JP2024521759A - 新規な化合物およびこれを利用した有機発光素子 - Google Patents

新規な化合物およびこれを利用した有機発光素子 Download PDF

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Abstract

Figure 2024521759000001
本発明は、新規な化合物およびこれを含む有機発光素子を提供する。

Description

[関連出願との相互参照]
本出願は、2021年6月2日付け韓国特許出願第10-2021-0071681号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示された全ての内容は本明細書の一部として含まれる。本発明は、新規な化合物およびこれを含む有機発光素子に関する。
一般的に、有機発光現象とは、有機物質を利用して電気エネルギーを光エネルギーに転換させる現象をいう。有機発光現象を利用する有機発光素子は、広い視野角、優れたコントラスト、速い応答時間を有し、輝度、駆動電圧および応答速度特性に優れて多くの研究が進められている。
有機発光素子は、一般的に正極と負極、および前記正極と負極との間に有機物層を含む構造を有する。前記有機物層は、有機発光素子の効率と安全性を高めるためにそれぞれ異なる物質から構成された多層の構造からなる場合が多く、例えば正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層などからなる。このような有機発光素子の構造において、二つの電極の間に電圧をかけると正極からは正孔が、負極からは電子が有機物層に注入され、注入された正孔と電子が接した時エキシトン(exciton)が形成され、このエキシトンが再び基底状態に落ちる時光が出るようになる。
前記のような有機発光素子に使用される有機物に対して新しい材料の開発が要求され続けている。
一方、近年工程コスト削減のために従来の蒸着工程の代わりに溶液工程、特にインクジエット工程を利用した有機発光素子が開発されている。初期には全ての有機発光素子層を溶液工程でコーティングして有機発光素子を開発しようとしたが、現在の技術では限界があり、定構造の形態で正孔注入層(HIL)、正孔輸送層(HTL)、発光層(EML)だけを溶液工程で行い、その後の工程は従来の蒸着工程を活用するハイブリッド(hybrid)工程が研究中である。
そこで、本発明では、有機発光素子に使用できると同時に、溶液工程に使用可能な新規な有機発光素子の素材を提供する。
韓国特許公開番号第10-2000-0051826号
本発明は、新規な化合物およびこれを含む有機発光素子に関する。
本発明は下記化学式1で表される化合物を提供する:
前記化学式1中、
Arは、隣接した二つの環と縮環したフラン、またはチオフェンであり、
Arは隣接した環と縮環したベンゼン、ベンゾフラン、またはベンゾチオフェンであり、
はそれぞれ独立して、水素、重水素、置換または非置換の炭素数1~60のアルキル、置換または非置換の炭素数6~60のアリールであるか、または、隣接した二つのRが互いに結合して-O-(CH-O-を形成し、ここでmは1~4の整数であり;
は、水素、重水素、または、置換または非置換の炭素数1~60のアルキルであり、
は、水素、重水素、または、置換または非置換の炭素数1~60のアルキルであり、
但し、前記化学式1は、隣接した二つのRが互いに結合して形成された-O-(CH-O-を一つ以上含む。
さらに、本発明は、第1電極;前記第1電極と対向して備えられた第2電極;および前記第1電極と前記第2電極との間に備えられた1層以上の有機物層を含む有機発光素子であって、前記有機物層のうち1層以上は、前記化学式1で表される化合物を含む、有機発光素子を提供する。
上述した化学式1で表される化合物は、有機発光素子の有機物層の材料として使用することができ、また、溶液工程に使用することが可能であり、有機発光素子において効率の向上、低い駆動電圧、および/または寿命特性の向上をもたらし得る。
基板1、正極2、発光層3、負極4からなる有機発光素子の例を図示したものである。 基板1、正極2、正孔注入層5、正孔輸送層6、発光層7、電子注入および輸送層8、および負極4からなる有機発光素子の例を図示したものである。
以下、本発明の理解を助けるためにより詳細に説明する。
(用語の定義)
本明細書において、
または
は、他の置換基に連結される結合を意味する。
本明細書において、「置換または非置換の」という用語は、重水素;ハロゲン基;シアノ基;ニトロ基;ヒドロキシ基;カルボニル基;エステル基;イミド基;アミノ基;ホスフィンオキシド基;アルコキシ基;アリールオキシ基;アルキルチオキシ基;アリールチオキシ基;アルキルスルホキシ基;アリールスルホキシ基;シリル基;ホウ素基;アルキル基;シクロアルキル基;アルケニル基;アリール基;アラルキル基;アラルケニル基;アルキルアリール基;アルキルアミン基;アラルキルアミン基;ヘテロアリールアミン基;アリールアミン基;アリールホスフィン基;またはN、OおよびS原子のうち1個以上を含むヘテロアリールからなる群で選択された1個以上の置換基で置換されたかまたは非置換であるか、前記例示された置換基のうち2以上の置換基が連結されて置換されたかまたは非置換であることを意味する。例えば、「2以上の置換基が連結された置換基」は、ビフェニル基であり得る。即ち、ビフェニル基は、アリール基であってもよく、2個のフェニル基が連結された置換基と解釈されてもよい。
本明細書において、カルボニル基の炭素数は特に限定されないが、炭素数1~40であることが好ましい。具体的に、下記のような構造の化合物であってもよいが、これらに限定されない。
本明細書において、エステル基は、エステル基の酸素が炭素数1~25の直鎖、分岐鎖または環状アルキル基または炭素数6~25のアリール基で置換されていてもよい。具体的に、下記構造式のエステル基であってもよいが、これらに限定されない。
本明細書において、イミド基の炭素数は特に限定されないが、炭素数1~25であることが好ましい。具体的に、下記のような構造の化合物であってもよいが、これらに限定されない。
本明細書において、シリル基は、具体的にトリメチルシリル基、トリエチルシリル基、t-ブチルジメチルシリル基、ビニルジメチルシリル基、プロピルジメチルシリル基、トリフェニルシリル基、ジフェニルシリル基、フェニルシリル基などがあるが、これらに限定されない。
本明細書において、ホウ素基は、具体的にトリメチルホウ素基、トリエチルホウ素基、t-ブチルジメチルホウ素基、トリフェニルホウ素基、フェニルホウ素基などがあるが、これらに限定されない。
本明細書において、ハロゲン基の例としては、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素がある。
本明細書において、前記アルキル基は、直鎖または分岐鎖であってもよく、炭素数は特に限定されないが、1~40であることが好ましい。一実施状態によれば、前記アルキル基の炭素数は1~20である。さらに一つの実施状態によれば、前記アルキル基の炭素数は1~10である。さらに一つの実施状態によれば、前記アルキル基の炭素数は1~6である。アルキル基の具体的な例としては、メチル、エチル、プロピル、n-プロピル、イソプロピル、ブチル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、sec-ブチル、1-メチル-ブチル、1-エチル-ブチル、ペンチル、n-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert-ペンチル、ヘキシル、n-ヘキシル、1-メチルペンチル、2-メチルペンチル、4-メチル-2-ペンチル、3,3-ジメチルブチル、2-エチルブチル、ヘプチル、n-ヘプチル、1-メチルヘキシル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチル、オクチル、n-オクチル、tert-オクチル、1-メチルヘプチル、2-エチルヘキシル、2-プロピルペンチル、n-ノニル、2,2-ジメチルヘプチル、1-エチル-プロピル、1,1-ジメチル-プロピル、イソヘキシル、2-メチルペンチル、4-メチルヘキシル、5-メチルヘキシルなどがあるが、これらに限定されない。
本明細書において、前記アルケニル基は、直鎖または分岐鎖であってもよく、炭素数は、特に限定されないが、2~40であることが好ましい。一実施状態によれば、前記アルケニル基の炭素数は2~20である。さらに一つの実施状態によれば、前記アルケニル基の炭素数は2~10である。さらに一つの実施状態によれば、前記アルケニル基の炭素数は2~6である。具体的な例としては、ビニル、1-プロペニル、イソプロペニル、1-ブテニル、2-ブテニル、3-ブテニル、1-ペンテニル、2-ペンテニル、3-ペンテニル、3-メチル-1-ブテニル、1,3-ブタジエニル、アリル、1-フェニルビニル-1-イル、2-フェニルビニル-1-イル、2,2-ジフェニルビニル-1-イル、2-フェニル-2-(ナフチル-1-イル)ビニル-1-イル、2,2-ビス(ジフェニル-1-イル)ビニル-1-イル、スチルベニル基、スチレニル基などがあるが、これらに限定されない。
本明細書において、シクロアルキル基は、特に限定されないが、炭素数3~60であることが好ましく、一実施状態によれば、前記シクロアルキル基の炭素数は3~30である。さらに一つの実施状態によれば、前記シクロアルキル基の炭素数は3~20である。さらに一つの実施状態によれば、前記シクロアルキル基の炭素数は3~6である。具体的に、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、3-メチルシクロペンチル、2,3-ジメチルシクロペンチル、シクロヘキシル、3-メチルシクロヘキシル、4-メチルシクロヘキシル、2,3-ジメチルシクロヘキシル、3,4,5-トリメチルシクロヘキシル、4-tert-ブチルシクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルなどがあるが、これらに限定されない。
本明細書において、アリール基は、特に限定されないが、炭素数6~60であることが好ましく、単環式アリール基または多環式アリール基であり得る。一実施状態によれば、前記アリール基の炭素数は6~30である。一実施状態によれば、前記アリール基の炭素数は6~20である。前記アリール基が、単環式アリール基としては、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基などであってもよいが、これらに限定されない。前記多環式アリール基としては、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントレニル基、ピレニル基、ペリレニル基、クリセニル基、フルオレニル基などであってもよいが、これらに限定されない。
本明細書において、フルオレニル基は、置換されていてもよく、置換基二つが互いに結合してスピロ構造を形成することができる。前記フルオレニル基が置換される場合、
などであってもよい。但し、これらに限定されない。
本明細書において、ヘテロアリールは、異種元素としてO、N、SiおよびS中1個以上を含むヘテロアリールであって、炭素数は特に限定されないが、炭素数2~60であることが好ましい。ヘテロアリールの例としては、キサンテン(xanthene)、チオキサンテン(thioxanthen)、チオフェン基、フラン基、ピロール基、イミダゾール基、チアゾール基、オキサゾール基、オキサジアゾール基、トリアゾール基、ピリジル基、ビピリジル基、ピリミジル基、トリアジン基、アクリジル基、ピリダジン基、ピラジニル基、キノリニル基、キナゾリン基、キノキサリニル基、フタラジニル基、ピリドピリミジニル基、ピリドピラジニル基、ピラジノピラジニル基、イソキノリン基、インドール基、カルバゾール基、ベンゾオキサゾール基、ベンゾイミダゾール基、ベンゾチアゾール基、ベンゾカルバゾール基、ベンゾチオフェン基、ジベンゾチオフェン基、ベンゾフラニル基、フェナントロリン基(phenanthroline)、イソオキサゾリル基、チアジアゾリル基、フェノチアジニル基、およびジベンゾフラニル基などがあるが、これらにだけ限定されるものではない。
本明細書において、アラルキル基、アラルケニル基、アルキルアリール基、アリールアミン基、アリールシリル基のうちのアリール基は、前述したアリール基に関する説明が適用可能である。本明細書において、アラルキル基、アルキルアリール基、アルキルアミンキのうちのアルキル基は、前述したアルキル基に関する説明が適用可能である。本明細書において、ヘテロアリールアミンのうちのヘテロアリールは、前述したヘテロアリールに関する説明が適用可能である。本明細書において、アラルケニル基のうちのアルケニル基は、前述したアルケニル基に関する説明が適用可能である。本明細書において、アリーレンは、2価の基であることを除いては、前述したアリール基に関する説明が適用可能である。本明細書において、ヘテロアリーレンは、2価の基であることを除いては、前述したヘテロアリールに関する説明が適用可能である。本明細書において、炭化水素縮合環は1価の基ではなくて、2個の置換基が結合して形成された基であることを除いては、前述したアリール基またはシクロアルキル基に関する説明が適用可能である。本明細書において、ヘテロ縮合環は、1価の基ではなく、2個の置換基が結合して形成された基であることを除いては、前述したヘテロアリールに関する説明が適用可能である。
(化合物)
本発明は、前記化学式1で表される化合物を提供する。
好ましくは、前記化学式1は、Arの縮環位置に応じて下記化学式1-1~1-4のいずれか一つで表される:
前記化学式1-1~1-4中、
ArおよびR~Rは前述の定義と同じである。
好ましくは、前記化学式1は、Arの縮環位置に応じて下記化学式1-5~1-9のいずれか一つで表される:
前記化学式1-5~1-9中、
ArおよびR~Rは前述の定義と同じである。
好ましくは、Rはそれぞれ独立して、水素、重水素、炭素数1~10のアルキル、または、炭素数6~20のアリールであるか、または、隣接した二つのRが互いに結合して、
または、
を形成する。
好ましくは、Rはそれぞれ独立して、水素、重水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert-ブチル、またはフェニルであるか、または、隣接した二つのRが互いに結合して、
、または
を形成する。
好ましくは、Rは、水素、重水素、または、炭素数1~10のアルキルである。
好ましくは、Rは、水素、重水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、またはtert-ブチルである。
好ましくは、Rは、水素、重水素、または、炭素数1~10のアルキルである。
好ましくは、Rは、水素、重水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、またはtert-ブチルである。
前記化学式1で表される化合物の代表的な例は下記の通りである:
一方、本発明は、一例として下記の反応式1のような前記化学式1で表される化合物の製造方法を提供する:
前記反応式1中、Yを除いた残りの定義は、前述の定義と同じで、Yはハロゲンであり、好ましくは、ブロモまたはクロロである。
前記ステップ1は、アミン置換反応であって、パラジウム触媒と塩基存在下に行うことが好ましく、アミン置換反応のための反応基は、当業界の既知の通り変更が可能である。前記ステップ2は、BIと反応させるもので、塩基存在下に行うことが好ましい。前記製造方法は、後述する製造例でより具体化される。
一方、本発明に係る化合物を含む有機物層は、真空蒸着法、溶液工程などのような種々の方法を利用して形成することができ、溶液工程については以下詳細に説明する。
(コーティング組成物)
一方、本発明に係る化合物を使用して、溶液工程で有機発光素子の有機物層、特に発光層を形成することができる。具体的には、前記化合物は、発光層のドーパント材料として使用することができる。このために、本発明は上述した本発明に係る化合物および溶媒を含むコーティング組成物を提供する。
前記溶媒は、本発明に係る化合物を溶解または分散させることができる溶媒なら特に制限されず、例えば、クロロホルム、塩化メチレン、1,2-ジクロロエタン、1,1,2-トリクロロエタン、クロロベンゼン、o-ジクロロベンゼンなどの塩素系溶媒;テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル系溶媒;トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン、メシチレンなどの芳香族炭化水素系溶媒;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、n-ペンタン、n-ヘキサン、n-ヘプタン、n-オクタン、n-ノナン、n-デカンなどの脂肪族炭化水素系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセロソルブアセテートなどのエステル系溶媒;エチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジメトキシエタン、プロピレングリコール、ジエトキシメタン、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、グリセリン、1,2-ヘキサンジオールなどの多価アルコールおよびその誘導体;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、シクロヘキサンオールなどのアルコール系溶媒;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶媒;およびN-メチル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルホルムアミドなどのアミド系溶媒;ブチルベンゾデート、メチル-2-メトキシベンゾエートなどのベンゾエート系溶媒;テトラリン;3-フェノキシトルエンなどの溶媒が挙げられる。また、上述した溶媒を1種単独で使用しても、2種以上の溶媒を混合して使用してもよい。好ましくは、前記溶媒としてトルエンを使用することができる。
また、前記コーティング組成物は、ホスト材料として使用される化合物をさらに含むことができ、前記ホスト材料として使用される化合物の説明は後述する。また、前記コーティング組成物は、ドーパント材料として使用される化合物を含むことができ、前記ドーパント材料として使用される化合物の説明は後述する。
また、前記コーティング組成物の粘度は1cP以上が好ましい。さらに、前記コーティング組成物のコーティング容易性を考慮して、前記コーティング組成物の粘度は10cP以下が好ましい。また、前記コーティング組成物中の本発明に係る化合物の濃度は、0.1wt/v%以上が好ましい。さらに、前記コーティング組成物が最適にコーティングできるように、前記コーティング組成物中の本発明に係る化合物の濃度は、20wt/v%以下が好ましい。
さらに、本発明は上述したコーティング組成物を使用して発光層を形成する方法を提供する。具体的には、正極上に、または、正極上に形成された正孔輸送層上に上述した本発明に係る発光層を溶液工程でコーティングするステップ;および前記コーティングされたコーティング組成物を熱処理するステップを含む。
前記溶液工程は、上述した本発明に係るコーティング組成物を使用する工程であって、スピンコーティング、ディップコーティング、ドクターブレード、インクジエットプリンティング、スクリーンプリンティング、スプレー法、ロールコーティングなどの工程を意味するが、これらだけに限定されるものではない。
前記熱処理ステップにおける熱処理温度は、150~230℃が好ましい。また、前記熱処理時間は、1分~3時間で、より好ましくは10分~1時間である。さらに、前記熱処理は、アルゴン、窒素などの不活性気体の雰囲気下で行うことが好ましい。
(有機発光素子)
また、本発明は、前記化学式1で表される化合物を含む有機発光素子を提供する。例えば、本発明は、第1電極;前記第1電極と対向して備えられた第2電極;および前記第1電極と前記第2電極との間に備えられた1層以上の有機物層を含む有機発光素子であって、前記有機物層のうち1層以上は、前記化学式1で表される化合物を含む、有機発光素子を提供する。
本発明の有機発光素子の有機物層は、単層構造からなっていても、2層以上の有機物層が積層された多層構造からなっていてもよい。例えば、本発明の有機発光素子は、有機物層として、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層などを含む構造を有することができる。しかし、有機発光素子の構造はこれらに限定されず、より少ない数の有機層を含むことができる。
また、前記有機物層は、発光層を含むことができ、前記発光層は前記化学式1で表される化合物を含む。特に、本発明に係る化合物は、発光層のドーパントとして使用することができる。
また、本発明に係る有機発光素子は、基板上に正極、1層以上の有機物層および負極が順次積層された構造(normal type)の有機発光素子であり得る。さらに、本発明に係る有機発光素子は、基板上に負極、1層以上の有機物層および正極が順次積層された逆方向構造(inverted type)の有機発光素子であり得る。例えば、本発明の一実施例に係る有機発光素子の構造は、図1および2に示されている。
図1は、基板1、正極2、発光層3、負極4からなる有機発光素子の例を示す。このような構造において、前記化学式1で表される化合物は、前記発光層に含まれることができる。
図2は、基板1、正極2、正孔注入層5、正孔輸送層6、発光層7、電子注入および輸送層8、および負極4からなる有機発光素子の例を示す。このような構造において、前記化学式1で表される化合物は、前記発光層に含まれることができる。
本発明に係る有機発光素子は、前記有機物層のうち1層以上が前記化学式1で表される化合物を含むことを除いては、当技術分野で知られている材料と方法で製造することができる。また、前記有機発光素子が複数個の有機物層を含む場合、前記有機物層は、同じ物質または異なる物質で形成することができる。
例えば、本発明に係る有機発光素子は、基板上に正極、有機物層および負極を順次積層させて製造することができる。この時、スパッタリング法(sputtering)や電子ビーム蒸発法(e-beam evaporation)などのPVD(physical Vapor Deposition)方法を利用して、基板上に金属または導電性を有する金属酸化物またはこられの合金を蒸着させて正極を形成し、その上に正孔注入層、正孔輸送層、発光層、および電子輸送層を含む有機物層を形成した後、さらにその上に負極で使用することができる物質を蒸着させて製造することができる。
このような方法の他にも、基板上に負極物質から有機物層、正極物質を順に蒸着させて有機発光素子を製造することができる(WO2003/012890)。但し、製造方法がこれらに限定されない。
例えば、前記第1電極は正極で、前記第2電極は負極であるか、または、前記第1電極は負極で、前記第2電極は正極である。
前記正極物質としては、通常有機物層に正孔注入が円滑にできるように仕事関数が大きい物質が好ましい。前記正極物質の具体的な例としては、バナジウム、クロム、銅、亜鉛、金などの金属またはこられの合金;亜鉛酸化物、インジウム酸化物、インジウムスズ酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)などの金属酸化物;ZnO:AlまたはSnO:Sbなどの金属と酸化物の組み合わせ;ポリ(3-メチルチオフェン)、ポリ[3,4-(エチレン-1,2-ジオキシ)チオフェン](PEDOT)、ポリピロールおよびポリアニリンなどの導電性化合物などがあるが、これらにだけ限定されるものではない。
前記負極物質としては、通常有機物層に電子注入が容易になるように仕事関数が小さい物質であることが好ましい。前記負極物質の具体的な例としては、マグネシウム、カルシウム、ナトリウム、カリウム、チタニウム、インジウム、イットリウム、リチウム、ガドリニウム、アルミニウム、銀、スズおよび鉛などの金属またはこられの合金;LiF/AlまたはLiO/Alなどの多層構造物質などがあるが、これらにだけ限定されるものではない。
前記正孔注入層は、電極から正孔を注入する層であり、正孔注入物質としては、正孔を輸送する能力を有して正極での正孔注入効果、発光層または発光材料に対して優れた正孔注入効果を有し、発光層で生成された励起子の電子注入層または電子注入材料への移動を防止して、さらに、薄膜形成能力に優れた化合物が好ましい。正孔注入物質のHOMO(highest occupied molecular orbital)が正極物質の仕事関数と周辺有機物層のHOMOとの間であることが好ましい。正孔注入物質の具体的な例としては、金属ポルフィリン(porphyrin)、オリゴチオフェン、アリールアミン系の有機物、ヘキサニトリルヘキサアザトリフェニレン系の有機物、キナクリドン(quinacridone)系の有機物、ペリレン(perylene)系の有機物、アントラキノン系の有機物、ならびにポリアニリン系、ポリチオフェン系の導電性化合物などがあるが、これらにだけ限定されるものではない。
前記正孔輸送層は、正孔注入層から正孔を受け取って発光層まで正孔を輸送する層であり、正孔輸送物質としては、正極や正孔注入層から正孔の輸送を受けて発光層に移すことができる物質で、正孔に対する移動性が大きい物質が適する。具体的な例としては、アリールアミン系の有機物、導電性化合物、および共役部分と非共役部分が共に存在するブロック共重合体などがあるが、これらにだけ限定されるものではない。
前記発光層は、ホスト材料およびドーパント材料を含むことができる。ホスト材料は、縮合芳香族環誘導体またはヘテロ環含有化合物などがある。具体的に、縮合芳香族環誘導体としては、アントラセン誘導体、ピレン誘導体、ナフタリン誘導体、ペンタセン誘導体、フェナントレン化合物、フルオランテン化合物などがあり、ヘテロ環含有化合物としては、カルバゾール誘導体、ジベンゾフラン誘導体、ラダー型フラン化合物、ピリミジン誘導体などがあるが、これらに限定されない。
ドーパント材料としては、芳香族アミン誘導体、スチリルアミン化合物、ホウ素錯体、フルオランテン化合物、金属錯体などがある。具体的に、芳香族アミン誘導体としては、置換または非置換のアリールアミノ基を有する縮合芳香族環誘導体であって、アリールアミノ基を有するピレン、アントラセン、クリセン、ペリフランテンなどがあり、スチリルアミン化合物としては、置換または非置換のアリールアミンに少なくとも1つのアリールビニル基が置換されている化合物で、アリール基、シリル基、アルキル基、シクロアルキル基およびアリールアミノ基からなる群で1または2以上選択される置換基が置換または非置換される。具体的にスチリルアミン、スチリルジアミン、スチリルトリアミン、スチリルテトラアミンなどがあるが、これらに限定されない。また、金属錯体としては、イリジウム錯体、白金錯体などがあるが、これらに限定されない。
前記電子注入および輸送層は、電極から電子を注入して、受け取った電子を発光層まで輸送する電子輸送層および電子注入層の役割を同時に行う層で、前記発光層または前記電子調節層上に形成される。このような電子注入および輸送物質としては、負極からの電子注入を良好に受けて発光層に移すことができる物質であって、電子に対する移動性が大きい物質が適する。具体的な電子注入および輸送物質の例としては、8-ヒドロキシキノリンのAl錯体;Alqを含む錯体;有機ラジカル化合物;ヒドロキシフラボン-金属錯体;トリアジン誘導体などがあるが、これらにだけ限定されるものではない。または、LiF、NaF、NaCl、CsF、LiO、BaO、フルオレノン、アントラキノジメタン、ジフェノキノン、チオピランジオキシド、オキサゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、イミダゾール、ペリレンテトラカルボン酸、フルオレニリデンメタン、アントロンなどとそれらの誘導体、金属錯体化合物、または、窒素含有5員環誘導体などを使用してもよいが、これらに限定されない。
前記金属錯体化合物としては、8-ヒドロキシキノリナトリチウム、ビス(8-ヒドロキシキノリナト)亜鉛、ビス(8-ヒドロキシキノリナト)銅、ビス(8-ヒドロキシキノリナト)マンガン、トリス(8-ヒドロキシキノリナト)アルミニウム、トリス(2-メチル-8-ヒドロキシキノリナト)アルミニウム、トリス(8-ヒドロキシキノリナト)ガリウム、ビス(10-ヒドロキシベンゾ[h]キノリナト)ベリリウム、ビス(10-ヒドロキシベンゾ[h]キノリナト)亜鉛、ビス(2-メチル-8-キノリナト)クロロガリウム、ビス(2-メチル-8-キノリナト)(o-クレゾラト)ガリウム、ビス(2-メチル-8-キノリナト)(1-ナフトラト)アルミニウム、ビス(2-メチル-8-キノリナト)(2-ナフトラト)ガリウムなどがあるが、これらに限定されない。
上述した材料の他にも、前記発光層、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、および電子注入層には、量子ドットなどの無機化合物または高分子化合物を追加で含むことができる。
前記量子ドットは、例えば、コロイド量子ドット、合金量子ドット、コアシェル量子ドット、または、コア量子ドットであってもよい。第2族および第16族に属する元素、第13族および第15族に属する元素、第13族および第17族に属する元素、第11族および第17族に属する元素、または、第14族および第15族に属する元素を含む量子ドットであり、カドミウム(Cd)、セレニウム(Se)、亜鉛(Zn)、硫黄(S)、リン(P)、インジウム(In)、テルリウム(Te)、鉛(Pb)、ガリウム(Ga)、ヒ素(As)などの元素を含む量子ドットが使用される。
本発明に係る有機発光素子は、背面発光(bottom emission)素子、前面発光(top emission)素子、または、両面発光素子であってもよく、特に相対的に高い発光効率が要求される背面発光素子であり得る。
また、本発明に係る化合物は、有機発光素子の他にも有機太陽電池または有機トランジスターに含まれることができる。
前記化学式1で表される化合物およびこれを含む有機発光素子の製造は、以下実施例で具体的に説明する。しかし、実施例は、本発明を例示するためのものであり、本発明の範囲がそれらによって限定されるものではない。
[実施例]
実施例1:化合物1の製造
化合物1-a(1.0eq.)、NaOt-Bu(4eq.)、および化合物1-b(1.05eq.)を丸底フラスコに入れて無水トルエン(0.1M)に溶解させた。Bath温度100℃下で、Pd(t-BuP)(5mol%)を滴加して2時間攪拌した。反応後、反応物を常温で冷やしてCHClで十分に希釈した後、CHCl/brineで水洗して有機層を分離した。MgSOで水を除去して、Celite-Florisil-Silica padに通過させた。通過した溶液を減圧下で濃縮させた後、カラムクロマトグラフィーで精製して化合物1-c(76%収率)を製造した。
化合物1-d(1.0eq.)、NaOt-Bu(4eq.)、および化合物1-c(1.05eq.)を丸底フラスコに入れて無水トルエン(0.1M)に溶解させた。Bath温度120℃下でPd(t-BuP)(5mol%)を滴加して4時間攪拌した。反応後、反応物を常温で冷やしてCHClで十分に希釈した後、CHCl/brineで水洗して有機層を分離した。MgSOで水を除去して、Celite-Florisil-Silica padに通過させた。通過した溶液を減圧下で濃縮させた後、カラムクロマトグラフィーで精製して化合物1-e(81%収率)を製造した。
化合物1-f(1.0eq.)、NaOt-Bu(4eq.)、および化合物1-g(1.05eq.)を丸底フラスコに入れて無水トルエン(0.1M)に溶解させた。Bath温度100℃下でPd(t-BuP)(5mol%)を滴加して2時間攪拌した。反応後、反応物を常温で冷やしてCHClで十分に希釈した後、CHCl/brineで水洗して有機層を分離した。MgSOで水を除去して、Celite-Florisil-Silica padに通過させた。通過した溶液を減圧下で濃縮させた後、カラムクロマトグラフィーで精製して化合物1-h(82%収率)を製造した。
化合物1-h(1.0eq.)、NaOt-Bu(4eq.)、および化合物1-e(1.05eq.)を丸底フラスコに入れて無水トルエン(0.1M)に溶解させた。Bath温度120℃下でPd(t-BuP)(5mol%)を滴加して一晩攪拌した。反応後、反応物を常温で冷やしてCHClで十分に希釈した後、CHCl/brineで水洗して有機層を分離した。MgSOで水を除去して、Celite-Florisil-Silica padに通過させた。通過した溶液を減圧下で濃縮させた後、カラムクロマトグラフィーで精製して化合物1-i(73%収率)を製造した。
化合物1-i(1.0eq.)を丸底フラスコに入れて無水トルエン(0.03M)に溶解させた。反応物にBI(2.0eq.)をゆっくり滴加してbath温度80℃下で一晩攪拌した。反応後、反応物を常温で十分に冷やしてCHClで希釈した。反応物にEtNi-Pr(15.0eq.)とsat.Na(aq.)を順に滴加して、CHCl/HOで水洗して有機層を分離した。MgSOで水を除去して、Celite-Florisil-Silica padに通過させた。通過した溶液を減圧下で濃縮させた後、カラムクロマトグラフィーで精製して化合物1(78%収率)を製造した。
m/z[M+H]805.6
実施例2:化合物2の製造
化合物1-fの代わりに化合物2-aを使用したことを除いては、前記化合物1の製造方法と同じ方法で化合物2を製造した。
m/z[M+H]757.5
実施例3:化合物3の製造
化合物1-gの代わりに化合物3-aを使用したことを除いては、前記化合物1の製造方法と同じ方法で化合物3を製造した。
m/z[M+H]731.4
実施例4:化合物4の製造
化合物1-aの代わりに化合物4-aを使用したことを除いては、前記化合物1の製造方法と同じ方法で化合物4を製造した。
m/z[M+H]821.3
実施例5:化合物5の製造
化合物1-hの代わりに化合物2-cを使用したことを除いては、前記化合物4の製造方法と同じ方法で化合物5を製造した。
m/z[M+H]773.5
実施例6:化合物6の製造
化合物1-hの代わりに化合物3-bを使用したことを除いては、前記化合物4の製造方法と同じ方法で化合物6を製造した。
m/z[M+H]747.4
実施例7:化合物7の製造
化合物1-aの代わりに化合物7-aを使用したことを除いては、前記化合物1の製造方法と同じ方法で化合物7を製造した。
m/z[M+H]805.6
実施例8:化合物8の製造
化合物1-aの代わりに化合物8-aを使用したことを除いては、前記化合物1の製造方法と同じ方法で化合物8を製造した。
m/z[M+H]821.7
実施例9:化合物9の製造
化合物2-a(1.0eq.)、NaOt-Bu(4eq.)、および化合物9-a(1.05eq.)を丸底フラスコに入れて無水トルエン(0.1M)に溶解させた。Bath温度100℃下でPd(t-BuP)(5mol%)を滴加して2時間攪拌した。反応後、反応物を常温で冷やしてCHClで十分に希釈した後、CHCl/brineで水洗して有機層を分離した。MgSOで水を除去して、Celite-Florisil-Silica padに通過させた。通過した溶液を減圧下で濃縮させた後、カラムクロマトグラフィーで精製して化合物9-b(87%収率)を製造した。
化合物9-c(1.0eq.)、NaOt-Bu(4eq.)、および化合物9-b(1.05eq.)を丸底フラスコに入れて無水トルエン(0.1M)に溶解させた。Bath温度100℃下でPd(t-BuP)(5mol%)を滴加して一晩攪拌した。反応後、反応物を常温で冷やしてCHClで十分に希釈した後、CHCl/brineで水洗して有機層を分離した。MgSOで水を除去して、Celite-Florisil-Silica padに通過させた。通過した溶液を減圧下で濃縮させた後、カラムクロマトグラフィーで精製して化合物9-d(73%収率)を製造した。
化合物9-d(1.0eq.)を丸底フラスコに入れて無水トルエン(0.03M)に溶解させた。反応物にBI(2.0eq.)をゆっくり滴加してbath温度80℃下で一晩攪拌した。反応後、反応物を常温で十分に冷やしてCHClで希釈した。反応物にEtNi-Pr(15.0eq.)とsat.Na(aq.)を順に滴加して、CHCl/H2Oで水洗して有機層を分離した。MgSOで水を除去して、Celite-Florisil-Silica padに通過させた。通過した溶液を減圧下で濃縮させた後、カラムクロマトグラフィーで精製して化合物9(76%収率)を製造した。
m/z[M+H]799.5
実施例10:化合物10の製造
化合物9-aの代わりに化合物10-aを使用したことを除いては、前記化合物9の製造方法と同じ方法で化合物10を製造した。
m/z[M+H]831.5
実施例11:化合物11の製造
化合物1-fの代わりに化合物11-aを使用したことを除いては、前記化合物1の製造方法と同じ方法で化合物11を製造した。
m/z[M+H]791.5
実施例12:化合物12の製造
化合物1-fの代わりに化合物12-aを使用したことを除いては、前記化合物1の製造方法と同じ方法で化合物12を製造した。
m/z[M+H]819.6
実施例13:化合物13の製造
化合物9-cの代わりに化合物13-aを使用したことを除いては、前記化合物9の製造方法と同じ方法で化合物13を製造した。
m/z[M+H]841.5
[比較例]
比較例1:比較化合物Fの製造
化合物1-d(1.0eq.)、NaOt-Bu(4.0eq.)、および化合物F-a(2.05eq.)を丸底フラスコに入れて無水トルエン(0.1M)に溶解させた。Bath温度120℃下でPd(t-BuP)(5mol%)を滴加して一晩攪拌した。反応後、反応物を常温で冷やしてCHClで十分に希釈した後、CHCl/brineで水洗して有機層を分離した。MgSOで水を除去して、Celite-Florisil-Silica padに通過させた。通過した溶液を減圧下で濃縮させた後、カラムクロマトグラフィーで精製して化合物F-b(75%収率)を製造した。
化合物F-b(1.0eq.)を丸底フラスコに入れて無水トルエン(0.03M)に溶解させた。反応物にBI(2.0eq.)をゆっくり滴加してbath温度80℃下で一晩攪拌した。反応後、反応物を常温で十分に冷やしてCHClで希釈した。反応物にEtNi-Pr(15.0eq.)とsat.Na(aq.)を順に滴加して、CHCl/H2Oで水洗して有機層を分離した。MgSOで水を除去して、Celite-Florisil-Silica padに通過させた。通過した溶液を減圧下で濃縮させた後、カラムクロマトグラフィーで精製して化合物F(87%収率)を製造した。
m/z[M+H]=659.6
比較例2:比較化合物Gの製造
化合物F-aの代わりに化合物G-aを使用したことを除いては、比較例1の製造方法と同じ方法で化合物Gを製造した。
m/z[M+H]=659.5
比較例3:比較化合物Hの製造
化合物H-a(1.0eq.)、NaOt-Bu(4.0eq.)、および化合物H-b(1.05eq.)を丸底フラスコに入れて無水トルエン(0.1M)に溶解させた。Bath温度120℃下でPd(t-BuP)(5mol%)を滴加して一晩攪拌した。反応後、反応物を常温で冷やしてCHClで十分に希釈した後、CHCl/brineで水洗して有機層を分離した。MgSOで水を除去して、Celite-Florisil-Silica padに通過させた。通過した溶液を減圧下で濃縮させた後、カラムクロマトグラフィーで精製して化合物H-c(79%収率)を製造した。
化合物H-c(1.0eq.)を丸底フラスコに入れて無水トルエン(0.03M)に溶解させた。反応物にBI(2.0eq.)をゆっくり滴加してbath温度80℃下で一晩攪拌した。反応後、反応物を常温で十分に冷やしてCHClで希釈した。反応物にEtNi-Pr(15.0eq.)とsat.Na(aq.)を順に滴加して、CHCl/H2Oで水洗して有機層を分離した。MgSOで水を除去して、Celite-Florisil-Silica padに通過させた。通過した溶液を減圧下で濃縮させた後、カラムクロマトグラフィーで精製して化合物H(73%収率)を製造した。
m/z[M+H]=725.5
[実験例]
実験例1
ITO(indium tin oxide)が500Åの厚さで薄膜コーティングされたガラス基板を洗剤を溶かした蒸溜水に入れて超音波で洗浄した。この時、洗剤ではフィッシャー社(Fischer Co.)製品を使用し、蒸溜水にはミリポア社(Millipore Co.)製品のフィルター(Filter)で2次ろ過した蒸留水を使用した。ITOを30分間洗浄した後、蒸溜水で2回繰り返して超音波洗浄を10分間行った。蒸溜水洗浄が終わった後、イソプロピル、アセトンの溶剤で超音波洗浄をして乾燥させた後、前記基板を5分間洗浄した後、グローブボックスに基板を輸送させた。
前記ITO透明電極の上に、下記化合物Oおよび化合物P(2:8の重量比)を20wt/v%でシクロヘキサノンに溶かしたコーティング組成物をスピンコーティング(4000rpm)し、200℃で30分間熱処理(硬化)して400Åの厚さで正孔注入層を形成した。前記正孔注入層の上に下記化合物Q(Mn:27,900;Mw:35,600;Agilent 1200 seriesを利用してPCスタンダード(Standard)を利用したGPCで測定)を6wt/v%でトルエンに溶かしたコーティング組成物をスピンコーティング(4000rpm)し、200℃で30分間熱処理して200Åの厚さの正孔輸送層を形成した。前記正孔輸送層の上に先に製造した化合物1と下記化合物R(2:98の重量比)を2wt/v%でシクロヘキサノンに溶かしたコーティング組成物をスピンコーティング(4000rpm)し、180℃で30分間熱処理して400Åの厚さで発光層を形成した。
真空蒸着機に移送した後、前記発光層の上に下記化合物Sを350Åの厚さで真空蒸着して電子注入および輸送層を形成した。前記電子注入および輸送層の上に順次10Åの厚さでLiFと1000Åの厚さでアルミニウムを蒸着してカソードを形成した。
前記の過程で有機物の蒸着速度は0.4~0.7Å/secを維持し、LiFは0.3Å/sec、アルミニウムは2Å/secの蒸着速度を維持し、蒸着時真空度は2*10-7~5×10-8torrを維持した。
実験例2~12
発光層のドーパントとして化合物1の代わりに下記表1に記載された化合物を使用したことを除いては、前記実験例1と同じ方法で有機発光素子を製造した。
比較実験例1~3
発光層のドーパントとして化合物1の代わりに下記表1に記載された化合物を使用したことを除いては、前記実験例1と同じ方法で有機発光素子を製造した。
前記実験例および比較実験例で製造した有機発光素子に電流を印加した時、10mA/cmの電流密度での駆動電圧、外部量子効率(external quantum efficiency,EQE)および寿命を測定した結果を下記表1に示した。この時、外部量子効率(EQE)は、「(放出された光子数)/(注入された電荷運搬体数)×100」で求め、T90は輝度が初期輝度(500nit)から90%に減少するのにかかる時間を意味する。
前記表1に示された通り、本発明の化合物を発光層に含む有機発光素子は、有機発光素子の効率、駆動電圧および寿命面で優秀な特性を示した。
1・・・基板
2・・・正極
3・・・発光層
4・・・負極
5・・・正孔注入層
6・・・正孔輸送層
7・・・発光層
8・・・電子注入および輸送層

Claims (11)

  1. 下記化学式1で表される化合物:
    前記化学式1中、
    Arは、隣接した二つの環と縮環したフラン、またはチオフェンであり、
    Arは、隣接した環と縮環したベンゼン、ベンゾフラン、またはベンゾチオフェンであり、
    は、それぞれ独立して、水素、重水素、置換または非置換の炭素数1~60のアルキル、置換または非置換の炭素数6~60のアリールであるか、または、隣接した二つのRが互いに結合して-O-(CH-O-を形成し、ここでmは1~4の整数であり;
    は、水素、重水素、または、置換または非置換の炭素数1~60のアルキルであり、
    は、水素、重水素、または、置換または非置換の炭素数1~60のアルキルであり、
    但し、前記化学式1は、隣接した二つのRが互いに結合して形成された-O-(CH-O-を一つ以上含む。
  2. 前記化学式1は、下記化学式1-1~1-4のいずれか一つで表される、請求項1に記載の化合物:
    前記化学式1-1~1-4中、
    ArおよびR~Rは、請求項1で定義した通りである。
  3. は、それぞれ独立して、水素、重水素、炭素数1~10のアルキル、または、炭素数6~20のアリールであるか、または、隣接した二つのRが互いに結合して、
    または、
    を形成する、請求項1に記載の化合物。
  4. は、それぞれ独立して、水素、重水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert-ブチル、またはフェニルであるか、または、隣接した二つのRが互いに結合して、
    または、
    を形成する、請求項1に記載の化合物。
  5. は、水素、重水素、または、炭素数1~10のアルキルである、請求項1に記載の化合物。
  6. は、水素、重水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、またはtert-ブチルである、請求項1に記載の化合物。
  7. は、水素、重水素、または、炭素数1~10のアルキルである、請求項1に記載の化合物。
  8. は、水素、重水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、またはtert-ブチルである、請求項1に記載の化合物。
  9. 前記化学式1で表される化合物は、下記で構成される群から選択されるいずれか一つである、請求項1に記載の化合物:
  10. 第1電極;前記第1電極と対向して備えられた第2電極;および前記第1電極と前記第2電極との間に備えられた1層以上の有機物層を含む有機発光素子であって、前記有機物層のうち1層以上は、請求項1~9のいずれか一つに記載の化合物を含むものである、有機発光素子。
  11. 前記化合物を含む有機物層は、発光層である、請求項10に記載の有機発光素子。
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