
一実施形態によれば、第1先端10の第1の終端座部15及び第2先端20の第2の終端座部25は、それぞれの先端10、20の細長い本体に隣接してそれぞれの根元部11、21から長手方向に延びるカンチレバドラッグレッグ77、78によってそれぞれ画定される。これにより、第1の及び第2先端10、20の各終端座部15、25は、それぞれの取り付け根元部11、21によって形成された径方向に面する底壁を有する実質的に径方向のスロット、好ましくは長手方向のスロットである。
好ましくは、それぞれの先端10、20の裏側D1、D2とカット側P1、P2との間のカンチレバドラッグレッグ77、78の延伸部は、それぞれの終端座部15、25の縁面に面するように、実質的に同一である。終端座部15、25は、同じ高さに並んで配置され、拮抗テンドンのそれぞれの対の各作動テンドン71、72、73、74のそれぞれのテンドン終端70に対する停止及び抗力当接部として作用する。各作動テンドンのテンドン終端70は、例えば、それぞれの終端座部15、25の前記縁壁に当接する結び目又はボスによって形成された拡大部分とすることができる。言い換えれば、各終端座部15、25の前記縁壁は、それぞれのカンチレバドラッグレッグ77、78と、それぞれの先端10、20の細長い本体とによって形成された縁壁を含み、それぞれの裏側D1、D2に面し、閉鎖抗力縁壁として作用する。一方、同じそれぞれのカンチレバドラッグレッグ77、78と、それぞれの先端10、20の細長い本体との対向する縁壁は、反対側を向いて、すなわち、それぞれのカット側P1、P2に面し、開放抗力縁壁として作用する。したがって、終端座部15、25の縁壁は、それぞれの終端座部15、25のそれぞれのテンドン終端70のためのアンダーカットとして配置され、各終端座部15、25は貫通終端座部であり、好ましくは、それぞれの先端10、20の自由端12、22に向かって長手方向に面するアクセス開口を有する。したがって、拮抗テンドンの前記第1対及び第2対の各作動テンドン71、72、73、74の遠位部分は、それぞれの終端座部15、25内で交差及び/又は重なり合って、それぞれのテンドン終端70を、それに対して周方向にアンダーカットされて配置された縁壁に当接させて、第1先端10又は第2先端20の回転に開/閉自由度Gの開放及び/又は閉鎖方向への抗力を与える。
好ましい実施形態によれば、第1先端10の第1の根元部11及び第2先端20の第2の根元部21はそれぞれ、共通回転軸Y-Yから離れる方向に面する少なくとも1つのプーリ面79,80を備える。少なくとも1つのプーリ面79,80は、それぞれの終端座部15,25を、周方向の反対側から包み込み、それぞれの終端座部15、25内で継続してその半径方向に面する、すなわち、共通回転軸Y-Yの反対側に面する底壁を形成することができる。その結果、前記第1及び第2の拮抗テンドン対のテンドン71、72、73、74のそれぞれのテンドン終端部70に近い遠位部分は、前記少なくとも1つのプーリ面79,80に巻き付く。
好ましい実施形態によれば、第1の根元部11の少なくとも1つのプーリ面79及び第2の根元部21の少なくとも1つのプーリ面80は全て、テンドンを案内又は保持するための周方向チャネル又は溝を含まない、平行な母線を有し、かつ共通回転軸Y-Yに平行な凸状線織面である。少なくとも1つのプーリ面79、80は、存在する場合、径方向のカットチャネルで中断することができる。
第1先端10が一体に形成される実施形態によれば、第1の終端座部51は第1の根元部11と一体に形成され、またそれぞれのプーリ面79並びにそれぞれのカンチレバレッグ77も前記第1の根元部11と一体に形成される。第1の終端座部15を第1の根元部11と一体にすることにより、部品の数を少なく保つことができ、組み立てが容易になり、小型化が促進される。
第1先端10の第1の根元部11が、ブレードリンク30の根元部31とブレードホルダリンク50の根元部51との間に直接に密接して形成される場合、すなわち、第1先端10が2つのリンク30、50によって形成される場合、好ましくは、第1の終端座部15は、ブレードホルダリンク50の前記根元部51と一体に形成される。そのような場合、それぞれのプーリ面79並びにそれぞれのカンチレバレッグ77も、ブレードホルダリンク50の前記根元部51と一体に作られる。第1の終端座部15をブレードホルダリンク50と一体にすることによって、部品の数を依然として少なく保つことができ、したがって組み立てが容易になり、小型化が促進される。したがって、ブレードリンク30は終端座部を有さない。これにより、作動テンドンの数を少なく保つことができ、終端座部の数を最小限に保つことができ、したがって小型化が促進される。更に、ブレードリンク30の根元部31を非常に薄くすること、又は少なくとも弾性的に曲げることができるブレード14と同じくらい薄くすることが可能であり、ブレードリンク30の作成を簡素化し、同時に切断動作に対して機能するその機械的特性の精密な特性評価を可能にする。
シャフト7の遠位端8に対して関節結合される前記支持リンク2が設けられる実施形態によれば、外科用器具1は、前記共通の近位回転軸P-Pの周りで支持リンク2を動かせるための第3の拮抗テンドン対75、76を更に備える。したがって、支持リンク2は、第3の拮抗テンドン対75,76の前記第3対のテンドン終端70を受け入れる少なくとも第3の終端座部6を備えることができる。例えば、図3及び図4並びに図31,32に示す実施形態によれば、支持リンク2の前記少なくとも第3の終端座部6は、第1の終端座部15及び第2の終端座部25を参照して前述したものと同様に、第3対のテンドンのそれぞれの作動テンドン75、76のためのアンダーカットとして配置されたテンドン終端70のための当接壁及び抗力壁を形成する、支持リンク2の本体を通って軸方向に、すなわち共通の遠位回転軸Y-Yに平行に直接通過する単一の第3の終端座部6である。一実施形態によれば、支持リンク2は、2つの別個の異なる第3の終端座部6を備え、第3の拮抗テンドン対の各テンドン75、76に対して1つの座部を備える。
好ましい実施形態によれば、支持リンク2は、平行な母線を有し、全てが共通の近位回転軸P-Pに平行な1つ以上の凸状線織面96、98を備え、第1及び第2の拮抗テンドン対の作動テンドン71、72、73、74は、第1先端リンク10及び/又は第2先端リンク20の作動中に支持リンク2の前記1つ以上の凸状線織面96,98上を摺動し、支持リンク2の前記1つ以上の凸状線織面96,98は、テンドンを受け入れて案内するためのガイドチャネル又は溝を含まない。支持リンク2は、第1及び第2の拮抗テンドン対の作動テンドン71、72、73、74が第1及び/又は第2先端リンク10、20の作動中に摺動する共通の遠位回転軸Y-Y(図示せず)に平行な1つ以上の凸状線織面を備えることもできる。
平行な母線を有し、支持リンク2の共通の近位回転軸P-Pに全て平行な同じ1つ以上の凸状線織面96,98はまた、第3の拮抗テンドン対の作動テンドン75,76のためのプーリ面として作用することができ、支持リンク2は、共通の近位回転軸P-Pの周りでシャフト7の遠位端8に対して関節結合される。支持リンク2の前記1つ以上の凸状線織面96,98は、支持リンク2の両側に延在する。一実施形態によれば、第3の拮抗テンドン対の作動テンドン75,76のためのプーリ面は、支持リンク2の終端座部6の内面によって形成される。
前記接続リンク90が設けられる実施形態によれば、接続リンク90は、平行な母線を有し、全てが共通の近位回転軸P-Pと平行な1つ以上の凸状線織面97,99を備え、前記第1の拮抗テンドン対、第2の拮抗テンドン対、及び第3の拮抗テンドン対の作動テンドン71、72、73、74、75、76は、接続リンク90の前記1つ以上の凸状線織面97,99上を摺動する。接続リンク90の前記1つ以上の凸状線織面97,99は、接続リンク97,99の両側に延在し、接続リンク90と支持リンク2との間で、前記第1の拮抗テンドン対、第2の拮抗テンドン対、及び第3の拮抗テンドン対のそれぞれのテンドン71、72、73、74、75、76は、それらが近位方向に摺動する接続リンク90の線織面97,99に対して反対側に面する支持リンク2の1つ以上の凸状線織面96、98上を摺動するか、又は摺動することなく巻きつけるように互いに交差する。例えば、支持リンク2の前記1つ以上の凸状線織面96,98は、リンク90の突起91,92の間に介設され、共通の近位回転軸P-Pに対して反対に向けられる。
テンドン71、72、73、74、79、80と摺動又は巻取り接触する平行な母線を有する凸状線織面75、76、96、97、98、99は、好ましくは、リンク2、90又は先端10、20のそれぞれの本体の全ての外面である。
作動テンドン71、72、73、74、75、76は、好ましくは、絡み合ったポリマー繊維によって形成されたポリマーテンドンである。
前述したように、一実施形態によれば、外科用切断器具1は、遠位端8を有するロッド7と、ロッド7の遠位端8に接続された関節式エンドエフェクタ9とを備える。前記関節式エンドエフェクタ9は、一体に備える本体を有するロッド7の遠位端8に接続された接続リンク90と、平行な母線を有する接続リンク97、99の1つ以上の凸状線織面と、第1の遠位接続部13とを備えることができる。
一実施形態によれば、前記関節式エンドエフェクタ9は、接続リンク90に関節結合可能な支持リンク2を備え、支持リンク2は、平行な母線を有する支持リンク96、98の1つ以上の凸状線織面を一体に備える本体を有する。第1の接続リンク90の第1の遠位接続部に関節結合された近位接続部は、支持リンク2に含まれることができ、接続リンク90及び支持リンク2のための近位回転ジョイント509を規定し、それらは共通の近位回転軸P-Pの周りを相対的に回転することができる。
一実施形態によれば、前記支持リンク2は、第2の遠位リンク部17を更に備える。
一実施形態によれば、前記関節式エンドエフェクタ9は、平行な母線を有するブレードホルダ根元部の1つ以上の凸状線織面79によって形成されたプーリを有するブレードホルダリンク51の取り付け根元部と、抗力部57とを一体に備える本体を有する支持リンク2に関節結合されたブレードホルダリンク50を更に備える。
一実施形態によれば、前記関節式エンドエフェクタ9は、前記ブレードホルダリンク50と一体に回転するブレードリンク30を更に備え、前記ブレードホルダリンク50の前記抗力部と係合する切縁34及び抗力対向部37を一体に備える本体を有する。
一実施形態によれば、前記関節式エンドエフェクタ9は、支持リンク2と、ブレードリンク30及びブレードホルダリンク50によって形成されたアセンブリとに関節結合されたリアクションリンク(例えば、対向ブレード24が別個の対向ブレードリンク40上に形成される第2先端リンク又は対向ブレードリンク60)を更に備え、本体は、平行な母線を有する1つ以上の凸状線織面80によって形成されたプーリを有する第2の取り付け根元部21を一体に備える。
一実施形態によれば、ブレードホルダリンク51の取り付け根元部及び取り付け根元部21は、支持リンク2の第2の遠位接続部17と共に、ブレードホルダリンク50、リアクションリンク及び支持リンク2のための遠位回転ジョイント502を規定し、それにより、それらは、前記共通の近位回転軸P-Pに直交する共通の遠位回転軸Y-Yの周りを相対的に回転することができる。
一実施形態によれば、前記関節式エンドエフェクタ9は、リアクションリンクの前記取り付け根元部21と一体に回転する対向ブレード24を更に備える。
一実施形態によれば、更に、前記外科用切断器具1は、シャフト7に沿って延在し、前記共通の遠位回転軸Y-Yの周りでブレードリンク50を動かせるためにブレードホルダリンク30に接続された第1の拮抗テンドン対71,72と、シャフト7に沿って延在し、前記共通の遠位回転軸Y-Yの周りで対向ブレード24を動かせるために前記リアクションリンクに接続された第2の拮抗テンドン対73,74とを備え、各テンドン71,72,73,74は、長手方向延伸を有する。
一実施形態によれば、ブレードホルダリンク50の取り付け根元部は、前記第1の拮抗テンドン対71、72を受け入れる少なくとも第1の終端座部15を一体に備え、取り付け根元部21は、前記第2の拮抗テンドン対73、74を受け入れる少なくとも第2の終端座部25を一体に備える。
一実施形態によれば、接続リンク90の平行な母線を有する前記1つ以上の凸状線織面97、99は、前記共通の近位回転軸P-Pに平行である。
一実施形態によれば、支持リンク2の平行な母線を有する前記凸状線織面96、98の少なくとも一方は、前記共通の近位回転軸P-Pに平行である。
一実施形態によれば、ブレード根元部リンク50の平行な母線を有するブレードホルダ根元部79の前記1つ以上の凸状線織面と、リアクションリンク20の平行な母線を有する更なる根元部80の前記1つ以上の凸状線織面とは、共通の遠位回転軸Y-Yに平行である。
一実施形態によれば、第1の拮抗テンドン対71,72及び第2の拮抗テンドン対73,74は、接続リンク90の前記1つ以上の凸状線織面97,99上及び支持リンク2の前記1つ以上の凸状線織面96,98上を長手方向に摺動するように適合され、ブレードホルダリンク50の根元部又はリアクションリンクの根元部のそれぞれの凸状線織面79又は80上を摺動することなく巻き付き/巻き戻して、ブレードリンク30及び対向ブレード24をそれぞれ開閉するように動かせるように適合される。
一実施形態によれば、ブレードリンク30の切縁34は、機械的干渉接触状態で開/閉自由度Gが移動する間に前記対向ブレード24に当接して切断動作を行うように適合され、ブレードリンク30の切縁34は、共通の遠位回転軸Y-Yに平行な方向に弾性的に曲がり可能である。
一実施形態によれば、ブレードホルダリンク50の根元部51の第1の終端座部15と支持リンク2の前記1つ以上の凸状線織面96、98の表面96との間の共通の遠位回転軸Y-Yに平行な方向の第1の距離Y5は、任意のカット状態において一定である。
一実施形態によれば、第2の根元部21の第2の終端座部25と支持リンク2の前記1つ以上の凸状線織面96、98の表面98との間の共通の遠位回転軸Y-Yに平行な方向の第2の距離Y5’は、任意のカット状態において一定である。
一実施形態によれば、前記遠位回転ジョイント502は、軸方向の剛性的回転ジョイントである。
一実施形態によれば、リンクの全ての凸状線織面79、80、96、97、98、99は、長手方向チャネルを有さない。
一実施形態によれば、ブレードホルダリンク50の取り付け根元部51は、軸方向外向きに面する第1の表面を備え、リアクションリンクの第2の根元部21は、軸方向外向きに面する第2の表面を備え、ブレードホルダリンク50の前記第1の取り付け根元部表面51とリアクションリンクの前記第2の取り付け根元部表面21との間の軸方向の距離Y8は、任意のカット状態において一定である。
一実施形態によれば、ブレードホルダリンク50は、第1のレッグ77.1の自由端を形成するブレードホルダリンク50の根元部51から延在する第1のカンチレバドラッグレッグ77を一体に備え、前記第1のカンチレバドラッグレッグ77は、前記第1の終端座部15を軸方向に画定し、第2の根元部21は、第2のレッグ78.1の自由端を形成するリアクションリンクの根元部21から延在する第2のカンチレバドラッグレッグ78を一体に備え、前記第2のカンチレバドラッグレッグ78は、前記第2の終端座部25を軸方向に画定し、前記第1及び第2のカンチレバレッグ77、78はそれぞれ、それぞれのテンドン終端70のための抗力当接部として作用するそれぞれの終端座部15、25に対するアンダーカットとしての当接壁及び抗力壁を備える。
一実施形態によれば、ブレードホルダリンク50の第1のカンチレバレッグ77と支持リンク2の前記1つ以上の凸状線織面96、98の表面96との間の軸方向の第1の距離は、任意のカット状態において一定であり、第2のカンチレバレッグ78と支持リンク2の前記1つ以上の凸状線織面96、98の表面98との間の共通の遠位回転軸Y-Yに平行な方向の第2の距離は、任意のカット状態において一定である。
一実施形態によれば、ブレードホルダリンク50及びブレードリンク30の少なくとも一方は、遠位自由端を一体に備える。
一実施形態によれば、対向ブレード24は、軸方向内側に突出し、好ましくは、軸方向内向きに面する凹面を有する内側に湾曲突出面を備える。
一実施形態によれば、前記リンク90に対して前記共通の近位回転軸P-Pを中心として前記支持構造体を有する前記支持リンク2を動かせるための第3の拮抗テンドン対75、76を更に備え、ここで、支持リンク2は、前記第3の拮抗テンドン対75、76のテンドン終端70を受け入れる少なくとも第3の終端座部6を備える。
一実施形態によれば、前記第3の拮抗テンドン対の作動テンドン75、76は、支持リンク2の前記1つ以上の凸状線織面96、98上を縦方向に摺動することなく巻き付き/巻き戻し、したがって、第3の拮抗テンドン対の作動テンドン75、76のための滑車面として作用する。
前述したように、一実施形態によれば、支持リンク2は、更に第1の接続リンク90の第1の遠位リンク部95に関節結合された近位接続部13を一体に備え、接続リンク90及び支持リンク2のための近位回転ジョイント509を規定し、これによって、接続リンク90と支持リンク2とは共通の近位回転軸P-Pの周りを相対的に回転することができる。
前述したように、一実施形態によれば、支持リンク2は、更に第2の遠位接続部17を一体に備える。支持構造体の遠位接続部17は、好ましくは、例えば、遠位回転軸Y-Yを規定するための、すなわち、ピッチ近位回転軸P-Pに直交することができる共通の遠位回転軸Y-Y又はヨー軸Y-Yを有する遠位回転ジョイント502又はヨー回転ジョイント502を形成するための、2つの突起3、4を含む支持構造体を含む。
カットジョイントの剛性の軸方向回転ジョイント502がこのように作製される。軸方向に剛性的回転ジョイント502と回転一体に回転する切縁34を有するブレードと対向ブレード24とを設けて、開閉自由度の閉鎖動作中に共同で切断動作を行うことができる。
したがって、関節ピン5に取り付けられた、又は支持リンク2の遠位部分17の突起3、4の間に他の方法で介設された、ベルビルタイプの弾性要素を設けることを回避することができる。更に、根元部を軸方向に一緒に締め付けるように適合された調整ねじを設けることが回避される。
前記軸方向に剛性の遠位回転ジョイント502はまた、切縁34を回転軸のヨー軸Y-Yの周りに回転させることによって切縁を方向付けることを可能にし、カット方向の調整を制御することを可能にする。
この遠位回転ジョイント502はまた、ヨーYの自由度の任意の向きに対しても軸方向に剛性である。すなわち、支持リンク2の遠位部分17に対する、ブレードホルダリンク50と、ブレードリンク30と、リアクションリンクとによって形成されるアセンブリの任意の動きに対しても、または、近位回転ジョイント509のピッチPの自由度の任意の方向に対しても、すなわち、シャフトへの接続リンク90に対する、支持リンク2と、ブレードホルダリンク50と、ブレードリンク30と、リアクションリンクとによって形成されるアセンブリのあらゆる動きに対しても、遠位回転ジョイント502は軸方向に剛性である。好ましくは、シャフトへの接続リンク90は、例えば、一対のピン94によってロッド7の遠位端8にしっかりと固定される。この場合、ピッチPの自由度は、特にシャフト8が剛性シャフトである場合に、シャフト7に対する支持リンク2の方向として理解することができる。
支持構造体は、好ましくは剛性支持構造体であり、それによって、その近位接続部13及び遠位接続部17を有する支持リンク2は、好ましくは互いに直交する回転軸P-P、Y-Yを有する2つの回転ジョイント509,502を一体に規定する。
関節式エンドエフェクタ9は、平行な母線を有するブレードホルダ根元部の1つ以上の凸状線織面79によって形成されたプーリ79を有するブレードホルダリンク51の取り付け根元部を一体に備える本体を有する支持リンク2に関節結合されたブレードホルダリンク50を更に備えることができる。ブレードホルダリンク50は、前記遠位回転ジョイント502に関節結合された近位取り付け根元部51を一体に備える。
関節式エンドエフェクタ9は、前記ブレードホルダリンク50と一体に回転し、切縁34を一体に備える本体を有する第4のブレードリンク30を更に備えることができる。切縁34は、切断動作を実行するように適合される。ブレードリンク30は、前記遠位回転ジョイント502に関節結合された近位取り付け根元部31を一体に備える。
前述したように、遠位回転ジョイント502は、切断動作を引き起こすことができる。ブレードリンク30の切縁34は、機械的干渉接触状態で開/閉自由度Gが移動して切断動作を行う間に、前記リアクションリンクと一体に回転する前記対向ブレード24に当接するように適合される。
切断作用を得るための軸方向の弾性は、ブレード14の弾性によって少なくとも部分的に提供されるが、ブレードリンク30の根元部31が関節結合される遠位回転ジョイント502は、軸方向に剛性である、すなわち、支持リンク2の遠位接続部17と、遠位回転軸Y-Y上のリアクションリンクと、ブレードリンクと、ブレードホルダリンクとの根元部21、31、51との間の相対変位が回避されるため、弾性的に負荷がかからない。
前述したように、関節式エンドエフェクタ9のリンクを近位回転P-P及び/又は遠位Y-Yの前記共通軸、すなわち、ピッチP-P及び/又はヨー軸Y-Yを中心に移動させて関節式エンドエフェクタ9の自由度を活性化するために、好ましくは、外科用器具1は、複数対の拮抗作動テンドンを備え、これら複数対の拮抗作動テンドンは、バックエンド104からシャフト7を通って関節式エンドエフェクタ9まで延び、関節式エンドエフェクタ9のリンクの少なくとも一部で終わる。
好ましい実施形態によれば、ブレードホルダリンク50の根元部51は、第1の拮抗テンドン対71、72を受け入れる第1の終端座部15を一体に備え、第2の根元部21は、第2の拮抗テンドン対73、74を受け入れる第2の終端座部25を一体に備える。当業者であれば分かるように、この好ましい実施形態では、拮抗作動テンドンの前記第1対及び第2対のそれぞれは、開放作動テンドン71、73及び閉鎖作動テンドン72、74を含む。終端座部15、25を、それぞれのリンクを有する1つの部品として形成することにより、部品の数を最小限に保つことができ、組み立てが容易になり、小型化が促進される。更に、ブレードリンク30の根元部31は、曲がり可能な部分として非常に薄く、又は少なくとも薄くすることができ、ブレードリンク30の作成を弾性的に簡素化し、同時に切断動作に対して機能するその機械的特性の精密な特性評価を可能にする。更に、好ましい実施形態によれば、各終端座部15、25は、拮抗テンドンのそれぞれの対の両方の拮抗テンドンの終端座部として機能し、リンクのそれぞれに対して行われるべき動作の回数を最小限に保つのに役立ち、したがって小型化を促進する。したがって、この場合、ブレードリンク30は終端座部を備えず、ブレードホルダリンク50によって回転時に引きずられる。これにより、作動テンドンの数を少なく保つことができるとともに、終端座部の数を最小限に保つことができ、したがって小型化が促進される。
一実施形態によれば、第1の根元部の第1の終端座部15及び第2の根元部21の第2の終端座部25は、それぞれのリンクの本体に隣接するそれぞれの根元部から長手方向に延在するカンチレバドラッグレッグ77、78によってそれぞれ画定される。各カンチレバレッグ77、78は、好ましくは、それぞれのリンクを有する1つの部品で作られ、それぞれの根元部に近位に取り付けられ、ブレードホルダリンク50の本体又はリアクションリンクの本体に沿ってそれぞれ長手方向にカンチレバに突出し、レッグ自由端77.1、78.1を形成する。これにより、ブレードホルダリンク50及びリアクションリンクの各終端座部15、25は、実質的に径方向のスロットであり、好ましくは長手方向のスロットでもあり、それぞれの取り付け根元部によって形成された径方向に面する底壁を有する。
好ましくは、カンチレバドラッグレッグ77、78及びブレードホルダリンク50又はリアクションリンクの本体のそれぞれの並んだ部分の延伸部は、それぞれ実質的に同一であり、それぞれの終端座部15、25の縁部の当接壁及び抗力壁15.1、25.1に面するようにそれぞれ実質的に同一であり、これらは、開/閉方向に同じレベルで並んで配置され、それぞれ第1の又は第2の終端座部15、25に受け入れられた一の拮抗テンドン対の各作動テンドン71、72、73、74のそれぞれのテンドン終端70の当接部及び抗力当接部として作用する。各作動テンドンのテンドン終端70は、例えば、それぞれの終端座部15、25の縁部の前記当接壁15.1及び抗力壁25.1に当接する結び目又はボスによって形成された拡大部分とすることができる。言い換えれば、各終端座部15、25の縁部の前記当接壁15.1及び抗力壁25.1は、閉鎖抗力当接部として作用する縁壁と、開放抗力当接部として作用する対向する対向縁壁とを含む。したがって、終端座部15及び25の当接壁及び抗力壁15.1、25.1は、それぞれの終端座部15、25のそれぞれのテンドン終端70のアンダーカットとして配置され、各終端座部15、25は貫通終端座部であり、好ましくはそれぞれのリンクの自由端に向かって長手方向に面するアクセス開口を有する。したがって、前記第1及び第2の拮抗テンドン対の各作動テンドン71、72、73、74の遠位部分は、それぞれの終端座部15、25内で交差及び/又は重なり合って、それぞれのテンドン終端70を当接させ、それに対してアンダーカットとして周方向に配置された当接壁及び抗力壁15.1、25.1に当接させて、ブレードホルダリンク50及び/又はリアクションリンクに、開/閉自由度Gの開/閉方向で回転時の抗力を加える。
したがって、この場合、第1の軸方向距離Y5は、ブレードホルダリンク50の第1のカンチレバレッグ77と支持リンク2の前記1つ以上の凸状線織面96、98の表面96との間の回転軸Y-Y方向の距離として定義することができ、そのような第1の軸方向距離は、任意のカット状態において一定である。同様に、この場合、第2の距離Y5’は、第2のカンチレバレッグ78と支持リンク2の前記1つ以上の凸状線織面96、98の表面98との間の共通の遠位回転軸Y-Yに平行な方向の距離として定義することができ、任意のカット状態において一定である。軸方向距離Y5、Y5’は、任意のカット状態で不変のままであり、すなわち、遠位回転軸Y-Yの関節ピン5に沿って摺動が提供されないので、そのような距離又は他の軸方向距離は、関節式エンドエフェクタ9の異なる点間で評価することができる。一実施形態によれば、ブレードホルダリンク50の取り付け根元部51は、軸方向外向きに面する第1の表面85を備え、更なるリアクションリンクの更なる根元部21は、軸方向外向きに面する第2の表面86を備え、ブレードホルダリンク50の取り付け根元部51の前記第1の表面85とリアクションリンクの更なる取り付け根元部21の前記第2の表面86との間の軸方向の距離Y8は、任意のカット状態において一定である。表面85、86は、遠位回転軸Y-Yに直交する平坦な表面とすることができる。
好ましい実施形態によれば、ブレードホルダリンク50の根元部51の第1の終端座部15と支持リンク2の前記1つ以上の凸状線織面96,98の表面96との間の軸方向距離Y5は、更なるリアクションリンクの根元部21の第2の終端座部25と支持リンク2の前記1つ以上の凸状線織面96,98の表面98との間の軸方向距離Y5’に等しい。
したがって、根元部の間、並びに根元部と突起との間の関節ピン5に沿った軸方向の摺動を回避することにより、共通の遠位回転軸Y-Yの周りの前記リンク間の相対回転を妨げることなく、第1又は第2のテンドン対のテンドン71、72、73、74がその上で長手方向にスライドして開閉の自由度Gを作動させる、すなわち、切断作用を行うための支持リンク2の線織面96,98と、ブレードホルダリンク50の根元部51又はリアクションリンクの根元部21とそれぞれ一体に作られたそれぞれのテンドンの終端座部15、25との間の幾何学的関係が維持される。回転軸に平行な方向において、テンドンは、そのそれぞれの線織面に対して摺動しない。
好ましい実施形態によれば、前述したように、ブレードホルダリンク50の根元部51及び第2の根元部21はそれぞれ、共通回転軸Y-Yの反対側に面する少なくとも1つのプーリ面79,80を備える。プーリ面79,80は、それぞれの抗力座部15,25を周方向両側から包み込み、それぞれの終端座部15、25の内部に継続して、半径方向に面する、すなわち、共通の回転軸Y-Yの反対側に面する底壁を形成することができる。これによって、テンドン終端70がそれぞれの終端座部15、25の当接壁15.1及び抗力壁25.1に当接したときに、前記第一対及び第2対のテンドン25,72,73,74のそれぞれのテンドン終端70に近い遠位部分は、前記少なくとも1つのプーリ面79,80の周りに巻き付く。
好ましい実施形態によれば、ブレードホルダリンク50の根元部51の少なくとも1つのプーリ面79及びリアクションリンクの根元部21の少なくとも1つのプーリ面80は全て、テンドンを案内又は保持するための周方向チャネル又は溝を含まない、平行な母線を有し、共通回転軸Y-Yに平行な凸状線織面である。少なくとも1つのプーリ面79、80は、存在する場合には、径方向カットチャネル19、29で中断することができる。
好ましい実施形態によれば、支持リンク2は、平行な母線を有し、全てが共通の近位回転軸P-Pに平行な1つ以上の凸状線織面96、98を備え、第1及び第2の拮抗テンドン対の作動テンドン71、72、73、74は、ブレードホルダリンク50及び/又はリンク20の作動中に支持リンク2の前記1つ以上の凸状線織面84、86上を摺動し、支持リンク2の前記1つ以上の凸状線織面96,98は、テンドンを受け入れて案内するためのガイドチャネル又は溝を有さない。支持リンク2はまた、第1及び第2の拮抗テンドン対の作動テンドン71、72、73、74が開/閉自由度の作動中に長手方向に摺動する共通の遠位回転軸Y-Y(図示せず)に平行な1つ以上の凸状線織面を備えることができる。
平行な母線を有し、支持リンク2の共通の近位回転軸P-Pに全て平行な同じような1つ以上の凸状線織面96、98は、第3の拮抗テンドン対の作動テンドン75、76のための滑車面としても機能することができる。支持リンク2の前記1つ以上の凸状線織面96,98は、支持リンク2の両側に延在する。一実施形態によれば、第3の拮抗テンドン対の作動テンドン75,76のためのプーリ面は、支持リンク2の終端座部6の内面によって形成される。
一実施形態によれば、リンク97、99は、平行な母線を有し、全てが共通の近位回転軸P-Pに平行な1つ以上の凸状線織面71、72、73、74、75、76を備え、前記第1の、第2の及び第3の拮抗テンドン対の作動テンドン97、99は、リンク90の前記1つ以上の凸状線織面90上で長手方向に摺動する。接続リンク60の前記1つ以上の凸状線織面97,99は、接続リンク90の両側に延在し、接続リンク90と支持リンク2との間で、前記第1、第2、及び第3の拮抗テンドン対のそれぞれのテンドン71、72、73、74、75、76が相互に交差して、その上で近位方向に摺動する接続リンク90の線織面97、99の反対側を向いて、支持リンク2の1つ以上の凸状線織面96,98上で摺動するか又は摺動することなく巻き付ける。例えば、支持リンク2の前記1つ以上の凸状線織面96,98は、リンク90の突起91,92の間に介設され、共通の近位回転軸P-Pに対して反対に向けられる。
テンドン71、72、73、74、75、76と摺動又は巻取り接触するリンクの平行な母線を有する凸状線織面79,80,96,97,98,99は、好ましくはそれぞれのリンクの全ての外面である。
作動テンドン71、72、73、74、75、76は、好ましくは、絡み合ったポリマー繊維によって形成されたポリマーテンドンである。例えば、前記絡み合ったポリマー繊維は、高分子量ポリエチレン(UHMWPE)繊維を含む。
一般的な実施形態によれば、回転軸Y-Yを有するカットジョイントの回転ジョイント502が設けられる。
回転ジョイント502は、前述した実施形態のいずれか1つによる、関節式エンドエフェクタ9の回転ジョイントとすることができる。
回転ジョイント502の回転軸は、外科用器具の関節式エンドエフェクタ9の遠位ヨー回転軸Y-Yとすることができる。
カットジョイントは、好ましくは、作動テンドン71、72、73、74によって作動される。
前記回転ジョイント502は、例えば、2つの突起3、4を備える支持構造体の遠位接続部を備える。
前記回転ジョイント502は、第1の自由端12と、切縁34を有し、軸方向に弾性的に曲げることができる本体を有するブレード14と一体に回転する第1の取り付け根元部11を更に備える。
前記回転ジョイント502は、第2の自由端22及び対向ブレード24と一体に回転する第2の取り付け根元部21を更に備える。
好ましい実施形態によれば、前述のように、第1先端10の第1の根元部11は支持構造体と直接に密接し、第2先端20の第2の根元部21は支持構造体と直接に密接する。
好ましい実施形態によれば、前述したように、第1先端10の前記第1の根元部11は、軸方向に面する第1の外部接触面81を備え、前記第1突起3は、軸方向に面する第1の内部接触対向面87を備える。
好ましい実施形態によれば、前述したように、第2先端20の前記第2の根元部21は、軸方向に面する第2の外部接触面82を備え、前記第2突起4は、軸方向に面する第2の内部接触対向面88を備える。好ましくは、第1の根元部11の前記第1の外部接触面81、第1突起3の前記第1の内部接触対向面87、第2の根元部21の前記第2の外部接触面82、及び第2突起4の前記第2の内部接触対向面88は、全て互いに平行である。
好ましい実施形態によれば、前述したように、第1先端10の本体は、ブレードリンク30とブレードホルダリンク50とを備える2つの別個の部品又はリンクによって形成され、ブレードリンク30は、前記切縁34及びブレードリンク根元部31を有する前記ブレード14を一体に備える本体を有し、ブレードホルダリンク50は、ブレードホルダリンク根元部51を有する。ブレードリンク根元部31及びブレードホルダリンク根元部51は、互いに隣接して直接に密接し、共同で第1先端10の前記第1の根元部11を形成する。
好ましい実施形態によれば、前述のように、前記ブレードリンク根元部31は、前記ブレードホルダリンク根元部51と第2先端20の第2の根元部21との間に軸方向に介設され、それらと直接に密接する。
好ましい実施形態によれば、前述したように、ブレード14と一体に回転する根元部は、第1の拮抗テンドン対71、72のための少なくとも第1の終端座部15を一体に備える。
好ましい実施形態によれば、前述したように、対向ブレード24と一体に回転する根元部は、第2の拮抗テンドン対73、74のための少なくとも第2の終端座部25を一体に備える。
好ましい実施形態によれば、前述したように、支持構造体、例えば支持リンク2は、切断動作中に第1及び第2の拮抗テンドン対のテンドンがそのうえを摺動する平行な母線を有する1つ以上の凸状線織面96,98を一体に備える。
好ましい実施形態によれば、前述したように、前記回転ジョイント502は軸方向に剛性である。これによって、第1の終端座部15と支持構造体の前記1つ以上の凸状線織面96、98の表面96との間の共通の遠位回転軸Y-Yに平行な方向の第1の距離Y5が任意のカット状態において一定であり、第2の終端座部25と支持構造体の前記1つ以上の凸状線織面96、98の表面98との間の遠位共通回転軸Y-Yに平行な方向の第2の距離Y5’が任意のカット状態において一定である。
好ましい実施形態によれば、前述したように、ブレードホルダリンク50の取り付け根元部51は、軸方向外向きに面する第1の表面を備え、リアクションリンクの第2の根元部21は、軸方向外向きに面する第2の表面を備え、ブレードホルダリンク50の前記第1の取り付け根元部表面51とリアクションリンクの前記第2の取り付け根元部表面21との間の軸方向の距離Y8は、任意のカット状態において一定である。
好ましい実施形態によれば、前述したように、ブレードホルダリンク50は、第1のレッグ77.1の自由端を形成するブレードホルダリンク50の根元部51から延在する第1のカンチレバドラッグレッグ77を一体に備え、前記第1のカンチレバドラッグレッグ77は、前記第1の終端座部15を軸方向に画定し、第2の根元部21は、第2のレッグ78.1の自由端を形成するリアクションリンクの根元部21から延在する第2のカンチレバドラッグレッグ78を一体に備え、前記第2のカンチレバドラッグレッグ78は、軸方向において前記第2の終端座部25を画定し、前記第1及び第2のカンチレバレッグ77、78はそれぞれ、それぞれのテンドン終端70のための抗力当接部として作用するそれぞれの終端座部15、25に対するアンダーカットとしての当接壁及び抗力壁を備える。
好ましい実施形態によれば、前述したように、ブレードホルダリンク50の第1のカンチレバレッグ77と支持リンク2の前記1つ以上の凸状線織面96、98の表面96との間の軸方向の第1の距離は、任意のカット状態において一定であり、第2のカンチレバレッグ78と支持リンク2の前記1つ以上の凸状線織面96、98の表面98との間の共通の遠位回転軸Y-Yに平行な方向の第2の距離は、任意のカット状態において一定である。
(外科用ハサミ型外科用器具)
本発明の実施形態の前述の説明を参照すると、前記外科用器具1は、例えば、図31~図53及び図55に示すような外科用ハサミ型器具であり得る。前記外科用器具1が外科用ハサミ型器具である、前記外科用器具1の実施形態を以下に説明する。
好ましい実施形態によれば、第1先端10の第1の自由遠位端12は、ブレード14の遠位端と一致するが、第1先端10は、前記2つのブレード30とブレードホルダ50とのリンクによって形成することができる。
好ましい実施形態によれば、第2先端20の本体はまた、切断動作を行うために軸方向に弾性的に湾曲可能である。したがって、切断動作中、第1先端10のブレード14の切縁34と第2先端20の対向ブレード24との間の機械的干渉接触は、軸方向外側向きのブレード14の弾性的曲げ変形をもたらし、同時に軸方向外側向きの第2先端20の弾性的曲げ変形をもたらす。第1先端10のブレード14の外軸方向は、第2先端20の外軸方向と反対であると理解されることに留意されたい。
例えば、図36の図に示すように、第2先端20の対向ブレード24が、軸方向内向きに面する、すなわち、ブレード14に面する凹面を有する湾曲突出面であり、この場合、切断動作中、好ましくは小さい開放角度、すなわち、例えば、5°未満の所定の閾値未満の小さな開放角度で、突出部が第2先端20の第2の遠位自由端22に遠位方向に近く、切縁34と対向ブレード24との間の接触点POCは、自由端12、22に近く、その非変形構成に対して外軸方向ブレード14の弾性的曲げをもたらし、同時に、その非変形構成に対して第2の外軸方向先端20の弾性的曲げ変形をもたらす。言い換えると、ブレード14及び第2先端20は、低い開放角度で切断動作を実行するための平衡構成に達している。このとき、第1先端10のブレード14と第2先端20とは、それぞれの非変形構成に対して共に外軸方向に弾性的に曲がる。
前述したように、「接触点POC」は、好ましくは、切縁34と対向ブレード24との間の接触領域の最遠位部分を意味する。
切縁34と対向ブレード24との間の接触点POCが、より後方の位置、すなわち、前述した構成よりも近位にあるとき、例えば、約10°-25°の開放角度の場合に、第2先端20の構成は、接触点POCが第2の自由遠位端22に近いか又は第2の自由遠位端22にあるとき(閾値未満、例えば、5°未満又は10°未満の開放角度)と比較して、より顕著な曲率を表すことができる。それは、第2先端20がより近位に剛性であり、第2の自由遠位端22に近いか又は第2の自由遠位端22においてより遠位に曲がることができるが、これは、必ずしも、接触点POCが第2の自由遠位端22に近いか又はそこにあるとき(閾値未満、例えば5°未満又は10°未満の開放角度)と比較して、ブレード14も変形、すなわち曲がり、より顕著な曲げを表すことを意味するとは限らないことに留意すべきである。なぜなら、対向ブレード24の曲率は、第2の自由遠位端22においてより強まるように選択できるからである。好ましい実施形態によれば、第2先端20の本体は、長手方向に先細くになっており、したがって、第2先端20の第2の遠位自由端22に近づくにつれて軸方向に薄くなり、第2先端20の曲げを可能にする。
一実施形態によれば、第2先端20の対向ブレード24は、軸方向内向きに面する、すなわちブレード14に面する凹面を有する湾曲突出面であり、対向ブレード24の突出部は、第2先端20の第2の遠位自由端22に遠位方向に近接して、又は遠位方向に強調され、また、第1先端10のブレード14は、軸方向内向きに面する、すなわち対向ブレード24に面する凹面を有する湾曲した突出部であり、ブレード14の突出部は、第1先端10の第1の遠位自由端12に遠位方向に近接して、又は遠位方向に強調される。換言すれば、この実施形態では、第1先端10のブレード14の軸方向内向きに面するブレード表面35は、軸方向内側に、すなわち対向ブレードに向かって面する凹面を有する凹状突出面であり、突出部は、第1先端10の第1の自由遠位端12に近接して又は第1の自由遠位端12において遠位方向に強調されるようになる。この実施形態では、切縁34も、好ましくは、軸方向内向きに面する凹面を有する湾曲経路を描く。
ブレードリンク30及びブレードホルダリンク50が、ブレードリンク30及びブレードホルダリンク50を一体に回転させるためのそれぞれの抗力係合部37、57を更に備える実施形態によれば、ブレードホルダリンク50の抗力係合部57は、軸方向内側の突出部57、すなわち、開放抗力面57.2及び反対側の閉鎖抗力面57.1を含む軸方向内側に延びる軸方向突出部57として形成され、ブレードリンク30の抗力係合部37は、ブレードホルダリンク50の前記軸方向突出部57を受け入れる軸方向貫通スロット37として形成され、前記軸方向貫通スロット37は、対向ブレードリンク50の軸方向突出部57の前記開放抗力面57.2と抗力接触する開放抗力面37.2と、対向ブレードリンク50の軸方向突出部57の前記閉鎖抗力面57.2と抗力接触する反対側の閉鎖抗力面37.1とによって画定される。抗力係合部を決定するためにブレードリンク30とブレードホルダリンク50との間のアセンブリを得るために、ブレードリンク30の軸方向貫通スロット37は、切縁34に対向するブレードリンク30の一方の側に開口する、すなわち、第1先端10のブレードリンク30の裏側D1に開口する入口開口37.0を有するように成形経路を記述することができ、スロット37の経路は、前記抗力開放面37.2が裏側D1に面する入口開口37.0に対してアンダーカットのようになるように、例えば、抗力開放面37.2に対して入射方向に配向された成形入口チャネルを含む。したがって、この場合、ブレードホルダリンク50の軸方向突出部57は、入口開口37.0によってブレードリンク30のスロット37に挿入され、その後、入口チャネルを通って流れ、その後、抗力係合部を得るようにブレードリンク30に対して回転される。換言すれば、この場合、ブレード30は、長手方向に、例えば共通回転軸Y-Yに向かってカンチレバ状に近位方向に延在し、切断動作を得るように機能しない開放ドラッグレッグ37.3を備え、カンチレバ開放ドラッグレッグ37.3は、前記開放抗力面37.2を備え、その縁部で入口開口37.0を画定する。
ブレードホルダリンク50の抗力係合部の軸方向突出部57は、ブレードホルダリンク50の遠位端52で得ることができる。ブレードホルダリンク50は、前記軸方向突出部57を形成する拡大及び/又は曲がった遠位端52を有するスクワット形状(squat conformation)を有する。
必ずしもそうとは限らないが、ブレードリンク30の軸方向外側向きの曲げ変形が前記抗力係合スロット37に対して遠位方向にのみ起こり得るために、ブレード14がブレードリンク30を弾性的に曲げる切断動作中に、ブレードホルダリンク50の軸方向突出部57に対して外側に軸方向に摺動し、ブレードホルダリンク50は、その根元部51と、ブレードリンク30と接触する軸方向突出部57との間で軸方向内向きに面する表面58を備えることができる。
ブレードホルダリンク50の軸方向突出部57の位置及び軸方向内側の延伸部は、閉鎖抗力面57.1に対する軸方向突出部57の軸方向内側部分が、第2先端20のための閉鎖ストローク端面54を形成するように選択することができ、これは、開/閉自由度Gのための閉鎖ストローク端として作用する第2先端20のカット側P2の表面を当接して受け入れるように適合される。このため、ブレードリンク30の軸方向突出部57は、ブレードリンク30との抗力係合部を形成する機能と、閉鎖ストローク端当接部を形成する機能との両方を果たすことができる。
好ましくは、閉鎖ストローク端面54は、切縁34が既に存在する第1先端10の細長い本体に沿って長手方向レベルで延在し、すなわち、閉鎖ストローク端面54は、第1先端10のカット側P1に面し、切縁34と第1先端10の裏側D1との間でブレード表面35から軸方向にカンチレバ状に延在する。
例えば、図43に示すような実施形態、また、例えば、第1先端10が一体に形成されて第1先端リンクを形成する図51によれば、切縁34と第1先端10の裏側D1との間でブレード表面35から軸方向にカンチレバ状に延びる閉鎖ストローク端当接部が設けられ、前記閉鎖ストローク端当接部は、開/閉自由度Gの閉鎖ストローク端として作用する第2先端20のカット側P2の表面を当接して受け入れるように適合された閉鎖ストローク端面54を備える。
閉鎖ストローク端面54は、好ましくは、第2先端10の回転接近フットプリントにおいて第1先端20から延在する。
例えば、図44に示す実施形態によれば、第2先端20の細長い本体は、切断動作を行うために軸方向に弾性的に曲がり可能であり、第2先端20の本体は、第2の根元部21から遠位方向に延在し、第2先端20の本体のカットインタフェース27で終端する接続ステム23を備え、カットインタフェース27は、長手方向に対向する2つの自由端及びそれらの間の前記対向ブレード24を含む長手方向及び軸方向内側に向けられた細長い本体を有する。好ましくは、カットインタフェース27の遠位自由端は、第2先端12の前記第2の遠位自由端22と一致し、カットインタフェース27の反対側の近位自由端27.0は、共通回転軸Y-Yに向かって、すなわち第2先端20の第2の根元部21に向かってカンチレバ状に延びる。これにより、第2先端20の接続ステム23及びインタフェースカット部27は、一種の「T」構造を形成し、この「T」構造では、それぞれが自由端を有するカットインタフェース27の接続ステム23の遠位頂部とは反対に長手方向で2つのカンチレバーアーム27.1及び27.2が突出するとともに、対向ブレード24がカットインタフェースの両方のアーム27.1及び27.2に属して接続ステム23と対向するように面する。
これにより、対向ブレード変形座部28がカットインタフェース27の近位アーム27.1と接続ステム23との間に形成され、対向ブレード24、すなわち、カットインタフェース27の近位アーム27.1の、その近位自由端27.0を有する軸方向変形を受け入れる。一実施形態によれば、第2の拮抗テンドン対の作動テンドン73、74のための第2の終端座部25は、カットインタフェース27の接続ステム23と近位アーム27.1との間に軸方向に配置される。一実施形態によれば、第2の終端座部25の遠位カンチレバレッグ78は、カットインタフェース27の接続ステム23と近位アーム27.1との間でカンチレバ状に遠位に延びる。その結果、接続ステム23は、第2先端20の第2の終端座部25を軸方向外側に画定し、第2の終端座部25の遠位カンチレバレッグ78は、対向ブレード変形座部28の少なくとも一部を軸方向外側に画定する。一実施形態によれば、第2の終端座部25は、前記対向ブレード変形座部28内に開き、したがって、この実施形態では、拮抗作動テンドン73、74は、遠位方向に開くそれぞれの第2の終端座部25内に挿入することができ、それらの作動テンドンを、カットインタフェース27の近位アームの近位自由端27.0と第2の根元部21との間に形成された開口内に軸方向で挿入した後、それらを、カンチレバレッグ78の軸方向内側に沿って、対向ブレード変形座部28内で遠位方向に移動させた後、第2の終端座部25内の入口に挿入し、したがって、この実施形態では、拮抗作動テンドン73、74の組み立ては、好ましくは、第2先端20の本体の近位アーム27.1の対向ブレード24が第1先端10のブレード14の切縁34と接触しないように、第1先端20と第2先端10とが開放角度(例えば、約90°の開放角度)を形成するときに実行され、近位自由端27.0と第2の根元部21との間に形成された開口での軸方向のアクセスを解放する。
カットインタフェース27で終わる前記接続ステム23を含むそのような第2先端20を設けることによって、前記対向ブレード24は、前記カットインタフェース27に含まれ、近位自由端27.0を有する近位アーム27.1と、第2先端20の前記第2の自由端22と一致する遠位自由端を有する長手方向に対向する遠位アーム27.2とを有する。第2先端20は、対向ブレード24の長手方向延伸全体に実質的に沿って外軸方向に第2の弾性的に曲げることが可能な第2先端20を作製することが可能であり、そして、例えば25°-60°の範囲、好ましくは28°-58°の範囲の開放角度などの高い開放角度に対しても正確な切断動作を行うことが可能である。これは、接触点POCがカットインタフェースの前記近位アーム27.1に含まれ、好ましくはカットインタフェース27の自由近位端27.0に近く、又はカットインタフェース27の自由近位端27.0にある状況に対応する。この場合、高い開放角度では、ブレード14は必ずしも弾性的曲がって切断動作を行うとは限らなく、弾性は第2の先端20によってのみ与えられることができる。特に、一実施形態によれば、接触点POCが近位アーム27.1の近位自由端27.0にあるとき、開放角度は約58°であり、切断作用が依然として及ぼされる。
したがって、前記カットインタフェース27で終端する前記接続ステム23を含むそのような第2先端20を提供することによって、第1先端10及び第2先端20の作動力がそれぞれの作動テンドンに対する引張作用によって及ぼされるのを最小限に保ちながら、0°-60°の範囲の角度を開くための正確なカットを行うように適合された解決策を得ることが可能であり、同時に、テンドン終端におけるそれぞれの根元部11、21のプーリ面79、80の半径を最小限に保つことが可能であり、したがって同時に極端な小型化を可能にする。
例えば図48Cに概略的に示すように、比較的高い開放角度(例えば、50°-60°の範囲の角度)では、第1先端10のブレード14の切縁34と対向ブレード24との接触は、第2先端20のカットインタフェース27の近位自由端27.0に近い、又は近位アーム27.1の部分で生じ、カット機械的干渉接触は、したがって、第2先端20の変形座部28の内側の近位アーム27.1の外軸方向変形をもたらすが、第1先端10のブレード14は実質的に変形したままであり、すなわち、例えば、ブレードホルダリンク50(第1先端10が1つの部品である場合、ブレード14の近位部分は、その根元部11とストローク端面54との間で先端リンク本体10の近位部分によって外側に軸方向に支持される)によって軸方向外側に支持されているので弾性的曲がらない。これにより、例えば約60°までの開放角度など、高い開放角度でも切断動作を行うことが可能になる。
開放角度が小さくなるにつれて、接触点POCは先端方向に移動する。
例えば、図49Cに概略的に示すように、上記よりも小さい開放角度、すなわち、例えば10°-25°の範囲の開放角度の場合、第1先端10のブレード14の切縁34と対向ブレード24との間の接触点POCは、第2先端20のカットインタフェース27の、接続ステム23が終端する部分に近い、又は連結ステムが終端する部分にあり、カット機械的干渉接触は、カットインタフェース25を軸方向外向きに戻す接続ステム23の外軸方向の変形をもたらすが、第1先端10のブレード14は、特に部品の極端な小型化の場合には、弾性的に曲がることはできないが、軸方向外向きに曲がることが好ましい。これにより、例えば10°-25°の範囲内の中間開放角度に対して第2先端20の外軸方向の変形を利用することによって切断動作を行うことが可能になる。そのような場合、第1先端10のブレード14の近位部分は、第2先端20のカットインタフェース27の近位アーム27.1の対向ブレード24と依然として干渉接触することができる。
例えば、図50Cに概略的に示すように、例えば、0°-5°及び/又は0°-10°の範囲の小さな開放角度では、第1先端10のブレード14の切縁34と対向ブレード24との間の接触点POCは、第1及び第2先端10、20の遠位自由端12、22に近いか又はそこにあり、カット機械的干渉接触は、第1先端10のブレード14及びカットインタフェース27及び第2先端20の接続ステム23の両方の外軸方向の変形をもたらす。
対向ブレード24の曲率、並びにカットインタフェース27及び接続ステム23の構造及び弾性特性は、例えば0°-60°の範囲の非常に広い範囲の開放角度に対してカット性能を最適化するように選択することができる。
互いに一体に回転する2つの別個の部品又はリンクによって形成された第2先端20を設けることができ、第2先端20の第1のリンクは対向ブレード24を備え、第2先端20の第2のリンクはポート対向ブレードホルダ部24を備え、好ましくは、前記2つのリンクの両方は、根元部、すなわち、対向ブレードリンクの根元部及び互いに隣接する対向ブレードホルダリンクの根元部を備え、共同で第2先端20の前記第2の根元部21を形成する。
代替的な実施形態によれば、第1先端10の第1の根元部11及び/又は第2先端20の第2の根元部21には、それぞれの根元部に軸方向弾性を提供するために、1つ以上の切り欠き66を設けることができる。図41に示すように、例えば、長手方向に向けられた切り欠き66が、例えば、第2先端20の第2の根元部21の近位部分に設けられ、第2の根元部21の軸方向内向きに面する側から弾性レッグ69を形成し、前記弾性レッグ69は、切断動作中に第1の根元部11に弾性動作を提供するように適合される。図42に示すように、例えば、長手方向に向けられた切り欠き66をブレードホルダリンク50の根元部51の近位部分に設けることができ、ブレードホルダリンク50の根元部51の軸方向内向きに面する側から弾性レッグ69を形成し、前記弾性レッグ69は、切断動作中にブレードリンク30の根元部31に弾性作用を提供するように適合される。
(針ドライバ/縫合糸カッター型外科用器具)
本発明の実施形態の前述の説明を参照すると、前記外科用器具1は、例えば、図4~図30及び図54に示すように、針ドライバ/縫合糸カッター型外科用器具(一般的に採用されている用語によれば、「針保持器/カッター」)であり得る。前記外科用器具1の実施形態が以下に説明され、前記外科用器具1は、針ドライバ/縫合糸カッター型外科用器具である。
一実施形態によれば、第1先端10の第1の自由端12は、ブレード14の遠位端32と一致しないが、第1先端10の第1の自由端12及びブレード14の遠位端32は、一実施形態によれば、1つの部品で作製することができる。当該実施形態では、ブレード14の遠位端32は、例えば、図28に示すように、長手方向後方の自由端、すなわち、第1の先端10の第1の自由端12のより近位にある。
一実施形態によれば、前記第1先端10は、ブレードリンク30及びブレードホルダリンク50を形成する一体に回転する2つの部品又は2つのリンクでできている。特に、ブレードホルダリンク50の本体は、ブレードホルダリンク50の近位取り付け根元部51と、前記第1の自由遠位端12と、それらの間の第1の把持面13とを一体に備え、ブレードリンク30の本体は、その切縁34を有する前記ブレード14を備え、ブレードリンク30のブレード14は遠位端32を備え、遠位端32は、好ましくは、抗力係合部37として作用し、したがってブレードリンク30がブレードホルダリンク50に組み立てられるときに自由端ではない。
一実施形態によれば、第2先端20の本体は、前記第2の遠位自由端22と、前記第2の取り付け根元部21と前記第2の自由端22との間の第2の把持面63とを一体に備える。取り付け根元部11又は21とそれぞれの把持面13、63との間に各先端10、20の接続部55,65を規定することが可能である。使用時に、第1先端リンク10の第1の把持面13と第2先端リンク20の第2の把持面63とは、互いに対向し、回転中に互いに向き合って、互いに接触して移動して、例えば外科用針に把持作用を及ぼすように意図されている。各把持面13、63は、既知の技術に従って機械加工することができ、把持能力を高めるために隆起部及び凹部を形成することができる。
一実施形態によれば、ブレードホルダリンク50の本体及び第2先端20の本体はそれぞれ、それぞれの取り付け根元部からそれぞれの自由端に延びる長手方向において細長い形状を有し、それぞれの把持面はそれぞれの自由端に近接して配置され、ブレードホルダリンク50の根元部と、ブレードリンク30と、第2先端部20とは互いに隣接し、一方、それぞれの接続部55、65において、ブレードホルダリンク50の本体と第2先端20の本体とは、それぞれの根元とそれぞれのグリップ面13、63との間に長手方向に介設され、ブレードリンク30の本体のブレード14をその切縁34で受け入れるための軸方向及び長手方向の座部が得られる。言い換えれば、ブレードホルダリンク50の細長い本体と第2先端20の細長い本体とは、それぞれの根元部及びそれぞれの接続部55、65において互いに隣接し、それぞれの把持面13、63において互いに重なり合い、一方で、ブレードリンク30は、その根元部31においてブレードホルダリンク50の根元部及び第2先端20に隣接し、ブレードホルダリンク50の接続部と第2先端20との間に位置する。
一実施形態によれば、ブレードリンク31の根元部は、ブレードホルダリンク50の根元部と第2先端20との間に介設される。好ましくは、ブレードリンク本体30はまた、長手方向に細長い形状であり、ブレードリンク端部32を備えるが、ブレードリンク本体50及び第2先端20よりも短くされ、実質的に、互いに隣接する取り付け根元部からブレードホルダリンク50の把持面領域13、63及び第2先端20まで長手方向に延び、すなわち、ブレードリンク30の遠位端32は、把持面13、63の近位端に近いレベルまで長手方向に延びる。
把持面13、63は、開/閉自由度のための閉鎖ストローク端として機能することが好ましい。
一実施形態によれば、第1先端10のブレードホルダリンク50は、切断動作中に対向ブレード24の突出面の作用によって弾性的に曲げられたときにブレードリンク30の本体のブレード14を収容するように適合された軸方向変形凹部44(又は変形座部44)を軸方向内側に画定する、ブレードリンク30の本体から離れるように傾斜した軸方向内向きに面する表面18を備える。したがって、対向ブレード24及び軸方向内向きに面する表面18は、両方ともブレードリンク30のブレード14に面し、両方とも切断動作中にそれに接触する。軸方向内向きに面する表面18は、好ましくは、ブレードホルダリンク50の細長い本体の前記接続部55に含まれる。好ましくは、第1先端リンク10の軸方向内向きに面する表面18は、切断動作中に、対向ブレード24による曲げによって変形されるときに、ブレードリンク30のブレード14の変形のための軸方向ストローク端当接面として機能する。対向ブレード24の突出面及びブレードホルダリンク50の軸方向対向面18の輪郭は、互いに平行であってもよく、一実施形態では対応して同一である。
切縁34と対向ブレード24との間の少なくとも1つの接触点POCは、好ましくは、例えば図14に概略的に示すように、開/閉自由度G(グリップG)の開放角度の関数として位置及び/又はサイズが変化する。特に、比較的高い開放角度(例えば、20°-30°の範囲の角度)では、接触は、切縁34により近い、すなわち、ブレードリンク30の取り付け根元部31により近い部分で生じ、開放角度が減少するにつれて、接触は遠位方向に移動し、ブレードリンク30の根元部31に対するブレードリンク30のブレード14の弾性的曲げ変形が強まる。したがって、第1先端10及び第2先端20が実質的に閉じた構成にあるときのブレードリンク30の変形構成は、最大限に曲がり、いずれにせよ、第1先端10及び第2先端20が部分的に閉じた部分的に開いた構成にあるときのブレードリンク30の変形構成よりも大きく曲がる。好ましくは、開放角度が最大限に開いており、ブレードが自由であるとき、ブレードは真っ直ぐであり、ブレードリンクは実質的に平面構成を有する。
一実施形態によれば、対向ブレード24は、ブレードホルダリンク50の本体の回転接近フットプリント及びブレードリンク30のブレード14と少なくとも部分的に重複することができ、弾性変形構成において、ブレードホルダリンク50の長手方向延伸を横断する方向に、すなわち外軸方向にブレードホルダリンク50の回転フットプリントに対して局所的に並進するが、好ましい実施形態によれば、対向ブレード24及びブレードホルダリンク50の軸方向内向きに面する表面18は、それぞれの回転クリアランスにおいて重複しないように幾何学的に成形される。
例えば、図28に示す実施形態によれば、ブレードリンク30の根元部31は、支持構造体の第1突起3とブレードホルダリンク50の根元部51との間に介設され、それらと直接に密接する。対向ブレードホルダリンクの本体の回転接近フットプリントを横切る横断ブリッジ33をブレードリンク30の本体に設けることにより、ブレード14は、その切縁34と共に対向ブレード24と接触する、すなわち、ブレードホルダリンク50と第2先端20との間に接触する。言い換えれば、横断ブリッジ33は、ブレードホルダリンク50の細長い本体の接続部55及び/又はブレードホルダリンク50の根元部51を横切ることができる。したがって、そのような場合、第1先端10の前記第1の外部接触面81は、ブレードリンク30の根元部31に含まれ、第1突起3の第1の内面87と接触し、ブレードリンク31の根元部31の軸方向内向きに面する反対側の接触面は、ブレードホルダリンク50の根元部51の軸方向外向きに面する接触面と接触し、第1先端10の軸方向内向きに面する前記第1の内部接触面83は、ブレードホルダリンク50の根元部51に含まれ、第2先端20の第2の根元部21の軸方向内向きに面する前記反対側の第2の内部接触面84と接触する。このとき、この実施形態によれば、切縁34を有するブレード14は、ブレードホルダリンク本体50の接続部55と第2先端本体20の接続部65との間に介設されたままであり、一方、ブレードリンク30の第3の根元部31は、支持構造体の第1突起3とブレードホルダリンク50の根元部51との間に介設される。
一実施形態によれば、第2先端20は、2つの部品、すなわち、互いに一体に回転する2つのリンク40、60、特に対向ブレードリンク40及び対向ブレードホルダリンク60で作られる。この実施形態では、対向ブレード24は、前記対向ブレードリンク40と一体に形成され、すなわち、対向ブレードリンク40は、対向ブレードリンク40の近位取り付け根元部41を備え、対向ブレードホルダリンク60は、対向ブレードホルダリンク60の近位取り付け根元部61と、前記第2の把持面63と、前記第2の遠位自由端22とを一体に備え、対向ブレードホルダリンク60の根元部61及び対向ブレードリンク40の根元部41は、互いに隣接して直接に密接し、共同で第2先端20の第2の根元部21を形成する。第2先端20が互いに回転一体となる前記2つのリンク40、60に形成される場合、ブレードホルダリンク50の前記根元部51と、ブレードリンク30の前記根元部31と、対向ブレードリンク40の前記根元部41と、対向ブレードホルダリンク60の前記根元部61とによって形成されるアセンブリは、一般に、支持構造体の前記2つの突起3、4の間に介設され、それらと直接に密接する。
根元部のこのようなパック配置により、ブレードリンク30の根元部31と、好ましくはより薄い対向ブレードリンク40の根元部41との関節ピン5に対する衝突が回避され、それにより、開/閉自由度Gの各開放角度に対して、対向ブレード24に対する切縁34の位置決めの十分な精度が提供され、したがって、極めて高いカット精度が得られる。
したがって、ブレードホルダリンク60の根元部61は、好ましくは、軸方向に面する接触面89.1を備え、ブレードホルダリンク40の根元部41は、軸方向に面する接触面89.2を備え、前記接触面89.1、89.2は、互いに直接に密接し、好ましくは、互いに平行であり、根元部及び突起の他の接触面81、82、83、84、85、86、87、88に平行であり、更により好ましくは、共通回転軸Y-Yに直交する平面内に延在する。
近位取り付け根元部41を有する別個の対向ブレードリンク40上に形成される対向ブレード24が設けられる実施形態によれば、ブレードリンク30の根元部31が、対向ブレードリンク40の前記根元部41とブレードホルダリンク50の根元部51との間に軸方向に介設され、これらと直接に密接するとともに、対向ブレードリンク40の前記根元部41が、ブレードリンク30の前記根元部30とブレードホルダリンク60の前記根元部61との間に軸方向に介設され、これらと直接に密接し、切断動作中にブレード14の弾性的曲げに対する反力を提供する。
前述したように、根元部は、好ましくは、共通回転軸Y-Yを中心とするシリンダ形状を有し、対向ブレードリンク40の根元部41は、ブレードホルダリンク50の根元部51及びブレードホルダリンク60の根元部61よりも著しく小さい厚さを有し、対向ブレードリンク40の前記根元部41は、ブレードリンク30の根元部31と同様の円盤型のシリンダ形状を有する。
第2先端20の第2の根元部21が対向ブレードリンク40の前記根元部41及び対向ブレードリンク60の前記根元部61によって形成される場合、前述の実施形態のいずれか一実施形態によれば、前記根元部41及び61のそれぞれに第2貫通孔26が設けられる。この場合、ブレードホルダリンク60の根元部61の第2貫通孔26と、ブレードホルダリンク60の根元部41の第2貫通孔26とは、互いに同軸の円形孔とすることができ、同径とすることができる。一実施形態によれば、対向ブレードリンク40の根元部41の前記第2貫通孔26は、孔縁部の延伸部全体にわたって関節ピン5と直接に密接する孔縁部を有し、切断動作中にブレードリンク30と対向ブレードリンク40の対向ブレード24との間で交換される摩擦に対する反力を孔縁部の厚さの円弧面に及ぼす。
ブレードリンク30及びブレードホルダリンク50が、ブレードリンク30及びブレードホルダリンク50を一体に回転させるためのそれぞれの抗力係合部37、57を更に備える実施形態によれば、ブレードホルダリンク50の抗力係合部57は、ブレードホルダリンク本体50の接続部55によって、また、第1の把持面13に対するアンダーカットとしての座部57を形成する抗力歯57.0によって画定される抗力座部57として形成される。すなわち、座部57は、近位方向に開くとともに、軸方向に延在し、ブレードリンク30の遠位端32の軸方向の変形を受け入れながら、回転抗力接触でブレードリンク30の遠位端32を受け入れる。換言すれば、この実施形態では、ブレードリンク30の遠位端32に近い部分又は遠位端32における部分は、回転抗力接触で、すなわち、開/閉方向において、ブレードリンク50の抗力座部57の内側に受け入れられるブレードホルダリンク30の抗力係合部37として機能する。同時に、ブレードリンク30の遠位端32は、同じ抗力座部57の内側で軸方向外側に自由に変形することができ、したがってブレード14の軸方向変形座部44の一部を形成する。言い換えれば、抗力座部57は、第1先端リンク10の軸方向内側に面する表面18に対して、すなわち、ブレード14の曲げのための軸方向当接部として作用することができる表面18に対して遠位方向に延在する。そのような場合、抗力座部57は、ブレードリンク30の遠位端32を受け入れるような軸方向延伸部を有し、したがって、切断動作中のブレードリンク30の変形を前記変形座部44と共に受け入れる。ブレードリンク30の遠位端32は、前記切縁34の遠位部分を含むことができ、そのような場合、前記切縁34の前記遠位部分は、ブレードホルダリンク50の抗力座部57を画定する抗力歯のそれぞれの開放抗力面57.2に対して協働する開放方向37.2の抗力対向面として作用する。
ブレードリンク30及びブレードホルダリンク50が、ブレードリンク30及びブレードホルダリンク50を一体に回転させるためにそれぞれの抗力係合部37、57を更に備える実施形態によれば、ブレードホルダリンク50の抗力係合部57は、2つの別個の異なる抗力面として形成される。言い換えれば、ブレードホルダリンク50の開放抗力面57.2と閉鎖抗力面57.1とは、共通回転軸Y-Yから異なる距離に配置することができ、ブレードリンク30の開放抗力面37.2と閉鎖抗力面37.1とは、共通回転軸Y-Yから異なる距離に、例えば図29Aに示すように、例えばブレードリンク30の異なる突出部に配置することができる。特に、図29A、図29B及び図29C、並びに図30Aを参照すると、ブレードリンク30の根元部31は、第1先端リンク10の第1の根元部11上に折り畳まれた径方向ドラッグイヤー(drag ear)37.4を含むことができ、前記ドラッグイヤー37.4は前記開放抗力面37.2を含む。
一実施形態によれば、別個の部品で作られた前記第1先端リンク10及び前記ブレードリンク30は、解放可能に互いに一体に回転し、解放は、好ましくは関節式エンドエフェクタ9を分解することによってのみ行うことができる。
一実施形態によれば、第2先端20は、共通回転軸Y-Yに面するねじ止め壁48を備え、このねじ止め壁は、縫合糸68を受け入れるためのねじ止め凹部48.1を画定して、切断閉鎖中に縫合糸68をブレードリンク30のブレードの切縁34と接触させ続ける。ねじ止め壁48を設けることにより、閉鎖動作の効果として、切断動作中に縫合糸68がブレードの遠位端32を越えて遠位側に摺動することが防止される。
ねじ止め壁48及びねじ止め凹部48.1は、好ましくは、第2先端20の把持側P2に面することが好ましく、ねじ止め壁48は、第2先端20の把持側P2に面する凹部48.1を規定する凹面を有するアーチ型壁(arched wall)である。凹部48.1は、第2先端20の本体に設けられた切り欠きの形態で作ることができ、そのような場合、ねじ止め壁48は前記切り欠きを画定する壁である。凹部48.1は、第2先端20の本体の突出部に設けられたアンダーカット壁の形態で作ることができ、そのような場合、ねじ止め壁48は、共通回転軸Y-Yに面する前記突出部のアンダーカット壁である。
一実施形態によれば、ねじ止め壁48は、その軸方向内縁で、第2先端20のカット側P2から対向ブレード24を画定する。対向ブレード表面24が第2先端リンク20に対して別個の部品で作られる場合、ねじ止め壁48及び凹部48.1は、対向ブレードリンク40の本体に形成することができる。
一実施形態によれば、第2先端20のブレードホルダリンク60は、ブレードホルダリンク40のためのハウジング座部45を形成する軸方向凹部45を備える。前記軸方向凹部45は、好ましくは、対向ブレードホルダリンク60の軸方向内側に面する表面43によって軸方向に画定される。
好ましい実施形態によれば、対向ブレードリンク40は、曲げによって弾性的に変形可能である。これにより、ブレードリンク30の切縁34が対向ブレードリンク40の対向ブレード24に機械的に干渉して切断動作を行うと、対向ブレードリンク40の本体も軸方向に弾性的曲がる。
対向ブレードリンク40は、好ましくは弾性シート又はストリップから作製され、切断動作中にブレードリンク30を弾性的に曲げるために、軸方向内側に面する凹面を有する湾曲して突出した対向ブレード24を形成するように予め湾曲している。曲げによって弾性変形可能な湾曲して突出した対向ブレード24を有する対向ブレードリンク40を設けることにより、切断動作中に、対向ブレードホルダリンク60の軸方向凹部45の軸方向内側に面する表面68とブレードリンク30の切縁34との間に弾性反力を得ることが可能になる。特に、対向ブレードリンク40は、反応20の軸方向凹部45の軸方向内側に面する前記表面43に当接する、対向ブレード24に対向して軸方向に向けられた静止表面64を備える。これによって、対向ブレードリンク40が、切断作用中にブレードリンク30を弾性的に曲げることを目的として、ブレードリンク30の切縁34に弾性作用をもたらすことを可能にする。例えば、対向ブレードリンク40は、存在する場合、ばね鋼で作ることができる。
対向ブレードリンク40は、ブレードリンク30を参照して前述した特徴及び特性の少なくとも一部を有することができるが、全部を有することもできる。対向ブレードリンク40の厚さは、前述したように、ブレードリンク30の厚さと実質的に同等又は同等であり得る。一実施形態によれば、対向ブレードリンク40は、好ましくはブレードリンク30の切縁34に対して反対側に配置される対向ブレード切縁64を備える。すなわち、換言すれば、対向ブレードの切縁64は第2先端20のカット側P2に面する。対向ブレードリンク40の近位取り付け根元部41は、ブレードリンク30の根元部31を参照して前述した特徴及び特性の少なくとも一部を有することができるが、全部を有することもできる。対向ブレードリンク40の根元部41は、ブレードリンク30の径方向カットチャネル39と位置ずれした径方向カットチャネル49を備えて、開/閉動作中にカットチャネル39、49の縁部が係合するのを防止することができる。
一実施形態によれば、対向ブレードリンク40及び対向ブレードホルダリンク60を一体に回転させるために、対向ブレード表面24の長手方向延伸に沿って、又はそれに対して遠位側に抗力係合部が設けられる。好ましくは、抗力係合部は、対向ブレードリンク24の遠位端42の近く又は遠位端において得られる。一実施形態によれば、ブレードホルダリンク60は、ブレードホルダリンク40を一体に回転させるために、開放抗力面67.2及び反対側の閉鎖抗力面67.1を有する抗力座部67を備える。抗力座部67は、対向ブレードホルダリンク60の遠位端42を受け入れるために、対向ブレードリンク40の第2の把持面63に対してアンダーカットとして形成された抗力座部内に遠位に配置することができる。一実施形態によれば、対向ブレードリンク40の前記遠位端42は、対向ブレードホルダリンク60の前記開放抗力面67.2と抗力接触する開放抗力面47.2と、前記閉鎖抗力面67.1と抗力接触する反対側の閉鎖抗力面47.1とを備える。
例えば、図29Bに示す実施形態によれば、対向ブレードリンク40は、対向ブレードリンク60の根元部61に折り畳まれた径方向ドラッグイヤー47.4を備え、対向ブレードリンク40の前記ドラッグイヤー47.4は、例えば対向ブレードリンク60の本体の接続部65の後部D2に配置される開放抗力面67.2と抗力接触する開放抗力面47.2を備え、対向ブレードリンク40は、対向ブレードリンク60の閉鎖抗力面67.1と抗力接触する対向ブレードリンク40の遠位端42に近接して配置された閉鎖抗力面47.1を更に備える。
図27に示す実施形態によれば、例えば、対向ブレード切縁64は、開/閉方向に対して凹形状を有することができる。
以下、外科用器具のカット方法について説明する。
そのようなカット方法は、前述の実施形態のいずれか1つによる外科用器具1で実行されるように適合されている。
一実施形態によれば、外科用器具のカットは、以下のステップを含む。
この方法は、支持構造体と、切縁34を有するブレード14と、遠位回転ジョイント502を形成する対向ブレード24とを備えるロッド7の遠位端に、関節式エンドエフェクタ9を設けることを含む。
関節式エンドエフェクタは、リンク90を含むことができ、支持構造体は、近位回転ジョイント509内の接続リンク90に関節結合される支持リンク2に含まれることができる。
この方法は、ブレードリンク30の切縁34を所望の向きに向けるために、支持構造体の平行な母線を有する少なくとも1つ以上の凸状線織面97,99及び96、98上の少なくとも一対の拮抗テンドンの作動テンドン71,72及び75,76を長手方向に摺動させることを含む。一実施形態によれば、このステップは、接続リンク90及び支持リンク2のうちの少なくとも1つの平行な母線を有する一つ以上の凸状線織面97,99及び96、98上の少なくとも一対の拮抗テンドンの作動テンドン71,72及び75,76を長手方向に摺動させることを含む。
この方法は、切縁34を前記対向ブレード24と接触させるべく、接続リンク90及び支持構造体、例えば前記支持リンク2の平行な母線を有する1つ以上の凸状線織面97,99、96,98上の遠位回転ジョイント502の少なくとも一対の拮抗作動テンドンの作動テンドン71,72、73,74を長手方向に摺動させることを含む。
この方法は、切縁34及び対向ブレード24の少なくとも一方を弾性的に曲げ、それらの間に機械的干渉接触が生じ、切断動作を行うことを含む。
接続リンク90及び支持リンク2の平行な母線を有する凸状線織面97,99、96,98上の遠位回転ジョイント502の少なくとも一対の拮抗テンドンの作動テンドン71,72、73,74を長手方向に摺動させるステップは、遠位回転ジョイント502の少なくとも1つの作動テンドン71,72、73,74をそれが摺動する凸状線織面上に60°から300°の間の、好ましくは120°より大きい巻回角で巻き付けるステップを含むことができる。
一般的な実施形態によれば、前述の実施形態のいずれか1つによる少なくとも1つの外科用器具1を備えるロボット手術システム101が提供される。したがって、ロボット手術システム101は、生体組織のカット及び/又は縫合糸のカットを含む外科的又は顕微手術的処置を実行することができる。
一実施形態によれば、前記ロボット手術システム101は、少なくとも2つの外科用器具を備え、そのうちの少なくとも1つは、前述の実施形態のいずれか1つによる外科用器具1であり、他の外科用器具は、針ドライバ型外科用器具又は拡張器型外科用器具であり得るが、一実施形態によれば、両方の外科用器具は、前述の実施形態のいずれか1つによる外科用器具1であり、必ずしも互いに同一であるとは限らない。例えば、少なくとも2つの外科用器具のうちの1つの外科用器具は、外科用ハサミ型外科用器具となることができ、少なくとも2つの外科用器具のうちの別の外科用器具は、針ドライバ/ハサミ型外科用器具であり得る。
ロボット手術システム101は、好ましくは、少なくとも1つのロボットマニピュレータ103を備え、少なくとも1つの外科用器具1は、前記少なくとも1つのロボットマニピュレータ103に動作可能に接続される。例えば、少なくとも1つのロボットマニピュレータ103と少なくとも1つの外科用器具1のバックエンド104との間には、例えば、滅菌手術布などの滅菌外科用バリア(図示せず)が介設される。ロボットマニピュレータ103は、ピッチP、ヨーY、及び把持自由度Gの前記作動テンドンに応力をかける、すなわち、外科用器具1を把持してカットするための電動アクチュエータと、転動自由度を規定するシャフト7の周りで外科用器具1を回転させるための電動アクチュエータとを備えることができる。ロボット手術システム101は、例えば、車輪又は他の接地ユニットを備える支持部106(カート又はタワー)と、支持部106と少なくとも1つのロボットマニピュレータ103との間に延在する、例えば手動で移動可能な、すなわち受動的な関節式位置決めアーム105とを備えることができる。一実施形態によれば、ロボット手術システム101は、マスタ-スレーブアーキテクチャに従って少なくとも1つの外科用器具1、好ましくはそれぞれのロボットマニピュレータ103を制御するための少なくとも1つのマスタコンソール107を備え、好ましくは、ロボット手術システム101は、マスタコンソール107の少なくとも1つのマスタ制御デバイス108に対する外科用器具1の追跡を決定するために、マスタコンソール107及びロボットマニピュレータ103に動作可能に接続された制御ユニットを更に備える。一実施形態によれば、マスタコンソール107は、拘束されていない、すなわち、地面から機械的に切り離されている少なくとも1つのマスタ制御デバイス108と、例えば、光学的及び/又は磁気的な追跡システムとを備える。
(ワイヤ電気浸食製造)
以下、ブレード14の切縁の鋭利化を図るワイヤ電気浸食製造方法について説明する。
一般的な実施形態によれば、ワイヤ電気浸食によって1つ以上のブレードを製造する方法は、カットワイヤ202を有するワイヤ電気浸食機械200を提供するステップと、ワイヤ電気浸食機械に取り付けられた固定具214を提供するステップと、少なくとも1つの被加工部品204を固定具214に取り付けるステップとを含む。
本方法は、少なくとも1つの被加工部品204に対してカットワイヤ202で鋭利化貫通カットを行うことにより、少なくとも1つの被加工部品204の少なくとも1つの鋭利化されるべき縁部234を鋭利化するステップを更に含む。
鋭利化ステップは、関節式エンドエフェクタ9のブレード14の前記切縁34を得るための鋭利化プロセスを実現する。以下の説明では、特に明記しない限り、この方法との関連でも適用可能な鋭利化ステップの態様を詳細に説明する。
ワイヤ電気浸食によって1つ以上のブレードを製造する方法を以下に説明する。
一般的な実施形態によれば、1つ以上のブレードを製造する方法が提供される。そのような1つ以上のブレードは、好ましくは、小型のカット要素を形成するように意図されている。
一実施形態によれば、本方法によって製造された前記1つ以上のブレードのうちのブレードは、前述の実施形態のいずれか1つに係るブレード14を形成する。一実施形態によれば、本方法によって製造された前記1つ以上のブレードのうちのブレードは、前述の実施形態のいずれか1つによるブレードリンク30を形成する。一実施形態によれば、本方法によって製造された前記1つ以上のブレードのうちのブレードは、前述の実施形態のいずれか1つによる対向ブレードリンク40を形成する。
この方法は、例えば図59に示すように、カットワイヤ202を備えるワイヤ電気浸食機械200を用意するステップを含む。カットワイヤ202は、好ましくは、動作状態にあるときにワイヤ電気浸食機械200の2つのヘッド206,207の間を長手方向に延びる。カット(すなわち、電気浸食)を実行するために、カットワイヤ202は、カットワイヤ202の長手方向延伸に実質的に直交する送り方向W(又はカット方向W)にカット経路に沿って前進し、すなわち送り方向は、それ自体既知の方法で、機械200の2つのヘッド206,207の間のカットワイヤ202の部分のスライド方向に実質的に直交する。2つのヘッド206,207のそれぞれは、カットワイヤ202のためのリール(reel)209又は巻き付き/巻き戻しローラ209と関連付けられ得る。動作状態にあるとき、カットワイヤ202は、一方のリールから巻き戻されるにつれて他方のリールに巻き付けされ、ヘッド206,207は、カットワイヤ202を送り方向W(又はカット方向W)に案内して被加工部品にカットを行う。
ワイヤ電気浸食機械200は、好ましくは、作動状態にあるときに少なくとも1つの被加工部品204の電気浸食がその内部で起こる誘電液体で満たされるタンク208を備える。電気浸食機械200は、ポンプ212が取り付けられた油圧ダクト211と、タンク208から誘電流体を引き出して濾過するフィルタと、そして、終わりに誘電流体を被加工部品204上に導くノズル213とを備える油圧回路を更に備えることができる。
少なくとも1つの被加工部品204は、好ましくは、金属などの導電性材料で作られるか、又は導電性材料でコーティングされる。
ワイヤ電気浸食機械200は、少なくとも1つの治具(jig)214又は固定具(fixture)214を更に備える。当該治具214又は固定具214は、カットワイヤ202に対して(すなわち、カットワイヤ202のカット部分に対して)回転軸F-Fを中心に回転可能であり、回転軸F-Fは、カットワイヤ202の長手方向延伸に対して横方向であって、好ましくは直交する。例えば、治具214の回転軸F-Fは実質的に水平に延び、一方、カットワイヤ202のカット部分は実質的に垂直に延びる。
本方法は、例えば、少なくとも1つの被加工部品204が治具214の一部と一体に回転するように、被加工部品204を固定ねじ又は他の締結具によって治具214に固定することによって、少なくとも1つの被加工部品204を治具214に取り付けるステップを含む。これにより、治具214をその回転軸F-Fを中心に回転させることにより、カットワイヤ202に対する被加工部品204の回転が生じる。
治具214は、固定部215とハウジング217とを備えることができ、固定部215は、ワイヤ電気浸食機械200のタンク208の内側のワークトップ216のブラケットに固定され、ハウジング217は、例えば、そのハウジング座部241の少なくとも1つに前記少なくとも1つの被加工部品204を受け入れ、ここで、治具214のハウジング217は、機械200への固定部216に対して前記回転軸F-Fを中心に回転可能である。一実施形態によれば、治具214の機械200への固定部216は、機械200のワークトップ216のブラケットの整流対向面(rectified counter-surfaces)222に当接するように意図された位置決め整流面(positioning rectified surfaces)221を備える。
治具214のハウジング217は、回転軸F-Fに沿って延びる細長い本体を有することができ、固定部215に回動可能に接続することができる。カットワイヤ202の変形性を最小限に抑えるために、カット中にワークピース204を下部ヘッド206の近くに配置することが一般に望ましい。固定部215に対してハウジング217のみを回転させることにより、回転ステップから生じ得る機械の下部ヘッド206に対するワークピース204の並進運動を最小限に抑えることができる。換言すれば、治具の回転により、機械ヘッド間のカットワイヤの長手方向において、カットワイヤに対して被加工部品を移動させることができる。例えば、機械のヘッド間に延在するカットワイヤのセクションの中央ゾーンに位置するヘッドの近くに位置する被加工部品を移動させることができる。これは、機械のヘッドのうちの1つに近いセクションに対して横方向に変形しやすく、その結果、カット機能、例えば、仕上げ及び/又はカット分解能に関して変化するためである。典型的には、実際には、被加工部品が機械のヘッドのうちの少なくとも1つの近くに配置され、カットワイヤが長手方向にスライドする際に横方向に変形しにくい場合、又は、機械のヘッドが互いに接近しており、したがって、機械のヘッド間に延びるカットワイヤ部分の長手方向延伸が短くなり、動作状態、すなわちカット中の横方向の動きが制限される場合、又は、ワイヤのスライド方向が送り方向W又はカット方向Wによって特定される平面に対して完全に直交する場合において、ワイヤ電気浸食機械は、より優れた、より正確なカット加工を実行するように適合されている。電気浸食機械200は、以下の機能を設けることができる。例えば、ヘッド206、207を交差させることを含み、すなわち、被加工部品204に対してカットワイヤ202を傾けるようにヘッドを動かせる。しかし、上記を踏まえると、満足のいくカット精度を得るために、ヘッドを近づけておく必要があるため、ヘッドを交差させる機能により、被加工部品に対してカットワイヤを最大約5°の角度で傾けることができる。そのため、一般的に言えば、ワイヤ電気浸食機械のヘッドを交差させる解決法は、鋭利化処理には不適切である。
治具216のハウジング217のハウジング座部241は、板状本体である被加工部品204を受け入れるために、ハウジング217の本体に沿った長手方向スロット241によって形成することができ、スロット241の中央部分において、例えば、固定及び位置決め要素219によって被加工部品204の板状本体を締め付ける。これにより、被加工部品204の板状本体は、両方ともワイヤ電気浸食加工を受けることができる2つの対向するカンチレバフラップ205を形成する。被加工部品204は、他の方法で締め付けることもできる。被加工部品をジグ214に取り付けるために、穴又はノッチなどの位置決め要素を被加工部品の本体に設けることができる。
好ましくは、治具214のハウジング217からカンチレバ状に突出する被加工部品204の板状本体の各カンチレバフラップ205の片持ち支持された部分の延伸部は、治具214の動作中に発生する可能性のある振動を最小限に抑えるように選択されることが好ましい。当該振動は、被加工部品204及び治具214に対するカットワイヤ202の動作中に発生する可能性があり、カットの不確実性につながる可能性がある。ねじ又は締め付けねじは、ハウジング座部を締め付けるように適合された締め付け位置決め要素219として設けることができ、同時に座部内の被加工部品204の位置決め要素として作用する。想定し得る動作モードに応じて、1つ以上の固定及び位置決め要素219は、治具への固定作用、並びに治具及び切縁に対する位置決め作用を発揮するために、例えば、貫通孔内で被加工部品204の本体を横切るように設計される。
想定し得る動作モードによれば、被加工部品204は、0.05mm~0.5mmの範囲の厚さ210を有する板状本体を含む。板状本体は、材料のストリップテープ又はスライスされた材料の完全部品から得ることができる。前記板状本体は、曲げ変形可能な弾性体とすることができる。
この方法は、少なくとも1つの被加工部品204上でカットワイヤ202を用いて少なくとも1つの鋭利化貫通カットを行うことによって、少なくとも1つの被加工部品204の少なくとも1つの鋭利にされるべき縁部234を鋭利化するステップを含む。カットワイヤ202を鋭利化カット経路に沿って前進させることにより、少なくとも1つの被加工部品に貫通カットが行われ、これにより、被加工部品204の鋭利にされるべき少なくとも1つの縁部234の鋭利化が決定され、鋭利にされるべき縁部234が切縁34になる。
本方法によって鋭利化された少なくとも1つの縁部は、ブレード14の切縁34及び/又は1つ以上のブレードリンク30の本体の切縁34を形成する。
本方法は、カットワイヤ202を用いて少なくとも1つの被加工部品204に少なくとも1つの成形貫通カットを行うことにより、少なくとも1つの被加工部品204を成形するステップを更に含む。成形カット経路230に沿ってカットワイヤ202を前進させることにより、製造方法によって製造された1つ以上のブレードの成形を決定する少なくとも1つの被加工部品204に貫通カットが行われる。必須ではないが、成形ステップにより単一のブレードが分離され、例えば、材料のブリッジ231は、成形ステップの終了時にブレードを互いに接続することができる。成形ステップは、例えばブレードリンク30のブレード14の遠位端を形成することができる端部32を被加工部品に設けることができる。
もちろん、鋭利化ステップ及び成形ステップは任意の順序で実行することができる。
鋭利化ステップと成形ステップとの間に、治具214をその回転軸F-Fを中心に鋭利化回転角αだけ回転させる更なるステップが行われる。
一実施形態によれば、モータ218、例えば電気モータがジグ214に関連付けられて、固定部215に対して治具214のハウジング217を回転させる。この場合、治具214を回転させるステップは、モータ218を動作させることにより行われる。電気浸食機械200はまた、好ましくは少なくとも1つの電子制御システム242を備え、モータ218は機械200の前記電子制御システム242に動作可能に接続されている。したがって、治具214を回転させるステップを自動化することができる。
鋭利化回転角αは、90°とは異なる角度である。
「90°と異なる」は、90°からの偏差が少なくとも10°である、すなわち、鋭利化回転角αが90°±10°とは異なる、90°とは著しく異なる角度を示すことを意味する。好ましくは、これは、絶対値が90°とは異なる、すなわち、回転軸F-Fを中心とした任意の回転方向(時計回り又は反時計回り)の鋭利化回転角αを示すことを意味する。
90°以外の鋭利化角αを設けることにより、被加工部品本体の断面に鋭角βを作ることができ、切縁34を形成する。
好ましい実施形態によれば、鋭利化角αは鋭角であり、±10°の公差の正味は、絶対値で80°未満、好ましくは10°を超える角度として理解することができる。
鋭利化角αの選択は、切縁34の断面における鋭角βを決定するので、カットワイヤ202に対する被加工部品の回転を測定する鋭利化角αは、切縁34の所望のカット性能を達成するように選択することができる。
このような方法により、互いに直交しない2つのカット面上の被加工部品上に少なくとも2つの貫通カットを得ることができ、少なくとも一方の貫通カットは鋭利であり、すなわち、それは切縁34を形成し、他方の貫通カットは成形のものである。
被加工部品が板状本体を有する場合、好ましくは、カットワイヤ202を板状本体の平面に対して実質的に直交するように方向させることによって成形貫通カットが実行されて、短くて丈夫な被加工部品の厚さでカット壁を形成し、一方、成形貫通カットは、板状本体の平面に対して斜めに切縁を方向させることによって実行され、被加工部品の縁部の厚さ、すなわち断面において鋭いプロファイルを形成する。
治具214は、機械的ストローク端220、例えば、治具214のハウジング217及び固定部215に配置された対向する両端ストローク当接面に面する2つの対向するストローク端隆起220を含むことができる。そのような場合、回転ステップは、治具214のハウジング217を治具214の固定部215のストローク端隆起220に当接させることを含むことができる。ストローク端220は、鋭利化回転角αが調整されることを可能にするように、治具214と解放可能に関連付けられてもよく、例えば、1つ以上のストローク端を引き出す及び引っ込めることができる。
回転ステップは、治具214からの被加工部品204の取り外しを回避するとともに、ワイヤ電気浸食機械200からの治具214の取り外しを回避して行われる。したがって、交換は回避される。治具214の回転軸F-Fは、被加工部品204の本体を通って延びることができ、例えば、被加工部品が板状本体(例えば、それはストリップ、リボン、プレート、シートである)を有する被加工部品204の厚さ210に沿って延びることができ、そのような場合、治具214の回転はまた、被加工部品204の板状本体をその軸の一方(例えば、正中軸、対称軸)を中心として回転させることにもなり得る。
このような方法により、互いに非直交であり、前記鋭利化角αだけ回転する2つのカット面でワイヤ電気浸食によって被加工部品204に2つの貫通カットを作ることによって、1つ以上のブレードを製造することが可能である。貫通カットは、被加工部品204を治具214から取り外すこと、並びに治具214をワイヤ電気浸食機械200から取り外すことを回避しながら鋭利化することができる。これにより、少なくとも1つの被加工部品が機械に対して再位置決めされることが回避されるため、鋭利化カット及び成形カットの高いカット精度が達成される。また、例えば、電気浸食機械200の電子制御システムの較正はより信頼性が高く、例えば組み立てステップの後及び鋭利化ステップ及び成形ステップの両方の前に一度だけ実行することができる。
電気浸食機械200のゼロ調整及び較正を実行するために、本方法は、鋭利化ステップの前に、基準点229を識別し、カットワイヤ202で前記基準点229に接近ステップを含むことができる。基準点229は、被加工部品204の一点又は複数の点をカットワイヤ202と一回又は複数回接触させることによって識別することができる。例えば、被加工部品の板状本体の直交する二辺を接触させて、被加工部品204の板状本体の頂点と一致する基準点229を識別することができる。動作モードによれば、前記基準点229は、被加工部品204の鋭利化されるべき縁部234に含まれる。必須ではないが、接近ステップは、カットワイヤ202を基準点229に到達させる。鋭利化240及び/又は成形230のカット経路のカット開始点232,235は、基準点229に近いか、又は基準点229と一致することができる。想定し得る動作モードに応じて、鋭利化240及び/又は成形230のカット経路のカット開始点232,235は、基準点229と所定の幾何学的関係を有する位置に配置される。
想定し得る動作モードに従って、識別及び接近ステップは、前記鋭利化ステップ及び/又は成形ステップのそれぞれの前に実行される。
想定し得る動作モードによれば、識別ステップ及び接近ステップは、鋭利化ステップ及び成形ステップの両方の前に1回だけ行われる。
想定し得る動作モードによれば、識別ステップは、鋭利化カット経路及び成形カット経路の両方の原点として機能するカット経路の単一の原点を識別することを含み、接近ステップは、鋭利化ステップの準備及び成形ステップの準備の両方において、カットワイヤを用いて前記単一の原点に接近することを含む。動作モードによれば、鋭利化ステップ及び成形ステップの両方の前に、方法は、鋭利化カット経路及び成形カット経路の両方の原点として機能するカット経路の単一の原点を識別するステップと、鋭利化ステップの準備及び成形ステップの準備の両方において、好ましくは、前記単一の原点に達するまで、カットワイヤ202で前記単一の原点に近づくステップとを含む。これにより、機械をリセットすること、すなわち、方法の開始時に一度だけ機械を較正することが可能であり、再較正を回避する。前記原点の識別は、前記固定具214上の既知の基準をカットワイヤ202と接触させることによって実行することができる。前記原点の識別は、前記被加工部品204上の既知の基準をカットワイヤ202と接触させることによって実行することができる。
想定し得る動作モードによれば、本方法は、単一の被加工部品204上に複数のブレードを作成し、前記鋭利化ステップ及び前記成形ステップは、前記複数のブレードの全てについて同じである。例えば、複数のブレードが同じであるか異なるかにかかわらず、複数のブレードの開始点235及び終点236を有する単一の鋭利化軌道240が提供される。
想定し得る動作モードによれば、鋭利化ステップは、カットワイヤ202の単一のカット鋭利化軌道240によって実行され、前記成形ステップは、カットワイヤ202の単一のカット成形軌道230によって実行される。各カット軌道230,240は、カットワイヤの複数の反復パスを受け入れることができる。
鋭利化貫通カットは、被加工部品の鋭利化される縁部234から材料を除去し、被加工部品204とカットワイヤ202とがそれらの間に所定の角度(鋭利化角αの選択に依存する)を形成する状態で、鋭利化カット壁223を露出させ、露出した鋭利化カット壁223とそれに隣接する被加工部品の別の壁とが共同で切縁34を形成する、すなわち、鋭利化カット壁223とそれに隣接する前記他の壁との結合によって規定される鋭角の縁部を形成するように選択される。断面において、例えば、図61-Cに示すように、鋭利化貫通カットに続いて、鋭利化カット壁223は、好ましくは被加工部品204の裏側の面224と鋭角βを形成する。鋭利化カット壁223は、反対面225、すなわち被加工部品204の前側と鋭角を形成することができる。
動作モードによれば、前記鋭利化回転角αは前記鋭角βに等しいが、鋭利化カット壁223と被加工部品204の別の壁との間に形成されるそのような鋭角βは、必ずしも前記鋭利化回転角αに対応するとは限らない。一実施形態によれば、鋭角βは90°-αに等しい。
被加工部品が、間に厚さ210を規定する平行な対向面224,225を有する板状本体を有する想定し得る動作モードによれば、成形貫通カットは、厚さを通って対向する平行面224,225に対して垂直に実行され、鋭利化貫通カットは、対向する平行面224,225に対して傾斜した方向に、被加工部品の厚さにわたって実行される。これにより、切縁34は、成形カット面を横切(この場合は直交して)、鋭利化カット面に入射する被加工部品204の対向する平行面224,225の一方の面に形成される。
被加工部品204が、例えば、これに限定されないが、その板状本体によって与えられる平面ストリップ又はリボン又はシート形状などの所定の形状を有し、前記鋭利化回転角度αが、回転ステップ中の板状本体の回転角度として理解される場合、鋭角βは、鋭利化回転角度αと等しいか又はそれと相補的な好ましい実施形態に従う。
被加工部品204は、スクワット(squat)本体又は他の非板状本体を有することができ、鋭利化貫通カットは、被加工部品204の本体を通して行われ、前記切縁34を形成する。
切縁34の鋭角は、カット性能を最適化し、貫通力と強度との間の妥協点を見つけるように選択されなければならない。典型的には、45°未満、例えば10°~40°の切縁34の鋭角βは、高いカット力を可能にするが、早期に摩耗する傾向があり(鋭角β振幅の減少と共に増加する傾向)、一方、45°を超える、例えば50°~80°の切縁34の鋭角βは、長い耐用年数が可能となるが、切縁34は、使用条件下で切削貫通に対する抵抗(鋭角β振幅の減少と共に増加する傾向)を示す可能性がある。30°~60°の範囲の鋭角β(ここでは±10%の公差で理解される値である)は、ロボット手術の分野における1つ以上のブレード30の用途にとって満足のいく妥協点を提供する。
好ましい実施形態によれば、鋭角βは、45°に実質的に等しい。この値はまた、ここでは±10%の公差で理解することができるが、ここでは90°の半分に実質的に等しい鋭角βを示すことが好ましく、すなわち、それは被加工部品本体内で45°を向けてカット壁を露出させる貫通カットを形成する。したがって、鋭角βが鋭利化回転角αに依存する場合、前記鋭利化回転角αは20°-70°の範囲内とすることができ、好ましくは、鋭利化回転角αは実質的に30°±10°又は45°±10°又は60°±10°である。これらの値は、絶対値で理解されるべきであり、すなわち、回転ステップ中に形成されたカットワイヤ202に対する被加工部品204の本体の任意の回転方向で有効であり得る。したがって、ここでの45°とは、一方向への45°の回転を意味し、反対の回転方向への45°の等回転を意味する。回転方向は、被加工部品204の本体に露出したカット壁223の方向に影響を及ぼし、切縁34が被加工部品204の裏側224の面に含まれるか前側225の面に含まれるかを決定することができる。
鋭利化角αは、被加工部品と機械200の基準、例えばヘッド208との間の距離を最小にするように選択することができる。
想定し得る動作モードによれば、鋭利化ステップの鋭利化貫通カットは、被加工部品204の鋭利化されるべき厚さ234に沿って延在するカット経路240をたどる。それにより、鋭利化されるべき縁部234が鋭利化カット面内に凹状及び/又は凸状の幾何学的形状を有する場合でも、その延伸部に沿って実質的に均一な切縁34を形成することが可能になる。
想定し得る動作モードによれば、被加工部品204の鋭利にされるべき縁部234は、被加工部品本体の縁部、例えばストリップ又はプレート又はリボンなどの板状本体の縁部と一致する。鋭利化貫通カットのカット経路240は、そのようなマージンの縁部に沿って実質的に真っ直ぐに延在し、縁部を実質的に削り、すなわち、被加工部品の板状本体の厚さ210から材料を電気浸食し、板状本体の対向する面224,225に対して傾斜し、切縁34を形成するカット面223を露出させるギャップを形成する。
鋭利化回転角αを選択することにより、被加工部品上の鋭利化貫通カット及び成形貫通カットの方向を定義することができる。
好ましい動作モードによれば、成形貫通カットは、被加工部品204の本体をその厚さ方向に横切る。好ましい動作モードによれば、成形貫通カットは、鋭利ではなく、例えば、被加工部品の対向面224,225と実質的に90°の2つの対向角度を形成する縁部を生成し、被加工部品は所定の規則的な形状を有し、例えば板状本体である。成形貫通カットによって記述されたカット経路230は、孔縁部36などの湾曲部を含む経路を形成することができ、想定し得る動作モードに従って、孔縁部36を形成することは、カットワイヤをパスさせるための径方向通路チャネル39を形成することを含む。なお、孔縁部36は、必ずしも湾曲部で構成されているとは限らない、孔縁部36の破線部分で構成することもできる。孔縁部36は、動作状態にあるときに関節ピンを受け入れるための1つ以上のセンタリング孔を画定することができる。成形貫通カットによって記述されたカット経路230によって記述された湾曲部は、鋭利にされるべき湾曲した、凹状の、及び/又は凸状の縁部を作るように、鋭利にされるべき縁部34を作ることができる。カットワイヤ202の送り速度パラメータは、仕上げ時間と生産時間との間の良好な妥協点を提供するように調整することができる。一実施形態によれば、成形ステップは、幅が100分の数ミリメートルのレッグなど、前記貫通カットによって極端な分解能を有する部品を作製する。
想定し得る動作モードによれば、成形貫通カットは、被加工部品204の対向面224,225に対して直交しない縁部を形成し、すなわち、成形カットは、被加工部品の規定可能な横たわる平面に対して傾斜した縁部を形成することができる。
想定し得る動作モードによれば、最初に鋭利化ステップが実行され、次に回転ステップが実行され、次に成形ステップが実行される。これにより、鋭利化が行われ、その後に成形が行われる。この場合、成形貫通カットは、鋭利化貫通カットの少なくとも一部分を横切ることができ、すなわち、成形カット経路230は、鋭利化カット経路に入り込む。この動作モードによれば、本方法は、最初に、形成されるべきブレードの少なくとも1つのグループに共通である、すなわち共有される被加工部品204の少なくとも1つの縁部の少なくとも一部を鋭利化することによって、同じ被加工部品から複数のブレード、例えば複数のブレードリンク30を形成することを可能にすることができ、次いで、切縁34を横切る成形貫通カットを実行し、したがってカット壁223をカットして、同じ被加工部品204から得ることができる個々のブレードを分離又は分離可能にすることを含む個々のブレードを成形することを可能にする。例えば、被加工部品が、2つの対向するカンチレバ縁部を形成する治具214に取り付けられた板状本体である場合、本方法は、最初に前記縁部の両方を鋭利化、次に前記複数の個々のブレードを両方の対向するカンチレバフラップ上に成形することを含むことができる。
想定し得る動作モードによれば、鋭利化ステップは、成形ステップの前に実行され、成形ステップの成形カット経路230は、鋭利化ステップによって形成された切縁34に沿って延在しない、すなわち、先に機械加工された切縁34のプロファイルに従って被加工部品に成形貫通カットが行われない。成形貫通カットのカット経路230は、切縁の長手方向延伸に対して横断方向に切縁34を横切ってブレード30を成形し、被加工部品204の切縁を中断させることができる。
想定し得る動作モードによれば、成形貫通カットのカット経路230は、切縁34に対して外部位置にあり、そこから一定の距離にある被加工部品204のカット経路230の外部セクション238を含み、較正検証ステップは、カット経路230の外部部分238に沿って実行され、カット経路230上の切り欠き239を実質的にトレースする、カットワイヤの切縁34への突然の接近を含む。これにより、被加工部品204の正確な位置決めを検証することが可能になり、実際には、カットワイヤ202の切縁34への突然の接近が、カットワイヤ202からの材料の電気浸食をもたらす場合、これは異常、例えば被加工部品の可能な位置決め誤差を示す。
図66-Bは、アンダーカット、孔縁部36、通路チャネル39を形成する、同じ被加工部品上の複数のブレード30の形状を記述する成形貫通カットの成形カット経路230の一例を示し、前記外部セクション238は、切縁34に対してである。ここに示す成形カット経路230は、複数回、すなわち、複数回の繰り返しパス、例えば反復パスで実行することができる。
図66-Bは、交差する異なる往復経路を含み、複数のブレード30の成形及び分離をもたらす成形貫通カットの成形カット経路230の一例を示す。想定し得る動作モードによれば、図66-Bに示すカットプロファイル230は、図66-Aに示す少なくとも1つの往路への単一の復路として理解することができ、そのような場合、単一の復路は、ブレード本体の実質的に直線状の縁部を機械加工し、成形カット経路230の前記単一の復路に沿って行われる成形貫通カットは、ブレードを分離する機能を実行する。想定し得る動作モードによれば、図66-Bに示すカットプロファイル230は、図66-Aに示すものとは独立した成形カットプロファイルとして理解することができ、往復経路は必要に応じて選択することができる。
図67-A及び図67-Bは、前述の図66-A及び図66-Bに示す例と同様の例を示す。
鋭利化カット経路は、複数回、すなわち、複数回の繰り返しパス、例えば反復パスで、例えば3~11パス、好ましくは3~7パスの数で実行することができる。動作モードによれば、鋭利化ステップの前記鋭利化カット経路は、成形の成形カット経路よりも頻繁に実行される。これは、切縁34のより良好な仕上げにつながる。好ましい動作モードによれば、ブレードを作るプロセス中に、第1の仕上げパス又は複数の仕上げパスの間に部品が振動を受けないように、成形カットの前に鋭利化カットが行われる。
成形カットはまた、好ましくは、分離させ、すなわち、ブレード30の分離をもたらし、好ましくは、これはブレードの作製後に行われ、好ましくは単一パスで行われる。
想定し得る動作モードによれば、鋭利化ステップは、カットワイヤ202の単一のカット鋭利化軌道240によって実行され、前記成形ステップは、カットワイヤ202の単一のカット成形軌道230によって実行される。好ましくは、鋭利化カット経路又は軌道240は、偶数回の反復パスが実行される場合に一致することができる開始点235及び終点236を有する。好ましくは、成形カット経路又は軌道230は、偶数回の反復パスが実行される場合に一致することができる開始点232及び終点233を有する。
例えば、図68に示すように、分離されたブレード30を収集するためのバスケット243を設けることができる。例えば、バスケット243は、2つの分離可能な半体244、245で構成され、これらは、電気浸食機械200の下部ヘッド206の周りに、例えば、連結して組み立てることができる。組み立てられたときに、重力の影響により誘電液体タンク208内に落下する別個のブレード30を集めるための、実質的に環状の形状を有する少なくとも1つの収集チャンバを形成する。このような場合、本方法は、ブレード30を分離するステップの後に、ワイヤ電気浸食によって鋭利になり、成形され、分離されたブレード30を、重力によって収集するステップを含むことができる。
図66~図66C及び図67~図67Cはそれぞれ、同じ被加工部品上の複数のブレード30の形状を表す成形貫通カットの成形カット経路230の一例を示し、それぞれに接続ブリッジ231、アンダーカット、孔縁部36、通路チャネル39が設けられ、前記外部セクション238は切縁34に対するものである。ここに示す成形カット経路230は、複数回、すなわち、複数回の繰り返しパス、例えば反復パスで実行することができる。そのような場合、方法は、他の場所で実行されるように破壊可能な接続ブリッジ231を破壊することを含むブレード30を分離するステップを含むことができ、例えば、接続ブリッジ231を破壊することによってブレードを分離するステップは、外科用切断器具などの完成品の組み立て中に実行することができる。
図66D及び図67Dは、例えば、破断可能な材料で作られた接続ブリッジ231がそれぞれ設けられた複数のブレードを含む、本明細書に記載の動作モードのいずれか1つによる方法で製造された半製品250の幾つかの例を示す。動作モードによれば、本方法は、前記半製品250を作製するステップと、それぞれの接続ブリッジ231を破壊することによってブレードを分離するステップとを更に含む。
接続ブリッジ231を破壊するステップは、ワイヤ電気浸食によって、成形カットによって行うことができる。
想定し得る動作モードによれば、最初に成形ステップが実行され、次に回転ステップが実行され、次に鋭利化ステップが実行される。これにより、先に成形が行われ、その後に鋭利化が行われる。
この想定し得る動作モードは、接続ブリッジ、部品の形状、又は部品自体の厚さが、既に成形された部品上の1つ以上の鋭利化パス中に振動を誘発しないのに十分である場合に実行されることが好ましい。
想定し得る動作モードによれば、成形ステップが最初に実行され、次いで回転ステップ、次いで鋭利化ステップ、次いで更なる回転ステップ、次いで更なる成形ステップが実行され、すなわち、成形ステップは、鋭利化ステップの前に部分的に実行され、鋭利化ステップの後に完了することができる。この動作モードによれば、成形ステップは、被加工部品上のカットによってトレースされるが、材料のブリッジ231、例えば、局所的に厚さの減少した材料の破壊可能なブリッジによって相互接続されている1つ又は複数のブレードの形状を残すことができる。
一実施形態によれば、本方法は、複数のブレードが成形された板状本体、例えば、複数のブレードリンク30を含む半完成製品250の製造を決定し、各ブレードリンクは、意図的に除去されていない被加工部品本体の1つ以上の材料ブリッジ231、例えば破断可能な材料ブリッジによってブレード本体が相互接続されている切縁34を有する。
成形ステップが最初に実行され、次いで回転ステップが実行され、次いで鋭利化ステップが実行され、成形は、被加工部品204上に、材料ブリッジ231によって相互接続されている1つ又は複数のカットで成形されたブレード(ただし、切縁34を有さない)の形状を作成し、鋭利化ステップは、個々のブレード形状の鋭利化される縁部234に対して実行することができる。ただし、カット経路は、一部のセクションでは、例えば、成形貫通カットから既に除去された被加工部品の材料を横切らない連続経路をたどることができる。
想定し得る動作モードに応じて、鋭利化ステップ及び成形ステップは交互に実行することができ、それらの間に回転ステップが常に含まれる。
異なるカット面上の複数の鋭利化カット及び/又は異なるカット面上の複数の成形カットを含むことができる。例えば、隣接する2つの鋭利化ステップの間に治具を回転させるステップを含むことができ、及び/又は、隣接する2つの成形ステップの間に治具を回転させるステップを含むことができる。例えば、同じ被加工部品の2つの成形切り込みの間に、実質的に90°の治具214の回転角度を含めることができ、前記2つの成形切り込みの間に別の鋭利化切り込みが含まれていても、更なる方向決めが含まれる。
例えば、被加工部品204の本体に鋭角βを作るためではあるが、同じ被加工部品の鋭角化される同じ縁部の2つの鋭利化切り込みの間に、90°以上の治具214の回転角度を含めることができる。想定し得る動作モードによれば、90°-150°、好ましくは、120°-150°回転した2つのカット面に、2つの鋭利化貫通カットが作られる。
想定し得る動作モードによれば、本方法は、前記1つ以上のブレードを分離するステップを含む。分離ステップは、成形ステップに含めることができ、成形貫通カットのカット経路は、1つ以上の別個のブレードを形成する。ブレード本体が1つ以上の材料ブリッジ231によって相互接続されている切縁34をそれぞれ有する複数のブレードがカット成形されている半製品250が製造される場合、分離するステップは、前記材料ブリッジ231を破壊することを含むことができ、組み立て現場で実行することもできる。
想定し得る動作モードに応じて、被加工部品204は、弾性反力を及ぼすための弾性変形体を有する弾性体である。一実施形態によれば、被加工部品204は弾性板状本体であり、例えば弾性的に曲がるように適合された弾性ストリップである。弾性的に湾曲可能な被加工部品を提供することにより、弾性的に湾曲可能な本体を有する小型の弾性ブレードを作製することが可能になる。
好ましくは、被加工部品204は、金属材料で作られる。被加工部品204は、ブレード用鋼で作ることができる。例えば、動作状態にあるときに切縁34をより硬く耐摩耗性にするために、コーティング及び/又は熱処理などの被加工部品上の1つ以上の表面処理228を含めることができる。一実施形態によれば、切縁34は、少なくとも表面35上に、動作状態にあるときに対向ブレードとの機械的干渉接触によって機能するように意図された表面処理228を含む。
被加工部品204は、例えば図64に示すように、プレス曲げ(press-bending)などの曲げを受け入れることができる。そのような場合、本方法は、ブレード、例えばブレード14及び/又はブレードリンク30を曲げるステップを含む。このステップは、例えば、ハンマ(hammer)261及びアンビル(anvil)262を有するプレス(press)260を含むステップを含むことができる。プレス曲げによる湾曲は、ブレード30に弾性特性を与えることができる。
想定し得る動作モードによれば、本方法は、被加工部品の表面を処理し、被加工部品の表面処理228を得るステップを含む。表面を処理するステップは、複数回実施することもできる。
想定し得る動作モードによれば、表面を処理するステップは、鋭利化ステップの前に実行される。表面処理228が前記鋭利化ステップの前に実行される場合、切縁34のフラッシュカットによって露出された壁223は、表面処理228をされない。この場合、例えば、「no-back-bevel」又は「chisel edge」タイプの鋭利化を得ることができる。これらのタイプの鋭利化において、作動状態にあるとき、対向ブレードに対する機械的干渉接触によって機能するように意図された切縁34の表面35は表面処理228を含むが、反対側のカット壁223は、いかなる表面処理228も含まない。
想定し得る動作モードによれば、表面を処理するステップは、鋭利化ステップの後に実行される。表面処理228が前記鋭利化ステップの後に実行される場合、切縁34のフラッシュカットによって露出された壁223は、表面処理228を含むことができる。
想定し得る動作モードによれば、表面を処理するステップは、ダイヤモンドライクカーボン(DLC:diamond-like-carbon)型コーティングを作製するステップを含む。
想定し得る動作モードによれば、表面を処理するステップは、例えば「コルステライズ(kolsterizing)(登録商標)」タイプの熱処理を実行するステップを含む。
動作モードによれば、表面をコーティングするステップは、被加工部品が、接続ブリッジ231によって相互接続されている複数の成形ブレードを一体に備える本体を有する半完成製品250の形態である場合に実行される。これにより、例えば、リボン又はストリップなどの半完成製品250の本体を位置決めすることによって、表面処理のために複数のブレードを一緒に位置決めすることができるため、ブレードの小型化が容易になる。
想定し得る動作モードによれば、本方法は、成形ステップの後に、第2のカット面上で第2の成形を行うための更なる再成形ステップであって、前記被加工部品204を第2のカット面上で、カットワイヤ202を用いて少なくとも1つの被加工部品204に対する第2の成形貫通カットを行うステップを更に含み、成形ステップと再成形ステップとの間に、好ましくは、実質的に90°に等しい成形角度だけ前記固定具214を回転させるステップが含まれる。この動作モードによれば、鋭利化ステップの前に成形ステップを行うことが好ましい。図示するように、例えば、図74A~図Cのシーケンスでは、最初に成形ステップ、次に鋭利化ステップ、次に再成形ステップを実行することが可能であり、成形ステップと再成形ステップとの間で、被加工部品204は、固定具又はその一部の回転によって実質的に90°に等しい角度で回転される。
成形ステップと鋭利化ステップとの間で、被加工部品204は、鋭利化角αだけ回転することができる。
これにより、同一の被加工部品204に対して2つの成形カットと1つの鋭利化カットを行うことができる。
想定し得る動作モードによれば、装着ステップは、複数の被加工部品204,304を前記固定具214に装着することを含み、鋭利化ステップ及び成形ステップは、各被加工部品を個別に鋭利化及び成形をすることを含む。言い換えれば、この動作モードによれば、各被加工部品204,304は個別に加工され、多数の被加工部品に対して同時にカットを行うことを回避する。異なる部品に異なるカットが行われる場合、前記カットは異なる部品に対し連続して行うことができる。
想定し得る動作モードによれば、取り付けステップは、同じ固定具214に取り付けられた少なくとも2つの被加工部品304を得るために、少なくとも第2の被加工部品204,304も前記固定具214に取り付けるステップを含み、本方法は、前記第2の被加工部品304の鋭利化される少なくとも1つの縁部を鋭利化するステップを更に含み、少なくとも1つの被加工部品204の少なくとも1つの縁部を鋭利化するステップと、前記第2のワークピース304の少なくとも1つの縁部を鋭利化するステップとの間に、前記固定具214の少なくとも一部分を回転させる更なるステップが含まれる。これにより、異なる被加工部品204,304上で異なる鋭さを得ることができる。
図71に示すように、例えば、各被加工部品204,304を装着するハウジング217を異なる鋭利化角、すなわち、第1の被加工部品204を第1の鋭利化角αだけ回転させ、第2の被加工部品304を第2の鋭利化角α2だけ回転させることによって、異なる被加工部品に対して2つの鋭利化カットを行うことができる。これにより、鋭角βが異なる鋭い縁部を、異なる被加工部品204,304に形成することができる。
図72に示すように、例えば、2つの鋭利化ステップの間、すなわち、少なくとも1つの被加工部品204,304の鋭利化される少なくとも1つの縁部を鋭利化するステップと、前記第2の被加工部品304の鋭利化される少なくとも1つの縁部を鋭利化するステップとの間に、前記固定具214の少なくとも一部を所定の角度、例えばα2-αに等しい角度だけ回転させる更なるステップを含むことによって、互いに一体回転する異なるワークピース204、304に2つの鋭利化カットを行うことが可能である。ここで、角度αとα2とは、任意の量だけ互いに異なっていてもよい。角度α2は、角度αに関して述べたのと同じことに従って選択することができ、したがって、成形カットを実行するための切断ワイヤ202の方向を参照して選択することができる。
想定し得る動作モードに応じて、固定具214は、固定具214の1つ以上の回転構成において、カットワイヤ202によって個別にかつ単独で機械加工可能であるように配置された板状本体を有する複数の被加工部品204を受け入れる。
図73に示すように、例えば、板状本体を有する3つ(又はそれ以上)の被加工部品204は、固定具214上で星形にすることができ、すなわち、固定具214のハウジング217からハウジング217に対して径方向にそれぞれのカンチレバフラップで延びるように配置することができる。例えば、星形の構成の被加工部品を個別に鋭利化することができ、一方の被加工部品を鋭利化するステップと他方の被加工部品を鋭利化するステップとの間に、固定具214のハウジング217を回転させるステップを含むことができる。
一実施形態によれば、固定具214又は治具214は、1つ以上の回転構成で電気浸食によって個別に機械加工することができる複数の平面要素(ストリップ)を固定することを含む。
想定し得る動作モードによれば、方法は、少なくとも2つの成形ステップ、すなわち、成形ステップ及び再成形ステップを含み、前記2つの成形ステップの間に、好ましくは実質的に90°に等しい成形角度だけ治具214を回転させる更なるステップが含まれる。すなわち、2つの成形ステップは、互いに直交する2つのカット面に対して行われることが好ましい。方法は、最初に第1の成形ステップを含み、次いで、治具214を前記鋭利化回転角α(例えば、α=40°である)だけ回転させ、鋭利化ステップを実行し、次いで、治具214を再び90°-α(この例では50°)に等しい角度だけ回転させ、第2の成形ステップを実行することも可能であり、第1の成形ステップから第2の成形ステップまで、治具214は90°回転している。
この動作モードは、電気浸食機械200内の被加工部品の単一の配置で、外科用切断器具(例えば、外科用ハサミ又は針ドライバ/ハサミ)の関節式エンドエフェクタの相互に組み立てられるリンクのアセンブリを製造するのに有利であり、リンクアセンブリのリンクの少なくとも一方は、切縁34を有し、当該切縁34は、例えば、ブレードリンク30であり、及び/又はブレード14を含む先端リンク10である。
上記に鑑みて、ワイヤ電気浸食によって外科用切断器具1用の関節式エンドエフェクタ9の複数のリンクを製造する方法を以下に説明する。
前記関節式エンドエフェクタ9は、好ましくは、作動テンドンによって作動可能である。前記関節式エンドエフェクタ9は、前述の実施形態のいずれか1つによる関節式エンドエフェクタとすることができる。
一般的な実施形態によれば、ワイヤ電気浸食によって関節式エンドエフェクタ9の複数のリンクを製造する方法は、以下のステップを含む。
この方法は、カットワイヤ202と、カットワイヤの長手方向延伸を横断する回転軸F-Fを中心としてカットワイヤに対して回転可能な治具214とを備えるワイヤ電気浸食機械200を提供するステップを含む。
この方法は、カットワイヤ202が一度に多くとも前記被加工部品204,302,320,350,390のうちの1つと交差するように、複数のワークピース204、302、320、350、390を全て治具214と一体に回転するように取り付けるステップを含む。言い換えると、被加工部品は、カットワイヤ202によって単独で、すなわち個別に加工することができ、複数の被加工部品を同時にカットすることを回避するような配置(例えば、隣接する2つの部品間で一定の距離をおいて互いに整列しているか、又は曲線上に配置されている)で治具に取り付けられる。前記複数の被加工部品は、2つのカット面上に成形されるが、鋭利化されないように意図された成形対象部品302,320,350,390と、鋭利化され且つ成形されるように意図された被加工部品204,304とを含むことができる。成形部品302,320,350,390は、例えば、回転軸F-Fに平行な方向にカンチレバ状に突出するように治具214に取り付けられたシリンダとすることができる。
この方法は、外科用器具1の関節式エンドエフェクタ9の全てのリンク(例えば、関節カフ(cuff))を作ることができる。成形される部品302,320,350,390は、前述の関節式エンドエフェクタ9のリンク2、20、50、90、特に前記接続リンク90、前記支持構造体を備える前記支持リンク2、前記第2先端リンク20、第1先端10の前記ブレードホルダリンク50を形成するように意図された実施形態によるものである。
この方法は、関節式エンドエフェクタ9のリンクのサブグループを作ることができる。成形されるべき部品320,350は、一実施形態によるものであって、関節式エンドエフェクタ9のリンク20及び50、特に第1先端10の前記第2先端リンク20及び前記ブレードホルダリンク50を形成するように適合される。
この方法は、カットワイヤ202を用いて少なくとも1つの被加工部品204に対して鋭利化貫通カットを行うことによって、前記複数の被加工部品204のうちの少なくとも1つの被加工部品の少なくとも1つの縁部234を鋭利化するステップと、カットワイヤ202を用いて成形貫通カットを行なうことによって、前記複数の被加工部品の被加工部品の少なくとも一部、好ましくは全ての被加工部品を一度に1つずつ、連続して成形するステップとを更に含む。
最初のカット面での鋭利化ステップと成形ステップとの間に、治具214をその回転軸F-Fを中心に絶対値で90°とは異なる鋭利化回転角αだけ回転させる更なるステップが行われる。鋭利化角αに関しては、前述した考慮事項のうちの1つ以上が適用することができる。
この方法は、前記複数の被加工部品の前記少なくとも幾つかの被加工部品に対してカットワイヤ202で成形貫通カットを一度に1つずつ、連続して行うことによって、前記複数の被加工部品の被加工部品の少なくとも一部又は全てに対して、第2のカット面上で再成形する更なるステップを更に含む。
第1のカット面での成形ステップと第2のカット面での成形ステップとの間には、治具214をその回転軸F-Fを中心に略90°の回転角度で回転させるステップが含まれる。上記で説明したように、鋭利化ステップ、第1のカット面上での成形ステップ、及び第2のカット面上の成形ステップのうち、任意に選択することができる順序に応じて、90°に実質的に等しい回転角度だけこの回転ステップを2つのモーメントで操作的に実行することができる。2つの実行モーメントのうちの一方は、治具214を回転軸F-Fの周りで鋭利化回転角度αだけ回転させるステップに対応する。
治具上の前記複数の加工対象物の被加工部品の配置は、好ましくは、カットワイヤ202が各ステップ(鋭利化、第1の成形、第2の成形)において一度に多くとも1つの被加工部品と交差するという条件を満たさなければならない。例えば、被加工部品のうちの1つのみが鋭利化ステップを受ける場合、そのような被加工部品204は、複数の被加工部品の被加工部品が配置される列の縁部に配置することができる。
治具214のハウジング217、すなわち固定部215に対して回転可能な治具の部分は、この実施形態では、好ましくは、互いに一体に回転する複数のハウジング座部241を含む。好ましくは、複数のハウジング座部241は、互いに整列している。
想定し得る動作モードによれば、成形された部品及び鋭利化された部品が一緒に組み立てられる。したがって、本方法は、得られた部品を一緒に組み立てるステップを含むことができる。
想定し得る動作モードによれば、成形ステップ及び/又は再成形ステップは、2つの被加工部品を異なるように成形することを含む。想定し得る動作モードによれば、成形ステップは、成形部品の1つの部分が別の成形部品の1つの部分と相補的になるように、2つの被加工部品を成形することを含む。
想定し得る動作モードによれば、回転ステップは、回転支持テーブルを提供することと、前記回転支持テーブルを回転させることとを含む。回転支持テーブルは、好ましくは、少なくとも1つの、好ましくは全ての被加工部品と一体である。
想定し得る動作モードによれば、方法は、前記複数の被加工部品の少なくとも一部を材料シリンダの形態で提供することによって実行され、例えば、前記成形されるべき部品302,320,350,390は、カンチレバ状に突出するように治具214に取り付けられた材料シリンダであって、成形及び再成形ステップが前記シリンダ上に90°の縁部が形成される。言い換えれば、成形及び再成形ステップは、シリンダの湾曲した側面から材料を除去し、直交する面を形成する。
想定し得る動作モードによれば、方法は、関節式エンドエフェクタの3つのリンクを一緒に組み立てさせ、少なくとも1つのリンクは、切縁34を含むリンクであり、治具214のハウジング217は、互いに一体に回転する3つのハウジング座部241を含む。例えば、前記3つのリンクは、前記切縁34を有する前記ブレードリンク30、前記ブレードホルダリンク50、及び前記対向ブレード表面24を含む前記第2先端リンク20である。
単一の被加工部品から2つのリンクが得られることも可能であり、そのような場合、本方法は、関節式エンドエフェクタ9の複数のリンクを一緒に組み立てることができ、少なくとも1つのリンクは切縁34を含むリンクであり、治具214のハウジング217は、互いに一体に回転する少なくとも2つのハウジング座部241を含む。例えば、ブレードホルダリンク50と第2先端リンク20とを同一の被加工部品から製造することができる。
想定し得る動作モードによれば、本方法は、関節式エンドエフェクタの5つのリンクを一緒に組み立てさせ、少なくとも1つのリンクは、切縁34を含むリンクであり、治具214のハウジング217は、互いに回転して一体化された5つのハウジング座部を含む。単一の被加工部品から2つのリンクが得られる場合、そのような場合、方法は、関節式エンドエフェクタ9の5つのリンクを一緒に組み立てさせ、少なくとも1つのリンクは、切縁34を含むリンクであり、治具214のハウジング217は、互いに一体に回転する少なくとも2つのハウジング座部241を含む。
動作モードに応じて、切縁34を有するリンクを形成するための少なくとも1つの被加工部品204は、例えば弾性ストリップである板状本体を有し、他のリンクを形成するための被加工部品はスクワット(squat)のような本体、例えば、円形ベースのシリンダである。
好ましくは、少なくとも一方の被加工部品204は、鋭利化及び一回の成形によって機械加工され、他方の被加工部品302,320,350,390は、鋭利化によって機械加工されない。これによって、各被加工部品は、カット間で被加工部品を分解することなく、2つの異なるカット面で2つの貫通カットで加工される。ここで、少なくとも一方の被加工部品204上の少なくとも鋭利化カットは、全体的に実行される両方の成形カットとは異なる傾斜を有することができるため、貫通カットは全ての被加工部品について同じではない。
一般的な実施形態によれば、1つ以上の破断可能な接続ブリッジ231によって互いに接続された複数の成形されたブレードを有する1つの部品の板状本体、例えば、シート状のような本体(sheet-like body)を含む半製品250が提供される。
半製品250は、前述の実施形態のいずれかを参照して説明した特徴のいずれかを含むことができる。
半製品250は、表面処理228を含むことができ、又は表面処理228を受けることを意図することができる。
一般的な実施形態によれば、電気浸食機械200のための固定具214又は治具214が提供される。
前記固定具214又は治具214は、固定具214を電気浸食機械200に取り付けるための固定部215と、少なくとも1つの被加工部品204を受け入れるためのハウジング217とを備え、ハウジング217は、回転軸F-Fを中心として固定部215に対して回転可能である。
好ましくは、固定具214は、ハウジング217を固定部215に対して回転させるためのモータ218を更に備える。
固定具214又は治具214は、前述の実施形態のいずれかを参照して説明した特徴のいずれかを備えることができる。
一実施形態によれば、固定具214のハウジング217は、複数の被加工部品を受け入れるための複数の座部を備え、前記複数の被加工部品用の座部は、2つの直交する線が一度に1つの被加工部品と交差するように配置される。言い換えると、座部は、被加工部品が治具214に取り付けられたときに、電気浸食機械200のカットワイヤ202が、直交する2つのカット面で前記被加工部品のうちの1つのみをカットするように配置される。好ましくは、前記複数の被加工部品のための座部は、互いに直交する2本の線と鋭利化角αだけ傾斜した第3の線との3本の線が一度に1つの被加工部品のみと交差するように配置される。例えば、座部は、所定の相対距離を隔てて互いに整列するように固定具214上に配置される。
図70A~図70Cに概略的に示す実施形態によれば、治具214は、機械200への固定部215に対して別々に又は共同で(jointly)回転可能な2つのハウジング217,270を備え、第1のハウジング217は、前記被加工部品204を受け入れて、その上に鋭利化カット及び成形カットを形成し、第2のハウジング270は、前記第1のハウジング217及び一又は複数の更なる被加工部品302,320,350の両方を受け入れて、その上に2つの直交する成形カットを形成する。好ましくは、第1のハウジング217は、回転軸F-Fを中心に前記第2のハウジングに対して回転できるように、第2のハウジング270に取り付けられる。第1のハウジング217及び第2のハウジング270の回転を得るための単一のモータ218を含むことができる。
所定の実施形態並びに所定の動作モードにおいて別々に又は組み合わせて提供される上記の特徴のおかげで、不一致があっても前述したニーズを満たすことができ、前述の利点、特に、以下の利点を得ることができる。
-開/閉自由度は、切断動作を実行することを可能にする。
-既知の解決策と比較して、外科用器具の関節式エンドエフェクタの極端な小型化が可能である。
-弾性ワッシャ及び調整ねじの提供、並びに取り付け根元部のレベルでのタッピング(tapping)又はねじ切り機械加工を回避しながら、支持構造体の突起間にリンクの根元部を積み重ねることが可能であり、これによって関節式エンドエフェクタの極端な小型化を可能にすることができる。
-特に、関節ピン5はネジが切られていない。
-それぞれのリンクの根元部の貫通孔の孔縁部表面も、支持構造体の突起を貫通する突起の貫通孔の内面も、タップされておらず、すなわち、雌ねじが切られていない。
-関節ピンには、「ベルビルワッシャ」タイプなどの弾性要素が取り付けられていない。
-根元部は、支持フォークの突起間にパック(pack)のようにしっかりと積み重ねられたシリンダとすることができる。
-根元部は、先端の本体内及び近位取り付け根元部の外側で、すなわち,自由端の方向にピンから離れて、特に第1先端のブレードに、及び必要に応じて第2先端の対向ブレードに、切断動作に必要な弾性を提供することを可能にし、したがって、極めて小型化された関節式エンドエフェクタを形成しながら正確な切断動作を実行することを可能にする。
-特に、開/閉自由度の比較的大きい開放角度の場合、ブレードは自由であり、すなわち弾性的に変形せず、このような構成では真っ直ぐであることが好ましい。
-開/閉自由度の開放角度が閉じられるにつれて、ブレードは弾性的に曲げられ、対向ブレードを弾性的に押す。
-切断動作に必要な弾性が根元部に対して遠位に集中しているため、ブレード又は対向ブレードの比較的大きな軸方向の曲げを受け入れる変形座部を設けることができる。
-突起間にパック状に積み重ねられた根元部は、ブレードの弾性的曲げ変形に対する反力を提供し、関節ピンにおける軸方向の摺動を回避し、したがって切縁の正確で効果的な切断作用を可能にする。
-弾性的に曲がり可能な対向ブレードを設けることにより、高い開放角度でも正確な切断動作が可能な外科用ハサミ型外科用器具を作ることができ、すなわち、切縁は、根元部のレベルに実質的に近い、すなわち、関節ピンに近い近位側でも対向ブレードを押すことができる。
-突起間にパックのように積み重ねられた根元部は、弾性的に曲げることができる対向ブレードが含まれている場合であっても、弾性的曲げ変形に対する反力を提供する。
-ブレードリンク及び対向ブレードリンクは、存在する場合、第1先端リンク及び第2先端リンクによって回転時に抗力が及ぼされる。したがってブレードホルダリンク及びリアクションリンクとして作用する。
-受け根元部における関節ピンと接触する全て同軸の貫通孔を設けることによって、根元部間の望ましくない相対回転を回避することを可能となり、対向ブレードに対する切縁の位置決めの確実性を提供し、これによって、関節式エンドエフェクタの極端な小型化が可能となる。なぜなら、根元部のレベル、すなわち、共通の回転軸に近い小さな回転運動により、比較的大きなカットの不正確さが生じるためである。
-更に、ブレードリンクの孔は、その近位縁部がピンを押すことによって、切断動作中にブレードと対向ブレードとの間の摩擦に対する反力が生じ、正確な切断動作を得るのに役立つ。
-ブレードリンクの切縁は、真っ直ぐに、つまり凹面なしにすることができるため、連続生産が容易になり、例えば、単一のバンド又はストリップから開始することができる。
-ブレードリンク及び対向ブレードリンクは、存在する場合、自由端と一体に回転することで、ヨー自由度の様々な向きで切断動作を実行することができる。これによって、外科医の手の向きを再現することができ、優れた直観性を有するだけでなく、例えば、顕微鏡での観察も容易になる。
-関節ピンから離れ、関節ピンに対して遠位の閉鎖ストローク端の当接を提供することにより、閉鎖の高精度が可能になるとともに、支持フォークの近位領域を占有せず、極端な小型化に有利である。
-テンドンの終端座部と、それぞれのリンクと一体に作られた線織プーリ面は、小型化に有利であって、部品の数を少なくし、関節式エンドエフェクタをコンパクトに保つのに役立つ。
-針ドライバ/ハサミ型外科用器具の場合、複数の先端リンクの間にブレードが介設されることにより、閉じたエンドエフェクタでブレードを隠すことができ、例えば、損傷することなく縫合糸を先端リンクに巻き付けることができる。
-第1先端及び/又は第2先端(存在する場合)の2つのリンク間に回転する1つの抗力係合部を設けることによって、抗力クリアランスを最小限に抑えることができ、小型化に有利である。
-軸方向に剛性的回転ジョイントが設けられ、回転ジョイントを形成する要素によって切断動作が実行される。
-共通回転軸Y-Yを規定する回転ジョイントは、ヒンジとすることができる。
-リアクションリンクは、別個の対向ブレードリンク40が含まれる対向ブレードホルダリンク60であってもよく、又は、1つの部品の前記対向ブレード24を有する第2先端リンク20であってもよい。
-第1先端10は、テンドンが摺動することなく、その上に巻き付く凸状線織面が設けられた取り付け根元部を有するブレードホルダリンク50を備えることができる。
-ブレードホルダリンクは、把持面を備えることができる。
-少なくともブレードがワイヤ電気浸食(WEDM)によって作製される場合、ワイヤ電気浸食による貫通カットによって作られる壁の優れた表面仕上げを得ることが可能であり、これは、製造プロセスの製品の小型化の促進に役立ち、また、同じ被加工部品を成形及び鋭利化するために2つの非直交カットが行われ、被加工部品の再配置を回避し、したがって仕上げを更に向上させることができる。
-少なくともブレードがワイヤ電気浸食(WEDM)によって作製される場合、「no-back-bevel」タイプの鋭利化が可能であり、すなわち、切縁が1つの鋭利化カット経路に沿って、1回以上パスを有する「chisel edge」が可能である。
-少なくともブレードがワイヤ電気浸食(WEDM)によって作製される場合、弾性ブレードを形成することができる。
-少なくともブレードがワイヤ電気浸食(WEDM)によって作製される場合、単一の連続的な切断動作で1つの被加工部品から複数のブレード、例えば、複数のブレードを製造することが可能である。
-少なくともブレードがワイヤ電気浸食(WEDM)によって作製される場合、鋭利化ステップから成形ステップへ、又はその逆の場合、固定具の回転角度は、90°とは異なる角度である。
-少なくともブレードがワイヤ電気浸食(WEDM)によって作製され、2つの成形ステップが含まれる場合、成形ステップから再成形ステップまでの固定具の回転角度は、実質的に90°である。
-少なくともブレードがワイヤ電気浸食(WEDM)によって作製される場合、成形ステップは、材料ブリッジを無傷のままにして、半製品250を作製するステップを含むことができる。
-少なくともブレードがワイヤ電気浸食(WEDM)によって作製される場合、コーティングステップは、鋭利化ステップを実行した後に半製品250に対して、及び/又は鋭利化ステップを実行する前に被加工部品204に対して実行することができる。
-少なくともブレードがワイヤ電気浸食(WEDM)によって作製される場合、成形ステップは、被加工部品からブレードを分離するステップを含むことができる。
添付の特許請求の範囲の1つ又は複数の開示された特徴、構造、又は機能の組み合わせは、本明細書の不可欠な部分を形成することが十分に理解されたい。
所定の偶発的なニーズを満たすために、当業者は、添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、前述の実施形態に対して幾つかの変更及び適合を加えることができ、要素を他の機能的に等価なものと置き換えることができる。
1 外科用器具
2 支持リンク
3 支持構造体の第1突起
4 支持構造体の第2突起
5 回動ピン(pivot pin)又は関節ピン
6 第3対の支持リンク作動テンドン用の終端座部、又は、第3の支持リンク終端座部
7 外科用器具シャフト又はロッド
8 遠位シャフト又はロッド端部
9 関節式エンドエフェクタ、又は関節式エンドデバイス、又はヒンジ付きエンドエフェクタ、又はヒンジ付きエンドデバイス
10 第1先端
11 第1先端の第1近位取り付け根元部、又は第1先端取り付け根元部
12 第1先端の第1遠位自由端、又は第1先端の自由端
13 第1先端の第1把持面、又は第1先端部把持面
14 第1先端のブレード
15 第1先端の第1終端座部
16 第1先端の第1根元部の第1貫通孔
18 軸方向内向きに面する第1先端面
19 径方向カットチャネル
20 第2先端
21 第2先端の第2近位取り付け根元部、又は第2先端取り付け根元部
22 第2先端の第2遠位自由端、又は第2先端の自由端
23 第2先端接続ステム
24 第2先端対向ブレード
25 第2先端の第2終端座部
26 第2先端の第2根元部の第2貫通孔
27 第2先端インタフェースカット部
27.0 カットインタフェースの近位自由端
27.1 カットインタフェースの第1近位アーム
27.2 カットインタフェースの第2遠位アーム
28 第2先端の軸方向変形座部、又は対向ブレードの軸方向変形座部
29 径方向カットチャネル
30 ブレードリンク
31 ブレードリンクの近位取り付け根元部、又はブレードリンク根元部
32 先端ブレードリンク端部
33 横ブレードリンクブリッジ
34 ブレードの切縁
35 軸方向内側向きブレード面
36 ブレードリンクの第1貫通孔の孔縁部
37 ブレードリンク抗力係合部
37.0 ブレードリンク抗力座部の入口開口
37.1 ブレードリンク閉鎖抗力面
37.2 ブレードリンク開放抗力面
37.3 ブレードリンク開放ドラッグレッグ
37.4 カンチレバブレードリンクイヤー(link ear)
38 ブレードリンク根元部の孔縁部の円弧面
39 ブレードリンク根元部カットチャネル
40 対向ブレードリンク
41 対向ブレードリンクの近位取り付け根元部又は対向ブレードリンク根元部
42 遠位対向ブレードリンク端部
43 対向ブレードホルダリンク凹部の軸方向内側向き表面
44 ブレードホルダリンクのブレード用の軸方向変形座部
45 軸方向対向ブレードリンク凹部
46 対向ブレードリンク支持面
47 第2先端リンク抗力座部
47.0 対向ブレードリンクドラッグイヤー
47.1 対向ブレードリンク閉鎖抗力面
47.2 対向ブレードリンク開放抗力面
48 ねじ止め壁
48.1 ねじ止め壁凹部
49 対向ブレードリンクの径方向カットチャネル
50 ブレードホルダリンク
51 ブレードホルダリンクの近位取り付け根元部、又はブレードホルダリンク根元部
52 遠位ブレードホルダリンク端部
54 第1先端の閉鎖ストローク端面
55 第1先端の本体接続部又は第1の接続部
57 ブレードホルダリンク抗力係合部
57.0 ブレードホルダリンク抗力歯
57.1 ブレードホルダリンク閉鎖抗力面
57.2 ブレードホルダリンク開放抗力面
58 ブレードホルダリンクの軸方向内側向き表面
60 対向ブレードホルダリンク
61 対向ブレードホルダリンクの近位取り付け根元部
63 第2先端把持面、又は第2の把持面
64 対向ブレードの切縁
65 第2先端の本体接続部又は第2の接続部
66 切欠き
67 対向ブレードホルダリンク抗力座部
67.1 対向ブレードホルダリンク閉鎖抗力面
67.2 対向ブレードホルダリンク開放抗力面
68 縫合糸
69 弾性レッグ
70 テンドン終端
71 第1先端の開放作動テンドン
72 第1先端の閉鎖作動テンドン
73 第2先端の開放作動テンドン
74 第2先端の閉鎖作動テンドン
75 支持リンクの作動テンドン
76 支持リンクの作動対向テンドン
77 第1先端の第1終端座部のカンチレバドラッグレッグ
77.1 レッグの自由端
78 第2先端の第2終端座部のカンチレバドラッグレッグ
78.1 レッグの自由端
79 第1先端の線織プーリ面
80 第2先端の線織プーリ面
81 第1根元部の第1外部接触面、又は第1根元部の外部接触面
82 第2根元部の第2外部接触面、又は第2根元部の外部接触面
83 第1根元部の第1内部接触面、又は第1根元部の内部接触面
84 第2根元部の第2内部接触面、又は第2根元部の内部接触面
85 ブレードリンク当接面
86 ブレードホルダリンク当接面
87 第1突起の内部接触対向面、又は第1突起の第1内部接触対向面
88 第2突起の内部接触対向面、又は第2突起の第2内部接触対向面
89.1 対向ブレードリンク当接面
89.2 対向ブレードホルダリンク当接面
90 接続リンク
91 接続リンクの第1突起
92 接続リンクの第2突起
93 近位関節ピン
94 固定デバイス
96 支持リンクの凸状線織面
97 接続リンクの凸状線織面
98 支持リンクの凸状線織面
99 接続リンクの凸状線織面
101 ロボット手術システム
102 近位シャフト端部
103 ロボットマニピュレータ
104 外科用器具の近位インタフェース部、又は外科用器具バックエンド
105 位置決めアーム
106 支持部、又はカート、又はタワー
107 マスタコンソール
108 マスタ制御デバイス
200 ワイヤ電気浸食機械
202 カットワイヤ
204 ブレードを形成する被加工部品
205 フラップ
206 電気浸食機械の下部ヘッド
207 電気浸食機械の上部ヘッド
208 電気浸食機械タンク
209 電気浸食機械リール
210 被加工部品の厚さ
211 管路
212 ポンプ
213 ノズル
214 治具又は固定具
215 治具固定部
216 電気浸食機械ブラケット
217 治具を収容する第1の回転部
218 治具又は固定具モータ
219 ねじ
220 治具のストローク端
221 治具の整流面
222 治具の整流面
223 被加工部品のカット壁
224 被加工部品の裏面
225 被加工部品の表面
228 表面処理、例えばコーティング及び/又は熱処理
229 較正基準点
230 成形カット軌道又は経路
231 接続ブリッジ
232 成形カット軌道又は経路パスの開始点
233 成形カット軌道又は経路パスの終点
234 加工対象の縁部
235 鋭利化カット軌道又は経路パスの開始点
236 鋭利化カット軌道又は経路パスの終点
238 外部カットプロファイルセクション
239 カットプロファイル切り欠き
240 鋭利化カット軌道又は経路
241 治具ハウジングの長手方向スロット
242 制御システム
243 ボウル
250 半製品
260 押圧
264 押圧ハンマ
262 押圧アンビル
270 治具を収容するための第2回転部
302 支持構造体、例えば接続リンクを構成する成形対象部品
304 第2の被加工部品
320 第2先端リンクを構成する成形対象部品
350 ブレードホルダリンクを構成する成形対象部品
390 接続リンクを構成する成形対象部品
502 遠位回転ジョイント
509 近位回転ジョイント
α 鋭利化回転角
β 鋭い縁部の鋭角
X-X 長手方向シャフト又はロッド軸
Y-Y 共通回転軸、又は共通の遠位回転軸又は共通のヨー回転軸
P-P 共通の近位回転軸、又は共通のピッチ回転軸
F-F 治具回転軸
W カットワイヤの送り方向又はカット方向
Y ヨー自由度
P ピッチ自由度
G 開/閉方向、カット自由度
R ロールの自由度
POC ブレードと対向ブレードとの間の少なくとも1つの接触点
D1 第1先端の裏側
P1 第1先端のカット側
D2 第2先端の裏側
P2 第2先端のカット側
Y5 軸方向距離
Y5’ 軸方向距離
Y8 軸方向距離

Claims (16)

  1. ロボット手術システム(101)用の外科用器具(1)であって、
    関節式エンドエフェクタ(9)を備え、前記関節式エンドエフェクタ(9)は、
    支持構造体と、
    第1の近位取り付け根元部(11)と遠位の第1の自由端(12)とを備える第1先端(10)と、
    第2の近位取り付け根元部(21)と遠位の第2の自由端(22)とを備える第2先端(20)と、
    を備え、
    前記支持構造体と、前記第1先端(10)と、前記第2先端(20)とは、共通回転軸(Y-Y)で互いに関節結合され、前記共通回転軸(Y-Y)と一致する又は平行な軸方向を規定し、前記第1先端(10)と前記第2先端(20)との間の相対的開/閉自由度(G)を規定し、
    前記第1先端(10)の前記第1の近位取り付け根元部(11)と前記第2先端(20)の前記第2の近位取り付け根元部(21)とは、前記軸方向において前記支持構造体に隣接し、
    前記第1先端(10)は、前記第1の自由端(12)と一体に回転する切縁(34)を有するブレード(14)を含み、
    前記第1先端(10)の前記ブレード(14)は、前記軸方向に弾性的に曲がり可能であり、
    前記第2先端(20)は、前記第2の自由端(22)と一体に回転する対向ブレード(24)を含み、
    前記対向ブレード(24)は、前記第1先端(10)の前記ブレード(14)を前記軸方向に弾性的に曲げることで前記切縁(34)に当接するように適合され、これによって、前記第1先端(10)の前記切縁(34)と前記第2先端(20)の前記対向ブレード(24)とが、機械的干渉接触状態に達して切断動作を行い、
    前記第1先端(10)の前記第1の近位取り付け根元部(11)は前記支持構造体と直接に密接し、前記第2先端(20)の前記第2の近位取り付け根元部(21)は前記支持構造体と直接に密接している、
    外科用器具(1)。
  2. 前記第1先端(10)の前記第1の近位取り付け根元部(11)と前記第2先端(20)の前記第2の近位取り付け根元部(21)とは、前記共通回転軸(Y-Y)の周りで前記支持構造体に関節結合され、前記支持構造体と前記第1先端(10)及び前記第2先端(20)によって形成されたアセンブリとの間の方向自由度(Y)を規定する、
    請求項1に記載の外科用器具(1)。
  3. 前記第1の近位取り付け根元部(11)と前記第2の近位取り付け根元部(21)とは、共同で前記支持構造体に介設され、
    及び/又は、
    前記第1先端(10)の前記第1の近位取り付け根元部(11)は、軸方向に面する第1の外部接触面(81)を備え、前記支持構造体は、軸方向に面する第1の内部接触対向面(87)を含む第1突起(3)を備え、
    前記第2先端(20)の前記第2の近位取り付け根元部(21)は、軸方向に面する第2の外部接触面(82)を備え、前記支持構造体は、軸方向に面する第2の内部接触対向面(88)を含む第2突起(4)を備え、
    前記第1の近位取り付け根元部(11)の前記第1の外部接触面(81)と、前記第1突起(3)の前記第1の内部接触対向面(87)と、前記第2の近位取り付け根元部(21)の前記第2の外部接触面(82)と、前記第2突起(4)の前記第2の内部接触対向面(88)とは、全て互いに平行である、
    請求項1又は2に記載の外科用器具(1)。
  4. 前記第2先端(20)の前記対向ブレード(24)は、前記第1先端(10)を曲げるように軸方向に突出し、
    前記対向ブレード(24)は、好ましくは、軸方向内向きに面する凹面を有する湾曲突出面である、
    請求項1から3のいずれか1項に記載の外科用器具(1)。
  5. 前記第2先端(20)の前記対向ブレード(24)の本体が、前記軸方向において、好ましくは軸方向外向きに弾性的に曲がり可能である、
    請求項1から4のいずれか1項に記載の外科用器具(1)。
  6. 前記第2先端(20)の本体は、近位カンチレバーアーム(27.1)を備え、
    前記近位カンチレバーアーム(27.1)は、軸方向外向きに弾性的に変形可能であり、近位自由端(27.0)を有し、前記対向ブレード(24)の近位部分が前記近位カンチレバーアーム(27.1)に含まれ、
    好ましくは、前記外科用器具(1)は、60°までの開/閉自由度の開放角度で切断動作を実行することが可能である、
    請求項5に記載の外科用器具(1)。
  7. 前記第1先端(10)と前記第2先端(20)との少なくとも一方は、軸方向変形座部(28,44)を備え、
    前記軸方向変形座部(28,44)は、前記切断動作の間に、前記ブレード(14)又は前記対向ブレード(24)の弾性変形を収容するための軸方向凹部を形成する、
    請求項1から6のいずれか1項に記載の外科用器具(1)。
  8. 前記第1先端(10)の前記第1の近位取り付け根元部(11)は第1貫通孔(16)を備え、前記第2先端(20)の前記第2の近位取り付け根元部(21)は第2貫通孔(26)を備え、
    前記第1の近位取り付け根元部(11)の前記第1貫通孔(16)と前記第2の近位取り付け根元部(21)の前記第2貫通孔(26)とは全て、前記共通回転軸(Y-Y)と同軸の円形の貫通孔であり、前記共通回転軸(Y-Y)の方向に延びる1つの関節ピン(5)を受けいれる、
    請求項1から7のいずれか1項に記載の外科用器具(1)。
  9. 前記第1先端(10)の本体は、2つの別個の部品又はリンクによって形成され、
    前記別個の部品又はリンクは、
    前記切縁(34)を有する前記ブレード(14)とブレードリンク根元部(31)とを一体に備える本体を有するブレードリンク(30)と、
    ブレードホルダリンク根元部(51)を有するブレードホルダリンク(50)と、
    を含み、
    前記ブレードリンク根元部(31)と前記ブレードホルダリンク根元部(51)とは、隣り合って互いに直接に密接し、共同で前記第1先端(10)の前記第1の近位取り付け根元部(11)を形成する、
    請求項1から8のいずれか1項に記載の外科用器具(1)。
  10. 前記第1先端(10)の前記ブレードリンク(30)と前記ブレードホルダリンク(50)との間には回転抗力係合が設けられ、
    前記回転抗力係合は、前記第1先端(10)の前記第1の近位取り付け根元部(11)に対して遠位側に配置され、好ましくは、前記ブレード(14)の長手方向延伸に沿って配置される、
    請求項9に記載の外科用器具(1)。
  11. 前記ブレードリンク(30)には閉鎖ストローク端が設けられ、
    前記閉鎖ストローク端は、前記第1先端(10)の前記第1の近位取り付け根元部(11)に対して遠位側に配置される、
    請求項9又は10に記載の外科用器具(1)。
  12. 前記ブレードリンク根元部(31)は、軸方向において前記ブレードホルダリンク根元部(51)と前記第2先端(20)の前記第2の近位取り付け根元部(21)との間に介設され、直接に密接している、
    請求項9から11のいずれか1項に記載の外科用器具(1)。
  13. 前記第1先端(10)の前記第1の近位取り付け根元部(11)は、前記共通回転軸(Y-Y)の周りに前記ブレード(14)と一体に回転し、前記第1先端(10)の少なくとも1つの作動テンドン(71,72)用の第1の終端座部(15)を備え、
    前記第2先端(20)の前記第2の近位取り付け根元部(21)は、前記共通回転軸(Y-Y)の周りに前記対向ブレード(24)と一体に回転し、前記第2先端(20)の少なくとも1つの作動テンドン(73,74)用の少なくとも1つの第2の終端座部(25)を備える、
    請求項1から12のいずれか1項に記載の外科用器具(1)。
  14. 前記ブレード(14)がワイヤ電気浸食によって鋭利化される、
    請求項1から13のいずれか1項に記載の外科用器具(1)。
  15. 少なくとも1つの、請求項1から14のいずれか1項に記載の前記外科用器具(1)を備える、
    ロボット手術システム(101)。
  16. 回転軸(Y-Y)を有し、作動テンドンによって作動されるカットジョイントの回転ジョイント(502)であって、
    支持構造体と、
    第1の自由端(12)とブレード(14)と一体に回転する第1の取り付け根元部(11)であって、前記ブレード(14)が切縁(34)と、軸方向において弾性的に曲がり可能な本体とを有する、前記第1の取り付け根元部(11)と、
    第2の自由端(22)と対向ブレード(24)と一体に回転する第2の取り付け根元部(21)と、
    を備え、
    前記ブレード(14)の前記切縁(34)は、機械的干渉接触状態にある前記カットジョイントの開/閉自由度(G)の移動中に前記対向ブレード(24)に当接して切断動作を行うように適合され、
    第1先端(10)の前記第1の取り付け根元部(11)は前記支持構造体と直接に密接し、第2先端(20)の前記第2の取り付け根元部(21)は前記支持構造体と直接に密接している、
    回転ジョイント(502)。
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