JP2024521885A - CLDN18.2に対するモノクローナル抗体及びそのFc改変されたバージョン - Google Patents

CLDN18.2に対するモノクローナル抗体及びそのFc改変されたバージョン Download PDF

Info

Publication number
JP2024521885A
JP2024521885A JP2023574236A JP2023574236A JP2024521885A JP 2024521885 A JP2024521885 A JP 2024521885A JP 2023574236 A JP2023574236 A JP 2023574236A JP 2023574236 A JP2023574236 A JP 2023574236A JP 2024521885 A JP2024521885 A JP 2024521885A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
seq
hvr
represented
antibody
monoclonal antibody
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2023574236A
Other languages
English (en)
Inventor
ジア,ゼンファ
Original Assignee
シージャツァング イーリング ファーマシューティカル カンパニー リミテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by シージャツァング イーリング ファーマシューティカル カンパニー リミテッド filed Critical シージャツァング イーリング ファーマシューティカル カンパニー リミテッド
Publication of JP2024521885A publication Critical patent/JP2024521885A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

任意に改変されたFc領域を有してもよく、CLDN18.2に特異的に結合し、CL
DN18.1に特異的に結合しないモノクローナル抗体パネルを提供する。

Description

本出願は、2021年5月31日に出願されたPCT特許出願第PCT/CN2021/097239、PCT/CN2021/097240号、および2021年7月16日に出願されたPCT特許出願第PCT/CN2021/106783、PCT/CN2021/106784号の優先権を主張するものであり、それらの内容は参照により本明細書に組み込まれている。
任意に改変されたFc領域を有してもよく、CLDN18.2に特異的に結合し、CLDN18.1に特異的に結合しない抗体パネルを提供する。
密着結合分子クローディン18スプライスバリアント2(クローディン18.2(CLDN18.2))は、密着結合タンパク質のクローディンファミリーのメンバーである。CLDN18.2は、2つの小さな細胞外ループを有する4つの膜貫通ドメインを含む27.8kDaの膜貫通タンパク質である。
正常組織では、胃を除いて、RT-PCRによって検出可能なCLDN18.2の発現はない。CLDN18.2特異抗体による免疫組織化学は、胃が唯一の陽性組織であることを明らかにする。
CLDN18.2は、もっぱら短命の分化胃上皮細胞で発現される、高度に選択的な胃系列抗原である。CLDN18.2は、悪性形質転換の過程において維持されており、したがって、ヒト胃ガン細胞の表面にしばしば呈示される。そのうえ、この汎腫瘍抗原は、食道腺ガン、膵臓腺ガンおよび肺腺ガンにおいて顕著なレベルで異所性に活性化される。CLDN18.2タンパク質はまた、胃ガン腺ガンのリンパ節転移物に、また、とりわけ卵巣内への遠位転移物(いわゆるクルケンベルグ腫瘍)に局在化する。
本発明は、抗CLDN18.2抗体を提供する。
本発明は、ヒトCLDN18.2に特異的に結合する、単離されたモノクローナル抗体、特に、Fc改変されたものを提供するが、ここで抗体は
(1)配列番号1で表されるとおりのVH内に含まれる HVR-H1、HVR-H2およびHVR-H3、および配列番号2で表されるとおりのVL内に含まれる HVR-L1、HVR-L2およびHVR-L3;
(2)配列番号3で表されるとおりのVH内に含まれる HVR-H1、HVR-H2およびHVR-H3、および配列番号4で表されるとおりのVL内に含まれる HVR-L1、HVR-L2およびHVR-L3;
(3)配列番号5で表されるとおりのVH内に含まれる HVR-H1、HVR-H2およびHVR-H3、および配列番号6で表されるとおりのVL内に含まれる HVR-L1、HVR-L2およびHVR-L3; または
(4)配列番号7で表されるとおりのVH内に含まれる HVR-H1、HVR-H2およびHVR-H3、および配列番号8で表されるとおりのVL内に含まれる HVR-L1、HVR-L2およびHVR-L3を含むものであって、
例えば、図1A、1B、1C或いは1Dで表されるとおりのものであって、任意に、Fc領域に1つ以上の変異を含んでいてもよい。
一態様では、当該抗体は、
(1)配列番号11で表されるとおりのHVR-H1、配列番号12で表されるとおりのHVR-H2、配列番号13で表されるとおりのHVR-H3、配列番号14で表されるとおりのHVR-L1、配列番号15で表されるとおりのHVR-L2、および配列番号16で表されるとおりのHVR-L3;
(2)配列番号17で表されるとおりのHVR-H1、配列番号18で表されるとおりのHVR-H2、配列番号19で表されるとおりのHVR-H3、配列番号20で表されるとおりのHVR-L1、配列番号21で表されるとおりのHVR-L2、および配列番号22で表されるとおりのHVR-L3;
(3)配列番号23で表されるとおりのHVR-H1、配列番号24で表されるとおりのHVR-H2、配列番号25で表されるとおりのHVR-H3、配列番号26で表されるとおりのHVR-L1、配列番号27で表されるとおりのHVR-L2、および配列番号28で表されるとおりのHVR-L3;あるいは
(4)配列番号29で表されるとおりのHVR-H1、配列番号30で表されるとおりのHVR-H2、配列番号31で表されるとおりのHVR-H3、配列番号32で表されるとおりのHVR-L1、配列番号33で表されるとおりのHVR-L2、および配列番号34で表されるとおりのHVR-L3を含む。
一態様では、当該抗体は、
(1)配列番号41で表されるとおりのHVR-H1、配列番号42で表されるとおりのHVR-H2、配列番号43で表されるとおりのHVR-H3、配列番号44で表されるとおりのHVR-L1、配列番号45で表されるとおりのHVR-L2、および配列番号46で表されるとおりのHVR-L3;
(2)配列番号47で表されるとおりのHVR-H1、配列番号48で表されるとおりのHVR-H2、配列番号49で表されるとおりのHVR-H3、配列番号50で表されるとおりのHVR-L1、配列番号51で表されるとおりのHVR-L2、および配列番号52で表されるとおりのHVR-L3;あるいは
(3)配列番号53で表されるとおりのHVR-H1、配列番号54で表されるとおりのHVR-H2、配列番号55で表されるとおりのHVR-H3、配列番号56で表されるとおりのHVR-L1、配列番号57で表されるとおりのHVR-L2、および配列番号58で表されるとおりのHVR-L3を含む。
本発明はさらに、ヒトCLDN18.2に特異的に結合する単離されたモノクローナル抗体、特に、Fc改変されたものを提供するが、ここで抗体は:
(1)配列番号11で表されるとおりのHVR-H1、配列番号12で表されるとおりのHVR-H2、および配列番号13で表されるとおりのHVR-H3を含むVH、および配列番号14で表されるとおりのHVR-L1、配列番号15で表されるとおりのHVR-L2、および配列番号16で表されるとおりのHVR-L3を含むVL;
(2)配列番号17で表されるとおりのHVR-H1、配列番号18で表されるとおりのHVR-H2、および配列番号19で表されるとおりのHVR-H3を含むVH、および配列番号20で表されるとおりのHVR-L1、配列番号21で表されるとおりのHVR-L2、および配列番号22で表されるとおりのHVR-L3を含むVL;
(3)配列番号23で表されるとおりのHVR-H1、配列番号24で表されるとおりのHVR-H2、および配列番号25で表されるとおりのHVR-H3を含むVH、および配列番号26で表されるとおりのHVR-L1、配列番号27で表されるとおりのHVR-L2、および配列番号28で表されるとおりのHVR-L3を含むVL;あるいは
(4)配列番号29で表されるとおりのHVR-H1、配列番号30で表されるとおりのHVR-H2、および配列番号31で表されるとおりのHVR-H3を含むVH、および配列番号32で表されるとおりのHVR-L1、配列番号33で表されるとおりのHVR
-L2、および配列番号34で表されるとおりのHVR-L3を含むVLを含むものであって、
任意に、Fc領域に1つ以上の変異を含んでいてもよい。
本発明はさらに、ヒトCLDN18.2に特異的に結合する単離されたモノクローナル抗体、特に、Fc改変されたものを提供するが、ここで抗体は:
(1)配列番号41で表されるとおりのHVR-H1、配列番号42で表されるとおりのHVR-H2、および配列番号43で表されるとおりのHVR-H3を含むVH、および配列番号44で表されるとおりのHVR-L1、配列番号45で表されるとおりのHVR-L2、および配列番号46で表されるとおりのHVR-L3を含むVL;
(2)配列番号47で表されるとおりのHVR-H1、配列番号48で表されるとおりのHVR-H2、および配列番号49で表されるとおりのHVR-H3を含むVH、および配列番号50で表されるとおりのHVR-L1、配列番号51で表されるとおりのHVR-L2、および配列番号52で表されるとおりのHVR-L3を含むVL;あるいは
(3)配列番号53で表されるとおりのHVR-H1、配列番号54で表されるとおりのHVR-H2、および配列番号55で表されるとおりのHVR-H3を含むVH、および配列番号56で表されるとおりのHVR-L1、配列番号57で表されるとおりのHVR-L2、および配列番号58で表されるとおりのHVR-L3を含むVL、を含むものであって、
任意に、Fc領域に1つ以上の変異を含んでいてもよい。
本発明はさらに、ヒトCLDN18.2に特異的に結合する単離されたモノクローナル抗体、特に、Fc改変されたものを提供するが、ここで抗体は、
(1)配列番号1で表されるとおりのVHおよび配列番号2で表されるとおりのVL; (2)配列番号3で表されるとおりのVHおよび配列番号4で表されるとおりのVL;
(3)配列番号5で表されるとおりのVHおよび配列番号6で表されるとおりのVL;あるいは
(4)配列番号7で表されるとおりのVHおよび配列番号8で表されるとおりのVLを含むものであって、
任意に、Fc領域に1つ以上の変異を含んでいてもよく、
任意に、VHのN末端の最初の2つのアミノ酸残基は存在しない。
一態様では、Fc領域における1つ以上の変異はFc受容体への結合および/またはエフェクター機能、例えばADCCおよび/またはCDC、を修飾(例えば、増加または減少)させる1つ以上の変異である。一態様では、Fc領域における1つ以上の変異は、L235V、F243L、R292P、Y300LおよびP396Lからなる群から選択される1つ以上の置換である。一態様では、Fc領域における1つ以上の変異は、L235V、F243L、R292P、Y300LおよびP396Lである。
本発明はさらに、ヒトCLDN18.2に特異的に結合する、単離されたモノクローナル抗体、特に、Fc改変されたものを提供するが、ここで抗体は:
i)ヒトCLDN18.2への結合について、(1) 配列番号1で表されるとおりのVHおよび配列番号2で表されるとおりのVL; (2) 配列番号3で表されるとおりのVHおよび配列番号4で表されるとおりのVL; (3) 配列番号5で表されるとおりのVHおよび配列番号6で表されるとおりのVL;あるいは(4) 配列番号7で表されるとおりのVHおよび配列番号8で表されるとおりのVLを含む抗CLDN18.2抗体と競合するものである、および/または
ii) (1) 配列番号1で表されるとおりのVHおよび配列番号2で表されるとおりのVL; (2) 配列番号3で表されるとおりのVHおよび配列番号4で表されるとおりのVL; (3) 配列番号5で表されるとおりのVHおよび配列番号6で表されると
おりのVL; または (4) 配列番号7で表されるとおりのVHおよび配列番号8で表されるとおりのVLを含む抗CLDN18.2抗体と、ヒトCLDN18.2の同じエピトープに結合するものである;および/または
iii)ヒトCLDN18.2を発現する細胞(例えば、293T細胞またはCHO細胞またはCT26細胞またはKATOIII細胞またはNCI-N87細胞)上のPBMCのADCCを、例えば、LDHまたはFACSにより決定される、10nM、9nM、8nM、7nM、6nM、5nM、4nM、3nM、2nM、1nM、0.9nM、0.8nM、0.7nM、0.6nM、0.5nM、0.4nM、0.3nM、0.2nM、0.1nM、0.09nM、0.08nM、0.07nM、0.06nM、0.05nM、0.04nM、0.03nM、0.02nM、0.01nM、0.009nM、0.008nM、0.007nM、0.006nM、0.005nM、0.004nM、0.003nM、0.002nM、または0.001nMの、その付近の、またはそれ未満のEC50値で媒介するものである;および/または
iv)ヒトCLDN18.1を発現する細胞(例えば、293T細胞またはCHO細胞またはCT26細胞またはKATOIII細胞またはNCI-N87細胞) 上のPBMCのADCCを媒介しないものである;および/または
v)ヒトCLDN18.2を発現する細胞(例えば、293T細胞またはCHO細胞またはCT26細胞またはKATOIII細胞またはNCI-N87細胞) 上のCDCを、例えば、LDHまたはFACSにより決定される、10nM、9nM、8nM、7nM、6nM、5nM、4nM、3nM、2nM、1nM、0.9nM、0.8nM、0.7nM、0.6nM、0.5nM、0.4nM、0.3nM、0.2nM、0.1nM、0.09nM、0.08nM、0.07nM、0.06nM、0.05nM、0.04nM、0.03nM、0.02nM、0.01nM、0.009nM、0.008nM、0.007nM、0.006nM、0.005nM、0.004nM、0.003nM、0.002nM、または0.001nM、の、その付近の、またはそれ未満のEC50値で媒介するものである;および/または
vi)ヒトCLDN18.1を発現する細胞(例えば、293T細胞またはCHO細胞またはCT26細胞またはKATOIII細胞またはNCI-N87細胞)上のCDCを媒介しないものである;および/または
vii)細胞表面上にヒトCLDN18.2を発現する細胞(例えば、293T細胞またはCHO細胞) に、例えば、50pM、45pM、40pM、38.6pM、35pM、30pM、25pM、20pM、15pM、13.1pM、10pM、9.5pM、9pM、または5pMの、その付近の、またはそれ未満のKd値で結合するものである;および/または
viii)細胞表面上にヒトCLDN18.1を発現する細胞(例えば、293T細胞またはCHO細胞) に結合しないものである;および/または
ix)ヒトCLDN18.2に、例えば、10nM、9.5nM、9nM、8.5nM、8nM、7.5nM、7nM、6.5nM、6.4nM、6nM、5.5nM、5nM、4.5nM、4nM、3.8nM、3.5nM、3nM、2.5nM、2nM、1.7nM 1.5nM、または1nMの、その付近の、またはそれ未満のKd値で特異的に結合するものである;および/または
x)ヒトCLDN CLDN18.1に特異的に結合しないものである。
一態様では、本発明の抗CLDN18.2モノクローナル抗体は、マウス、キメラ、またはヒト化抗体である。
一態様では、本発明の抗CLDN18.2モノクローナル抗体は、抗原結合抗体フラグメントである、任意に、Fabフラグメント、Fab’フラグメント、F(ab’) フラグメント、scFvフラグメント、およびダイアボディからなる群から選択されてもよい。
一態様では、本発明の抗CLDN18.2モノクローナル抗体は完全長抗体である。一態様では、本発明の抗CLDN18.2モノクローナル抗体は、ヒトIgG(特にIgG1)の重鎖定常領域、任意に配列番号9で表されるとおりのものを含む。一態様では、本発明の抗CLDN18.2モノクローナル抗体は変異ヒトIgG(特にIgG1)の重鎖定常領域、任意に配列番号40で表されるとおりのものを含む。一態様では、本発明の抗CLDN18.2モノクローナル抗体は、ヒトカッパ軽鎖定常領域、任意に配列番号10で表されるとおりのものを含む。一態様では、本発明の抗CLDN18.2モノクローナル抗体はキメラ抗体、例えば、マウス/ヒトキメラ抗体である。一態様では、本発明の抗CLDN18.2モノクローナル抗体は、Fc改変されたものである。
一態様では、本発明のモノクローナル抗体 (mAb)またはFabフラグメントは、交差形式(x-mAbもしくはx-Fab)を有し、ここで、軽鎖および重鎖の可変ドメインまたは(第1の)定常ドメインのいずれかが交換される。
本発明は、本発明のモノクローナル抗体をコードする単離された核酸を提供する。本発明は、本発明の核酸を含むベクター、例えば、クローニングベクターまたは発現ベクターを提供する。本発明は、本発明の核酸あるいは本発明のベクターを含む宿主細胞を提供する。本発明は、抗体が産生されるように宿主細胞を培養することを含む本発明のモノクローナル抗体を産生する方法を提供する。一態様では、当該方法はさらに、及び宿主細胞又は細胞培養培地から抗体を回収することを含む。
本発明は、本発明のモノクローナル抗体を含む組成物を提供する。本発明は、本発明のモノクローナル抗体および薬学上で許容される担体を含む薬学的製剤を提供する。
本発明は、薬剤として使用するための本発明のモノクローナル抗体を提供する。本発明は、がん治療のために使用する本発明のモノクローナル抗体を提供する。本発明は、薬剤の製造のための本発明のモノクローナル抗体の使用を提供する。一態様では、薬剤は、がん治療のために使用される。本発明は、個体に治療有効量の本発明のモノクローナル抗体を投与することを含む、がんを有する個体を治療する方法を提供する。
図1Aは、本発明の抗体のVHおよびVLのアミノ酸配列のアラインメントを示す図である。Kabatに従うHVRは、影によって強調されている。 図1Bは、本発明の抗体のVHおよびVLのアミノ酸配列のアラインメントを示す図である。IMGTに従うHVRは、影によって強調されている。 図1Cは、本発明の抗体のVHおよびVLのアミノ酸配列のアラインメントを示す図である。Chothiaに従うHVRは、影によって強調されている。 図1Dは、本発明の抗体のVHおよびVLのアミノ酸配列のアラインメントを示す図である。Contactに従うHVRは、影によって強調されている。 図2は、本発明の抗体のCLDN18.2発現細胞への結合を示す図である。 図3は、本発明の抗体のCLDN18.1発現細胞への結合を示す図である。 図4は、本発明の抗体によって媒介されているCLDN18.2発現細胞上のADCCを示す図である。 図5は、本発明の抗体のhuCLDN18.2への結合曲線を示す図である。 図6は、本発明の抗体のhuCLDN18.2発現細胞への結合曲線を示す図である。 図7は、本発明の抗体のADCCアッセイ結果を示す図である。 図8は、本発明の抗体の細胞結合アッセイ結果を示す図である。 図9は、本発明の抗体のCDCアッセイ結果を示す図である。 図10は、本発明の抗体のADCCアッセイ結果を示す図である。 図11は、LDHアッセイによって決定される、CLDN18.2を発現するCT26に対する、本発明の抗体により媒介されるCDC効果を示す図である。 図12は、LDHアッセイによって決定される、CLDN18.2を発現するKATOIIIに対する、本発明の抗体により媒介されるCDC効果を示す図である。 図13は、LDHアッセイによって決定される、CLDN18.2を発現するKATOIIIに対する、本発明の抗体により媒介されるADCC効果を示す図である。 図14は、LDHアッセイによって決定される、CLDN18.2を発現するNCI-N87に対する、本発明の抗体により媒介されるADCC効果を示す図である。
I. 定義
本明細書における「抗体」という用語は、最も広い意味で使用され、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、多重特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)、および所望の抗原結合活性を示す限り抗体断片を含むが、それに限定されない、様々な抗体構造を包含する。
「抗体フラグメント」とは、インタクト抗体以外の分子であって、インタクト抗体のうち、インタクト抗体が結合する抗原に結合する部分を含む分子を指す。抗体フラグメントの例として、Fv、Fab、Fab’、Fab’-SH、F(ab’)、ダイアボディ、線状抗体、一本鎖抗体分子(例えばscFv)、および抗体フラグメントから形成される多重特異性抗体が挙げられるが、それらに限定されるわけではない。
「キメラ」抗体という用語は、重鎖及び/または軽鎖の一部分が特定の源または種に由来し、重鎖及び/または軽鎖の残りの部分が異なる源または種に由来する抗体を指す。
抗体の「クラス」は、その重鎖によって保有される定常ドメインまたは定常領域の型を指す。5つの主要な抗体クラスIgA、IgD、IgE、IgG、及びIgMが存在し、これらのうちの数個は、サブクラス(アイソタイプ)、例えば、IgG、IgG、IgG、IgG、IgA、及びIgAにさらに分類され得る。免役グロブリンの異なるクラスに対応する重鎖定常ドメインは、それぞれ、α、δ、ε、γ、及びμと呼ばれる。軽鎖は、それらの定常ドメインのアミノ酸配列に基づいて、カッパ(「κ」)及びラムダ(「λ」)と呼ばれる2つの明らかに異なる種類のうちの1つに割り当てることができる。
「エフェクター機能」は、抗体アイソタイプにより異なる抗体のFc領域に起因し得る生物活性を指す。抗体エフェクター機能の例としては、C1q結合及び補体依存性細胞傷害作用(CDC)、Fc受容体結合、抗体依存性細胞媒介性細胞傷害作用(ADCC)、食作用、細胞表面受容体(例えば、B細胞受容体)の下方制御、ならびにB細胞活性化が挙げられる。
本明細書に使用される「改変する、改変された、改変すること」という用語は、ペプチド主鎖の任意の改変、または天然に存在するもしくは組換えのポリペプチドもしくはその
断片の翻訳後修飾を含むと考えられる。改変には、アミノ酸配列、グリコシル化パターン、または個別のアミノ酸の側鎖基の修飾のみならず、これらの手法の組み合わせが含まれる。
本明細書における「Fc領域」という用語は、定常領域の少なくとも一部分を含有する免疫グロブリン重鎖のC末端領域を定義するために使用される。本用語は、ネイティブな配列のFc領域および変異Fc領域を含む。一態様では、ヒトIgG重鎖Fc領域は、Cys226から、またはPro230から、重鎖のカルボキシル末端まで延長する。しかしながら、Fc領域のC末端リジン(Lys447)は、存在する場合もあれば、存在しない場合もある。一態様では、本明細書に記載の抗CLDN18.2抗体は、IgG1アイソタイプであり、配列番号9または配列番号40の重鎖定常領域を含む。一態様では、C末端リジン(Lys447)をさらに含む。本明細書に明記されていない限り、Fc領域又は定常領域内のアミノ酸残基の番号付けは、Kabat et al., Sequences of Proteins of Immunological Interest, 5th Ed. Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, MD,
1991に記載されるように、EUインデックスとも呼ばれるEU番号付けシステムに従う。
「フレームワーク」または「FR」は、超可変領域(HVR)残基以外の可変ドメイン残基を指す。可変ドメインのFRは、一般的に、4つのFRドメイン:FR1、FR2、FR3、およびFR4からなる。したがって、HVRおよびFR配列は、一般的に、VH(またはVL)中に以下の順序で出現する:FR1-H1(L1)-FR2-H2(L2)-FR3-H3(L3)-FR4。
用語「完全長抗体」、「インタクトな抗体」及び「全抗体」は、本明細書中で互換的に使用され、天然型抗体構造と実質的に類似の構造を有するか、又はFc領域を含む重鎖を有する抗体を指す。
「宿主細胞」、「宿主細胞株」、および「宿主細胞培養物」という用語は、互換的に使用され、外因性核酸が導入された細胞を、このような細胞の子孫を含めて指す。宿主細胞には、初代形質転換細胞および継代回数に関係なくそれに由来する子孫が含まれる「形質転換体」および「形質転換細胞」が含まれる。子孫は、親細胞と核酸含有量が完全には同一でない場合があり、変異を含有し得る。本来の形質転換細胞においてスクリーニングまたは選択されたのと同じ機能または生物活性を有する変異子孫が、本明細書に含まれる。
「ヒト化」抗体は、非ヒトHVR由来のアミノ酸残基およびヒトFR由来のアミノ酸残基を含むキメラ抗体を指す。ある特定の実施形態では、ヒト化抗体は、少なくとも1つ、典型的には2つの可変ドメインのうち実質的に全てを含み、可変ドメイン中のHVR(例えば、CDR)のうち全てまたは実質的に全ては、非ヒト抗体のHVRに対応し、FRのうち全てまたは実質的に全ては、ヒト抗体のFRに対応する。ヒト化抗体は、場合により、ヒト抗体に由来する抗体定常領域の少なくとも一部分を含み得る。抗体、例えば、非ヒト抗体の「ヒト化形態」は、ヒト化を受けた抗体を指す。
本明細書に使用される「超可変領域」または「HVR」という用語は、配列が超可変(「相補性決定領域」または「CDR」)であり、かつ/または構造的に定義されたループ(「超可変ループ」)を形成し、かつ/または抗原接触残基(「抗原接触部」)を含有する、抗体可変ドメインの各領域を指す。一般的に、抗体は、VH(H1、H2、H3)中に3つおよびVL(L1、L2、L3)中に3つの、6つのHVRを含む。本明細書における例示的なHVRには:
(a)アミノ酸残基26~32(L1)、50~52(L2)、91~96(L3)、26~32(H1)、53~55(H2)、および96~101(H3)に存在する超可変ループ(ChothiaおよびLesk、J.Mol.Biol.196:901-917(1987));
(b)アミノ酸残基24~34(L1)、50~56(L2)、89~97(L3)、31~35b(H1)、50~65(H2)、および95~102(H3)に存在するCDR(Kabatら、Sequences of Proteins of Immunological Interest、第5版、Public Health Service、National Institutes of Health、Bethesda、MD(1991));
(c)アミノ酸残基27c~36(L1)、46~55(L2)、89~96(L3)、30~35b(H1)、47~58(H2)、および93~101(H3)に存在する抗原接触部(MacCallumら、J.Mol.Biol.262:732-745(1996));ならびに
(d)HVRアミノ酸残基46~56(L2)、47~56(L2)、48~56(L2)、49~56(L2)、26~35(H1)、26~35b(H1)、49~65(H2)、93~102(H3)、および94~102(H3)を含む、(a)、(b)、および/または(c)の組み合わせ
HVR残基は、ウェブサイト、例えば、https://www.novopro.cn/tools/cdr.html、で同定され得る。
特に断らない限り、可変ドメイン内のHVR残基及び他の残基(例えば、FR残基)は、上掲のKabatらに従って本明細書において番号が付けられる。
本明細書に使用される「モノクローナル抗体」という用語は、実質的に均一な抗体の集団から得られる抗体を指し、すなわち、集団中に含まれる個別の抗体は、例えば、天然に存在する変異を含有する、またはモノクローナル抗体調製物の精製の間に生じる、可能性のある変異抗体(このような変異体は、一般的に少量存在する)を除き、同一であり、かつ/または同じエピトープに結合する。典型的には、異なる決定基(エピトープ)に対する異なる抗体を含むポリクローナル抗体調製物と対照的に、モノクローナル抗体調製物の各モノクローナル抗体は、抗原上の単一の決定基に対するものである。したがって、修飾語「モノクローナル」は、実質的に均一な抗体集団から得られるという抗体の特性を示すのであって、任意の特定の方法により抗体を産生することを必要とすると解釈されるべきではない。例えば、本発明により使用されるべきモノクローナル抗体は、ハイブリドーマ法、組換えDNA法、ファージ-ディスプレイ法、およびヒト免疫グロブリン座位の全てまたは一部を含有するトランスジェニック動物を利用する方法を含むが、それに限定されない多様な技術により製造される場合があり、モノクローナル抗体を製造するための、このような方法および他の例示的な方法が、本明細書に記載される。
「可変領域」または「可変ドメイン」という用語は、抗原への抗体の結合に関与する抗体重鎖または軽鎖のドメインを指す。ネイティブな抗体の重鎖および軽鎖の可変ドメイン(それぞれVHおよびVL)は、一般的に、各ドメインが4つの保存されたフレームワーク領域(FR)および3つの超可変領域(HVR)を含む、類似構造を有する。例えば、Kindtら、Kuby Immunology、第6版、W.H.Freeman and Co.、91頁(2007)を参照されたい。単一のVHまたはVLドメインが、抗原結合特異性を付与するために十分であり得る。さらに、特定の抗原に結合する抗体は、抗原に結合する抗体のVHドメイン又はVLドメインを使用し、それぞれ、相補的なVLドメイン又はVHドメインのライブラリをスクリーニングして、単離してもよい。例えば、Portolano et al.,J.Immunol. 150:880-887(1993);Clarkson et al.,Nature 352:624-6
28(1991)を参照されたい。
「ベクター」という用語は、本明細書において使用されるように、連結されている別の核酸を増やすことができる核酸分子をさす。その用語には、自己複製性の核酸構造としてのベクターも含まれるし、導入された宿主細胞のゲノムへ組み込まれたベクターも含まれる。ある特定のベクターは、機能的に連結されている核酸の発現を指図することができる。そのようなベクターは、本明細書において「発現ベクター」と呼ばれる。
II. 例示的な抗体
本発明は、ヒトCLDN18.2に特異的に結合する、単離されたモノクローナル抗体、特に、Fc改変されたものを提供するが、ここで抗体は以下を含む:配列番号11で表されるとおりのHVR-H1、配列番号12で表されるとおりのHVR-H2、および配列番号13で表されるとおりのHVR-H3を含むVH、および配列番号14で表されるとおりのHVR-L1、配列番号15で表されるとおりのHVR-L2、および配列番号16で表されるとおりのHVR-L3を含むVL。一態様では、当該抗体は、配列番号1で表されるとおりのVHおよび配列番号2で表されるとおりのVLを含む。任意に、VHのN末端の最初の2つのアミノ酸残基は存在しない。
本発明は、ヒトCLDN18.2に特異的に結合する、単離されたモノクローナル抗体、特に、Fc改変されたものを提供するが、ここで抗体は、以下を含む:配列番号17で表されるとおりのHVR-H1、配列番号18で表されるとおりのHVR-H2、および配列番号19で表されるとおりのHVR-H3を含むVH、および配列番号20で表されるとおりのHVR-L1、配列番号21で表されるとおりのHVR-L2、および配列番号22で表されるとおりのHVR-L3を含むVL。一態様では、当該抗体は、配列番号3で表されるとおりのVHおよび配列番号4で表されるとおりのVLを含む。任意に、VHのN末端の最初の2つのアミノ酸残基は存在しない。
本発明は、ヒトCLDN18.2に特異的に結合する、単離されたモノクローナル抗体、特に、Fc改変されたものを提供するが、ここで抗体は、以下を含む:配列番号23で表されるとおりのHVR-H1、配列番号24で表されるとおりのHVR-H2、および配列番号25で表されるとおりのHVR-H3を含むVH、および配列番号26で表されるとおりのHVR-L1、配列番号27で表されるとおりのHVR-L2、および配列番号28で表されるとおりのHVR-L3を含むVL。本発明は、ヒトCLDN18.2に特異的に結合する、単離されたモノクローナル抗体、特に、Fc改変されたものを提供するが、ここで抗体は、以下を含む:配列番号41で表されるとおりのHVR-H1、配列番号42で表されるとおりのHVR-H2、および配列番号43で表されるとおりのHVR-H3を含むVH、および配列番号44で表されるとおりのHVR-L1、配列番号45で表されるとおりのHVR-L2、および配列番号46で表されるとおりのHVR-L3を含むVL。本発明は、ヒトCLDN18.2に特異的に結合する、単離されたモノクローナル抗体、特に、Fc改変されたものを提供するが、ここで抗体は、以下を含む:配列番号47で表されるとおりのHVR-H1、配列番号48で表されるとおりのHVR-H2、および配列番号49で表されるとおりのHVR-H3を含むVH、および配列番号50で表されるとおりのHVR-L1、配列番号51で表されるとおりのHVR-L2、および配列番号52で表されるとおりのHVR-L3を含むVL。本発明は、ヒトCLDN18.2に特異的に結合する、単離されたモノクローナル抗体、特に、Fc改変されたものを提供するが、ここで抗体は、以下を含む:配列番号53で表されるとおりのHVR-H1、配列番号54で表されるとおりのHVR-H2、および配列番号55で表されるとおりのHVR-H3を含むVH、および配列番号56で表されるとおりのHVR-L1、配列番号57で表されるとおりのHVR-L2、および配列番号58で表されるとおり
のHVR-L3を含むVL。一態様では、当該抗体は、配列番号5で表されるとおりのVHおよび配列番号6で表されるとおりのVLを含む。任意に、VHのN末端の最初の2つのアミノ酸残基は存在しない。
本発明は、ヒトCLDN18.2に特異的に結合する、単離されたモノクローナル抗体、特に、Fc改変されたものを提供するが、ここで抗体は、以下を含む:配列番号29で表されるとおりのHVR-H1、配列番号30で表されるとおりのHVR-H2、および配列番号31で表されるとおりのHVR-H3を含むVH、および配列番号32で表されるとおりのHVR-L1、配列番号33で表されるとおりのHVR-L2、および配列番号34で表されるとおりのHVR-L3を含むVL。一態様では、当該抗体は、配列番号7で表されるとおりのVHおよび配列番号8で表されるとおりのVLを含む。任意に、VHのN末端の最初の2つのアミノ酸残基は存在しない。
一態様では、Fc領域における1つ以上の変異はFc受容体への結合および/またはエフェクター機能、例えばADCCおよび/またはCDC、を修飾(例えば、増加または減少)させる1つ以上の変異である。一態様では、Fc領域における1つ以上の変異は、L235V、F243L、R292P、Y300LおよびP396Lからなる群から選択される1つ以上の置換である。一態様では、Fc領域における1つ以上の変異は、L235V、F243L、R292P、Y300LおよびP396Lである。
一態様では、本発明の抗CLDN18.2モノクローナル抗体は、マウス、キメラ、またはヒト化抗体である。
一態様では、本発明の抗CLDN18.2モノクローナル抗体は、抗原結合抗体フラグメントである、任意に、Fabフラグメント、Fab’フラグメント、F(ab’) フラグメント、scFvフラグメント、およびダイアボディからなる群から選択されてもよい。
一態様では、本発明の抗CLDN18.2モノクローナル抗体は完全長抗体である。一態様では、本発明の抗CLDN18.2モノクローナル抗体は、ヒトIgG(特にIgG1)の重鎖定常領域、任意に配列番号9で表されるとおりのものを含む。一態様では、本発明の抗CLDN18.2モノクローナル抗体は変異ヒトIgG(特にIgG1)の重鎖定常領域、任意に配列番号40で表されるとおりのものを含む。一態様では、本発明の抗CLDN18.2モノクローナル抗体は、ヒトカッパ軽鎖定常領域、任意に配列番号10で表されるとおりのものを含む。一態様では、本発明の抗CLDN18.2モノクローナル抗体はキメラ抗体、例えば、マウス/ヒトキメラ抗体である。一態様では、本発明の抗CLDN18.2モノクローナル抗体は、Fc改変されたものである。
一態様では、本発明のモノクローナル抗体 (mAb)またはFabフラグメントは、交差形式(x-mAbもしくはx-Fab)を有し、ここで、軽鎖および重鎖の可変ドメインまたは(第1の)定常ドメインのいずれかが交換される。
III. 組換え方法及び組成物
抗体は、例えば米国特許第4816567号で説明したように、組換えの方法及び組成物を用いて製造することができる。これらの方法では、抗体をコードする1つまたは複数の単離された核酸が提供される。
ネイティブ抗体またはネイティブ抗体フラグメントの場合、2つの核酸、すなわち軽鎖またはそのフラグメント用に1つと、重鎖またはそのフラグメント用に1つとが必要であ
る。そのような核酸は抗体のVLを含むアミノ酸配列および/または抗体のVHを含むアミノ酸配列(例えば抗体の軽鎖および/または重鎖)をコードする。これらの核酸は同じ発現ベクター上または異なる発現ベクター上に存在することができる。
一態様では、本明細書に記載する方法において使用される抗体をコードする単離された核酸が提供される。
さらなる一態様では、そのような核酸を含む1つまたは複数のベクター(例えば発現ベクター)が提供される。
さらなる一態様では、そのような核酸を含む宿主細胞が提供される。
そのような一態様において、宿主細胞は、以下のベクターを含む(例えば以下のベクターで形質転換されている):
(1)抗体のVLを含むアミノ酸配列および抗体のVHを含むアミノ酸配列をコードする核酸を含むベクター、または
(2)抗体のVLを含むアミノ酸配列をコードする核酸を含む第1ベクターおよび抗体のVHを含むアミノ酸配列をコードする核酸を含む第2ベクター。
一態様において、宿主細胞は真核生物細胞、例えばチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞またはリンパ球系細胞(例えばY0、NS0、Sp2/0細胞)である。一態様では、抗体を作製する方法であって、上で提供された抗体をコードする核酸を含む宿主細胞を、抗体の発現に適した条件下で培養する工程、および任意で抗体を宿主細胞または宿主細胞培養培地から回収する工程を含む方法が提供される。
抗体の組換え生産のために、例えば上述したように、抗体をコードする核酸が単離され、宿主細胞内での更なるクローニング及び/又は発現のために1つ以上のベクターに挿入される。このような核酸は、容易に単離され、従来の手順を用いて(例えば、抗体の重鎖と軽鎖をコードする遺伝子に特異的に結合できるオリゴヌクレオチドプローブを使用することによって)配列決定することができ、あるいは組換え法によって産生することも、化学合成によって得ることもできる。
抗体をコードするベクターのクローニング又は発現に適切な宿主細胞は、本明細書に記載の原核細胞又は真核細胞を含む。例えば、特に、グリコシル化及びFcエフェクター機能が必要ない場合には、抗体は細菌で産生することができる。細菌における抗体断片及びポリペプチドの発現については、例えば、米国特許第5648237号、第5789199号及び第5840523号を参照。(また、大腸菌における抗体の発現を説明している、Charlton, Methods in Molecular Biology,
Vol. 248 (B.K.C. Lo, ed., Humana Press,
Totowa, NJ, 2003), pp. 245-254も参照)。発現の後、抗体は可溶性画分において細菌の細胞ペーストから単離され、更に精製することができる。
原核生物に加えて、糸状菌又は酵母菌のような真核微生物は、そのグリコシル化経路が、「ヒト化」されている菌類や酵母菌株を含む抗体をコードするベクターのための、適切なクローニング宿主又は発現宿主であり、部分的又は完全なヒトのグリコシル化パターンを有する抗体の産生をもたらす。Gerngross, Nat. Biotech. 22:1409-1414 (2004)、及びLi et al., Nat. Biotech. 24:210-215 (2006)を参照。
グリコシル化抗体の発現に適した宿主細胞はまた、多細胞生物(無脊椎動物と脊椎動物)にも由来している。無脊椎動物細胞の例としては、植物及び昆虫細胞が挙げられる。多数のバキュロウイルス株が同定され、これらは特にSpodoptera frugiperda細胞のトランスフェクションのために、昆虫細胞と組み合わせて使用することができる。
植物細胞培養を宿主として利用することができる。例えば、米国特許第5959177号、第6040498号、第6420548号、第7125978号及び第6417429号(トランスジェニック植物における抗体産生に関するPLANTIBODIESTM技術を記載)を参照。
脊椎動物細胞もまた宿主として用いることができる。例えば、懸濁液中で増殖するように適合した哺乳動物細胞株は有用であり得る。有用な哺乳動物宿主細胞株の他の例は、SV40(COS-7)で形質転換されたサル腎臓CV1株、ヒト胚腎臓株(Graham
F.L. et al., J. Gen Virol. 36:(1977) 59-74に記載された293細胞又は293細胞;ベビーハムスター腎臓細胞(BHK)、マウスのセルトリ細胞(Mather J.P., Biol. Reprod. 23:(1980) 243-252に記載されるTM4細胞);サル腎細胞(CV1);アフリカミドリザル腎細胞(VERO-76);ヒト子宮頚がん細胞(HELA);イヌ腎臓細胞(MDCK;バッファローラット肝臓細胞(BRL 3A);ヒト肺細胞(W138);ヒト肝細胞(HepG2);マウス乳腺腫瘍(MMT060562); 例えばMather J.P.et al., Annals N.Y. Acad. Sci.
383:(1982) 44-68に記載されるTRI細胞;MRC5細胞;及びFS4細胞である。他の有用な哺乳動物宿主細胞株は、DHFR-CHO細胞(Urlaub
G. et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 77:(1980) 4216-4220)を含むチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞;並びにY0、NS0及びSp2/0などの骨髄腫細胞株を含む。抗体産生に適した特定の哺乳動物宿主細胞系の総説については、例えば、Yazaki,P. and Wu,A.M. Methods in Molecular Biology, Vol. 248, Lo, B.K.C. (ed.), Humana Press, Totowa, NJ(2004), pp. 255-268を参照。
IV. アッセイ
本明細書で提供される抗体は、同定され、当技術分野で公知の様々なアッセイによってその物理的/化学的性質及び/又は生物学的活性についてスクリーニングされ、又は特徴づけることができる。
結合アッセイおよび他のアッセイ
一態様では、本発明の抗体をその抗原結合活性について、例えば、公知の方法、例えば、ELISA、ウエスタンブロットなどによって試験する。
別の態様において、CLDN18.2への結合についてCLDN18.2と競合する抗体を同定するために競合アッセイを使用することができる。特定の実施態様において、そのような競合抗体は、CLDN18.2によって結合される同じエピトープ(例えば、線形又は立体構造エピトープ)に結合する。抗体が結合するエピトープをマッピングするための詳細な典型的な方法は、Methods in Molecular Biology vol. 66 (Humana Press, Totowa, NJ)のMorris (1996) “Epitope Mapping Protocols,”に
提供される。
典型的な競合アッセイにおいて、固定化CLDN18.2は、CLDN18.2に結合する第一の標識された抗体、及びCLDN18.2への結合について第一の抗体と競合する能力について試験された第二の未標識抗体を含む溶液中でインキュベートされる。第二抗体はハイブリドーマ上清中に存在してもよい。対照として、固定化CLDN18.2が、未標識の第二の抗体でなく、標識された第一の抗体を含む溶液中でインキュベートされる。CLDN18.2への第一の抗体の結合を許容する条件下でインキュベートした後、過剰の非結合抗体が除去され、固定化されたCLDN18.2に結合した標識の量が測定される。もし、固定化されたCLDN18.2に結合した標識の量が、対照試料と比較して試験試料中で実質的に減少している場合、それは、第二抗体が、CLDN18.2への結合において第一の抗体と競合していることを示している。Harlow and Lane (1988) Antibodies:A Laboratory Manual
ch.14 (Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, NY)を参照。
活性のアッセイ
一態様において、アッセイは、生物学的活性を有するそれらの抗CLDN18.2抗体を同定するために与えられる。生物学的活性は、例えば、抗CLDN18.2抗体のCLDN18.2を発現する標的細胞に対するPBMCによるADCCを含み得る。インビボ及び/又はインビトロでこのような生物学的活性を有する抗体もまた提供される。
最初のスクリーニングの結果、CLDN18.2発現細胞には特異的に結合するが、CLDN18.1発現細胞には結合しない、免疫したマウス由来の4つの陽性ハイブリドーマ細胞株が確認された。
実施例1:マウスハイブリドーマ細胞からの4つのCLDN18.2特異的モノクローナル抗体(mAb)のクローニング
この実施例は、抗体のH鎖とL鎖の遺伝子をマウスハイブリドーマ細胞からクローニングして、CLDN18.2に特異的な可変領域配列を取得し、キメラ抗体を作製することを示す実施例である。
当技術分野における従来の手順に従い、Quick-RNATM Microprep
Kit (ZYMO Research, Cat. # R1050) を用いてハイブリドーマ細胞からRNAを分離・精製した。第一鎖cDNAを合成し、SMARTer(R) RACE 5’/3’ kit (Takara Bio USA, Inc. Cat. # 634858) を用いて、IgG1 3’ 定常プライマー (配列番号35), IgG2a 3’ 定常プライマー (配列番号36) およびKappa 3’ 定常プライマー (配列番号37) と共にRACEを実施した。RACE
DNA産物は、NuceloSpin Gel とPCR Clean-Up kit
(Takara, Cat. # 740986.20) を用いてゲル抽出に供した。直線化pRACEベクターとゲル精製PACE産物のin-fusion反応混合物をStellarコンピテントセル(Clontech, Cat.# 636766)に形質転換した。QIAprep Spin Miniprep Kit (Qiagen, Cat. # 27104)を用いて形質転換体からプラスミドDNAを分離し、M13シーケンシングプライマーを用いてサンガー配列決定(GENEWIZ)に供した。重鎖と軽鎖の4対の最終的な遺伝子配列が得られ(データは示されていない)、これを下
記の通りCLDN18.2 mAbs(mAb1、mAb2、mAb3、mAb4)として決定された。
実施例2:マウス定常領域をヒト定常領域に置き換えたキメラ抗体の構築
本実施例は、分子クローニングされた4種類のマウスmAbの定常領域を、ヒトIgG1重鎖およびカッパ軽鎖からのものに置き換えることにより、キメラ抗体を構築することを示す実施例である。
ヒトIgG1重鎖の定常領域を含むプラスミドpFUSE-CHIg-hG1(InvivoGen、Cat# pfuse-hchg1)(配列番号9)およびヒトカッパ軽鎖の定常領域(配列番号10)を含むプラスミドpFUSE2-CLIg-hk(InvivoGen、Cat # pfuse2-hclk) をHind IIIおよびNhe I(IgG1用)あるいはBsiW I(カッパ用)(全部NEB labから)で消化された。線状化したプラスミドを、NucleoSpin Gel と PCR Clean-up kit (Takara, Cat. # 740986.20) を用いたゲル精製により精製した。mAb1、mAb2、mAb3、mAb4のマウス重鎖および軽鎖可変領域のコード配列は、実施例1で得られたプラスミドからHiFi HotStart(Kapa(Roche)、KK2602)を用いて特定のプライマーとともにPCR増幅し(データは示されていない)、NucleoSpin Gel とPCR Clean-up kit(Takara、 Cat.# 740986.20 )を用いてゲル精製により精製した。線状化ベクターと挿入断片は、Gibson Assembly(R) HiFi 1 Step Kit (SGI (VWR), Cat. # GA1100-50)を用いて繋ぎ合せた。アセンブリー反応混合物をStellarコンピテントセル(Clontech, Cat.# 636766)に形質転換した。プラスミドDNAをQIAprep Spin Miniprep Kit (Qiagen, Cat. # 27104)を用いて形質転換体から分離し、サンガー配列決定(GENEWIZ)に供した。実施例1で作製した4種類のマウスmAbのうち1種類の可変領域を含む4種類のキメラ抗体を構築した。新しいキメラ抗体は、YL-G1-19-01、YL-G1-19-02、YL-G1-19-03、及びYL-G1-19-04と命名された。
実施例3:4つのキメラモノクローナル抗体の特異性の表面染色での確認
本実施例は、4つのキメラモノクローナル抗体のCLDN18.2への結合特異性を、参照mAb(IMAB362、Ganymed)と比較して試験する実施例である。
FACSバッファー中の2×10細胞/mlでの密度のCLDN18.2発現293T細胞およびCLDN18.1発現293T細胞(50μL)を、希釈系列のキメラ抗体、参照抗体、またはIgGネガティブコントロール(50μL)(60.00、20.00、6.67、2.22、0.74、0.25、0.08 μg/mL、FACSバッファー中)を96ウェルVボトムプレート中で混合し、氷上で30分インキュベートさせた。200μL/ウェルFACSバッファーで洗浄後、30μL/ウェル二次抗体Alexa Fluor(R) 647 AffiniPure Goat Anti-Human IgG, Fcγ fragment specific (Jackson, Cat. #109-605-098) に細胞を再懸濁し、氷上で20分インキュベートさせた。200μL/ウェルFACSバッファーで3回洗浄した後、細胞を150μL/ウェルFACSバッファーで再懸濁し、BD LSR IIフローサイトメーター(HTS)を用いたFACSに供された。データ解析には幾何平均を用い、プロットはPrism GraphPadを使用して作成した。フローサイトメトリー解析の結果、4つのキ
メラ抗体は、参照mAbと比較して、CLDN18.2発現細胞に対して高い特異的結合を有することが示された(図2参照)。CLDN18.1発現細胞への結合は認められず(図3参照)、4つのキメラ抗体の高い特異性が示唆された。
実施例4:ADCCアッセイによる4つのキメラ抗体の機能確認
本実施例は、これら4つのキメラ抗体のADCCを媒介した傷害活性を、参照mAb(IMAB362、Ganymed)と比較して試験する実施例である。
CLDN18.2発現293T細胞およびCLDN18.1発現293T細胞は、eBioscienceTM CFSE (Thermo, Cat. #65-0850-84) を用いてCFSEで標識した。Lympholyte(R) Cell Separation Media (Cedarlane, Cat. # CL5110)
(50μL)中の4 x 10細胞/mlでの密度のCFSE標識した細胞を、希釈系列(20.00、6.67、2.22、0.74、0.25、0.08、0.03 μg/mL 培地中)のキメラ抗体、参照抗体、またはIgGネガティブコントロール(100μL)を96ウェルVボトムプレート中で混合し、暗所、室温で15分間インキュベートさせた。次に、5×10細胞/mlの密度のPBMC(50μL)を加え、プレートを37℃、暗所で2時間インキュベートさせた。細胞をPBSで2回洗浄し、eBioscienceTM Fixable Viability Dye eFluorTM
660 (Thermo, Cat. # 65-0864)の作業溶液を1ウェルあたり100μL添加した。プレートを氷上、暗所で30分インキュベートさせた。PBSで洗浄後、75μL/wellのPBSと25μL/wellの4%パラホルムアルデヒドを加えて細胞を再懸濁し、BD LSR II Flow Cytometer(HTS)を用いてFACSに供された。データ解析には傷害率(CFSE陽性集団対CFSE/FVD-AF660ダブル陽性集団)が用いられ、プロットはPrism GraphPadを用いて作成した。FACSベース法によるADCC活性は、4つのキメラ抗体がCLDN18.2発現細胞に対するADCC活性を媒介できることを示した(図4参照)。
実施例5:Fc改変されたキメラ抗体の特徴付け
さらに、4つのFc改変されたキメラ抗体が構築された。第1世代の初期キメラ抗体YL-G1-19-01、YL-G1-19-02、YL-G1-19-03及びYL-G1-19-04と比較して、第2世代のFc改変キメラ抗体YL-G2-A、YL-G2-B、YL-G2-C及びYL-G2-D(YL-G1-19-04と比較して、YL-G2-Dでは、VHドメインの最初の2つのN末端アミノ酸残基が存在しない)には、EUの番号付けに従って、L235V、F243L、R292P、Y300L、P396Lという5つのFc領域の置換が含まれている。ヒトIgG1重鎖の変異型定常領域(CH1、ヒンジ、CH2、およびCH3を含む)は、配列番号40に記載されている。
本実施例では、これらのFc改変されたキメラ抗体の特徴付けを説明する。
5.1:抗原・抗体結合相互作用
本実施例は、YL-G2-B、YL-G2-CおよびYL-G2-Dの抗原抗体結合相互作用の特徴付けを示す実施例である。
YL-G2-B、YL-G2-CおよびYL-G2-Dのin vitro生物活性は、KinExA 4000システム(KinExA, US)を用いて、組換えhuCL
DN18.2-FcおよびhuCLDN18.2過剰発現CHO細胞との結合をモニタリングすることにより分析した。
KinExA法を用いて親和性を測定するには、結合パートナーA(定結合パートナー、CBPとして知られている)のバックグラウンドで結合パートナーB(滴定剤として知られている)の連続希釈を実行した。つまり、CBPは一定の濃度を保ち、滴定液は濃度を変化させる。これらの溶液が平衡状態になると、KinExA 4000装置は、溶液中に残っている未結合、または遊離な結合パートナーであるCBPの量を直接測定することができる。Sapidyne社のソフトウェアを使用すると、CBPの遊離率を滴定液の総濃度に対してプロットして、結合曲線を作成し、親和性を決定することができる。
Kdは、まずSino Biological社から購入した抗体と組換えヒトCLDN18.2(P/N:20047-H02H)を用いて測定した。平衡実験では、滴定液(huCLDN18.2)をCBPのバックグラウンドで5倍ずつ連続希釈した。2つの平衡実験が行われた。1つは10nMの高濃度CBP(20nMの結合部位)に5倍に連続希釈150nMの滴定剤を加えたものであり、もう1つは100pMの低濃度CBP(200pMの結合部位)に5倍に連続希釈150nMの滴定剤を加えたものである。データはKinExA 4000で収集し、Sapidyne Instruments n-Curve Analysis Software version 4.4.26を使用して解析した。結合曲線を図5に示す。
KinExA 4000装置は、インタクトな細胞、すなわちhuCLDN18.2を過剰発現するCHO細胞の表面タンパク質に対する抗体の結合親和性を測定するためにも使用された。抗体の濃度は定常に保ち(CBP)、表面タンパク質を含む全細胞の濃度を変化させた(滴定)。表面タンパク質を含む全細胞の濃度は3倍に希釈した。滴定した細胞を定常結合パートナー(CBP)とインキュベートした。平衡に達したところでサンプルを遠心分離し、上清を回収し、蛍光標識した抗CBP分子で遊離CBPを検出した。結合曲線を図6に示す。
より正確なKdを設定するために、2つの平衡曲線を作成し、解析した。一つは低濃度のCBPを100pM(結合部位200pM)と10細胞/mLで3倍希釈した曲線であり、もう一つは高濃度のCBPを10nM(結合部位20nM)と10細胞/mLで3倍希釈した曲線である。KinExA 4000は、溶液中の未結合CBPの量を測定した。解析は、Sapidyne Instruments n-Curve Analysis Software version 4.4.26を使用して行った。平衡解離定数Kdを表1にまとめて示す。
Figure 2024521885000001
5.2:細胞結合アッセイ
本実施例では、YL-G2-B、 YL-G2-CおよびYL-G2-Dの細胞結合アッセイを説明する。
抗体の結合を評価するために、huCLDN18.2を発現するCHO細胞を使用した。各サンプルについて、96ウェルプレートの1ウェルに100μlあたり5×10個で細胞を播種した。次に、連続希釈した各抗体を100μlずつ細胞に加え、各希釈は40μg/mlから始め、5倍に希釈した。したがって、各抗体の最終濃度は20μg/mlから始めて、5倍の連続希釈が行われる。1時間後、細胞を2回洗浄し、100μlのGAH-FITC(1:200希釈)を各ウェルに添加した。30分後、細胞を2回洗浄し、120μlのFACSバッファーに再懸濁した。これらの細胞はフローサイトメトリーで分析した。
染色されていない細胞を参照として、標的細胞全体のゲーティングを設定し、FITC陰性集団を確立することで、各細胞株のFITC陽性細胞ゲートを確立することができた。さらに、FITC陽性の結果を二次的に検証するために、細胞集団全体の平均蛍光強度(MFI)を算出した。全生細胞数に対するゲートされた陽性細胞数の比率を陽性細胞の割合とした。結果を図7に示す。
5.3:補体依存性細胞傷害作用(CDC)アッセイ
この実施例では、YL-G2-B、YL-G2-CおよびYL-G2-Dの補体依存性細胞傷害作用(CDC)アッセイを説明する。
標的細胞(すなわち、huCLDN18.2を発現するCHO細胞)は、DPBSで1回洗浄した。その後、RPMIで2×10細胞、100μL/ウェルでU底プレートに播種した。抗体を1:2で連続希釈し、50μl/ウェルで細胞と共に室温で15分間インキュベートした。次に、50μl/wellの20%プール血清を、自然放出および最大放出ウェルを含むすべてのウェルに添加した。プレートを37℃のインキュベーターで3.5時間インキュベートした。インキュベーション終了45分前に、プレートを1200rpmで5分間遠心し、標的細胞を含む最大放出コントロールウェルにのみ20μLのLysis buffer (CyQUANTTM LDH Cytotoxicity
Assay Kit,Cat.# C20300およびC20301)を添加した。上清50μLを黒壁96ウェルプレートに移し、50μL/ウェルのReaction buffer(CyQUANTTM LDH Cytotoxicity Assay Kit,Cat.# C20300およびC20301)とともに、すべてのウェル、最大放出ウェルおよび自然放出ウェルにも添加した。プレートは暗所で30分間インキュベートした。インキュベーション終了後、50μLのStop溶液(CyQUANTTM LDH Cytotoxicity Assay Kit,Cat.# C20300 and C20301)をすべてのウェルに加え、タッピングにより穏やかに混合した。490nMと680nMでODを測定した。活性は、細胞毒性%である。細胞毒性%=(実験値-標的細胞自発、vol補正なし)/(標的細胞最大放出量-標的細胞自発、vol補正あり)*100。結果を図8に示す。
5.4:インターナリゼーションアッセイ
この実施例では、YL-G2-B、YL-G2-CおよびYL-G2-Dのインターナリゼーションアッセイを説明する。
DMEM培地での5×10/mlのhuCLDN18.2を発現するCHO細胞を調製した。U底96ウェルプレートの各ウェルに100μLの細胞を播種した。試験抗体とコントロール抗体を40μg/mlに希釈し、各抗体を1:4で培養液に連続希釈した。希釈した各抗体を50μl/wellで細胞に添加した。プレートを37°Cで30分間インキュベートした。次に、40μg/mlのPEP-ZAP(細胞毒性ペプチドと融合した小さなFc結合ペプチド、開発元:ABスタジオAB Studio Inc.;WO 2020/018732 A1参照)を50μl/wellで各ウェルに加え、PEP-ZAPの最終濃度を10μg/mlとした。プレートを37°Cで72時間インキュベートした。最後に、細胞をスピンさせ、LDH測定のために100μlの上清を取った。結果を図9に示す。
5.5:抗体依存性細胞媒介性細胞傷害作用(ADCC)アッセイ
この実施例では、抗体依存性細胞媒介性細胞傷害作用(ADCC)アッセイを説明する。
抗体のADCC機能を評価するために、標的細胞(huCLDN18.2を発現するCHO細胞)およびエフェクター細胞(NK 8837-F細胞、ATCC PTA-8837)を使用した。標的細胞は、DMEM-F12+10%FBS培地に、各サンプルについて96ウェルプレートの1ウェルに50μlあたり2×10個で播種した。次に、1:10に連続希釈した各抗体を100μlずつ細胞に添加した。20分後、NK細胞を50μlあたり2×10個、標的:エフェクターの比率が1:10となるようにプレート上に添加した。この添加後、各抗体の最終濃度は50μg/mlから始めて、5、0.5、0.05μg/mlと続く。このプレートを37°C、COインキュベーターに24時間置いた。次に、細胞を7AADで染色し、2回洗浄し、約200μlのFACSバッファーに再懸濁した。これらの細胞はフローサイトメトリーで分析した。
染色されていない細胞を参照として、標的細胞全体のゲーティングを設定し、7AAD陰性集団を確立することで、7AAD(死細胞)と生細胞の区別することができた。
また、huCLDN18.2を発現するCT26細胞を標的細胞として使用してもよく、LDHによってADCCを決定しもよい。
YL-G1-02とYL-G2-B(Fc領域のVLPLL置換を除き、同じアミノ酸配列を有する)のADCC活性の比較を図10に示す。EC50は表2にまとめて示す。
Figure 2024521885000002
実施例6:抗体の機能的特徴づけ
6.1:細胞
10%FBS(ExCell Bio、Cat. No. FND500)含有DMEM培
地(Gibco、Cat. No. 31053-036)で維持したCT26 CLDN18
.2細胞(マウス結腸癌細胞、Kyinno biotechnology、Cat. No. KC-1195)、10%FBS 含有RPMI1640培地(Gibco、Cat. No. Cat.145)で維持したKATOIII CLDN18.2細胞(ヒト胃癌細胞、
Kyinno Biotechnology、Cat. No. KC-1453)、および10%FBS含有RPMI1640培地(Gibco、Cat. No. 22400-089
)で維持したNCI-N87 CLDN18.2細胞(ヒト胃癌細胞、Kyinno biotechnology、Cat. No. KC-1222)はいずれもヒトCLDN18.2過剰発現腫瘍細胞であって、対象抗体のCDC活性およびADCC活性を決定するために使用した。
6.2:CDCアッセイ
対象抗体のCDC活性は、細胞溶解後に培養液中に放出されるLDHレベルの変化を測定することにより評価した。CT26 CLDN18.2細胞またはKATOIII CL
DN18.2細胞を、それぞれ4E+05細胞/mlまたは6E+05または1E+06細胞/mlの密度で1%FBSを含むフェノールレッドなしのRPMI1640培地(Gibco、Cat. No. 11835-030)中に懸濁した。対象抗体は、1%FBSを含む
フェノールレッドなしのRPMI1640培地で200、50、12.5、3.13、0.
78、0.195、0.0488、0.0122、0.00305、0.000763、0.000191nMに希釈した。正常ヒト血清補体(Quidel、Cat.No.A113)を、1%FBSを含むフェノールレッドなしのRPMI1640培地で1:50で希釈した。丸底96ウェルマイクロプレート(Corning、Cat.No.3799)の各ウェルに、50μL抗体希釈液、50μL正常ヒト血清補体希釈液および50μL腫瘍細胞懸濁液を添加した。ネガティブコントロールとして、ヒトIgG1アイソタイプ抗体を入れた。参照抗体(IMAB362、Ganymed)はポジティブコントロールとして入れた。マイクロプレートを37℃、5%CO2に設定したインキュベーター中で3~4時間インキュベートした。インキュベーション後、LDH細胞毒性アッセイキット(Roche、Cat.No.11644793001)に付属する説明書に従って、細胞培養物の上清へのLDHの放出を検出した。簡単には、マイクロプレートを1500rpmで5分間遠心分離(Eppendorf, model 5810R)し、各ウェルから70μL
上清を取り、新しいマイクロプレート上のウェルに移した。次に、50μLのLDH検出基質を各ウェルに添加し、マイクロプレートを室温で0.5~2時間インキュベートした
。SpectraMax M5e(Molecular Devices LLC)を用い
て492nmの光学密度(OD)を検出し、690nmの光学密度を減算した(OD492nm - OD690nm)。対象抗体のCDC活性は、以下の式を用いて、特異的な細
胞溶解の割合によって算出した:
特異的な細胞溶解(%) = (OD抗体+補体+腫瘍細胞 - OD補体+腫瘍細胞) * 10
0 / (OD腫瘍細胞+Triton - OD 腫瘍細胞)。
GraphPad Prism 7ソフトウェアを用いて4つのパラメータを含む非線形回帰によってデータを解析し、EC50値を算出した。
6.3:ADCCアッセイ
対象抗体のADCC活性は、細胞溶解後に培養液中に放出されるLDHの量の変化を測定することにより評価した。NCI-N87 CLDN18.2細胞またはKATOIII CLDN18.2細胞を、フェノールレッドなしのRPMI1640培地に6E+05細胞/mLの密度で懸濁した。対象抗体は、1%FBSを含むフェノールレッドなしのRPM
I1640培地で20、4、0.8、0.16、0.032、0.0064、1.28E-03、2.56E-04、5.12E-05、1.02E-05、2.05E-06、4.10E-07
、8.19E-08、1.64E-08、3.28E-09、6.55E-10、1.31E-10、2.62E-11 及び 5.24E-12nMに希釈した。新鮮なヒトPBMC細胞(Saily、ボランティア#XC11057Wから)を、1%FBSを含むフェノールレッド
なしのRPMI1640培地に、1.2E+07細胞/mLの密度で懸濁した。丸底96ウ
ェルマイクロプレートの各ウェルに、50μL抗体希釈液、50μLヒトPBMC細胞懸濁液および50μL腫瘍細胞懸濁液を加えた。ネガティブコントロールとして、ヒトIgG1アイソタイプ抗体を入れた。参照mAb(IMAB362、Ganymed)はポジティブコントロールとして入れた。マイクロプレートを37℃、5%CO2に設定したインキュベータで4~6時間インキュベートした。インキュベーション後、細胞培養物の上清へのLDHの放出を、上記のLDH細胞毒性アッセイキットに付属する説明書に従って検出した。対象抗体のADCC活性は、以下の式を用いて、特異的な細胞溶解の割合によって算出した:
特異的な細胞溶解(%) = (OD抗体+PBMC+腫瘍細胞- ODPBMC+腫瘍細胞) * 100 / (OD腫瘍細胞+Triton - OD腫瘍細胞)。
GraphPad Prism 7ソフトウェアを用いて4つのパラメータを含む非線形回帰によってデータを解析し、EC50値を算出した。
6.4:LDH アッセイによる、CT26 CLDN18.2細胞に対するCDC効果
図11および表3に示すように、2つのバッチのYL-G2-Bは、CT26 CLDN
18.2細胞に対して同等のCDC効果を示した(図11、パネルA)。YL-G1-19-02、YL-G2-B、YL-G1-19-03、YL-G2-C、YL-G1-19-04、およびYL-G2-Dはいずれも、CT26 CLDN18.2細胞に対して、ポジティブコントロールよりも強いCDC効果を示した(図11)。
Figure 2024521885000003
6.5:LDH アッセイによるKATOIII CLDN18.2細胞に対するCDC効果
図12および表4に示すように、2つのバッチのYL-G2-Bは、CT26 CLDN
18.2細胞に対して同等のCDC効果を示した(図12、パネルA)。YL-G1-19-02、YL-G2-B、YL-G1-19-03、YL-G2-C、YL-G1-19-04およびYL-G2-Dのいずれも、KATOIII CLDN18.2細胞に対してポジティブコントロール、ポジティブコントロールより強いCDC効果を示した(図12)。
Figure 2024521885000004
6.6:LDH アッセイによるKATOIII CLDN18.2細胞に対するADCC効果
図13および表5に示すように、2つのバッチのYL-G2-Bは、KATOIII C
LDN18.2細胞に対して同等のADCC効果を示した(図13、パネルA)。YL-G2-B(異なるバッチではEC50 = 0.028nMまたは0.018nM)、YL-G2-C(EC50 = 0.019nM)およびYL-G2-D(EC50 = 0.021nM)は、より強いADCC効果(低EC50)を示し、YL-G1-19-02(EC50 = 0.1
6nM)、YL-G1-19-03(EC50 = 0. 21nM)、YL-G1-19-04(
EC50 = 0.14nM)は、KATOIII CLDN18.2細胞に対して、ポジティブコントロール(3つのランでEC50 = 0.12nM、0.22nMまたは0.27nM)と比較して同等のADCC効果を示した(図13)。
Figure 2024521885000005
6.7:LDH アッセイによるNCI-N87 CLDN18.2細胞に対するADCC効
図14および表6に示すように、2つのバッチのYL-G2-Bは、NCI-N87 CLDN18.2細胞に対して同等のADCC効果を示した(図14、パネルA)。YL-G2-B(異なるバッチではEC50 = 0.0067nMまたは0.012nM)、YL-G2-C(EC50 = 0.0078nM)およびYL-G2-D(EC50 = 0.0089nM)は、より強いADCC効果(低EC50)を示し、YL-G1-19-02(EC50 = 0.072nM)、YL-G1-19-03(EC50 = 0.13nM)、YL-G1-19-0
4(EC50 = 0.067nM)は、KATOIII CLDN18.2細胞に対して、ポジティブコントロール(3つのランでEC50= 0.057nM、0.082nMまたは0.10nM)と比較して同等のADCC効果を示した(図14)。
Figure 2024521885000006
6.8:SPR
対象抗体の結合親和性は、USP 43 IMMUNOLOGICAL TEST METHODS -- SURFACE PLASMON RESONANCE <1105>およびC
P, 2020 edition, Part IV, General Rules, 3429 IMMUNOCHEMISTRY, NON-LABELING IMMUNOCHEMICAL METHODS (IV) SURFACE PLASMON RESONANCEに
従って、ヒト抗体捕捉キット、タイプ2(Cytiva、Cat. No. 29234600)を用いてSPRにより測定した。簡単に、抗ヒトIgG(Fc)抗体を固定化バッファーで25μg/mLに希釈し、Series S Sensor CM5チップ(Cytiva社、Cat No.BR100530)に10μL/分の流速で6分間注入し、カップ
リング二次抗体が約7000~14000応答単位(RU)となった。次に、対象抗体をランニングバッファーで5μg/mLに希釈し、10μL/分の流速で注入し、カップリング一次抗体が約200RUとなった。動態測定には、Hisタグ付きヒトClaudin-18.2の2倍連続希釈液(0.195-50nM)を30μL/分の流速で注入し、Bi
acore 8K(Cytiva)で結合は120秒、解離は300秒間モニターした。
結合速度(ka)と解離速度(kd)は、単純な1対1結合モデルを用いて、結合と解離のセンサーグラムを同時にフィッティングさせることにより算出した。平衡解離定数(KD)は、kd/ka比率として算出した。結果を下記表7に示す。
Figure 2024521885000007


配列表
Figure 2024521885000008
配列表(続き)
Figure 2024521885000009
配列表(続き)
Figure 2024521885000010
配列表(続き)
Figure 2024521885000011

配列表(続き)
Figure 2024521885000012

Claims (21)

  1. CLDN18.2に特異的に結合するモノクローナル抗体であって、配列番号5で表され
    るとおりのVH内に含まれるHVR-H1、HVR-H2およびHVR-H3、および配列
    番号6で表されるとおりのVL内に含まれるHVR-L1、HVR-L2およびHVR-L
    3を含む、モノクローナル抗体。
  2. (1)配列番号23で表されるとおりのHVR-H1、配列番号24で表されるとおりの
    HVR-H2、配列番号25で表されるとおりのHVR-H3、配列番号26で表されるとおりのHVR-L1、配列番号27で表されるとおりのHVR-L2、および配列番号28で表されるとおりのHVR-L3;
    (2)配列番号40で表されるとおりのHVR-H1、配列番号41で表されるとおりの
    HVR-H2、配列番号42で表されるとおりのHVR-H3、配列番号43で表されるとおりのHVR-L1、配列番号44で表されるとおりのHVR-L2、および配列番号45で表されるとおりのHVR-L3;
    (3)配列番号46で表されるとおりのHVR-H1、配列番号47で表されるとおりの
    HVR-H2、配列番号48で表されるとおりのHVR-H3、配列番号49で表されるとおりのHVR-L1、配列番号50で表されるとおりのHVR-L2、および配列番号51で表されるとおりのHVR-L3;あるいは
    (4)配列番号52で表されるとおりのHVR-H1、配列番号53で表されるとおりの
    HVR-H2、配列番号54で表されるとおりのHVR-H3、配列番号55で表されるとおりのHVR-L1、配列番号56で表されるとおりのHVR-L2、および配列番号57で表されるとおりのHVR-L3を含む、請求項1に記載のモノクローナル抗体。
  3. 配列番号5で表されるとおりのVH、および配列番号6で表されるとおりのVLを含む、請求項1に記載のモノクローナル抗体。
  4. マウス抗体、キメラ抗体またはヒト化抗体である、請求項1~3のいずれか一項に記載のモノクローナル抗体。
  5. 完全長抗体である、請求項1~3のいずれか一項に記載のモノクローナル抗体。
  6. 以下を含む、請求項5に記載のモノクローナル抗体:
    任意に配列番号9で表されるとおりのものである、ヒトIgG、特にIgG1の重鎖定常領域、および/または任意に配列番号10で表されるとおりのものである、ヒトカッパ軽
    鎖定常領域。
  7. 抗原結合抗体フラグメントであり、任意に、Fabフラグメント、Fab’フラグメント、F(ab’)フラグメント、scFvフラグメント、およびダイアボディからなる群から選択されるものである、請求項1~3のいずれか一項に記載のモノクローナル抗体。
  8. 前記モノクローナル抗体が、単離された、裸の、および/またはコンジュゲート化された
    ものである、請求項1~7のいずれか一項に記載のモノクローナル抗体。
  9. CLDN18.2に特異的に結合する、Fc改変されたモノクローナル抗体であって、配
    列番号5で表されるとおりのVH内に含まれる HVR-H1、HVR-H2およびHVR-H3、および配列番号6で表されるとおりのVL内に含まれる HVR-L1、HVR-L
    2およびHVR-L3を含み、Fc領域において1つ以上の変異を含む、モノクローナル
    抗体。
  10. (1)配列番号23で表されるとおりのHVR-H1、配列番号24で表されるとおりの
    HVR-H2、配列番号25で表されるとおりのHVR-H3、配列番号26で表されるとおりのHVR-L1、配列番号27で表されるとおりのHVR-L2、および配列番号28で表されるとおりのHVR-L3;
    (2)配列番号41で表されるとおりのHVR-H1、配列番号42で表されるとおりの
    HVR-H2、配列番号43で表されるとおりのHVR-H3、配列番号44で表されるとおりのHVR-L1、配列番号45で表されるとおりのHVR-L2、および配列番号46で表されるとおりのHVR-L3;
    (3)配列番号47で表されるとおりのHVR-H1、配列番号48で表されるとおりの
    HVR-H2、配列番号49で表されるとおりのHVR-H3、配列番号50で表されるとおりのHVR-L1、配列番号51で表されるとおりのHVR-L2、および配列番号52で表されるとおりのHVR-L3;あるいは
    (4)配列番号53で表されるとおりのHVR-H1、配列番号54で表されるとおりの
    HVR-H2、配列番号55で表されるとおりのHVR-H3、配列番号56で表されるとおりのHVR-L1、配列番号57で表されるとおりのHVR-L2、および配列番号58で表されるとおりのHVR-L3を含む、請求項9に記載のモノクローナル抗体。
  11. 配列番号5で表されるとおりのVH および配列番号6で表されるとおりのVLを含み、
    任意に、VHのN末端の最初の2つのアミノ酸残基は存在しない、請求項9に記載のモノクローナル抗体。
  12. キメラ抗体またはヒト化抗体である、請求項9~11のいずれか一項に記載のモノクローナル抗体。
  13. 前記Fc領域における1つ以上の変異は、Fc受容体への結合および/またはエフェクタ
    ー機能、例えばADCCおよび/またはCDC、を修飾(例えば、増加または減少)させ
    る1つ以上の変異である、請求項9~12のいずれか一項に記載のモノクローナル抗体。
  14. 前記Fc領域における1つ以上の変異は、L235V、F243L、R292P、Y300LおよびP396Lからなる群から選択される1つ以上の置換である、請求項13に記載のモノクローナル抗体。
  15. ヒトIgG、特にIgG1、の重鎖定常領域、任意に配列番号40で表されるとおりのものを含む、および/またはヒトカッパ軽鎖定常領域、任意に配列番号10で表されるとお
    りのものを含む、請求項9~11のいずれか一項に記載のモノクローナル抗体。
  16. 前記モノクローナル抗体が、単離された、裸の、および/またはコンジュゲート化された
    ものである、請求項9~15のいずれか一項に記載のモノクローナル抗体。
  17. 請求項1~16のいずれか一項に記載のモノクローナル抗体をコードする、単離された核酸。
  18. 請求項17の核酸を含む、ベクター。
  19. 請求項17の核酸または請求項18のベクターを含む、宿主細胞。
  20. 請求項1~16のいずれか一項に記載のモノクローナル抗体を生産する方法であって、抗体が産生されるように請求項19に記載の宿主細胞を培養することを含み、任意に、宿主細胞又は細胞培養培地から抗体を回収することを含む、方法。
  21. 請求項1~16のいずれか一項に記載のモノクローナル抗体を含む、組成物。
JP2023574236A 2021-05-31 2022-05-30 CLDN18.2に対するモノクローナル抗体及びそのFc改変されたバージョン Pending JP2024521885A (ja)

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
CNPCT/CN2021/097239 2021-05-31
CNPCT/CN2021/097240 2021-05-31
CNPCT/CN2021/106783 2021-07-16
CNPCT/CN2021/106784 2021-07-16

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2024521885A true JP2024521885A (ja) 2024-06-04

Family

ID=

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20220267440A1 (en) Anti-cd47 antibodies
CN110305210B (zh) 新型抗体分子、其制备方法及其用途
JP5522405B2 (ja) 安定な多価抗体
AU2019243665B2 (en) Multivalent antibody
CN113480656B (zh) 抗ror1抗体
TWI830151B (zh) 抗GPRC5DxBCMAxCD3三特異性抗體及其用途
CA3164979A1 (en) New polypeptide complex
CN112703203A (zh) 单特异性和多特异性抗-tmeff2抗体及其用途
CN113248618A (zh) 抗pd-l1/抗lag3双特异性抗体及其用途
WO2021143914A1 (zh) 一种激活型抗ox40抗体、生产方法及应用
US20240141071A1 (en) Antibodies that bind cd123 and gamma-delta t cell receptors
WO2022253156A1 (en) Monoclonal antibodies against cldn18.2 and fc-engineered versions thereof
JP2024521885A (ja) CLDN18.2に対するモノクローナル抗体及びそのFc改変されたバージョン
WO2019184898A1 (zh) 抗糖皮质激素诱导的肿瘤坏死因子受体(gitr)的小型化抗体、其聚合物及应用
EA045935B1 (ru) Антитела к cd3 и их применение