JP2024521902A - スピロ環状アミンで置換されたピリダジン又は1,2,4-トリアジン - Google Patents

スピロ環状アミンで置換されたピリダジン又は1,2,4-トリアジン Download PDF

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Abstract

本発明は、哺乳動物における療法及び/又は予防に有用な医薬品、そのような化合物を含む医薬組成物、並びに白血病、骨髄異形成症候群(MDS)、及び骨髄増殖性腫瘍(MPN)を含むがこれらに限定されないがん、並びに糖尿病などの疾患を治療するのに有用なメニン/MLLタンパク質/タンパク質相互作用阻害剤としてのそれらの使用に関する。

Description

本発明は、哺乳動物における療法及び/又は予防に有用な医薬品、そのような化合物を含む医薬組成物、並びに白血病、骨髄異形成症候群(myelodysplastic syndrome、MDS)、及び骨髄増殖性腫瘍(myeloproliferative neoplasms、MPN)を含むがこれらに限定されないがん、並びに糖尿病などの疾患を治療するのに有用なメニン/MLLタンパク質/タンパク質相互作用阻害剤としてのそれらの使用に関する。
混合系白血病遺伝子(mixed lineage leukemia gene、MLL;MLL1、KMT2A)に影響を及ぼす染色体再構成は、全ての年齢群にわたって侵襲性急性白血病をもたらし、依然として大部分が不治の疾患であり、新規治療アプローチの緊急の必要性を強調している。MLLのこれらの染色体転座を有する急性白血病は、リンパ性、骨髄球性又は二表現型病として表され、成人における急性白血病の5~10%及び乳児における約70%を構成する(Marschalek,Br J Haematol 2011.152(2),141-54、Tomizawa et al.,Pediatr Blood Cancer 2007.49(2),127-32)。
MLLは、リジン4(H3K4)上のヒストンH3をメチル化するヒストンメチルトランスフェラーゼであり、多タンパク質複合体において機能する。Mll1の誘導性機能喪失型対立遺伝子の使用は、Mll1が造血幹細胞(hematopoietic stem cell、HSC)の維持及びB細胞の発生において必須の役割を果たすが、そのヒストンメチルトランスフェラーゼ活性は造血には不要であることを実証した(Mishra et al.,Cell Rep 2014.7(4),1239-47)。
MLLと60を超える異なるパートナーとの融合が今日までに報告されており、白血病形成/進行と関連付けられている(Meyer et al.,Leukemia 2013.27,2165-2176)。興味深いことに、MLLのSET(Su(var)3-9、zesteのエンハンサー、及びtrithorax)ドメインは、キメラタンパク質中に保持されないが、融合パートナーによって置換される(Thiel et al.,Bioessays 2012.34,771-80)。融合パートナーによるDot1L及び/又はpTEFb複合体のようなクロマチン修飾酵素の動員は、最も顕著なものとしてHOXA遺伝子(例えば、HOXA9)及びHOX補因子MEIS1を含むMLL標的遺伝子の転写及び転写伸長の増強をもたらす。次に、これらの遺伝子の異常な発現は、造血分化をブロックし、増殖を増強する。
多発性内分泌腫瘍症1型(Multiple Endocrine Neoplasia type1、MEN1)遺伝子によってコードされるメニンは、遍在的に発現され、主に核に局在する。これは、多数のタンパク質と相互作用することが示されており、したがって、種々の細胞プロセスに関与する。メニンの最もよく理解されている機能は、MLL融合タンパク質の発がん性補因子としてのその役割である。メニンは、全ての融合タンパク質に保持されるMLLのN末端断片内の2つのモチーフ、MBM1(メニン結合モチーフ1)及びMBM2と相互作用する(Thiel et al.,Bioessays 2012.34,771-80)。メニン/MLL相互作用は、水晶体上皮由来増殖因子(lens epithelium-derived growth factor、LEDGF)のための新しい相互作用表面の形成をもたらす。MLLはLEDGFに直接結合するが、メニンは、MLLとLEDGFとの間の安定な相互作用、及びLEDGFのPWWPドメインを介したMLL複合体の遺伝子特異的クロマチン動員に必須である(Cermakova et al.,Cancer Res 2014.15,5139-51、Yokoyama & Cleary,Cancer Cell 2008.8,36-46)。更に、多くの遺伝学的研究は、メニンがMLL融合タンパク質による発がん性形質転換に厳密に必要とされることを示しており、魅力的な治療標的としてのメニン/MLL相互作用を示唆している。例えば、Men1の条件付き欠失は、MLL融合を異所的に発現する骨髄前駆細胞における白血球形成を防止する(Chen et al.,Proc Natl Acad Sci 2006.103,1018-23)。同様に、機能喪失型突然変異によるメニン/MLL融合相互作用の遺伝子破壊は、MLL融合タンパク質の発がん特性を無効にし、白血病の発生をインビボでブロックし、MLL形質転換白血病芽球の分化ブロックを解除する。これらの研究はまた、メニンが、MLL融合タンパク質によるHOX遺伝子発現の維持に必要であることを示した(Yokoyama et al.,Cell 2005.123,207-18)。更に、メニン/MLL相互作用の小分子阻害剤が開発されており、このタンパク質/タンパク質相互作用のドラッガビリティ(創薬可能性)を示唆しており、AMLの前臨床モデルにおける有効性も実証している(Borkin et al.,Cancer Cell 2015.27,589-602、Cierpicki and Grembecka,Future Med Chem 2014.6,447-462)。メニンが正常な造血中のMLL1の必須補因子ではないという観察(Li et al.,Blood 2013.122,2039-2046)とともに、これらのデータは、メニン/MLL相互作用の破壊を、活性HOX/MEIS1遺伝子シグネチャーを有するMLL再構成白血病及び他のがんの治療のための有望な新しい治療アプローチとして検証する。例えば、MLL遺伝子の5’領域内の内部部分タンデム重複(partial tandem duplication、PTD)は、デノボ及び二次性AML並びに骨髄異形成症候群において主に見出される別の主要な異常を表す。MLL-PTDの分子機構及び生物学的機能は十分に理解されていないが、メニン/MLL相互作用に影響を及ぼす新しい治療標的化戦略もまた、MLL-PTD関連白血病の治療において有効であることが証明され得る。更に、去勢抵抗性前立腺がんは、メニン/MLL相互作用に依存することが示されている(Malik et al.,Nat Med 2015.21,344-52)。
MLLタンパク質は、科学分野においてヒストン-リジンN-メチルトランスフェラーゼ2A(KMT2A)タンパク質としても知られている(UniProtアクセッション番号Q03164)。
いくつかの参考文献は、メニン-MLL相互作用を標的とする阻害剤を記載している:国際公開第2011029054号,J Med Chem 2016,59,892-913は、チエノピリミジン及びベンゾジアゼピン誘導体の調製を記載している;国際公開第2014164543号は、チエノピリミジン及びチエノピリジン誘導体を記載している;Nature Chemical Biology March 2012,8,277-284及びRen,J.;et al.Bioorg Med Chem Lett(2016),26(18),4472-4476は、チエノピリミジン誘導体を記載している;J Med Chem 2014,57,1543-1556 は、ヒドロキシ-及びアミノメチルピペリジン誘導体を記載している;Future Med Chem 2014,6,447-462は、小分子及びペプチド模倣化合物を概説している;国際公開第2016195776号は、フロ[2,3-d]ピリミジン、9H-プリン、[1,3]オキサゾロ[5,4-d]ピリミジン、[1,3]オキサゾロ[4,5-d]ピリミジン、[1,3]チアゾロ[5,4-d]ピリミジン、チエノ[2,3-b]ピリジン及びチエノ[2,3-d]ピリミジン誘導体を記載している;国際公開第2016197027号は、5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン、5,6,7,8-テトラヒドロピリド[4,3-d]ピリミジン、ピリド[2,3-d]ピリミジン及びキノリン誘導体を記載しており、国際公開第2016040330号は、チエノピリミジン及びチエノピリジン化合物を記載している。国際公開第2017192543号は、メニン阻害剤としてピペリジンを記載している。国際公開第2017112768号、国際公開第2017207387号、国際公開第2017214367号、国際公開第2018053267号及び国際公開第2018024602号は、メニン-MLL相互作用の阻害剤を記載している。国際公開第2017161002号及び国際公開第2017161028号は、メニン-MLLの阻害剤を記載している。国際公開第2018050686号、国際公開第2018050684号及び国際公開第2018109088号は、メニン-MLL相互作用の阻害剤を記載している。国際公開第2018226976号は、メニンとMLLタンパク質との相互作用を阻害するための方法及び組成物を記載している。国際公開第2018175746号は、血液悪性腫瘍及びユーイング肉腫の治療方法を提供している。国際公開第2018106818号及び国際公開第2018106820号は、膵臓細胞の増殖を促進する方法を提供している。国際公開第2018153312号は、医薬品化学の分野に関するアザスピロ化合物を開示している。国際公開第2017132398号は、NPM1変異を示す白血病細胞を、MLLとメニンとの間の相互作用の薬理学的阻害剤と接触させることを含む方法を開示している。国際公開第2019060365号は、メニン-MLLの置換阻害剤を記載している。国際公開第2020069027号は、メニンの阻害剤による血液悪性腫瘍の治療を記載している。Krivtsov et al.,Cancer Cell 2019.No.6 Vol.36,660-673は、メニン-MLL阻害剤を記載している。
国際公開第2021121327号は、置換直鎖スピロ誘導体及びメニン/MLLタンパク質/タンパク質相互作用阻害剤としてのそれらの使用を記載している。
本発明は、式(I):
Figure 2024521902000001
[式中、
1aが、-C(=O)-NRxaxb、Het又は
Figure 2024521902000002
を表し、
Hetが、1、2又は3個の窒素原子及び任意選択的に、カルボニル部分を含有する5員又は6員単環式芳香族環を表し、
上記5員又は6員単環式芳香族環が、任意選択的に、C3~6シクロアルキル及びC1~4アルキルからなる群から選択される1、2又は3個の置換基で置換されており、
xa及びRxbが、各々独立して、水素;C1~4アルキル;C3~6シクロアルキル;1、2又は3個のハロ原子で置換されているC1~4アルキル;及び1個の-OH、-OC1~4アルキル又はNR11c11dで置換されているC1~4アルキル;からなる群から選択され、
1bが、F又はClを表し、
1cが、H又はハロを表し、
が、-CR5a5b-、-O-又は-NR5c-を表し、
が、水素、ハロ、C1~4アルキル、-O-C1~4アルキル、及び-NR7a7bからなる群から選択され、
Uが、N又はCHを表し、
n1、n2、n3及びn4が、各々独立して、1及び2から選択され、
が、CHを表し、Xが、Nを表し、
が、C1~5アルキル、
Figure 2024521902000003
を表し、
5a、R5b、R5c、R7a、及びR7bが、各々独立して、水素、C1~4アルキル、及びC3~6シクロアルキルからなる群から選択され、
が、-C1~6アルキル-NR8a8b、-C1~6アルキル-C(=O)-NR9a9b、-C1~6アルキル-OH、又は、-C1~6アルキル-NR11-C(=O)-O-C1~4アルキル-O-C(=O)-C1~4アルキルを表し、
の定義におけるC1~4アルキル又はC1~6アルキル部分の各々が、互いに独立して、シアノ、ハロ、-OH、及び-O-C1~4アルキルからなる群から各々独立して選択される1、2又は3個の置換基で置換されていてもよく、
8a及びR8bが、各々独立して、水素;C1~6アルキル;-C(=O)-C1~4アルキル;-C(=O)-O-C1~4アルキル;-C(=O)-NR12a12b;及び-OH、シアノ、ハロ、-C≡C、-CH=CH、-S-C1~4アルキル、-S(=O)-C1~4アルキル、-S(=O)-NR11a11b、-O-C1~4アルキル、-C(=O)-NR10a10b、-NR10c-C(=O)-C1~4アルキル、1個のNR11a11bで置換されている-O-C1~4アルキル、及び1、2又は3個のハロ原子で置換されている-O-C1~4アルキルからなる群から各々独立して選択される1、2又は3個の置換基で置換されているC1~6アルキル;からなる群から選択され、
9a、R9b、R10a、R10b、R10c、R11、R11a、R11b、R12a、及びR12bが、各々独立して、水素及びC1~6アルキルからなる群から選択され、
11c及びR11dが、各々独立して、水素、
1~6アルキル及び-C(=O)-C1~4アルキルからなる群から選択される]の新規の化合物、並びにその互変異性体及び立体異性体形態、
並びにそれらの薬学的に許容される塩及び溶媒和物に関し、
ただし、以下の条件:
a)R1aが、Hetを表し、5員又は6員単環式芳香族環が、C3~6シクロアルキル及びC1~4アルキルからなる群から選択される3個の置換基で置換されており、
b)R1aが、-C(=O)-NRxaxbを表し、Rxaが、1個の-OH、-OC1~4アルキル又はNR11c11dで置換されているC1~4アルキル、及び1、2又は3個のハロ原子で置換されているC1~4アルキルからなる群から選択され、
c)R1cが、ハロを表し、
d)Rが、イソプロピル以外であり、
e)Rが、-C1~6アルキル-NR8a8bを表し、R8aが、-C≡C、
-CH=CH、-S-C1~4アルキル、-S(=O)-NR11a11b、1個のNR11a11bで置換されている-O-C1~4アルキル、及び1、2又は3個のハロ原子で置換されている-O-C1~4アルキルからなる群から各々独立して選択される1、2又は3個の置換基で置換されているC1~6アルキルである、のうちの少なくとも1つが満たされることを条件とする。
本発明はまた、治療有効量の式(I)の化合物と、その薬学的に許容される塩又は溶媒和物と、薬学的に許容される担体又は賦形剤と、を含む医薬組成物に関する。
更に、本発明は、薬剤として使用するための、式(I)の化合物、その薬学的に許容される塩又は溶媒和物と、限定されないが、白血病、骨髄異形成症候群(MDS)、及び骨髄増殖性腫瘍(MPN)を含む、がん並びに糖病の治療又は予防に使用するための、式(I)の化合物、その薬学的に許容される塩又は溶媒和物とに関する。
特定の実施形態では、本発明は、がんの治療に、又はがんの予防に使用するための、式(I)の化合物、その薬学的に許容される塩又は溶媒和物に関する。
具体的な実施態様において、上記がんは、白血病、リンパ腫、骨髄腫又は固形腫瘍がん(例えば、前立腺がん、肺がん、乳がん、膵臓がん、結腸がん、肝臓がん、黒色腫及び神経膠芽腫など)から選択される。いくつかの実施形態では、白血病は、急性白血病、慢性白血病、骨髄球性白血病、骨髄性白血病、リンパ芽球性白血病、リンパ性白血病、急性骨髄性白血病(Acute myelogeneous leukemias、AML)、慢性骨髄性白血病(Chronic myelogenous leukemias、CML)、急性リンパ芽球性白血病(Acute lymphoblastic leukemias、ALL)、慢性リンパ性白血病(Chronic lymphocytic leukemias、CLL)、T細胞性前リンパ性白血病(T cell prolymphocytic leukemias、T-PLL)、大顆粒リンパ性白血病、ヘアリーセル白血病(Hairy cell leukemia、HCL)、MLL再構成白血病、MLL-PTD白血病、MLL増幅白血病、MLL陽性白血病、HOX/MEIS1遺伝子発現シグネチャーを示す白血病などを含む。
特に、本発明による化合物及びその医薬組成物は、白血病、特にヌクレオフォスミン(NPM1)変異白血病、例えばNPM1cの治療又は予防において有用であり得る。
ある実施形態では、式(I)の化合物並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物は、改善された代謝安定性特性を有し得る。
ある実施形態では、式(I)の化合物並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物は、延長されたインビボ半減期(T1/2)を有し得る。
ある実施形態では、式(I)の化合物並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物は、改善された経口バイオアベイラビリティを有し得る。
ある実施形態では、式(I)の化合物並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物は、腫瘍増殖、例えば、MLL(KMT2A)遺伝子再構成/変化及び/又はNPM1変異を有する腫瘍を低減し得る。
ある実施形態では、式(I)の化合物並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物は、長期間にわたって改善されたインビボでのPD特性、例えば、少なくとも16時間にわたるMEIS1などの標的遺伝子発現の阻害及び分化マーカーの上方制御を有し得る。
ある実施形態では、式(I)の化合物並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物は、改善された安全性プロファイル(例えば、低減されたhERG阻害、改善された心血管安全性)を有し得る。
ある実施形態では、式(I)の化合物並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物は、Q.D.投与(1日1回)に好適であり得る。
本発明はまた、式(I)の化合物、その薬学的に許容される塩又は溶媒和物を、限定されないが、白血病、骨髄異形成症候群(MDS)、及び骨髄増殖性腫瘍(MPN)を含む、がん並びに糖病の治療又は予防に使用するための、追加の医薬品と組み合わせた使用に関する。
更に、本発明は、本発明による医薬組成物を調製するためのプロセスに関し、プロセスは、薬学的に許容される担体が、治療有効量の式(I)の化合物、その薬学的に許容される塩又は溶媒和物と均質に混合されることを特徴とする。
本発明は、白血病、骨髄異形成症候群(MDS)、及び骨髄増殖性腫瘍(MPN)を含む、がん並びに糖病の治療又は予防に使用するための、同時、別々、又は逐次使用のための組み合わせ調製物として、式(I)の化合物、その薬学的に許容される塩、又は溶媒和物、及び追加の医薬品を含む製品に関する。
更に、本発明は、温血動物における細胞増殖性疾患を治療又は予防する方法に関し、方法は、有効量の式(I)の化合物、その薬学的に許容される塩若しくはその溶媒和物、又は本明細書で定義されるような、医薬組成物若しくは組み合わせを上記温血動物に投与することを含む、方法に関する。
本明細書で使用するとき、「ハロ」又は「ハロゲン」という用語は、フルオロ、クロロ、ブロモ、及びヨードを表す。
本明細書で使用するとき、接頭辞「Cx~y」(x及びyが整数である場合)は、所与の基における炭素原子の数を指す。したがって、C1~6アルキル基は、1~6個の炭素原子を含有する、などである。
基又は基の一部として本明細書で使用するとき、「C1~4アルキル」という用語は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、s-ブチル、t-ブチルなど、1~4個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖の飽和炭化水素ラジカルを表す。
同様に、基又は基の一部として本明細書で使用するとき、「C1~6アルキル」という用語は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、s-ブチル、t-ブチル、n-ペンチル、n-ヘキシルなど、1~6個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖の飽和炭化水素ラジカルを表す。
基又は基の一部として本明細書で使用するとき、「C3~6シクロアルキル」という用語は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、及びシクロヘキシルなど、3~6個の炭素原子を有する飽和環状炭化水素ラジカルを定義する。
S(=O)又はSOがスルホニル部分を表すことは、当業者にとって明らかであろう。
CO又はC(=O)がカルボニル部分を表すことは、当業者にとって明らかであろう。
-CRRなどの基が以下を表すことは、当業者にとって明らかであろう:
Figure 2024521902000004
かかる基の例は、-CR5a5b-である。
-NRなどの基が
Figure 2024521902000005
を表すことは、当業者にとって明らかであろう。かかる基の例は、-NR5c-である。
「1、2又は3個の窒素原子、及び任意選択的にカルボニル部分を含有する単環式5員又は6員芳香族環」の非限定的な例としては、ピラゾリル、イミダゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル又は1,2-ジヒドロ-2-オキソ-4-ピリジニルが挙げられるが、これらに限定されない。
当業者は、1、2又は3個の窒素原子及びカルボニル部分を含有する5員又は6員単環式芳香族環が、以下を含むが、これらに限定されないことを理解するであろう:
Figure 2024521902000006
任意の変数が任意の構成要素において2回以上発生する場合、各定義は独立している。
任意の変数が任意の式(例えば、式(I))において2回以上発生する場合、各定義は独立している。
一般に、「置換された」という用語が本発明において使用される場合は常に、文脈から特に指示がないか、又はそれから明らかでない限り、「置換」を使用して発現中に示される原子又はラジカル上の1個又は2個以上の水素、特に1~4個の水素、更に特に1~3個の水素、好ましくは1又は2個の水素、より好ましくは1個の水素が、正常な原子価を超えないという条件で、示された基からの選択で置き換えられること、及びその置換が、化学的に安定な化合物、すなわち、反応混合物からの有用な程度の純度への単離(反応後の単離、例えばシリカゲルクロマトグラフィによる精製)に耐えるのに十分に頑強である化合物をもたらすことを示すことを意味する。特定の実施形態において、置換基の数が明示的に特定されていない場合、置換基の数は1である。
置換基及び/又は変数の組み合わせは、そのような組み合わせが化学的に安定な化合物をもたらす場合にのみ許容される。「安定な化合物」は、この文脈において、反応混合物からの有用な程度の純度への単離(反応後の単離、例えばシリカゲルクロマトグラフィによる精製)に耐えるのに十分に頑強である化合物を示すことを意味する。
当業者は、「任意選択的に置換された」という用語が、「任意選択的に置換された」を使用して表現中に示される原子又はラジカルが置換されていてもよいか、又は置換されていなくてもよい(これは、それぞれ置換又は非置換を意味する)ことを意味することを理解するであろう。
2つ又は3つ以上の置換基が部分上に存在する場合、それらは、別段の指示がないか、又は文脈から明らかでない限り、同じ原子上の水素を置き換えることができるか、又はそれらは、その部分における異なる原子上の水素原子を置き換えることができる。
本発明の文脈内で、「飽和」は、特に明記しない限り、「完全に飽和」を意味する。
別途記載のない限り、又は文脈から明らかではない限り、芳香族環基は、任意の利用可能な環炭素原子(C結合)又は窒素原子(N結合)によって、式(I)の分子の残部に結合することができる。
別段の指定がない限り、又は文脈から明らかでない限り、芳香族環基は、可能な場合、実施形態に従って炭素及び/又は窒素原子上で任意選択的に置換されていてもよい。
本明細書で使用するとき、「対象」という用語は、治療、観察、若しくは実験の対象であるか、又は対象であったことがある、動物、好ましくは哺乳動物(例えば、ネコ、イヌ、霊長類、又はヒト)、より好ましくはヒトを指す。
用語「治療的有効量」は、本明細書で使用するとき、研究者、獣医、医師、又は他の臨床医により求められている、治療されている疾患又は障害の症状の緩和若しくは逆転を含む、組織系、動物、又はヒト内で生体学的反応又は医薬反応を引き出す活性化合物又は医薬品の量を意味する。
「組成物」という用語は、特定の成分を特定の量で含む製品、及び特定の量の特定の成分の組み合わせから直接的又は間接的に得られる任意の製品を包含することを意図する。
本明細書で使用するとき、「治療」という用語は、必ずしも全ての症状の完全な消失を示すものではないが疾患の進行を遅延、妨害、阻止、又は停止させ得る全てのプロセスを指すことを意図する。
本明細書で使用するとき、「(本)発明の化合物」又は「本発明による化合物」という用語は、式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物を含むことを意味する。
本明細書で使用するとき、実線としてのみ示され、実線のくさび状の結合若しくはハッシュ化されたくさび状の結合として示されないか、又はそうでなければ1つ若しくは2つ以上の原子の周囲に特定の配置(例えば、R、S)を有するものとして示される結合を有する任意の化学式は、各可能な立体異性体、又は2つ若しくは3つ以上の立体異性体の混合物を企図する。
上記及び下記において、「式(I)の化合物」という用語は、その互変異性体及びその立体異性体形態を含むことを意味する。
上記及び下記の「立体異性体(stereoisomer)」、「立体異性体形態(stereoisomeric form)」又は「立体化学的異性体形態」という用語は、互換的に使用される。
本発明は、純粋な立体異性体として、又は2つ若しくは3つ以上の立体異性体の混合物としてのいずれかの、本発明の化合物の全ての立体異性体を含む。
エナンチオマーは、互いに重ね合わせることができない鏡像である立体異性体である。1対のエナンチオマーの1:1混合物は、ラセミ体又はラセミ混合物である。
アトロプ異性体(又はアトロポ異性体)は、大きな立体障害に起因して、単結合の周りの束縛回転から生じる、特定の空間配置を有する立体異性体である。式(I)の化合物の全てのアトロプ異性体は、本発明の範囲内に含まれることが意図される。
ジアステレオマー(又はジアステレオ異性体)は、エナンチオマーではない立体異性体であり、すなわち、それらは、鏡像として関連していない。化合物が二重結合を含有する場合、置換基は、E又はZ配置にあり得る。
二価の環状飽和又は部分飽和ラジカル上の置換基は、シス構成又はトランス配置のいずれかを有し得、例えば、化合物が二置換シクロアルキル基を含有する場合、置換基は、シス又はトランス配置にあり得る。
したがって、本発明は、化学的に可能な場合は常に、エナンチオマー、アトロプ異性体、ジアステレオマー、ラセミ体、E異性体、Z異性体、シス異性体、トランス異性体、及びそれらの混合物を含む。
全ての用語の意味、すなわち、エナンチオマー、アトロプ異性体、ジアステレオマー、ラセミ体、E異性体、Z異性体、シス異性体、トランス異性体、及びそれらの混合物は、当業者に知られている。
絶対配置は、Cahn-Ingold-Prelogシステムに従って特定される。非対称原子における配置は、R又はSのいずれかによって特定される。絶対配置が知られていない分解された立体異性体は、
それらが平面偏光を回転させる方向に応じて、(+)又は(-)に指定され得る。例えば、絶対配置が知られていない分解されたエナンチオマーは、それらが平面偏光を回転させる方向に応じて、(+)又は(-)に指定され得る。
特定の立体異性体が特定される場合、これは、上記立体異性体が他の立体異性体を実質的に含まない、すなわち、他の立体異性体の50%未満、好ましくは20%未満、より好ましくは10%未満、更により好ましくは5%未満、特に2%未満、最も好ましくは1%未満と関連していることを意味する。したがって、式(I)の化合物が、例えば、(R)として特定される場合、これは、化合物が(S)異性体を実質的に含まないことを意味し、式(I)の化合物が、例えば、Eとして特定される場合、これは、化合物がZ異性体を実質的に含まないことを意味し、式(I)の化合物が、例えば、シスとして特定される場合、これは、化合物がトランス異性体を実質的に含まないことを意味する。
式(I)による化合物のいくつかはまた、それらの互変異性型で存在し得る。上記式(I)には明示的に示されていないが、存在し得る限りにおいてかかる型は、本発明の範囲に含まれることが意図される。したがって、単一の化合物が立体異性体形態及び互変異性形態の両方で存在し得ることになる。
薬学的に許容される塩としては、酸付加塩及び塩基付加塩が挙げられる。そのような塩は、従来の手段によって、例えば、遊離酸形態又は遊離塩基形態を、適切な塩基又は酸の1つ又は2つ以上の等価物と、任意選択的に溶媒中で、又は塩が不溶性である媒体中で反応させ、続いて標準的な技術を使用して(例えば、真空で、凍結乾燥法によって、又は濾過によって)、上記溶媒又は上記媒体を除去することによって形成され得る。塩はまた、例えば、好適なイオン交換樹脂を使用して、塩の形態の本開示の化合物の対イオンを別の対イオンと交換することによって調製されてもよい。
上記及び下記で言及される薬学的に許容される塩は、式(I)の化合物及びその溶媒和物が形成可能である治療的に活性な非毒性酸及び塩基の塩形態を含むことを意味する。
適切な酸は、例えば、ハロゲン化水素酸、例えば、塩酸若しくは臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などの酸などの無機酸;又は例えば、酢酸、プロパン酸、ヒドロキシ酢酸、乳酸、ピルビン酸、シュウ酸(すなわち、エタン二酸)、マロン酸、コハク酸(すなわち、ブタン二酸)、マレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、シクラム酸、サリチル酸、p-アミノサリチル酸、パモン酸などの酸などの有機酸を含む。逆に、上記塩形態は、適切な塩基で処理することによって、遊離塩形態に変換されることができる。
酸性プロトンを含有する式(I)の化合物又はその溶媒和物は、適切な有機塩基及び無機塩基での処理によって、それらの非毒性金属又はアミン塩形態に変換されてもよい。
適切な塩基塩形態は、例えば、アンモニウム塩、アルカリ及びアルカリ土類金属塩、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム塩など、有機塩基、例えば、一級、二級及び三級脂肪族アミン及び芳香族アミン、例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、4つのブチルアミン異性体、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジエタノールアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジ-n-ブチルアミン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、キヌクリジン、ピリジン、キノリン、及びイソキノリンを有する塩;ベンズアチン、N-メチル-グルカミン、ヒドラバミン塩、及びアミノ酸、例えばアルギニン、リジンなどを有する塩を含む。逆に、塩基形態は、酸で処理することによって、遊離塩基形態に変換されることができる。
「プロドラッグ」という用語は、経口又は非経口投与、特に経口投与後に、実験的に検出可能な量で、かつ所定の時間内に、例えば、0.5~24時間の投与間隔内に、又は例えば6~24時間の投与間隔内に、すなわち1日1~4回)代謝されて、(インビボで(より)活性な形態になる任意の化合物を含む。誤解を避けるために、「非経口」投与という用語は、経口投与以外の全ての投与形態、特に静脈内intravenous、IV)、筋内(intramuscular、IM)、及び皮下(subcutaneous、SC)注射を含む。
プロドラッグは、このようなプロドラッグが哺乳動物対象に投与された場合に、修飾がインビボで開裂されるように、化合物上に存在する官能基を修飾することによって調製され得る。修飾は、典型的には、プロドラッグ置換基を有する親化合物を合成することによって達成される。いくつかの実施形態では、プロドラッグとしては、ヒドロキシル基、アミノ基、スルフヒドリル基、カルボキシ基又はカルボニル基が、インビボで開裂されて、遊離ヒドロキシル基、アミノ基、スルフヒドリル基、カルボキシ基、又はカルボニル基をそれぞれ再生成し得る、任意の基に結合されている化合物が挙げられる。
プロドラッグの例としては、ヒドロキシ官能基のエステル及びカルバメート、カルボキシル官能基のエステル基、N-アシル誘導体及びN-マンニッヒ塩基が挙げられるが、これらに限定されない。プロドラッグに関する一般的な情報は、例えば、Bundegaard,H.「Design of Prodrugs」p.l-92,Elesevier,New York-Oxford(1985)に見出すことができる。
溶媒和物という用語は、式(I)の化合物が形成することができる、溶媒付加形態、並びにその塩を含む。そのような溶媒付加形態の例は、例えば、水和物、アルコラートなどである。
以下に記載されるプロセスで調製される本発明の化合物は、エナンチオマーの混合物、特にエナンチオマーのラセミ混合物の形態で合成され得、これは、技術分野で既知の分解手順に従って互いに分離され得る。式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物のエナンチオマー形態を分離する方法は、キラル固定相を使用する液体クロマトグラフィを含む。上記純粋な立体化学的異性体はまた、反応が立体特異的に起こるという条件で、適切な出発物質の対応する純粋な立体化学的異性体から誘導されてもよい。好ましくは、特定の立体異性体が所望される場合、上記化合物は、立体特異的な調製方法によって合成されるであろう。これらの方法は、有利には、エナンチオマー的に純粋な出発物質を採用するであろう。
本明細書で使用されるとき、「エナンチオマー的に純粋な」という用語は、製品が、少なくとも80重量%の1つのエナンチオマー及び20重量%以下の他のエナンチオマーを含有することを意味する。好ましくは、製品は、少なくとも90重量%の1つのエナンチオマー及び10重量%以下の他のエナンチオマーを含有する。最も好ましい実施形態では、「エナンチオマー的に純粋な」という用語は、組成物が、少なくとも99重量%の1つのエナンチオマー及び1%以下の他のエナンチオマーを含有することを意味する。
本発明はまた、本明細書に列挙されるものと同一である本発明の同位体標識された化合物を包含するが、それは、1つ又は2つ以上の原子が、通常天然に見られる原子質量又は質量数とは異なる原子質量又は質量数を有する原子(又は天然に見出される最も豊富な原子)によって置き換えられるという事実のためである。
本明細書で特定される任意の特定の原子又は元素の全ての同位体及び同位体混合物は、天然存在度で、又は同位体濃縮形態でのいずれかで天然に存在しても、合成的に生成されても、本発明の化合物の範囲内で企図される。本発明の化合物に組み込むことができる例示的な同位体としては、水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素、塩素、及びヨウ素の同位体が挙げられ、H、H、11C、13C、14C、13N、15O、17O、18O、32P、33P、35S、18F、36Cl、122I、123I、125I、131I、75Br、76Br、77Br、及び82Brなどがある。好ましくは、同位体は、H、H、11C、13C、及び18Fの群から選択される。好ましくは、同位体は、H、H、11C、及び18Fの群から選択される。より好ましくは、同位体は、H、H又は13Cである。より好ましくは、同位体は、H又は13Cである。より好ましくは、同位体は、Hである。特に、重水素化合物及び13C富化化合物は、本発明の範囲内に含まれることが意図される。特に、重水素化合物は、本発明の範囲内に含まれるものとする。
本発明のある特定の同位体標識された化合物(例えば、H及び14Cで標識されたもの)は、例えば、基質組織分布アッセイにおいて有用であり得る。トリチウム化(H)及び炭素-l4(14C)同位体は、調製及び検出可能性の容易さのために有用である。更に、より重い同位体、例えば、重水素(すなわち、H)などによる置換を行うと、代謝安定性がより高くなり(例えば、インビボにおける半減期が増大し、又は必要な投与量が減少する)、その結果、ある特定の治療的利点が得られ、したがって、状況次第で好ましい場合がある。例えば、15O、13N、11C、及び18Fはなどの陽電子放出同位体は、陽電子放出断層撮影(positron emission tomography、PET)研究に有用である。がんにおけるPETイメージングは、腫瘍の位置特定及び識別、疾患の段階、並びに好適な治療を決定するのに役立つ有用性を見出す。ヒトがん細胞は、潜在的な疾患特異的分子標的である多くの受容体又はタンパク質を過剰発現する。腫瘍細胞上にあるそのような受容体又はタンパク質に、高い親和性及び特異性で結合する放射性標識されたトレーサは、診断イメージング及び標的放射性核種療法(Charron,Carlie L.et al.Tetrahedron Lett.2016,57(37),4119-4127)の大きな可能性を有する。更に、標的特異的PET放射線トレーサは、例えば、標的発現及び治療応答を測定することによって、病理を調査及び評価するためのバイオマーカーとして使用され得る(Austin R.et al.Cancer Letters(2016),doi:10.1016/j.canlet.2016.05.008)。
本発明は、特に、本明細書で定義される式(I)[式中、
1aが、-C(=O)-NRxaxb、Het、又は
Figure 2024521902000007
を表し、
Hetが、1、2又は3個の窒素原子及び任意選択的に、カルボニル部分を含有する5員又は6員単環式芳香族環を表し、
上記5員又は6員単環式芳香族環が、C3~6シクロアルキル及び
1~4アルキルからなる群から選択される1、2又は3個の置換基で任選択的に置換されており、
xa及びRxbが、各々独立して、水素;C1~4アルキル;C3~6シクロアルキル;1、2又は3個のハロ原子で置換されているC1~4アルキル;及び1個の-OH、-OC1~4アルキル又はNR11c11dで置換されているC1~4アルキル;からなる群から選択され、
1bが、F又はClを表し、
1cが、H又はハロを表し、
が、-O-を表し、
が、水素を表し、
Uが、Nを表し、
n1、n2、n3及びn4が、各々独立して、1及び2から選択され、
が、CHを表し、Xが、Nを表し、
が、C1~5アルキル、
Figure 2024521902000008
を表し、
が、C1~6アルキル-NR8a8bを表し、
の定義におけるC1~6アルキル部分が、シアノ、ハロ、-OH、及び
-O-C1~4アルキルからなる群から各々独立して選択される1、2又は3個の置換基で置換されていてもよく、
8a及びR8bが、各々独立して、水素;C1~6アルキル;-C(=O)-C1~4アルキル;-C(=O)-O-C1~4アルキル;-C(=O)-NR12a12b;及び-OH、シアノ、ハロ、-C≡C、-CH=CH、-S-C1~4アルキル、-S(=O)-C1~4アルキル、-S(=O)-NR11a11b、-O-C1~4アルキル、-C(=O)-NR10a10b、-NR10c-C(=O)-C1~4アルキル、1個のNR11a11bで置換されている-O-C1~4アルキル、及び1、2又は3個のハロ原子で置換されている-O-C1~4アルキルからなる群から各々独立して選択される1、2又は3個の置換基で置換されているC1~6アルキル;からなる群から選択され、
10a、R10b、R10c、R11a、R11b、R12a、及びR12bが、各々独立して、水素及びC1~6アルキルからなる群から選択され、
11c及びR11dが、各々独立して、水素、
1~6アルキル及び-C(=O)-C1~4アルキルからなる群から選択される]の化合物、並びにその互変異性体及び立体異性体形態、
並びにそれらの薬学的に許容される塩及び溶媒和物に関し、
ただし、以下の条件:
a)R1aが、Hetを表し、5員又は6員単環式芳香族環が、C3~6シクロアルキル及びC1~4アルキルからなる群から選択される3個の置換基で置換されており、
b)R1aが、-C(=O)-NRxaxbを表し、Rxaが、1個の-OH、-OC1~4アルキル又はNR11c11dで置換されているC1~4アルキル;及び1、2又は3個のハロ原子で置換されているC1~4アルキル;からなる群から選択され、
c)R1cが、ハロを表し、
d)Rが、イソプロピル以外であり、
e)Rが、-C1~6アルキル-NR8a8bを表し、R8aが、-C≡C、
-CH=CH、-S-C1~4アルキル、-S(=O)-NR11a11b、1個のNR11a11bで置換されている-O-C1~4アルキル、及び1、2又は3個のハロ原子で置換されている-O-C1~4アルキルからなる群から各々独立して選択される1、2又は3個の置換基により置換されているC1~6アルキルである、のうちの少なくとも1つが満たされることを条件とする。
本発明は、特に、本明細書で定義される式(I)[式中、
1aが、-C(=O)-NRxaxbを表し、
xa及びRxbが、各々独立して、C1~4アルキル;及び1個の-OH若しくはNR11c11dで置換されているC1~4アルキル;からなる群から選択され、
1bが、Fを表し、
1cが、H又はハロを表し、
が、-O-を表し、
が、水素を表し、
n1、n2、n3及びn4が、各々独立して、1及び2から選択され、
が、CHを表し、Xが、Nを表し、
が、C1~5アルキルを表し、
が、-C1~6アルキル-NR8a8bを表し、
の定義におけるC1~6アルキル部分が、1、2又は3個の-OH置換基で置換されていてもよく、
8a及びR8bが、各々独立して、水素;C1~6アルキル;及び-C≡C、-CH=CH、-S-C1~4アルキル、-S(=O)-NR11a11b、-O-C1~4アルキル、1個のNR11a11bで置換されている-O-C1~4アルキル、及び1、2又は3個のハロ原子で置換されている-O-C1~4アルキルからなる群から各々独立して選択される1、2又は3個の置換基で置換されているC1~6アルキル;からなる群から選択され、
11a及びR11bが、水素を表し、
11c及びR11dが、各々独立して、水素、及び-C(=O)-C1~4アルキルからなる群から選択される]の化合物、並びにその互変異性体及び立体異性体形態、
並びにそれらの薬学的に許容される塩及び溶媒和物に関し、
ただし、以下の条件:
a)R1aが、-C(=O)-NRxaxbを表し、Rxaが、1個の-OH若しくはNR11c11dで置換されているC1~4アルキル;からなる群から選択され、
b)R1cが、ハロを表し、
c)R、tert-ブチルであり、
d)Rが、-C1~6アルキル-NR8a8bを表し、R8aが、-C≡C、
-CH=CH、-S-C1~4アルキル、-S(=O)-NR11a11b、1個のNR11a11bで置換されている-O-C1~4アルキル、及び1、2又は3個のハロ原子で置換されている-O-C1~4アルキルからなる群から各々独立して選択される1、2又は3個の置換基で置換されているC1~6アルキルである、のうちの少なくとも1つが満たされることを条件とする。
ある実施形態では、本発明は、他の実施形態のいずれかで述べたような、それらの式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物、又はそれらの任意のサブグループに関し、式中、R1bが、Fを表す。
ある実施形態では、本発明は、他の実施形態のいずれかで述べたような、それらの式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物、又はそれらの任意のサブグループに関し、式中、Rは、水素を表す。
ある実施形態では、本発明は、他の実施形態のいずれかで述べたような、それらの式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物、又はそれらの任意のサブグループに関し、式中、n1は1であり、n2は2であり、n3は1であり、n4は1である。
ある実施形態では、本発明は、他の実施形態のいずれかで述べたような、それらの式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物、又はそれらの任意のサブグループに関し、式中、Yは、-O-を表す。
ある実施形態では、本発明は、他の実施形態のいずれかで述べたような、それらの式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物、又はそれらの任意のサブグループに関し、式中、
は、-O-を表し、
Uは、Nを表す。
ある実施形態では、本発明は、他の実施形態のいずれかで述べたような、それらの式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物、又はそれらの任意のサブグループに関し、式中、Uは、Nを表す。
ある実施形態では、本発明は、他の実施形態のいずれかで述べたような、それらの式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物、又はそれらの任意のサブグループに関し、式中、
は、-O-を表し、
Uは、Nを表し、
1bは、Fを表し、
は、水素を表す。
ある実施形態では、本発明は、他の実施形態のいずれかで述べたような、それらの式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物、又はそれらの任意のサブグループに関し、式中、
1aは、-C(=O)-NRxaxb
は、-O-を表し、
Uは、Nを表し、
1bは、Fを表し、
1cは、Hを表し、
は、水素を表し、
は、C1~5アルキルを表し、
は、C1~6アルキル-NR8a8bを表す。
ある実施形態では、本発明は、他の実施形態のいずれかで述べたような、それらの式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物、又はそれらの任意のサブグループに関し、式中、
1aは、-C(=O)-NRxaxb
は、-O-を表し、
Uは、Nを表し、
n1は1であり、n2は2であり、n3は1であり、n4は1である。
1bは、Fを表し、
1cは、Hを表し、
は、水素を表し、
は、C1~5アルキルを表し、
は、C1~6アルキル-NR8a8bを表す。
ある実施形態では、本発明は、他の実施形態のいずれかで述べたような、それらの式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物、又はそれらの任意のサブグループに関し、式中、R1aは、-C(=O)-NRxaxbを表す。
ある実施形態では、本発明は、他の実施形態のいずれかで述べたような、それらの式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物、又はそれらの任意のサブグループに関し、式中、Rは、-C1~6アルキル-NR8a8bを表す。
ある実施形態では、本発明は、他の実施形態のいずれかで述べたような、それらの式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物、又はそれらの任意のサブグループに関し、式中、Rは、-CH-CH-CH-NR8a8bを表す。
ある実施形態では、本発明は、他の実施形態のいずれかで述べたような、それらの式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物、又はそれらの任意のサブグループに関し、式中、Rの定義におけるC1~6アルキル-C1~6アルキル-NR8a8bは、-CH-CH-CH-に限定される。
ある実施形態では、本発明は、他の実施形態のいずれかで述べたような、それらの式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物、又はそれらの任意のサブグループに関し、以下の条件:
a)R1aが、-C(=O)-NRxaxbを表し、Rxaが、1個の-OH、-OC1~4アルキル又はNR11c11dで置換されているC1~4アルキル、及び1、2又は3個のハロ原子で置換されているC1~4アルキルからなる群から選択され、
b)R1cが、ハロを表し、
が、イソプロピル以外であり、
d)Rが、-C1~6アルキル-NR8a8bを表し、R8aが、-C≡C、
-CH=CH、-S-C1~4アルキル、-S(=O)-NR11a11b、1個のNR11a11bで置換されている-O-C1~4アルキル、及び1、2又は3個のハロ原子で置換されている-O-C1~4アルキルからなる群から各々独立して選択される1、2又は3個の置換基で置換されているC1~6アルキルである、のうちの少なくとも1つが満たされることを条件する。
ある実施形態では、本発明は、他の実施形態のいずれかで述べたような、それらの式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物、又はそれらの任意のサブグループに関し、式中、R1aは、Hetを表し、5員又は6員単環式芳香族環は、C3~6シクロアルキル及びC1~4アルキルからなる群から選択される3個の置換基で置換されている。
ある実施形態では、本発明は、他の実施形態のいずれかで述べたような、それらの式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物、又はそれらの任意のサブグループに関し、式中、R1aは、-C(=O)-NRxaxbを表し、Rxaは、1個の-OH、-OC1~4アルキル、又はNR11c11dで置換されているC1~4アルキル、及び1、2又は3個のハロ原子で置換されているC1~4アルキルからなる群から選択される。
ある実施形態では、本発明は、他の実施形態のいずれかで述べたような、それらの式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物、又はそれらの任意のサブグループに関し、式中、R1cは、ハロを表す。
ある実施形態では、本発明は、他の実施形態のいずれかで述べたような、それらの式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物、又はそれらの任意のサブグループに関し、式中、R1cは、Brを表す。
ある実施形態では、本発明は、他の実施形態のいずれかで述べたような、それらの式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物、又はそれらの任意のサブグループに関し、式中、Rは、他のイソプロピルを表す。
ある実施形態では、本発明は、他の実施形態のいずれかで述べたような、それらの式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物、又はそれらの任意のサブグループに関し、式中、Rは、tert-ブチルを表す。
ある実施形態では、本発明は、他の実施形態のいずれかで述べたような、それらの式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物、又はそれらの任意のサブグループに関し、式中、Rは、-C1~6アルキル-NR8a8bを表し、R8aは、-C≡C、-CH=CH、-S-C1~4アルキル、-S(=O)-NR11a11b、1個のNR11a11bで置換されているO-C1~4アルキル、及び1、2又は3個のハロ原子で置換されている-O-C1~4アルキルからなる群から各々独立して選択される1、2又は3個の置換基で置換されているC1~6アルキルである。
ある実施形態では、本発明は、一般的な反応スキームに定義される式(I)のサブグループに関する。
ある実施形態では、式(I)の化合物は、例示された化合物のいずれか、
その互変異性体及びその立体異性体形態、
並びにそれらの遊離塩基、任意の薬学的に許容される塩及び溶媒和物からなる群から選択される。
上記の実施形態の全ての可能な組み合わせは、本発明の範囲内に包含されるとみなされる。
式(I)の化合物の調製のための方法
このセクションでは、文脈がそうでないことを示さない限り、他の全てのセクションにおいて、式(I)への言及は、本明細書で定義される他の全てのサブグループ及びその実施例も含む。
式(I)の化合物のいくつかの典型的な実施例の一般的な調製を以下に記載し、特定の実施例では、それらは通常、市販されているか、又は有機化学の分野における当業者によって一般的に使用される標準的な合成プロセスによって調製されるかのいずれかである出発物質から一般的に調製される。以下のスキームは、本発明の実施例を示すものに過ぎず、本発明を何ら限定するものではない。
代替として、本発明の化合物はまた、当業者によって一般的に使用される標準的な合成プロセスと組み合わせて、以下の一般的なスキームに記載されるような類似の反応プロトコルによって調製されてもよい。
当業者は、スキームに記載される反応において、これは常に明示的に示されていないが、反応性官能基(例えば、ヒドロキシ、アミノ、又はカルボキシ基)を、これらが最終生成物中に望ましい場合、保護して、反応への望ましくない関与を回避することが必要であり得ることを理解するであろう。一般に、従来の保護基(protecting group、PG)は、標準的な実施に従って使用することができる。保護基は、その後の好都合な段階において、当該技術分野で周知の方法を用いて除去することができる。
当業者は、スキームに記載される反応において、例えば、N-ガス雰囲気下など、不活性雰囲気下で反応を実施することが推奨又は必要であり得ることを理解するであろう。
反応混合物を反応作業前に冷却することが必要であり得ることは、当業者にとって明らかであろう(例えば、クエンチング、カラムクロマトグラフィ、抽出など、化学反応の生成物を単離及び精製するために必要な一連の操作を指す)。
当業者は、撹拌下で反応混合物を加熱することが反応結果を増強し得ることを理解するであろう。いくつかの反応では、従来の加熱の代わりにマイクロ波加熱を使用して、全体的な反応時間を短縮することができる。
当業者は、以下のスキームに示される別の一連の化学反応もまた、式(I)の所望の化合物をもたらし得ることを理解するであろう。
当業者は、以下のスキームに示される中間体及び最終化合物が、当業者によって周知の方法に従って更に官能化され得ることを理解するであろう。本明細書に記載される中間体及び化合物は、遊離形態で、又はその塩若しくは溶媒和物として単離され得る。本明細書に記載される中間体及び化合物は、互変異性体と立体異性体形態との混合物の形態で合成することができ、それは、その分野で既知の分解手順に従って互いに分離することができる。
一般的な合成スキーム
一般的スキームにおいて使用される全ての略語は、実施例のパートの表において定義される通りである。変数は、範囲において定義される通りであるか、又は一般的スキームにおいて具体的に定義される通りである。
パートA)スキーム1a、1b、1c、2a、2b及び3
Figure 2024521902000009
スキーム1a、1b、及び1cにおいて、以下の反応条件が適用される:
ステップ1:好適な温度、例えば-70℃で、好適な塩基、例えばTMEDAの存在下で、好適な有機金属試薬、例えばイソプロピルマグネシウムブロミドを用いて、好適な溶媒、例えばTHF中で、
ステップ2:好適な温度、例えば0℃~室温で、好適な酸化試薬、例えばDMPの存在下で、好適な溶媒、例えばDCM中で、
ステップ3:好適な温度、例えば-20℃~室温で、好適な有機金属試薬、例えばイソプロピルマグネシウムブロミドの存在下で、好適な溶媒、例えばTHF中で、
ステップ4:好適な温度、例えば80℃で、好適な塩基、例えばNaOHの存在下で、好適な溶媒、例えばTHF及びHO中で、
ステップ5:好適な温度、例えば室温で、好適なアミド縮合試薬、例えばEDCI及びHOBtの存在下で、好適な塩基、例えばNMMの存在下で、好適な溶媒、例えばDCM中で、
ステップ6:好適な温度、例えば-70℃で、好適な有機金属試薬、例えば、イソプロピルリチウムの存在下で、好適な溶媒、例えばTHF中で、
ステップ7:好適な温度、例えば90℃で、好適な有機金属触媒、例えばPd(dppf)Clの存在で、好適な塩基、例えばNaCOの存在下で、好適な溶媒、例えば1,4-ジオキサン及びHO中で、
ステップ8:好適な温度、例えば0℃~室温で、好適なルイス酸、例えばBBrの存在下で、好適な溶媒、例えばDCM中で、
ステップ9:好適な温度、例えば-78℃~40℃、特に0℃~室温で、好適な塩基、例えば、TEA、DBU又はKCOの存在下で、好適な溶媒、例えば、DCM、THF又はDMF中で、
Figure 2024521902000010
Figure 2024521902000011
スキーム2a及び2bにおいて、以下の反応条件が適用される:
ステップ9:スキーム1のステップ9を参照されたい。
ステップ10:好適な温度、例えば、室温で、好適な触媒、例えば、Pd/Cなどの存在下で、好適な還元試薬、例えばHの存在下で、任意選択的に好適な塩基、例えばTEAの存在下で、好適な溶媒、例えば、THF中で、
あるいは、好適な温度で、例えば室温で、好適な溶媒、例えば、Pd(dppf)Cl・DCM錯体、好適な還元試薬、例えば、NaBH、好適な塩基、例えばTMEDAの存在下で、好適な溶媒、例えばTHF中で行うことができる。
ステップ11:N脱保護の場合、好適な温度、例えば、室温で、好適な酸、例えば、TFAの存在下、好適な溶媒、例えば、DCM中で、O脱保護の場合、好適な温度、例えば、室温で、好適な酸、例えば4-メチルベンゼンスルホン酸の存在下で、好適な溶媒、例えばMeOH中で、
ステップ12:好適な温度、例えば、80℃で、任意選択的に好適なルイス酸、例えばZnClの存在下で、好適な還元試薬、例えばNaBHCNの存在下で、好適な溶媒、例えばMeOH中で、
ステップ13:好適な温度、例えば室温で、好適な有機金属触媒、例えば、Ag(Phen)OTfの存在下で、好適な臭素化試薬、例えば1,3-ジブロモ-1,3,5-トリアジナン-2,4,6-トリオンの存在下で、好適な溶媒、例えばDCE中で、
ステップ14:好適な温度、例えば室温で、好適な塩素化試薬、例えば、塩化オキサリルの存在下で、DMFの存在下で、好適な溶媒、例えばDCM中で行うことができる。
Figure 2024521902000012
スキーム3において、以下の反応条件が適用される:
ステップ11~12:スキーム2のステップ11~12を参照されたい。
ステップ15:好適な温度、例えば80℃で、好適な塩基、例えばCsCOの存在下で、好適な溶媒、例えばDMF中で、
ステップ16:好適な温度、例えば40℃で、好適な塩基、例えばアンモニアの存在下で、好適な溶媒、例えば1,4-ジオキサン中で行うことができる。
パートB)スキーム4、5、6、7、8、9、10、11及び12
Figure 2024521902000013
スキーム4において、以下の反応条件が適用される:
ステップ1:好適な温度、例えば90℃で、好適な有機金属触媒、例えばPd(dppf)Clの存在下で、好適な塩基、例えばNaCOの存在下で、好適な溶媒、例えば1,4-ジオキサン及びHO中で、
ステップ2:好適な温度、例えば室温で、好適なアミド縮合試薬、例えばHATUの存在下で、好適な塩基、例えばDIEAの存在下で、好適な溶媒、例えばDCM中で、
ステップ3:好適な温度、例えば-78℃~室温で、好適なルイス酸、例えばBBrの存在下で、好適な溶媒、例えばDCM中で、
ステップ4:好適な温度、例えば、例えば-78℃~40℃、特に0℃~室温で、好適な塩基、例えば、TEA、DBU又はKCOの存在下で、好適な溶媒、例えば、DCM、THF又はDMF中で、
ステップ5:好適な温度、例えば室温で、好適な塩基、例えばLiOH・HOの存在下で、好適な溶媒、例えばTHF及びHO中で、
ステップ6:好適な温度、例えば室温で、好適な有機金属触媒、例えばAg(Phen)OTfの存在下で、好適な臭素化試薬、例えば1,3-ジブロモ-1,3,5-トリアジナン-2,4,6-トリオンの存在下で、好適な溶媒、例えばDCE中で、
ステップ7:好適な温度、例えば室温で、好適な臭素化試薬、例えば1,3-ジブロモ-1,3,5-トリアジナン-2,4,6-トリオンの存在下で、溶媒としての2,2,2-トリフルオロエタン-1-オールの存在下で行うことができる。
Figure 2024521902000014
スキーム5において、以下の反応条件が適用される:
ステップ8:好適な温度、例えば-78℃~40℃、特に0℃~室温で、好適な塩基、例えば、TEA、DBU又はKCOの存在下で、好適な溶媒、例えば、DCM、THF又はDMF中で、
ステップ9:好適な温度、例えば-78℃~40℃、特に0℃~室温で、好適な塩基、例えば、TEA、DBU又はKCOの存在下で、好適な溶媒、例えば、DCM、THF又はDMF中で、
ステップ10:好適な温度、例えば室温で、好適な有機金属触媒、例えばPd/C、及び好適な塩基、例えばTEAの存在下で、好適な溶媒、例えばH雰囲気下でMeOH中で、
ステップ11:PGがBocである場合、好適な温度、例えば室温で、好適な酸、例えばTFAの存在下で、好適な溶媒、例えばDCM中で行うことができる。
Figure 2024521902000015
スキーム6において、以下の反応条件が適用される:
ステップ12:還元的アミノ化条件、好適な温度、例えば室温~80℃で、好適なルイス酸、例えばZnCl、又は酸、例えばAcOHの存在下若しくは非存在下で、又は好適な還元剤、例えばNaBHCNの存在下で、好適な溶媒、例えばMeOH中で、
ステップ13:好適な温度、例えば0℃で、好適な求電子剤、例えばMsClの存在下で、好適な塩基、例えばTEAの存在下で、好適な溶媒、例えばDCMの中で、
ステップ14:好適な温度、例えば0℃~室温で、好適な酸化剤、例えばDMPの存在下で、好適な溶媒、例えばDCM中で、
ステップ15:好適な温度、例えば50℃で、好適な酸、例えばHClの存在下で、好適な溶媒、例えばACN中で、
ステップ16:好適な温度、例えば室温で、好適な塩基、例えばTEAの存在下又は非存在下で、好適な溶媒、例えばTHF中で行うことができる。
Figure 2024521902000016
スキーム7において、以下の反応条件が適用される:
ステップ11:PGがBocである場合、好適な温度、例えば室温で、好適な酸、例えばTFAの存在下で、好適な溶媒、例えばDCM中で、
ステップ12:還元的アミノ化条件、好適な温度、例えば室温~80℃で、好適なルイス酸、例えばZnCl、又は酸、例えばAcOHの存在下若しくは非存在下で、又は好適な還元剤、例えばNaBHCNの存在下で、好適な溶媒、例えばMeOH中で、
ステップ17:好適な温度、例えば室温~80℃で、好適な塩基、例えばDIEA又はCsCOの存在下で、好適な溶媒、例えばDCM又はDMF中で、
ステップ18:好適な温度、例えば40℃で、好適な塩基、例えばアンモニアの存在下で、好適な溶媒、例えば1,4-ジオキサン中で行うことができる。
Figure 2024521902000017
スキーム8において、以下の反応条件が適用される:
ステップ9:好適な温度、例えば、-78℃~40℃、特に0℃~室温で、好適な塩基、例えば、TEA、DBU又はKCOの存在下で、好適な溶媒、例えばDCM、THF又はDMF中で、
ステップ10:好適な温度、例えば室温で、好適な有機金属触媒、例えばPd/Cの存在下で、任意選択的に好適な塩基、例えばTEAの存在下で、好適な溶媒、例えばH雰囲気下でMeOH中で、
ステップ19:好適な温度、例えば室温で、好適な塩素化試薬、例えば、塩化オキサリルの存在下で、DMFの存在下で、好適な溶媒、例えばDCM中で、
ステップ20:好適な温度、例えば90℃で、好適な求核性アミンの存在下、好適な溶媒、例えばEtOH中で、
ステップ21:好適な温度、例えば室温で、好適な酸、ジオキサン中のHClの存在下で、好適な溶媒、例えばMeOH中で、
ステップ22:好適な温度、例えば110℃で、好適なホウ素試薬、例えばトリメチルボロキシンの存在下で、好適な有機金属触媒、例えばテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)の存在下で、好適な塩基、例えばKCOの存在下で、好適な溶媒、例えば1,4-ジオキサン中で行うことができる。
Figure 2024521902000018
スキーム9において、以下の反応条件が適用される:
ステップ23:好適な温度、例えば、-78℃~-25℃で、好適な塩基、例えばDIEA及びn-BuLiの存在下で、好適な溶媒、例えばTHF存在中で、s
ステップ24:好適な温度、例えば-65℃~-55℃で、好適な還元剤、例えば、DIBAL-Hの存在下で、好適な溶媒、例えばトルエン、好ましくは好適なフロー化学系で行われ、
ステップ25:最初に、好適な温度、例えば、-10℃~10℃で、好適な塩基、例えば、DMAPの存在下で、好適な縮合剤、例えばDCCの存在下で、好適な溶媒、例えばDCM中で、次いで、好適な温度、例えば-10℃~0℃で、好適な酸、例えばAcOHの存在下で、好適な還元剤、例えばNaBHの存在下で、好適な溶媒、例えばDCM中で、
ステップ26:好適な溶媒、例えばトルエン中で加熱還流する。
ステップ27:好適な温度、例えば、-5℃~5℃で、好適な還元剤、例えばLiBHの存在下で、好適な溶媒、例えば2-メチルテトラヒドロフラン中で、
ステップ28:好適な温度、例えば15℃~25℃で、好適な還元剤、例えばNaBH(OAc)の存在下で、好適な溶媒、例えばDCM中で、
ステップ29:好適な温度、例えば15℃~25℃で、好適な酸、例えばHClの存在下で、好適な溶媒、例えばIPA中で、
ステップ30:好適な温度、例えば5℃~30℃で、好適な塩基、例えばTEAの存在下で、好適な還元剤、例えばNaBH(OAc)の存在下で、好適な溶媒、例えばトルエン中で、
ステップ31:好適な温度、例えば50℃~55℃で、好適な塩基、例えばKHPOの存在下で、好適な溶媒、例えばHO中で、
ステップ32:PGがBnである場合、好適な温度、例えば-5℃~45℃で、好適な圧力範囲内、例えば0.27~0.40MPaで水素雰囲気下で、好適な触媒、例えば水酸化パラジウム炭素の存在下で、好適な酸、例えばMSAの存在下で、好適な溶媒、例えばEtOH中で、
ステップ33:好適な温度、例えば-50℃~-40℃で、好適な塩基、例えばTEAの存在下で、好適な溶媒、例えば2-メチルテトラヒドロフラン中で、
ステップ34:好適な温度、例えば20℃~30℃で、好適な塩基、例えばTMGの存在下で、好適な溶媒、例えば2-メチルテトラヒドロフラン中で、
ステップ35:好適な温度、例えば20℃~30℃で、好適な圧力範囲内、例えば0.20~0.30MPaで水素雰囲気下で、好適な触媒、例えば水酸化パラジウム炭素の存在下で、好適な溶媒、例えばMeOH中で、
あるいは、好適な温度、例えば室温で、好適な触媒、例えば1,1’-ビス(トリフェニルホスフィン)フェロセン-パラジウム(II)ジクロリドジクロロメタン錯体、好適な還元剤、例えば水素化ホウ素ナトリウム、好適な塩基、例えばN,N,N’,N’-テトラメチルエチレンジアミンの存在下で、好適な溶媒、例えばテトラヒドロフラン中で行うことができる。
スキーム10
一般に、Yが-CH-に限定され、RがWに限定される式(I)の化合物、本明細書において式(Ia)の化合物と称されるものは、以下の反応スキーム10に従って調製することができる。スキーム10において、Wはクロロ、ブロモ又はヨードを表し、他の全ての変数は、本発明の範囲に従って定義される。
Figure 2024521902000019
スキーム10において、以下の反応条件が適用される:
ステップ36:好適な温度、例えば60℃~100℃で、好適な触媒、例えば酢酸パラジウム(Pd(OAc))又はトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(Pd(dba))又はテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)の存在下で、好適な溶媒、例えばテトラヒドロフラン又はジオキサン中で行うことができる。
当業者であれば、化合物(Ia)から出発して、スキーム5のステップ10並びにスキーム8のステップ20、21及び22に報告されているものと類似の化学を行うことができることを理解するであろう。
スキーム11
一般に、Yが-CR5a5bに限定され、RがWに限定される式(I)の化合物、本明細書において式(Ib)の化合物と称されるものは、以下の反応スキーム11に従って調製することができる。スキーム11において、R5a及びR5bの少なくとも1つは水素以外である。他の全ての変数は、本発明の範囲に従って定義される。
Figure 2024521902000020
スキーム11において、以下の反応条件が適用される:
ステップ37:80℃~200℃の範囲の好適な温度で、好適な触媒、例えば酢酸パラジウム(Pd(OAc))の存在下で、好適なリガンド、例えばトリフェニルホスフィン又はトリシクロヘキシルホスフィンの存在下で、好適な溶媒、例えばジオキサン中、好ましくは密閉条件下、所望によりマイクロ波照射下。
当業者であれば、化合物(Ib)から出発して、スキーム5のステップ10並びにスキーム8のステップ20、21及び22に報告されているものと類似の化学を行うことができることを理解するであろう。
スキーム12
Figure 2024521902000021
スキーム12において、以下の反応条件が適用される:
ステップ38:好適な温度、例えば、室温~80℃で、好適な塩基、例えば、DIEA、CsCO又はDBUの存在下で、好適な溶媒、例えばDCM、THF又はDMF中で行われる。
あるいは、好適な温度、例えば、室温~100℃で、好適な触媒、例えばPddbaの存在下で、好適な配位子、例えば、キサントホスの存在下、好適な塩基、例えば、CsCO又はNaCOの存在下で、好適な溶媒、例えば、ジオキサン又はジオキサンと水との混合物中で行うことができる。
当業者は、中間体Aから出発して、YがOを表す場合に報告されたものと類似の化学を行うことができることを理解するであろう。
適切な官能基が存在する場合、様々な式の化合物又はそれらの調製に使用される任意の中間体は、縮合反応、置換反応、酸化反応、還元反応、又は切断反応を用いる1つ又は2つ以上の標準合成方法によって更に誘導体化され得ることが理解されるであろう。特定の置換手法としては、従来のアルキル化、アリール化、ヘテロアリール化、アシル化、スルホニル化、ハロゲン化、ニトロ化、ホルミル化、及びカップリング手順が挙げられる。
式(I)の化合物は、エナンチオマーのラセミ混合物の形態で合成され得、これは、技術分野で既知の分解手順に従って互いに分離され得る。塩基性窒素原子を含有する式(I)のラセミ化合物は、好適なキラル酸との反応によって、対応するジアステレオマー塩形態に変換され得る。その後、上記ジアステレオマー塩形態は、例えば、選択的又は分別的結晶によって分離され、エナンチオマーは、アルカリによってそれから遊離される。式(I)の化合物のエナンチオマー形態を分離する代替的な方法は、キラル固定相を使用する液体クロマトグラフィを含む。上記純粋な立体化学的異性体はまた、反応が立体特異的に起こるという条件で、適切な出発物質の対応する純粋な立体化学的異性体から誘導されてもよい。
本発明の化合物の調製において、中間体の遠隔官能基(例えば、一級又は二級アミン)の保護が必要であり得る。そのような保護の必要性は、遠隔官能基の性質及び調製方法の条件によって変化するであろう。好適なアミノ保護基(NH-Pg)としては、アセチル、トリフルオロアセチル、t-ブトキシカルボニル(Boc)、ベンジルオキシカルボニル(CBz)、及び9-フルオレニルメチレンオキシカルボニル(Fmoc)が挙げられる。そのような保護の必要性は、当業者によって容易に決定される。保護基及びそれらの使用の一般的な説明については、T.W.Greene and P.G.M.Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis,4th ed.,Wiley,Hoboken,New Jersey,2007を参照されたい。
薬理学
本発明の化合物は、メニンとMLLタンパク質及び発がん性MLL融合タンパク質自体との相互作用を遮断するか、又はインビボで(より)活性な形態(プロドラッグ)への代謝を受けることができることが見出された。したがって、本発明による化合物及びそのような化合物を含む医薬組成物は、白血病、骨髄異形成症候群(MDS)、及び骨髄増殖性腫瘍(MPN)を含むがこれらに限定されないがんなどの疾患の治療又は予防、特に治療に有用であり得る。
特に、本発明による化合物及びその医薬組成物は、がんの治療又は予防において有用であり得る。一実施形態によれば、本発明のメニン/MLL阻害剤による治療から恩恵を受け得るがんは、白血病、リンパ腫、骨髄腫又は固形腫瘍がん(例えば、前立腺がん、肺がん、乳がん、膵臓がん、結腸がん、肝臓がん、黒色腫及び神経膠芽腫など)を含む。いくつかの実施形態では、白血病は、急性白血病、慢性白血病、骨髄球性白血病、骨髄性白血病、リンパ芽球性白血病、リンパ性白血病、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、慢性リンパ性白血病(CLL)、T細胞性前リンパ性白血病(T-PLL)、大顆粒リンパ性白血病、ヘアリーセル白血病(HCL)、MLL再構成白血病、MLL-PTD白血病、MLL増幅白血病、MLL陽性白血病、HOX/MEIS1遺伝子発現シグネチャーを示す白血病などを含む。
特に、本発明による化合物及びその医薬組成物は、骨髄異形成症候群(MDS)又は骨髄増殖性腫瘍(MPN)の治療又は予防において有用であり得る。
特に、本発明による化合物及びその医薬組成物は、白血病、特にヌクレオフォスミン(NPM1)変異白血病、例えばNPM1cの治療又は予防において有用であり得る。
特に、本発明による化合物及びその医薬組成物は、AML、特にヌクレオフォスミン(NPM1)変異AML(すなわち、NPM1mutAML)、より具体的には抽象NPM1変異AMLの治療又は予防に有用であり得る。
特に、本発明による化合物及びその医薬組成物は、MLL再構成白血病、特にMLL再構成AML又はALLの治療又は予防において有用であり得る。
特に、本発明による化合物及びその医薬組成物は、MLL遺伝子変化を有する白血病、特にMLL遺伝子変化を有するAML又はALLの治療又は予防において有用であり得る。
特に、本発明による化合物及びその医薬組成物は、Q.D.投薬(1日1回)に好適であり得る。
特に、本発明による化合物及びその医薬組成物は、NPM1遺伝子変異及び/又は混合系白血病遺伝子(MLL、MLL1、KMT2A)変化、混合系白血病(mixed lineage leukemia、MLL)、MLL関連白血病、MLL関連白血病、MLL陽性白血病、MLL誘発性白血病、再構成混合系白血病、MLL、再構成/変化又はMLL遺伝子の再構成/変化に関連する白血病、急性白血病、慢性白血病、骨髄異形成症候群(MDS)、骨髄増殖性腫瘍(MPN)、インスリン抵抗性、前糖尿病、糖尿病、又は糖尿病のリスク、高血糖、染色体11q23上の染色体再構成、1型糖尿病、2型糖尿病を示す対象における血液がんの治療又は予防、膵臓細胞の増殖であって、膵臓細胞が膵島細胞、β細胞であり、β細胞の増殖がβ細胞産生又はインスリン産生の増加によって証明される、膵臓細胞の増殖の促進、並びにメニン-MLL相互作用の阻害に有用であり得る。ここでMLL融合タンパク質の標的遺伝子はヒトではHOX又はMEIS1である。
したがって、本発明は、薬剤として使用するための、式(I)の化合物、その互変異性体及び立体異性体形態、並びにそれらの薬学的に許容される塩及び溶媒和物に関する。
本発明はまた、薬剤の製造のための、本発明による式(I)の化合物、その互変異性体若しくは立体異性体形態又はそれらの薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物、又は医薬組成物の使用に関する。
本発明はまた、ヒトを含む哺乳動物におけるメニンとMLLタンパク質及び発がん性MLL融合タンパク質との相互作用に関連する障害の治療、予防、改善、制御又はリスクの低減に使用するための、本発明による式(I)の化合物、その互変異性体若しくは立体異性体形態、又はそれらの薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物、又は医薬組成物に関し、その治療又は予防は、メニンとMLLタンパク質及び発がん性MLL融合タンパク質との相互作用を遮断することによって影響を受けるか又は促進される。
また、本発明は、ヒトを含む哺乳動物におけるメニンとMLLタンパク質及び発がん性MLL融合タンパク質との相互作用に関連する障害の治療、予防、改善、制御又はリスク低減のための薬剤の製造のための、本発明による式(I)の化合物、その互変異性体若しくは立体異性体形態、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物、又は医薬組成物の使用に関し、その治療又は予防は、メニンとMLLタンパク質及び発がん性MLL融合タンパク質との相互作用を遮断することによって影響を受けるか又は促進される。
本発明はまた、前述の疾患のいずれか1つの治療又は予防に使用するための、式(I)の化合物、その互変異性体若しくは立体異性体形態、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物に関する。
本発明はまた、前述の疾患のいずれか1つを治療又は予防する際に使用するための、式(I)の化合物、その互変異性体若しくは立体異性体形態、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物に関する。
本発明はまた、前述の疾患状態のいずれか1つを治療又は予防するための薬剤を製造するための、式(I)の化合物、その互変異性体若しくは立体異性体形態、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物の使用に関する。
本発明の化合物は、前述の疾患のいずれか1つの治療又は予防のために、哺乳動物、好ましくはヒトに投与することができる。
式(I)の化合物、その互変異性体及び立体異性体形態、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物の有用性を考慮して、本明細書で先に言及した疾患のいずれか1つに罹患しているヒトを含む温血動物を処置する方法が提供される。
上記方法は、治療有効量の式(I)の化合物、その互変異性体若しくは立体異性体形態、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物の、ヒトを含む温血動物への投与、すなわち全身投与又は局所投与を含む。
したがって、本発明はまた、治療有効量の本発明による化合物を、それを必要とする患者に投与することを含む、前述の疾患のいずれか1つを治療又は予防する方法に関する。
当業者は、治療有効量の本発明の化合物が治療活性を有するのに十分な量であり、この量がとりわけ、疾患の種類、治療製剤中の化合物の濃度、及び患者の状態によって変化することを認識するであろう。有効な治療1日量は、約0.005mg/kg~100mg/kgであり得る。治療効果を達成するために必要とされる、本明細書において有効成分とも呼ばれる本発明による化合物の量は、例えば、特定の化合物、投与経路、レシピエントの年齢及び状態、並びに治療される特定の障害又は疾患により、個々の場合に応じて異なり得る。処置方法はまた、1日当たり1~4回の摂取量のレジメンで有効成分を投与することを含み得る。これらの治療方法では、本発明による化合物は、好ましくは投与前に製剤化される。
本発明はまた、本明細書中で言及される障害を予防又は治療するための組成物を提供する。上記組成物は、治療有効量の式(I)の化合物、その互変異性体若しくは立体異性体形態、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物、及び薬学的に許容される担体又は希釈剤を含む。
有効成分(例えば、本発明の化合物)を単独で投与することが可能であるが、それを医薬組成物として投与することが好ましい。したがって、本発明は更に、薬学的に許容され得る担体又は希釈剤とともに、本発明による化合物を含む医薬組成物を提供する。担体又は希釈剤は、組成物の他の成分と適合性があり、かつそのレシピエントに有害ではないという意味で「許容し得る」ものでなければならない。
医薬組成物は、例えば、Gennaro et al.Remington’s Pharmaceutical Sciences(18th ed.,Mack Publishing Company,1990、特に、Part8:Pharmaceutical preparations and their Manufactureを参照されたい)に記載されているものなどの方法を使用して、薬学の分野で周知の任意の方法によって調製することができる。
本発明の化合物は、単独で、又は1つ若しくは2つ以上の追加の治療剤と組み合わせて使用され得る。併用療法は、本発明による化合物及び1つ又は2つ以上の追加の治療薬を含有する単一の薬剤投与製剤を投与すること、並びに本発明による化合物、及び各追加の治療剤をそれ自身の別個の薬剤投与製剤で投与することを含む。
したがって、本発明の実施形態は、第1の有効成分として本発明による化合物を含み、更に有効成分として1つ又は2つ以上の抗がん剤を、がんに罹患している患者の処置において同時、別個又は逐次的に使用するための組み合わせ調製物として含む製品に関する。
1つ又は2つ以上の他の医薬品及び本発明による化合物は、同時に(例えば、別個の又は単一の組成物で)、又はいずれかの順序で順次に投与され得る。後者の場合、2つ又は3つ以上の化合物は、有利な又は相乗的な効果が達成されることを確実にするのに十分な期間内及び量及び様式で投与される。組み合わせの各成分のための、好ましい投与の方法及び順序並びにそれぞれの投与量及び養生法は、投与される特定の他の医薬品及び本発明の化合物、それらの投与経路、特定の状態、特に治療される特定の腫瘍、並びに治療される特定の宿主に依存することが理解されるであろう。
以下の実施例は、本発明を更に説明する。
本発明の化合物を調製するためのいくつかの方法を、以下の実施例に示す。特に明記しない限り、全ての出発材料は、商業的供給業者から入手し、更に精製することなく使用したか、又は代替として、周知の方法を使用することによって当業者によって合成することができる。
Figure 2024521902000022
Figure 2024521902000023
Figure 2024521902000024
当業者によって理解されるように、示されるプロトコルを使用して合成された化合物は、溶媒和物、例えば水和物として存在し得、及び/又は残留溶媒又は少量の不純物を含有し得る。塩形態として単離された化合物又は中間体は、整数化学量論、すなわちモノ塩若しくはジ塩、又は中間化学量論であってもよい。以下の実験部分における中間体又は化合物が、HClの当量数の表示なしに「HCl塩」として示される場合、これは、HClの当量数が決定されなかったことを意味する。同じ原理は、実験の部で言及される全ての他の塩形態、例えば
Figure 2024521902000025
にも適用される。
いくつかの化合物中の中心の立体化学的配置は、混合物が分離されたときに「R」又は「S」と表記されてもよく、化合物それ自体は単一の立体異性体として単離されており、鏡像異性的に純粋であるが、絶対立体化学が決定されていない場合(結合が立体特異的に描かれている場合であっても)、いくつかの化合物について、示された中心における立体化学配置は、「R」(分離のカラム条件が合成プロトコルに記載されている場合、及び1つの立体中心のみが存在するか又は示されている場合、カラムから最初に溶出される)又は「S」(分離のカラム条件が合成プロトコルに記載されている場合、及び1つの立体中心のみが存在するか又は示されている場合、カラムから2番目に溶出される)と表記されている。
例えば、化合物11
Figure 2024521902000026
が以下であることは明確であろう:
Figure 2024521902000027
2つの立体中心の立体化学的配置が(例えば、R又はS)によって示される化合物について、化合物自体は単一の立体異性体として単離されており、鏡像異性的に純粋であるが、立体中心の絶対立体化学は未決定である(結合が立体特異的に描かれている場合であっても)。この場合、第1の立体中心の配置は、同じ化合物中の第2の立体中心の配置から独立している。「R」又は「S」は、そのような分子にランダムに割り当てられる。
例えば、化合物24の場合、
Figure 2024521902000028
これは、化合物が以下であることを意味する。
Figure 2024521902000029
当業者であれば、立体化学的配置に関する上記の段落が中間体にも当てはまることを理解するであろう。
当業者は、以下の実験プロトコルに明示的に言及されていない場合であっても、典型的にはカラムクロマトグラフィ精製後に、所望の画分を収集し、溶媒を蒸発させたことを理解するであろう。
立体化学が示されていない場合、これは、特に示されていないか、又は文脈から明らかでない限り、立体異性体の混合物であることを意味する。
立体中心が「RS」で示される場合、これは、別途記載のない限り、示された中心でラセミ混合物が得られたことを意味する。
中間体の調製
粗中間体として、又は部分的に精製された中間体として次の反応ステップで使用された中間体については、場合によっては、次の反応ステップにおけるそのような中間体についてはモル量が言及されていないか、あるいは次の反応ステップにおけるそのような中間体については推定モル量又は理論的モル量が以下に記載される反応プロトコルに示される。
中間体1の調製:
Figure 2024521902000030
0℃で冷却した乾燥DCM(150mL)中の5-フルオロ-2-メトキシ安息香酸(8.00g、47.0mmol)及びN-エチルプロパン-2-アミン(8.19g、94.0mmol)の混合物に、HATU(21.5g、56.5mmol)及びDIEA(9.10g、70.4mmol)を少しずつゆっくり添加した。得られた混合物をゆっくりと室温に温め、8時間撹拌した。有機層を水(20mL×3)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させた。濾過後、溶媒を減圧下で除去し、粗生成物をFCC(EtOAc/PE=0%~20%)により精製して、表題中間体1(12.0g、収率96%)を白色固体として得た。
以下の中間体を、中間体1について上記したものと類似の方法により合成した。
Figure 2024521902000031
中間体3の調製:
Figure 2024521902000032
-78℃に冷却した乾燥DCM(100mL)中の中間体1(12.0g、50.1mmol)の溶液に、BBr(14.4mL、152mmol)をゆっくりと添加し、得られた混合物をゆっくりと室温に温め、8時間撹拌した。混合物を再び-78℃に冷却し、MeOH(5mL)を滴下添加して反応をクエンチした。得られた混合物をゆっくりと室温に温め、飽和NaHCO3水溶液を添加することによってpH値を約8に調整した。水層をDCM(50mL×3)によって抽出し、合わせた有機層を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して粗生成物を得、これをFCC(EtOAc/PE=0%~20%)により精製して、表題中間体2(9.0g、収率78%)を白色固体として得た。
以下の中間体を、中間体3について上記したものと類似の方法により合成した。
Figure 2024521902000033
中間体5の調製:
Figure 2024521902000034
0℃で冷却したDCM(100mL)中の3,5,6-トリクロロ-1,2,4-トリアジン(10.0g、54.2mmol)及びTEA(15.2mL、109mmol)の溶液に、2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボン酸tert-ブチル(9.21g、43.4mmol)を添加し、混合物を室温に温め、1時間撹拌した。混合物を水(20mL)で希釈し、DCM(30mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、粗生成物を得、これをシリカゲル上のFCC(PE/EtOAc=1:0~3:1)により精製して、表題中間体3(12.0g、収率58%)を黄色固体として得た。
中間体6の調製:
Figure 2024521902000035
THF(120mL)中の中間体5(12.0g、33.3mmol)、中間体2(7.5g、33.3mmol)及びDBU(6.1g、40.1mmol)の混合物を25℃で8時間撹拌した。混合物を水(30mL)で希釈し、DCM(30mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、粗生成物を得、これをFCC(PE/EtOAc=1:0~3:1)により精製して、標題中間体4(14.0g、収率73%)を緑色固体として得た。
以下の中間体を、中間体6について上記したものと類似の方法により合成した。
Figure 2024521902000036
中間体8の調製:
Figure 2024521902000037
THF(500mL)中の中間体6(20g、36.4mmol)、NaBH(2.48g、65.7mmol)及びTMEDA(8.54g、73.5mmol)の混合物に、Pd(dppf)Cl・DCM(1.70g、2.08mmol)をN雰囲気下で添加した。添加後、反応混合物を25℃で14時間撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液を濃縮し、残留物をシリカゲル上のFCC(EtOAc)により精製して、表題中間体5(15g、純度93%、収率74%)を褐色固体として得た。
以下の中間体を、中間体8について上記したものと類似の方法により合成した。
Figure 2024521902000038
中間体10の調製:
Figure 2024521902000039
DCM(5mL)中の中間体8(300mg、0.583mmol)の溶液に、TFA(0.5mL、6.4mmol)を添加し、得られた混合物を室温で3時間撹拌した。次いで、10%NaOH(5mL)溶液を混合物にゆっくり添加して、pH値を約12に調整し、得られた混合物をDCM(10mL×3)で抽出した。合わせた有機層を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、真空中で、濃縮し、標題中間体6(220mg、収率90%)を白色固体として得た。
以下の中間体を、中間体10について上記したものと類似の方法により合成した。
Figure 2024521902000040
中間体12の調製:
Figure 2024521902000041
下、50℃で、THF(176ml)中のMg(7.15g、294mmol)及びI(0.105g、0.414mmol)の溶液に。反応混合物を、2-(2-ブロモエチル)-1,3-ジオキソラン(25.0g、138mmol、THF(100ml)中)の溶液(10ml)に滴下添加した。混合系の色は褐色から無色に変化し、色は室温に戻る。次に、反応混合物をTHF(100ml)中の2-(2-ブロモエチル)-1,3-ジオキソラン(25.0g、138mmol)の溶液(90ml)に25℃で1時間かけて滴下添加した。最後に、粗生成物を、N下、25℃で16時間、THF(100ml)中のN-メトキシ-N-メチルイソブチルアミド(11.9g、90.7mmol)の溶液に滴下添加した。TLC(PE/EA=4/1、Rf=0.3)は、新しいスポットが見つかったことを示した。次いで、300mLの飽和NHCl水溶液を混合物に添加して、反応をクエンチした。混合物を室温まで温め、濾過した。濾液をEA(300mL×3)で抽出し、NaSOで乾燥させ、濾過した。濾液を蒸発乾固させ、これをFCC(PE/EA=4/1)で精製して、中間体13(22.0g、純度80%)を無色油状物として得た。
以下の中間体を、中間体12について上記したものと類似の方法により合成した。
Figure 2024521902000042
中間体14、14a及び14bの調製:
Figure 2024521902000043
撹拌棒、中間体10(1.5g、3.62mmol)、中間体12(2.7g、15.7mmol)、酢酸(500mg、8.33mmol)及びメタノール(20mL)を100mL丸底フラスコに添加し、混合物を45℃で1時間加熱撹拌した後、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(500mg、7.96mmol)を混合物に添加し、混合物を45℃で8時間加熱撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、ジクロロメタン(20mL)で希釈した。続いて、重炭酸ナトリウムの飽和溶液(40mL)を添加し、混合物をジクロロメタン(20mL×3)で抽出した。合わせた有機層を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して残留物を得、これをFCC(溶離液:ジクロロメタン:メタノール=1:0~10:1、ジクロロメタン:メタノール=10:1、Rf=0.4)により精製して、中間体14(1.5g、純度96.81%、収率70.31%)を無色油状物として得た。
中間体14をSFC(分離条件:DAICEL CHIRALPAK IG(250mm50mm、10um)、移動相:A:超臨界CO、B:0.1% NHO MEOH、A:B=55:45、200mL/分、カラム温度:38、ノズル圧力:100バール、ノズル温度:60、蒸発器温度:20、トリマー温度:25、波長:220nm)により分離した。純粋な画分を収集し、溶媒を真空下で蒸発させて、2つの残留物を得た。第1の残留物をアセトニトリル(2mL)と水(10mL)との間で分配した。溶液を乾燥するまで凍結乾燥して、中間体14a(2.0g、純度99.33%、収率39.73%)を白色固体として得た。第2の残留物をアセトニトリル(2mL)と水(10mL)との間で分配した。混合物を乾燥するまで凍結乾燥して、中間体14b(2.0g、純度99.79%、収率39.92%)を白色固体として得た。
以下の中間体を、中間体14について上記したものと類似の方法により合成した。
Figure 2024521902000044
中間体16の調製:
Figure 2024521902000045
撹拌棒、中間体14a、塩酸(1M、4.4mL)及びアセトニトリル(20mL)を100mL丸底フラスコに添加した後、混合物を50℃で1時間加熱及び撹拌した。混合物を室温に冷却し、ジクロロメタン(40mL)に懸濁させ、水酸化ナトリウムの10%溶液(10mL)によってpH=12に調整した。水層をジクロロメタン(10ml×3)で抽出した。合わせた有機層を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、中間体16(460mg、粗製)を淡黄色固体として得た。
以下の中間体を、中間体16について上記したものと類似の方法により合成した。
Figure 2024521902000046
中間体18の調製:
Figure 2024521902000047
MeOH(3mL)中の中間体16(200mg、0.380mmol)の混合物に、tert-ブチル(2-(2-アミノエトキシ)エチル)カルバメート(78mg、0.382mmol)及び酢酸(50mg、0.833mmol)を添加した。混合物を室温で30分間撹拌した。次いで、NaBHCN(50mg、0.796mmol)を混合物に添加し、得られた混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を蒸発させて、溶媒を除去した。残留物を飽和NaHCO水溶液(10mL)で希釈し、DCM(10mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(10mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して粗製物を得、これをFCC(100%ジクロロメタン~DCM/MeOH=10/1、TLC:ジクロロメタン:MeOH=10:1、Rf=0.3)により精製して、中間体18(120mg、純度65.86%、収率29.11%)を黄色固体として得た。
中間体19の調製:
Figure 2024521902000048
MeOH(3mL)中の中間体18(110mg、0.154mmol)の混合物に、ホルムアルデヒド(253mg、HO中37%溶液、3.12mmol)及び酢酸(20mg、0.333mmol)を添加した。混合物を室温で30分間撹拌した。次いで、NaBHCN(20mg、0.318mmol)を混合物に添加し、得られた混合物を、室温で一晩撹拌した。反応混合物を蒸発させて、溶媒を除去した。残留物を飽和NaHCO水溶液(10mL)で希釈し、DCM(10mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(10mL)で洗浄し、無水NaSOで脱水し、濾過し、減圧下に濃縮して粗製物を得、これを分取HPLC(カラム:Xtimate C18 10030mm3μm、移動相A:水(0.225%FA)、移動相B:アセトニトリル、流量25mL/分、勾配条件10%B~40%)により精製した。純粋な画分を回収し、揮発性溶媒を真空下で蒸発させて残留物を得、これを凍結乾燥して中間体19(45mg、純度97.89%、収率39.28%)を黄色油として得た。
中間体20の調製:
Figure 2024521902000049
NaH(423mg、10.6mmol)及び10mLのTHFを100mLの三つ口フラスコに添加し、次いで、5mLのTHF中の(tert-ブチル(4-ヒドロキシブチル)カルバメート(1g、5.28mmol)をアルゴン雰囲気下で添加した。混合物を、アルゴン雰囲気下で0~5℃で30分間撹拌した。続いて、5mLのTHF中のエチル2-ブロモアセテート(1.32g、7.93mmol)を上記溶液に添加した。混合物を室温で16時間撹拌した。反応混合物を40mLの水に注ぎ、EtOAc(40mL×2)で抽出し、合わせた抽出物をブライン(50mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮し、残留物をカラムクロマトグラフィ(PE/EtOAc=10~30%)により精製して、中間体20(500mg、収率31%)を無色油として得た。
中間体21の調製:
Figure 2024521902000050
中間体20(300mg、0.926mmol)のトルエン10mL溶液に、DIBAL-H(1.7mL、1M)をN雰囲気下で-68℃未満で滴下添加した。添加後、反応混合物を-70℃で1時間撹拌した。2mLのMeOHを反応混合物に-68℃以下で添加し、次いで反応混合物を20mLの0.1N HClに添加し、EtOAc(20mL×2)で抽出し、合わせた抽出物をブライン(20mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して、中間体21(170mg、粗製物)を明褐色油として得、これを次のステップに直接使用した。
中間体22の調製:
Figure 2024521902000051
MeOH(120mL)中の4-(メチルアミノ)ブタン酸(10.0g、65.1mmol)及びTEA(26.0mL、196mmol)の溶液に、BocO(16.0g、73.3mmol)を滴下添加した。混合物を室温で2日間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮して残留物を得た。残留物をEtOAc(150mL)で希釈し、冷却した0.1N HCl(70mL×2)で洗浄し、次いで、HO(50mL×2)及びブライン(50mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮し、所望の生成物(8.90g、粗製物)を無色油として得た。粗生成物を更に精製することなく次のステップで使用した。
中間体23の調製:
Figure 2024521902000052
撹拌棒、中間体22(8.90g、41.0mmol)、N,O-ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(5.00g、51.3mmol)、1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-1-オール(5.50g、40.7mmol)、4-メチルモルホリン(25.0g、247mmol)及びCHCl(300mL)を、N雰囲気下で1Lの丸底フラスコに添加した。反応混合物を0℃に冷却し、N1-((エチルイミノ)メチレン)-N3,N3-ジメチルプロパン-1,3-ジアミン塩酸塩(11.0g、57.4mmol)を添加した。その後、反応混合物を27℃で16時間撹拌した。反応混合物を水(200mL)、次に0.1N HCl(150mL×2)、飽和NaHCO(200mL×3)、ブライン(200mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮し、残留物をカラムクロマトグラフィ(PE/EtOAc=20%~40%)により精製して、中間体23(6.30g、収率59%)を無色油として得た。
中間体24の調製:
Figure 2024521902000053
下、-70℃で、イソプロピルリチウム(64.8mL、45.4mmol、0.7M)を、THF(50mL)中の中間体23(4.00g、15.4mmol)の溶液に滴下添加した。この溶液を70℃で2時間撹拌した。混合物を飽和NHCl溶液(80mL)でクエンチし、EtOAc(50mL×3)で抽出した。合わせた有機相をブライン(50mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧下で濃縮して、粗生成物を得た。その粗生成物をFCC(PE:EtOAc=10:1)により精製して、中間体24(2.20g,収率55%)を無色油として得た。
中間体25、25a及び25bの調製:
Figure 2024521902000054
MeOH(50mL)中の中間体10(1.2g、2.90mmol)及び中間体24(705mg、2.90mmol)の溶液に、ZnCl(1.60g、11.7mmol)を添加した。混合物を80℃で2時間撹拌した。次いで、シアノトリヒドロほう酸ナトリウム(1.1g、17.5mmol)を添加した。反応混合物を80℃で一晩撹拌した。混合物を減圧下で濃縮して残留物を得た。残留物をDCM(100mL)で希釈し、飽和NHCl(50mL)でクエンチした。水性物をDCM(50mL×3)で抽出した。合わせた有機相をブライン(50mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧下で濃縮して、粗生成物を得た。粗生成物をFCC(DCM:MeOH=10:1)により精製して、中間体25(1.0g、収率48%)を白色固体として得、これをSFCにより分割して、中間体25a(400mg、収率40%)(ピーク1、Rt=1.326分)及び中間体25b(400mg、収率40%)(ピーク2、Rt=1.420分)を全て白色固体として得た。SFC法:カラム:DAICEL CHIRALPAK AD(250mm50mm、10um)、移動相:A:超臨界CO2、B:0.1% NHO IPA、A:B=75:25、200mL/分、カラム温度:38℃、ノズル圧力:100バール、ノズル温度:60℃、蒸発器温度=20℃、トリマー温度:25℃、波長:220nm。
中間体26の調製:
Figure 2024521902000055
2mLのジオキサン中の中間体25a(100mg、0.156mmol)の溶液に、HCl/ジオキサン(4mL、16mmol)を添加した。添加後、反応混合物を室温で1時間撹拌した。反応混合物を真空下で濃縮し、中間体26(92mg、粗製物)を無色油として得、これを精製することなく次のステップで使用した。
中間体27の調製:
Figure 2024521902000056
15mLのMeOH中の中間体26(220mg、0.358mmol)及び中間体21(170mg、0.735mmol)の溶液に、NaOAc(100mg、1.22mmol)を添加した。15分間撹拌した後、NaBHCN(50mg、0.796mmol)を混合物に添加した。添加後、反応混合物を撹拌し、35℃で16時間加熱した。反応混合物を真空中で濃縮し、残留物を30mLの水で希釈し、5%NaOHによってpH=12に塩基性化し、次いでDCM(30ml×3)で抽出した。合わせた抽出物をブライン(30mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮し、残留物をカラムクロマトグラフィ(溶離液:100%DCM~DCM/MeOH=20:1(0.25%NH.HOを含有する))により精製して、中間体27(210mg、収率72%)を明褐色の粘着性油として得た。
中間体28の調製:
Figure 2024521902000057
MeOH(50mL)中のtert-ブチル(2-アミノエチル)カルバメート(5.00g、31.2mmol)及びプロパン-2-オン(3.62g、62.3mmol)の溶液に、酢酸(3.81g、62.4mmol)を添加した。混合物を室温で0.5時間撹拌し、次いでシアノトリヒドロほう酸ナトリウム(3.93g、62.5mmol)を添加した。混合物を室温で2時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し、混合物をDCM(300mL)で希釈した。混合物をNaHCO(100mL×2)及びブライン(100mL×2)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィ(溶離液:100%ジクロロメタン~ジクロロメタン:メタノール=10:1)により精製して、中間体28(5.0g、収率79%)を黄色油として得た。
中間体29の調製:
Figure 2024521902000058
DCM(50mL)中の5-フルオロ-2-メトキシ安息香酸(2.50g、14.1mmol)及び中間体28(2.86g、14.1mmol)の溶液に、TP(18.0g、28.3mmol)及びTEA(6.25mL、45.0mmol)を添加した。混合物を室温で1時間撹拌した。混合物をDCM(100mL)で希釈し、混合物をNaHCO(50mL×2)及びブライン(50mL×2)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、中間体29(5.0g、粗製物)を黄色油として得、これを更に精製することなく次のステップに使用した。
中間体30の調製:
Figure 2024521902000059
DCM(50mL)中の中間体29(5.00g、14.1mmol)の溶液に、BBr(4.00mL、42.3mmol)をN雰囲気下-78℃で添加した。混合物を-78℃で1時間撹拌し、室温で12時間撹拌した。混合物を0℃でHO(20mL)でクエンチした。混合物をDCM(100mL)で抽出し、有機相を廃棄し、水相をNaOH(2M)でpH=11に塩基性化して、溶液(溶液中3.40g、理論量)を得、これを更に精製することなく次のステップに使用した。
中間体31の調製:
Figure 2024521902000060
中間体30(3.40g、14.2mmol、pH=11、HO(50mL)中)の溶液に、BocO(3.09g、14.2mmolを添加した。混合物を室温で1時間撹拌した。混合物を水(50mL)で希釈し、DCM(30mL×3)で抽出し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィ(溶離液:100%石油エーテル~石油エーテル:酢酸エチル=1:1)により精製して、中間体31(900mg、純度90.75%、収率17.0%)を白色固体として得た。
中間体32の調製:
Figure 2024521902000061
DCM(20mL)中の中間体31(900mg、2.64mmol)の溶液に、エチル6-オキソ-1,6-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-5-カルボキシレート(894mg、5.29mmol)、TEA(1.30mL、13.1mmol)及びPyBrop(2.47g、5.30mmol)を添加した。混合物を30℃で12時間撹拌した。混合物をDCM(30mL)で希釈し、水(20mL×2)で洗浄して、NaSOで乾燥させて、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィ(溶離液:A:石油エーテル、B:酢酸エチル、A中0%B~50%B)によって精製して、中間体32(650mg、純度94.50%、収率47%)を褐色固体として得た。
中間体33の調製:
Figure 2024521902000062
THF(6mL)及びHO(1mL)中の中間体21(340mg、0.692mmol)の溶液に、LiOH・HO(44.0mg、1.05mmol)を0℃で添加した。添加後、反応混合物を20℃で0.5時間撹拌した。混合物を1N HClによってpH=5に調整し、減圧下で蒸発させて溶媒を除去した。残留物を凍結乾燥させて、中間体33(320mg、粗製物)を黄色固体として得、これを更に精製することなく次のステップで使用した。
中間体34の調製:
Figure 2024521902000063
4Aモレキュラーシーブ(1.0g)を、2,2,2-トリフルオロエタノール(5mL)中の中間体33(320mg、0.690mmol)の溶液に添加した。混合物を70℃で1時間撹拌した。次にジブロモイソシアヌル酸(396mg、1.38mmol)を添加した。混合物を70℃で1時間撹拌した。得られたものを濾過した。濾液を濃縮し、FCC(溶離液:A:石油エーテル、B:酢酸エチル、A中0%B~50%B)により精製して、中間体34(170mg、収率45%)を黄色油として得た。
中間体35の調製:
Figure 2024521902000064
中間体34(170mg、0.329mmol)、(S-N-(2-メトキシエチル)-N,5-ジメチル-4-(2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-イル)ヘキサン-1-アミン塩酸塩(132mg、0.395mmol)、DBU(0.15mL、1.00mmol)、及びCHCN(5mL)を100mL丸底フラスコに添加した。混合物を25℃で1時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮して溶媒を除去し、DCM(10mL)で希釈し、HO(10mL)及びブライン(10mL)で洗浄した。有機層を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、粗生成物を得、これを分取HPLC(カラム:Phenomenex Gemini-NX 8040mm3um、移動相A:水(0.05%NHO+10mM NHHCO)、移動相B:アセトニトリル、流量:30mL/分、勾配条件44%B~74%)により精製した。純粋な画分を回収し、揮発性溶媒を真空下で蒸発させた。得られた水性混合物をDCM(20mL×2)で抽出した。合わせた有機抽出物をNaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮乾固して、中間体35(170mg、収率72%)を黄色油として得た。
中間体37の調製:
Figure 2024521902000065
キシレン(2mL)中の中間体36(400mg、0.871mmol)の溶液に、1-(エチルアミノ)プロパン-2-オール(449mg、4.353mmol)を添加し、135℃で20時間撹拌した。次いで、混合物を減圧下で濃縮して残留物を得、これをシリカゲル上のカラムクロマトグラフィ(CHCl中10%MeOH)により精製して、中間体37を油(462mg、純度90%、収率36%)として得た。
中間体38の調製:
Figure 2024521902000066
塩化メチレン(2.1mL、1.326g/mL、32.786mmol)中の中間体37(200mg、0.377mmol)の溶液に、TFA(0.7mL、1.49g/mL、9.147mmol)を室温で滴下添加し、次いで室温で1時間撹拌した。次いで、混合物を減圧下で濃縮して、中間体38を得、これを次のステップに直接使用した。
中間体39の調製:
Figure 2024521902000067
100mLのMeOH中のベンジル2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-カルボキシレート(5.0g、20.3mmol)の溶液に、HCl/ジオキサン(5.1mL、20.4mmol、4M)を添加した。混合物を30℃で30分間撹拌した。次いで、AcONa(5.0g、61.0mmol)及び6-((2-メトキシエチル)(メチル)アミノ)-2-メチルヘキサン-3-オン(6.40g、31.8mmol)を添加した。反応混合物を30℃で15分間撹拌し、NaBHCN(2.0g、31.8mmol)を添加した。添加後、反応混合物を30℃で15時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、残留物をDCM(100mL)で希釈し、2N HCl(200mL×2)で洗浄した。合わせた水性物をDCM(100mL)で洗浄し、次いで10%NaOHによってpH=12に塩基性化し、DCM(200mL×3)で抽出した。合わせた抽出物を、ブライン(200mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮し、粗化合物を得た。その粗生成物をFCC(DCM:MeOH=10:1)により精製して、中間体39(2.60g,収率30%)を無色液体として得た。
中間体40の調製:
Figure 2024521902000068
中間体39(2.0g、4.63mmol)を超臨界流体クロマトグラフィ(カラム:DAICEL CHIRALPAK AY-H(250mm30mm、5um)、移動相A:0.1%NHO、移動相B:EtOH、流量:100mL/分、勾配条件20%B~20%)により精製した。最初の画分を回収し、蒸発させて、中間体40(Rt=2.309分、590mg、収率30%)を無色油として得た。
中間体41の調製:
Figure 2024521902000069
撹拌棒、中間体40(690mg、1.45mmol)、1,1,2-トリクロロエタン(964mg、7.22mmol)及び無水メタノール(20mL)を100mLの水素化ボトルに添加した後、混合物をアルゴンで3回パージし、次いで、湿潤Pd/C(120mg、純度10%)を混合物に添加した。得られた混合物をアルゴン及び水素で3回パージし、水素雰囲気(50psi)下、40℃で4時間加熱及び撹拌した。混合物を室温に冷却し、Celite(登録商標)のパッドを通して濾過し、濾過ケーキをメタノール(10mL×3)で洗浄した。合わせた有機層を減圧下で濃縮して、中間体41(120mg、粗製物)を無色油として得た。
中間体42の調製:
Figure 2024521902000070
撹拌棒、3,5,6-トリクロロ-1,2,4-トリアジン(1.00g、5.42mmol)、中間体41(1.61g、5.41mmol)及び無水ジクロロメタン(20mL)を40mLガラスボトルに添加した後、トリエチルアミン(1.10g、10.9mmol)を混合物に滴下添加した。得られた混合物を25℃で8時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮して残留物を得、これを水(40mL)に懸濁させ、ジクロロメタン(20mL×3)で抽出した。合わせた有機層を無水NaSOで乾燥させた。これをFCC(100%ジクロロメタン~ジクロロメタン:メタノール=25:1)により精製し、中間体42(1.20g、純度96.13%、収率47.8%)を黄色固体として得た。
中間体43の調製:
Figure 2024521902000071
撹拌棒、5-フルオロ-2-メトキシ安息香酸(10g、58.8mmol)、2-(イソプロピルアミノ)エタノール(12.1g、117mmol)、TEA(17.8g、176mmol)及び乾燥ジクロロメタン(200mL)を500mL丸底フラスコに添加し、次いで0℃で撹拌した後、TP(56.1g、88.2mmol)を混合物に添加した。得られた混合物を25℃で12時間撹拌した。反応混合物をジクロロメタン(300mL)に注いだ後、水で洗浄した200mL×3回)。有機層を無水NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮して、中間体43(11.7g、純度90%、収率70.2%)を黄色油として得た。
中間体44の調製:
Figure 2024521902000072
撹拌棒、中間体43(11.7g、45.8mmol)及び無水ジクロロメタン(35mL)を100mL三つ口丸底フラスコに添加した後、混合物をドライアイス-エタノール浴下で-78℃に冷却し、次いで、トリブロモボラン(9.54mL、101mmol、2.65g/mL)を混合物に1時間かけて滴下添加した。得られた混合物を徐々に室温に温め、25℃で1時間撹拌した。混合物をドライアイス-エタノール浴下で-78℃に冷却し、メタノール(30mL)を滴下してクエンチした。得られた混合物を重炭酸ナトリウムの飽和溶液(200mL)にゆっくり添加した。水層をジクロロメタン(100mLx3)で抽出した。合わせた有機層を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、粗製物を得、これを石油エーテル/酢酸エチル(50/1、200mL)で摩砕して、中間体44(6.56g、純度90%、収率53.4%)を淡黄色固体として得た。
中間体45の調製:
Figure 2024521902000073
THF(20mL)中の中間体42(524mg、1.18mmol)及び中間体44(340mg、1.41mmol)の溶液にDBU(340mg、2.23mmol)を添加した。反応混合物を、25℃で12時間撹拌した。反応混合物を水(30mL)に注ぎ、ジクロロメタン(20mL×3)で抽出した。有機層を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、粗生成物を得、これを石油エーテル/酢酸エチル=6mL/0.5mLで魔砕して、混合物を濾過し、濾過ケーキを真空下で蒸発させて、中間体45(371mg、純度78.12%、収率37.89%)を黄色固体として得た。
中間体46、46a及び46bの調製:
Figure 2024521902000074
中間体10(15g、36mmol)を、1-ヒドロキシ-4-メチルペンタン-3-オン(12.6g、粗製物)及びAcOH(6.2mL、108mmol)及びMeOH(200mL)からなる溶液に添加した。混合物を室温で0.5時間撹拌した。NaBHCN(6.8g、108mmol)を混合物に添加した。次に混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物をNH(MeOH中7M)でpH=8に調整し、ブライン(100mL)に注ぎ、酢酸エチル(300mL×3)で抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮乾固して、粗生成物を得、これをFCC(溶離液:石油エーテル:酢酸エチル=1:0~0:1、次いで酢酸エチル:(ジクロロメタン:メタノール=1:1)=1:0~1:1)により精製して、粗中間体46(17g)を白色固体として得た。
中間体46(1.6g)をDAICEL CHIRALPAK IG 250mm×30mm、10μm(均一濃度溶出:MeOH(0.1%の25%NH水溶液を含有する):超臨界CO、30%:70%~30%:70%(v/v))でSFCにより精製した。純粋な画分を回収し、減圧下で揮発物を除去した。生成物を水(10mL)に懸濁させ、ドライアイス/アセトンを使用して混合物を凍結させ、次いで、乾燥するまで凍結乾燥させて、中間体46a(第1の画分、700mg、41%)を白色固体として、中間体46b(第2の画分、660mg、36%)を白色固体として得た。
中間体47の調製:
Figure 2024521902000075
MsCl(0.169mL、1.48g/mL、2.182mmol)を、中間体46a(500mg、0.972mmol)、EtN(0.27mL、1.9mmol)及びジクロロメタン(10mL)からなる0℃(氷/水)溶液に、N雰囲気下で滴下添加した。得られた混合物をN下、0℃(氷/水)で45分間撹拌した。水(5mL)でクエンチし、次にジクロロメタン(10mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(5mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、中間体47(400mg、収率62.514%)を黄色固体として得、これを更に精製することなく次のステップで使用した。
中間体48の調製:
Figure 2024521902000076
中間体47(200mg、0.304mmol)及び2-アミノエタン-1-スルホンアミド(264mg、2.126mmol)をTHF(25mL、0.886g/mL、307.182mmol)に添加した。混合物を60℃で16時間撹拌した。溶媒を除去した。残留物をフラッシュカラム(C18、CHCN:HO 5:95~30:70、緩衝液としてHCOOH)により精製して、中間体48(40mg、収率19%)を得た。
中間体49の調製:
Figure 2024521902000077
SO(20mL)及びトリフルオロ酢酸(40mL)中のN-エチル-5-フルオロ-2-ヒドロキシ-N-イソプロピルベンズアミド(10.0g、44.4mmol)の溶液に、NBS(8.7g、48.9mmol)を添加した。反応混合物を、25℃で12時間撹拌した。反応混合物を200gの砕氷上に注意深く注いだ。混合物を酢酸エチル(100mL×3)で抽出した。合わせた有機層を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、これを分取HPLC(カラム:YMC-Triart Prep C18 25050mm10um、移動相A:水(0.225%FA)、移動相B:アセトニトリル、流量:100mL/分、勾配条件20%B~60%)により精製した。純粋な画分を回収し、溶媒を蒸発させて、中間体49(10.0g、純度99.48%、収率73.7%)を黄色固体として得た。
中間体50の調製:
Figure 2024521902000078
乾燥DMF(20mL)中のエチル6-クロロ-1,2,4-トリアジン-5-カルボキシレート(650mg、3.47mmol)、中間体49(896mg、2.95mmol)の溶液に、炭酸カリウム(1.44g、10.4mmol)を添加した。反応混合物を、25℃で12時間撹拌した。混合物を水(80mL)に懸濁させ、酢酸エチル(50mL×3)で抽出した。合わせた有機層を塩化リチウムの飽和溶液(50mL×3)で洗浄した。水層を乾燥するまで凍結乾燥させて、中間体50(400mg、粗製物)を黄色固体として得、これを更に精製することなく次のステップに使用した。
中間体51の調製:
Figure 2024521902000079
撹拌棒、中間体50(300mg、0.702mmol)、4Aモレキュラーシーブ(1.0g)及び乾燥2,2,2-トリフルオロエタノール(20mL)を100mL丸底フラスコに添加した。反応混合物をアルゴン雰囲気下で65℃で2時間加熱及び撹拌した。次いで、1,3-ジブロモ-1,3,5-トリアジナン-2,4,6-トリオン(404mg、1.41mmol)を混合物に一度に添加した。反応混合物を室温まで冷却して、25℃で更に12時間撹拌した。反応混合物を濾過し、濾過ケーキを酢酸エチル(50mL)で洗浄した。濾液を減圧下で濃縮して残留物を得、これをシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィ(100%石油エーテル~石油エーテル:酢酸エチル=3:1、TLC:石油エーテル:酢酸エチル=3:1、Rf=0.2)により精製して、中間体51(200mg、純度94.47%、収率55.9%)を赤色油として得た。
中間体52の調製:
Figure 2024521902000080
無水テトラヒドロフラン(80mL)中の3,3-ジメチルブタン-2-オン(5.78g、57.7mmol)の溶液に、N雰囲気下で-78℃でLDA(28.9mL、57.8mmol、THF中2M)を添加した。添加後、反応混合物を-78℃で1時間撹拌した。次いで、無水テトラヒドロフラン(20mL)中のtert-ブチルメチル(2-オキソエチル)カルバメート(5.0g、28.9mmol)を反応混合物に滴下添加し、混合物を-78℃で2時間撹拌した。反応混合物を、-78℃のNHCl水溶液(20mL)でクエンチし、水(100mL)を添加し、次いで25℃に温めた。混合物を酢酸エチル(150mL×3)で抽出した。合わせた有機層を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して粗生成物を得、これを分取HPLC(カラム:Xtimate C18 15040mm5um、移動相A:水(0.05%NHO)、移動相B:アセトニトリル、流量:60mL/分、勾配条件35%B~65%)により精製した。純粋な画分を回収し、真空下で溶媒を蒸発させた。残留物をアセトニトリル(2mL)と水(10mL)との間で分配した。混合物を凍結乾燥させて、中間体52(2.20g、純度100%、収率27.9%)を無色油として得た。
中間体53a及び53bの調製:
Figure 2024521902000081
ZnCl(449mg、3.29mmol)を、乾燥メタノール(20mL)中の中間体11(704mg、1.64mmol)及び中間体52(900mg、3.29mmol)に添加した。反応混合物を65℃で1時間加熱及び撹拌し、次いでシアノトリヒドロほう酸ナトリウム(207mg、3.29mmol)を添加した。反応混合物を、65℃で更に4時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、減圧下で濃縮して残留物を得た後、重炭酸ナトリウムの飽和溶液(80mL)を添加した。混合物をジクロロメタン(50mL×3)で抽出した。合わせた有機層を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して粗生成物を得、これを分取HPLC(カラム:Xtimate C18 15040mm5um、移動相A:水(0.05%NHO)、移動相B:アセトニトリル、流量:60mL/分、勾配条件50%B~80%)により精製した。純粋な画分を回収し、真空下で溶媒を蒸発させた。残留物をアセトニトリル(2mL)と水(10mL)との間で分配した。混合物を凍結乾燥させて、第1の画分(160mg、純度96.85%、収率13.8%)を無色の粘着性油状物として、第2の画分(150mg、純度95.86%、収率12.8%)を無色の粘着性油として得た。
第1の画分(160mg、0.233mmol)を超臨界流体クロマトグラフィ(分離条件:DAICEL CHIRALPAK IG(250mm30mm、10um)、移動相:A:超臨界CO、B:0.1% NHO ETOH、A:B=65:35、70mL/分、カラム温度:38℃、ノズル圧力:100バール、ノズル温度:60℃、蒸発器温度=20℃、トリマー温度:25℃、波長:220nm)により分離した。純粋な画分を回収し、真空下で溶媒を蒸発させた。残留物をアセトニトリル(2mL)と水(10mL)との間で分配した。溶液を凍結乾燥させて、中間体53a(70.0mg、純度100%、収率43.8%)を無色の粘着性油として、及び中間体53b(70.0mg、純度97.24%、収率42.5%)を無色の粘着性油として得た。
中間体54a及び54bの調製:
Figure 2024521902000082
無水ジクロロメタン(2mL)中の中間体53a(70.0mg、0.102mmol)の溶液に、トリフルオロ酢酸(2mL)を添加した。反応混合物を25℃で30分間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、中間体54a(70.0mg、粗製物)を黄色油として得た。
無水ジクロロメタン(2mL)中の中間体53b(70.0mg、0.102mmol)の溶液に、トリフルオロ酢酸(2mL)を添加した。反応混合物を25℃で30分間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、中間体54b(70.0mg、粗製物)を黄色油として得た。
化合物の調製
化合物1の調製:
Figure 2024521902000083
撹拌子、中間体16(120mg、0.228mmol)、N-メチル-2-(メチルチオ)エタンアミン塩酸塩(133mg、0.939mmol)及びメタノール(3mL)を40mLガラスボトルに添加し、混合物を45℃で2時間加熱及び撹拌した後、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(70mg、1.11mmol)を混合物に添加し、混合物を45℃で8時間加熱及び撹拌した。混合物を室温に冷却し、次いで混合物を水(20mL)でクエンチし、ジクロロメタン(30mL×3)で抽出し、有機層を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して粗製物を得、これを分取HPLC(カラム:Boston Prime C18 15030mm5um、移動相A:水(0.05%NHO+10mM NHHCO)、移動相B:アセトニトリル、流量:25mL/分、勾配条件70%B~100%B)により精製した。純粋な画分を回収し、真空下で溶媒を蒸発させた。残留物をアセトニトリル(2mL)と水(10mL)との間で分配した。混合物を乾燥するまで凍結乾燥して、生成物(85mg、純度100%、収率60.57%、遊離塩基)を白色固体として得、これを50mL丸底フラスコ中でフマル酸(32.2mg、0.277mmol)、アセトニトリル(12mL)及び水(4mL)と混合した。混合物を減圧下で濃縮して残留物を得た。残留物をアセトニトリル(3mL)と水(10mL)との間で分配した。溶液を乾燥するまで凍結乾燥して、化合物1(81.33mg、純度96.99%、収率67.40%)を白色固体として得た。
化合物2の調製:
Figure 2024521902000084
撹拌棒、化合物4(60mg、0.069mmol、遊離塩形態)、ホルムアルデヒド(55.8mg、0.688mmol)、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(17.2mg、0.274mmol)及びメタノール(2mL)を8mLガラスボトルに添加し、混合物を25℃で8時間撹拌した。混合物を水(20mL)でクエンチし、ジクロロメタン(20mL3)で抽出し、有機層を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して粗製物を得、これを分取HPLC(カラム:Welch Xtimate C18 15025mm5um、移動相A:水(0.2%FA)、移動相B:ACN、流量:25mL/分、勾配条件15%B~45%)により精製した。純粋な画分を、水酸化ナトリウムの10%溶液を添加することによってpH=8に調整し、ジクロロメタン(20mL3)で抽出し、有機層を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して残留物を得た。残留物をアセトニトリル(2mL)と水(10mL)との間で分配した。溶液を乾燥するまで凍結乾燥させ、生成物(10mg、純度100%、収率22.23%)を無色油として得、これを50mL丸底フラスコ中でフマル酸(3.6mg、0.031mmol)、アセトニトリル(12mL)及び水(4mL)と混合した。混合物を減圧下で濃縮して残留物を得た。残留物をアセトニトリル(3mL)と水(10mL)との間で分配した。溶液を乾燥するまで凍結乾燥して、化合物2(8.8mg、純度94.46%、収率61.34%)を黄色固体として得た。
化合物3の調製:
Figure 2024521902000085
撹拌棒、中間体16(120mg、0.228mmol)、2-(メチルチオ)エタンアミン(80mg、0.877mmol)、酢酸ナトリウム(110mg、1.34mmol)及びメタノール(3mL)を8mLガラスボトルに添加し、混合物を60℃で2時間撹拌及び加熱した後、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(30mg、0.477mmol)を混合物に添加し、混合物を60℃で8時間加熱及び撹拌した。混合物を室温に冷却し、次いで水(30mL)を混合物に注ぎ、ジクロロメタン(20mL3)で抽出し、有機層を無水NaSOにより乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して残留物を得、これを分取HPLC(カラム:Boston Prime C18 15030mm5um、移動相A:水(0.05%NHO+10mM NHHCO)、移動相B:アセトニトリル、流量:25mL/分、勾配条件53%B~83%)により精製した。純粋な画分を回収し、真空下で溶媒を蒸発させた。残留物をアセトニトリル(2mL)と水(10mL)との間で分配した。混合物を乾燥するまで凍結乾燥させ、生成物(36mg、純度99.01%、収率25.99%)を無色油として得、これを50mL丸底フラスコ中でフマル酸(14.0mg、0.121mmol)、アセトニトリル(12mL)及び水(4mL)と混合した。次に、混合物を減圧下で濃縮して残留物を得た。残留物をアセトニトリル(3mL)と水(10mL)との間で分配した。溶液を乾燥するまで凍結乾燥して、化合物3(36.17mg、純度91.83%、収率66.58%)を白色固体として得た。
化合物4の調製:
Figure 2024521902000086
撹拌子、中間体16(200mg、0.380mmol)、2-(トリフルオロメトキシ)エタンアミン塩酸塩(94.3mg、0.570mmol)、トリエチルアミン(115mg、1.14mmol)及び無水ジクロロメタン(10mL)を40mLガラスボトルに添加した後、得られた混合物を25℃で1時間撹拌し、次いでトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(161mg、0.760mmol)を混合物に添加した。得られた混合物を25℃で更に1時間撹拌した。混合物をジクロロメタン(20mL)中に希釈し、重炭酸ナトリウムの飽和溶液(10mL)によってpH=8に調整した。水層をジクロロメタン(10mLx2)で抽出した。合わせた有機層を無水NaSOにより乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して粗製物を得、これを分取HPLC(カラム:Boston Green ODS 15030mm5um、移動相A:水(0.2%FA)、移動相B:アセトニトリル、流量:35mL/分、勾配条件5%B~35%)により精製した。純粋な画分を回収し、水酸化ナトリウムの溶液(3M、8mL)によってpH=12に調整した。水層をジクロロメタン(10mLx2)で抽出した。合わせた有機層を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して残留物を得た。残留物をアセトニトリル(2mL)と水(10mL)との間で分配した。溶液を乾燥するまで凍結乾燥させ、生成物(80.0mg、純度97.84%、収率32.2%)を無色固体として得、これを50mL丸底フラスコ中でフマル酸(29.0mg、0.250mmol)及びアセトニトリル(5mL)と混合した後、得られた混合物を25℃で1時間撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮して残留物を得た。残留物をアセトニトリル(2mL)と水(10mL)との間で分配した。溶液を乾燥するまで凍結乾燥して、化合物4(91.20mg、純度89.68%、収率75.0%)を白色粉末として得た。
化合物5の調製:
Figure 2024521902000087
DCM(3mL)中の中間体19(45mg、0.062mmol)の混合物に、TFA(1mL)を0℃で添加した。反応混合物を室温で1時間撹拌した。反応混合物を減圧下で蒸発させて、溶媒を除去した。残留物を飽和NaHCO水溶液(5mL)及びCHCl(5mL)で希釈し、NaOH(2N)でpH=12に塩基性化した。得られた混合物を室温で30分間撹拌した。混合物を分離し、水層をジクロロメタン(5mL×2)で抽出した。合わせた有機層をブライン(5mL)で洗浄し、無水NaSOにより乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して生成物(36mg、収率92.74%)を黄色油として得、これを50mLの丸底フラスコ中で、フマル酸(20mg、0.172mmol)、アセトニトリル(12mL)及びメタノール(4mL)と混合した。次に、混合物を減圧下で濃縮して残留物を得た。残留物をアセトニトリル(3mL)と水(10mL)との間で分配した。溶液を乾燥するまで凍結乾燥して、化合物5(31.06mg、純度91.37%、収率50.74%)を黄色粉末として得た。
化合物6の調製:
Figure 2024521902000088
3mLのMeOH中の中間体27(210mg、0.277mmol)の溶液に、5mLのHCl/ジオキサン(4M)を添加した。添加後、反応混合物を10℃で30分間撹拌した。反応混合物を真空中で濃縮し、残留物(201mg)を分取HPLC(カラムVenusil ASB Phenyl 15030mm5um、移動相A:水(0.05%HCl)、移動相B:アセトニトリル、流量:30mL/分、勾配条件5%B~35%)により精製した。純粋な画分を回収し、凍結乾燥して、化合物6(130mg、収率60%)を白色固体として得た。
化合物7の調製:
Figure 2024521902000089
撹拌子、中間体16(200mg、0.380mmol)、2-(ジフルオロメトキシ)エタンアミン塩酸塩(112mg、0.759mmol)、トリエチルアミン(384mg、3.80mmol)及びジクロロメタン(2mL)を8mL丸底フラスコに添加し、混合物を25℃で2時間撹拌した後、トリアセトキシヒドロホウ酸ナトリウム(241mg、1.14mmol)を混合物に添加し、混合物を25℃で8時間撹拌した。混合物を水(20mL)でクエンチし、ジクロロメタン(30mL3)で抽出し、有機層を無水NaSOにより乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して粗生成物を得、これを分取HPLC(カラム:Welch Xtimate C18 15025mm5um、移動相A:水(0.2%FA)、移動相B:アセトニトリル、流量:25mL/分、勾配条件5%B~35%)により精製した。純粋な画分を回収し、真空下で溶媒を蒸発させた。残留物を10%水酸化ナトリウムの溶液(20mL)でpH=8に調整し、ジクロロメタン(30mL3)で抽出し、有機層を無水NaSOにより乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して残留物を得、残留物をアセトニトリル(2mL)と水(10mL)との間で分配した。混合物を乾燥するまで凍結乾燥させ、生成物(90mg、純度98.90%、収率37.70%)を無色油として得、これを50mL丸底フラスコ中でフマル酸(8.6mg、0.074mmol)、アセトニトリル(12mL)及び水(4mL)と混合した。混合物を減圧下で濃縮して残留物を得た。残留物をアセトニトリル(3mL)と水(10mL)との間で分配した。溶液を乾燥するまで凍結乾燥させて、化合物7(21.45mg、純度92.07%、収率62.52%)を白色固体として得た。
化合物8の調製:
Figure 2024521902000090
撹拌棒、化合物7(60mg、0.097mmol、遊離塩形態)、ホルムアルデヒド(78.0mg、HO中37%溶液、0.961mmol)及びメタノール(2mL)を50mL丸底フラスコに添加し、混合物を25℃で2時間撹拌した後、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(24.2mg、0.385mmol)を混合物に添加し、混合物を25℃で8時間撹拌した。混合物を水(20mL)でクエンチし、ジクロロメタン(20mL3)で抽出し、有機層を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して粗生成物を得、これを分取HPLC(カラム:Welch Xtimate C18 15025mm5um、移動相A:水(0.225%FA)、移動相B:ACN、流量:25mL/分、勾配条件1%B~30%)により精製した。純粋な画分を回収し、溶媒を真空下で蒸発させて、残留物を得た。純粋な画分を回収し、真空下で溶媒を蒸発させた。残留物を10%水酸化ナトリウムの溶液(20mL)でpH=8に調整し、ジクロロメタン(30mL3)で抽出し、有機層を無水NaSOにより乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して残留物を得、残留物をアセトニトリル(2mL)と水(10mL)との間で分配した。混合物を乾燥するまで凍結乾燥して、生成物(40mg、純度95.02%、収率61.95%)を無色油として得、これを50mL丸底フラスコ中でフマル酸(14.6mg、0.126mmol)、アセトニトリル(12mL)及び水(4mL)と混合した。混合物を減圧下で濃縮して残留物を得た。残留物をアセトニトリル(3mL)と水(10mL)との間で分配した。溶液を乾燥するまで凍結乾燥させ、化合物8(27.02mg、純度99.99%、収率49.48%)を白色固体として得た。
化合物9の調製:
Figure 2024521902000091
HCl/ジオキサン(1mL、4M)を、DCM(3mL)中の中間体35(150mg、0.210mmol)の溶液に添加し、混合物を25℃で0.5時間撹拌した。溶液を濃縮して粗生成物を得、これをアセトニトリル(3mL)と水(10mL)との間で分配した。溶液を乾燥するまで凍結乾燥して、化合物9(99.54mg、純度98.85%、収率65%)を黄色固体として得た。
以下の化合物を、化合物9について上記したものと類似の方法により合成した。
Figure 2024521902000092
化合物11の調製:
Figure 2024521902000093
中間体16(100mg、0.190mmol)を、N-メチルプロパルギルアミン(26.2mg、0.380mmol)、MeOH(5mL)、及びHOAc(34.2mg、0.570mmol)からなる溶液に添加した。混合物を室温で15時間撹拌した。次いで、NaBHCN(10.7mg、0.171mmol)を溶液に添加し、更に45分間撹拌した。混合物を、Boston Prime C18 15030mm5um(溶離液:55%~85%MeCN及び水(0.05%NHO+10mM NHHCO)を使用する分取HPLCにより精製して、純粋な生成物を得た。生成物を水(10mL)に懸濁させ、ドライアイス/EtOHを使用して凍結させ、次いで乾燥するまで凍結乾燥して、標題化合物(18.52mg、収率16%)を白色固体として得た。
化合物12の調製:
Figure 2024521902000094
中間体16(100mg、0.190mmol)を、N-アリルメチルアミン(27mg、0.38mmol)、MeOH(1mL)、及びHOAc(34.2mg、0.570mmol)からなる溶液に添加した。次に混合物を室温で15時間撹拌した。次いで、NaBHCN(10.7mg、0.171mmol)を溶液に添加し、更に45分間撹拌した。混合物を、Boston Prime C18 15030mm5um(溶離液:50%~80%MeCN及び水(0.05%NHO)を使用する分取HPLCによって精製して、純粋な生成物を得た。生成物を水(10mL)に懸濁させ、ドライアイス/EtOHを使用して凍結させ、次いで乾燥するまで凍結乾燥させて、生成物(55.8mg、収率51%)を褐色油として得、これをMeCN(2mL)中のフマル酸(22.3mg、0.192mmol)及びHO(2mL)と混合した。次に、混合物を減圧下で濃縮して残留物を得た。残留物をアセトニトリル(1mL)と水(3mL)との間で分配した。溶液を乾燥するまで凍結乾燥して、化合物12(28.19mg、収率35%)を白色固体として得た。
化合物13a及び13bの調製:
Figure 2024521902000095
撹拌棒、中間体17(190mg、0.351mmol)、2-メトキシ-N-メチルエタンアミン(157mg、1.76mmol)、及び無水ジクロロメタン(10mL)を40mLガラスボトルに添加した後、得られた混合物を25℃で1時間撹拌し、次いでトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(150mg、0.708mmol)を混合物に添加した。反応混合物を25℃で更に8時間撹拌した。混合物を重炭酸ナトリウムの飽和溶液(60mL)でクエンチし、ジクロロメタン(30mL×2)で抽出した。合わせた有機層を無水NaSOにより乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して粗製物を得、これを分取HPLC(カラム:Boston Prime C18 15030mm5um、移動相A:水(0.05%NHO)、移動相B:アセトニトリル、流量:30mL/分、勾配条件55%B~85%)により精製した。純粋な画分を回収し、溶媒を真空下で蒸発させて、残留物を得た。残留物をアセトニトリル(2mL)と水(10mL)との間で分配した。溶液を乾燥するまで凍結乾燥して、生成物(150mg、純度97.102%、収率67.5%)を薄黄色油として得た。
化合物13a(150mg、0.244mmol)をSFC(DAICEL CHIRAL TECHNOLOGIES(CHINA)CO.,LTD.)(分離条件:CHIRALPAK IG-3(IG30CD-WE016)(0.46cm I.D.×15cmL)、移動相:ACN/DEA=100/0.1(V/V)、1.0mL/分、カラム温度:35、ノズル圧力:100バール、ノズル温度:60、蒸発器温度:20、トリマー温度:25、波長:UV254nm)によって分離した。最初のピークの画分を回収し、溶媒を真空下で蒸発させて残留物を得た。残留物をアセトニトリル(2mL)と水(10mL)との間で分配した。溶液を乾燥するまで凍結乾燥させて、淡黄色油(60.0mg、純度84.967%、収率34.0%)を得、これを分取HPLC(カラム:Boston Prime C18 15030mm5um、移動相A:水(0.05%NHO+10mM NHHCO)、移動相B:アセトニトリル、流量:25mL/分、勾配条件65%B~95%)により更に精製した。純粋な画分を回収し、溶媒を真空下で蒸発させて、残留物を得た。残留物をアセトニトリル(2mL)と水(10mL)との間で分配した。溶液を乾燥するまで凍結乾燥させて、化合物1a(42.2mg、純度99.047%、収率69.7%)を黄色油として得、これを50mL丸底フラスコ中でフマル酸(16.0mg、0.138mmol)及びアセトニトリル(5mL)と混合した後、得られた混合物を25℃で1時間撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮して残留物を得た。残留物をアセトニトリル(2mL)と水(10mL)との間で分配した。溶液を乾燥するまで凍結乾燥して、化合物13a(46.78mg、純度97.40%、収率78.3%)を白色固体として得た。
第2ピークの画分を回収し、溶媒を真空下で蒸発させて残留物を得た。残留物をアセトニトリル(2mL)と水(10mL)との間で分配した。溶液を乾燥するまで凍結乾燥させて、粗物質(60.0mg、純度94.954%、収率38.0%)を淡黄色油として得て、これを分取HPLC(カラム:Boston Prime C18 15030mm5um、移動相A:水(0.05%NHO+10mM NHHCO)、移動相B:アセトニトリル、流速:25mL/分、勾配条件65%B~95%)により精製した。純粋な画分を回収し、溶媒を真空下で蒸発させて、残留物を得た。残留物をアセトニトリル(2mL)と水(10mL)との間で分配した。溶液を乾燥するまで凍結乾燥させ、化合物1b(47.5mg、純度100%、収率79.2%)を黄色油として得、これを50mL丸底フラスコ中でフマル酸(18.0mg、0.155mmol)及びアセトニトリル(5mL)と混合した後、得られた混合物を25℃で1時間撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮して残留物を得た。残留物をアセトニトリル(2mL)と水(10mL)との間で分配した。溶液を乾燥するまで凍結乾燥し、化合物13b(43.36mg、純度97.35%、収率64.5%)を白色粉末として得た。
化合物14の調製:
Figure 2024521902000096
MeOH(2mL、0.791g/mL、49.372mmol)中の中間体38(前のステップからの粗製物、200mg、0.465mmol)の溶液に、6-((2-メトキシエチル)(メチル)アミノ)-2-メチルヘキサン-3-オン(140.291mg、0.697mmol)、続いて酢酸ナトリウム(114.3mg、1.394mmol)を添加し、室温で10分間撹拌し、次いでシアノ水素化ホウ素ナトリウム(87.6mg、1.394mmol)を添加し、室温で16時間撹拌した。次いで、反応混合物をHPLC精製(調製方法:waters X-bridge C18(5μm 19150mm)、移動相A:水(0.1%重炭酸アンモニウム)、移動相B:アセトニトリル、UV:214nm、流量15mL/分、勾配:20~70%(%B))に供して、化合物14(48mg、純度98%、収率16.4%)を得た。
化合物16、17及び18の調製:
Figure 2024521902000097
化合物14(45mg、0.073mmol)の混合物をSFC(分離条件:DAICEL CHIRALPAK IG(250mm30mm、10um)、移動相:A:超臨界CO、B:0.1%NH3.O IPA、A:B=55:45、70mL/分)により分離した。3つの画分を得た。第1の画分を回収し、溶媒を真空下で蒸発させた。残留物をアセトニトリル(2mL)と水(10mL)との間で分配した。溶液を乾燥するまで凍結乾燥して無色油として得(20mg、LCMSによる純度94%)、これをSFC(分離条件:DAICEL CHIRALPAK IG(250mm30mm、10um)、移動相:A:超臨界CO、B:0.1%NHO EtOH A:B=75:25、60mL/分)により更に分離した。最初のピークの純粋な画分を回収し、溶媒を真空下で蒸発させた。残留物をアセトニトリル(2mL)と水(10mL)との間で分配した。溶液を乾燥するまで凍結乾燥して、化合物18(3.51mg、純度87.38%、収率15.34%)を無色油として得た。
第2の画分を回収し、溶媒を真空下で蒸発させた。残留物を水(10mL)に懸濁させ、ドライアイス/エタノールを使用して混合物を凍結させ、次いで、乾燥するまで凍結乾燥させて、化合物16(2.0mg、純度81.66%、収率3.63%)を無色油として得た。
第3の画分を回収し、溶媒を真空下で蒸発させた。残留物を水(10mL)に懸濁させ、混合物をドライアイス/エタノールを使用して凍結させ、次いで、乾燥するまで凍結乾燥させて、化合物17(2.79mg、純度79.48%、収率4.93%)を無色油として得た。
化合物19の調製:
Figure 2024521902000098
撹拌棒、中間体45(270mg、0.42mmol)、湿った活性炭担持パラジウム(100mg、w/w%=10%、50%の水を含有)及び無水メタノール(20mL)を水素化ボトルに添加し、次いでトリエチルアミン(126mg、1.25mmol)を混合物に添加した。懸濁液を真空下で脱気し、N雰囲気で3回パージし、次いで水素で3回パージした。得られた混合物を、水素(15psi)下で25℃で12時間撹拌した。混合物をCelite(登録商標)のパッドを通して濾過し、濾過ケーキ(20mL×3)で洗浄した。合わせた濾液を減圧下で濃縮して粗生成物を得て、これをジクロロメタン(50mL)で溶解した。有機層を10%NaOH水溶液(20mL)、水(20mL)及びブライン(20mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して生成物(99.1mg、純度95.60%、収率37.1%)を黄色固体として得、これを50mL丸底フラスコ中でフマル酸(37.4mg、0.32mmol)及びMeCN(2mL)と混合した。反応混合物を25℃で30分間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮して残留物を得、これをアセトニトリル(1mL)と水(3mL)との間で分配した。混合物を乾燥するまで凍結乾燥させ、化合物19(79.37mg、純度88.30%、収率51.4%)を黄色固体として得た。
化合物20の調製:
Figure 2024521902000099
中間体48(60mg、0.0967mmol)及びパラホルムアルデヒド(2.902mg、0.0967mmol)をMeOH(4mL、0.791g/mL、98.745mmol)に添加した。混合物を室温で0.5時間撹拌した。NaBHCN(6.074mg、0.0967mmol)を添加した。混合物を16時間撹拌した。混合物をフラッシュカラム(C18、CHCN:HO 5:95~30:70、緩衝液としてHCOOH)により精製して、化合物20(4mg、収率5.2%)を得た。
化合物21の調製:
Figure 2024521902000100
乾燥アセトニトリル(10mL)中の中間体51(200mg、0.416mmol)及び中間体41(185mg、0.622mmol)の溶液に、DBU(190mg、1.25mmol)を添加した。反応混合物を、25℃で12時間撹拌した。反応混合物を水(50mL)に注ぎ、ジクロロメタン(30mL×3回)で抽出した。合わせた有機層を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して残留物を得、これを分取HPLC(カラム:Boston Green ODS 15030mm5um、移動相A:水(0.225%FA)、移動相B:アセトニトリル、流量:35mL/分、勾配条件10%B~40%)により精製した。純粋な画分を回収し、真空下で溶媒を蒸発させた。残留物をアセトニトリル(2mL)と水(10mL)との間で分配した。混合物を乾燥するまで凍結乾燥して、所望の化合物(150mg、純度98.35%、収率52.3%)を得た。
生成物(89.2mg、0.131mmol)、フマル酸(30.51mg、0.263mmol)及びMeCN(2mL)を50mL丸底フラスコに添加した。反応混合物を25℃で30分間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮して残留物を得、これをアセトニトリル(1mL)と水(3mL)との間で分配した。混合物を乾燥するまで凍結乾燥して、化合物21(78.99mg、純度98.86%、収率65.2%)を黄色固体として得た。
化合物22の調製:
Figure 2024521902000101
トリエチルアミン(50.6mg、0.500mmol)を、乾燥ジクロロメタン(5mL)中の中間体54a(70.0mg、0.100mmol)の溶液に添加した。次いで、ホルムアルデヒド水溶液(40.6mg、0.500mmol)を添加した。反応混合物を25℃で30分間撹拌した後、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(42.4mg、0.200mmol)を添加した。この反応混合物を25℃で更に12時間撹拌した。反応混合物をジクロロメタン(50mL)で希釈し、重炭酸ナトリウムの飽和溶液(50mL)を添加し、混合物をジクロロメタン(30mL×3)で抽出した。合わせた有機層を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して残留物を得、これを分取HPLC(カラム:Boston Prime C18 15025mm5um、移動相A:水(0.05%NHO)、移動相B:アセトニトリル、流量:35mL/分、勾配条件51%B~81%)により精製した。純粋な画分を回収し、真空下で溶媒を蒸発させた。残留物をアセトニトリル(2mL)と水(10mL)との間で分配した。混合物を乾燥するまで凍結乾燥して、化合物22(30.79mg、純度98.83%、収率50.7%)を白色粉末として得た。
トリエチルアミン(50.6mg、0.500mmol)を、乾燥ジクロロメタン(5mL)中の中間体54b(70.0mg、0.100mmol)の溶液に添加した。次いで、ホルムアルデヒド水溶液(40.6mg、0.500mmol)を添加した。反応混合物を25℃で30分間撹拌した後、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(42.4mg、0.200mmol)を添加した。この反応混合物を25℃で更に12時間撹拌した。反応混合物をジクロロメタン(50mL)で希釈し、重炭酸ナトリウムの飽和溶液(50mL)を添加し、混合物をジクロロメタン(30mL×3)で抽出した。合わせた有機層を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して残留物を得、これを分取HPLC(カラム:Boston Prime C18 15030mm5um、移動相A:水(0.05%NHO)、移動相B:アセトニトリル、流量:35mL/分、勾配条件50%B~80%)により精製した。純粋な画分を回収し、真空下で溶媒を蒸発させた。残留物をアセトニトリル(2mL)と水(10mL)との間で分配した。混合物を乾燥するまで凍結乾燥して、化合物23(29.02mg、純度99.54%、収率48.1%)を白色の粉末として得た。
以下の化合物を、化合物22及び23について上記したものと類似の方法により合成した。
Figure 2024521902000102
LCMS(Liquid chromatography/Mass spectrometry、液体クロマトグラフィ/質量分析)
一般的な手順
高速液体クロマトグラフィ(HPLC)測定は、それぞれの方法で指定されたLCポンプ、ダイオードアレイ(diode-array、DAD)又はUV検出器及びカラムを使用して実行した。必要に応じて、追加の検出器が含まれた(以下の方法の表を参照)。
カラムからの流れは、大気圧イオン源で構成された質量分析計(Mass Spectrometer、MS)にもたらされた。化合物の公称モノアイソトピック分子量(molecular weight、MW)の同定を可能にするイオンを得るために、調整パラメータ(例えば、走査範囲、滞留時間など)を設定することは、当業者の知識の範囲内である。適切なソフトウェアでデータ収集を実行した。
化合物は、それらの実験的保持時間(R)及びイオンによって記載される。データの表において別様に指定されない場合、報告された分子イオンは、[M+H](プロトン化分子)及び/又は[M-H](脱プロトン化分子)に相当する。化合物が直接イオン化不可能であった場合、付加物の種類は、特定される(すなわち、[M+NH、[M+HCOO]、など)。複数の同位体パターン(Br、Cl)を有する分子については、報告された値は、最も低い同位体質量に関して得られたものである。全ての結果は、使用される方法と一般的に関連する実験的不確定性を伴って得られた。
以下、「SQD」はシングル四重極検出器を意味し、「RT」は室温を、「BEH」は架橋エチルシロキサン/シリカハイブリッドを、「HSS」は高強度シリカを、「DAD」はダイオードアレイ検出器を意味する。
Figure 2024521902000103
Figure 2024521902000104
薬理学的部分
1)メニン/MLL均一時間分解蛍光(homogenous time-resolved fluorescence、HTRF)アッセイ
未処理の白色384ウェルマイクロタイタープレートに、DMSO中の40nLの200×試験化合物及びアッセイ緩衝液(40mM Tris・HCl、pH7.5、50mM NaCl、1mM DTT(ジチオスレイトール)及び0.05%Pluronic F-127)中の4μLの2×テルビウムキレート標識メニン(調製については下記参照)を添加した。試験化合物及びテルビウムキレート標識メニンを周囲温度で30分間インキュベートした後、アッセイ緩衝液中の4μLの2×FITC-MBM1ペプチド(FITC-β-アラニン-SARWRFPARPGT-NH)(「FITC」はフルオレセインイソチオシアネートを意味する)を添加し、マイクロタイタプレートを1000rpmで1分間遠心分離し、アッセイ混合物を周囲温度で15分間インキュベートした。アッセイ混合物中に存在するメニン・FITC-MBM1複合体の相対量は、テルビウム/FITCドナー/アクセプターフルオロフォア対の均一時間分解蛍光(HTRF)を、EnVisionマイクロプレートリーダー(励起337nm/テルビウム発光490nm/FITC発光520nm)を使用して周囲温度で測定することによって決定される。蛍光共鳴エネルギー移動の程度(HTRF値)は、FITC及びテルビウムフルオロフォアの蛍光発光強度の比(Fem520nm/Fem490nm)として表される。結合アッセイにおける試薬の最終濃度は、アッセイ緩衝液中の200pMテルビウムキレート標識メニン、75nM FITC-MBM1ペプチド及び0.5%DMSOである。試験化合物の用量応答滴定を、典型的には10μMで開始する11点の4倍連続希釈スキームを使用して行う。
式1に従って各化合物濃度での阻害%を最初に計算することによって、化合物効力を決定した。
阻害%=((HC-LC)-(HTRF化合物-LC))/(HC-LC))100(式1)
式中、LC及びHCは、メニンへの結合についてFITC-MBM1と競合する化合物の飽和濃度の存在下又は非存在下でのアッセイのHTRF値であり、HTRF化合物は、試験化合物の存在下で測定されたHTRF値である。HC及びLC HTRF値は、プレート当たり少なくとも10回の反復の平均を表す。各試験化合物について、阻害%値を試験化合物濃度の対数に対してプロットし、これらのデータを式2に当てはめてIC50値を導き出した:
阻害%=ボトム+(トップ-ボトム)/(1+10^((logIC50-log[cmpd])h))(式2)
式中、ボトム及びトップは、それぞれ用量応答曲線の下方及び上方漸近線であり、IC50は、シグナルの50%阻害を生じる化合物の濃度であり、hはヒル係数である。HTRFアッセイにおいて0.1nM未満のIC50値を、以下の表において0.1nMとして報告した(検出限界)。
メニンのテルビウムクリプテート標識の調製:メニン(a.a 1~610-6×hisタグ、20mM Hepes(2-[4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジニル]エタンスルホン酸)、80mM NaCl、5mM DTT(ジチオスレイトール)、pH7.5中2.3mg/mL)を、以下のようにテルビウムクリプテートで標識した。200μgのメニンを1×Hepes緩衝液に緩衝液交換した。6.67μMのメニンを8倍モル過剰のNHS(N-hydroxysuccinimide、N-ヒドロキシスクシンイミド)-テルビウムクリプテートとともに室温で40分間インキュベートした。溶出緩衝液(0.1M Hepes、pH 7+0.1%BSA(ウシ血清アルブミン))を用いてNAP5カラム上で反応を行うことによって、標識タンパク質の半分を遊離標識から精製した。残りの半分を0.1Mリン酸緩衝化生理食塩水(phosphate buffered saline、PBS)、pH7で溶出した。400μlの溶離液をそれぞれ回収し、アリコートに分け、-80℃で凍結した。テルビウム標識メニンタンパク質の最終濃度は、それぞれ、Hepes緩衝液中115μg/mL及びPBS緩衝液中85μg/mLであった。
メニンタンパク質配列(配列番号1)
MGLKAAQKTLFPLRSIDDVVRLFAAELGREEPDLVLLSLVLGFVEHFLAVNRVIPTNVPELTFQPSPAPDPPGGLTYFPVADLSIIAALYARFTAQIRGAVDLSLYPREGGVSSRELVKKVSDVIWNSLSRSYFKDRAHIQSLFSFITGTKLDSSGVAFAVVGACQALGLRDVHLALSEDHAWVVFGPNGEQTAEVTWHGKGNEDRRGQTVNAGVAERSWLYLKGSYMRCDRKMEVAFMVCAINPSIDLHTDSLELLQLQQKLLWLLYDLGHLERYPMALGNLADLEELEPTPGRPDPLTLYHKGIASAKTYYRDEHIYPYMYLAGYHCRNRNVREALQAWADTATVIQDYNYCREDEEIYKEFFEVANDVIPNLLKEAASLLEAGEERPGEQSQGTQSQGSALQDPECFAHLLRFYDGICKWEEGSPTPVLHVGWATFLVQSLGRFEGQVRQKVRIVSREAEAAEAEEPWGEEAREGRRRGPRRESKPEEPPPPKKPALDKGLGTGQGAVSGPPRKPPGTVAGTARGPEGGSTAQVPAPAASPPPEGPVLTFQSEKMKGMKELLVATKINSSAIKLQLTAQSQVQMKKQKVSTPSDYTLSFLKRQRKGLHHHHHH
2)増殖アッセイ
メニン/MLLタンパク質/タンパク質相互作用阻害剤試験化合物の抗増殖効果を、ヒト白血病細胞株において評価した。細胞株MOLM14は、MLL転座を有し、それぞれMLL融合タンパク質MLL-AF9、並びに第2の対立遺伝子由来の野生型タンパク質を発現する。MLL再構成細胞株(例えば、MOLM14)は、幹細胞様HOXA/MEIS1遺伝子発現シグネチャーを示す。一般的な細胞毒性効果を示す化合物を除外するために、KO-52を、2つのMLL(KMT2A)野生型対立遺伝子を含有する対照細胞株として使用した。
MOLM14細胞を、10%熱不活性化ウシ胎児血清(HyClone)、2mM L-グルタミン(Sigma Aldrich)、及び50μg/mlゲンタマイシ(Gibco)を補充したRPMI-1640(Sigma Aldrich)中で培養した。KO-52細胞株を、20%熱不活性化ウシ胎児血清(HyClone)、2mM L-グルタミン(Sigma Aldrich)及び50μg/mlゲンタマイシン(Gibco)を補充したα-MEM(Sigma Aldrich)中で増殖させた。培養中、細胞を30万~250万細胞/mlに維持し、継代数は20を超えなかった。
抗増殖効果を評価するために、200個のMOLM14細胞又は300個のKO-52細胞を、96ウェル丸底超低接着プレート(Costar、カタログ番号7007)のウェル当たり200μlの培地に播種した。実験全体を通して線形増殖を確実にするために、細胞播種数を増殖曲線に基づいて選択した。試験化合物を異なる濃度で添加し、DMSO含量を0.3%に正規化した。細胞を37℃及び5% COで8日間インキュベートした。8日目に画像を取得する生細胞イメージング(IncuCyteZOOM、Essenbio、4倍対物レンズ)によって、スフェロイド様増殖をリアルタイムで測定した。スフェロイドサイズの尺度としてのコンフルエンス(%)を、統合分析ツールを使用して決定した。
経時的な試験化合物の効果を決定するために、スフェロイドサイズの尺度として各ウェルにおけるコンフルエンスを計算した。最高用量の参照化合物のコンフルエンスをLC(Low control、低対照)のベースラインとして使用し、DMSO処理細胞のコンフルエンスを0%細胞毒性(高対照、High Control、HC)として使用した。
絶対IC50値を、以下のようにコンフルエンスの変化率として計算した。
LC=低対照:例えば1μMの細胞毒性剤スタウロスポリンで処理された細胞、又は例えば高濃度の代替参照化合物で処理された細胞
HC=高制御:平均コンフルエンス(%)(DMSO処理細胞)
%効果=100-(100(サンプル-LC)/(HC-LC))
GraphPad Prism(バージョン7.00)を使用してIC50を計算した。Log10化合物濃度に対する%効果のプロットのために、可変勾配を用い、最大を100%に、最小を0%に固定して、用量応答式を使用した。
Figure 2024521902000105

Claims (15)

  1. 式(I):
    Figure 2024521902000106
    [式中、
    1aが、-C(=O)-NRxaxb、Het、又は
    Figure 2024521902000107
    を表し、
    Hetが、1、2又は3個の窒素原子及び任意選択的に、カルボニル部分を含有する5員又は6員単環式芳香族環を表し、
    前記5員又は6員単環式芳香環が、任意選択的に、C3~6シクロアルキル及びC1~4アルキルからなる群から選択される1、2又は3個の置換基で置換されており、
    xa及びRxbが、各々独立して、水素;C1~4アルキル;C3~6シクロアルキル;1、2又は3個のハロ原子で置換されているC1~4アルキル;及び1個の-OH、-OC1~4アルキル又はNR11c11dで置換されているC1~4アルキルからなる群から選択され、
    1bが、F又はClを表し、
    1cが、H又はハロを表し、
    が、-CR5a5b-、-O-又は-NR5c-を表し、
    が、水素、ハロ、C1~4アルキル、-O-C1~4アルキル、及び-NR7a7bからなる群から選択され、
    Uが、N又はCHを表し、
    n1、n2、n3及びn4が、各々独立して、1及び2から選択され、
    がCHを表し、XがNを表し、
    が、C1~5アルキル、
    Figure 2024521902000108
    を表し、
    5a、R5b、R5c、R7a、及びR7bが、各々独立して、水素、C1~4アルキル、及びC3~6シクロアルキルからなる群から選択され、
    が、-C1~6アルキル-NR8a8b、-C1~6アルキル-C(=O)-NR9a9b、-C1~6アルキル-OH、又は、-C1~6アルキル-NR11-C(=O)-O-C1~4アルキル-O-C(=O)-C1~4アルキルを表し、
    の定義におけるC1~4アルキル又はC1~6アルキル部分の各々が、互いに独立して、シアノ、ハロ、-OH、及び-O-C1~4アルキルからなる群から各々独立して選択される1、2又は3個の置換基で置換されていてもよく、
    8a及びR8bが、各々独立して、水素;C1~6アルキル;-C(=O)-C1~4アルキル;-C(=O)-O-C1~4アルキル;-C(=O)-NR12a12b;及び-OH、シアノ、ハロ、-C≡C、-CH=CH、-S-C1~4アルキル、-S(=O)-C1~4アルキル、-S(=O)-NR11a11b、-O-C1~4アルキル、-C(=O)-NR10a10b、-NR10c-C(=O)-C1~4アルキル、1個のNR11a11bで置換されている-O-C1~4アルキル、及び1、2又は3個のハロ原子で置換されている-O-C1~4アルキルからなる群から各々独立して選択される1、2又は3個の置換基で置換されているC1~6アルキル;からなる群から選択され、
    9a、R9b、R10a、R10b、R10c、R11、R11a、R11b、R12a、及びR12bが、各々独立して、水素及びC1~6アルキルからなる群から選択され、
    11c及びR11dが、各々独立して、水素、C1~6アルキル及び-C(=O)-C1~4アルキルからなる群から選択される]
    の化合物、又はその互変異性体若しくは立体異性体形態、又はそれらの薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物であって、
    ただし、以下の条件:
    a)R1aが、Hetを表し、前記5員又は6員単環式芳香族環が、C3~6シクロアルキル及びC1~4アルキルからなる群から選択される3個の置換基で置換されており、
    b)R1aが、-C(=O)-NRxaxbを表し、Rxaが、1個の-OH、-OC1~4アルキル又はNR11c11dで置換されているC1~4アルキル、及び1、2又は3個のハロ原子で置換されているC1~4アルキルからなる群から選択され、
    c)R1cが、ハロを表し、
    d)Rが、イソプロピル以外であり、
    e)Rが、-C1~6アルキル-NR8a8bを表し、R8aが、-C≡C、-CH=CH、-S-C1~4アルキル、-S(=O)-NR11a11b、1個のNR11a11bで置換されている-O-C1~4アルキル、及び1、2又は3個のハロ原子で置換されている-O-C1~4アルキルからなる群から各々独立して選択される1、2又は3個の置換基で置換されているC1~6アルキルである、
    のうちの少なくとも1つが満たされることを条件とする、
    式(I)の化合物、又はその互変異性体若しくは立体異性体形態、あるいはそれらの薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物。
  2. 1aが、-C(=O)-NRxaxbを表し、
    xa及びRxbが、各々独立して、C1~4アルキル;及び1個の-OH若しくはNR11c11dで置換されているC1~4アルキル;からなる群から選択され、
    1bが、Fを表し、
    が、-O-を表し、
    が、水素を表し、
    が、C1~5アルキルを表し、
    が、-C1~6アルキル-NR8a8bを表し、
    の定義におけるC1~6アルキル部分が、1、2又は3個の-OH置換基で置換されていてもよく、
    8a及びR8bが、各々独立して、水素;C1~6アルキル;及び-C≡C、-CH=CH、-S-C1~4アルキル、-S(=O)-NR11a11b、-O-C1~4アルキル、1個のNR11a11bで置換されている-O-C1~4アルキル、及び1、2又は3個のハロ原子で置換されている-O-C1~4アルキル;からなる群から各々独立して選択される1、2又は3個の置換基で置換されているC1~6アルキル;からなる群から選択され、
    11a及びR11bが、水素を表し、
    11c及びR11dが、各々独立して、水素、及び-C(=O)-C1~4アルキルからなる群から選択され、
    ただし、以下の条件:
    a)R1aが、-C(=O)-NRxaxbを表し、Rxaが、1個の-OH又はNR11c11dで置換されているC1~4アルキルからなる群から選択され、
    b)R1cが、ハロを表し、
    c)R、tert-ブチルであり、
    d)Rが、-C1~6アルキル-NR8a8bを表し、R8aが、-C≡C、-CH=CH、-S-C1~4アルキル、-S(=O)-NR11a11b、1個のNR11a11bで置換されている-O-C1~4アルキル、及び1、2又は3個のハロ原子で置換されている-O-C1~4アルキルからなる群から各々独立して選択される1、2、又は3個の置換基で置換されているC1~6アルキルである、
    のうちの少なくとも1つが満たされることを条件とする、請求項1に記載の化合物。
  3. 1aが、-C(=O)-NRxaxbを表す、請求項1に記載の化合物。
  4. 1aが、-C(=O)-NRxaxbを表し、
    が、-O-を表し、
    Uが、Nを表し、
    n1が1であり、n2が2であり、n3が1であり、n4が1である。
    1bが、Fを表し、
    1cが、Hを表し、
    が、水素を表し、
    が、C1~5アルキルを表し、
    が、-C1~6アルキル-NR8a8bを表す、請求項1に記載の化合物。
  5. UがNを表す、請求項1に記載の化合物。
  6. が-O-を表す、請求項1に記載の化合物。
  7. 1bがFを表す、請求項1に記載の化合物。
  8. 請求項1~7のいずれか一項に記載の化合物と、薬学的に許容される担体又は希釈剤と、を含む、医薬組成物。
  9. 薬学的に許容される担体を、治療有効量の請求項1~7のいずれか一項に記載の化合物と混合することを含む、請求項8に記載の医薬組成物を調製するためのプロセス。
  10. 薬剤として使用するための、請求項1~7のいずれか一項に記載の化合物、又は請求項8に記載の医薬組成物。
  11. がん、骨髄異形成症候群(MDS)及び糖尿病の予防又は治療に使用するための、請求項1~7のいずれか一項に記載の化合物、又は請求項8に記載の医薬組成物。
  12. がんが、白血病、骨髄腫又は固形腫瘍がん、例えば前立腺がん、肺がん、乳がん、膵臓がん、結腸がん、肝臓がん、黒色腫及び神経膠芽腫から選択される、請求項11に記載の使用のための化合物又は医薬組成物。
  13. 前記白血病が、急性白血病、慢性白血病、骨髄球性白血病、骨髄性白血病、リンパ芽球性白血病、リンパ性白血病、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、慢性リンパ性白血病(CLL)、T細胞性前リンパ性白血病(T-PLL)、大顆粒リンパ性白血病、ヘアリーセル白血病(HCL)、MLL再構成白血病、MLL-PTD白血病、MLL増幅白血病、MLL陽性白血病、及びHOX/MEIS1遺伝子発現シグネチャーを示す白血病から選択される、請求項12に記載の使用のための化合物又は医薬組成物。
  14. がん、骨髄異形成症候群(MDS)及び糖尿病から選択される障害を治療又は予防する方法であって、前記障害の治療又は予防を必要とする対象に、治療有効量の請求項1~7のいずれか一項に記載の化合物又は請求項8に記載の医薬組成物を投与することを含む、方法。
  15. 前記障害が、がんである、請求項13に記載の方法。
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